JP2015195649A - モータの制御装置 - Google Patents

モータの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015195649A
JP2015195649A JP2014071439A JP2014071439A JP2015195649A JP 2015195649 A JP2015195649 A JP 2015195649A JP 2014071439 A JP2014071439 A JP 2014071439A JP 2014071439 A JP2014071439 A JP 2014071439A JP 2015195649 A JP2015195649 A JP 2015195649A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulse width
error
phase
voltage
phase voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014071439A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6311402B2 (ja
Inventor
原田 佳幸
Yoshiyuki Harada
佳幸 原田
前田 敏行
Toshiyuki Maeda
敏行 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2014071439A priority Critical patent/JP6311402B2/ja
Publication of JP2015195649A publication Critical patent/JP2015195649A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6311402B2 publication Critical patent/JP6311402B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Inverter Devices (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Abstract

【課題】モータの制御装置において、PWM制御で設定最小パルス幅未満の微小パルス幅を設定最小パルス幅又は消失するよう零値のパルス幅に制限する場合にも、その最小パルス幅制限に伴うパルス幅誤差を早期且つ確実に減少又は相殺する。
【解決手段】ある相の相電圧のパルス幅が設定最小パルス幅未満のときには、そのパルス幅を設定最小パルス幅又は消失するよう零値のパルス幅に制限する。このとき、この最小パルス幅制限に伴う線間電圧のパルス幅誤差を演算する。その後、例えば最小パルス幅制限をした相の相電圧のパルス幅を上記演算したパルス幅誤差分だけ補正する。
【選択図】図2

Description

本発明はモータの制御装置、特に、モータ駆動用のインバータ等に備える複数のスイッチング素子のオン/オフをPWM制御するモータの制御装置の改良に関する。
従来、モータを駆動するインバータ等の電力変換回路には、複数のスイッチング素子が備えられる。この電力変換回路を有するモータ制御装置では、上記各スイッチング素子にPWM(pulse Width Modulation)信号を出力して、これ等スイッチング素子をオン/オフ制御することにより、モータの回転数を可変制御することが行われる。
ところで、上記構成のモータの制御装置では、各スイッチング素子へのPWM信号である相電圧のパルス幅が極く狭いパルス幅の場合には、この狭いパルス幅をその幅を超える設定最小パルス幅に制限する技術が採用される。しかし、この技術では、相電圧のパルス幅に誤差が生じる。
そこで、従来、例えば特許文献1では、設定最小パルス幅未満の微小パルス幅が出現する毎に、その微小パルス幅を消失させるか、設定最小パルス幅に制限するかを選択することを繰り返し、全体としてモータへの出力電圧誤差を軽減している。
特開2004−129405号公報
また、上記従来技術では、一相の相電圧のパルス幅を設定最小パルス幅に制限する場合を対象としているが、二相間の線間電圧が設定最小パルス幅未満の微小パルス幅となる場合にも、上記従来技術を適用して、線間電圧の微小パルス幅を設定最小パルス幅に制限することを基本とし、その線間電圧に微小パルス幅が出現する毎にその消失と設定最小パルス幅への制限との選択を繰り返して、全体としてモータへの出力電圧誤差を軽減することが想定される。
しかしながら、上記何れの技術であっても、設定最小パルス幅制限に伴う相電圧の誤差又は線間電圧の誤差を零値にすることは困難である。また、微小パルス幅の出現が1回限りの場合には、その誤差は補正できない。更に、複数回の選択動作を繰り返す必要があるため、誤差の低減に時間がかかり、早期の誤差解消を行い得ない欠点がある。
本発明は、上記欠点に鑑み、その目的は、PWM制御を行うモータの制御装置において、相電圧の微小パルス幅を設定最小パルス幅又は消失するよう零値のパルス幅に制限する場合にも、早期にパルス幅の誤差を零値に調整することにある。
上記目的を達成するため、第1の発明のモータの制御装置は、複数のスイッチング素子(Tr)に出力する相電圧信号を発生して、多相モータ(6)への出力電圧をPWM制御するモータの制御装置であって、上記スイッチング素子(Tr)に出力する相電圧信号が設定最小パルス幅未満のとき、この相電圧信号を上記設定最小パルス幅又は消失するよう零値のパルス幅に制限する制限手段(10)と、上記制限手段(10)による相電圧信号の最小パルス幅制限時に、その制限に伴う線間電圧のパルス幅の指令値との誤差を演算する誤差演算手段(11)と、上記演算された線間電圧のパルス幅誤差を小さくするように、相電圧信号のパルス幅を補正する誤差補正手段(12)とを備えたことを特徴とする。
上記第1の発明では、相電圧信号が設定最小パルス幅又は消失するように制限された際には、その制限に伴う線間電圧の誤差が誤差演算手段で演算され、その演算された線間電圧の誤差を小さくするように誤差補正手段が相電圧信号を補正するので、設定最小パルス幅への制限に伴うパルス幅誤差を確実に零値にすることが可能である。
