JP2005014062A - 対向ダイスせん断加工装置及び対向ダイスせん断加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】キズやダレの発生を極力低減して、高精度製品の歩留まりを向上させることができる対向ダイスせん断加工装置及び対向ダイスせん断方法を提供する。
【解決手段】被加工物を載置する下ダイス21に対向するように上ダイス41をスライド35に取着する。下ダイス21及び上ダイス41には、それぞれ形状形成孔23,43が形成されており、これら形状形成孔23,43にはそれぞれブレイクアウトパンチ24、ノックアウトパンチ44が摺動可能に収容されている。スライド35が下降すると、上ダイス41が下降されて下ダイス21に近接し、被加工物は上ダイス41及び下ダイス21により上側及び下側から切断される。これにより、被加工物の一部以外が切断されると、ブレイクアウトパンチ24が上方に移動させられて、残った切断部の一部が切断されて、被加工物を所定の形状の製品に成形する。
【選択図】 図2
【解決手段】被加工物を載置する下ダイス21に対向するように上ダイス41をスライド35に取着する。下ダイス21及び上ダイス41には、それぞれ形状形成孔23,43が形成されており、これら形状形成孔23,43にはそれぞれブレイクアウトパンチ24、ノックアウトパンチ44が摺動可能に収容されている。スライド35が下降すると、上ダイス41が下降されて下ダイス21に近接し、被加工物は上ダイス41及び下ダイス21により上側及び下側から切断される。これにより、被加工物の一部以外が切断されると、ブレイクアウトパンチ24が上方に移動させられて、残った切断部の一部が切断されて、被加工物を所定の形状の製品に成形する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対向ダイスせん断加工装置及び対向ダイスせん断加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製品を所定の形状に切断して成形する方法として打ち抜き加工がある。近年、この打ち抜き加工により製造される製品をより精度よく製造する方法として種々の方法が案出されている。その1つの方法として、対向ダイスせん断加工方法がある(例えば非特許文献1参照)。
【0003】
この対向ダイスせん断加工方法においては、図14に示すように、製品形状の孔91aを有した平ダイス91と、この平ダイス91に対向し製品形状の孔92aを有する突起付ダイス92とを用いる。なお、孔91aにはエジェクタ93が、92aにはブレイクアウトパンチ94が配置されている。
【0004】
そして、図14(a)に示すように平ダイス91上に被加工物Wが載置されると、図14(b)に示すように、平ダイス91が上昇されて、突起付ダイス92及びブレイクアウトパンチ94に被加工物Wが押し付けられ、被加工物Wの切断部Waにせん断応力が発生する。続いて、図14(c)に示すように、ブレイクアウトパンチ94が被加工物Wを下方に押圧し、これにより、製品W1が被加工物Wから分離されて成形される。すなわち、被加工物Wは、平ダイス91の上昇及びブレイクアウトパンチ94の下降により、切断部Waに作用するせん断応力により製品W1を切断分離する。なお、製品W1が成形されると、図14(d)に示すようにエジェクタ93が上昇して製品W1が孔91aから取り出される。
【0005】
【非特許文献1】
古閑伸裕,青木勇著、「基礎から学ぶ実践プレス加工シリーズ プレス打ち抜き加工」、初版、日刊工業新聞社、2002年3月21日,p.134
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の対向ダイスせん断加工装置を用いた対向ダイスせん断方法は、切断力となるせん断応力をより大きく得るために、突起付ダイス92内に配設されたブレイクアウトパンチ94を固定した状態で、平ダイス91を上昇させていた。従って、平ダイス91が上昇されて切断される際には、エジェクタ93の端面上部の材料内部には、せん断応力とともに大きな引張り応力が作用し、この引張り応力によりダレが発生することがあった。また、被加工物Wから製品W1が分離されるときには、大きな圧縮応力を受けていた平ダイス91の端面上部、突起付ダイス92及びブレイクアウトパンチ94の端面下部の材料内部が、引張り応力を受けることになる。従って、停止されている突起付ダイス92側の切断部Waは、急激に大きな引張り応力を受けることになり、粗雑な破断面が形成されることがあった。
【0007】
また、この対向ダイスせん断加工方法は、突起付ダイス92に対して、ブレイクアウトパンチ94及びエジェクタ93を所定のタイミングで可動させる必要があった。そのため、これらの可動タイミングを容易に設定できる油圧式のプレス機が用いられており、生産性を向上することができなかった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、その目的は、破断面やダレの発生を極力低減することのできる対向ダイスせん断加工装置及び対向ダイスせん断方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、製品の形状と同じ形状の第1孔を有した第1ダイスと、この第1ダイスの前記第1孔に設けられた第1パンチと、前記製品の形状と同じ形状の第2孔を有し、前記第1ダイスに対向するように配設された第2ダイスと、この第2ダイスの前記第2孔に設けられた第2パンチとを備え、前記第2ダイスを前記第1ダイスに近接するように相対移動させて、前記第1ダイス及び前記第2ダイスにより被加工物の一部を残して切断する第1工程と、この第1工程の後に前記第1ダイス及び第2ダイスに対して前記第1パンチ又は前記第2パンチを相対移動させて、前記被加工物の切断されていない前記一部を切断して前記製品を前記被加工物から分離する第2工程とによって、前記被加工物を所定の形状の前記製品に成形する対向ダイスせん断加工装置において、前記第1工程において、前記第1パンチ及び前記第2パンチが、前記第1孔及び前記第2孔に対して移動可能に前記被加工物に当接し、又は、所定間隔をおいて前記被加工物に対向していることを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の対向ダイスせん断加工装置において、前記第1ダイス及び前記第2ダイスは、突起付ダイスであることを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の対向ダイスせん断加工装置において、前記第2ダイスを前記第1ダイスに近接するように相対移動させる第2ダイス駆動手段は、モータの駆動力により前記第2ダイスを相対移動させることを要旨とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の対向ダイスせん断加工装置において、前記第1パンチ又は前記第2パンチを駆動させるパンチ駆動手段は、前記第2ダイス駆動手段とは別に設けられていることを要旨とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の対向ダイスせん断加工装置において、前記第1パンチ又は前記第2パンチを駆動させるパンチ駆動手段は、前記第2ダイス駆動手段により移動させられることを要旨とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の対向ダイスせん断加工装置において、前記第1ダイスの上に前記被加工物が載置されており、前記第1ダイス及び前記第1パンチの上方に、前記第2ダイス及び前記第2ダイスが配設されており、第2ダイスが下降させられることにより前記被加工物の切断部の一部以外が切断され、前記第1パンチが上昇させられることにより前記被加工物の切断部がすべて切断されることを要旨とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1つに記載の対向ダイスせん断加工装置において、前記第2ダイスが、前記第1ダイスに最も近くなったときに、前記第1パンチ又は前記第2パンチが移動させられることを要旨とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、製品の形状と同じ形状の第1孔を有した第1ダイスと、この第1ダイスの第1孔に設けられた第1パンチと、前記第1孔とほぼ同じ形状の第2孔を有し、前記第1ダイスの上方に対向するように配設された第2ダイスと、この第2ダイスの前記第2孔に設けられた第2パンチとを備え、前記第2ダイスを前記第1ダイスに近接するように相対移動させて、前記第1ダイス及び前記第2ダイスにより被加工物の一部を残して切断する第1工程と、この第1工程の後に前記第1ダイス及び第2ダイスに対して前記第1パンチ又は前記第2パンチを移動させて、前記被加工物の切断されていない前記一部を切断する第2工程とによって、前記被加工物を所定の形状の前記製品に成形する対向ダイスせん断加工方法において、前記第1工程において、前記第1パンチ及び前記第2パンチが、前記第1孔及び前記第2孔に対して移動可能に前記被加工物に当接している状態、又は、前記被加工物と所定間隔をおいて対向している状態となっていることを要旨とする。
【0017】
(作用)
