JP2015184602A - 薄膜トランジスタ基板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】TFTのチャネル部に外部からの光が入射することを抑制できるTFT基板を提供する。【解決手段】TFT基板200のTFT201は、基板1上に形成されたゲート電極2と、ゲート電極2上に形成されたゲート絶縁膜3と、ゲート絶縁膜3上におけるゲート電極2の上方に形成された半導体層4と、半導体層4上に形成されたソース電極5およびドレイン電極6とを備える。ソース電極5およびドレイン電極6は、透明導電層5a,6aと金属層5b,6bとを含む多層構造であり、ソース電極5およびドレイン電極6の少なくとも片方は、ゲート電極2の端部の上方で、透明導電層5a,6aの単層構造となっている。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば表示装置等に用いられる薄膜トランジスタ基板、およびその製造方法に関する。
薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)をスイッチング素子として用いたTFTアクティブマトリックス基板(以下「TFT基板」と呼称)は、例えば液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)等の電気光学装置に利用される。
一般的なLCDは、TFT基板と対向基板(カラーフィルタ基板)との間に液晶を封止して成る液晶表示パネルと、液晶表示パネルの前面側(視認側)および背面側に配設された偏光板と、液晶表示パネルの背面側に配設されたバックライトとを備えている。
例えば下記の特許文献1の図1に、LCD用のTFT基板の代表的な構造が開示されている。特許文献1のTFT基板は、ボトムゲートのバックチャネル型TFTを有し、TFTに接続した画素電極が最上層に形成された構造となっており、5回の写真製版工程(フォトリソグラフィープロセス)を経て製造される。
従来、LCD用のTFT基板に設けられるTFTとしては、半導体層(チャネル層)としてアモルファスシリコン(Si)を用いたものが一般的であったが、近年では、酸化物半導体を用いたTFTの開発が進められている。酸化物半導体は、アモルファスシリコンよりも高い移動度を有するため、小型で高性能なTFTを実現できる。酸化物半導体としては、酸化亜鉛(ZnO)系材料や、酸化亜鉛に酸化ガリウム(Ga)、酸化インジウム(In)、酸化すず(SnO)などを添加した材料が主に用いられている(例えば、特許文献2,3および非特許文献1)。
特開平10−268353号公報 特開2005−77822号公報 特開2007−281409号公報
Kenji Nomura等著、「Room-temperature fabrication of transparent flexible thin-film transistors using amorphous oxide semiconductors」、Nature 2004年,第432巻,第488頁〜第492頁
バックチャネル型TFTにおいて、半導体層にZn−O系やInGa−Zn−O系の酸化物半導体膜を用いた場合、その上にスパッタリング法や真空蒸着法を用いてソース電極およびドレイン電極となる金属膜(Cr、Ti、Cu、Mo、Ta、Alおよびこれらの合金)を直接形成すると、酸化物半導体膜の表面に構造や組成比が乱れたダメージ層が形成される。
また、酸化物半導体膜と金属膜との還元反応が起こり、酸化物半導体膜の表面における金属膜との界面近傍に、酸素が欠乏した酸化物半導体層が生成される。酸素が欠乏した酸化物半導体層は、電子によるキャリア密度が増加してN型化するため低抵抗化される。酸化物半導体膜の表面が低抵抗化されると、ソース電極およびドレイン電極とのコンタクト性が向上(界面抵抗が低減)するため、TFTのオン特性の向上が期待できる。
しかしその一方で、TFTのチャネル部(バックチャネル部)の表面が低抵抗化されると、TFTのオフ電流が増大し、表示ムラやクロストークのような表示不良を招く原因となる。また、チャネル部の表面にダメージ層が残ると、閾値が大きくシフトするなどのTFT特性の劣化が生じ、これも表示不良の原因となる。
この問題を解決するために、酸素が欠乏した酸化物半導体層が形成されたチャネル部の表面に、イオン注入、酸素プラズマ照射、酸素雰囲気中の熱処理などの表面処理によって酸素を注入し、チャネル部の高抵抗化すると共に組成比や構造の乱れを緩和する技術もある。しかし、そのような表面処理を施した酸化物半導体層は、安定性が不十分である。例えば、酸化物半導体層のエッチングした表面に外部から光が入射した場合に、膜中に新たな欠陥が発生したり、欠陥準位を介して電子−正孔対が発生したりする。そのため、バックライトが発した光(バックライト光)などがTFTのチャネル部に入射すると、TFTの閾値がシフトしたり、オフ電流が増大するなどの問題が発生する。
なお、バックチャネル型のTFTでは、半導体層の下に配設されるゲート電極がバックライト光を遮る遮光膜として働くため、バックライト光がチャネル部に直接入射することは防止できる。しかし、バックライト光は、ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極による多重反射によって半導体層のチャネル部に到達する問題は残る。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、TFTのチャネル部に外部からの光が入射することを抑制できるTFT基板を提供することを目的とする。
本発明に係る薄膜トランジスタ基板は、基板上に形成された薄膜トランジスタを有する薄膜トランジスタ基板であって、前記薄膜トランジスタは、前記基板上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上における前記ゲート電極の上方に形成された半導体層と、前記半導体層上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、前記半導体層における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の領域であるチャネル部と、を備え、前記ソース電極および前記ドレイン電極は、透明導電層と金属層とを含む多層構造であり、前記ソース電極および前記ドレイン電極の少なくとも片方は、前記ゲート電極の端部の上方で、前記透明導電層の単層構造となっている。
本発明によれば、ゲート電極の端部近傍に入射した光は、ソース電極およびドレイン電極が透明導電層の単層構造となった部分を透過するため、ゲート電極とソース電極およびドレイン電極の間での多重反射によって、外部からの光がチャネル部に到達することが防止される。よって、チャネル部への光の入射による薄膜トランジスタの特性の劣化を防止できる。
TFT基板の全体構成を模式的に説明する平面図である。 実施の形態1に係るTFT基板の画素の平面構成を示す図である。 実施の形態1に係るTFT基板の画素の断面構成を示す図である。 実施の形態1に係るTFT基板の製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係るTFT基板の製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係るTFT基板の製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係るTFT基板の製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係るTFT基板の製造工程を示す断面図である。 実施の形態1に係るTFT基板の製造工程を示す断面図である。 実施の形態2に係るTFT基板の画素の平面構成を示す図である。 実施の形態2に係るTFT基板の画素の断面構成を示す図である。 実施の形態2に係るTFT基板の製造工程を示す断面図である。 実施の形態2に係るTFT基板の製造工程を示す断面図である。 実施の形態3に係るTFT基板の画素の断面構成を示す図である。 実施の形態4に係るTFT基板の画素の断面構成を示す図である。 実施の形態5に係るTFT基板の画素の断面構成を示す図である。 実施の形態5に係るTFT基板の画素の断面構成を示す図である。 実施の形態6に係るTFT基板の画素の断面構成を示す図である。 実施の形態6に係る液晶ディスプレイの画素の断面構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本明細書において、「ソース電極およびドレイン電極のエッチングプロセスに対して耐性を有する」とは、導電膜を加工してソース電極およびドレイン電極を形成する一連のエッチングプロセス中に暴露されても、少なくとも消失せずに残存可能であることと定義される(ただし、半導体膜を半導体として充分に機能させるためには、最初の膜厚の半分以上が残っていることが好ましい)。逆に、「ソース電極およびドレイン電極のエッチングプロセスに対してエッチング性を有する」とは、導電膜を加工してソース電極およびドレイン電極を形成する一連のエッチングプロセス中に暴露させることによって、完全に除去可能であることと定義される。