第2の発明は、上記モータの制御装置において、上記誤差演算手段(11)は、上記相電圧信号の最小パルス幅制限により生じた線間電圧のパルス幅誤差を相電圧パルス幅の誤差で演算し、上記誤差補正手段(12)は、上記演算された相電圧パルス幅の誤差を、上記最小パルス幅制限した相の相電圧信号のパルス幅で補正することを特徴とする。
上記第2の発明では、設定最小パルス幅への制限によって生じた線間電圧の誤差を、そのパルス幅制限をした相の相電圧信号の補正で零値にできるので、他の相の相電圧信号のパルス幅を変更する必要がなく、補正制御が簡易である。
第3の発明は、上記モータの制御装置において、上記誤差演算手段(11)は、上記相電圧信号の最小パルス幅制限により生じた線間電圧のパルス幅誤差を線間電圧パルス幅の誤差で演算し、上記誤差補正手段(12)は、上記演算された線間電圧パルス幅の誤差を、上記最小パルス幅制限した相以外の相の相電圧信号のパルス幅で補正すると共に、この相電圧信号のパルス幅補正に伴う線間電圧パルス幅の誤差を上記二相以外の相の相電圧信号のパルス幅で補正することを特徴とする。
上記第3の発明では、最小パルス幅制限によって生じた線間電圧の誤差を、最小パルス幅制限した相以外の相の相電圧信号で補正したので、最小パルス幅制限をした周期内で線間電圧の誤差を確実に且つ早期に零値に補正できる。
第4の発明は、上記モータの制御装置において、上記誤差補正手段(12)は、上記演算された相電圧パルス幅の誤差を、上記最小パルス幅制限した周期の次の周期の相電圧信号のパルス幅で補正することを特徴とする。
上記第4の発明では、最小パルス幅制限によって生じた線間電圧の誤差を、その最小パルス幅制限した周期の次の周期で補正できるので、線間電圧の誤差を早期に解消できる。
第5の発明は、上記モータの制御装置において、上記誤差補正手段(12)は、相電圧信号のパルス幅補正時に上記演算された相電圧パルス幅の誤差を零値に補正できないとき、補正し切れない誤差を次の周期で補正することを特徴とする。
上記第5の発明では、相電圧パルス幅の誤差を1回で零値に補正できなくても、その補正し切れない誤差を次の周期で確実に補正できる。
第6の発明は、上記モータの制御装置において、上記誤差補正手段(12)は、上記最小パルス幅制限した相以外の相電圧信号のパルス幅が所定のパルス幅制限により制限を受けるとき、その制限を施すと共に、その制限により生じた線間電圧パルス幅の誤差を、複数の線間電圧間のパルス幅の比率が同じになるように、上記最小パルス幅制限した相以外の相の相電圧信号のパルス幅で補正することを特徴とする。
上記第6の発明では、線間電圧パルス幅の誤差を、複数の線間電圧間で同じ比率に振り分けたので、1つの線間電圧のみが大きく指令値と異なることを防止できる。
第7の発明は、上記モータの制御装置において、上記誤差補正手段(12)は、上記最小パルス幅制限した相以外の相電圧信号のパルス幅が所定のパルス幅制限により制限を受けるとき、その制限を施すと共に、その制限により生じた線間電圧パルス幅の誤差を、複数の線間電圧のなかで大きな線間電圧のパルス幅で吸収するように、上記最小パルス幅制限した相以外の相の相電圧信号のパルス幅で補正することを特徴とする。
上記第7の発明では、線間電圧パルス幅の誤差を、大きなパルス幅を持つ線間電圧で吸収するので、その線間電圧のパルス幅の誤差の割合を小さくできる。
第8の発明は、上記モータの制御装置において、上記誤差補正手段(12)は、相電圧信号のパルス幅補正時に上記演算された線間電圧パルス幅の誤差を零値に補正できないとき、補正し切れない誤差を次の周期で補正することを特徴とする。
上記第8の発明では、線間電圧パルス幅の誤差を1回で零値に補正できなくても、その補正し切れない誤差を次の周期で確実に補正できる。
第9の発明は、上記モータの制御装置において、上記誤差補正手段(12)は、全ての相の相電圧信号のうち何れか一相以上が1周期の全期間で零値又は所定電圧となる場合には、上記演算された線間電圧のパルス幅の誤差を、上記1周期の全期間で零値又は所定電圧となる相以外の相の相電圧信号のパルス幅で補正することを特徴とする。
上記第9の発明では、相電圧が1周期の全期間で零値又は所定電圧となる相では、その相の相電圧のパルス幅を用いて線間電圧パルス幅の誤差をできないが、他の相を用いて線間電圧パルス幅の誤差を補正できる。
第10の発明は、上記モータの制御装置において、上記誤差補正手段(12)は、線間電圧パルス幅の誤差の補正時に、パルス幅を補正する相電圧信号が1周期の全期間で零値又は所定電圧となる場合には、その相電圧信号のパルス幅補正を行わないことを特徴とする。
上記第10の発明では、線間電圧誤差が生じた期間とはパルス幅制御の様子が全く異なる期間での誤差補正を回避できる。
上記第1の発明のモータの制御装置によれば、最小パルス幅制限に伴う線間電圧の誤差を演算し、その誤差分を低減、相殺するように相電圧信号を補正するので、設定最小パルス幅への制限に伴うパルス幅誤差を確実に縮小又は零値にすることが可能である。
第2の発明によれば、他の相の相電圧信号を変更する必要がないので、補正制御を簡易にできる。
第3の発明によれば、最小パルス幅制限をした周期内で線間電圧の誤差を確実に零値に補正できる。
第4の発明によれば、最小パルス幅制限によって生じた線間電圧の誤差を早期に解消できる。
第5の発明によれば、相電圧パルス幅の誤差を1回で零値に補正できなくても、その補正し切れない誤差を次の周期で確実に零値に補正できる。
第6の発明によれば、線間電圧の誤差補正に際しても、1つの線間電圧のみが大きく指令値と異なることを防止できる。
第7の発明によれば、線間電圧パルス幅の誤差補正を行った線間電圧において、補正前のパルス幅に対する補正後のパルス幅の誤差の割合を小さくできる。
第8の発明によれば、相電圧パルス幅の誤差を1回の補正で補正し切れない誤差を、次の周期で確実に補正できる。
第9の発明によれば、最小パルス幅制限に伴う線間電圧パルス幅の誤差を、相電圧が1周期の全期間で零値又は所定電圧となる相以外の相を用いて補正できる。