請求項1又は8に記載の発明によれば、第1ダイス及び第2ダイスを近接させて切断する第1工程において、第1パンチ及び第2パンチは、第1孔及び第2孔に対して移動可能に被加工物に当接しているか又は所定間隔をおいて被加工物に対向している。そのため、第1ダイス及び第2ダイスにより圧縮応力を受ける被加工物は、その受けた圧縮応力が大きい場合、第1パンチや第2パンチを移動させて、又は第1パンチ及び第2パンチとの所定空間に、大きな圧縮応力を分散させることができる。このため、切断時に被加工物は引張り応力が生じる第1パンチや第2パンチ側で圧縮応力を受けるため、第1ダイス及び第2ダイスが被加工物に当接する際に、ダレが発生し難い。また、圧縮応力を受けているため、製品が分離される第2工程において急激に引張り応力が発生せず、破断面がほとんど発生しない。従って、従来よりも破断面やダレがほとんど発生しない製品を製造することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、第1ダイス及び第2ダイスの両方が、突起付ダイスであるので、被加工物が切断されるために作用される圧縮応力を受けた部分は、第1ダイス及び第2ダイスの外周に逃げることができる。このため、切断時に被加工物が受ける圧縮応力をすぐに逃すことができるので、圧縮応力の変動が非常に少ない。従って、破断面やダレがいっそう発生しない製品を製造することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、モータにより発生される駆動力により第2ダイスを第1ダイスに近接させる。すなわち生産性の高いモータ駆動(機械式)により発生する駆動力により行われるので、油圧式に比べてより高速に製品を成形することができ、生産性を向上させることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、前記第1パンチ又は前記第2パンチを駆動させるパンチ駆動手段は、第2ダイス駆動手段とは別に設けられているので、第2ダイスの移動とは無関係に、パンチを移動させることができる。従って、第2ダイスの移動により被加工物の切断部を適当な厚みの一部を残した状態で切断した後、連続して第1パンチ又は第2パンチにより残りの切断部をすべて切断することができる。すなわち、タイミングの制御が難しいモータ駆動(機械式)により第2ダイスを第1ダイスに近接させるようにしても、より最適な厚みやタイミングで、第1パンチ又は第2パンチによって切断部の残りを切断して製品を分離することができる。従って、より高速かつ効率よく製品を製造することができ、生産性をより向上させることができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、第1パンチ又は第2パンチを駆動させるパンチ駆動手段が、前記第2ダイスを移動させる第2ダイス駆動手段により移動させられているので、第1パンチ又は第2パンチを駆動させる駆動源を別途設ける必要がない。従って、せん断加工装置の構成を簡素化することができ、ひいてはせん断加工装置の製造コストを低減することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、第1パンチが上昇させられて、第1ダイスの上に載置された被加工物の切断部がすべて切断される。従って、第1パンチにより被加工物を成形されることと、製品を第1ダイスの第1孔から排出することを同時に行うことができる。そのため、より高速で製品を成形することができるので、生産性を向上させることができる。また、被加工物は、第1ダイスにより支持されているので、被加工物を把持する装置を設ける必要がなく、せん断加工装置の構成をより簡素化することができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、第2ダイスが第1ダイスに最も近くなったとき、すなわち第2ダイスが第1ダイスに対して相対移動の方向を変更する際に、第1パンチ又は第2パンチが移動される。そのため、第1ダイス及び第2ダイスのせん断力(切断力)が最も小さくなった後、第1パンチ又は第2が移動させられるので、効率よく被加工物の切断を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した対向ダイスせん断加工装置の第1実施形態を図1〜図8に従って説明する。
【0025】
本実施形態の対向ダイスせん断加工装置としてのプレス機P1は、図1に示すように、地面に固定されたベッド10、ボルスタ11及びフレーム12を有している。ボルスタ11は、ベッド10の上部に固定されている。また、フレーム12は、ベッド10に連結されており、ベッド10及びボルスタ11を取り囲むように配置されている。
【0026】
ボルスタ11には、図2に示すように、パンチ駆動手段を構成するダイクッション装置13がその中央に内蔵されている。このダイクッション装置13は、例えば空気又は油を利用したバネであって、上面13aが外部から加えられた付勢力に押圧されて下降した後、その付勢力が除去されると、その上面が元の位置に復元するという弾性作用を有している。また、ボルスタ11の上面には、ダイセット14が図示しないボルトにより固着されている。ダイセット14には、その中心に貫通孔14aとこの貫通孔14aを取り囲む4つの貫通孔14bとが形成されている。貫通孔14a内にはパンチ上昇リフタ15が貫通しており、各貫通孔14b内には付勢用リフタ16が貫通している。また、同ダイセット14には、複数の固定用ねじ部14cがその上面に形成されている。
【0027】
ダイセット14の中央の上面には、第1ダイスとしての下ダイス21が固着されている。詳述すると、下ダイス21には、4つの角付近に貫通孔21aが設けられている。この貫通孔21aに位置決めボルト22が、貫通して上記ダイセット14の固定用ねじ部14cと螺合することにより、下ダイス21はダイセット14に水平方向の位置調節可能に固着される。また、下ダイス21は、製品の輪郭形状となっている第1孔としての形状形成孔23を中央に有しているとともに、この形状形成孔23の周囲が上方に突出した突起付ダイスとなっている。なお、形状形成孔23は、例えば、製造される製品がスプロケットであれば、複数の歯が外部に形成された円形状の形状になっている。同形状形成孔23は、下部が縮小した段付きの貫通孔であって、前記ダイセット14の貫通孔14aに整合している。更に、この形状形成孔23には、その上部に第1パンチとしてのブレイクアウトパンチ24が摺動可能に配設されている。また、同ブレイクアウトパンチ24の下部には、上記パンチ上昇リフタ15の上端部が当接している。すなわち、パンチ上昇リフタ15が上昇すると、ブレイクアウトパンチ24が上昇させられる。
【0028】
一方、フレーム12には、図1及び図2に示すように、スライドギブ31と、図示しない第2ダイス駆動手段としてのモータとが設けられている。このモータには、図示しないクラッチを介してフライホイール32が設けられている。フライホイール32には、クランク軸33が連結されている。このクランク軸33には、コネクティングロッド34が回転可能に連結されている。また、このコネクティングロッド34は、その下端部がスライド35に回転可能に連結されている。従って、モータの回転力がクランク軸33及びコネクティングロッド34を介して、スライド35に往復運動力として変換されて伝達される。
【0029】
スライド35の下面には、複数の固定用ねじ部35aが形成されており、その中央には、第2ダイスとしての上ダイス41が、複数の位置決めボルト42により固着されている。詳述すると、上ダイス41には、4つの角付近に貫通孔41aが形成されている。この貫通孔41aに位置決めボルト42が、貫通して、上記スライド35の前記固定用ねじ部35aと螺合することにより、上ダイス41はスライド35に水平方向の位置調節可能に固着される。同上ダイス41は、上述した下ダイス21と同様な形状をして、下ダイス21と対向するように配設されている。すなわち、上ダイス41は、その中央に第2孔としての形状形成孔43が形成されているとともに、その形状形成孔43の周囲が下方に突出した突起付ダイスとなっている。この形状形成孔43は、上記形状形成孔23と同様にその形状が製品の輪郭形状となっており、上部が縮径された段付きの貫通孔である。また、同形状形成孔43には、その下方の大径部に、第2パンチとしてのノックアウトパンチ44が収容されている。同形状形成孔43の縮径部には、比較的弱いバネ力のバネ45が配設されており、このバネ45は、ノックアウトパンチ44に固着されている。そのため、図2に示すように、ノックアウトパンチ44は、下方が空間であっても形状形成孔43から落下しない。また、切断時に上ダイス41が被加工物Wを押圧すると、形状形成孔23内の被加工物Wは、ノックアウトパンチ44及びバネ45を押圧して上方に容易に移動できるようになっている。なお、上ダイス41は、スライド35が最下位置、すなわちクランク軸33が下死点となった場合でも、下ダイス21と隙間をおいて対向するように設定されている。
【0030】
一方、ダイセット14及びスライド35の間には、前記下ダイス21及び上ダイス41を取り囲むように、パンチ駆動手段を構成する油圧シリンダ装置50が4つ配設されている。油圧シリンダ装置50は、図3に示すように、シリンダ部材51,下部ピストン52、上部ピストン53及び図示しない油流通制御部から構成されている。シリンダ部材51は、中央にシリンダ孔51aを有しており、このシリンダ孔51aが上記ダイセット14の貫通孔14bと同心的になるように、上記ダイセット14に固着ボルト54により位置決め可能に固着されている。シリンダ部材51には、下部ピストン52及び上部ピストン53が摺動可能に設けられており、これら下部及び上部ピストン52,53間には、空間Sが形成可能となっている。すなわち、上記油流通制御部の信号により、下部及び上部ピストン52,53間に油が供給されて空間Sが形成され、この空間Sにある油が排出されて空間Sを消滅させることができる。下部ピストン52の下面には、ダイセット14の貫通孔14bを貫通する上述した付勢用リフタ16が当接している。また、上部ピストン53には、その上面に、動作ピン55が一体形成されている。この動作ピン55は、前記スライド35に、位置決めボルト56により位置決めされて固定されている。
【0031】
