JP2015190021A - 蒸着用マスクの製造方法および表示装置の製造方法 - Google Patents

蒸着用マスクの製造方法および表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高精度な蒸着用マスクを実現可能な蒸着用マスクの製造方法を提供する。
【解決手段】蒸着用マスクの製造方法は、蒸着材料の通過孔として複数の第1の開口を有する第1のマスクを形成する工程と、第1のマスクをフレームに張設する工程とを含み、第1のマスクを形成する工程では、第1の開口の位置設計の際に、フレームへの張設時における開口位置シフト量を加味した補正を行う。
【選択図】図1

Description

本開示は、材料の蒸着時に使用される蒸着用マスクの製造方法および表示装置の製造方法に関する。
例えば有機EL(Electro-Luminescence)表示装置には、全画素にわたって形成された白色の発光層からの光をカラーフィルタを用いて赤(R),緑(G)および青(B)の色光に分離するタイプのものと、R,G,Bの各色発光層を画素毎に形成する(塗り分ける)タイプのものがある。R,G,Bの発光層を画素毎に形成する場合、蒸着法(真空蒸着法)により、メタルマスクを用いて各発光層が形成される。
メタルマスクには、蒸着材料の通過孔となる開口が複数形成されており、電鋳(めっき)方式で作製されたものや、薄板金属母材にエッチングにより開口が加工されたものなどがある。このメタルマスクは、蒸着工程において単体で用いられることは少なく、例えば剛性の高いフレームに溶接などで組み付けられた状態で使用される。これは、メタルマスクの厚みが薄く、単体では開口位置を精度よく保持出来ないためである。そのため、例えば2軸方向に所定の伸ばし率を持って引っ張られ、フレームに溶接される。
上記のようなメタルマスクでは、開口位置精度が求められている。例えば、メタルマスクをフレームに引っ張って貼り付ける際に、引っ張りながら開口位置の全てを測定機で観察しつつ引張量を加減する手法がある。ところが、この手法では、測定と引張量調節にかなりの時間が掛かる。そこで、メタルマスクの外周部に配された開口の位置を間引きしつつ測定し、そのデータを見ながら引張量を調整する手法がある。また、メタルマスクをフレームへ溶接後に、マスク外周部の開口位置調整を行う手法などがある(例えば、特許文献1)。
特開2004−6257号公報
しかしながら、上記特許文献1等の手法では、マスク外周部において理想的な開口位置設計が可能となるものの、マスク中央部の開口位置精度においては改善の余地がある。したがって、高精度な蒸着用マスクの実現が望まれている。
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高精度な蒸着用マスクを実現可能な蒸着用マスクの製造方法および表示装置の製造方法を提供することにある。
本開示の蒸着用マスクの製造方法は、蒸着材料の通過孔として複数の第1の開口を有する第1のマスクを形成する工程と、第1のマスクをフレームに張設する工程とを含み、第1のマスクを形成する工程では、第1の開口の位置設計の際に、フレームへの張設時における開口位置シフト量を加味した補正を行うものである。
本開示の表示装置の製造方法は、蒸着用マスクを形成する工程と、蒸着用マスクを用いて材料層をパターン形成する工程とを含むものである。蒸着用マスクを形成する工程では、蒸着材料の通過孔として複数の第1の開口を有する第1のマスクを形成し、第1のマスクをフレームに張設し、かつ第1のマスクを、第1の開口の位置設計の際に、フレームへの張設時における開口位置シフト量を加味した補正を行う。
本開示の蒸着用マスクの製造方法および表示装置の製造方法では、蒸着材料の通過孔として複数の第1の開口を有する第1のマスクを形成したのち、第1のマスクをフレームに張設する。第1のマスクを形成する工程において、第1の開口の位置設計の際に、フレームへの張設時における開口位置シフト量を加味した補正を行う。これにより、第1のマスクをフレームへ張設した際に、第1の開口が所望の位置に配され、理想的な開口位置設計が可能となる。
本開示の蒸着用マスクの製造方法および表示装置の製造方法では、蒸着材料の通過孔として複数の第1の開口を有する第1のマスクを形成したのち、第1のマスクをフレームに張設する。第1のマスクを形成する工程では、第1の開口の位置設計の際に、フレームへの張設時の開口位置シフト量を加味した補正を行う。これにより、第1のマスクのフレームへの張設によって理想的な開口位置設計が可能となる。よって、高精度な蒸着用マスクが実現可能となる。
尚、上記内容は本開示の一例である。本開示の効果は、上述したものに限らず、他の異なる効果であってもよいし、更に他の効果を含んでいてもよい。
本開示の第1の実施の形態に係る蒸着用マスクの構成を表す模式図である。 図1に示した蒸着用マスクの製造工程を表す流れ図である。 図1に示したメタルマスク作製時の電鋳条件設定に関する工程を表す流れ図である。 図1に示した補正値設定用のメタルマスクの構成を表すXY平面図である。 図4に示したメタルマスクのフレーム溶接前の開口位置および厚み分布を表す模式図である。 図5Aに示したメタルマスクをフレームへ溶接した場合の開口位置および厚み分布を説明するための模式図である。 開口位置シフト量算出時における、厚み測定ポイントを表す模式図である。 図6に示した測定ポイントにおける厚み分布を表す特性図である。 図7に示した厚み分布から算出した開口位置シフト量を表す特性図である。 複数系列において厚み分布を測定した場合の測定ポイントを表す模式図である。 図9に示した複数系列における厚み分布を表す特性図である。 図10に示した厚み分布から算出した開口位置シフト量を表す特性図である。 開口付近の構成を模式的に表した図である。 図8に示した開口位置シフト量に基づいて設定される補正値を説明するための特性図である。 図8に示した開口位置シフト量に基づいて設定される補正値を説明するための特性図である。 開口位置シフト量を加味して設計されたメタルマスクの開口位置および厚みを表す模式図である。 図14に示したメタルマスクのフレーム溶接後の開口位置および厚みを表す模式図である。 比較例に係る蒸着用マスクの製造工程を表す流れ図である。 図1に示した蒸着用マスクの製造方法のメリットを説明するための流れ図である。 本開示の第2の実施の形態に係る蒸着用マスクの製造工程を表す流れ図である。 本開示の第2の実施の形態に係る蒸着用マスクの測定ポイントおよびエリア分けを説明するためのXY平面模式図である。 図19Aに示した測定ポイントにおける厚み分布に基づく開口位置シフト量を表す特性図である。 メタルマスクのサンプルの厚み分布に基づいて算出した開口位置シフト量を表す特性図である。 メタルマスクのサンプルの厚み分布に基づいて算出した開口位置シフト量を表す特性図である。 メタルマスクのサンプルの厚み分布に基づいて算出した開口位置シフト量を表す特性図である。 メタルマスクのサンプルの厚み分布に基づいて算出した開口位置シフト量を表す特性図である。 メタルマスクのサンプルの厚み分布に基づいて算出した開口位置シフト量を表す特性図である。 図20〜図24に示したサンプルのエリア別平均値を表す特性図である。 変形例1に係るメタルマスクのサンプルの、補正前の開口位置シフト量(A)と、補正後の開口位置シフト量(B)とを表す特性図である。 変形例1に係るメタルマスクのサンプルの、補正前の開口位置シフト量(A)と、補正後の開口位置シフト量(B)とを表す特性図である。 