JP2014074953A - 省エネルギー性能評価システム、省エネルギー性能評価方法及び省エネルギー性能評価プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】評価システム20の制御部21は、入力部11を介して、評価対象の集合住宅の入力条件を取得し、この入力条件を用いて、平均床面積を算出し、断熱材の熱伝導率や基準熱損失係数等の係数を特定する。次に、入力条件及び熱伝導率等から熱貫流率を算出し、この熱貫流率と平均床面積等を用いて、熱損失係数及び夏期日射取得係数を算出する。そして、算出した熱損失係数を用いて冷暖房負荷を算出し、この冷暖房負荷を用いて省エネ等級に対応する冷暖房負荷からの差分量を算出して、1戸におけるCO2削減量を算出し、このCO2削減量に対して戸数を乗算することにより、集合住宅全体のCO2削減量を算出し、出力部12に出力する。
【選択図】図1
Description
請求項1,5,6に記載の発明によれば、制御部は、入力部から、集合住宅の地域区分、集合住宅の床面積、戸数、階高、外壁周長、開口部の開口面積を含む入力条件を取得する。制御部は、入力部において指定された集合住宅に使用される断熱材について、熱伝導率記憶手段から熱伝導率を特定し、この熱伝導率と集合住宅の構成に応じた集合住宅の外壁、屋根、床下、開口部及び熱橋部の熱貫流率を特定し、熱貫流率と、取得した入力条件とを用いて、1戸における熱損失係数を算出する。制御部は、デグリーデーデータ記憶部から地域区分に対応した冷房デグリーデー及び暖房デグリーデーを取得し、これらデグリーデーと算出した熱損失係数とを用いて冷暖房負荷を算出し、冷暖房負荷と、集合住宅の戸数とを乗算した評価値を、集合住宅全体の省エネルギー性能として算出し、評価値を出力部に出力する。これにより、1戸における熱損失係数を用いて冷暖房負荷を算出し、この算出した冷暖房負荷と集合住宅の戸数とを乗算した評価値によって、集合住宅全体の省エネルギー性能を算出するので、効率的に省エネルギー性能の定量評価を行なうことができる。
平均床面積算出手段211は、入力された専用部合計床面積と住戸数を用いて、平均床面積を算出する処理を実行する。
熱貫流率算出手段213は、選択された断熱材種別、断熱材厚、開口部のガラス仕様を用いて、熱貫流率を算出する処理を実行する。このため、熱貫流率算出手段213は、外壁、屋根、床下、外壁熱橋部、梁型熱橋部、開口部の熱貫流率を、それぞれ算出するための算出式を記憶している。
CO2削減量算出手段217は、集合住宅全体のCO2削減量と、戸当たり平均CO2削減量とを算出する処理を実行し、冷暖房負荷データ記憶部30に記憶する。
出力表示手段218は、出力手段として機能し、算出したCO2削減量を、冷暖房負荷データ記憶部30から取得し、出力部12に表示する処理を実行する。
基準熱損失係数テーブル234は、地域区分と、省エネ等級とに関連付けて、基準熱損失係数が記録されている。
冷房デグリーデーデータ領域には、この地域の冷房デグリーデー(外気温と冷房設定温度との差と、時間の積分値との積)に関するデータが記録されている。
暖房デグリーデーデータ領域には、この地域の暖房デグリーデー(外気温と暖房設定温度との差と、時間の積分値との積)に関するデータが記録されている。
省エネルギー対策等級データ領域には、省エネルギー評価のために比較する対策等級に関するデータが記録される。
空調COPデータ領域には、この集合住宅に用いられる空調機器の成績係数(COP:空調時に作り出される熱・冷熱量について、消費電力量に対する割合)に関するデータが記録される。
主開口の向きデータ領域には、この集合住宅の主開口の向き(方位)に関するデータが記録される。
屋根断熱材種別データ領域には、屋根に用いられる断熱材の種類を特定する識別子に関するデータが記録される。
外壁断熱材種別データ領域、床断熱材種別データ領域データ領域には、それぞれ、外壁、床に使用される断熱材の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。
日射遮蔽物種別データ領域には、開口部における日射遮蔽物の仕様の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。
