JP2015183284A - 円筒形スパッタリングターゲットおよびその製造方法 - Google Patents

円筒形スパッタリングターゲットおよびその製造方法 Download PDF

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誠 小沢
勲雄 安東
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Abstract

【課題】複数の分割ターゲット材から成る長尺の円筒形スパッタリングターゲットを用いてスパッタリングをする際に、分割部に起因、発生する異常放電(アーキング)やノジュールを抑制する長尺の複数の円筒形の分割ターゲット及びその製造方法の提供。【解決手段】複数の円筒形の分割ターゲット材2a〜2fを、単一のバッキングチューブ3の軸方向に並列して接合した円筒形スパッタリングターゲット1において、分割ターゲット材2a〜2fの端面5a〜5lのうち、他の分割ターゲット材2a〜2fの端面5a〜5lと相対する端面5b〜5kの表面粗さを、算術平均粗さRaで0.1μm以上、かつ、十点平均粗さRzで10.0μm以下とする円筒形スパッタリングターゲット1。複数のターゲット材2a〜2fの内、隣り合う分割ターゲットの相対する端面の間隔は0.1〜1.0mmで、外周面の段差は1.0mm以下である円筒形スパッタリングターゲット1。【選択図】図1

Description

本発明は、マグネトロン型回転カソードスパッタリング装置を用いたスパッタリングにおいて使用される円筒形スパッタリングターゲットおよびその製造方法に関する。
マグネトロン型回転カソードスパッタリング装置は、平板型マグネトロンスパッタリング装置と比較して、高い成膜速度とスパッタリングターゲットの高い使用効率を有することから、注目を集めている。このマグネトロン型回転カソードスパッタリング装置によるスパッタリングには、円筒形スパッタリングターゲットが用いられる。円筒形スパッタリングターゲットの材料としては、円筒形状への加工が容易で機械的強度の高い金属材料が広く使用されているものの、セラミックス材料については、機械的強度が低く、脆いという性質から、いまだ普及するには至っていない。
現在、セラミックス製の円筒形スパッタリングターゲットの製造手段は、円筒形バッキングチューブの外周にセラミックス粉末を溶射して付着させる溶射や、円筒形バッキングチューブの外周にセラミックス粉末を充填し、高温高圧の不活性雰囲気下でセラミックス粉末を焼成する、熱間静水圧プレス(HIP)などに限られている。しかしながら、溶射には高密度のターゲット材が得られにくいという問題があり、HIPには、イニシャルコストやランニングコストが高く、熱膨張差によるターゲット材のバッキングチューブからの剥離、さらにはターゲット材およびバッキングチューブのいずれについてもリサイクルができないといった問題がある。
このような事情から、冷間静水圧プレス(CIP)により円筒形セラミックス成形体を成形し、これを焼成することで円筒形セラミックス焼結体を得て、これをバッキングチューブとボンディング(接合)することにより、円筒形スパッタリングターゲットを製造する技術の確立が要望されている。
一方、近年、液晶パネルの大型化に伴い、マグネトロン型回転カソードスパッタリング装置に使用される円筒形スパッタリングターゲットとして、3mクラスのものが主流となりつつある。このような長尺の円筒形スパッタリングターゲットをセラミックス材料により製造しようとする場合、上述したようにセラミックス材料の機械的強度が低く、脆いという性質に起因して、単一の円筒形セラミックス焼結体からなるターゲット材を用いて、これを製造することはきわめて困難である。このため、短尺の円筒形セラミックス焼結体からなるターゲット材(分割ターゲット材)を複数連結して、長尺の円筒形スパッタリングターゲットを製造する方法が一般的に採用されている。たとえば、全長が3m程度の円筒形スパッタリングターゲットを製造する場合には、約300mmの分割ターゲット材10本を1本のバッキングチューブの周囲に連結して配置することが一般的である。
ところで、スパッタリングターゲットを用いてスパッタリングを行う際、ターゲットの表面に発生するノジュールや、これに起因して発生するパーティクルが問題となる。ノジュールは、ターゲットのエロージョン部と非エロージョン部との境界付近で多く発生し、特に、円筒形スパッタリングターゲットの場合には、非エロージョン部がターゲットの両端部にのみ存在するため、ノジュールの発生箇所もターゲットの両端部に限定されることが知られている(「透明導電膜 有力材料の実力と各種プロセス技術、実用・製品化」、株式会社情報機構、2012年11月22日第1刷、P120〜P121)。しかしながら、分割ターゲット材を連結した長尺の円筒形スパッタリングターゲットの場合には、ターゲット材の両端部のみならず、分割部(分割ターゲット材の連結部)およびその近傍にもノジュールが発生し、しかも、分割数が増加するに伴い、その頻度も増加するという問題がある。
このようなノジュールの発生を防ぐため、従来、円筒形のターゲット材とバッキングチューブとの接合率を高める手段、あるいは、円筒形のターゲット材のエロージョン部の表面粗さを改善する手段が採られている。