従って、油圧シリンダ装置50は、スライド35が下降されると、動作ピン55、上部ピストン53、空間Sの油、下部ピストン52を介して付勢用リフタ16を下降させる。下降した付勢用リフタ16はダイクッション装置13の上面13aを下方に押圧して、このダイクッション装置13により上方に付勢されていたパンチ上昇リフタ15が下降され、かつブレイクアウトパンチ24が下降される。また、パンチ上昇リフタ15が下降された後に、上記油流通制御部により空間Sに供給された油が排出されると、下部ピストン52が上昇する。これにより、付勢用リフタ16を介してダイクッション装置13の上面13aが上昇するので、パンチ上昇リフタ15を介してブレイクアウトパンチ24が上昇する。すなわち、ブレイクアウトパンチ24は、スライド35の下降に連動して下降し、下降した後に空間Sの油が排出されると上昇する。なお、油流通制御部は、スライド35が最下位置に至ったとき、すなわちクランク軸33が下死点となったときに、一気に空間Sの油を排出するように制御される。
【0032】
次に、本実施形態のプレス機P1の作用について、図3〜図8を参照して説明する。
図3に示すように、スライド35が最上位置、すなわちクランク軸33が上死点に位置しているとき、油圧シリンダ装置50の空間Sには、油が最大に供給されている。そして、図4に示すように、下ダイス21の上に、例えば、アルミニウム板や鉄板などの被加工物W(これは、例えば3.8〜4.3mmの厚みを有する)が載置されて、徐々にスライド35が下降される。このとき、油流通制御部は、スライド35の下降に応じて、空間Sから油を徐々に排出する。
【0033】
その後、図4に示すように、スライド35が下降されて所定の位置に至ると、油流通制御部は、空間Sの油の排出を停止させて、空間Sの油を密閉状態に保持する。
【0034】
そして、スライド35が更に下降すると、図5に示すように、上ダイス41は、被加工物Wに圧接し、被加工物Wを下方に押圧しながら、被加工物Wの切断部の上方を形状形成孔43の外形形状となるように切る。このとき、スライド35の下降とともにノックアウトパンチ44も下降するが、ノックアウトパンチ44にはバネ45により弱い付勢力が作用しているだけであるので、ノックアウトパンチ44は、被加工物Wの上面に当接するだけになっている。また、このとき、油流通制御部は、油の供給及び排出を停止しているので、スライド35の下降に連動して、付勢用リフタ16が下降する。これによりダイクッション装置13の上面が下方に押圧されて、パンチ上昇リフタ15が下降し、これに連動して、ブレイクアウトパンチ24が下降する。
【0035】
その後、図6に示すように、ブレイクアウトパンチ24が下降して、形状形成孔23の段部に係合すると、ブレイクアウトパンチ24の下降は停止される。このとき、ブレイクアウトパンチ24は、被加工物Wと極わずかな隙間をおいて対向している。すなわち、切断の第1工程が行われ、被加工物Wは、その切断部の厚み方向の一部Wc以外の部分が、下ダイス21及び上ダイス41により切断されている。なお、この切断されていない部分、すなわち下ダイス21及び上ダイス41に挟まれた被加工物Wの切断されていない一部Wcの厚みtは、0.3mm程度である。
【0036】
そして、図6に示すように、スライド35が最下位置になったところで、油流通制御部は、空間Sに供給されていた油を一気に排出する。これにより、図7に示すように、油圧シリンダ装置50の下部ピストン52が上昇する。上部ピストン53が上昇すると、この上部ピストン53に下方に押圧されていたダイクッション装置13の上面13aも上昇する。これにより、パンチ上昇リフタ15が上昇させられ、ブレイクアウトパンチ24が上昇する。そのため、ブレイクアウトパンチ24が上昇することにより、被加工物Wは、上ダイス41に押圧されて、被加工物Wの切断部の残り部分である一部Wcが切断され、所定の形状の製品W1が被加工物Wから分離されて成形され(すなわち第2工程が行われて)、かつ下ダイス21から排出される。なお、このとき、ノックアウトパンチ44は、バネ45に抗して上昇する。
【0037】
その後、図8に示すように、スライド35が上昇すると、上ダイス41及び上部ピストン53が上昇する。このとき、油流通制御部は、空間Sが負圧とならないように油を供給する。そして、図5に示すように、スライド35が再び最上位置に至ると、せん断加工された製品W1が取り出される。
【0038】
以上のようにして、被加工物Wから製品W1が成形される。なお、上述した一連の動作が繰り返し行われることにより、被加工物Wから複数の製品W1が製造される。
【0039】
以上、本実施形態のプレス機P1によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、被加工物Wは、その上方が、弱いバネ力のバネ45によって押圧されているノックアウトパンチ44に当接されており、その下方が極わずかな隙間をおいてブレイクアウトパンチ24と対向している。従って、切断時に、被加工物が受ける圧縮応力が、引張り応力が作用する部分に逃げるため、すなわち被加工物は圧縮応力を受けているため、被加工物Wは、上ダイス41及び下ダイス21により切断される第1工程時に、ダレが発生し難い。また、製品W1が分離される第2工程において急激に引張り応力が発生しないので、破断面がほとんど発生しない。すなわち、破断面やダレがほとんど発生しない形状のよりよい製品を製造することができる。
【0040】
(2)本実施形態では、下ダイス21及び上ダイス41の両方が、突起付ダイスとなっている。そのため、被加工物Wが圧縮応力を受けて、その一部が逃げようとする場合には、下ダイス21及び上ダイス41の外周にほぼ均等に逃げることができる。従って、切断時に被加工物が受ける圧縮応力の変動が非常に少ない。従って、破断面やダレがいっそう発生しない製品を製造することができる。
【0041】
(3)本実施形態では、図示しないモータによりフライホイール32、クランク軸33及びコネクティングロッド34を介してスライド35を可動させる。すなわち、図示しないモータ駆動(機械式)によりスライド35を駆動するので、油圧式などに比べて、より高速にスライド35を上下動させることができ、生産性をより向上させることができる。
【0042】
(4)本実施形態では、油圧シリンダ装置50の空間Sから油を排出することによりブレイクアウトパンチ24を移動させる。すなわち、スライド35の動きとは無関係に、すなわち任意のタイミングでブレイクアウトパンチ24を移動させることができる。このため、タイミング制御が難しいモータ駆動(機械式)であっても、最も効率のよいタイミングで、迅速にノックアウトパンチ44を上昇させることが容易に設定できる。従って、高速で製品W1を製造することができ、生産性をより向上させることができる。
【0043】
(5)本実施形態では、ブレイクアウトパンチ24を上昇させることにより、被加工物Wの一部Wcが切断されて製品W1の分離が行われる。従って、下ダイス21により被加工物Wが成形されることと、製品W1を下ダイス21の形状形成孔23から排出することとを同時に行うことができる。そのため、より高速で製品W1を成形することができ、生産性をより向上させることができる。
【0044】
(6)本実施形態では、上ダイス41が下ダイス21に最も近くなった最下位置に至ったときに、ブレイクアウトパンチ24を上昇させる。すなわち、下ダイス21及び上ダイス41のせん断応力(これが被加工物Wを切断する応力になる)が最も小さいときに、ブレイクアウトパンチ24を移動させることになるので、効率よく被加工物の切断を行うことができる。
【0045】
(7)本実施形態では、下ダイス21が下降して、下ダイス21と上ダイス41とにより被加工物Wが切断されている際に、ブレイクアウトパンチ24及びノックアウトパンチ44が被加工物Wに当接している。従って、下ダイス21と上ダイス41とにより切断される際には、被加工物Wは、ブレイクアウトパンチ24により支持される。従って、圧縮応力が被加工物Wにより均一に作用するので、局部的に大きな圧縮応力が被加工物Wに作用することが少なく、破断面やダレの発生をより抑えることができる。
【0046】
(8)本実施形態では、製品W1となる部分の被加工物Wには、第1工程において上ダイス41の下降による引張り応力が作用している状態から、ブレイクアウトパンチ24が上昇する第2工程において圧縮応力が作用する。すなわち、製品W1は引張り応力を受けた後、圧縮応力を受けることにより、せん断加工が行なわれるので、破断面やダレの発生をより抑えることができる。
【0047】
(9)本実施形態では、下ダイス21の上に被加工物Wを載置して被加工物Wの切断を行った。そのため、被加工物Wを把持するチャック装置などを省略することができ、プレス機P1の構成をより簡素化することができる。
【0048】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した対向ダイスせん断加工装置の第2実施形態のプレス機P2を図9〜図13に従って説明する。なお、第2実施形態は、上記第1実施形態と、パンチ駆動手段の構成のみが異なるだけであるので、同様な部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0049】
本実施形態のプレス機P2には、図9に示すように、上記第1実施形態の油圧シリンダ装置50と、ボルスタ11内に配設されたダイクッション装置13が設けられていない。その代わりに、本実施形態では、パンチ駆動手段としてカム機構71が設けられている。このカム機構71は、前記スライド35に連結されたコネクティングロッド72、このコネクティングロッド72に連結されたカム軸73を有している。詳述すると、カム軸73には、図9の右方の外周縁部の一部に連結部73aが設けられ、この連結部73aに上記コネクティングロッド72が回転可能に連結されている。従って、カム軸73は、スライド35の上下移動に連動して回転する。
【0050】
また、カム軸73には、図9の左方の外周縁部の一部に、突部74が設けられている。そして、この突部74を含むカム軸73の外周面に、前記パンチ上昇リフタ15が当接可能となっている。そのため、スライド35が下降してカム軸73が回転すると、カム軸73の突部74にパンチ上昇リフタ15が当接し、パンチ上昇リフタ15を上昇させる。なお、突部74は、スライド35が最下位置となったときに、パンチ上昇リフタ15が突部74の頂点に当接するように、カム軸73に設けられている。
