JP2015196195A - 被加工材を加工するプレス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の製造精度及び信頼性が向上されているようにプレス装置を改良する。
【解決手段】下側工具ユニット13と、下側工具ユニットに対して移動可能な上側工具ユニット8と、を備え、上側工具ユニットは、加工すべき被加工材18を下側工具ユニットに対して押えることが可能なラム部分21を有する押え装置20を有し、下側工具ユニットは、加工すべき被加工材を上側工具ユニットの工具部分9に対して逆押えすることが可能な別のラム部分25を有する逆押え装置24を有し、ラム部分21,25は、それぞれ、駆動装置23,27により上側工具ユニット及び/又は下側工具ユニットに対して変位可能であるプレス装置において、逆押え装置及び/又は押え装置は、それぞれの駆動装置がそれぞれのラム速度に加速できるそれぞれの駆動装置の加速期を埋めるブリッジ手段50を有するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、被加工材を加工するプレス装置、特にトッグルレバー式プレス(Kniehebelpresse)あるいはナックルプレスであって、下側工具ユニットと、下側工具ユニットに対して移動可能な上側工具ユニットと、を備え、上側工具ユニットは、加工すべき被加工材を下側工具ユニットに対して押えることが可能なラム部分を有する押え装置を有し、下側工具ユニットは、加工すべき被加工材を上側工具ユニットの工具部分に対して逆押えすることが可能な別のラム部分を有する逆押え装置を有し、ラム部分は、それぞれ、駆動装置により上側工具ユニット及び/又は下側工具ユニットに対して変位可能であるプレス装置に関する。
前提部に記載のプレス装置は、従来技術において公知である。幾つかの二次成形プロセス、例えば精密切断において、被加工材を精密に加工するためには、押え(Niederhalter)及び逆押え(Gegenhalter)が必要である。一般に押えは、ラム部分として上側工具ユニット内に存在し、二次成形プロセスの際には、二次成形プロセス時に発生する圧縮応力及び引っ張り応力に対抗するために、被加工材の二次成形すべき材料に面一に載置される。一般に逆押えは、別のラム部分として二次成形すべき材料の直下に存在している。逆押えは、全二次成形プロセス中、管理された二次成形プロセスを保証するために、できる限り一定の力で、上方から来る切断パンチに対してほぼ停止している。二次成形プロセスに続いて、逆押えあるいはこれに関する別のラム部分は、切断されたパーツのためのエジェクタとして用いられることができる。押え及び逆押えは、機械式に(例えば機械的なばね要素により)、空気圧式に又は液圧式に(例えば空気圧又は液圧により駆動されるばね要素により)構成可能である。
本発明の根底にある課題は、装置の製造精度及び信頼性がさらに向上されているように前提部に記載の装置を改良することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る被加工材を加工するプレス装置、特にトッグルレバー式プレスでは、下側工具ユニットと、下側工具ユニットに対して移動可能な上側工具ユニットと、を備え、上側工具ユニットは、加工すべき被加工材を下側工具ユニットに対して押えることが可能なラム部分を有する押え装置を有し、下側工具ユニットは、加工すべき被加工材を上側工具ユニットの工具部分に対して逆押えすることが可能な別のラム部分を有する逆押え装置を有し、ラム部分は、それぞれ、駆動装置により上側工具ユニット及び/又は下側工具ユニットに対して変位可能であるプレス装置において、逆押え装置及び/又は押え装置は、それぞれの駆動装置がそれぞれのラム速度に加速できるそれぞれの駆動装置の加速期を埋めるブリッジ手段(Ueberbrueckungsmittel:加速期に作用してラム速度に追従するブリッジ手段)を有するようにした。
このようなブリッジ手段により、それぞれのラム部分を、その本来の駆動装置の迂回(バイパス)下で、例えば切断プロセス等の開始時に即座に、これに対応するラム部分の速度に加速させることが可能である。
本発明では、例えば下側工具ユニットの逆押えが、開始から上側工具ユニットあるいはこれに関する切断パンチ等の運動に対して正確に同期的に運動可能である。これにより、製造精度は、大幅に向上可能である。
本発明では、本来の駆動装置のために、それぞれの駆動装置を、例えば駆動装置が逆押えを駆動する前に、やはりそれぞれのラム速度に加速するために、十分大きな時間窓を有した反応時間が提供可能である。
ブリッジ手段が逆押え装置に組み込まれているか、あるいは累積的又は択一的に押え装置に組み込まれていることにより、それぞれのラム部分は、構造的に極めて簡単にその本来の駆動装置によらずにそれぞれの対応するラム部分により加速可能である。
これにより、本発明におけるブリッジ手段により、全体として、切断プロセスの開始時、特に逆押えの運動を上側工具ユニットのラム部分の速度に正確な点で同期させることが可能な駆動部を提供するという本質的な目的が達成されている。
例えば切断動作の実施後、速度が本発明により同期化されたそれぞれのラム部分は、例えばエジェクタ機能を担うことができる。エジェクタ機能は、その行程経過に関して好ましくは自由にプログラミング可能である。
「プレス装置」なる概念は、本発明の意味で、上側工具ユニットが下側工具ユニットに対して又は反対に下側工具ユニットが上側工具ユニットに対して動かされ、これにより被加工材が少なくとも1つの工具により加工され得るあらゆる形態のプレスを指している。このプレス装置がほぼ任意に構成可能であることは、自明である。プレス装置が、トッグルレバー式プレスとして、この場合特にサーボ式トッグルレバー駆動部を有する精密切断/二次成形プレス(Praezisionsschneid− und Umformpresse)として構成されていると、これがしばしば多くの高精度の加工プロセスに関与するものであるので、特に有利である。付加的な利点については、さらに下で、サーボ式トッグルレバー駆動部を有する精密切断/二次成形プレスとして例示的に形成されたプレス装置との関連で詳細に説明する。
「上側工具ユニット」なる概念は、本明細書ではプレステーブルに対して被加工材を加工するために動かされるプレスのプレスラムを指している。
相応に「下側工具ユニット」なる概念は、本明細書ではこれに関するプレスのプレステーブルを指している。
本発明に係るプレス装置において使用される工具あるいは工具部分は、様々な性質のものであってよい。工具あるいは工具部分は、例えば後述するような切断工具であってもよい。
押え装置のラム部分は、押えを有している。相応に逆押え装置の別のラム部分は、逆押えを有している。