第10の発明によれば、線間電圧誤差が生じた期間とはパルス幅制御の様子が全く異なる期間での誤差補正を回避できる。
図1は実施形態1に係るモータ制御装置を備えた電力供給装置の電気回路図である。 図2は同モータ制御装置の動作を示す制御フローチャート図である。 図3は実施形態1において設定最小パルス幅未満の微小パルス幅が発生する様子の説明図である。 図4は実施形態1において微小パルス幅を設定最小パルス幅に制限した様子の説明図である。 図5は実施形態1において最小パルス幅制限で生じた線間電圧パルス幅の誤差をその最小パルス幅制限をした相で補正する様子の説明図である。 図6は実施形態2において設定最小パルス幅未満の微小パルス幅が発生する様子の説明図である。 図7は実施形態2において微小パルス幅を設定最小パルス幅に制限した様子の説明図である。 図8は実施形態2において最小パルス幅制限で生じた線間電圧パルス幅の誤差をその最小パルス幅制限をした相以外の相で補正する様子の説明図である。 図9は実施形態3において相電圧に設定最小パルス幅未満の微小パルス幅が発生する様子の説明図である。 図10は実施形態3において微小パルス幅を設定最小パルス幅に制限すると共に、その制限時の線間電圧パルス幅の誤差を、最小パルス幅制限をした相以外の相で補正する様子の説明図である。 図11は実施形態3において線間電圧パルス幅の誤差補正時に各線間電圧のパルス幅間の比率を元の比率に設定した様子の説明図である。 図12は実施形態4において相電圧に設定最小パルス幅未満の微小パルス幅が発生する様子の説明図である。 図13は実施形態4において微小パルス幅を設定最小パルス幅に制限すると共に、その制限時の線間電圧パルス幅の誤差を、最小パルス幅制限をした相以外の相で補正する様子の説明図である。 図14は実施形態4において線間電圧パルス幅の誤差補正時にその線間電圧のパルス幅誤差をパルス幅の大きい線間電圧に割り振った様子の説明図である。 図15は実施形態5において相電圧に設定最小パルス幅未満の微小パルス幅が発生する様子の説明図である。 図16は実施形態5において最小パルス幅制限をした周期内で相電圧のパルス幅を補正して線間電圧のパルス幅誤差を補正した様子の説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、又はその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
以下、本発明の実施形態1に係るモータの制御装置を備えた電力供給装置を示す。
図1の電力供給装置(P)は、三相モータに三相交流電力を供給するものであって、(1)は三相交流電源、(2)は上記三相交流電源(1)の三相交流を直流に変換する6個のダイオード(Dr)がブリッジ状に結線されたコンバータ部、(3)は上記コンバータ部(2)により変換された直流電圧を平滑する平滑コイル、(4)は同様に上記コンバータ部(2)からの直流電圧を平滑する平滑コンデンサ、(5)は上記平滑された直流電圧を三相交流電圧に変換するスイッチング素子としてのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)(Tr)及びこれ等のIGBT(Tr)の各々に逆並列に接続された6個の還流ダイオード(Dw)を有するインバータである。このインバータ(5)で変換された三相交流電圧は、三相モータ(6)に供給される。この三相モータ(6)は、例えば空気調和装置などの冷凍装置に備える圧縮機を回転駆動するためのモータである。この構成は一例であり、コンバータ部(2)がダイオードで構成される必要はないし、平滑コイル(3)又は平滑コンデンサ(4)が無い構成でも良く、インバータ(5)のスイッチング素子もIGBTである必要はない。
また、(7)はコントローラであって、上記三相モータ(6)の各相に流れる電流(iu,iv,iw)の検出値が入力され、これ等の各相電流(iu,iv,iw)を三相交流に制御するよう、上記インバータ(5)に内蔵する6個のIGBT(Tr)へのPWM信号を発生し、出力して、三相モータ(6)の回転数を制御する。
上記コントローラ(7)は、IGBT(Tr)へPWM信号を出力して、三相モータ(6)の回転数を制御するモータ制御装置である。このコントローラ(7)の基本的な動作を図2の制御フローチャートに基づいて説明する。
同図において、ステップS1ではインバータ(5)から三相モータ(6)への出力電圧が三相交流になるように内部の6個のIGBT(スイッチング素子)(Tr)へのPWM信号を発生させる。
次いで、ステップS2では、発生したPWM信号のパルス幅を設定最小パルス幅(Wlim)と比較し、発生したPWM信号のパルス幅(Wlow)が設定最小パルス幅(Wlim)未満の場合には、ステップS3において、電圧指令値(Tc)を変更して、その発生したPWM信号のパルス幅を設定最小パルス幅(Wlim)に制限する。このステップS2は、本発明の制限手段(10)を構成する。
その後は、ステップS4において、設定最小パルス幅(Wlim)への制限に伴うパルス幅の誤差、すなわち、元のパルス幅(Wlow)と設定最小パルス幅(Wlim)との差分(Wlow−Wlim<0)を演算する。このステップS3は、本発明の誤差演算手段(11)を構成する。ここで、最小パルス幅制限時にパルス幅を消失させる処理(パルス幅を零値に制限する処理)を行う場合は、元のパルス幅(Wlow)と消失させたパルス幅との差分(Wlow−0>0)を演算することになる。
そして、上記誤差(Wlow−Wlim<0)を相殺するように、ステップS5において、電圧指令値(Tc)を変更して、上記パルス幅制限をした後の信号のパルス幅を上記誤差分(|Wlow−Wlim|)だけ補正して、誤差を相殺する。このステップS3は、本発明の誤差補正手段(12)を構成する。
次に、上記誤差演算手段(11)及び誤差補正手段(12)の詳細な動作を説明する。ここでの説明は、設定最小パルス幅に制限した場合を記載するが、パルス幅を消失させる場合については補正する方向が逆になるだけであるので、割愛する。