住戸数データ領域には、この集合住宅の住戸数に関するデータが記録される。本実施形態では、この集合住宅の総戸数に関するデータが記録される。
外壁周長データ領域には、この集合住宅において、1戸当たりの平均の外壁周長に関するデータが記録される。
庇出寸法データ領域には、開口部の上方に設けられた庇が外に延在している方向の寸法に関するデータが記録される。本実施形態では、この庇出寸法は、庇(バルコニーや開口部の上部に設けられた庇)の幅である。
庇と窓との距離データ領域には、庇と開口部(窓)との距離に関するデータが記録される。
窓の高さデータ領域には、この開口部(窓)の高さに関するデータが記録される。
断熱材の熱伝導率データ領域には、この集合住宅に使用される断熱材の熱伝導率に関するデータが記録される。
開口部日射侵入率データ領域には、この集合住宅の開口部のガラス仕様及び開口部の日射遮蔽物の有無や種類等により、住宅への日射を遮る効果を示す係数に関するデータが記録される。
基準熱損失係数データ領域には、この集合住宅の省エネルギー性能と対比する省エネルギー等級(省エネ等級)の基準熱損失係数に関するデータが記録される。
換気熱損失量データ領域には、換気による熱損失量に関するデータが記録される。
熱損失係数データ領域には、熱損失量合計と平均床面積から算出された1戸における熱損失係数Qに関するデータが記録される。
日射侵入率データ領域には、日射侵入率に関するデータが記録される。
夏期日射取得係数データ領域には、夏期日射取得係数μに関するデータが記録される。
冷房負荷データ領域、冷房CO2排出量データ領域には、それぞれ、冷房負荷、この冷房負荷を換算したCO2排出量に関するデータが記録される。
冷暖房負荷データ領域、冷暖房CO2排出量データ領域には、それぞれ、冷暖房負荷、この冷暖房負荷を換算したCO2排出量に関するデータが記録される。
合計CO2削減量データ領域には、集合住宅全体のCO2削減量に関するデータが記録される。
1戸当たりのCO2削減量データ領域には、集合住宅の1戸当たりのCO2削減量に関するデータが記録される。
入力条件取得手段210は、前提条件及び住戸条件等の入力条件を取得するための入力画面を出力部12に出力し、入力部11を用いて、選択された項目や入力された値(入力値)を取得する。ここで、入力画面において、処理の前提条件として、この集合住宅が建設される気候特性(地域区分)、標準仕様(対比する省エネルギー対策等級)及びCO2原単位がそれぞれ選択され、空調COP、最上階及び最下階の戸数がそれぞれ入力される。
係数特定手段212は、断熱材の熱伝導率、方位係数、補正係数fc、開口部の日射侵入率η0、基準熱損失係数を特定する。
また、方位係数については、地域区分と主開口の向き(方位)と、方位係数テーブル231とを用いて特定する。
基準熱損失係数については、地域区分と、省エネ等級と、基準熱損失係数テーブル234とを用いて特定する。
そして、係数特定手段212は、特定した係数を設定データ記憶部26に記憶する。
そして、熱貫流率算出手段213は、算出した各熱貫流率を熱貫流率データ記憶部27に記憶する。
この場合、熱損失係数算出手段214は、まず、熱貫流率データ記憶部27に記憶された各熱貫流率を用いて、屋根、床下、外壁、開口部、外壁熱橋部、下梁熱橋部、上梁熱橋部の各熱損失量と、換気熱損失量とを算出する。具体的には、屋根の熱損失量については、屋根の熱貫流率と平均床面積とを乗算することにより算出する。床下の熱損失量については、床下の熱貫流率と平均床面積とを乗算することにより算出する。外壁の熱損失量については、外壁周長と階高とを乗算し、これから開口面積を減算した値に、外壁の熱貫流率を乗算することにより算出する。開口部の熱損失量については、開口部の熱貫流率と開口面積とを乗算することにより算出する。外壁熱橋部の熱損失量については、階高と、外壁熱橋部の熱貫流率と、外壁断熱材厚の半分の値とを乗算することにより算出する。下梁熱橋部の熱損失量については、外壁周長と、梁型熱橋部の熱貫流率と、スラブ厚の半分の値とを乗算することにより算出し、上梁熱橋部の熱損失量を、下梁熱橋部の熱損失量の半分の値として算出する。換気熱損失量については、天井高と、平均床面積と、空気の比熱と、換気回数とを乗算することにより算出する。本実施形態では、換気回数として「0.5」を用いる。