なお、上記のエッチングプロセスは、例えば薬液を用いたウエットエッチング法によるものでもよいし、エッチングガスを用いたドライエッチング法によるものでもよいし、ウエットエッチング法とドライエッチング法とを組み合わせたものでもよい。
<実施の形態1>
[TFT基板の全体構成]
図1は、実施の形態1に係るTFT基板の構成を示す平面図である。実施の形態1のTFT基板は、スイッチング素子としてのTFTがマトリックス状に複数個配置されたアクティブマトリックス基板である。TFT基板は、液晶表示装置(LCD)等の平面型表示装置(フラットパネルディスプレイ)などに用いられる。
TFT基板200は、TFT201および画素電極8を有する複数の画素204がマトリックス状に配設される表示領域202と、表示領域202の外側を囲む額縁領域203とに分けられる。
表示領域202には、複数のゲート配線21(走査信号線)および複数のソース配線51(表示信号線)が配設される。複数のゲート配線21は互いに平行に配設され、複数のソース配線51も互いに平行に配設される。複数のゲート配線21と複数のソース配線51は交差する。図1では、ゲート配線21が横方向に延在し、ソース配線51が縦方向に延在している。隣接するゲート配線21と隣接するソース配線51とで囲まれた領域が画素204となるので、表示領域202には、画素204がマトリックス状に配列されることになる。また、表示領域202には、一定の電位(共通電位)が与えられる複数の補助容量配線91が、ゲート配線21と平行に配設されている。
図1では、代表的に1つの画素204を拡大して示している。画素204には、少なくとも1つのTFT201が配設される。TFT201は、ゲート配線21とソース配線51の交差点近傍に配置され、ゲート配線21に接続されるゲート電極と、ソース配線51に接続されるソース電極と、画素電極8に接続されるドレイン電極とを有している。また、画素電極8と補助容量配線91との間には、補助容量209が設けられている。
一方、TFT基板200の額縁領域203には、走査信号駆動回路205および表示信号駆動回路206が設けられている。図示は省略するが、ゲート配線21は、表示領域202から走査信号駆動回路205が設けられた側の額縁領域203へと引き出され、走査信号駆動回路205に接続されている。同様に、ソース配線51は、表示領域202から表示信号駆動回路206が設けられた側の額縁領域203へと引き出され、表示信号駆動回路206に接続されている。
走査信号駆動回路205の近傍には、走査信号駆動回路205を外部と接続させるための外部配線207が配設され、表示信号駆動回路206の近傍には、表示信号駆動回路206を外部と接続させるための外部配線208が配設されている。これら外部配線207,208は、例えば、FPC(Flexible Printed Circuit)などの配線基板である。
走査信号駆動回路205には、外部配線207を介して外部から各種の制御信号が供給され、表示信号駆動回路206には、外部配線208を介して外部から各種の制御信号および画像データが供給される。走査信号駆動回路205は、外部からの制御信号に基づいて、ゲート配線21にゲート信号(走査信号)を供給する。このゲート信号によって、ゲート配線21が一定周期で順番に選択される。表示信号駆動回路206は、外部からの制御信号に基づいて、画像データに応じた表示信号をソース配線51に供給する。この走査信号駆動回路205と表示信号駆動回路206の動作によって、表示信号に応じた表示電圧が各画素204に供給される。
また、補助容量配線91には、走査信号駆動回路205または表示信号駆動回路206などから共通電位が供給される。
なお、走査信号駆動回路205および表示信号駆動回路206は、TFT基板200上に形成されるとは限らず、例えば、TCP(Tape Carrier Package)を用いて構成され、TFT基板200に接続される場合もある。
TFT201は、画素電極8に表示電圧を供給するためのスイッチング素子として機能し、ゲート配線21からゲート電極に与えられるゲート信号により、オン/オフが制御される。TFT201がオンになると、ソース配線51に供給されている表示電圧がTFT201を通して画素電極8に印加される。
液晶表示パネルは、TFT基板200と対向基板(不図示)とが一定の間隙(セルギャップ)を介して貼り合わされ、その間隙に液晶が注入されて封止された構造を有している。すなわち、液晶表示パネルは、TFT基板200と対向基板との間に液晶層が挟持された構造となっている。従って、TFT基板200の画素電極8に表示電圧が印加されると、画素電極8と対向基板上の対向電極との間に表示電圧に応じた電界が生じる。画素電極8に印加された表示電圧は、画素電極8と対向電極との間に形成される容量(液晶容量)および補助容量209によって、1フレームの画像を表示する一定時間保持される。
上記の対向基板は、例えばカラーフィルタ(CF)基板であり、TFT基板200の前面側(視認側)に配置される。対向基板には、対向電極の他に、カラーフィルタ、ブラックマトリックス(BM)、配向膜等が形成される。配向膜は、TFT基板200の表面にも形成されていてもよい。なお、IPS(In Plane Switching)方式(「IPS」は登録商標)やFFS(Fringe Field Switching)方式などの横電界駆動モードのLCDの場合、対向電極は、対向基板ではなくTFT基板200上に配設される。
液晶表示パネルの外面には、偏光板、位相差板等が設けられる。また、LCDでは、液晶表示パネルの背面側(TFT基板200の裏側)に、バックライトユニット等が配設される。
[液晶表示装置の動作]
ここで、LCDの動作を簡単に説明する。TFT基板200と対向基板との間に挟持されている液晶は、画素電極8と対向電極との間に生じる電界によって駆動される(液晶の配向方向が制御される)。液晶の配向方向が変化すると、それを通過する光の偏光状態が変化する。具体的には、液晶表示パネルの背面側に配設されたバックライトユニットからの光は、TFT基板200側の偏光板によって直線偏光になる。そして、この直線偏光が液晶層を通過することによって、その偏光状態が変化する。
液晶層を通過した光は、その偏光状態により、対向基板側の偏光板を通過する光量が変化する。すなわち、バックライトユニットから液晶表示パネルを透過する透過光のうち、視認側の偏光板を通過する光の光量が変化する。液晶の配向方向は、画素電極8に印加されている表示電圧によって変化する。従って、表示電圧を制御することによって、視認側の偏光板を通過する光量を制御できる。液晶表示装置では、画素ごとに印加する表示電圧を表示データに基づいて制御することで、所望の画像を表示させている。
[TFT基板の画素の構成]
次に、図2および図3を参照して、実施の形態1に係るTFT基板200のより詳細な構成について説明する。本実施の形態では、TFT基板200が、透過型の液晶表示装置に用いられるものとして説明する。
図2は、TFT基板200における画素204を含む主要部の平面構成を示す図であり、図3はその断面構成を示す図である。図3では、図2に示すX−X線、Y−Y線およびZ−Z線に対応する断面が示されている。