逆押え装置とは異なり、上側工具ユニットが下死点を通過しても、押え装置の運動は停止されない。押え装置は、上側工具ユニットの上昇運動中、所定の行程にわたってストリッパとして機能する。はぎ取り中、押え装置の運動は、引き続きラム運動に対して同期的に進行しなければならない。
押え装置あるいは逆押え装置の運転のために、原理的に2つの運転形態、すなわちセットアップ(Einrichten)及びオートマチック(Automatik)が設けられる。マニュアルでのキー入力の他、オペレータは、セットアップモードにおいて、予め入力された目標位置に自動的に、又はプレス位置に合った連結位置にアプローチ可能である。押え装置あるいは逆押え装置は、互いに独立的に移動可能であるが、複数の装置が同時に移動することはない。作動する装置の選択は、ボタンを介して可視化ユニットにより実施される。同様に、目標値の入力後、装置のための適当な移動プロフィールを作成することが可能である。特に逆押え装置のために、入力フィールドを介して所望の機能「逆押え−エジェクト(=1)」又は「エジェクトのみ(=2)」が、ファンクションナンバとして入力可能である。オートマチックモードでは、選択された装置が作動され、カムを介して上側工具ユニットの運動に連結される。セットアップモードにおいて設定された値が有効である。ここでは、複数の装置が一緒に選択され、作動されてもよい。
いずれにせよ、本発明におけるブリッジ手段により、好ましくは、それぞれの駆動装置を適当にラム部分の速度に加速し、これにより時間的にずらして当該駆動装置に対応するラム部分を専ら駆動することができるようにするために必要とされる時間を埋めることができる。
本発明の意味で設けられたブリッジ手段が、多様な形態のブリッジ手段であってもよいことは自明である。しかし、好ましい態様において、ブリッジ手段は、ニューマチック式のばね装置を有している。この種のニューマチック式のばね装置は、構造的に単純に下側工具ユニットあるいは上側工具ユニット内に形成可能である。
このニューマチック式のばね装置は、窒素ばねを有していると、構造的に特に有利に実現されている。
ブリッジ手段が、10mmより大きい反応行程又は20mmより大きい反応行程、好ましくは25mmの反応行程を有していると、特に有利である。この種の反応行程により、それぞれの駆動装置が、加工プロセス中に当該駆動装置に対応するラム部分の速度に加速可能であることが保証され得る。
加えて、このばねの25mmの反応行程は、窒素ばねにより構造的に単純かつ高信頼性に提供可能である。
その点において、プレス装置における押え装置あるいは逆押え装置内へのニューマチック式のばね装置の統合は、それ自体既に有利である。この理由だけ見ても、このニューマチック式のばね装置に関する特徴は、本発明の残余の特徴を除いても有利である。
使用形態次第では、10mm又は20mmのより小さな反応行程でさえ、必要な橋渡し時間を形成するのに十分であり得る。このような必要な橋渡し時間は、反応行程が25mmであるときは、いずれの場合でも運転信頼性を伴って提供可能である。
反応行程がさらに大きく選択されてもよいことは自明である。しかし、このことは、25mmの反応行程により十分な長さに設定された反応時間が提供され得るので、有意義とは言えない。加えて、ばねのより大きな反応行程は、不必要に大きな構成スペースを必要とするだけである。
この種の反応行程は、一態様において、ピストン部分のピストンヘッドとシリンダケーシングのシリンダケーシング端壁との間の、圧力媒体で満たされた圧力室により形成されていると、構造的に単純に実現されている。圧力媒体は、様々な種類の圧力媒体であってよい。圧力媒体は、好ましくは窒素を含む。
ブリッジ手段は、ラム部分と駆動装置との間に配置されていると、構造的に特に有利に本発明に係るプレス装置の上側工具ユニットあるいは下側工具ユニット内に組み込み可能である。
さらに、ブリッジ手段が、シリンダケーシングとピストン部分とを有し、シリンダケーシングに、ラム部分が配置されていると、有利である。これにより、ブリッジ手段の構成要素は、コンパクトにプレス装置内に組み込み可能である。このことは、構造的にニューマチック式のばね装置により達成可能である。
下側工具ユニットの、上側工具ユニットに面した領域は、ラム部分が、ウェブ要素によりシリンダケーシング端壁から間隔を置いてシリンダケーシングに配置されていると、構造的に単純に、下側工具ユニット内に配置されるブリッジ手段により乗り越えられ得る。
ブリッジ手段が、シリンダケーシングと、シリンダケーシング内で案内されるピストン部分とを有し、シリンダケーシングが、下側工具ユニット内に上側工具ユニットのプレス方向で変位可能に配置されていると、ブリッジ手段は、構造的に単純かつ迅速に反応可能である。
ブリッジ手段が、シリンダケーシングと、シリンダケーシング内で案内されるピストン部分とを有し、シリンダケーシングが、上側工具ユニット又は下側工具ユニットの案内ブシュ内で摺動可能に案内されていると、シリンダケーシングは、一方では上側工具ユニット又は下側工具ユニットに対して、他方ではピストン部分に対して可動である。
さらにブリッジ手段が、シリンダケーシングと、シリンダケーシング内で案内されるピストン部分とを有し、シリンダケーシングが、ピストン部分により上側工具ユニット又は下側工具ユニットに対して摺動可能であると、有利である。これにより、シリンダケーシングは、ピストン部分を介して駆動装置により構造的に単純に変位可能である。このことは、例えば、逆押え装置の別のラム部分が上側工具ユニットと同期的に動かされるべきときや、又は逆押え装置の別のラム部分が加工された被加工材のためのエジェクタとして機能すべきときに、該当する。
ブリッジ手段が、シリンダケーシングと、シリンダケーシング内で案内されるピストン部分とを有し、ピストン部分が、駆動装置の偏心機構のコンロッド部分に配置されていると、それぞれのラム部分は、問題なく上側工具ユニット又は下側工具ユニットに対して変位可能である。
特に下側工具ユニットの別のラム部分において、ニューマチック式のばね装置が100kNより高い値又は200kNより高い値、好ましくは300kNの値を有するばねプリロード力Fで予め付勢されていれば、十分な反力を与えることができる。
本発明の本質的な核心は、特に、例えば切断プロセス等の開始を表す時点での、ラム部分あるいは上側工具ユニットの速度に対する別のラム部分あるいは逆押えの同期化である。本発明におけるブリッジ手段により、この時点からラム部分あるいは上側工具ユニットと少なくともほぼ同じ速度で別のラム部分あるいは逆押えが運動することが保証可能である。