そして、夏期日射取得係数算出手段215は、算出した最上階、中間階、最下階の夏期日射取得係数μを日射侵入率データ記憶部29に記録する。
(1)本実施形態では、評価システム20の制御部21は、入力部11を介して、評価対象の集合住宅の入力条件を取得し、この入力条件を用いて、平均床面積を算出し、断熱材の熱伝導率や基準熱損失係数等の係数を特定する。制御部21は、入力条件及び熱伝導率等から熱貫流率を算出し、この熱貫流率と平均床面積等を用いて、熱損失係数Q及び夏期日射取得係数μを算出する。制御部21は、算出した熱損失係数Qを用いて冷暖房負荷を算出し、この冷暖房負荷を用いて省エネ等級に対応する冷暖房負荷からの差分量を算出して、1戸におけるCO2削減量を算出し、このCO2削減量に戸数を乗算することにより、集合住宅全体のCO2削減量を算出して、出力部12に出力する。これにより、平均床面積を用いて、各戸におけるCO2削減量を効率的に定量評価することができる。また、省エネ等級に対応する冷暖房負荷からの差分量に対応するCO2削減量を用いて評価するので、省エネルギー性能を、より的確に定量評価することができる。
・ 上記実施形態においては、評価システム20の制御部21は、入力画面に含まれる項目表示欄510を用いて、1戸当たりの平均の外壁周長を取得した。外壁周長は、入力に代えて、集合住宅の長さ及び床面積等から算出しても取得してもよい。
Claims (6)
- 断熱材種別に応じて熱伝導率を記憶している熱伝導率記憶手段と、
集合住宅が建設される地域区分と、冷房負荷及び暖房負荷とを関連付けて記憶したデグリーデーデータ記憶部と、
入力条件を取得する入力部と、
評価結果を出力する出力部とに接続され、
集合住宅の省エネルギー性能を評価する制御部を備えたシステムであって、
前記制御部は、
前記入力部から、集合住宅の地域区分、集合住宅の床面積、戸数、階高、外壁周長、開口部の開口面積を含む入力条件を取得する条件取得手段と、
前記入力部において指定された集合住宅に使用される断熱材について、前記熱伝導率記憶手段から熱伝導率を特定し、この熱伝導率と集合住宅の構成に応じた集合住宅の外壁、屋根、床下、開口部及び熱橋部の熱貫流率を特定し、
前記熱貫流率と、取得した入力条件とを用いて、1戸における熱損失係数を算出する熱損失係数算出手段と、
前記デグリーデーデータ記憶部から前記地域区分に対応した冷房デグリーデー及び暖房デグリーデーを取得し、これらデグリーデーと前記算出した熱損失係数とを用いて冷暖房負荷を算出し、前記冷暖房負荷と、前記集合住宅の戸数とを乗算した評価値を、集合住宅全体の省エネルギー性能として算出する性能評価手段と、
前記評価値を前記出力部に出力する出力手段と
を備えたことを特徴とする省エネルギー性能評価システム。 - 前記条件取得手段は、最上階及び最下階の戸数を取得するとともに、集合住宅の床面積及び戸数として、集合住宅の全体床面積及び総戸数を特定し、
前記制御部は、前記集合住宅の専用床面積全体を総戸数で除算することにより、平均床面積を算出する手段を更に備え、
前記熱損失係数算出手段は、前記平均床面積を用いて、最上階、中間階及び最下階別の熱損失係数を算出し、
前記性能評価手段は、
算出した最上階、中間階及び最下階別の熱損失係数を用いて、最上階、中間階及び最下階別の冷暖房負荷を算出し、
前記総戸数から前記最上階及び前記最下階の戸数を減算することにより中間階の戸数を算出し、
算出した最上階、中間階及び最下階別の冷暖房負荷のそれぞれに、最上階の戸数、中間階の戸数及び最下階の戸数を乗算して、これらを加算した値を算出することにより、前記集合住宅全体の省エネルギー性能を評価することを特徴とする請求項1に記載の省エネルギー性能評価システム。 - 前記制御部は、省エネルギー対策等級毎の熱損失係数を記憶している基準熱損失係数記憶部に更に接続されており、
前記条件取得手段は、比較する省エネルギー対策等級を取得して、この省エネルギー対策等級に応じた基準熱損失係数を、基準熱損失係数記憶部から取得し、
前記性能評価手段は、集合住宅の熱損失係数と、特定した基準熱損失係数とを用いて、集合住宅の省エネルギー性能を、省エネルギー対策からの差分量で評価することを特徴とする請求項1又は2に記載の省エネルギー性能評価システム。 - 前記制御部は、