変形例1に係るメタルマスクのサンプルの、補正前の開口位置シフト量(A)と、補正後の開口位置シフト量(B)とを表す特性図である。 変形例1に係るメタルマスクのサンプルの、補正前の開口位置シフト量(A)と、補正後の開口位置シフト量(B)とを表す特性図である。 変形例1に係るメタルマスクのサンプルの、補正前の開口位置シフト量(A)と、補正後の開口位置シフト量(B)とを表す特性図である。 開口付近の構成を模式的に表した図である。 変形例2に係るメタルマスクの計算モデルを説明するための模式図である。 変形例2に係るメタルマスクの計算モデルを説明するための模式図である。 変形例2に係るメタルマスクの計算モデルを説明するための模式図である。 開口位置シフト量の実測値と、図32Aに示したモデルを用いた計算値とを表す特性図である。 開口位置シフト量の実測値と、図32Bに示したモデルを用いた計算値とを表す特性図である。 開口位置シフト量の実測値と、図32Cに示したモデルを用いた計算値とを表す特性図である。 適用例に係る表示装置の製造工程を表す流れ図である。 図36に示した有機層蒸着工程を説明するための模式図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。尚、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(開口位置設計の際に、張設時の開口位置シフト量に基づく補正を行う、マスク製造プロセスの例)
2.第2の実施の形態(開口位置シフト量に基づく補正をエリア別に行う場合の例)
3.変形例1(エリア別補正値を複数枚のマスクの平均値から求める場合の例)
4.変形例2(開口位置シフト量算出の際に、厚み以外のパラメータを考慮した場合の例)
5.適用例(有機EL表示装置の製造方法の例)
<第1の実施の形態>
[構成]
図1は、本開示の第1の実施形態に係る蒸着用マスク(蒸着用マスク1)のXY平面構成を表したものである。なお、図1には、メタルマスク(メタルマスクM1)の断面構成についても示している。蒸着用マスク1は、例えば有機EL素子を用いた表示デバイス(後述の有機EL表示装置)の製造プロセスにおいて、有機層を蒸着形成する際に使用されるものである。この蒸着用マスク1は、例えば、マスク本体となるメタルマスクM1と、このメタルマスクM1が張設されるフレーム110とを備える。
メタルマスクM1は、例えばニッケル(Ni)、インバー(Fe/Ni合金)および銅(Cu)などのうちの少なくとも1種を含む材料からなる金属箔であり、厚みは、例えば10〜50μm程度である。このメタルマスクM1には、蒸着材料を通過させるための通過孔として複数の開口H1がパターン形成されている。これらの複数の開口H1は、全体として、例えばマトリクス状に2次元配置されている。1つ開口H1が、表示デバイスの1つの画素領域を形成するための要素領域に対応する。開口H1の形状(平面形状)は、例えば矩形状、方形状、円形状等である。この開口H1を介して、例えば低分子有機材料等の蒸着がなされる。なお、本実施の形態の「メタルマスクM1」が、本開示の「第1のマスク」の一具体例に相当し、開口H1が本開示の「第1の開口」の一具体例に相当する。
このメタルマスクM1は、例えば所定の張力が付加された状態でフレーム110に固着されている(張設されている)。具体的には、メタルマスクM1の外縁部が、フレーム110に、例えばスポット溶接(例えば電気抵抗またはレーザによるもの)により接着されている。
メタルマスクM1の形成手法としては、例えば、電鋳(電気めっき)あるいはエッチングを用いた手法が挙げられる。電鋳の場合には、例えばパターニングされた母材(母型,下地層)上に、上述した金属よりなる薄膜層を成長(電着)させる。あるいは、エッチングの場合には、金属箔を例えばフォトリソグラフィ法を用いたエッチングによりパターニングする。いずれの場合にも、薄膜のメタルマスクM1が形成された後、剛性の高い金属などよりなるフレーム110に溶接等で組付けられる。なお、詳細は後述するが、メタルマスクM1の厚みは、面内において均一ではなく分布をもっている。特に、上記手法のうち電鋳によりメタルマスクM1を形成した場合、マスク面内においてこのような厚みの分布が生じる。
フレーム110は、メタルマスクM1を保持するための枠状の部材であり、剛性の高い金属などから構成されている。フレーム110の外形は、例えば矩形状であり、2軸方向に沿った4辺にメタルマスクM1が張設されている。
[蒸着用マスク1の製造方法]
以下、蒸着用マスク1の製造方法について説明する。図2は、蒸着用マスク1の製造の流れを表したものである。本実施の形態では、蒸着用マスク1を。例えば次のようにして作製する。即ち、まず、電鋳用マスクMf0を作製する(ステップS11)。次いで、作製した電鋳用マスクMf0を用いて、最適な電鋳条件を設定(あるいは調整)する(ステップS12)。次いで、設定された電鋳条件を用いて、メタルマスク(メタルマスクM0)を作製する(ステップS13)。次いで、メタルマスクM0を用いて、開口位置シフト量を算出する(ステップS14)。
この後、算出した開口位置シフト量に基づいて、補正値を設定する(ステップS15)。次いで、上記補正値が反映された開口位置設計により、メタルマスクM1を形成するための電鋳用マスクMf1を作製する(ステップS16)。次いで、この電鋳用マスクMf1を用いて、電鋳により、メタルマスクM1を作製する(ステップS17)。このようにして作製したメタルマスク1をフレーム110へ溶接し(ステップS18)、最後に開口位置精度を確認する(ステップS19)。このようにして、蒸着用マスク1を完成する。以下に、各工程(ステップS11〜S19)の詳細について説明する。
(メタルマスクM0の作製:S11〜S13)
電鋳用マスクMf0は、メタルマスクM0をめっき形成するための母材をパターニングするためのマスクである。メタルマスクM0は、後述する開口位置シフト量を算出して補正値を設定するためのマスクサンプルであり、完成品の蒸着用マスク1には残らず(出荷されず)、最終的には破棄される。このため、電鋳用マスクMf0としては、例えば、電鋳用マスクMf1と同じ精度のもの(後述)が用いられてもよいが、この電鋳用マスクMf0は、最終的には(開口補正後は)不要となり、代わりに電鋳用マスクMf1が使われることとなる。このため、低コスト化のために、条件出し用の電鋳用マスクMf0には、青板ガラス製やフィルムエマルジョンのような安価なフォトマスクを用いてもよい。青板やフィルムにおける設計精度は石英などに比して劣るが、条件出しおよび補正値設定のみを目的とする場合には、十分な精度といえる。なお、本実施の形態の「メタルマスクM0」が、本開示の「第2のマスク」の一具体例に相当し、開口H0が本開示の「第2の開口」の一具体例に相当する。
メタルマスクM0を作製する際には、最適な電鋳条件を設定する(いわゆる電鋳条件出しを行う)ことが望ましい。図3に、この電鋳条件出しの一例を示す。条件出しの際には、電鋳用マスクMf0を用いて形成した母材に対し、設計誤差が所定の閾値以下となるまで、電鋳条件(例えば処理時間やめっき浴内の間仕切りのレイアウトなど)を調整しつつ、メタルマスクM0(但し、nは1以上の整数)を形成する。