X−X線に沿った断面は、画素204の形成領域(画素部)に対応する。図3に示す画素部の断面は、ゲート配線21とソース配線51とが交差する領域である「ゲート・ソース配線交差部」と、TFT201の形成領域である「TFT部」と、画素電極8がTFT201のドレイン電極6に接続される領域である「画素・ドレインコンタクト部」と、画素電極8の形成領域である「画像電極部」と、補助容量209の形成領域である「補助容量部」とを含んでいる。
Y−Y線に沿った断面は、ゲート配線21にゲート信号を供給するためのゲート端子22およびその上に設けられるゲート端子パッド23の形成領域(ゲート端子部)に対応する。Z−Z線に沿った断面は、ソース配線51に表示信号を印加するためのソース端子52およびその上に設けられるソース端子パッド53の形成領域(ソース端子部)に対応する。ゲート端子22およびゲート端子パッド23は、ゲート配線21の端部に設けられ、ソース端子52およびソース端子パッド53は、ソース配線51の端部に設けられている。
図3に示すように、TFT基板200は、例えば、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1上に形成されている。基板1の上には、第1の導電膜を用いて形成されたゲート電極2、ゲート配線21、ゲート端子22、補助容量電極9および補助容量配線91(図3では不図示)が配設されている。ゲート電極2はTFT部に配設される。ゲート配線21および補助容量配線91は、図2の横方向に延びるように配設される。ゲート端子22はゲート配線21の端部(ゲート端子部)に配設される。
図2のように、複数のゲート配線21および複数の補助容量配線91は、互いに平行に配設されている。TFT201のゲート電極2は、ゲート配線21と一体的に形成されている。すなわち、ゲート配線21におけるTFT部の部分がゲート電極2となっている。本実施の形態では、ゲート配線21においてゲート電極2となる部分は他の部分よりも幅広となっている。また、補助容量電極9は、補助容量配線91と一体的に形成されており、画素部内に延在する補助容量配線91の部分が、補助容量電極9となっている。
ゲート電極2、ゲート配線21、ゲート端子22、補助容量電極9および補助容量配線91の上は、絶縁膜3により覆われている。この絶縁膜3は、TFT基板200のゲート絶縁膜として機能するため、以下では「ゲート絶縁膜3」と称す。
ゲート絶縁膜3上には、TFT部に、半導体層4がゲート電極2と重畳するように配設される。図2のように、半導体層4は、平面視でゲート電極2のパターンからはみ出さないパターンで形成されている。透過型LCDの場合、TFT基板200には下面からバックライト光が入射するが、ゲート電極2が遮光膜となってバックライト光が半導体層4に直接入射することを防止できる。それにより、光照射によるTFT201の特性劣化が抑制される。なお、半導体層4は、後述するソース電極5およびドレイン電極6のエッチングプロセスに対して耐性を有する材料を用いて形成される。
本実施の形態では、半導体層4は、酸化物半導体膜により構成する。酸化物半導体膜を半導体層4に用いることで、アモルファスシリコンよりも高い移動度を有するTFT201を実現できる。ここでいう酸化物半導体膜とは、導電率が10−7〜10S/cmの範囲、あるいは、キャリア濃度が1011〜1018個/cmの範囲にあるものとする。導電率が10S/cmよりも大きい場合やキャリア濃度が1018個/cmよりも大きい場合は、電気が常時流れやすくなり、半導体膜としてのスイッチングの機能を示さない場合があるためである。導電率が10−5〜10−1S/cm、キャリア濃度が1012〜1017個/cmの範囲であれば、より好ましい。
図示は省略するが、本実施の形態では、半導体層4を二層構造の酸化物半導体膜とした。具体的には、半導体層4の下層部として、酸化亜鉛(ZnO)に酸化インジウム(In)および酸化すず(SnO)を添加したIn−Zn−Sn−O系の酸化物半導体膜(In−Zn−Sn−O膜)を用い、半導体層4の上層部として、酸化亜鉛(ZnO)に酸化ガリウム(Ga)および酸化インジウム(In)を添加したIn−Ga−Zn−O系の酸化物半導体膜(In−Ga−Zn−O膜)を用いた。
ゲート絶縁膜3上にはさらに、ソース電極5、ドレイン電極6、ソース配線51およびソース端子52が形成されている。ソース電極5およびドレイン電極6は、少なくとも一部がTFT部の半導体層4上に延在するように配設され、それぞれ半導体層4と電気的に接続している。ソース配線51は、図2の縦方向に延びるように配設される。ソース端子52は、ソース配線51の端部(ソース端子部)に配設される。
図2のように、複数のソース配線51は互いに平行に配設されている。TFT201のソース電極5は、ソース配線51と一体的に形成されている。すなわち、ソース配線51から分岐してTFT部まで延びた部分が、ソース電極5となっている。
また、図3のように、ソース電極5、ドレイン電極6、ソース配線51およびソース端子52は、下層の透明導電膜と下層の金属膜とからなる二層構造となっている。すなわち、ソース電極5、ドレイン電極6、ソース配線51およびソース端子52は、下層の透明導電層5a,6a,51a,52aと、上層の金属層5b,6b,51b,52bとから構成されている。
ソース電極5およびドレイン電極6は、半導体層4上で離間しており、ソース電極5とドレイン電極6の間に半導体層4が露出している。ソース電極5とドレイン電極6の間に露出した半導体層4の部分が、TFT201のチャネル部41(バックチャネル部)となる。チャネル部41上では、ソース電極5およびドレイン電極6の透明導電層5a,6aと金属層5b,6bの両方が除去されている。
図3に示すように、ソース電極5およびドレイン電極6の金属層5b,6bは、ゲート電極2の端部の上方で除去されており、その部分には透明導電層5a,6aのみが残存している。すなわち、ソース電極5およびドレイン電極6は、ゲート電極2の端部の上方において、透明導電層5a,6aの単層構造となっている。
この構成により、ゲート電極2の端部近傍に入射したバックライト光は、ソース電極5,6で反射されずに、透明導電層5a,6aの単層構造の部分で上方に抜ける。そのため、ゲート電極2とソース電極5およびドレイン電極6との間の多重反射が起こらず、バックライト光がチャネル部41に達することが防止される。
本実施の形態では、ソース電極5およびドレイン電極6の両方が、ゲート電極2の端部の上方で透明導電層の単層構造となる構成を示したが、それらの片方のみがゲート電極2の端部の上方で透明導電層の単層構造となる構成としてもよい。
また、半導体層4の上において、チャネル部41を挟むソース電極5およびドレイン電極6の端部は、透明導電層5a,6aの端部が金属層5b,6bの端部よりも後退した構造となっている。つまり、上層の金属層5b,6bが下層の透明導電層5a,6aよりも突出した庇形状となっている。金属層5b,6bは、光を透過させないため、上方からの光がチャネル部41の端部(ソース電極5およびドレイン電極6の端部近傍)に入射することが防止される。チャネル部41の端部は、電界が集中することから、光による特性劣化の影響が大きい。庇形状のソース電極5およびドレイン電極6によって、チャネル部41の端部への光の入射が防止されることで、TFT201の特性劣化を効果的に抑制できる。
ソース電極5、ドレイン電極6、ソース配線51およびソース端子52の透明導電層5a,6a,51a,52aとしては、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)等の金属酸化物からなる透明電極材料を用いることができる。その場合、半導体層4とそれに接続するソース電極5およびドレイン電極6の透明導電層5a,6aが、いずれも酸化物系の材料となる。そのため、両者の界面での還元反応は生じず、ダメージ層は形成されない。
半導体層4の下層部であるIn−Zn−Sn−O膜と、透明導電層5a,6a,51a,52aである金属酸化物は、いずれもシュウ酸などのカルボン酸を含むエッチング薬液を用いてエッチング加工が可能である。