上述の課題は、本発明の別の態様において、被加工材を加工するプレス装置、特にトッグルレバー式プレスであって、下側工具ユニットと、下側工具ユニットに対して移動可能な上側工具ユニットと、機能不全時にプレス装置を保護する過負荷防止ユニットと、を備え、上側工具ユニットは、加工すべき被加工材を下側工具ユニットに対して押えることが可能なラム部分を有する押え装置を有し、下側工具ユニットは、加工すべき被加工材を上側工具ユニットの工具部分に対して逆押えすることが可能な別のラム部分を有する逆押え装置を有し、ラム部分は、それぞれ、駆動装置により上側工具ユニット及び/又は下側工具ユニットに対して変位可能であるプレス装置において、逆押え装置及び/又は押え装置は、過負荷防止ユニットを作動させる作動時間を埋めるブリッジ手段を有することを特徴とする、被加工材を加工するプレス装置によっても解決される。
多数の安全策、例えば過負荷防止ユニットの設置にもかかわらず、機能不全に基づいて、しばしば、非回復性の、又は少なくとも甚大なコストを招く損傷が、プレス装置において発生する。このブリッジ手段が逆押え装置に組み込まれているか、あるいは累積的又は択一的に押え装置に組み込まれていることにより、機能不全時にプレス装置に深刻なダメージが発生する危険は、大幅に低減可能である。その点において、既に詳細に前述したブリッジ手段により、この危険はやはり大幅に低減可能である。
これに関する機能不全は、プレス装置における何らかのエラーから発生する場合がある。エラーの例は、先行のサイクルの被加工材が規定通りに搬出されず、例えば下側工具ユニットの工具内にまだ残ったままとなったり、逆押え装置がその駆動装置の機能不全に基因して正常に逃げなかったりした場合である。
過負荷防止ユニットは、様々な構造形態の過負荷防止ユニットであってもよい。好ましくは、過負荷防止ユニットは、エラー時に特に逆押え装置及び/又は押え装置の駆動部がモーメントフリー(セーフ・トルク・オフ)に切り換えられるようになっている。その結果、主にスライダクランク駆動部として設計される駆動装置は、その下側の伸展位置に向かって押動可能である。その結果、それぞれのラム部分に臨界的な押え力あるいは逆押え力が形成されてしまうことはない。
本来の過負荷防止ユニットは、プレス装置が、ブリッジ手段に基づいて過負荷防止ユニットを作動させることが可能な開ループ制御及び/又は閉ループ制御装置を有していると、運転信頼性を伴って作動され得る。この種の開ループ制御及び/又は閉ループ制御装置により、過負荷防止ユニットは、迅速かつ適時に反応可能である。
既に前述したニューマチック式のばね装置により、プレス装置における機能構成部分の機械的な過負荷を、たとえこのときにプレス装置の本来の過負荷防止ユニットが作動に至らない場合でも回避することができる第1の独立した過負荷防止エレメントも提供可能である。反応行程は、ここでは直ちに過負荷ばね行程を提供する。
その点において、既に前述したように、プレス装置における押え装置あるいは逆押え装置内へのニューマチック式のばね装置の統合は、それ自体既に有利である。この理由だけ見ても、このニューマチック式のばね装置に関する特徴は、本発明の残余の特徴を除いても有利である。
特にブリッジ手段をラム部分と駆動装置との間に配置したことにより、第1の独立した過負荷防止エレメントは、構造的に単純に、過負荷力が構造的に単純に少なくとも部分的に吸収され、補償され得る場所の近傍に配置可能である。このことは、特にニューマチック式のばね装置に関する。
本発明により、特に良好に、冒頭で既に言及したサーボ式トッグルレバー駆動部を有する精密切断/二次成形プレスを有利に発展させることが可能である。
この精密切断/二次成形プレスは、特に品質あるいは最小の公差及び設定値、特に自動車分野のサプライヤによる設定値に対するますます高まる要求を充足する。特にこの精密切断/二次成形プレスにより、自動車分野においてパーツを比較的高いせん断面割合にて製造可能である。これにより、本発明に係るプレス装置は、特に普通切断及び精密切断の品質範囲の利用者にとって、これらの利用者が自らの生産多様性を大幅に拡張し、高められた切断品質でパーツを生産可能であるので、有利である。特にサーボ式トッグルレバー駆動部を有する精密切断/二次成形プレスにより、生産コストは、順送り工具あるいはトランスファ工具における高精度のパーツの製造により低下可能である。加えて、後加工の必要性が最小であることは、手間のかかるプロセスステップを省き、これに応じてハンドリングコストも低下させる。さらにサーボ式トッグルレバー駆動部を有する精密切断/二次成形プレスは、さらに高いシステム剛性を有している。これにより、材料の厚さ及び強度が様々であっても、狭いパーツ公差及び高信頼性の再現精度が実現可能である。順送り工具あるいはトランスファ工具による二次成形プロセスの最適化された構成の他、付加的なプロセスステップが、前置又は後置可能である。こうして、特にサーボ式トッグルレバー駆動部を有する精密切断/二次成形プレスは、プレス工程中、特に切断、絞り、型打ち、穴あけ及び/又は矯正を可能にする。さらに、前置又は後置されるプロセス、例えばねじ山形成、接合又は溶接が、ここに組み込まれてもよい。サーボ技術により、ラムの動作経過は、最適化されて二次成形及び/又は切断プレスに適合可能である。付加的に、後付け可能な押えモジュール及び逆押えモジュールの使用により、せん断面割合が高められた切断パーツの製造が可能となる。クライアントにとってこのことは、工具の寿命、生産力及びフレキシビリティの向上を意味する。
例えば「製造方法(Fertigungsverfahren)」は、DIN8580によれば6つのメイングループ、すなわち「一次成形(Urformen)」、「二次成形(Umformen)」、「分離(Trennen)」、「接合(Fuegen)」、「被覆(Beschichten)」、「素材特性の変更(Stoffeigenschaften aendern)」に分類される。分離は、一固体の形状の変更による製造である。このとき結合状態は、ところにより完全に解消される。その際、最終形状は、初期形状に包含されている。複合体の「分解(Zerlegen)」も、分離に分類される。分離のメイングループは、他方、さらに「分割(Zerteilen)」、「切削(Spanen)」、「除去(Abtragen)」に分類される。「切断(Schneiden)」又は「せん断(Scherschneiden)」は、「分割」の下位グループに属する。「精密切断(Praezisionsschneiden)」は、この作業の枠内では「せん断」と「高精密切断(Feinschneiden)」との間に割り当てるべき切断品質を有する切断パーツの製造を指している。さらなる分類は、切断方法に応じて、被加工材を画成する切断面に基づいてなされる。「ブランキング(Ausschneiden)」、「ピアシング(Lochen)」、「シャーリング(Abschneiden)」、「ノッチング(Ausklinken)」、「ランシング(Einschneiden)」及び「トリミング(Beschneiden)」との区別がある。精密切断にとって興味深いのは、ブランキング及びピアシングの両方法である。ブランキング及びピアシングにおける特徴は、これらの方法が、閉じた切断線を有することである。ブランキングの場合、パンチにより切断プレートを通して押し出される被加工材部分が品物を形成し、金属薄板の残材はスクラップとして搬出される一方、ピアシングの場合、切り抜かれた部分がスクラップである。内側輪郭が形成される。