具体的には、まず、所定の電鋳条件を設定し(ステップS21)、設定した条件を用いてメタルマスク(メタルマスクM0)をめっき形成する(ステップS22)。次いで、作製したメタルマスクM0の厚み(板厚)を測定し(ステップS23)、測定した厚みに基づいて設計誤差を算出する(ステップS24)。この厚みを用いた位置誤差の算出手法は、後述の開口位置シフト量の算出手法と同様である。そして、算出した設計誤差が所定の閾値以下となるか(所望の精度が出ているか否か)の判定を行う(ステップS25)。メタルマスクM0における設計誤差が所定の閾値以下である場合(ステップS25のY)には、このメタルマスクM0を、上記のメタルマスクM0とする。一方、メタルマスクM0における設計誤差が所定の閾値よりも大きい場合(ステップS25のN)には、ステップS21に戻り、電鋳条件を調整し(異なる電鋳条件に設定し)、メタルマスク(メタルマスクM0)をめっき形成し、上記と同様にして、厚み測定、設計誤差算出、閾値判定を行う。このようにして、所望の精度が出るまでメタルマスク(メタルマスクM0)の形成を繰り返し行い、最適な電鋳条件を選定する。最終的に所望の精度を実現し得る電鋳条件で形成されたメタルマスクM0を、メタルマスクM0とする。このようにして、メタルマスクM0を作製する。
(開口位置シフト量の算出:S14)
図4に、フレーム溶接前のメタルマスクM0のXY平面構成について示す。このように、フレーム溶接前のメタルマスクM0では、複数の開口H0が、2軸方向に沿って等間隔に整列して配されている。ここで、メタルマスM0をフレームに取り付ける際のイメージを図5Aおよび図5Bに示す。なお、図5Aおよび図5Bには、マスクの厚みを説明するために断面構成についても示す。このようにメタルマスクM0の張設時には、メタルマスクM0を、所定の伸ばし率で四方に(2軸方向に)引張りつつフレーム110へ溶接し、その後、引張力Tを開放する。このメタルマスクM0の張設により、フレーム110への溶接後には、図5Bに示したように、開口H0が理想位置(設計位置)からシフトする(ずれる)。また、開口H0の位置シフト量も不均一となる。このため、フレーム溶接後の開口H0の配列が乱れ、等間隔配置とならない(間隔にむらが生じる)。
これは、図5Aの下部に示したように、実際にはメタルマスクM0が厚みの分布を持っていることに起因する。特に電鋳により形成したメタルマスクM0では、めっき成長速度のばらつきに起因して厚みの分布が生じ易い。ここで、フレーム溶接前のメタルマスクM0の開口位置の設計誤差は、実用上問題ない程度(例えばサブミクロン程度)のものである。ところが、溶接時にテンションをかけると、その引張り力によってメタルマスクM0が伸縮する。このとき、メタルマスクM0が厚みの分布を持っていると、その領域によって伸び率が異なってしまう。例えば、相対的に厚みの大きい領域では伸び率が小さく(伸びにくく)、相対的に厚みの小さい領域では、伸び率が大きくなる(伸び易くなる)。この結果、図5Bの下部に示したように、開口H0の位置シフト量が不均一となり、所望の位置設計精度が得られない。
そこで、本実施の形態では、上記のような張設時の開口位置シフトを加味した補正を行うために、メタルマスクM0をサンプルとして開口位置シフト量を算出する。この際、メタルマスクM0の厚み(厚みの分布)を測定し、この厚みと張設時の引っ張り率などをパラメータとして用いた計算により、開口位置シフト量を求める。なお、メタルマスクM0の厚みの測定は、フレーム110に保持されていない状態でも、マイクロメータあるいは段差計などの測定器を用いて容易に行うことができる。
図6〜図11を参照して、メタルマスクM0の厚み分布と開口位置シフト量について説明する。図6は、厚み測定ポイントを表す模式図である。図7は、図6に示した測定ポイントにおける厚み分布を表す特性図である。図8は、図7に示した厚み分布から算出した開口位置シフト量(開口位置分布)を表す特性図である。図9は、複数系列において厚み分布を測定する場合の測定ポイントを表す模式図である。図10は、図9に示した複数系列における厚み分布を表す特性図である。図11は、図10に示した厚み分布から算出した開口位置シフト量を表す特性図である。
メタルマスクM0が、例えばX方向に3840個、Y方向2160個の開口H0を有する場合、全ての開口H0に対応するポイントで厚みを測ると、測定箇所が800万以上となることから、その測定時間は膨大となる。このため、実際には、適当な距離をおいて(選択的な箇所において,間引いて)測定を行う。例えば、図6に示した例では、X方向に15箇所、Y方向に7箇所(つまり、合計で15×7の箇所)の測定ポイントを想定している。図7は、図6の測定ポイントのうちY方向4番の系列において、X方向に沿った位置(計15箇所)の厚みの分布を示している。この測定結果では、X方向14番の位置において厚みが最も大きく、X方向4番あるいは7番の位置において最も小さくなっている。図8では、図7と同じ測定ポイントのそれぞれの開口位置が設計位置と同じである場合を位置シフト量0(ゼロ)とし、X方向プラス側にシフトした場合、そのシフト量をプラスで、マイナス側にシフトした場合、そのシフト量をマイナスで示している。例えばX方向2番の位置の開口H0は設計位置よりもX方向プラス側に、シフトしていることを示す。また、この例では、計算時の条件設定により、X方向両端(1番,15番)における開口位置シフト量を0としている。
また、図9は、Y方向1〜7番の計7つの系列の測定ポイントを示している。図10は、図9に示した計7つの系列毎の厚みの分布を示している。図11の例においても、計算時の条件設定により、X方向両端(1番,15番)における開口位置シフト量を0としている。
ここで、開口位置シフト量の算出に際し、メタルマスクM0を、1軸方向に沿った1次元モデル(1次元引張モデル)として扱うことができる。例えば、X,Yの2軸方向のうちX方向(矩形状の長手方向)に沿った1次元モデルを用いて開口位置シフト量を算出する。メタルマスクM0のフレーム110への張設を想定すると、メタルマスクM0は、例えばX方向とY方向との2軸方向に引っ張られる。このため、厳密には、開口位置シフト量は、X方向の引張量とY方向の引張量との相互作用で決まるが、本実施の形態では、Y方向の引張りによる作用は無視し、X方向における作用のみを考慮して計算を行う。なお、実測との比較によりY方向の作用が十分に無視できる程度のものであることは確認している。
図12の(A)に、メタルマスクM0の開口H0のイメージを示す。なお、実際には、X方向に4000個程度、Y方向に200個程度の開口H0が配されるが、ここでは、説明上、3×2=6個の開口H0(H0a,H0b)を示す。
このように、開口H0間においてX方向に沿って延在する部分(X1)を、厚みの測定対象とし、開口位置シフト量を算出することができる。図12の(B)に示したように、中央の開口H0b付近の厚み(t2)は、その両側の開口H0aの付近の厚み(t1)よりも大きくなっている(t2>t1)。加えて、開口H0b付近では、厚みt2が大きいことに伴い、開口H0b間の細長い部分(梁121b)のY方向に沿った幅d2が、開口H0a間の梁121aの幅d1よりも広くなる。また、その梁121bのX方向に沿った長さs2は、梁121aの長さs1よりも短くなる。これは、電鋳の性質に起因する。相対的に厚みの大きな部分は、梁121bの幅および長さのそれぞれが伸びにくい方向になる様に作用する。一方、相対的に厚みの小さい部分はその逆となり、伸びやすくなる。なお、開口位置シフト量を算出するためのパラメータとしては、厚みt1,t2の他にも、幅d1,d2および長さs1,s2を用いることができるが、本実施の形態では厚みのみを用いる。厚みと幅を考慮した場合、および厚みと幅と長さとを考慮した場合については、後述する(変形例)。
(補正値の設定:S15)