また、Al、Mo、AgおよびCu系の金属膜のエッチング薬液として知られているリン酸を含む薬液、例えばリン酸と硝酸と酢酸の混酸(Phosphoric acid, Acetic acid, Nitric acid:以下「PAN」と呼ぶ)薬液に対しては、In−Zn−Sn−O膜は、広い組成範囲で不溶もしくは難溶性を有す。よってそのようなエッチング薬液では、In−Zn−Sn−O膜をエッチング加工することはできない。一方、金属酸化物の透明導電層5a,6a,51a,52aは、PAN系薬液に対して可溶性を示す。そのため、後のエッチング工程においては、チャネル部41を残存させつつ、チャネル部41上の不用な導電膜を除去するエッチングが可能である。
さらに両者は、Cr系金属膜のエッチング薬液として硝酸第二セリウムアンモニウムを含む薬液(Cerium Ammonium Nitrate:以下「CAN」と呼ぶ)に対しても、PAN系薬液と同様の特性を示す。
ソース電極5、ドレイン電極6、ソース配線51およびソース端子52を覆うように、保護絶縁膜7が基板1の全面に形成されている。また、保護絶縁膜7には、複数のコンタクトホールが形成される。すなわち、画素・ドレインコンタクト部に、保護絶縁膜7を貫通してドレイン電極6に達するコンタクトホール11(画素ドレインコンタクトホール)が形成され、ゲート端子部に、保護絶縁膜7およびゲート絶縁膜3を貫通してゲート端子22に達するコンタクトホール12(ゲート端子コンタクトホール)が形成され、ソース端子部に、保護絶縁膜7を貫通してソース端子52に達するコンタクトホール13(ソース端子コンタクトホール)が形成される。
保護絶縁膜7の上には、透明導電膜から成る画素電極8、ゲート端子パッド23、ソース端子パッド53が配設される。画素電極8は、図2のように画素部の広範囲に形成される。また、画素電極8は、図3のように画像電極部、画素・ドレインコンタクト部および補助容量部に跨がっており、画素・ドレインコンタクト部ではコンタクトホール11を介してドレイン電極6と電気的に接続し、補助容量部では補助容量電極9の上方にまで延び、補助容量電極9と共に補助容量209を形成している。本実施の形態のようにTFT基板200が透過型の液晶表示装置に用いられる場合、画像電極部はバックライト光を透過させる必要があるため、画素電極8は透過透明導電膜によって形成される。
図2のように、補助容量電極9は、画素電極8の外周部と重なるように、平面視でΠ(パイ)字状に形成されている。補助容量電極9の形状は、これに限られず、補助容量209において所望の容量値を確保できれば、直線状、L字状など任意の形状でもよい。
ゲート端子パッド23は、ゲート端子部に配設され、コンタクトホール12を介してゲート端子22と電気的に接続している。ゲート端子パッド23には、走査信号駆動回路205(図1)が接続され、走査信号駆動回路205が出力した走査信号がゲート端子パッド23に印加されることにより、ゲート配線21に走査信号が供給される。
ソース端子パッド53は、ソース端子部に配設され、コンタクトホール13を介してソース端子52と電気的に接続している。ソース端子パッド53には、表示信号駆動回路206(図1)が接続され、表示信号駆動回路206が出力した表示信号がソース端子パッド53に印加されることにより、ソース配線51に表示信号が供給される。
[TFT基板の製造方法]
次に、図2および図3に示した実施の形態1に係るTFT基板200の製造方法を説明する。図4〜図9は、その製造工程を示す工程図であり、それぞれ図3に示した断面に対応している。
まず、基板1を洗浄液または純水を用いて洗浄する。実施の形態1では、厚さ0.5mmの無アルカリガラス基板を基板1として用いた。
洗浄された基板1の一方の主面(上面)全体に、ゲート電極2、ゲート配線21等の材料である第1の導電膜を成膜する。第1の導電膜としては、例えばアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)やこれらに他の元素を微量に添加した合金等を用いることができる。また、これらの金属または合金の2種類以上を積層した多層構造としてもよい。これらの金属または合金を用いることによって、比抵抗値が50μΩcm以下(導電率が2×10S/cm以上)の低抵抗な導電膜を得ることができる。実施の形態1では、第1の導電膜としてMo膜を用い、Arガスを用いたスパッタリング法でMo膜を200nmの厚さに形成した。
第1の導電膜上にレジスト材を塗布して、写真製版工程(1回目)によりレジスト材を加工してフォトレジストパターンを形成し、それをマスクにするエッチングにより第1の導電膜をパターニングする。それにより、基板1上に、ゲート電極2、ゲート配線21、ゲート端子22、補助容量電極9および補助容量配線91が形成される。その後、フォトレジストパターンを除去すると、図4に示す状態となる。
このエッチングプロセスでは、リン酸、酢酸および硝酸を含む溶液(PAN系薬液)によるウエットエッチングを用いることができる。PAN系薬液としては、リン酸が40〜93wt%(重量%)、酢酸が1〜40wt%、硝酸が0.5〜15wt%の範囲のものが好ましい。実施の形態1では、リン酸70wt%+酢酸7wt%+硝酸5wt%+水のPAN系薬液を用いて液温を25℃に設定して、第1の導電膜(Mo膜)をエッチングした。
次に、ゲート電極2、ゲート配線21、ゲート端子22、補助容量電極9および補助容量配線91を覆うように、基板1の上面全体にゲート絶縁膜3を成膜する。実施の形態1では、ゲート絶縁膜3は、化学的気相成長(CVD)法を用いて形成した酸化シリコン膜(SiO)とした。ここでは、厚さ300nmの酸化シリコン膜を、約300℃の基板加熱条件下で成膜した。なお、酸化シリコン膜は、水分(HO)や水素(H)あるいはナトリウム(Na)やカリウム(K)のようなTFT特性に影響を及ぼす不純物元素に対するバリア性(遮断性)が弱いため、ゲート絶縁膜3は、酸化シリコン膜の下層に例えばバリア性に優れる窒化シリコン(SiN)膜などを設けた積層構造としてもよい。
次にゲート絶縁膜3の上に酸化物半導体の半導体層4を形成する。実施の形態1では、半導体層4を、下層のIn−Zn−Sn−O膜と、上層のIn−Ga−Zn−O膜とからなる二層構造の酸化物半導体膜とした。また、ここでは半導体層4の膜厚を50nmとしたが、その厚さはTFT201の特性や生産性などの観点から任意に選択すればよい。
半導体層4の形成は、In−Zn−Sn−O膜およびIn−Ga−Zn−O膜を順次成膜し、その上に写真製版工程(2回目)を用いてフォトレジストパターンを形成し、それをマスクとするエッチングによりIn−Zn−Sn−O膜およびIn−Ga−Zn−O膜をパターニングすることによって行われる。このとき、半導体層4のパターンが、平面視でゲート電極2のパターンから外側にはみ出さず、全体がゲート電極2のパターンの内側に含まれるようにする。その後、フォトレジストパターンを除去すると、図5に示す状態となる。
In−Zn−Sn−O膜は、In:Zn:Sn:Oの原子組成比が2:6:2:13であるIn−Zn−Sn−Oターゲット[In・(ZnO)・(SnO]を用いたスパッタリング法で成膜した。このとき、ArガスやKrガスを用いてスパッタリングすると、通常は、酸素の原子組成比が化学量論組成よりも少なく、酸素イオン欠乏状態(上記の例ではOの組成比が13未満)の酸化膜となってしまう。従って、Arガスに酸素(O2)ガスを混合させてスパッタリングすることが望ましい。ここでは、Arガスに対して分圧比で10%のOガスを添加した混合ガスを用いて、スパッタリングを行い、40nmの厚さで成膜した。
成膜直後のIn−Zn−Sn−O膜は非晶質構造であり、シュウ酸を含む薬液に可溶性を示す。一方で、In−Zn−Sn−O膜は、PAN系薬液およびCAN系薬液に対して難溶性を示す(液温20℃〜40℃のPAN系薬液またはCAN系薬液に5分間浸漬しても膜減りはほとんど認められない)。そのため、PAN系薬液およびCAN系薬液を用いて、In−Zn−Sn−O膜をエッチング加工することは不可能である。
なお、ここでいう酸化物半導体膜の非晶質構造とは、具体的には、X線回折法による回折パターンにおいて、ハロー状のパターンが観測されるとともに、特定の結晶面による回折ピークが明確には観測されない結果が得られるものと定義する。すなわち非晶質中に結晶領域が存在したとしても、微結晶のためにX線回折では明確な回折ピークを示さないものも非晶質状態に含むものとする。