【0051】
次に、本実施形態のプレス機P2の作用について、図10〜図13を参照して説明する。
図10に示すように、上記実施形態と同様に、被加工物Wを下ダイス21に載置し、スライド35を降下させる。このとき、カム軸73の突部74は、横に位置しているので、カム軸73に当接しているパンチ上昇リフタ15は下降しており、ブレイクアウトパンチ24は、形状形成孔23の大径部の最下部に位置している。
【0052】
そして、図11に示すように、スライド35が更に下降すると、上ダイス41が下降し、下ダイス21及び上ダイス41によって被加工物Wが圧接されて切断が行われる。なお、スライド35の下降とともに、カム軸73は、図10〜13において左回りに回転する。
【0053】
その後、図12に示すように、スライド35が最下位置に至り、被加工物Wの切断部の一部Wc以外がほとんど切断されると、突部74がパンチ上昇リフタ15のほぼ直下に至る。そのため、パンチ上昇リフタ15は、その突部74の高さ分上昇し、ブレイクアウトパンチ24を上方に押し上げる。ブレイクアウトパンチ24が押し上げられると、形状形成孔23内の被加工物Wが押し上げられ、被加工物Wの切断部の残り部分である一部Wcが切断されて製品W1の分離が行われる。従って、図13に示すように、被加工物Wから一部が形状形成孔23,43の形状に抜き取られて、製品W1が成形される。
【0054】
以上、本実施形態のプレス機P2によれば、上記第1実施形態の(1)〜(3)、(5)、(6)、(8)及び(9)に記載の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
【0055】
(10)本実施形態では、ブレイクアウトパンチ24は、スライド35の動きに従動するカム軸73に当接するパンチ上昇リフタ15によって上昇させた。すなわち、ブレイクアウトパンチ24を上昇させる駆動源は、スライド35の駆動源と同一にすることができる。従って、プレス機P2の構成を簡素化することができ、プレス機P2の製造コストを低減することができる。
【0056】
(変更例)
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記第1実施形態では、油圧シリンダ装置50の空間Sの油を排出することにより、また上記第2実施形態では、カム軸73が回転して突部74にパンチ上昇リフタ15が当接することにより、ブレイクアウトパンチ24を上昇させた。しかしながら、ブレイクアウトパンチ24を上昇させる構造であれば、どのようなものであってもよく、例えば、サーボ機構を用いてブレイクアウトパンチ24を上昇させるようにしてもよい。
【0057】
○上記第2実施形態では、スライド35の動きに応じてカム軸73が回転するようにしたが、これに代えてカム軸73が回動するような構成としてもよい。
○上記各実施形態では、第2ダイス駆動手段としての油圧シリンダ装置50やカム機構71は、ブレイクアウトパンチ24を上昇させて、被加工物Wの切断部の一部Wcを切断した。ブレイクアウトパンチ24の代わりに、ノックアウトパンチ44を下降させて、被加工物Wの切断部の一部Wcを切断してもよい。
【0058】
○上記各実施形態では、下ダイス21及び上ダイス41を突起付ダイスとして説明した。これに代えて、片方のダイスが平ダイスであっても第1ダイス及び第2ダイスにより、被加工物Wの切断部の一部Wc以外を切断し、第1パンチ又は第2パンチで、被加工物Wの切断部の一部Wcを切断すればよい。
【0059】
○上記各実施形態では、第2ダイスとしての上ダイス41を下降させて第1ダイスに近接するように相対移動させた。これに代えて、第1ダイスを上昇させて、第2ダイスに近接するように相対移動させてもよい。
【0060】
○上記各実施形態では、上ダイス41が最下位置にあるときに、ブレイクアウトパンチ24を上昇させた。これに代えて、被加工物Wの切断部の一部以外が下ダイス21及び上ダイス41によって切断された後に、ブレイクアウトパンチ24が上昇するようにできれば、上ダイス41が最下位置にない場合にブレイクアウトパンチ24が上昇してもよい。
【0061】
○上記各実施形態では、第1ダイスを被加工物Wの下方に配置し、第2ダイスを被加工物Wの上方に配置して、すなわち第1ダイス及び第2ダイスを上下に配置して切断を行った。これに代えて、第1ダイス及び第2ダイスを水平方向に配置して、第2ダイスを第1ダイスに水平方向に移動させて、せん断加工を行ってもよい。
【0062】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(A)製品の形状と同じ形状の第1孔を有した第1ダイスと、この第1ダイスの前記第1孔に設けられた第1パンチと、前記第1孔とほぼ同じ形状の第2孔を有し、前記第1ダイスの上方に対向するように配設された第2ダイスと、この第2ダイスの前記第2孔に設けられた第2パンチとを備え、被加工物を第1ダイス及び前記第2ダイスにより切断して、所定の形状の前記製品に成形する対向ダイスせん断加工装置において、前記第1ダイス及び前記第2ダイスが、突起付ダイスであることを特徴とする対向ダイスせん断加工装置。
【0063】
従って、この(A)に記載の発明によれば、切断されるために圧縮応力を受けた部分は、第1ダイス及び第2ダイスの外周に均等に逃げることができる。そのため、被加工物の片側に、切断のための圧縮応力が高くなって作用することがほとんどなく、すなわち被加工物の片側が平ダイスの場合に比べて偏って圧縮されることがない。従って、キズやダレをより発生し難くすることができる。
【0064】
【発明の効果】
本発明は、第1ダイス及び第2ダイスを近接させて被加工物の切断部の一部以外を切断する。そして、第1ダイス及び第2ダイスに相対的に、第1パンチ又は第2パンチを移動させることにより、被加工物の切断部の残りを切断して、所定の形状の製品に成形する。すなわち、第1ダイス及び第2ダイスによって被加工物の切断が両側から行われた後、第1パンチ又は第2パンチにより切断されていなかった切断部の一部が切断される。そのため、被加工物の切断は圧縮応力作用中に行われるので、ダレが発生し難いとともに、急激な引張り応力もほとんど発生することがないため破断面がほとんど発生しない。従って、従来よりも、破断面やダレがほとんど発生しない製品を製造することができ、高精度製品の歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるプレス機の斜視図。
【図2】同プレス機の正面図。
【図3】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面図。
【図4】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面図。
【図5】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面図。
【図6】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面図。
【図7】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面図。
【図8】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面図。
【図9】第2実施形態におけるプレス機の正面図。
【図10】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面側面図。
【図11】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面側面図。
【図12】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面側面図。
【図13】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面側面図。
【図14】従来の対向ダイスせん断加工を説明する要部拡大断面図であり(a)は被加工物を載置したとき、(b)は平ダイスを上昇させたとき、(c)はブレイクアウトパンチを下降させたとき、(d)は製品が成形されたときを示す。
【符号の説明】
W…被加工物、W1…製品、Wc…一部、13…パンチ駆動手段を構成するダイクッション、21…第1ダイスとしての下ダイス、23…第1孔としての形状形成孔、24…第1パンチとしてのブレイクアウトパンチ、41…第2ダイスとしての上ダイス、43…第2孔としての形状形成孔、44…第2パンチとしてのノックアウトパンチ、50…パンチ駆動手段を構成する油圧シリンダ装置、71…パンチ駆動手段としてのカム機構。
【発明の属する技術分野】
本発明は、対向ダイスせん断加工装置及び対向ダイスせん断加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製品を所定の形状に切断して成形する方法として打ち抜き加工がある。近年、この打ち抜き加工により製造される製品をより精度よく製造する方法として種々の方法が案出されている。その1つの方法として、対向ダイスせん断加工方法がある(例えば非特許文献1参照)。
【0003】
この対向ダイスせん断加工方法においては、図14に示すように、製品形状の孔91aを有した平ダイス91と、この平ダイス91に対向し製品形状の孔92aを有する突起付ダイス92とを用いる。なお、孔91aにはエジェクタ93が、92aにはブレイクアウトパンチ94が配置されている。
【0004】