上述のように、メタルマスクM0の厚み分布からフレーム110への張設時の開口位置シフト量が計算できるが、メタルマスクM0に厚み分布がある限り、理想位置からの開口位置シフトは生じ得る。このような状況下において精度を向上させるために、設計の段階で、開口位置シフトを考慮して予め開口位置を逆方向にシフトしておけばよい。換言すると、算出した開口位置シフト量に基づいて補正値を設定し、この補正値を設計段階にフィードバックする。
例えば、図13Aに示したように、開口位置シフト量(図8に示したものを例に挙げる)に基づいて、補正値を設定する。具体的には、図13Bに示したように、X方向の位置(1〜15番)のそれぞれにおいてX方向の位置シフト量が0となるように、補正値を設定する。例えば、位置3番では、X方向プラス側に7(例えば7μm)シフトしていることから、「−7」を補正値とする。また、位置9番では、X方向マイナス側に6シフトしていることから、「+6」を補正値とする。これらの位置毎の補正値を、メタルマスクM1の開口位置設計工程にフィードバックする。
(メタルマスクM1の作製:S16,S17)
メタルマスクM1を作製する際には、上記のようにして設定された開口位置シフト量に基づく補正値を用いて、開口位置設計を行う。詳細には、そのような補正値が反映された新たな電鋳用マスクMf1を作り、この電鋳用マスクMf1を用いてメタルマスクM1を形成する。電鋳用マスクMf1としては、高精度なフォトマスクを用いることが望ましい。例えば、熱膨張の小さいガラスあるいは石英ガラスにクロムめっきを施したガラス製のフォトマスクを用いるとよい。
図14に、メタルマスクM1のXY平面構成および断面構成について示す。このように、補正値を反映して開口位置設計がなされたメタルマスクM1では、開口H1の位置は等間隔とならない。このようなメタルマスクM1を、次の工程(ステップS18)において、所定の伸ばし率でフレーム110に溶接することで、開口H1の位置が厚み分布に依存してシフトする。これにより、図15に示したように、フレーム110に張設された状態では、開口位置が理想位置に近いものとなる(開口H1が等間隔で配される)。溶接前は不等間隔の開口位置が、溶接後に等間隔に揃う。また、開口位置シフト量の補正は、ここでは1軸(X方向)における開口位置に対して施せばよいが、X方向とY方向との2軸に対して補正を行うこともできる。2軸に対して補正を行う場合は、上記のようにしてX方向における位置シフト量を求めた後、同様にしてY方向における厚み分布に基づいて、Y方向における位置シフト量を算出する(あるいは実際に測定する)。これにより、X方向およびY方向の測定点(例えばX方向15箇所、Y方向7箇所の計105箇所)における補正値を求めることができる。この補正値に基づく開口位置補正は、X方向とY方向とにおいてそれぞれ独立に行うことができる。
最後に、フレーム110に張設されたメタルマスクM1において、開口位置精度を確認する。以上により、図1に示した蒸着用マスク1を完成する。
[効果]
本実施の形態の蒸着用マスク1の製造方法では、上記のように、蒸着材料の通過孔として複数の開口H1を有するメタルマスクM1を形成したのち、このメタルマスクM1をフレーム110に張設する(張力を印加しつつ溶接等により接着する)。メタルマスクM1の開口位置設計の際に、フレーム110への張設時における開口位置シフト量を加味した補正を行う。例えば、開口位置シフト量を、メタルマスクM0の厚み分布から計算によって求め、算出した開口位置シフト量に基づいて補正値を設定する。設定した補正値を、メタルマスクM1の開口位置設計に反映させる。これにより、メタルマスクM1をフレーム110へ張設した際に、開口H1が所望の位置に配され、理想的な開口位置設計が可能となる。よって、高精度な蒸着用マスクを実現可能となる。
また、上述したように、マスク張設時には開口位置がシフトするが、これまでは、その開口位置シフトが、引張力のばらつきに起因するものなのか、あるいは弾性変形に起因するものなのかが解明されていなかった。本出願人は、このような状況下において、メタルマスクM0を1次元モデルとして捉え、その厚み分布から開口位置シフト量を計算によって求めることで、張設時の開口位置シフト量を事前に想定可能となることを見出した。これにより、メタルマスクM0の厚みのばらつきが、フレーム110への張設時の開口位置シフトの主要因であることがわかり、また、その厚み分布測定および開口位置シフト量算出の各プロセスが1次元モデルに集約可能となった。
一方で、実際には、メタルマスクM0の厚み分布をなくすことは難しい。特に、電鋳では、めっき液の流れが不均一であることや、電極との位置関係に応じて母材上の領域によって電流密度が異なること、などに起因して厚みにむらが生じてしまう。一般には、母材上の端部に電極が配置されることから、母材上の中央部におけるめっき成長速度が遅くなる。このため、マスク面内の中央部における厚みが相対的に薄くなる傾向がある。即ち、マスクの厚み分布には、そのプロセス条件に起因する特有の傾向がある。したがって、このような厚み分布から開口位置シフト量を算出し、補正値として設計段階にフィードバックすることで、そのようなプロセス条件に起因する開口位置シフトを予め想定した開口位置設計が可能となる。
また、本実施の形態では、例えばメタルマスクM0の作製工程(図2のS11〜S13)および開口位置シフト量の算出工程(S14)において、設計誤差あるいは開口位置シフト量を計算によって求める。これにより、メタルマスクM0をフレーム110に溶接することなく、条件出しあるいは補正値設定を行うことができる。
(比較例)
図16に、本実施の形態の比較例として、実測により電鋳条件出しを行う場合のマスク製造フローを示す。この場合、電鋳用マスク作製(ステップS101)、電鋳条件設定(ステップS102)、メタルマスク作製(ステップS103)およびフレーム溶接(ステップS104)までの一連の工程を行った後、開口位置を測定する(ステップS105)。このように、開口位置精度を実際に測定する場合には、フレームに溶接された状態で測定が行われる。フレームに溶接されていない状態では、メタルマスクが平坦にならず、測定が難しいためである。
具体的には、フレームにメタルマスクを溶接する(S104)際には、専用の測定機を用いて開口位置を計測しつつメタルマスクを引張り、四辺の引張量を微妙に調整したうえで、フレームに溶接する。測定機としては、測定定盤の上にメタルマスクを載せ、例えばX方向およびY方向の2軸に沿って移動する顕微鏡付カメラ、レーザ干渉計およびスケールなどにより計測し、顕微鏡付カメラで捉えた開口位置を画像処理によって判定するタイプの2次元測長機もしくは3次元測長機が挙げられる。その後に、開口位置精度を、上記と同様の専用測定機で測定する(S105)。
このように、実測の場合、メタルマスクのフレームへの溶接工程(張設工程)と、その後の開口位置精度工程とが必要となる。このため、開口精度判定(S106)において、所望の精度が得られなかった場合には、フレームからメタルマスクを剥がし、フレームの溶接面を磨き、洗浄する。これらの工程は時間が掛かり、1日に1回の測定工程ができる程度である。このように、電鋳条件を設定し直す度に、メタルマスクをフレームから剥がす、磨く、洗浄する、といった工程を要する。
これに対し、本実施の形態では、メタルマスクM0の厚み測定にはそれほど時間が掛からない。メタルマスクM0の厚みの測定は、マイクロメータあるいは段差計などの測定器を用いて容易に行うことができるのでプロセス時間を短縮化できる。このため、電鋳条件出し(図3)のために、1日に4枚程度のメタルマスクM0(n=1〜4)を作製し、厚みを測定することはさほど難しくない。このように、厚み分布から計算で設計誤差を求めることで、フレーム110にメタルマスクM0を貼りつける前段階で、10回以上、場合によっては数10回の電鋳条件出し工程を繰り返すことが可能となる。そして、計算によって所望の精度が出ると判定されたメタルマスクM0のみ、最後に確認のためにフレームに溶接して精度を測定すればよい。したがって、電鋳条件出しの時間が大幅に短縮できる。精度をどこまで追い込むかの要求仕様によるが、場合によっては1カ月以上の期間の短縮も可能となる。