図3〜図5は上記両手段(11)、(12)の動作を説明する動作タイミングチャートである。同図では、上記図1の三相モータ(6)の各相を相1、相2及び相3と表現し、平滑コンデンサ(4)の端子電圧を電圧(Vdc)と表現している。この図では、更に、上アームの比較三角波、各相電圧のパルス幅発生用の電圧指令値(Tca1〜Tca3、Tcb1〜Tcb3)、各相のPWM信号である相電圧1、相電圧2、相電圧3、及び相電圧1、2間の線間電圧12、及び相電圧2、3間の線間電圧23を示している。
図3では、周期(X)にて電圧指令値(Tca3)が低くて、相電圧3に設定最小パルス幅(Wlim)未満のパルス幅(Wlow)が発生してしまう様子を示している。この相電圧3のパルス幅(Wlow)は、電圧(ov)のOFFのパルス(Poff)である。その際、線間電圧23において電圧(-Vdc)を有するパルス幅は幅(W21a+W22a)である。また、周期(X)にて相電圧3の電圧(Vdc)を有するパルス幅は幅(W1)である。更に、上記周期(X)の次周期(Y)では、線間電圧23において電圧(-Vdc)を有するパルス幅は(幅W21b+W22b)である。尚、以下では、パルス幅がそのまま電圧に変換されることを前提に説明する。このことは以下で述べる他の実施形態でも同様である。
図4は、上記設定最小パルス幅(Wlim)未満のパルス幅(Wlow)を設定最小パルス幅(Wlim)に制限する場合を示している(ちなみに、図を例にすると、相電圧3で周期(X)の手前の周期においてOFFのパルスが出力されていない場合は、周期(X)のOFFのパルスを消失するように処理することが可能となる)。すなわち、相電圧3用の電圧指令値(Tca3)を高く設定し直した電圧指令値(Tca3’)により相電圧3のパルス幅を設定最小パルス幅(Wlim)に制限している。この時、線間電圧23のパルス幅を幅(W21a’+W22a’)とし、相電圧3のパルス幅を(W1’)とすると、線間電圧23のパルス幅の減少量は幅{(W21a-W21a’)+( W22a-W22a’)}であり、相電圧3のパルス幅の減少量は幅(W1-W1’)であり、両減少量は同一量{(W21a-W21a’)+( W22a-W22a’)=( W1-W1’)}である。従って、線間電圧23のパルス幅の減少量は、相電圧3のパルス幅の減少量で把握できる。これらのパルス幅の減少量は、最小パルス幅制限前の元のパルス幅(Wlow)を設定最小パルス幅(Wlim)に制限したことに起因して生じた線間電圧の誤差である。この線間電圧の誤差、すなわち、相電圧3のパルス幅の減少量(W1-W1’)は、相電圧3の当初パルス幅(Wlow)と設定最小パルス幅(Wlim)との差ΔW(= Wlim- Wlow)の2倍である。誤差演算手段(11)は、相電圧3のパルス幅の減少量(W1-W1’=2ΔW)を演算する。
図5は、上記線間電圧の減少量(すなわち、相電圧3のパルス幅の減少量(W1-W1’=2ΔW))を次周期(Y)で補正した場合を示している。同図では、元のパルス幅(Wlow)を設定最小パルス幅(Wlim)に制限した相である相電圧3のパルス幅を幅(W2’)に設定している。この幅(W2’)は、元のパルス幅(W2)に上記誤差(2ΔW)を加算したパルス幅である。誤差補正手段(11)は、相電圧3のパルス幅が上記幅(W2’)になるように相電圧3用の電圧指令値(Tcb3’)を 上記パルス幅(W2)を発生させる図4の電圧指令値(Tcb3)よりも低く設定し直す。その結果、周期(X)及び周期(Y)の2周期内では、線間電圧23の電圧(-Vdc)のパルス幅((W21a’+W22a’)+(W21b’+W22b’)は、設定最小パルス幅(Wlim)への補正前のパルス幅((W21a+W22a)+(W21b+W22b))に等しくなる。従って、設定最小パルス幅(Wlim)に制限した場合に生じた線間電圧の誤差をなくすことができる。
ここで、相電圧3の元のパルス幅(Wlow)を設定最小パルス幅(Wlim)に制限したことにより生じた線間電圧23の誤差(2ΔW)を、そのパルス幅制限した相と同じ相3の相電圧3で補正したので、他の相電圧1及び相電圧2については補正が不要であり、制御が簡易である。しかも、パルス幅制限した周期(X)の次の周期(Y)で線間電圧23の誤差(2ΔW)を補正しているので、線間電圧誤差を早期に解消することができる。
尚、本実施形態では、線間電圧の誤差(2ΔW)の全てを次周期(Y)で補正したが、その誤差(2ΔW)の全てを周期(Y)で補正できないときには、補正し切れない誤差を周期(Y)の次の周期で相電圧3のパルス幅に加算して補正すれば良い。
《実施形態2》
次に、本発明の実施形態2を説明する。上記実施形態1では、パルス幅制限した相と同一の相3において線間電圧の誤差を補正したが、本実施形態では、パルス幅制限した相とは異なる相において線間電圧の誤差を補正するものである。
図6〜図8は、本実施形態の誤差演算手段(11)及び誤差補正手段(12)の動作を説明する動作タイミングチャートである。
図6では、周期(Y)にて電圧指令値(Tcb3a)が低くて、相電圧3に設定最小パルス幅(Wlim)未満のパルス幅(Wlow)が発生してしまう様子を示している。同図では、その際の線間電圧23において電圧(-Vdc)を有するパルス幅は幅(W21a+W22a)である。
図7は、上記設定最小パルス幅(Wlim)未満のパルス幅(Wlow)を設定最小パルス幅(Wlim)に制限する場合を示している。すなわち、相電圧3用の電圧指令値(Tcb3a)を高く設定し直した電圧指令値(Tcb3b)により相電圧3のパルス幅を設定最小パルス幅(Wlim)に制限している。この時、線間電圧23の電圧(-Vdc)を有するパルス幅を幅(W21b+W22b)とすると、線間電圧23のパルス幅の減少量は((W21a-W21b)+(W22a-W22b))である。この線間電圧23のパルス幅の減少量は、相電圧3の元のパルス幅(Wlow)と設定最小パルス幅(Wlim)との差(Wlim-Wlow=ΔW)の2倍(2ΔW)である。誤差演算手段(10)は、この線間電圧23のパルス幅の誤差(減少量)(2ΔW)を演算する。