そして、図14(a)に示すように平ダイス91上に被加工物Wが載置されると、図14(b)に示すように、平ダイス91が上昇されて、突起付ダイス92及びブレイクアウトパンチ94に被加工物Wが押し付けられ、被加工物Wの切断部Waにせん断応力が発生する。続いて、図14(c)に示すように、ブレイクアウトパンチ94が被加工物Wを下方に押圧し、これにより、製品W1が被加工物Wから分離されて成形される。すなわち、被加工物Wは、平ダイス91の上昇及びブレイクアウトパンチ94の下降により、切断部Waに作用するせん断応力により製品W1を切断分離する。なお、製品W1が成形されると、図14(d)に示すようにエジェクタ93が上昇して製品W1が孔91aから取り出される。
【0005】
【非特許文献1】
古閑伸裕,青木勇著、「基礎から学ぶ実践プレス加工シリーズ プレス打ち抜き加工」、初版、日刊工業新聞社、2002年3月21日,p.134
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の対向ダイスせん断加工装置を用いた対向ダイスせん断方法は、切断力となるせん断応力をより大きく得るために、突起付ダイス92内に配設されたブレイクアウトパンチ94を固定した状態で、平ダイス91を上昇させていた。従って、平ダイス91が上昇されて切断される際には、エジェクタ93の端面上部の材料内部には、せん断応力とともに大きな引張り応力が作用し、この引張り応力によりダレが発生することがあった。また、被加工物Wから製品W1が分離されるときには、大きな圧縮応力を受けていた平ダイス91の端面上部、突起付ダイス92及びブレイクアウトパンチ94の端面下部の材料内部が、引張り応力を受けることになる。従って、停止されている突起付ダイス92側の切断部Waは、急激に大きな引張り応力を受けることになり、粗雑な破断面が形成されることがあった。
【0007】
また、この対向ダイスせん断加工方法は、突起付ダイス92に対して、ブレイクアウトパンチ94及びエジェクタ93を所定のタイミングで可動させる必要があった。そのため、これらの可動タイミングを容易に設定できる油圧式のプレス機が用いられており、生産性を向上することができなかった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、その目的は、破断面やダレの発生を極力低減することのできる対向ダイスせん断加工装置及び対向ダイスせん断方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、製品の形状と同じ形状の第1孔を有した第1ダイスと、この第1ダイスの前記第1孔に設けられた第1パンチと、前記製品の形状と同じ形状の第2孔を有し、前記第1ダイスに対向するように配設された第2ダイスと、この第2ダイスの前記第2孔に設けられた第2パンチとを備え、前記第2ダイスを前記第1ダイスに近接するように相対移動させて、前記第1ダイス及び前記第2ダイスにより被加工物の一部を残して切断する第1工程と、この第1工程の後に前記第1ダイス及び第2ダイスに対して前記第1パンチ又は前記第2パンチを相対移動させて、前記被加工物の切断されていない前記一部を切断して前記製品を前記被加工物から分離する第2工程とによって、前記被加工物を所定の形状の前記製品に成形する対向ダイスせん断加工装置において、前記第1工程において、前記第1パンチ及び前記第2パンチが、前記第1孔及び前記第2孔に対して移動可能に前記被加工物に当接し、又は、所定間隔をおいて前記被加工物に対向していることを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の対向ダイスせん断加工装置において、前記第1ダイス及び前記第2ダイスは、突起付ダイスであることを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の対向ダイスせん断加工装置において、前記第2ダイスを前記第1ダイスに近接するように相対移動させる第2ダイス駆動手段は、モータの駆動力により前記第2ダイスを相対移動させることを要旨とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の対向ダイスせん断加工装置において、前記第1パンチ又は前記第2パンチを駆動させるパンチ駆動手段は、前記第2ダイス駆動手段とは別に設けられていることを要旨とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の対向ダイスせん断加工装置において、前記第1パンチ又は前記第2パンチを駆動させるパンチ駆動手段は、前記第2ダイス駆動手段により移動させられることを要旨とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の対向ダイスせん断加工装置において、前記第1ダイスの上に前記被加工物が載置されており、前記第1ダイス及び前記第1パンチの上方に、前記第2ダイス及び前記第2ダイスが配設されており、第2ダイスが下降させられることにより前記被加工物の切断部の一部以外が切断され、前記第1パンチが上昇させられることにより前記被加工物の切断部がすべて切断されることを要旨とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1つに記載の対向ダイスせん断加工装置において、前記第2ダイスが、前記第1ダイスに最も近くなったときに、前記第1パンチ又は前記第2パンチが移動させられることを要旨とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、製品の形状と同じ形状の第1孔を有した第1ダイスと、この第1ダイスの第1孔に設けられた第1パンチと、前記第1孔とほぼ同じ形状の第2孔を有し、前記第1ダイスの上方に対向するように配設された第2ダイスと、この第2ダイスの前記第2孔に設けられた第2パンチとを備え、前記第2ダイスを前記第1ダイスに近接するように相対移動させて、前記第1ダイス及び前記第2ダイスにより被加工物の一部を残して切断する第1工程と、この第1工程の後に前記第1ダイス及び第2ダイスに対して前記第1パンチ又は前記第2パンチを移動させて、前記被加工物の切断されていない前記一部を切断する第2工程とによって、前記被加工物を所定の形状の前記製品に成形する対向ダイスせん断加工方法において、前記第1工程において、前記第1パンチ及び前記第2パンチが、前記第1孔及び前記第2孔に対して移動可能に前記被加工物に当接している状態、又は、前記被加工物と所定間隔をおいて対向している状態となっていることを要旨とする。
【0017】
(作用)
請求項1又は8に記載の発明によれば、第1ダイス及び第2ダイスを近接させて切断する第1工程において、第1パンチ及び第2パンチは、第1孔及び第2孔に対して移動可能に被加工物に当接しているか又は所定間隔をおいて被加工物に対向している。そのため、第1ダイス及び第2ダイスにより圧縮応力を受ける被加工物は、その受けた圧縮応力が大きい場合、第1パンチや第2パンチを移動させて、又は第1パンチ及び第2パンチとの所定空間に、大きな圧縮応力を分散させることができる。このため、切断時に被加工物は引張り応力が生じる第1パンチや第2パンチ側で圧縮応力を受けるため、第1ダイス及び第2ダイスが被加工物に当接する際に、ダレが発生し難い。また、圧縮応力を受けているため、製品が分離される第2工程において急激に引張り応力が発生せず、破断面がほとんど発生しない。従って、従来よりも破断面やダレがほとんど発生しない製品を製造することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、第1ダイス及び第2ダイスの両方が、突起付ダイスであるので、被加工物が切断されるために作用される圧縮応力を受けた部分は、第1ダイス及び第2ダイスの外周に逃げることができる。このため、切断時に被加工物が受ける圧縮応力をすぐに逃すことができるので、圧縮応力の変動が非常に少ない。従って、破断面やダレがいっそう発生しない製品を製造することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、モータにより発生される駆動力により第2ダイスを第1ダイスに近接させる。すなわち生産性の高いモータ駆動(機械式)により発生する駆動力により行われるので、油圧式に比べてより高速に製品を成形することができ、生産性を向上させることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、前記第1パンチ又は前記第2パンチを駆動させるパンチ駆動手段は、第2ダイス駆動手段とは別に設けられているので、第2ダイスの移動とは無関係に、パンチを移動させることができる。従って、第2ダイスの移動により被加工物の切断部を適当な厚みの一部を残した状態で切断した後、連続して第1パンチ又は第2パンチにより残りの切断部をすべて切断することができる。すなわち、タイミングの制御が難しいモータ駆動(機械式)により第2ダイスを第1ダイスに近接させるようにしても、より最適な厚みやタイミングで、第1パンチ又は第2パンチによって切断部の残りを切断して製品を分離することができる。従って、より高速かつ効率よく製品を製造することができ、生産性をより向上させることができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、第1パンチ又は第2パンチを駆動させるパンチ駆動手段が、前記第2ダイスを移動させる第2ダイス駆動手段により移動させられているので、第1パンチ又は第2パンチを駆動させる駆動源を別途設ける必要がない。従って、せん断加工装置の構成を簡素化することができ、ひいてはせん断加工装置の製造コストを低減することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、第1パンチが上昇させられて、第1ダイスの上に載置された被加工物の切断部がすべて切断される。従って、第1パンチにより被加工物を成形されることと、製品を第1ダイスの第1孔から排出することを同時に行うことができる。そのため、より高速で製品を成形することができるので、生産性を向上させることができる。また、被加工物は、第1ダイスにより支持されているので、被加工物を把持する装置を設ける必要がなく、せん断加工装置の構成をより簡素化することができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、第2ダイスが第1ダイスに最も近くなったとき、すなわち第2ダイスが第1ダイスに対して相対移動の方向を変更する際に、第1パンチ又は第2パンチが移動される。そのため、第1ダイス及び第2ダイスのせん断力(切断力)が最も小さくなった後、第1パンチ又は第2が移動させられるので、効率よく被加工物の切断を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した対向ダイスせん断加工装置の第1実施形態を図1〜図8に従って説明する。