加えて、メタルマスクM1をフレーム110へ溶接前に精度判定を行うことにより、出荷製品の歩留まりが向上する、というメリットがある。図17に、メタルマスクM1の精度判定を行ってからフレーム110へ溶接する場合の製造フローを示す。上述の工程により、メタルマスクM1を作製する際の設計条件(電鋳条件および開口位置設計)が決まると、その設計条件に基づいて複数のメタルマスクM1を作製することができる。但し、同じ設計条件でメタルマスクM1を作製しても、電鋳工程における条件ばらつき等により、所望の精度が出ない場合がある。このような場合を想定し、メタルマスクM1を作製(ステップS31)後、フレーム110への溶接(ステップS35)前に、メタルマスクM1の厚み分布を測定し(ステップS32)、設計誤差を計算によって求める(ステップS33)。そして、この設計誤差に基づく精度判定を行い(ステップS34)、所望の精度が得られている場合(ステップS34のY)には、フレーム溶接工程へ進む。一方、精度判定おいて所望の精度が得られなかった場合(ステップS34のN)には、再度メタルマスクM1を作製する工程へ戻る(メタルマスクM1を作製し直す)。
このように、メタルマスクM1の作製後、所望の精度が得られているもののみをフレーム110へ溶接することができる。この後、開口位置測定を行い(ステップS36)、精度確認を行う(ステップS37)。このようなフローで、蒸着用マスク1を作製することで、フレーム110への張設工程へ送るべきものかどうかの判定をすることができ、フレーム溶接後に精度が足らずに不良品となるマスク数を減らす事ができる。つまり、最終的な出荷製品の歩留りを向上することができる。
以下、本開示の他の実施の形態および変形例の蒸着用マスクについて説明する。尚、上記第1の実施の形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
<第2の実施の形態>
図18は、本開示の第2の実施形態に係る蒸着用マスクの製造の流れを表したものである。本実施の形態においても、上記第1の実施の形態の蒸着用マスク1の製造方法と同様、例えば次のようにして蒸着用マスクを作製する。即ち、まず、電鋳用マスクMf0を作製する(ステップS41)。次いで、作製した電鋳用マスクMf0を用いて、最適な電鋳条件を設定(あるいは調整)する(ステップS42)。次いで、設定された電鋳条件を用いて、メタルマスク(メタルマスクM0)を作製する(ステップS43)。次いで、メタルマスクM0を用いて、開口位置シフト量を算出する(ステップS44)。この後、算出した開口位置シフト量に基づいて、補正値(代表補正値)を設定する(ステップS45)。次いで、上記補正値が反映された電鋳用マスクMf1を作製する(ステップS46)。次いで、この電鋳用マスクMf1を用いて、電鋳により、メタルマスクM1を作製する(ステップS47)。このようにして作製したメタルマスク1をフレーム110へ溶接し(ステップS48)、最後に開口位置精度を確認する(ステップS49)。このようにして、蒸着用マスクを完成する。
但し、本実施の形態では、以下の点において上記第1の実施の形態と異なっている。本実施の形態では、開口位置シフト量算出工程(S44)において、開口位置シフト量の傾向に基づき、メタルマスクM0を複数のエリアに区分けする。また、補正値設定工程(S45)では、そのようなエリア毎の開口位置シフト量に基づいて、各エリアにおける代表の補正値を設定する。
図19Aに、本実施の形態の測定ポイント(X方向0〜32番,Y方向1〜13番)と、エリア(A1〜A5)を示す。図19Bは、メタルマスクM0の厚み分布に基づいて算出したX方向(長手方向)の開口位置シフト量の特性図である。なお、本実施の形態においても、厚み分布および開口位置シフト量は、X方向に沿った1次元モデルとして測定、計算を行っている。図19Aおよび図19Bの例では、Y方向1〜13番の系列毎に、X方向に沿って33箇所(0〜32番)において測定、計算を行った。
図19Bに示した例では、系列6、7、8番において似た曲線となっている。つまり、これらの系列6,7,8番を含む部分の位置シフトは同じような傾向があると分かる。同様に、系列12番と13番も類似した位置シフトとなっている。このことは、マスク面内を、開口位置シフトの傾向に応じて、引張り方向(X方向)に沿って延在する複数のエリア(エリアA1〜A5)に分割可能であることを示している。これは、メタルマスクM0の厚み分布がエリア毎に類似して生じることにある。例えば、上述したように、電鋳のめっき成長は母材上の中央部が遅くなる傾向がある。このため、マスク面内においてX方向(Y方向についても同様)の中央を対称軸とする線対称性を有する。そのため、X方向におけるマスク中央部に対称軸を置くと、それに対して線対称となる部分でのシフト量は似たものとなる。このような位置シフト傾向の類似性から、メタルマスクM0の面内を複数のエリアA1〜A5として捉え、エリア別に補正を行うことができる。
ここでは、引張方向(X方向)に沿った1次元モデルを想定しているので、開口位置シフト量の傾向が類似する系列の組毎にエリア分け(エリアA1〜A5)がなされている。具体的には、エリアA1が系列1,2番、エリアA2が系列3〜5番、エリアA3が系列6〜8番、エリアA4が系列9〜11番、エリアA5が系列12,13番、をそれぞれ含む。
このように、開口位置シフトの傾向が類似するエリアA1〜A5を抽出した後、エリアA1〜A5のそれぞれにおいて、代表の補正値を設定する。例えば、各エリア内において系列間の開口位置シフト量の平均をとり、この平均値を代表の補正値とすることができる。例えば、エリア1では、系列1番の開口位置シフト量と、系列2番の開口位置シフト量との平均値を、エリア1の代表の補正値とすることができる。このようにして、開口位置シフト量算出(S44)および補正値設定(S45)が行われる。また、設定された代表補正値をエリア毎に反映した開口位置設計により、電鋳用マスクMf1が作製される(S46)。なお、本実施の形態の他の工程(S41〜S43,S47〜S49)は、上記第1の実施の形態の工程(S11〜S13,S17〜S19)と同様である。
本実施の形態においても、メタルマスクM1の作製工程における開口位置設計の際に、開口位置シフト量を加味した補正を行うことにより、上記第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、上述のように、開口位置算出および補正値設定の際には、エリア分けを行って、エリア毎の代表の補正値を設定する。これにより、開口位置設計の際に、個々の開口毎に補正値を入れる必要がなくなり、エリア毎に代表の補正値を入れればよくなる。例えば画素数が800万以上となるディスプレイ向けの蒸着用マスクでは、開口数は800万以上となるが、本実施の形態のように、エリア別の補正が可能となることで、補正値の量を大幅に削減できる。また、実際には、電鋳ロット毎にある程度のばらつきが有るので、個々の開口毎に補正を行う場合よりも、エリア毎に行う場合の方が、実用性が高い。