図8は、上記線間電圧の減少量(2ΔW))を上記パルス幅制限をした周期(Y)と同周期(Y)で補正した場合を示している。同図では、上記パルス幅制限をした相3とは異なる相2の相電圧2のパルス幅を幅(W4)に設定している。この幅(W4)は、図7に示したように相電圧2の元のパルス幅(W3)から上記誤差(2ΔW)を減算したパルス幅(W4=W3-2ΔW)である。誤差補正手段(11)は、相電圧2のパルス幅が上記幅(W4)になるように相電圧2用の電圧指令値(Tcb2b)を、上記パルス幅(W3)を発生させる図7の電圧指令値(Tcb2a)よりも高く設定し直す。その結果、線間電圧23のパルス幅(W21c+W22c)は、設定最小パルス幅(Wlim)への補正前のパルス幅(W21a+W22a)に等しくなる。従って、設定最小パルス幅(Wlim)に制限した場合に生じた線間電圧23の誤差をなくすことができる。
更に、図8において、パルス幅制限をした相3とは異なる相2の相電圧2のパルス幅を上記の通り幅(W3)から幅(W4)(W4=W3-2ΔW)に減少補正した結果、他の線間電圧12の電圧(-Vdc)のパルス幅は上記相電圧2のパルス幅減少分(2ΔW)狭くなる。このパルス幅の減少を補正するために、上記パルス幅制限をした相3とパルス幅補正をした相2以外の相、すなわち相1の相電圧1のパルス幅を、元のパルス幅(W1a)からパルス幅(W1c)に狭く補正する。このパルス幅(W1c)は、元のパルス幅(W1a)から上記線間電圧12のパルス幅の減少分(2ΔW)だけ狭いパルス幅(W1c=W1a-2ΔW)である。従って、誤差補正手段(12)は、相電圧1のパルス幅が上記幅(W1c)になるように相電圧1用の電圧指令値(Tcb1b)を 上記パルス幅(W1a)を発生させる図6の電圧指令値(Tcb1a)よりも高く設定し直す。その結果、線間電圧12の電圧(-Vdc)のパルス幅(W11c+W12c)は、パルス幅制限前の図6のパルス幅(W11a+W12a)に等しくなる。従って、線間電圧23の誤差補正によって生じた線間電圧12の誤差もなくすことができる。
従って、本実施形態では、パルス幅制限をした周期(Y)内において、線間電圧23でのパルス幅の誤差補正と、線間電圧12でのパルス幅の誤差補正とを行うので、周期(Y)内での各線間電圧の誤差を完全になくして、線間電圧のベクトル関係を良好に維持できる。
尚、本実施形態では、パルス幅制限をした周期(Y)内で線間電圧の誤差(2ΔW)の全てを補正したが、その誤差(2ΔW)の全てを補正できないときには、補正し切れない誤差を周期(Y)の次の周期で補正すれば良い。
《実施形態3》
続いて、本発明の実施形態3を説明する。本実施形態では、パルス幅制限により生じた線間電圧のパルス幅の誤差を、その誤差が生じた周期内で零値に補正できない場合にも、各線間電圧のパルス幅を所望値に一層近づける対策を例示する。
図9〜図11は、本実施形態の誤差演算手段(11)及び誤差補正手段(12)の動作を説明する動作タイミングチャートである。
図9では、周期(Y)にて、相電圧3用の電圧指令値(Tca3a)が低くて、相電圧3に設定最小パルス幅(Wlim)未満のパルス幅(Wlow)が発生してしまう様子を示している。同図では、周期やパルス幅の長さを数値で表現し、1周期の期間を「138」、設定最小パルス幅(Wlim)を「10」として説明する。その際の線間電圧23の電圧(-Vdc)のパルス幅(W21a+W22a)は幅(30+30)、線間電圧12の電圧(-Vdc)のパルス幅(W11a+W12a)も幅(30+30)、相電圧1のパルス幅(W1a)は「14」であり、設定最小パルス幅未満のパルス幅(Wlow)は「6」である。
図10では、上記設定最小パルス幅(Wlim)未満のパルス幅(Wlow=6)を設定最小パルス幅(Wlim=10)に制限する場合を示している。すなわち、相電圧3用の電圧指令値(Tca3a)を高く設定し直した電圧指令値(Tca3b)により相電圧3のパルス幅を設定最小パルス幅(Wlim=10)に制限している。この時、線間電圧23の電圧(-Vdc)を有するパルス幅が上記相電圧3のパルス幅の増大分(2ΔW=2・4=8)減少するため、相電圧2用の電圧指令値(Tcb2b)を元の電圧指令値(Tcb2a)よりも高く設定し直して、相電圧2のパルス幅を幅(W5)から幅(W6)に狭くし、線間電圧23のパルス幅(W21b+W22b)を上記減少分(2ΔW=2・4=8)増大させて元のパルス幅(W21a+W22a=30+30)と等しくする。更に、線間電圧12の電圧(-Vdc)を有するパルス幅が上記相電圧2のパルス幅の減少分(W5-W6=2ΔW=2・4=8)減少するため、この減少分を補正するためには、相電圧1用の電圧指令値(Tcb1b)を元の電圧指令値(Tcb1a)よりも高く設定し直して、相電圧1のパルス幅を幅(W1a=14)から幅(W1c=6)に狭くすることが必要である。しかし、このパルス幅(W1c=6)が設定最小パルス幅(Wlim=10)未満であるため、この相電圧1のパルス幅(W1c)を設定最小パルス幅(Wlim=10)に制限する。このとき、線間電圧12のパルス幅(W11b+W12b)は、相電圧1のパルス幅の増大分(Wlim-W1c=10-6=4)だけ減少して、幅(28+28)となる。従って、線間電圧23は元のパルス幅(30+30)を確保できるものの、線間電圧12は元のパルス幅(30+30)よりも狭い幅(28+28)に調整されて、線間電圧の誤差が線間電圧12に偏ってしまう欠点が生じる。
そこで、図11では、相電圧2用の電圧指令値(Tcb2b)を変更して、線間電圧23のパルス幅(W21c+W22c)と線間電圧12のパルス幅(W11c+W12c)との比率が同率の(29+29:29+29)の比率になるように、相電圧2用の電圧指令値(Tcb2b)を電圧指令値(Tcb2c)に低く設定し直して、線間電圧23のパルス幅(W21b+W22b)を「1+1」減らすと共に、線間電圧12のパルス幅(W11b+W12b)を「1+1」増やす。
従って、本実施形態では、線間電圧23と線間電圧12との間で線間電圧の誤差を等分に分配できて、線間電圧の誤差の偏りを防止することができる。
尚、本実施形態では、相電圧1のパルス幅を設定最小パルス幅(Wlim)に制限する場合を例示したが、このパルス幅制限は最小パルス幅制限に限らない。
《実施形態4》
次に、本発明の実施形態4を説明する。本実施形態では、パルス幅制限により生じた線間電圧のパルス幅の誤差を、その誤差が生じた周期内で零値に補正できない場合には、線間電圧のパルス幅が大きい線間電圧に誤差を割り付けて、線間電圧の誤差率を低く制限するものである。