切断工具は、主として切断パンチ、ダイ又は切断プレートと、押えとからなる。押えは、撓みと、材料の過度の流れとを防止する。被加工材の、切断すべき材料は、ブランクの形態で、帯材として又はストリップとして、切断パンチとダイとの間に差し込まれ、切断パンチの下降運動により分離され得る。このときに形成される切片(Butzen)の噛み込みを回避するために、ダイを貫く貫通孔は、大抵の場合、円柱ではなく、逃げ角を有している。本来の工具構造は、切断される被加工材に対する要求次第である。
せん断は、5つの期間に分けることが可能である。第1の期間中、まず押えが金属薄板上に載置され、押え力FNHが形成される。第2の期間中、切断パンチが金属薄板上に載置され、プレス装置及び工具の弾性変形が起こる。金属薄板には、クリアランス(切断間隙)に基づいて曲げモーメントが発生する。この曲げモーメントは、曲げ変形につながる。クリアランスの領域には、環状域が形成されている。この環状域は、金属薄板表面と切断要素との間の接触領域である。第3の期間中、本来の切断期が起こる。ここでパンチは、金属薄板に食い込み、塑性変形を起こす。第4の期間中、材料の変形能が消尽される。分離破断が起こり、金属薄板の残留横断面は裂断する。突然の破断により、プレス装置、しかしとりわけ上側工具ユニットあるいはプレスラムは、励振する。第5の最終の期間中、切断パンチは、上側工具ユニットの下死点に到達するまで、切断された切片をダイの通路内に押し込む。一般に、破断面及びせん断面の高さは、金属薄板厚さsの割合として評価される。この割合を基に、厚さの異なる金属薄板同士の比較が可能である。高品質の切断パーツは、小さなだれと、小さな破断面割合と、高いせん断面割合及び90°の破断面角度にて小さな切断バリ(かえり)とを特徴とする。使用される材料、材料厚さ及び切断要素の摩耗状態の他、断面の品質は、主にクリアランスuにより決定される。クリアランスuが過小であると、金属薄板の切断開始時に既にクラックが発生する。この理由は、比較的高い横方向応力である。被加工材には、真っ直ぐな切断面が生じず、初期クラックが発生する。クリアランスuが過大であると、クラックは力最大値の直後に発生する。可能なクリアランスは、u=0.02×金属薄板厚さs乃至u=0.1×金属薄板厚さsとされる。同様にクリアランスによるのは、工具の寿命である。破断された切断面に対するせん断された切断面の比は、せん断されたパーツに関して3分の1〜3分の2である。特別な機能要求に基づいて、このようなパーツの切断面は、後加工されねばならない。せん断時、金属薄板内部及び金属薄板表面に複数の力が作用する。クリアランスには、鉛直方向力成分F及びFV’並びに水平方向力成分F及びFH’が作用する。これらは、発生する摩擦力とともに動的平衡を形成する。力成分の作用点の間隔は、モーメントの形成を生む。このモーメントは、切断線が閉じている場合、パンチ下方及びダイ上方の金属薄板の反りに至る。この反りを補償するために、必要な対抗モーメントが、カウンタパンチにより印加可能である。押え力なしには、金属薄板はダイの上側でも反ってしまう。従来のせん断により製造されるパーツの後加工手間(時間、コスト)を削減するために、切断面品質を改善する方法の開発がなされてきた。後切断(Nachschneiden)あるいはシェービングの場合、2段階のプロセスで、せん断面割合が、材料中のより良好な応力比に基づいて拡大される。第1の段階でパーツが、小さな取り代を伴って前切断され、これにより第2の段階でこの後切断代あるいはシェービング代を別のせん断により分離することができる。対向切断(Gegenschneiden)あるいは上下抜きも2段階のプロセスである。この方法の特徴は、工具作動要素の二重の存在である。第1の段階で金属薄板は、一方の側から破断の発生直前まで切り込まれる。第2の段階で被加工材は、他方の側から第2の工具により分離される。この方法により、バリが発生しないことと、せん断面割合が改善されることとが達成される。最後の改良せん断法として、u<0.05×金属薄板厚さsという小さなクリアランスを有する普通切断が挙げられる。しかし、この方法には、体系的な研究(例えば工具耐用時間)が存在しない。従来のせん断と同様、「高精密切断」あるいはファインブランキングは、DIN8580により「分離」のメイングループ、具体的には「分割」の下位グループに属する。せん断、又は平滑な分割面を有するせん断とは異なり、高精密切断の場合、変更された方法パラメータが存在する。変更された方法パラメータは、切断パーツの改善された品質特徴に至る。方法にとって特徴的であるのは、工具構造、作用する力、ナイフエッジ状のリング(Ringzacke)及びクリアランスである。押えを載置することによって、ナイフエッジ状のリングは、金属薄板に押し込まれる。さらにカウンタパンチが下から金属薄板を押圧する。これにより形成される圧縮応力は、せん断面割合が金属薄板の厚さ全体にわたって延在するように分離工程に影響を及ぼす。切断工程後、押えはストリッパとして機能する。カウンタパンチは、エジェクタとして機能する。エジェクタは、パーツをダイから上方に押し出し、切片は取り出される。ナイフエッジ状のリング及び逆押えの力は、液圧式に形成される。切断力は、約1,600kN(≒160t)までの機械の場合は機械式に、それより大きい2,500kN〜14,000kNの機械では液圧式に発生される。変更された方法パラメータは、高精密切断時にせん断とは異なる切断力経過を生じる。弾性期及び切断期は、同じであるが、裂断期及び振動期は存在しない。これにより、切断衝撃も存在しない。既に言及したように、切断面の品質は、クリアランスにより決定される。普通せん断時のクリアランスは、切断すべき金属薄板厚さsの5〜10%である一方、高精密切断時のクリアランスは、約0.5%である。
押え装置あるいは逆押え装置は、その態様とは無関係に、理想的にはさらに以下の枠条件を充足する。
−押え装置あるいは逆押え装置は、上側工具ユニットの運動に応じて移動可能である。
−押え装置あるいは逆押え装置は、互いに独立的にプログラミング可能であってもよい。
−押え装置あるいは逆押え装置は、プロセスを監視するプレス力測定部を有していてもよい。