なお、Y方向における開口位置シフトについても上記と同様の手法により、エリア分け、代表補正値設定を行うことができる。X方向とY方向とは、互いに独立に扱うことができ、別個に補正値を設定することができる。但し、ディスプレイの長手方向(X方向)における開口位置シフトの累積量が大きいことから、最大シフト量は長手方向に発生する場合が殆どである。その為、長手方向のみのシフト量を補正するだけでも十分な効果を得ることができる。
<変形例1>
上記第2の実施の形態の蒸着用マスクの製造方法では、エリア別に補正値設定を行う手法について述べたが、実際には、同じ電鋳条件で作製したメタルマスクであっても、厚み分布にはロッド毎のばらつきが生じる。特に、電鋳工程では、厚み分布がロット毎にばらつき易い。
そこで、本変形例では、上記第2の実施の形態と同様にしてエリア分けを行った後、同じ電鋳条件で作製した複数枚のメタルマスク間において対応するエリア(互いに同一のエリア)の開口位置シフト量の平均をとる。換言すると、全てのメタルマスクにおいてエリアの開口位置シフト量の平均をとる。以下、その一例について説明する。
図20〜図24に、同じ電鋳条件で作製した計5枚のメタルマスクM0(サンプルA〜Eとする)の厚み分布に基づいて算出した開口位置シフト量を示す。このように、サンプルA〜Eでは、系列毎あるいはエリア毎に概ね類似した傾向を有するものの、若干のばらつきがあることがわかる。
これらの5枚のサンプルA〜Eからエリア毎に平均をとったものを図25に示す。なお、ここでは、系列1,2の組(図19AのエリアA1に相当)、系列3〜5,9〜11の組(エリアA2,A4に相当)、系列6〜8の組(エリアA3に相当)、および系列12,13の組(エリアA5に相当)の計4つのエリアで、それぞれ平均をとっている。詳細には、例えば系列1,2の組の平均値は、サンプルAの系列1,2の開口位置シフト量と、サンプルBの系列1,2の開口位置シフト量と、サンプルCの系列1,2の開口位置シフト量と、サンプルDの系列1,2の開口位置シフト量と、サンプルEの系列1,2の開口位置シフト量との平均値である。
このようにして求めた複数枚のメタルマスクM0におけるエリア別平均値を、代表の補正値として、上記第2の実施の形態と同様、メタルマスクM1の設計工程にフィードバックする。これにより、上記第2の実施の形態と同等の効果を得ることができると共に、ロッド毎のばらつきも考慮した補正が可能となる。より高精度化を実現することができる。また、実際に開口位置設計補正を行う場合、電鋳用マスクMf1は1つであることから、本変形例のように複数枚のメタルマスクからエリア別に平均をとる手法が、最も実用性がある。
(補正効果)
図26〜図30に、本変形例のサンプルA〜Eの開口位置シフト量(各図の(A))と、実際に開口位置設計補正を行った後の位置シフト量(各図の(B))とについて示す。なお、(B)の補正後の分布は、(A)の特性図において、エリア毎に上述の手法により設定された1つの代表補正値を差し引いて得られた計算値である。また、各図には、位置シフト量の最大値(max)と、最小値(min)と、最大幅(X方向におけるシフト量の最大値:Range)とについても示す。サンプルA〜Eの全てにおいて、補正後の特性図では、補正前よりも、最大値、最小値および最大幅のいずれもが半減している(あるいは軽減されている)。これらの結果は、上述した開口位置設計時の補正によって開口位置精度が向上することを示している。
<変形例2>
上記実施の形態等では、メタルマスクM0の厚み(厚み分布)に基づいて、開口位置シフト量を算出したが、開口位置シフト量の算出には、厚み以外に、他のパラメータを用いるようにしてもよい。図31の(A)に、メタルマスクM0の開口H0のイメージを示す。なお、実際には、X方向に4000個程度、Y方向に200個程度の開口H0が配されるが、ここでは、説明上、3×2=6個の開口H0(H0a,H0b)を示す。
上記第1の実施の形態と同様、1次元モデルとして、開口H0間においてX方向に沿って延在する部分(X1)を測定対象とすることができる。図31の(B)に示したように、中央の開口H0b付近の厚み(t2)は、その両側の開口H0aの付近の厚み(t1)よりも大きくなっている(t2>t1)。加えて、開口H0b付近では、厚みt2が大きいことに伴い、開口H0b間の細長い部分(梁121b)のY方向に沿った幅d2が、開口H0a間の梁121aの幅d1よりも広くなる。また、図31の(C)に示したように、その梁121bのX方向に沿った長さs2は、梁121aの長さs1よりも短くなる。これは、電鋳の性質に起因する。相対的に厚みの大きな部分は、梁121bの幅および長さのそれぞれが伸びにくい方向になる様に作用する。一方、相対的に厚みの小さい部分はその逆となり、伸びやすくなる。
本変形例では、上記の1次元モデル部分X1において、厚みt1,t2のみを考慮した場合(上記第1の実施の形態に相当:モデル1)、厚みt1,t2と幅d1,d2とを考慮した場合(モデル2)、あるいは厚みt1,t2と幅d1,d2と長さs1,s2を考慮した場合(モデル3)について説明する。モデル1は、部分X1において、厚みのみを考慮し、即ちX方向において開口部分の伸びと非開口部分の伸びとを区別しないものである(図32A)。モデル2は、部分X1において、厚みと幅とを考慮し、即ちX方向において開口部分の伸びと非開口部分の伸びとを区別しないものである(図32B)。モデル3は、部分X1において、厚みと幅と長さとを考慮し、即ちX方向において梁121a,121bのみが伸びることを想定したものである(図32C)。
上記の3種類のモデル1〜3のそれぞれにおいて、実測値と計算値とを比較した。図33に、実測値(図33の(A))と、モデル1の計算値(図33の(B))とを示す。図34に、実測値(図34の(A))と、モデル2の計算値(図34の(B))とを示す。図35に、実測値(図35の(A))と、モデル3の計算値(図35の(B))とを示す。なお、実測値は、メタルマスクをフレームに張設した状態で開口位置を実際に測定したものである。また、モデル1〜3の各計算値では、X方向における端部(1,15)での位置シフト量を0とした。これは、マスク外周部の開口位置を理想位置(設計位置)としてフレーム110に貼りついている状態を想定している。また、Y方向系列は計7つであり、各系列の測定箇所はX方向に15箇所とした。したがって、各図において曲線は計7本となっている。
この結果、いずれのモデルの計算値も実測値と同様の傾向を有することがわかり、いずれのモデルであっても補正効果が得られることがわかる。特に、図34のモデル2の計算値が、最も実測値に近いこともわかった。即ち、厚みと幅とを考慮した場合に、より精度が得られることがわかった。また、引張方向(X方向)に対して垂直な方向(Y方向)の引張に関しては無視しても問題がないことがわかった。
<適用例>
上記実施の形態および変形例において説明した蒸着用マスクの適用例について説明する。上記実施の形態の蒸着用マスクあるいは蒸着用マスクの製造方法は、例えば有機EL表示装置の製造工程に好適に用いることができる。
図36は、有機EL表示装置の製造の流れを表したものである。このように、有機EL表示装置は、第1電極形成工程(ステップS51)、有機層蒸着工程(ステップS52)、第2電極形成工程(ステップS53)および封止工程(ステップS54)を含む。これらのうち、有機層蒸着工程(S52)において、例えば有機電界発光層を蒸着形成する際に、上記実施の形態等の蒸着用マスクを使用することができる。
図37に、有機層蒸着工程のイメージを示す。このように、蒸着の際には、例えば蒸着装置内では、蒸着源13の上方において、蒸着用マスク1(フレーム110,メタルマスクM1)が基板11に密着された状態で一定速度で移動する。蒸着源13から有機材料(有機EL材料12)が、蒸気12aとなって拡散し、蒸着用マスク1を介して基板11へ付着する。