In−Ga−Zn−O膜は、In:Ga:Zn:Oの原子組成比が1:1:1:4であるIn−Ga−Zn−Oターゲット[In・Ga・(ZnO)]を用いたスパッタリング法で成膜した。このときも、ArガスやKrガスを用いてスパッタリングすると、通常は、酸素イオン欠乏状態(上記の例ではOの組成比が4未満)の酸化膜となってしまう。そのため、Arガスに対して分圧比で10%のOガスを添加した混合ガスを用いてスパッタリングを行い、20nmの厚さで成膜した。
成膜直後のIn−Ga−Zn−O膜は非晶質構造であり、シュウ酸を含む薬液に可溶性を示す。また、In−Ga−Zn−O膜は、PAN系薬液およびCAN系薬液に対しても可溶性を示す。そのため、In−Ga−Zn−O膜は、PAN系薬液およびCAN系薬液を用いてエッチング加工することが可能である。
次に、図6のように、ソース電極5、ドレイン電極6、ソース配線51およびソース端子52の下層となる透明導電膜56aと、上層となる金属膜56b(第2の導電膜)とを順次成膜する。実施の形態1では、透明導電膜56aとして、ITO(Indium Tin Oxide)をスパッタリング法等によりアモルファス状態で形成した。また、金属膜56bとしては、Arガスを用いたスパッタリング法で、Mo膜を200nmの厚さに成膜した。第2の導電膜は、第1の導電膜と同様に、例えばアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)やこれらに他の元素を微量に添加した合金等を用いることができる。
その後、金属膜56b上にレジスト材を塗布し、写真製版工程(3回目)でフォトレジストパターンを形成し、それをマスクにするエッチングにより透明導電膜56aおよび金属膜56bをパターニングする。それにより、透明導電層5a,6a,51a,52aおよび金属層5b,6b,51b,52bからなる、ソース電極5、ドレイン電極6、ソース配線51およびソース端子52が形成される。フォトレジストパターンを除去すると、図7に示す状態となる。
ここまでの工程でTFT201の構造が完成する。ただし、この時点ではゲート電極2の端部の上方に金属膜56bが残存しており、ソース電極5およびドレイン電極6が透明導電層5a,6aの単層構造となった部分は形成されていない。
ソース電極5とドレイン電極6は半導体層4上で分離され、ソース電極5とドレイン電極6との間に露出した半導体層4の部分がTFT201のチャネル部41となる。本実施の形態では、半導体層4と透明導電膜56aは、いずれも酸化物系の材料であるため、その界面で還元反応は生じない。従って、チャネル部41の表面には還元反応による酸素欠乏領域やダメージ層はほとんどない。なお、図6に示した工程では、金属膜56bとの界面反応による酸素欠乏層やダメージ層が透明導電膜56aに生じるが、透明導電膜56aはチャネル部41上から除去されるため、TFT201の特性には影響しない。
このエッチングプロセスには、PAN系薬液によるウエットエッチングを用いることができる。ここでは、リン酸70wt%+酢酸7wt%+硝酸5wt%+水のPAN系薬液を用いて液温を25℃に設定してMo膜をエッチングした。
実施の形態1では、金属膜56bよりも透明導電膜56aの方がPAN系薬液に対するエッチング速さが早くなるように、透明導電膜56aおよび金属膜56bの材料が選択されている。それにより、ソース電極5およびドレイン電極6の端部では、透明導電層5a,6aが金属層5b,6bよりも後退し、上層の金属層5b,6bが下層の透明導電層5a,6aよりも突出した庇形状が形成される。
また、半導体層4においては、上層部のIn−Ga−Zn−O膜はPAN系薬液でエッチング除去されるが、下層部のIn−Ga−Zn−O膜はPAN系薬液にほとんど溶けないため、エッチングされずに残り、その表面がチャネル部41となる。
続いて、大気中あるいは窒素中において200℃以上のアニール処理を行い、透明導電層5a,6a,51a,52aをアモルファス状態から多結晶状態へと変化させる。
その後、写真製版工程(4回目)で、ゲート電極2の端部の上方を開口したフォトレジストパターンを形成し、それをマスクにするエッチングにより、ゲート電極2の端部上方の金属膜56bを除去する。それにより、ソース電極5およびドレイン電極6は、ゲート電極2の端部の上方において、透明導電層5a,6aの単層構造となる。フォトレジストパターンを除去すると、図8に示す状態となる。
このエッチングプロセスには、PAN系薬液によるウエットエッチングを用いることができる。透明導電層5a,6aは先のアニール処理で多結晶化しているため、金属膜56bが除去されてその下の透明導電層5a,6aがPAN系薬液に曝されても、透明導電層5a,6aは除去されない。
続いて、TFT201、ソース配線51およびソース端子52を覆うように、基板1の上面全体に保護絶縁膜7を成膜する。ここでは、CVD法を用いて、約250℃の基板加熱条件下で厚さ300nmの酸化シリコン(SiO)膜を形成することで、保護絶縁膜7を形成した。
そして、保護絶縁膜7上に写真製版工程(5回目)でフォトレジストパターンを形成し、それをマスクにするエッチングにより保護絶縁膜7およびゲート絶縁膜3を選択的に除去する。それにより、保護絶縁膜7およびゲート絶縁膜3にコンタクトホール11〜13が形成される。フォトレジストパターンを除去すると、図9に示す状態となる。コンタクトホール11は、保護絶縁膜7を貫通してドレイン電極6に達し、コンタクトホール12は保護絶縁膜7およびゲート絶縁膜3を貫通してゲート端子22に達し、コンタクトホール13は保護絶縁膜7を貫通してソース端子52に達する。
酸化シリコン膜は、水分(HO)や水素(H)あるいはナトリウム(Na)やカリウム(K)のようなTFT特性に影響を及ぼす不純物元素に対するバリア性(遮断性)が弱いため、保護絶縁膜7は、酸化シリコン膜の下層に例えばバリア性に優れる窒化シリコン(SiN)膜などを設けた積層構造としてもよい。保護絶縁膜7がこのような積層構造の場合でも、フッ素ガスを用いたドライエッチング法を用いてコンタクトホール11〜13を形成できる。
次に、コンタクトホール11〜13の内部を含む基板1の上面全体に、画素電極8、ゲート端子パッド23およびソース端子パッド53の材料としての第3の導電膜を成膜する。
実施の形態1のTFT基板200は、透過光(バックライト光)によって表示を行う透過型の液晶表示装置に用いられるため、第3の導電膜として透明導電膜を用いる。具体的には、透明導電膜として、導電性酸化物であるIn−Zn−O膜(酸化インジウムInと酸化亜鉛ZnOとの混合比は、例えば90:10重量%)を用いた。ここではスパッタリング法を用いて厚さ100nmのIn−Zn−O膜を成膜した。なお、ここでいう導電性酸化物は、例えば半導体層4に用いた酸化物半導体などよりも導電率が十分に高く、導電体として機能するものである。
なお、外光を反射して表示を行う反射型LCDに用いるTFT基板200の場合、第3の導電膜として、光を反射するAlやAgなどの金属膜を用いればよい。また、反射光と透過光の両方で表示を行う半透過型LCDに用いるTFT基板200の場合は、第3の導電膜として、光反射性と透光性の両方を有する材料を用いればよい。
続いて、第3の導電膜上にレジスト材を塗布し、写真製版工程(6回目)でフォトレジストパターンを形成し、それをマスクにするエッチングにより第3の導電膜をパターニングする。それにより、画素電極8、ゲート端子パッド23およびソース端子パッド53が形成される。画素電極8は、コンタクトホール11を介してドレイン電極6に接続すると共に、補助容量電極9の上方にまで延びて補助容量電極9との間に補助容量209を形成する。ゲート端子パッド23は、コンタクトホール12を介してゲート端子22に接続する。ソース端子パッド53は、コンタクトホール13を介してソース端子52に接続する。このエッチングプロセスでは、シュウ酸薬液によるウエットエッチング法を用いることができる。
その後、フォトレジストパターンを除去すると、図2および図3に示した構成のTFT基板200が完成する。このように、実施の形態1のTFT基板200は、6回の写真製版工程を用いて製造することができる。