−押え装置あるいは逆押え装置は、損傷を回避あるいは低減するために、機械的な過負荷防止部を含んでいてもよい。
−加速のための十分な時間及び行程が存在していなければならない。
−二次成形完了後、逆押え装置の逆押えは、エジェクタとして機能することが望ましい。
−オペレータは、簡単な操作コンセプトを介して押え装置あるいは逆押え装置を二次成形プロセスに適合し、場合によっては逆押え力又は押え力を調整する可能性を有していなければならない。
本発明のその他の特徴、効果及び利点は、添付の図面及び以下の説明を参照しながら説明する。図面及び説明では、サーボ式トッグルレバー駆動部と、過負荷防止ユニットを操作する反応時間を埋めるブリッジ手段とを有する本発明に係る精密切断/二次成形プレスを例示し、説明している。ただし、同じ構成要素について全図に符号を付して説明することはしない。
サーボ式トッグルレバー駆動部と、過負荷防止ユニットを作動する作動時間を埋めるブリッジ手段と、このための開ループ制御及び/又は閉ループ制御装置とを備える精密切断/二次成形プレスの概略図である。 図2Aは、図1に示した精密切断/二次成形プレスの逆押え装置のニューマチック式のばね装置が収縮された状態にある駆動装置の初期位置の概略図であり、図2Bは、ニューマチック式のばね装置が伸長された状態にある駆動装置の次の位置の概略図であり、図2Cは、逆押え装置が上側工具ユニットに対して同期的に動かされた状態にある駆動装置の別の位置の概略図であり、図2Dは、逆押え装置が下側の反転位置に動かされた状態にある駆動装置の別の位置の概略図である。 図1及び図2に示した精密切断/二次成形プレスの押え装置あるいは逆押え装置の駆動装置の機能を例示的に説明するスライダクランク機構の概略図である。 図1乃至図3に示した逆押え装置に関するエジェクタ運動学の概略的なグラフである。 図1に示した精密切断/二次成形プレスにおける加工工程中の機能経過の概略図である。 特に切断パンチの特性線と関連付けた逆押え−エジェクタ機能の特性線に関する概略的なグラフである。
図1に例示したプレス装置1は、トッグルレバー式プレス2、特にサーボ式トッグルレバー駆動部4を備える精密切断/二次成形プレスである。この種のサーボ式トッグルレバー駆動部4は、従来技術において公知であるので、本明細書でサーボ式トッグルレバー駆動部4の構成部分及び機能形式の詳細について立ち入ることはしない。
プレス装置1は、溶接されたプレススタンド5を備えている。サーボ式トッグルレバー駆動部4は、プレススタンド5の上側6に配置されている。サーボ式トッグルレバー駆動部4の下には、上側工具ユニット8としてのプレスラム7が、鉛直方向z(プレス方向あるいはエジェクタ方向)でプレススタンド5に変位可能に案内されている。上側工具ユニット8は、工具部分9として例えば切断パンチ10(図2A乃至図2C参照)を支持している。プレススタンド5の下側11には、下側工具ユニット13としてプレステーブル12が配置されている。プレステーブル12によりプレススタンド5は、基礎14に固定されている。下側工具ユニット13は、本実施の形態ではダイ16(図2A乃至図2D参照)を有する別の工具部分15を支持している。ダイ16を通して切断パンチ10は、搬送方向xで規則的に搬送される被加工材18から切片17(図2C参照)を打ち抜くことができる。このために上側工具ユニット8は、z方向で下側工具ユニット13に向かって接近運動する。打抜き後、上側工具ユニット8は、z方向で再び下側工具ユニット13から離間運動する。被加工材18は、本実施の形態では金属薄板帯材19(再び図2参照)である。
さらにプレス装置1は、本実施の形態ではさらに1つの、ここでは図示しない過負荷防止ユニットを備えている。過負荷防止ユニットは、加工工程中に機能不全が発生したときに、プレス装置1のより重大な損傷を回避するために作動する。加工工程中、被加工材18を下側工具ユニット13に対して押えることができるように、上側工具ユニット8は、押え装置20を有している。この押え装置20は、押え22の形態のラム部分21を有している。ラム部分21は、本実施の形態では駆動装置23により上側工具ユニット8に対して変位可能、具体的にはz方向で変位可能である。加工工程中、下側から被加工材18を、本来のプレス方向とは逆向きに逆押えすることができるように、下側工具ユニット13は、逆押え装置24を有している。逆押え装置24は、逆押え26の形態の別のラム部分25を有している。別のラム部分25は、本実施の形態では別の駆動装置27により下側工具ユニット13に対して変位可能、具体的にはやはりz方向で変位可能である。互いに別々に作用し、別々に作業する両駆動装置23,27は、それぞれのラム部分21あるいは25を除いて、実質的に同一構造に構成されており、本実施の形態ではそれぞれ1つの偏心機構28あるいは29を有している。偏心機構28あるいは29は、モータ30あるいは31により駆動されている。
プレス装置1の開ループ制御あるいは閉ループ制御のために、プレス装置1は、開ループ制御及び/又は閉ループ制御装置33を有している。本実施の形態では、コンバータ(図示せず)が、EtherCAT接続35を介してCX(図示せず)に接続されている。PROFIBUS38を介してデータは、プレス制御ユニット39と可視化ユニット40とで交換される。さらに、駆動装置23,27の制御用の、モータ内部のロータリエンコーダ41と、押え装置20及び逆押え装置24の位置特定用の別のロータリエンコーダ42とが、直接コンバータに接続されている。目下のプレス角度あるいはシミュレートされたプレス角度をCX内で処理することができるように、プレス装置1の軸制御部44と、駆動装置23,27の制御部あるいはロータリエンコーダ42とは、Realtime−Ethernet(RT−Ethernet)45を介して接続されている。CXの、互いに独立的に構成可能なEthernetポートにより、両ポートのうちの一方は、機械ネットワーク/社内ネットワークへのCXの接続用に使用可能である。他方のポートは、これとは独立的にアドレス指定可能であり、こうして純然たるRT−Ethernet接続45として用いられる。押え力及び逆押え力は、ピエゾセンサを介して求められる。別の新規なシステムを導入せずともよいように、プレスにおけるプレス力測定のためにも使用される同じセンサ及び評価ユニットが使用される。ピエゾセンサの出力信号は、チャージアンプにおいて増幅され、0V〜10Vのアナログの出力電圧にスケーリングされる。0Vは、F=0kNに相当し、8Vは、本実施の形態ではF=300kNに相当する。「足りない」2Vは、過負荷を検出する予備として用いられる。チャージアンプの出力信号は、アナログ式の入力カードを介して読み込まれ、さらに処理される。押え装置20及び逆押え装置24は、位置制御され、部分的に上側工具ユニット8に対して同期される。