【0025】
本実施形態の対向ダイスせん断加工装置としてのプレス機P1は、図1に示すように、地面に固定されたベッド10、ボルスタ11及びフレーム12を有している。ボルスタ11は、ベッド10の上部に固定されている。また、フレーム12は、ベッド10に連結されており、ベッド10及びボルスタ11を取り囲むように配置されている。
【0026】
ボルスタ11には、図2に示すように、パンチ駆動手段を構成するダイクッション装置13がその中央に内蔵されている。このダイクッション装置13は、例えば空気又は油を利用したバネであって、上面13aが外部から加えられた付勢力に押圧されて下降した後、その付勢力が除去されると、その上面が元の位置に復元するという弾性作用を有している。また、ボルスタ11の上面には、ダイセット14が図示しないボルトにより固着されている。ダイセット14には、その中心に貫通孔14aとこの貫通孔14aを取り囲む4つの貫通孔14bとが形成されている。貫通孔14a内にはパンチ上昇リフタ15が貫通しており、各貫通孔14b内には付勢用リフタ16が貫通している。また、同ダイセット14には、複数の固定用ねじ部14cがその上面に形成されている。
【0027】
ダイセット14の中央の上面には、第1ダイスとしての下ダイス21が固着されている。詳述すると、下ダイス21には、4つの角付近に貫通孔21aが設けられている。この貫通孔21aに位置決めボルト22が、貫通して上記ダイセット14の固定用ねじ部14cと螺合することにより、下ダイス21はダイセット14に水平方向の位置調節可能に固着される。また、下ダイス21は、製品の輪郭形状となっている第1孔としての形状形成孔23を中央に有しているとともに、この形状形成孔23の周囲が上方に突出した突起付ダイスとなっている。なお、形状形成孔23は、例えば、製造される製品がスプロケットであれば、複数の歯が外部に形成された円形状の形状になっている。同形状形成孔23は、下部が縮小した段付きの貫通孔であって、前記ダイセット14の貫通孔14aに整合している。更に、この形状形成孔23には、その上部に第1パンチとしてのブレイクアウトパンチ24が摺動可能に配設されている。また、同ブレイクアウトパンチ24の下部には、上記パンチ上昇リフタ15の上端部が当接している。すなわち、パンチ上昇リフタ15が上昇すると、ブレイクアウトパンチ24が上昇させられる。
【0028】
一方、フレーム12には、図1及び図2に示すように、スライドギブ31と、図示しない第2ダイス駆動手段としてのモータとが設けられている。このモータには、図示しないクラッチを介してフライホイール32が設けられている。フライホイール32には、クランク軸33が連結されている。このクランク軸33には、コネクティングロッド34が回転可能に連結されている。また、このコネクティングロッド34は、その下端部がスライド35に回転可能に連結されている。従って、モータの回転力がクランク軸33及びコネクティングロッド34を介して、スライド35に往復運動力として変換されて伝達される。
【0029】
スライド35の下面には、複数の固定用ねじ部35aが形成されており、その中央には、第2ダイスとしての上ダイス41が、複数の位置決めボルト42により固着されている。詳述すると、上ダイス41には、4つの角付近に貫通孔41aが形成されている。この貫通孔41aに位置決めボルト42が、貫通して、上記スライド35の前記固定用ねじ部35aと螺合することにより、上ダイス41はスライド35に水平方向の位置調節可能に固着される。同上ダイス41は、上述した下ダイス21と同様な形状をして、下ダイス21と対向するように配設されている。すなわち、上ダイス41は、その中央に第2孔としての形状形成孔43が形成されているとともに、その形状形成孔43の周囲が下方に突出した突起付ダイスとなっている。この形状形成孔43は、上記形状形成孔23と同様にその形状が製品の輪郭形状となっており、上部が縮径された段付きの貫通孔である。また、同形状形成孔43には、その下方の大径部に、第2パンチとしてのノックアウトパンチ44が収容されている。同形状形成孔43の縮径部には、比較的弱いバネ力のバネ45が配設されており、このバネ45は、ノックアウトパンチ44に固着されている。そのため、図2に示すように、ノックアウトパンチ44は、下方が空間であっても形状形成孔43から落下しない。また、切断時に上ダイス41が被加工物Wを押圧すると、形状形成孔23内の被加工物Wは、ノックアウトパンチ44及びバネ45を押圧して上方に容易に移動できるようになっている。なお、上ダイス41は、スライド35が最下位置、すなわちクランク軸33が下死点となった場合でも、下ダイス21と隙間をおいて対向するように設定されている。
【0030】
一方、ダイセット14及びスライド35の間には、前記下ダイス21及び上ダイス41を取り囲むように、パンチ駆動手段を構成する油圧シリンダ装置50が4つ配設されている。油圧シリンダ装置50は、図3に示すように、シリンダ部材51,下部ピストン52、上部ピストン53及び図示しない油流通制御部から構成されている。シリンダ部材51は、中央にシリンダ孔51aを有しており、このシリンダ孔51aが上記ダイセット14の貫通孔14bと同心的になるように、上記ダイセット14に固着ボルト54により位置決め可能に固着されている。シリンダ部材51には、下部ピストン52及び上部ピストン53が摺動可能に設けられており、これら下部及び上部ピストン52,53間には、空間Sが形成可能となっている。すなわち、上記油流通制御部の信号により、下部及び上部ピストン52,53間に油が供給されて空間Sが形成され、この空間Sにある油が排出されて空間Sを消滅させることができる。下部ピストン52の下面には、ダイセット14の貫通孔14bを貫通する上述した付勢用リフタ16が当接している。また、上部ピストン53には、その上面に、動作ピン55が一体形成されている。この動作ピン55は、前記スライド35に、位置決めボルト56により位置決めされて固定されている。
【0031】
従って、油圧シリンダ装置50は、スライド35が下降されると、動作ピン55、上部ピストン53、空間Sの油、下部ピストン52を介して付勢用リフタ16を下降させる。下降した付勢用リフタ16はダイクッション装置13の上面13aを下方に押圧して、このダイクッション装置13により上方に付勢されていたパンチ上昇リフタ15が下降され、かつブレイクアウトパンチ24が下降される。また、パンチ上昇リフタ15が下降された後に、上記油流通制御部により空間Sに供給された油が排出されると、下部ピストン52が上昇する。これにより、付勢用リフタ16を介してダイクッション装置13の上面13aが上昇するので、パンチ上昇リフタ15を介してブレイクアウトパンチ24が上昇する。すなわち、ブレイクアウトパンチ24は、スライド35の下降に連動して下降し、下降した後に空間Sの油が排出されると上昇する。なお、油流通制御部は、スライド35が最下位置に至ったとき、すなわちクランク軸33が下死点となったときに、一気に空間Sの油を排出するように制御される。
【0032】
次に、本実施形態のプレス機P1の作用について、図3〜図8を参照して説明する。
図3に示すように、スライド35が最上位置、すなわちクランク軸33が上死点に位置しているとき、油圧シリンダ装置50の空間Sには、油が最大に供給されている。そして、図4に示すように、下ダイス21の上に、例えば、アルミニウム板や鉄板などの被加工物W(これは、例えば3.8〜4.3mmの厚みを有する)が載置されて、徐々にスライド35が下降される。このとき、油流通制御部は、スライド35の下降に応じて、空間Sから油を徐々に排出する。
【0033】
その後、図4に示すように、スライド35が下降されて所定の位置に至ると、油流通制御部は、空間Sの油の排出を停止させて、空間Sの油を密閉状態に保持する。
【0034】
そして、スライド35が更に下降すると、図5に示すように、上ダイス41は、被加工物Wに圧接し、被加工物Wを下方に押圧しながら、被加工物Wの切断部の上方を形状形成孔43の外形形状となるように切る。このとき、スライド35の下降とともにノックアウトパンチ44も下降するが、ノックアウトパンチ44にはバネ45により弱い付勢力が作用しているだけであるので、ノックアウトパンチ44は、被加工物Wの上面に当接するだけになっている。また、このとき、油流通制御部は、油の供給及び排出を停止しているので、スライド35の下降に連動して、付勢用リフタ16が下降する。これによりダイクッション装置13の上面が下方に押圧されて、パンチ上昇リフタ15が下降し、これに連動して、ブレイクアウトパンチ24が下降する。
【0035】
その後、図6に示すように、ブレイクアウトパンチ24が下降して、形状形成孔23の段部に係合すると、ブレイクアウトパンチ24の下降は停止される。このとき、ブレイクアウトパンチ24は、被加工物Wと極わずかな隙間をおいて対向している。すなわち、切断の第1工程が行われ、被加工物Wは、その切断部の厚み方向の一部Wc以外の部分が、下ダイス21及び上ダイス41により切断されている。なお、この切断されていない部分、すなわち下ダイス21及び上ダイス41に挟まれた被加工物Wの切断されていない一部Wcの厚みtは、0.3mm程度である。