図12〜図14は、本実施形態の誤差演算手段(11)及び誤差補正手段(12
)の動作を説明する動作タイミングチャートである。
図12では、周期(Y)にて、相電圧3用の電圧指令値(Tca3a)が低くて、相電圧3に設定最小パルス幅(Wlim=10)未満のパルス幅(Wlow=6)が発生してしまう様子を示している。その際の線間電圧23の電圧(-Vdc)のパルス幅(W21a+W22a)は幅(50+50)、線間電圧12の電圧(-Vdc)のパルス幅(W11a+W12a)は幅(10+10)、相電圧1のパルス幅(W1a)は「14」である。
図13では、相電圧3の設定最小パルス幅(Wlim=10)未満のパルス幅(Wlow=6)を設定最小パルス幅(Wlim=10)に制限する場合を示している。すなわち、相電圧3用の電圧指令値(Tcb3a)を高く設定し直した電圧指令値(Tcb3b)により相電圧3のパルス幅を設定最小パルス幅(Wlim=10)に制限している。このパルス幅制限に伴い線間電圧23のパルス幅に誤差(2(Wlim-Wlow)=8=2ΔW)が生じるため、上記実施形態3と同様に、相電圧2用の電圧指令値(Tcb2a)を電圧指令値(Tcb2b)に高く設定し直して、相電圧2のパルス幅を幅(W7)から幅(W8=W7-2ΔW)に減少補正し、線間電圧23のパルス幅(W21b+W22b)を元のパルス幅(W21a+W22a=50+50)と等しくする。また、上記相電圧2のパルス幅の減少補正に伴う線間電圧12の減少誤差(-2ΔW=-8)を補正するには、相電圧1用の電圧指令値(Tcb1a)を電圧指令値(Tcb1b)に高く設定し直して、相電圧1のパルス幅を幅(W1a=14)から幅(W1c=14-8=6)に設定することが必要である。しかし、このパルス幅(W1c)が設定最小パルス幅(Wlim=10)未満になるため、電圧指令値(Tcb1b)を若干低く設定して、この相電圧1のパルス幅(W1c)を設定最小パルス幅(Wlim=10)に設定する。このとき、このパルス幅制限に起因して線間電圧12のパルス幅(W11b+W12b)は、幅(10+10)から幅(8+8)に減少する。従って、線間電圧の誤差は全てパルス幅(W11a+W21a=8+8)の小さい線間電圧12に偏ってしまう。ここで、図12に示したように、元の線間電圧12のパルス幅(W11a+W21a)は幅(10+10)であるため、線間電圧12のパルス幅(W11b+W12b=8+8)の誤差割合は、20%((20-16)/20)と大きい。一方、線間電圧23のパルス幅(W21a+W22a)は幅(50+50)であって、線間電圧23の方がパルス幅が大きい。従って、上記線間電圧のパルス幅の減少誤差(2+2)を、パルス幅が大きい線間電圧23に偏らせて、電圧誤差の割合を小さくする。
すなわち、図14に示すように、相電圧2用の電圧指令値(Tcb2b)を電圧指令値(Tcb2c<Tcb2b)に低く設定し直して、相電圧2のパルス幅(W9)を幅(W8)から幅(W8+2+2)に増大させる。その結果、線間電圧23のパルス幅(W21c+W22c)は幅(50+50)から幅(48+48)に減少する一方、線間電圧12のパルス幅(W11c+W12c)は幅(8+8)から幅(10+10)に拡大する。ここで、線間電圧23のパルス幅(W21c+W22c)の誤差割合は、4%((100-96)/100)となり、上記線間電圧12のパルス幅(W11b+W12b)の誤差割合(20%)に比して、誤差割合が極めて小さい。
尚、本実施形態では、相電圧1のパルス幅を設定最小パルス幅(Wlim)に制限する場合を例示したが、このパルス幅制限は最小パルス幅制限に限らない。
《実施形態5》
次に、本発明の実施形態5を説明する。本実施形態では、二相変調や過変調の場合などのように、少なくとも一相で相電圧が1周期の全期間で零値又は電圧(-Vdc)である場合に、最小パルス幅制限時に生じた線間電圧誤差の補正の方法を説明する。
図15及び図16は、本実施形態の誤差演算手段(11)及び誤差補正手段(12)の動作を説明する動作タイミングチャートである。
図15では、周期(Y)にて、相電圧2用の電圧指令値(Tcb2a)が低くて、相電圧2に設定最小パルス幅未満のパルス幅(Wlow)が発生してしまう様子を示している。この周期(Y)では、その全期間で相電圧3は電圧(Vdc)のパルス幅を有している。
図16では、相電圧2用の電圧指令値(Tcb2a’)を周期(Y)の前半で元の電圧指令値(Tcb2a)よりも高く設定し直して、相電圧2のパルス幅(Wlow)を設定最小パルス幅(Wlim)に制限している。その結果、線間電圧12の電圧(-Vdc)のパルス幅は、上記相電圧2の設定最小パルス幅(Wlim)の期間で、誤差(Wlim-Wlow=ΔW)だけ減少する。この誤差(ΔW)を補正すべく、最小パルス幅制限をした周期(Y)の後半において、相電圧2用の電圧指令値(Tcb2a’’)を元の電圧指令値(Tcb2a’)よりも低く設定し直して、相電圧2の電圧(Vdc)のパルス幅(WA)の終期部分(立下り部分)を上記誤差(ΔW)分延長して(遅らせて)、相電圧2の電圧(Vdc)のパルス幅(WA)を元のパルス幅(WA)に等しくしている。その結果、線間電圧12の電圧(-Vdc)のパルス幅(W11a’+W12a’)は、元のパルス幅(W11a+W12a)に等しくなる。
このように、本実施形態では、1周期(Y)内で1つの相電圧用の電圧指令値を2種用いることにより、相電圧のパルス幅を長く又は短く調整することが可能である。
《その他の実施形態》
本発明は、上記実施形態1〜5について、以下のような構成としてもよい。
以上の各実施形態において、1周期の全期間で一相の相電圧が零値又は電圧(-Vdc)である場合に、その相電圧のパルス幅を調整して、最小パルス幅制限に伴う誤差補正を行うこととなる場合には、その相電圧のパルス幅調整は行わないのが、望ましい。線間電圧誤差が生じた期間とはパルス幅制御の様子が全く異なる期間での誤差補正を回避するためである。