このとき使用される制御PCは、リアルタイムEthernet接続を介してプレス制御ユニット39に直接接続されているので、上側工具ユニット8に対する同期運動は、目下どのカーブがプレス装置1により実行されるかにかかわらず、常時保証可能である。押え装置20及び逆押え装置24の運動は、好ましくは電子カムを介して実現される。このカムは、プロセスと、選択されたプレスカーブとに応じて個別に作成される。入力マスクを介してオペレータは、このカーブの算出のための基点をプリセットする。最適な運動案内のための軌道は、補間により制御部内で自動的に作成される。プレス装置1が下死点に到達すると、逆押え装置24は、そこで休止位置にとどまる(停滞する)。エジェクト運動は、プリセットされたプレス角度の到達とともに開始する。制御部は、同期運動が上側工具ユニット8の下死点を越えても可能であるようにプログラミングされている。使用される構成のモータ−コンバータは、回生可能である。モータの放出エネルギは、好ましくはコンバータの中間回路に戻される。中間回路がフルに充電されると、このエネルギ余剰は、接続網に回生される。上側工具ユニット8が「古典的な」エジェクタとしてのみ作動すべき場合、これは、操作マスクを介して選択可能である。これにより、3つの可能性が提供される:
1.下死点の到達までの逆押え(上側工具ユニット8に対して同期)−停滞−エジェクト
2.下死点を越える逆押え(上側工具ユニット8に対して同期)−「副次的な効果」としての切断された材料のエジェクト
3.純然たるエジェクタ機能。
切断開始時点で上述の別のラム部分25の運動をできる限り遅れなしに上述のラム部分21の運動に合わせるために、プレス装置1は、本発明により、特に上述の別の駆動装置27を確実に加速する反応時間を埋めるあるいは橋渡しするブリッジ手段50を有している(特に図2参照)。この場合、このブリッジ手段50は、好ましくは押え装置20及び/又は逆押え装置24に直接組み込まれている。
ブリッジ手段50により、別のラム部分25は、ラム部分21の運動のみにより、つまり別の駆動装置27を迂回(バイパス)して、加速可能である。
同様にブリッジ手段50により、機能不全の場合、プレス装置1の本来の過負荷防止ユニットが作動し、かつ作用することができるようになるまで、十分な時間を稼ぐことができる。
図2A乃至図2Dに基づいて、ブリッジ手段50について、例示的に逆押え装置24と関連付けて詳細に説明する。符号は、見通しをよくするために各図面2A〜2Dに振り分けて付してある。
ブリッジ手段50は、駆動装置27の別のラム部分25とコンロッド51との間に配置されている。ブリッジ手段50は、本実施の形態では窒素ばね53を有するニューマチック式のばね装置52として形成されている。
このためにニューマチック式のばね装置52は、シリンダケーシング54と、シリンダケーシング54内で案内されるピストン部分55とを有している。シリンダケーシング54とピストン部分55とは、圧力媒体56として窒素Nが充填された圧力室57を包囲している。
本実施の形態では、圧力室57の高さ58は、逆押え装置24の別のラム部分25が、駆動装置27を迂回しつつ、約25mmの分だけz方向下向きに変位可能であるように選択されている。これにより、駆動装置27により別のラム部分25を駆動する前に、駆動装置27を適当に加速するために、十分に大きな時間窓が提供される。他方、別のラム部分25は、非常時には、少なくとも25mmの分だけz方向下向きに、このときにピストン部分55あるいは別の駆動装置27が移動する必要なく変位可能である。これにより、本来の過負荷防止ユニットが作動され得るまでの時間が稼がれる。
その点においてニューマチック式のばね装置52は、全体として25mmの反応行程59を提供する。これにより、この反応行程59は、ピストン部分55のピストンヘッド60と、シリンダケーシング54のシリンダケーシング端壁61との間の圧力室57の高さ58により形成されている。圧力室57及び特にピストンヘッド60は、シリンダケーシング54により全体的に形成されるキャビティ62内に存在する。
シリンダケーシング54は、本実施の形態では下側工具ユニット13の案内ブシュ63内で、ピストン部分55とは独立的に摺動可能に案内されている。これによりシリンダケーシング54全体は、加工工程中、z方向下向きに別の駆動装置27に向かって接近運動可能である。このときピストン部分55は、必ずしもシリンダケーシング54とともに相応に変位しない。
それにもかかわらずシリンダケーシング54は、ピストン部分55によって下側工具ユニット13に対して変位可能である。これは、ピストン部分55がz方向下向きに基礎14に向かって接近運動したときは、シリンダケーシング54がピストン部分55により連行されるように、ピストンヘッド60がシリンダケーシング54の肩領域64と相互作用可能であるからである。
シリンダケーシング54には、別のラム部分25が、複数のウェブ要素65(ここでは例示的にのみ符号を付した)によりシリンダケーシング端壁61から間隔を置いて配置されている。ウェブ要素65は、下側工具ユニット13の上側プレート67の複数の孔66(ここでは例示的にのみ符号を付した)を通して案内されている。
特に、逆押え装置24の運動経過は比較的複雑であるので、この運動経過を2つの期間に分けることは有益である。
逆押えの第1の期間は、ダイクッション期と称呼可能である。上側工具ユニット8がその下死点を通過した後、第2の期間であるエジェクトが開始する。逆押え装置24に対する十分に高い要求は、300kN(=30t)の逆押え力、25mmのストローク及び(ラム動作カーブの変更なしの標準運動に関して)毎分最大60ストロークのプレスストトローク数での上側工具ユニット8に対する同期性である。
図2A乃至図2Dには、逆押え装置24を例に取り、規定通りに進行する様々な運転状態の4つの位置を例示してある。同じ機械的関係は、好ましくは押え装置20にも当てはまる。
図2Aに示した初期位置で、別のラム部分25は、金属薄板帯材19の下面に当接している。このために別の駆動装置27は、シリンダケーシング54がピストン部分55によりz方向で上側工具ユニット8に向かって接近運動しているように調節されている。このとき、圧力室57内に存在する圧力媒体56は、ピストン部分55がキャビティ62内で5mmの分だけシリンダケーシング端壁61に向かって移動されており、これにより圧力室57が相応に縮小されているように、圧縮されている。このとき、シリンダケーシング54の上縁は、ストッパ68に当接しており、ひいては、シリンダケーシング54に固く結合された逆押え26も、間接的にストッパ68に当接している。この場合、特に、同時に機械的な過負荷防止装置を形成している窒素ばね53は、これにより5mmの分だけ圧縮されている。