液晶表示パネルの組み立ての際は、完成したTFT基板200の表面に配向膜やスペーサを形成する。配向膜は、液晶を配列させるための膜であり、ポリイミド等で構成される。また、別途作成した、カラーフィルタや配向膜を備えた対向基板を、TFT基板200と貼り合わせる。このときスペーサによってTFT基板200と対向基板との間に隙間が形成される。その隙間に液晶を注入して封止することによって、液晶表示パネルが形成される。最後に、液晶表示パネルの外側に偏光板、位相差板およびバックライトユニット等を配設することによってFFS方式のLCDが完成する。
以上説明したように、実施の形態1のTFT基板の製造方法によれば、6回の写真製版工程を用いて、半導体層4が酸化物半導体であるTFT201を備えたTFT基板200を製造することができる。TFT201の半導体層4として酸化物半導体が用いられることで、TFT201の移動度が高くなり、動作速度の速い高性能なTFT基板200を得ることができる。また、TFTの小型化が可能となり、画像表示部の開口率を高めることができる。これにより、バックライト光を低減させても高輝度の表示が可能となるので、消費電力の低減にも寄与できる。
また、半導体層4上のソース電極5およびドレイン電極6の端部では、上層の金属層5b,6bが下層の透明導電層5a,6aよりも突出した庇形状となっている。従って、ソース電極5およびドレイン電極6の端部近傍のチャネル部41に上方からの光が入射することが防止される。よって、ソース電極5およびドレイン電極6の近傍での電界集中が抑制され、良好なTFT特性を得ることができる。特に、ゲート電極に深い負バイアスが印加されたときのドレイン電極6の端部近傍での電界集中を抑制できるので、オフ電流の増大(跳ね上がり)を抑制することができる。
半導体層4のパターンは、平面視でゲート電極2のパターンの内側に収まるように構成されている。これにより、ゲート電極2が、バックライト光を遮る遮光膜となり、半導体層4にバックライト光が直接入射するのを防止することができる。
さらに、ゲート電極2の端部の上方では、ソース電極5およびドレイン電極6は、透明導電層5a,6aの単層構造となっているため、ゲート電極2とソース電極5およびドレイン電極6との間の多重反射により、バックライト光がチャネル部41に達することを防止できる。これにより、光照射によるTFT特性の劣化や閾値の変動を防止することができる。
また、実施の形態1に係るTFT基板の製造方法では、ソース電極5およびドレイン電極6のパターニングと、半導体層4のチャネル部41の上層部(In−Ga−Zn−O膜)の除去とを、同じエッチングプロセスを用いて同時に行うようにした。よって、工程数の増加が抑えられ、生産性よく酸化物半導体膜を用いた高性能なTFT基板を製造することができる。なお、エッチングプロセスは薬液を用いたウエットエッチング法に限らず、エッチングガスを用いたドライエッチング法を用いることも可能である。
[半導体層4の変形例]
実施の形態1では、半導体層4は、下層のIn−Zn−Sn−O膜と上層のIn−Ga−Zn−O膜とからなる二層構造としたが、半導体層4の構成はこれに限られない。本発明において、ボトムゲートのバックチャネル型TFTの半導体層4に求められる特性は、ソース電極5およびドレイン電極6のエッチングプロセスにおいて耐性を有すること、すなわち当該エッチングによって除去されないことである。
実施の形態1のようにソース電極5およびドレイン電極6のエッチングプロセスをPAN系薬液またはCAN系薬液を用いたウエットエッチング法で実施する場合には、半導体層4として、例えば、Zn−Sn−O系、In−Al−Sn−O系、In−Si−Sn−O系、In−Al−Zn−Sn−O系のようなすず(Sn)を含む酸化物半導体膜を好適に用いることができる。その場合、Snの組成比は半導体膜に要求される特性に応じて任意に決めることができるが、酸化物半導体膜を構成する全ての金属元素に対するSnの原子比が0.05以上0.5以下であることが好ましい。例えば、Zn−Sn−O系の場合は、0.05≦Sn/(Zn+Sn)≦0.5であることが好ましく、実施の形態1で用いたIn−Zn−Sn−O系の場合は、0.05≦Sn/(In+Zn+Sn)≦0.5であることが好ましい。Snを原子比で0.05以上含ませることによって、PAN系薬液およびCAN系薬液に対するエッチング耐性を持たせることができる。また、Snの原子比が0.5を超えると、一般的な酸化物半導体膜のエッチング薬液としてカルボン酸を含む薬液に対するエッチング速さが低下するため、パターニング加工が困難になってしまう。
もちろん、上記の半導体層4の下層部に求められる特性を満たす材料であれば、Snを含まない酸化物半導体でもよい。また酸化物半導体に限らず、他の化合物半導体、例えば、Al−NやGa−Nなどの窒化物半導体膜、または窒化物と酸化物とを組み合わせた化合物半導体膜を用いることも可能である。窒化物半導体膜を含むことによって、PAN系薬液およびCAN系薬液に対するエッチング耐性を持たせることができる。
また、ソース電極5およびドレイン電極6の透明導電層5a,6aに求められる特性は、上層の金属層5b,6bと同時にエッチング加工できることである。実施の形態1のようにソース電極5およびドレイン電極6のパターニングをPAN系薬液またはCAN系薬液を用いたウエットエッチング法で実施する場合には、例えば、上記の例の他、In−Zn−O系、In−Al−Zn−O系、In−Hf−Zn−O系、In−Zr−Zn−O系、In−Mg−Zn−O系、In−Y−Zn−O系のような材料を金属層5b,6bとして用いることができる。
<実施の形態2>
図10および図11は、実施の形態2に係るTFT基板200の構成を示す図である。図10は、TFT基板200における画素204を含む主要部の平面構成を示す図であり、図11は、その断面構成を示す図である。図11では、図10に示すX−X線、Y−Y線およびZ−Z線に対応する断面が示されている。
実施の形態2のTFT基板200では、画素電極8が、ソース電極5およびドレイン電極6の下層部の透明導電層5a,6aと同じ透明導電膜を用いて形成されている。画素電極8は保護絶縁膜7よりも下層に形成されることになるが、図11のように、保護絶縁膜7には画素電極8が露出するように開口が設けられている。また、実施の形態2では、実施の形態1で画素電極8の材料にした第3の導電膜は用いられないため、ゲート端子22上のゲート端子パッド23および、ソース端子52上のソース端子パッド53も省略されている。
実施の形態2のTFT基板200の製造方法を説明する。まず、実施の形態1で図4〜図6を用いて説明したものと同じ方法で、基板1上にゲート電極2、ゲート配線21、ゲート端子22、補助容量電極9、補助容量配線91、ゲート絶縁膜3、半導体層4を形成し、その上に透明導電膜56aおよび金属膜56bを成膜する。
その後、写真製版工程(3回目)でフォトレジストパターンを形成し、それをマスクにするエッチングにより透明導電膜56aおよび金属膜56bをパターニングする。このとき、ソース電極5、ドレイン電極6、ソース配線51およびソース端子52と共に、画素電極8も形成する。フォトレジストパターンを除去すると、図12に示す状態となる。この時点では、ゲート電極2の端部の上方および画素電極8の上に金属膜56bが残存している。
続いて、大気中あるいは窒素中において200℃以上のアニール処理を行い、透明導電層5a,6a,51a,52aおよび画素電極8をアモルファス状態から多結晶状態へと変化させる。
その後、写真製版工程(4回目)で、ゲート電極2の端部の上方と、画素電極8の上方およびソース端子52の上方を開口したフォトレジストパターンを形成し、それをマスクにするエッチングにより、金属膜56bを選択的に除去する。それにより、ゲート電極2の端部の上方、画素電極8の上およびソース端子52の上から金属膜56bが除去される。フォトレジストパターンを除去すると、図13に示す状態となる。