集合住宅の主開口の方位と集合住宅の地域とに関連付けられた方位係数を記憶している方位係数データ記憶部と、
庇出寸法、庇と窓の距離及び窓の高さから算出する計算値、地域及び主開口の方位に関連付けられている補正係数を記憶している補正係数データ記憶部と、
開口部のガラス仕様と日射遮蔽物種別とに関連付けられた開口部の日射侵入率を記憶している開口部日射侵入率データ記憶部とに更に接続され、
前記条件取得手段は、集合住宅の主開口の方位、庇出寸法、庇と窓の距離及び窓の高さ、開口部のガラス仕様及び日射遮蔽物種別を更に取得し、
前記制御部は、
取得した主開口の方向と地域から方位係数データ記憶部において方位係数を特定し、
取得した庇出寸法、庇と窓の距離、窓の高さ、地域及び主開口の方位から、補正係数データ記憶部において補正係数を特定し、
取得した開口部のガラス仕様及び日射遮蔽物種別から、開口部日射侵入率データ記憶部において開口部の日射侵入率を特定する係数特定手段を更に備え、
前記性能評価手段は、前記特定した方位係数、補正係数及び開口部の日射侵入率を用いて、夏期日射取得係数を更に算出し、
前記出力手段は、集合住宅全体の省エネルギー性能として、前記夏期日射取得係数も含めて出力部に出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の省エネルギー性能評価システム。 - 断熱材種別に応じて熱伝導率を記憶している熱伝導率記憶手段と、
集合住宅が建設される地域区分と、冷房負荷及び暖房負荷とを関連付けて記憶したデグリーデーデータ記憶部と、
入力条件を取得する入力部と、
評価結果を出力する出力部とに接続され、
制御部を備えた省エネルギー性能評価システムを用いて、集合住宅の省エネルギー性能を評価する方法であって、
前記制御部は、
前記入力部から、集合住宅の地域区分、集合住宅の床面積、戸数、階高、外壁周長、開口部の開口面積を含む入力条件を取得する条件取得段階と、
前記入力部において指定された集合住宅に使用される断熱材について、前記熱伝導率記憶手段から熱伝導率を特定し、この熱伝導率と集合住宅の構成に応じた集合住宅の外壁、屋根、床下、開口部及び熱橋部の熱貫流率を特定し、
前記熱貫流率と、取得した入力条件とを用いて、1戸における熱損失係数を算出する熱損失係数算出段階と、
前記デグリーデーデータ記憶部から前記地域区分に対応した冷房デグリーデー及び暖房デグリーデーを取得し、これらデグリーデーと前記算出した熱損失係数とを用いて冷暖房負荷を算出し、前記冷暖房負荷と、前記集合住宅の戸数とを乗算した評価値を、集合住宅全体の省エネルギー性能として算出する性能評価段階と、
前記評価値を前記出力部に出力する出力段階と
を実行することを特徴とする省エネルギー性能評価方法。 - 断熱材種別に応じて熱伝導率を記憶している熱伝導率記憶手段と、
集合住宅が建設される地域区分と、冷房負荷及び暖房負荷とを関連付けて記憶したデグリーデーデータ記憶部と、
入力条件を取得する入力部と、
評価結果を出力する出力部とに接続され、
制御部を備えた省エネルギー性能評価システムを用いて、集合住宅の省エネルギー性能を評価するプログラムであって、
前記制御部を、
前記入力部から、集合住宅の地域区分、集合住宅の床面積、戸数、階高、外壁周長、開口部の開口面積を含む入力条件を取得する条件取得手段、
前記入力部において指定された集合住宅に使用される断熱材について、前記熱伝導率記憶手段から熱伝導率を特定し、この熱伝導率と集合住宅の構成に応じた集合住宅の外壁、屋根、床下、開口部及び熱橋部の熱貫流率を特定し、
前記熱貫流率と、取得した入力条件とを用いて、1戸における熱損失係数を算出する熱損失係数算出手段、
前記デグリーデーデータ記憶部から前記地域区分に対応した冷房デグリーデー及び暖房デグリーデーを取得し、これらデグリーデーと前記算出した熱損失係数とを用いて冷暖房負荷を算出し、前記冷暖房負荷と、前記集合住宅の戸数とを乗算した評価値を、集合住宅全体の省エネルギー性能として算出する性能評価手段、及び
前記評価値を前記出力部に出力する出力手段
として機能させることを特徴とする省エネルギー性能評価プログラム。
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