そこで上側工具ユニット8が下側工具ユニット13に向かって移動するとき、ピストン部分55は、上述の5mmの分だけ下向きに、ピストンヘッド60が肩領域64に到達するまで移動する(図2B参照)。しかし、この動作時、別のラム部分25は、不変に、その前に占めていた位置(図2A参照)にとどまる。これは、ピストン部分55がそのときまではまだ自由にキャビティ62内を移動可能であるからである。圧力室57内の圧力媒体56の圧力は、別のラム部分25が圧力室57の拡大にもかかわらず金属薄板帯材19に対して測定不能なほどにしか又は無視可能なほど僅かにしか移動しない高さにある。その点において、シリンダケーシング54の上縁は、引き続きストッパ68に当接している。実質的に、別のラム部分25及び上側工具ユニット8の運動は、このときまでは互いに非同期的に進行する。
図2Bに示した位置で、上側工具ユニット8の工具部分9は、今や金属薄板帯材19に到達している。切断プロセスが開始されて初めて、別のラム部分25は、別の駆動装置27を迂回しながら、切断パンチ10と同期的に下向きに移動する。この関連において、ニューマチック式のばね装置52は、「ダイクッション」として用いられることが可能である。
この5mmの「アイドルストローク」の後に初めて、別のラム部分25は、直接的に別の駆動装置27により下向きに移動可能である(図2C及び図2D参照)。
図2Cに示した次の位置では、切片17が金属薄板帯材19から切り抜かれる。このとき、別のラム部分25は、続いて別の駆動装置27によりさらに下向きに変位される。このことは、とりわけシリンダケーシング54がピストン部分55により連行されることによりなされる。
図2Dに示した下側の位置では、別のラム部分25がその最も下側の位置にある。この最も下側の位置から、別のラム部分25は、駆動装置27により再びz方向で上側工具ユニット8に向かって接近運動される。このとき、圧力室57内の圧力媒体56は、再び上述したような形で圧縮され、サイクルが再び最初から始められる。
図3には、駆動装置23あるいは27の機能を、スライダクランク機構75を基に簡略化して例示してある。ここで、rをクランク76の半径(偏心率)[mm]、lをコンロッド51の長さ[mm]、zをラム部分25のストローク[mm]、αをクランク76の回転角[°]、λをクランク長さとコンロッド長さとの間の比とする。
ここで、次の関係:
Figure 2015196195
が成立する。
ラム位置zに関して、スライダクランク機構75の寸法と回転角αとから、次の関係:
Figure 2015196195
が生じる。
既知の関係:
Figure 2015196195
と、sinβについて変形した式[3.1]とにより、cosβは、次式:
Figure 2015196195
となる。
式[3.2]に式[3.4]を代入すると、ラムのストロークに関して、
Figure 2015196195
が得られる。
スラストロッド比の略号λ=r/lにより、
Figure 2015196195
となる。
式[3.6]によるラム部分のストロークの算出は、zについて正の値を生じる。しかし、エジェクトのラム位置の算出については、負の値の方が有益である。それゆえ、式[3.6]の右辺に−1を乗じる。
図4に、r=12.5mm及びl=252.5mmであるときの、エジェクトに関する運動のグラフ78を示す。
図5に示したプレス装置1における加工工程中の機能経過については、特に、逆押え装置24が下側工具ユニット13内に存在し、押え装置20が上側工具ユニット8内に存在しているものと仮定している。位置の値の入力及びエジェクタ移動カーブの算出については、さらに、別のラム部分25がα=0°で伸展位置(上死点)にあるものと仮定している。このことは、別のラム部分25の上縁80が下側工具ユニット13あるいは工具と面一の関係にあることを意味している。逆押え装置24は、完全に下降しているときには(下死点)、α=180°;z=−25mmに存在している。押え移動カーブの算出については、正の運動学モデルにより作業するのが有益である。伸展位置でラム部分21は、完全に伸長しており、α=0°、z=+25mmに存在している。α=180°のクランク角度において、ラム部分21は、押え装置20と面一の関係にある。
それぞれのラムの速度は、α=ω×tとして、ストロークについての時間の導関数を求めることにより算出される。
Figure 2015196195
式[3.6]により、
Figure 2015196195
が得られる。
近似的に速度は、次式:
Figure 2015196195
により算出可能である。
予め決められた荷重での駆動軸のトルクは、近似的に
Figure 2015196195
により算出される。
式[3.10]は、荷重を駆動部に及ぼす要求トルクしか表していない。駆動部の設計には、付加的に加速トルクを考慮する必要がある。
既に初めに言及したように、逆押え装置24の機能は、2つの別々の期間に分けることができる。第1の期間は、「ダイクッション期」である。ダイクッション期において逆押え装置24は、所定の位置から上側工具ユニット8の運動に対して同期的に逃げ、工具部分9あるいは被加工材18の逆押えとして用いられる。第2の期間は、「エジェクト期」である。上側工具ユニット8の下死点の到達とともに、第1の期間は終了する。好ましくは、逆押え装置24はこれまでに到達した位置に、エジェクト期を開始する所定のスタート角度(プレス装置1のクランク角度)に到達するまでとどまる。
エジェクト運動のために、逆押え装置24の運動方向は反転される。エジェクト期は、遅くともプレス装置1の上死点の到達とともに終了する。逆押え装置24の運動経過は、上死点におけるプレス装置1のスタートとともに開始する。逆押え装置24が上側工具ユニット8に対して同期的でなければならなくなる所定の位置は、下死点前のラムの位置である。プレスのストローク数が毎分60ストローク、衝突位置が10mmであるとき、上側工具ユニット8は、その位置に到達するまで約0.4秒を要する。この時間中に逆押え装置24は、−5mmの位置に移動していなければならない。
図6には、座標系90で、別のラム部分25あるいはこれに関する逆押え26を例に取って、ラム部分21あるいはこれに関する切断パンチ10との関連において機能特性線を例示してある。ここで、座標系90の横座標軸91には、それぞれの駆動装置23あるいは27のクランク角度をとり、縦座標軸92には、逆押え26の行程93及び切断パンチ10の行程94がとられている。