【0036】
そして、図6に示すように、スライド35が最下位置になったところで、油流通制御部は、空間Sに供給されていた油を一気に排出する。これにより、図7に示すように、油圧シリンダ装置50の下部ピストン52が上昇する。上部ピストン53が上昇すると、この上部ピストン53に下方に押圧されていたダイクッション装置13の上面13aも上昇する。これにより、パンチ上昇リフタ15が上昇させられ、ブレイクアウトパンチ24が上昇する。そのため、ブレイクアウトパンチ24が上昇することにより、被加工物Wは、上ダイス41に押圧されて、被加工物Wの切断部の残り部分である一部Wcが切断され、所定の形状の製品W1が被加工物Wから分離されて成形され(すなわち第2工程が行われて)、かつ下ダイス21から排出される。なお、このとき、ノックアウトパンチ44は、バネ45に抗して上昇する。
【0037】
その後、図8に示すように、スライド35が上昇すると、上ダイス41及び上部ピストン53が上昇する。このとき、油流通制御部は、空間Sが負圧とならないように油を供給する。そして、図5に示すように、スライド35が再び最上位置に至ると、せん断加工された製品W1が取り出される。
【0038】
以上のようにして、被加工物Wから製品W1が成形される。なお、上述した一連の動作が繰り返し行われることにより、被加工物Wから複数の製品W1が製造される。
【0039】
以上、本実施形態のプレス機P1によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、被加工物Wは、その上方が、弱いバネ力のバネ45によって押圧されているノックアウトパンチ44に当接されており、その下方が極わずかな隙間をおいてブレイクアウトパンチ24と対向している。従って、切断時に、被加工物が受ける圧縮応力が、引張り応力が作用する部分に逃げるため、すなわち被加工物は圧縮応力を受けているため、被加工物Wは、上ダイス41及び下ダイス21により切断される第1工程時に、ダレが発生し難い。また、製品W1が分離される第2工程において急激に引張り応力が発生しないので、破断面がほとんど発生しない。すなわち、破断面やダレがほとんど発生しない形状のよりよい製品を製造することができる。
【0040】
(2)本実施形態では、下ダイス21及び上ダイス41の両方が、突起付ダイスとなっている。そのため、被加工物Wが圧縮応力を受けて、その一部が逃げようとする場合には、下ダイス21及び上ダイス41の外周にほぼ均等に逃げることができる。従って、切断時に被加工物が受ける圧縮応力の変動が非常に少ない。従って、破断面やダレがいっそう発生しない製品を製造することができる。
【0041】
(3)本実施形態では、図示しないモータによりフライホイール32、クランク軸33及びコネクティングロッド34を介してスライド35を可動させる。すなわち、図示しないモータ駆動(機械式)によりスライド35を駆動するので、油圧式などに比べて、より高速にスライド35を上下動させることができ、生産性をより向上させることができる。
【0042】
(4)本実施形態では、油圧シリンダ装置50の空間Sから油を排出することによりブレイクアウトパンチ24を移動させる。すなわち、スライド35の動きとは無関係に、すなわち任意のタイミングでブレイクアウトパンチ24を移動させることができる。このため、タイミング制御が難しいモータ駆動(機械式)であっても、最も効率のよいタイミングで、迅速にノックアウトパンチ44を上昇させることが容易に設定できる。従って、高速で製品W1を製造することができ、生産性をより向上させることができる。
【0043】
(5)本実施形態では、ブレイクアウトパンチ24を上昇させることにより、被加工物Wの一部Wcが切断されて製品W1の分離が行われる。従って、下ダイス21により被加工物Wが成形されることと、製品W1を下ダイス21の形状形成孔23から排出することとを同時に行うことができる。そのため、より高速で製品W1を成形することができ、生産性をより向上させることができる。
【0044】
(6)本実施形態では、上ダイス41が下ダイス21に最も近くなった最下位置に至ったときに、ブレイクアウトパンチ24を上昇させる。すなわち、下ダイス21及び上ダイス41のせん断応力(これが被加工物Wを切断する応力になる)が最も小さいときに、ブレイクアウトパンチ24を移動させることになるので、効率よく被加工物の切断を行うことができる。
【0045】
(7)本実施形態では、下ダイス21が下降して、下ダイス21と上ダイス41とにより被加工物Wが切断されている際に、ブレイクアウトパンチ24及びノックアウトパンチ44が被加工物Wに当接している。従って、下ダイス21と上ダイス41とにより切断される際には、被加工物Wは、ブレイクアウトパンチ24により支持される。従って、圧縮応力が被加工物Wにより均一に作用するので、局部的に大きな圧縮応力が被加工物Wに作用することが少なく、破断面やダレの発生をより抑えることができる。
【0046】
(8)本実施形態では、製品W1となる部分の被加工物Wには、第1工程において上ダイス41の下降による引張り応力が作用している状態から、ブレイクアウトパンチ24が上昇する第2工程において圧縮応力が作用する。すなわち、製品W1は引張り応力を受けた後、圧縮応力を受けることにより、せん断加工が行なわれるので、破断面やダレの発生をより抑えることができる。
【0047】
(9)本実施形態では、下ダイス21の上に被加工物Wを載置して被加工物Wの切断を行った。そのため、被加工物Wを把持するチャック装置などを省略することができ、プレス機P1の構成をより簡素化することができる。
【0048】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した対向ダイスせん断加工装置の第2実施形態のプレス機P2を図9〜図13に従って説明する。なお、第2実施形態は、上記第1実施形態と、パンチ駆動手段の構成のみが異なるだけであるので、同様な部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0049】
本実施形態のプレス機P2には、図9に示すように、上記第1実施形態の油圧シリンダ装置50と、ボルスタ11内に配設されたダイクッション装置13が設けられていない。その代わりに、本実施形態では、パンチ駆動手段としてカム機構71が設けられている。このカム機構71は、前記スライド35に連結されたコネクティングロッド72、このコネクティングロッド72に連結されたカム軸73を有している。詳述すると、カム軸73には、図9の右方の外周縁部の一部に連結部73aが設けられ、この連結部73aに上記コネクティングロッド72が回転可能に連結されている。従って、カム軸73は、スライド35の上下移動に連動して回転する。
【0050】
また、カム軸73には、図9の左方の外周縁部の一部に、突部74が設けられている。そして、この突部74を含むカム軸73の外周面に、前記パンチ上昇リフタ15が当接可能となっている。そのため、スライド35が下降してカム軸73が回転すると、カム軸73の突部74にパンチ上昇リフタ15が当接し、パンチ上昇リフタ15を上昇させる。なお、突部74は、スライド35が最下位置となったときに、パンチ上昇リフタ15が突部74の頂点に当接するように、カム軸73に設けられている。
【0051】
次に、本実施形態のプレス機P2の作用について、図10〜図13を参照して説明する。
図10に示すように、上記実施形態と同様に、被加工物Wを下ダイス21に載置し、スライド35を降下させる。このとき、カム軸73の突部74は、横に位置しているので、カム軸73に当接しているパンチ上昇リフタ15は下降しており、ブレイクアウトパンチ24は、形状形成孔23の大径部の最下部に位置している。
【0052】
そして、図11に示すように、スライド35が更に下降すると、上ダイス41が下降し、下ダイス21及び上ダイス41によって被加工物Wが圧接されて切断が行われる。なお、スライド35の下降とともに、カム軸73は、図10〜13において左回りに回転する。
【0053】
その後、図12に示すように、スライド35が最下位置に至り、被加工物Wの切断部の一部Wc以外がほとんど切断されると、突部74がパンチ上昇リフタ15のほぼ直下に至る。そのため、パンチ上昇リフタ15は、その突部74の高さ分上昇し、ブレイクアウトパンチ24を上方に押し上げる。ブレイクアウトパンチ24が押し上げられると、形状形成孔23内の被加工物Wが押し上げられ、被加工物Wの切断部の残り部分である一部Wcが切断されて製品W1の分離が行われる。従って、図13に示すように、被加工物Wから一部が形状形成孔23,43の形状に抜き取られて、製品W1が成形される。
【0054】
以上、本実施形態のプレス機P2によれば、上記第1実施形態の(1)〜(3)、(5)、(6)、(8)及び(9)に記載の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
【0055】
(10)本実施形態では、ブレイクアウトパンチ24は、スライド35の動きに従動するカム軸73に当接するパンチ上昇リフタ15によって上昇させた。すなわち、ブレイクアウトパンチ24を上昇させる駆動源は、スライド35の駆動源と同一にすることができる。従って、プレス機P2の構成を簡素化することができ、プレス機P2の製造コストを低減することができる。
【0056】
(変更例)
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記第1実施形態では、油圧シリンダ装置50の空間Sの油を排出することにより、また上記第2実施形態では、カム軸73が回転して突部74にパンチ上昇リフタ15が当接することにより、ブレイクアウトパンチ24を上昇させた。しかしながら、ブレイクアウトパンチ24を上昇させる構造であれば、どのようなものであってもよく、例えば、サーボ機構を用いてブレイクアウトパンチ24を上昇させるようにしてもよい。