このように、有機EL表示装置の製造プロセスにおいて、上記実施の形態等の蒸着用マスクを用いることで、高精度な画素設計が可能となり、画素の高精細化などを実現可能となる。また、高寿命化および高輝度化も期待できる。
以上、実施の形態、変形例および適用例について説明したが、本開示内容はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態等では、開口位置シフト量を、メタルマスクの厚み等の分布に基づいて計算によって求める場合を例に挙げて説明したが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、メタルマスクを作製後、実際にフレームに溶接した状態で開口位置を測定してもよい。この場合、測定した開口位置シフト量に基づいて補正値を設定すればよい。ただし、上記実施の形態等において説明したように、計算によって開口位置シフト量を求める場合の方が、工程数、処理時間を大幅に削減できるため、望ましい。
また、上記実施の形態等では、メタルマスクを電鋳によって作製する場合を例に挙げて説明したが、メタルマスクをエッチングにより作製する場合にも、本開示内容は適用することができる。
更に、上記実施の形態等では、蒸着用マスクは、有機EL表示装置の製造過程で用いられる例について説明した。しかし本開示の蒸着用マスクは、有機材料に限られず、例えば金属材料、誘電体材料等の蒸着工程に適用されてもよい。あるいは、蒸着用途だけでなく、露光用あるいは印刷用のマスクなどであってもよく、高精度化が求められるマスクに広く適用することが可能である。
また、上記実施の形態等において説明した効果は一例であり、他の効果であってもよいし、更に他の効果を含んでいてもよい。
本開示は以下のような構成もとることができる。
(1)
蒸着材料の通過孔として複数の第1の開口を有する第1のマスクを形成する工程と、
前記第1のマスクをフレームに張設する工程と
を含み、
前記第1のマスクを形成する工程では、前記第1の開口の位置設計の際に、前記フレームへの張設時における開口位置シフト量を加味した補正を行う
蒸着用マスクの製造方法。
(2)
前記第1のマスクを形成する工程では、
複数の第2の開口を有する第2のマスクを用意し、
前記第2のマスクを用いて前記開口位置シフト量を算出し、
算出した開口位置シフト量に基づいて補正値を設定し、
前記第1の開口の位置設計の際に、前記補正値を用いた補正を行う
上記(1)に記載の蒸着用マスクの製造方法。
(3)
前記第2のマスクの厚みの分布に基づいて、前記開口位置シフト量を算出する
上記(2)に記載の蒸着用マスクの製造方法。
(4)
前記フレーム張設時のマスク引っ張り方向のうちの第1の方向のみを考慮した1次元モデルを用いて、前記開口位置シフト量を算出する
上記(3)に記載の蒸着用マスクの製造方法。
(5)
前記第1および第2のマスクの面形状は矩形状であり、
前記第1の方向は、前記矩形状の長手方向である
上記(4)に記載の蒸着用マスクの製造方法。
(6)
前記第2のマスクの前記第1の方向における両端部の前記開口位置シフト量を0(ゼロ)とする
上記(4)または(5)に記載の蒸着用マスクの製造方法。
(7)
前記第1のマスクを形成する工程では、
前記第2のマスクを、設計誤差が所定の閾値以下となるまで、プロセス条件を調整しつつ複数回にわたって形成し、
前記設計誤差が前記閾値以下となるプロセス条件を、前記第1のマスクのプロセス条件とする
上記(2)に記載の蒸着用マスクの製造方法。
(8)
前記第1の方向に直交する第2の方向における第2の開口間の梁部分の、前記第2の方向に沿った幅を更に測定し、
測定した前記厚みと前記幅とに基づいて、前記開口位置シフト量を算出する
上記(3)に記載の蒸着用マスクの製造方法。
(9)
前記梁部分の前記第1の方向に沿った長さを更に測定し、
測定した前記厚みと前記幅と前記長さとに基づいて、前記開口位置シフト量を算出する
上記(8)に記載の蒸着用マスクの製造方法。
(10)
前記第1の開口の位置設計の際に、マスク引っ張り方向のうちの互いに直交する第1および第2の方向のそれぞれにおいて、前記開口位置シフト量を加味した補正を行う
上記(1)〜(9)のいずれかに記載の蒸着用マスクの製造方法。
(11)
前記第1の開口の位置設計の際に、マスク引っ張り方向のうちの互いに直交する第1および第2の方向のうちのいずれか一方において、前記開口位置シフト量を加味した補正を行う
上記(1)〜(9)のいずれかに記載の蒸着用マスクの製造方法。
(12)
前記補正値の設定の際には、前記第2のマスクの全開口のうちの選択的な第2の開口の位置シフト量を用いる
上記(2)〜(11)のいずれかに記載の蒸着用マスクの製造方法。
(13)
前記第2のマスクを、それぞれにおいて前記開口位置シフト量の傾向が類似する複数のエリアに区分けし、
前記第1の開口の位置設計の際に、前記エリア毎に設定された代表補正値を用いた補正を行う
上記(2)〜(12)のいずれかに記載の蒸着用マスクの製造方法。
(14)
前記複数のエリアはそれぞれ、マスク引っ張り方向のうちの第1の方向に沿って延在すると共に、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って分割されている
上記(13)に記載の蒸着用マスクの製造方法。
(15)
前記代表補正値は、前記複数のエリアのそれぞれにおける前記開口位置シフト量の平均を用いて設定される
上記(14)に記載の蒸着用マスクの製造方法。
(16)
前記第2のマスクを複数形成し、
前記代表補正値は、複数の前記第2のマスク間において対応するエリアの開口位置シフト量の平均を用いて設定される
上記(14)に記載の蒸着用マスクの製造方法。
(17)
前記第1および第2のマスクを電鋳により形成する
上記(2)〜(16)のいずれかに記載の蒸着用マスクの製造方法。
(18)
前記第2のマスクを形成する際に使用されるマスクは、前記第1のマスクを形成する際に使用されるマスクよりも安価な材料により構成されている
上記(2)〜(16)のいずれかに記載の蒸着用マスクの製造方法。
(19)
前記第1のマスクを形成する際にはガラス製のマスクが使用され、
前記第2のマスクを形成する際にはフィルムマスクが使用される
上記(18)に記載の蒸着用マスクの製造方法。
(20)
前記第1および第2のマスクをエッチングにより形成する
上記(2)〜(19)のいずれかに記載の蒸着用マスクの製造方法。
(21)
前記第1のマスクを形成する工程では、
複数の第2の開口を有する第2のマスクを用意し、
前記第2のマスクをフレームに張設した状態で、前記開口位置シフト量を測定し、
測定した開口位置シフト量に基づいて補正値を設定し、
前記第1の開口の位置設計の際に、前記補正値を用いた補正を行う
上記(1)に記載の蒸着用マスクの製造方法。
(22)
蒸着用マスクを形成する工程と、
前記蒸着用マスクを用いて材料層をパターン形成する工程と
を含み、
前記蒸着用マスクを形成する工程では、
蒸着材料の通過孔として複数の第1の開口を有する第1のマスクを形成し、
前記第1のマスクをフレームに張設し、かつ
前記第1のマスクを、前記第1の開口の位置設計の際に、前記フレームへの張設時における開口位置シフト量を加味した補正を行う
表示装置の製造方法。
(23)
前記材料層は、有機電界発光層である
上記(22)に記載の表示装置の製造方法。
1…蒸着用マスク、M0,M1…メタルマスク、110…フレーム、H0,H1…開口、121a,121b…梁、t1,t2…厚み、d1,d2…幅、s1,s2…長さ、。