また、上記実施形態では、上アームのIGBT(Tr)に出力するPWM信号について、OFFのパルス(Poff)のパルス幅(Wlow)が最小パルス幅(Wlim)未満になる場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、ONのパルスのパルス幅が最小パルス幅(Wlim)未満になる場合にも同様に適用できるのは勿論であり。また、下アームのIGBT(Tr)に出力するPWM信号について、設定最小パルス幅(Wlim)未満になる場合に適用しても良い。尚、設定最小パルス幅未満のパルス幅を設定最小パルス幅に制限する場合を例示したが、パルス幅を消失させる場合に適用しても良い。
更に、以上の説明では、インバータ(5)を構成する6個のIGBT(Tr)に出力するPWM信号を発生する場合に本発明を適用したが、本発明は、インバータに備えるIGBTに限らず、スイッチング素子に出力するPWM信号を発生する場合に広く適用可能である。また、スイッチング素子のON−OFF動作で回転駆動されるモータ(6)も、冷凍装置の圧縮機駆動用モータに限らない。
以上説明したように、本発明は、PWM制御で最小パルス幅制限を行うモータの制御装置において、その最小パルス幅制限に起因する誤差を早期に且つ確実に減少又は相殺したので、モータへの出力電圧の精度を高く確保できるモータ制御装置に適用して、有用である。
P 電力供給装置
1 三相交流電源
2 コンバータ部
3 平滑コイル
Dr ダイオード
Dw 還流ダイオード
4 平滑コンデンサ
5 インバータ
Tr IGBT(スイッチング素子)
6 三相モータ
7 コントローラ
10 制限手段
11 誤差演算手段
12 誤差補正手段

Claims (10)

  1. 複数のスイッチング素子(Tr)に出力する相電圧信号を発生して、多相モータ(6)への出力電圧をPWM制御するモータの制御装置であって、
    上記スイッチング素子(Tr)に出力する相電圧信号が設定最小パルス幅未満のとき、この相電圧信号を上記設定最小パルス幅又は消失するよう零値のパルス幅に制限する制限手段(10)と、
    上記制限手段(10)による相電圧信号の最小パルス幅制限時に、その制限に伴う線間電圧のパルス幅の指令値との誤差を演算する誤差演算手段(11)と、
    上記演算された線間電圧のパルス幅誤差を小さくするように、相電圧信号のパルス幅を補正する誤差補正手段(12)とを備えた
    ことを特徴とするモータの制御装置。
  2. 請求項1において、
    上記誤差演算手段(11)は、上記相電圧信号の最小パルス幅制限により生じた線間電圧のパルス幅誤差を相電圧パルス幅の誤差で演算し、
    上記誤差補正手段(12)は、上記演算された相電圧パルス幅の誤差を、上記最小パルス幅制限した相の相電圧信号のパルス幅で補正する
    ことを特徴とするモータの制御装置。
  3. 請求項1において、
    上記誤差演算手段(11)は、上記相電圧信号の最小パルス幅制限により生じた線間電圧のパルス幅誤差を線間電圧パルス幅の誤差で演算し、
    上記誤差補正手段(12)は、上記演算された線間電圧パルス幅の誤差を、上記最小パルス幅制限した相以外の相の相電圧信号のパルス幅で補正すると共に、この相電圧信号のパルス幅補正に伴う線間電圧パルス幅の誤差を上記二相以外の相の相電圧信号のパルス幅で補正する
    ことを特徴とするモータの制御装置。
  4. 請求項2において、
    上記誤差補正手段(12)は、上記演算された相電圧パルス幅の誤差を、上記最小パルス幅制限した周期の次の周期の相電圧信号のパルス幅で補正する
    ことを特徴とするモータの制御装置。
  5. 請求項2又は4において、
    上記誤差補正手段(12)は、
    相電圧信号のパルス幅補正時に上記演算された相電圧パルス幅の誤差を零値に補正できないとき、補正し切れない誤差を次の周期で補正する
    ことを特徴とするモータの制御装置。
  6. 請求項3において、
    上記誤差補正手段(12)は、
    上記最小パルス幅制限した相以外の相電圧信号のパルス幅が所定のパルス幅制限により制限を受けるとき、その制限を施すと共に、その制限により生じた線間電圧パルス幅の誤差を、複数の線間電圧間のパルス幅の比率が同じになるように、上記最小パルス幅制限した相以外の相の相電圧信号のパルス幅で補正する
    ことを特徴とするモータの制御装置。
  7. 請求項3において、
    上記誤差補正手段(12)は、
    上記最小パルス幅制限した相以外の相電圧信号のパルス幅が所定のパルス幅制限により制限を受けるとき、その制限を施すと共に、その制限により生じた線間電圧パルス幅の誤差を、複数の線間電圧のなかで大きな線間電圧のパルス幅で吸収するように、上記最小パルス幅制限した相以外の相の相電圧信号のパルス幅で補正する
    ことを特徴とするモータの制御装置。
  8. 請求項3、6及び7の何れか1項において、
    上記誤差補正手段(12)は、
    相電圧信号のパルス幅補正時に上記演算された線間電圧パルス幅の誤差を零値に補正できないとき、補正し切れない誤差を次の周期で補正する
    ことを特徴とするモータの制御装置。
  9. 請求項1において、
    上記誤差補正手段(12)は、
    全ての相の相電圧信号のうち何れか一相以上が1周期の全期間でオン又はオフとなる場合には、上記演算された線間電圧のパルス幅の誤差を、上記1周期の全期間で零値又は所定電圧となる相以外の相の相電圧信号のパルス幅で補正する
    ことを特徴とするモータの制御装置。
  10. 請求項1において、
    上記誤差補正手段(12)は、
    線間電圧パルス幅の誤差の補正時に、パルス幅を補正する相電圧信号が1周期の全期間で零値又は所定電圧となる場合には、その相電圧信号のパルス幅補正を行わない
    ことを特徴とするモータの制御装置。
JP2014071439A 2014-03-31 2014-03-31 モータの制御装置 Active JP6311402B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014071439A JP6311402B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 モータの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014071439A JP6311402B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 モータの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015195649A true JP2015195649A (ja) 2015-11-05