続いて、基板1の上面全体に保護絶縁膜7を成膜する。そして、保護絶縁膜7上に写真製版工程(5回目)でフォトレジストパターンを形成し、それをマスクにするエッチングにより保護絶縁膜7およびゲート絶縁膜3を選択的に除去する。このとき、コンタクトホール12,13と共に、画素電極8を露出する開口を保護絶縁膜7に形成する。なお、画素電極8はドレイン電極6の透明導電層6aと一体的に形成されているため、図2のコンタクトホール11(画素ドレインコンタクトホール)は不要である。
その後、フォトレジストパターンを除去すると、図10および図11に示した構成のTFT基板200が完成する。
このように、実施の形態2のTFT基板200の製造においては、画素電極8の形成を、ソース電極5およびドレイン電極6の形成と並行して行うことができるので、実施の形態1よりも写真製版工程を少なくできる。つまり、実施の形態2のTFT基板200は、5回の写真製版工程を用いて製造することができる。
<実施の形態3>
図14は、実施の形態3に係るTFT基板200の構成を示す図である。実施の形態3のTFT基板200は、TFT201のチャネル部41の上に、チャネル保護膜42が設けられている。その他の構成は、実施の形態1(図3)と同様である。
チャネル保護膜42は、ソース・ドレイン電極材料のエッチングプロセスに対して耐性を有する材料からなっており、ソース電極5およびドレイン電極6の材料としての透明導電膜56aおよび金属膜56bを形成する前に、半導体層4上に設けられる。
チャネル保護膜42が形成されていることにより、ソース電極5およびドレイン電極6のパターニング工程において、半導体層4がPAN系エッチング薬液に曝されることはない。従って、半導体層4の材料を、ソース・ドレイン電極材料のエッチングプロセスに対して耐性を有するものにする必要がなくなり、半導体層4の材料の選択肢が広がる。例えば、半導体層4を、In−Ga−Zn−O系材料、In−Zn−O系材料などで構成できるようになる。
また、実施の形態1,2では、ソース電極5およびドレイン電極6の透明導電層5a,6aは、成膜直後はPAN系薬液で容易にエッチング除去できるアモルファス状態であり、その後のアニール処理で多結晶化してPAN系薬液に対して耐性を有するようになるITO等の材料を用いた。それに対し、本実施の形態では、成膜直後から多結晶のITOや、I−W−Oなど低温で多結晶化する材料を、透明導電層5a,6aの材料として適用可能である。
なお、チャネル保護膜42は、実施の形態2のTFT基板200にも適用可能である。
<実施の形態4>
図15は、実施の形態4に係るTFT基板200の構成を示す図である。実施の形態4のTFT基板200では、平面視でソース電極5のパターンの全体がゲート電極2のパターンに内包されるように構成している。
実施の形態1では、ゲート電極2の端部の上方でソース電極5が透明導電層5aの単層構造となっていたが、実施の形態4のTFT基板200では、ゲート電極2の端部の上方にソース電極5は存在しておらず、ソース電極5は、金属層5bの単層構造となった部分を有していない。その他の構成は、実施の形態1(図3)と同様である。
この構成では、ゲート電極2のソース電極5側の端部では、ゲート電極2が遮光膜となり、ゲート電極2とソース電極5との間にバックライト光が入射することが防止される。また、ゲート電極2のドレイン電極6側の端部では、ドレイン電極6における透明導電層6aの単層構造となった部分でバックライト光が上方に抜ける。そのため、実施の形態1と同様に、ゲート電極2とソース電極5およびドレイン電極6との間の多重反射が起こらず、バックライト光がチャネル部41に達することが防止される。
また、ソース電極5に、透明導電層5aの単層構造となる部分が形成されないことにより、ソース電極5の低抵抗化および断線防止にも寄与できる。ただし、ゲート電極2とソース電極5との間の寄生容量が大きくなる点に留意すべきである。
図15では、ソース電極5のパターンの全体がゲート電極2のパターンに内包されるように構成したが、ドレイン電極6のパターンの全体がゲート電極2のパターンに内包されるように構成してもよい(ソース電極5の構成は実施の形態1(図3)と同様)。その場合は、ドレイン電極6の低抵抗化および断線防止に寄与できるが、ゲート電極2とドレイン電極6との間の寄生容量は大きくなる。よって、本実施の形態は、ソース電極5およびドレイン電極6のうち、ゲート電極2との間に寄生容量を小さく抑える必要のある方に適用するとよい。
本実施の形態におけるゲート電極2、ソース電極5およびドレイン電極6の構成は、実施の形態2,3のTFT基板200にも適用可能である。
<実施の形態5>
図16は、実施の形態5に係るTFT基板200の構成を示す図である。実施の形態1〜4では、ソース電極5およびドレイン電極6は、下層に透明導電層5a,6aを有し、上層に金属層5b,6bを有する構成であったが、実施の形態5では上層と下層を逆にして、ソース電極5およびドレイン電極6が、下層に金属層5b,6bを有し、上層に透明導電層5a,6aを有する構成となっている。その他の構成は、実施の形態1(図3)と同様である。
本実施の形態でも、ゲート電極2の端部の上方で、ソース電極5およびドレイン電極6は、透明導電層5a,6aの単層構造となっている。それにより、実施の形態1と同様に、ゲート電極2とソース電極5およびドレイン電極6との間の多重反射によってバックライト光がチャネル部41へ到達することが防止される。
図16に示した構成のソース電極5およびドレイン電極6は、以下の手順で形成できる。まず、金属層5b,6bの材料である金属膜を基板1上の全面に成膜して、その上に写真製版工程(3回目)でフォトレジストパターンを形成し、それをマスクにするエッチングにより金属膜をパターニングすることで、ソース電極5およびドレイン電極6の下層部としての金属層5b,6bを形成する。このとき、金属層5b,6bは、ゲート電極2の端部の上方を除く領域に形成される。図16の例の場合、金属層5b,6bは、ゲート電極2の端部の上方で途切れたパターンになる。
次に、透明導電層5a,6aの材料である透明導電膜を基板1上の全面に成膜して、その上に写真製版工程(4回目)でフォトレジストパターンを形成し、それをマスクにするエッチングにより透明導電膜をパターニングして、ソース電極5およびドレイン電極6の上層部としての透明導電層5a,6aを形成する。このとき、透明導電層5a,6aは、ゲート電極2の端部の上方を含む領域に、先に形成した金属層5b,6bに接続するように形成される。図16の例の場合、透明導電層5a,6aは、途切れたパターンの金属層5b,6bを繋ぐようなパターンで形成される。その結果、図16に示した構成のソース電極5およびドレイン電極6が形成される。
この工程を実現するためには、透明導電層5a,6aが、金属層5b,6bおよび半導体層4(酸化物半導体)との選択的なエッチングが可能な材料であることが必要となる。例えば、透明導電層5a,6aとして、アモルファス状態のITOやI−Zn−Oを用いる場合、エッチング薬液として現像液等を用いることができる。さらに、金属層5b,6bに、Cu合金膜あるいはTiとCuの積層膜を用いる場合、半導体層4の材料としてPAN系薬液の耐性にあるIn−Ga−Zn−Sn−O系の材料などを用いることで、選択的なエッチングが可能となる。それにより、透明導電層5a,6aのエッチングにおいて、半導体層4と金属層5b,6bがダメージや損傷を受けることが防止される。
本実施の形態は、実施の形態2〜4に対しても適用可能である。例えば、図17は、実施の形態2に適用し、画素電極8をソース電極5およびドレイン電極6の上層部である透明導電層5a,6aと同じ透明導電膜を用いて形成した場合の構成を示している。図17のTFT基板200は、実施の形態2と同様に、5回の写真製版工程を用いて製造することができる。
<実施の形態6>
実施の形態6では、本発明に係るTFT基板200に対し、さらに、チャネル部41への光の入射を防止する遮光膜を追加した例を示す。例えば、図18は、TFT基板200を覆う保護絶縁膜7の上に、チャネル部41の上方を覆う遮光膜95を設けた例である。
また、図19は、TFT基板200の上に液晶400を介して対向基板300に配置して構成した液晶表示パネルの断面図である。対向基板300は、遮光膜であるブラックマトリクス301と、カラーフィルタを構成する色材302とを備えている。