Claims (23)

  1. 蒸着材料の通過孔としての複数の第1の開口を有する第1のマスクを形成する工程と、
    前記第1のマスクをフレームに張設する工程と
    を含み、
    前記第1のマスクを形成する工程では、前記第1の開口の位置設計の際に、前記フレームへの張設時における開口位置シフト量を加味した補正を行う
    蒸着用マスクの製造方法。
  2. 前記第1のマスクを形成する工程では、
    複数の第2の開口を有する第2のマスクを用意し、
    前記第2のマスクを用いて前記開口位置シフト量を算出し、
    算出した開口位置シフト量に基づいて補正値を設定し、
    前記第1の開口の位置設計の際に、前記補正値を用いた補正を行う
    請求項1に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  3. 前記第2のマスクの厚みの分布に基づいて、前記開口位置シフト量を算出する
    請求項2に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  4. 前記フレーム張設時のマスク引っ張り方向のうちの第1の方向のみを考慮した1次元モデルを用いて、前記開口位置シフト量を算出する
    請求項3に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  5. 前記第1および第2のマスクの面形状は矩形状であり、
    前記第1の方向は、前記矩形状の長手方向である
    請求項4に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  6. 前記第2のマスクの前記第1の方向における両端部の前記開口位置シフト量を0(ゼロ)とする
    請求項4に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  7. 前記第1のマスクを形成する工程では、
    前記第2のマスクを、設計誤差が所定の閾値以下となるまで、プロセス条件を調整しつつ複数回にわたって形成し、
    前記設計誤差が前記閾値以下となるプロセス条件を、前記第1のマスクのプロセス条件とする
    請求項2に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  8. 前記第1の方向に直交する第2の方向における第2の開口間の梁部分の、前記第2の方向に沿った幅を更に測定し、
    測定した前記厚みと前記幅とに基づいて、前記開口位置シフト量を算出する
    請求項3に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  9. 前記梁部分の前記第1の方向に沿った長さを更に測定し、
    測定した前記厚みと前記幅と前記長さとに基づいて、前記開口位置シフト量を算出する
    請求項8に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  10. 前記第1の開口の位置設計の際に、マスク引っ張り方向のうちの互いに直交する第1および第2の方向のそれぞれにおいて、前記開口位置シフト量を加味した補正を行う
    請求項1に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  11. 前記第1の開口の位置設計の際に、マスク引っ張り方向のうちの互いに直交する第1および第2の方向のうちのいずれか一方において、前記開口位置シフト量を加味した補正を行う
    請求項1に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  12. 前記補正値の設定の際には、前記第2のマスクの全開口のうちの選択的な第2の開口の位置シフト量を用いる
    請求項2に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  13. 前記第2のマスクを、それぞれにおいて前記開口位置シフト量の傾向が類似する複数のエリアに区分けし、
    前記第1の開口の位置設計の際に、前記エリア毎に設定された代表補正値を用いた補正を行う
    請求項2に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  14. 前記複数のエリアはそれぞれ、マスク引っ張り方向のうちの第1の方向に沿って延在すると共に、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って分割されている
    請求項13に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  15. 前記代表補正値は、前記複数のエリアのそれぞれにおける前記開口位置シフト量の平均を用いて設定される
    請求項14に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  16. 前記第2のマスクを複数形成し、
    前記代表補正値は、複数の前記第2のマスク間において対応するエリアの開口位置シフト量の平均を用いて設定される
    請求項14に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  17. 前記第1および第2のマスクを電鋳により形成する
    請求項2に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  18. 前記第2のマスクを形成する際に使用されるマスクは、前記第1のマスクを形成する際に使用されるマスクよりも安価な材料により構成されている
    請求項2に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  19. 前記第1のマスクを形成する際にはガラス製のマスクが使用され、
    前記第2のマスクを形成する際にはフィルムマスクが使用される
    請求項18に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  20. 前記第1および第2のマスクをエッチングにより形成する
    請求項2に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  21. 前記第1のマスクを形成する工程では、
    複数の第2の開口を有する第2のマスクを用意し、
    前記第2のマスクをフレームに張設した状態で、前記開口位置シフト量を測定し、
    測定した開口位置シフト量に基づいて補正値を設定し、
    前記第1の開口の位置設計の際に、前記補正値を用いた補正を行う
    請求項1に記載の蒸着用マスクの製造方法。
  22. 蒸着用マスクを形成する工程と、
    前記蒸着用マスクを用いて材料層をパターン形成する工程と
    を含み、
    前記蒸着用マスクを形成する工程では、
    蒸着材料の通過孔として複数の第1の開口を有する第1のマスクを形成し、
    前記第1のマスクをフレームに張設し、かつ
    前記第1のマスクを、前記第1の開口の位置設計の際に、前記フレームへの張設時における開口位置シフト量を加味した補正を行う
    表示装置の製造方法。
  23. 前記材料層は、有機電界発光層である
    請求項22に記載の表示装置の製造方法。




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