【0057】
○上記第2実施形態では、スライド35の動きに応じてカム軸73が回転するようにしたが、これに代えてカム軸73が回動するような構成としてもよい。
○上記各実施形態では、第2ダイス駆動手段としての油圧シリンダ装置50やカム機構71は、ブレイクアウトパンチ24を上昇させて、被加工物Wの切断部の一部Wcを切断した。ブレイクアウトパンチ24の代わりに、ノックアウトパンチ44を下降させて、被加工物Wの切断部の一部Wcを切断してもよい。
【0058】
○上記各実施形態では、下ダイス21及び上ダイス41を突起付ダイスとして説明した。これに代えて、片方のダイスが平ダイスであっても第1ダイス及び第2ダイスにより、被加工物Wの切断部の一部Wc以外を切断し、第1パンチ又は第2パンチで、被加工物Wの切断部の一部Wcを切断すればよい。
【0059】
○上記各実施形態では、第2ダイスとしての上ダイス41を下降させて第1ダイスに近接するように相対移動させた。これに代えて、第1ダイスを上昇させて、第2ダイスに近接するように相対移動させてもよい。
【0060】
○上記各実施形態では、上ダイス41が最下位置にあるときに、ブレイクアウトパンチ24を上昇させた。これに代えて、被加工物Wの切断部の一部以外が下ダイス21及び上ダイス41によって切断された後に、ブレイクアウトパンチ24が上昇するようにできれば、上ダイス41が最下位置にない場合にブレイクアウトパンチ24が上昇してもよい。
【0061】
○上記各実施形態では、第1ダイスを被加工物Wの下方に配置し、第2ダイスを被加工物Wの上方に配置して、すなわち第1ダイス及び第2ダイスを上下に配置して切断を行った。これに代えて、第1ダイス及び第2ダイスを水平方向に配置して、第2ダイスを第1ダイスに水平方向に移動させて、せん断加工を行ってもよい。
【0062】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(A)製品の形状と同じ形状の第1孔を有した第1ダイスと、この第1ダイスの前記第1孔に設けられた第1パンチと、前記第1孔とほぼ同じ形状の第2孔を有し、前記第1ダイスの上方に対向するように配設された第2ダイスと、この第2ダイスの前記第2孔に設けられた第2パンチとを備え、被加工物を第1ダイス及び前記第2ダイスにより切断して、所定の形状の前記製品に成形する対向ダイスせん断加工装置において、前記第1ダイス及び前記第2ダイスが、突起付ダイスであることを特徴とする対向ダイスせん断加工装置。
【0063】
従って、この(A)に記載の発明によれば、切断されるために圧縮応力を受けた部分は、第1ダイス及び第2ダイスの外周に均等に逃げることができる。そのため、被加工物の片側に、切断のための圧縮応力が高くなって作用することがほとんどなく、すなわち被加工物の片側が平ダイスの場合に比べて偏って圧縮されることがない。従って、キズやダレをより発生し難くすることができる。
【0064】
【発明の効果】
本発明は、第1ダイス及び第2ダイスを近接させて被加工物の切断部の一部以外を切断する。そして、第1ダイス及び第2ダイスに相対的に、第1パンチ又は第2パンチを移動させることにより、被加工物の切断部の残りを切断して、所定の形状の製品に成形する。すなわち、第1ダイス及び第2ダイスによって被加工物の切断が両側から行われた後、第1パンチ又は第2パンチにより切断されていなかった切断部の一部が切断される。そのため、被加工物の切断は圧縮応力作用中に行われるので、ダレが発生し難いとともに、急激な引張り応力もほとんど発生することがないため破断面がほとんど発生しない。従って、従来よりも、破断面やダレがほとんど発生しない製品を製造することができ、高精度製品の歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるプレス機の斜視図。
【図2】同プレス機の正面図。
【図3】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面図。
【図4】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面図。
【図5】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面図。
【図6】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面図。
【図7】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面図。
【図8】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面図。
【図9】第2実施形態におけるプレス機の正面図。
【図10】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面側面図。
【図11】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面側面図。
【図12】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面側面図。
【図13】同プレス機の作用を説明する要部拡大断面側面図。
【図14】従来の対向ダイスせん断加工を説明する要部拡大断面図であり(a)は被加工物を載置したとき、(b)は平ダイスを上昇させたとき、(c)はブレイクアウトパンチを下降させたとき、(d)は製品が成形されたときを示す。
【符号の説明】
W…被加工物、W1…製品、Wc…一部、13…パンチ駆動手段を構成するダイクッション、21…第1ダイスとしての下ダイス、23…第1孔としての形状形成孔、24…第1パンチとしてのブレイクアウトパンチ、41…第2ダイスとしての上ダイス、43…第2孔としての形状形成孔、44…第2パンチとしてのノックアウトパンチ、50…パンチ駆動手段を構成する油圧シリンダ装置、71…パンチ駆動手段としてのカム機構。
Claims (8)
- 製品の形状と同じ形状の第1孔を有した第1ダイスと、
この第1ダイスの前記第1孔に設けられた第1パンチと、
前記製品の形状と同じ形状の第2孔を有し、前記第1ダイスに対向するように配設された第2ダイスと、
この第2ダイスの前記第2孔に設けられた第2パンチとを備え、
前記第2ダイスを前記第1ダイスに近接するように相対移動させて、前記第1ダイス及び前記第2ダイスにより被加工物の一部を残して切断する第1工程と、
この第1工程の後に前記第1ダイス及び第2ダイスに対して前記第1パンチ又は前記第2パンチを相対移動させて、前記被加工物の切断されていない前記一部を切断して前記製品を前記被加工物から分離する第2工程とによって、前記被加工物を所定の形状の前記製品に成形する対向ダイスせん断加工装置において、
前記第1工程において、前記第1パンチ及び前記第2パンチが、
前記第1孔及び前記第2孔に対して移動可能に前記被加工物に当接し、又は、所定間隔をおいて前記被加工物に対向していることを特徴とする対向ダイスせん断加工装置。 - 前記第1ダイス及び前記第2ダイスは、突起付ダイスであることを特徴とする請求項1に記載の対向ダイスせん断加工装置。
- 前記第2ダイスを前記第1ダイスに近接するように相対移動させる第2ダイス駆動手段は、モータの駆動力により前記第2ダイスを相対移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の対向ダイスせん断加工装置。
- 前記第1パンチ又は前記第2パンチを駆動させるパンチ駆動手段は、前記第2ダイス駆動手段とは別に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の対向ダイスせん断加工装置。
- 前記第1パンチ又は前記第2パンチを駆動させるパンチ駆動手段は、前記第2ダイス駆動手段により移動させられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の対向ダイスせん断加工装置。
- 前記第1ダイスの上に前記被加工物が載置されており、
前記第1ダイス及び前記第1パンチの上方に、前記第2ダイス及び前記第2ダイスが配設されており、
第2ダイスが下降させられることにより前記被加工物の切断部の一部以外が切断され、前記第1パンチが上昇させられることにより前記被加工物の切断部がすべて切断されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の対向ダイスせん断加工装置。 - 前記第2ダイスが、前記第1ダイスに最も近くなったときに、前記第1パンチ又は前記第2パンチが移動させられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の対向ダイスせん断加工装置。
- 製品の形状と同じ形状の第1孔を有した第1ダイスと、
この第1ダイスの第1孔に設けられた第1パンチと、
前記第1孔とほぼ同じ形状の第2孔を有し、前記第1ダイスの上方に対向するように配設された第2ダイスと、
この第2ダイスの前記第2孔に設けられた第2パンチとを備え、
前記第2ダイスを前記第1ダイスに近接するように相対移動させて、前記第1ダイス及び前記第2ダイスにより被加工物の一部を残して切断する第1工程と、
この第1工程の後に前記第1ダイス及び第2ダイスに対して前記第1パンチ又は前記第2パンチを移動させて、前記被加工物の切断されていない前記一部を切断する第2工程とによって、前記被加工物を所定の形状の前記製品に成形する対向ダイスせん断加工方法において、
前記第1工程において、前記第1パンチ及び前記第2パンチが、
前記第1孔及び前記第2孔に対して移動可能に前記被加工物に当接している状態、又は、前記被加工物と所定間隔をおいて対向している状態となっていることを特徴とする対向ダイスせん断加工方法。
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