ブラックマトリクス301として光の反射率の低い材料を用い、図19のように、TFT201の上方がブラックマトリクス301で覆われるように、ゲート絶縁膜30を配置する。ブラックマトリクス301の反射率が低いことで、上方からの光がTFT201のチャネル部41に入射することを防止できるだけでなく、下方からのバックライト光がブラックマトリクス301に反射してチャネル部41に入射することも防止できる。
本実施の形態は、実施の形態1〜5のいずれにも適用可能である。
<本発明の他の適用例>
本発明に係るTFT基板は、液晶表示装置以外の表示装置に適用してもよい。例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等の電気光学表示装置に適用することができる。さらに、表示装置以外の半導体部品等に用いられる薄膜トランジスタ、アクティブマトリックス基板に適用することも可能である。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 基板、2 ゲート電極、21 ゲート配線、22 ゲート端子、23 ゲート端子パッド、3 ゲート絶縁膜、4 半導体層、41 チャネル部、5 ソース電極、5a 透明導電層、5b 金属層、51 ソース配線、51a 透明導電層、51b 金属層、52 ソース端子、53 ソース端子パッド、56a 透明導電膜、56b 金属膜、6 ドレイン電極、6a 透明導電層、6b 金属層、7 保護絶縁膜、8 画素電極、9 補助容量電極、91 補助容量配線、11〜13 コンタクトホール、200 TFT基板、201 TFT、202 表示領域、203 額縁領域、204 画素、205 走査信号駆動回路、206 表示信号駆動回路、207 接続基板、208 接続基板、209 補助容量、42 チャネル保護膜、95 遮光膜、300 対向基板、301 ブラックマトリクス、302 色材、400 液晶。

Claims (13)

  1. 基板上に形成された薄膜トランジスタを有する薄膜トランジスタ基板であって、
    前記薄膜トランジスタは、
    前記基板上に形成されたゲート電極と、
    前記ゲート電極上に形成されたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上における前記ゲート電極の上方に形成された半導体層と、
    前記半導体層上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、
    前記半導体層における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の領域であるチャネル部と、を備え、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極は、透明導電層と金属層とを含む多層構造であり、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極の少なくとも片方は、前記ゲート電極の端部の上方で、前記透明導電層の単層構造となっている
    ことを特徴とする薄膜トランジスタ基板。
  2. 平面視で、前記半導体層のパターンは、前記ゲート電極のパターンに内包されている
    請求項1記載の薄膜トランジスタ基板。
  3. 前記半導体層は、前記ソース電極および前記ドレイン電極のエッチングプロセスに対して耐性を有する材料で形成されている
    請求項1または請求項2記載の薄膜トランジスタ基板。
  4. 前記半導体層の前記チャネル部上に、前記ソース電極および前記ドレイン電極のエッチングプロセスに対して耐性を有するチャネル保護膜をさらに備える
    請求項1または請求項2記載の薄膜トランジスタ基板。
  5. 前記ドレイン電極の透明導電層と同じ層で形成された画素電極をさらに備える
    請求項1から請求項4のいずれか一項記載の薄膜トランジスタ基板。
  6. 前記ソース電極および前記ドレイン電極の前記多層構造において、前記金属層は前記透明導電層よりも上に配置されており、
    前記チャネル部を挟む前記ソース電極および前記ドレイン電極の端部は、前記金属層が前記透明導電層よりも突出した庇形状となっている
    請求項1から請求項5のいずれか一項記載の薄膜トランジスタ基板。
  7. 前記半導体層は、酸化物半導体により構成されている
    請求項1から請求項6のいずれか一項記載の薄膜トランジスタ基板。
  8. 前記酸化物半導体はSnを含むものである
    請求項7記載の薄膜トランジスタ基板。
  9. 基板上に形成された薄膜トランジスタを有する薄膜トランジスタ基板の製造方法であって、
    (a)前記基板上にゲート電極を形成する工程と、
    (b)前記ゲート電極上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    (c)前記ゲート絶縁膜上における前記ゲート電極の上方に半導体層を形成する工程と、
    (d)前記半導体層上に、透明導電層およびその上の金属層を含む多層構造のソース電極およびドレイン電極を形成する工程と、を備え、
    前記工程(d)は、
    (d1)前記基板の全面に、透明導電膜およびその上の金属膜を含む多層構造の膜を形成する工程と、
    (d2)前記多層構造の膜をパターニングすることにより、前記ソース電極およびドレイン電極のパターンを形成する工程と、
    (d3)前記多層構造の膜から、前記ゲート電極の端部の上方に位置する部分の前記金属膜を除去する工程と、を含む
    ことを特徴とする薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  10. 前記工程(d2)で前記多層構造の膜をパターニングするためのエッチングにおいて、前記透明導電膜のエッチング速さは、前記金属膜のエッチング速さよりも速い
    ことを特徴とする請求項9記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  11. 基板上に形成された薄膜トランジスタを有する薄膜トランジスタ基板の製造方法であって、
    (a)前記基板上にゲート電極を形成する工程と、
    (b)前記ゲート電極上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    (c)前記ゲート絶縁膜上における前記ゲート電極の上方に半導体層を形成する工程と、
    (d)前記半導体層上に、金属層およびその上の透明導電層を含む多層構造のソース電極およびドレイン電極を形成する工程と、を備え、
    前記工程(d)は、
    (d1)前記基板の全面に、金属膜を形成する工程と、
    (d2)前記金属膜をパターニングすることにより、前記ゲート電極の端部の上方を含まない領域に、前記ソース電極およびドレイン電極の前記金属層を形成する工程と、
    (d3)前記工程(d2)の後、前記基板の全面に、透明導電膜を形成する工程と、
    (d4)前記透明導電膜をパターニングすることにより、前記ゲート電極の端部を含む領域に、前記ソース電極およびドレイン電極の前記透明導電層を形成する工程と、を含む
    ことを特徴とする薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  12. 前記半導体層は、前記工程(d)で行われるエッチングプロセスに対して耐性を有する材料で形成されている
    請求項9から請求項11のいずれか一項記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
  13. 前記金属膜は、Al、Mo、Cu、Agのいずれか、またはそれらのうちの2以上からなる積層膜からなり、
    前記エッチングプロセスは、リン酸、硝酸、酢酸を含むPAN系薬液を用いたウエットエッチングである
    請求項12記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
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