良好に看取可能であるように、逆押え26は、別の駆動装置27により位置95まで変位され、これにより次にブリッジ手段50のニューマチック式のばね装置52によりさらに5mmの分だけ持ち上げられ、このとき被加工材18の下側に押し付けられることができる(図2A参照)。そこに上方から切断パンチ10が被加工材18に向かって接近運動する(図2B参照)と、逆押え26は、切断プロセスの開始時96に既に切断パンチ10の速度に、本来の別の駆動装置27を迂回して、切断パンチ10が再び上向きに移動する時点97まで同期化されている。次に、逆押え26は、自由にプログラミング可能なエジェクタ運動98を実行可能である。このとき、逆押え26は、別の駆動装置27により駆動される。
上述の実施の形態が本発明に係るプレス装置1の第1の形態にすぎないことは、自明である。その点において、本発明の形態は、本実施の形態に限定されるものではない。
1 プレス装置
2 トッグルレバー式プレス
3 精密切断/二次成形プレス
4 サーボ式トッグルレバー駆動部
5 プレススタンド
6 上側
7 プレスラム
8 上側工具ユニット
9 工具部分
10 切断パンチ
11 下側
12 プレステーブル
13 下側工具ユニット
14 基礎
15 別の工具部分
16 ダイ
17 切片
18 被加工材
19 金属薄板帯材
20 押え装置
21 ラム部分
22 押え
23 駆動装置
24 逆押え装置
25 別のラム部分
26 逆押え
27 別の駆動装置
28 偏心機構
29 別の偏心機構
30 モータ
31 別のモータ
33 開ループ制御及び/又は閉ループ制御装置
35 EtherCAT接続
38 PROFIBUS
39 プレス制御ユニット
40 可視化ユニット
41 モータ内部のロータリエンコーダ
42 別のロータリエンコーダ
44 軸制御部
45 Realtime−Ethernet接続
50 ブリッジ手段
51 コンロッド
52 ニューマチック式のばね装置
53 窒素ばね
54 シリンダケーシング
55 ピストン部分
56 圧力媒体
57 圧力室
58 高さ
59 反応行程
60 ピストンヘッド
61 シリンダケーシング端壁
62 キャビティ
63 案内ブシュ
64 肩領域
65 ウェブ要素
66 孔
67 上側プレート
68 ストッパ
75 スライダクランク機構
76 クランク
78 グラフ
80 上縁
90 座標系
91 横座標軸
92 縦座標軸
93 行程
94 行程
95 位置
96 開始
97 時点
98 エジェクタ運動
x 搬送方向
z 鉛直方向

Claims (12)

  1. 被加工材(18)を加工するプレス装置(1)、特にトッグルレバー式プレス(2)であって、
    下側工具ユニット(13)と、
    前記下側工具ユニット(13)に対して移動可能な上側工具ユニット(8)と、
    を備え、前記上側工具ユニット(8)は、加工すべき被加工材(18)を前記下側工具ユニット(13)に対して押えることが可能なラム部分(21)を有する押え装置(20)を有し、前記下側工具ユニット(13)は、加工すべき被加工材(18)を前記上側工具ユニット(8)の工具部分(9)に対して逆押えすることが可能な別のラム部分(25)を有する逆押え装置(24)を有し、前記ラム部分(21,25)は、それぞれ、駆動装置(23,27)により前記上側工具ユニット(8)及び/又は前記下側工具ユニット(13)に対して変位可能であるプレス装置(1)において、
    前記逆押え装置(24)及び/又は前記押え装置(20)は、それぞれの前記駆動装置(23,27)がそれぞれのラム速度に加速できるそれぞれの前記駆動装置(23,27)の加速期を埋めるブリッジ手段(50)を有することを特徴とする、被加工材を加工するプレス装置。
  2. 前記ブリッジ手段(50)は、ニューマチック式のばね装置(52)を有する、請求項1記載のプレス装置。
  3. 前記ニューマチック式のばね装置(52)は、窒素ばね(53)を有する、請求項2記載のプレス装置。
  4. 前記ブリッジ手段(50)は、10mmより大きい反応行程(59)又は20mmより大きい反応行程(59)、好ましくは25mmの反応行程(59)を有する、請求項1から3までのいずれか1項記載のプレス装置。
  5. 前記反応行程(59)は、ピストン部分(55)のピストンヘッド(60)とシリンダケーシング(54)のシリンダケーシング端壁(61)との間の、圧力媒体(56)で満たされた圧力室(57)により形成されている、請求項4記載のプレス装置。
  6. 前記ブリッジ手段(50)は、前記ラム部分(21,25)と前記駆動装置(23,27)との間に配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のプレス装置。
  7. 前記ブリッジ手段(50)は、シリンダケーシング(54)と、該シリンダケーシング(54)内で案内されるピストン部分(55)とを有し、前記シリンダケーシング(54)には、前記ラム部分(21,25)が配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のプレス装置。
  8. 前記ラム部分(21,25)は、ウェブ要素(64)によりシリンダケーシング端壁(61)から間隔を置いて前記シリンダケーシング(54)に配置されている、請求項7記載のプレス装置。
  9. 前記ブリッジ手段(50)は、シリンダケーシング(54)と、該シリンダケーシング(54)内で案内されるピストン部分(55)とを有し、前記シリンダケーシング(54)は、前記下側工具ユニット(13)内に前記上側工具ユニット(8)のプレス方向で変位可能に配置されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のプレス装置。
  10. 前記ブリッジ手段(50)は、シリンダケーシング(54)と、該シリンダケーシング(54)内で案内されるピストン部分(55)とを有し、前記シリンダケーシング(54)は、前記上側工具ユニット(8)又は前記下側工具ユニット(13)の案内ブシュ(63)内で摺動可能に案内されている、請求項1から9までのいずれか1項記載のプレス装置。
  11. 前記ブリッジ手段(50)は、シリンダケーシング(54)と、該シリンダケーシング(54)内で案内されるピストン部分(55)とを有し、前記シリンダケーシング(54)は、前記ピストン部分(55)により前記上側工具ユニット(8)又は前記下側工具ユニット(13)に対して変位可能である、請求項1から10までのいずれか1項記載のプレス装置。
  12. 前記ブリッジ手段(50)は、シリンダケーシング(54)と、該シリンダケーシング(54)内で案内されるピストン部分(55)とを有し、前記ピストン部分(55)は、前記駆動装置(23,27)の偏心機構(28,29)のコンロッド部分(51)に配置されている、請求項1から11までのいずれか1項記載のプレス装置。
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