JP6311402B2 JP6311402B2 (ja) 2018-04-18

Family

ID=54434264

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014071439A Active JP6311402B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 モータの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6311402B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109557491A (zh) * 2018-12-17 2019-04-02 江苏固德威电源科技股份有限公司 一种三相电压采样校正方法和应用其的逆变器
JP7492926B2 (ja) 2021-02-04 2024-05-30 日立グローバルライフソリューションズ株式会社 インバータ装置、モータ駆動装置、並びに冷凍機器

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05207753A (ja) * 1992-01-24 1993-08-13 Toshiba Corp 中性点クランプ式インバータの制御方法
JP2002119062A (ja) * 2000-10-03 2002-04-19 Hitachi Ltd パルス幅変調方法、装置および電力変換器
JP2002199788A (ja) * 2000-12-25 2002-07-12 Denso Corp 多相交流モータ駆動制御装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05207753A (ja) * 1992-01-24 1993-08-13 Toshiba Corp 中性点クランプ式インバータの制御方法
JP2002119062A (ja) * 2000-10-03 2002-04-19 Hitachi Ltd パルス幅変調方法、装置および電力変換器
JP2002199788A (ja) * 2000-12-25 2002-07-12 Denso Corp 多相交流モータ駆動制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109557491A (zh) * 2018-12-17 2019-04-02 江苏固德威电源科技股份有限公司 一种三相电压采样校正方法和应用其的逆变器
JP7492926B2 (ja) 2021-02-04 2024-05-30 日立グローバルライフソリューションズ株式会社 インバータ装置、モータ駆動装置、並びに冷凍機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP6311402B2 (ja) 2018-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8816612B2 (en) Controller for multi-phase rotary device
JP5321530B2 (ja) 3相電圧型pwmインバータ制御装置
US10312850B2 (en) Semiconductor device and power conversion device
JP6369517B2 (ja) 電力変換器の制御装置
JP5813934B2 (ja) 電力変換装置
JP6579195B2 (ja) 電力制御方法、及び、電力制御装置
JP2018164347A (ja) インバータ装置、空気調和機、インバータ装置の制御方法及びプログラム
TW200414660A (en) Pulse width modulation method and device thereof, power conversion method and power converter
JP6311402B2 (ja) モータの制御装置
JP2005065439A (ja) 電圧形インバータの制御方法
JP7332382B2 (ja) インバータ装置
WO2020059814A1 (ja) モータ制御装置、モータシステム及びインバータ制御方法
JP2018174599A (ja) インバータ装置、空気調和機、インバータ装置の制御方法及びプログラム
JP7275404B2 (ja) 電力変換装置
JP6311401B2 (ja) Pwm信号発生装置
JP7407534B2 (ja) モータ制御装置およびモータシステム
JP6471670B2 (ja) 電力制御方法、及び、電力制御装置
WO2020059815A1 (ja) モータ制御装置、モータシステム及びインバータ制御方法
JP5895704B2 (ja) 電力変換装置
JP2021164279A (ja) モータ制御装置、モータシステム及びモータ制御方法
WO2020196398A1 (ja) モータ制御装置、モータシステム及びモータ制御方法
JP6900848B2 (ja) インバータ装置の調整方法、インバータ装置の調整装置、及びインバータ装置
JP6458683B2 (ja) 電力制御方法、及び、電力制御装置
JP6248781B2 (ja) モータ制御方法及びモータ制御装置
JP2023146537A (ja) 運転制御システム及び空気調和機、並びに運転制御方法、並びに運転制御プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180305

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6311402

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151