たとえば、特開2010―18883号公報には、X線透過写真を用いて観察した場合に、円筒形のターゲット材と円筒形バッキングチューブとの間における、接合材が存在しない箇所の合計面積を、X線透過写真面積50cm2あたり10cm2以下とし、かつ、接合材が存在しない箇所の最大面積を9cm2以下とすることにより、ノジュールの発生を低減する技術が開示されている。しかしながら、この技術では、接合欠陥に起因するノジュールの発生を抑制することができるものの、長尺の円筒形スパッタリングターゲットの分割部およびその近傍に発生するノジュールの発生までを抑制することはできない。
また、特開2010−100930号公報には、長尺の円筒形スパッタリングターゲットにおいて、隣接する分割ターゲット材の外周面の段差を0.5mm以下に抑制することで、成膜時の異常放電(アーキング)やパーティクルの発生を抑制する技術が開示されている。しかしながら、多くの分割部が存在する長尺の円筒形スパッタリングターゲットでは、隣接する分割ターゲット材の外周面の段差を小さくするのみでは、分割部に起因するアーキングを抑制することは困難であり、ノジュールやパーティクルの発生を十分に抑制することはできない。
一方、特開2004−315931号公報には、複数枚に分割された平板状のスパッタリングターゲットにおいて、分割部の側面の表面粗さを、算術平均粗さRaで0.4μm以下とする技術が開示されている。この技術によれば、分割部の側面の凹凸を起点として、スパッタリングターゲットの上面に線状に発生するノジュールを防止することができるとされている。しかしながら、この技術は、平板状のスパッタリングターゲットを対象としたものであり、円筒形スパッタリングターゲットを対象としたものではない。このため、円筒形スパッタリングターゲットを構成する分割ターゲット材の側面の表面粗さを、算術平均粗さRaで0.4μm以下に規制したとしても、ノジュールの発生を十分に抑制することはできない。
特開2010−018883号公報 特開2010−100930号公報 特開2004−315931号公報
「透明導電膜 有力材料の実力と各種プロセス技術、実用・製品化」、株式会社情報機構、2012年11月22日第1刷、P120〜P121
本発明は、複数の分割ターゲット材から構成されていながらも、スパッタリング時において、その分割部に起因するアーキングやノジュールの発生を大幅に低減することができる、長尺のスパッタリングターゲットおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、複数の円筒形の分割ターゲット材を、単一のバッキングチューブの軸方向に並列して接合した円筒形スパッタリングターゲットに関する。
特に、本発明の円筒形スパッタリングターゲットは、前記分割ターゲット材の端面のうち、少なくとも他の分割ターゲット材の端面と相対する端面の表面粗さが、算術平均粗さRaで0.1μm以上であり、かつ、十点平均粗さRzで10.0μm以下であることを特徴とする。
前記少なくとも他の分割ターゲット材の端面と相対する端面の表面粗さは、十点平均粗さRzで7.0μm以下であることが好ましい。
前記複数の分割ターゲット材のうち、隣り合う分割ターゲット材の相対する端面の間隔は、0.1mm以上1.0mm以下であることが好ましい。
前記複数の分割ターゲット材のうち、隣り合う分割ターゲット材の外周面の段差は、1.0mm以下であることが好ましい。
前記分割ターゲット材のスパッタリング面の表面粗さは、十点平均粗さRzが20μm以下であることが好ましい。
また、本発明は、複数の円筒形セラミックス焼結体の外周面、内周面および端面を加工し、複数の分割ターゲット材を得る加工工程と、得られた複数の分割ターゲット材を、順次、バッキングチューブに挿入し、接合する接合工程とを備える円筒形スパッタリングターゲットの製造方法に関する。
特に、本発明の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法は、前記加工工程において、前記複数の分割ターゲット材のうち、少なくとも隣り合う分割ターゲット材の相対する端面を粗研削加工した後、仕上げ研削加工をし、さらにゼロ研削をすることにより、該端面の表面粗さを算術平均粗さRaで0.1μm以上、かつ、十点平均粗さRzで10.0μm以下とすることを特徴とする。
前記粗研削加工では、番手#100〜#220の砥石を用いて、一端面あたり2回〜4回の研削を行うことが好ましい。
前記仕上げ研削加工では、番手#120〜#400の砥石を用いて、一端面あたり少なくとも1回の研削を行うことが好ましい。
前記ゼロ研削では、番手#120〜#220の砥石を用いて、一端面あたり1回〜6回の研削を行うことが好ましい。
本発明によれば、複数の分割ターゲット材から構成されていながらも、スパッタリング時におけるアーキングやノジュールの発生を大幅に低減することができる、長尺の円筒形スパッタリングターゲットおよびその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、このような長尺の円筒形スパッタリングターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、成膜作業の効率を大幅に改善することができる。このため、本発明の工業的意義はきわめて大きい。
図1は、6本の分割ターゲット材により構成された円筒形スパッタリングターゲットの概略斜視図である。 図2は、図1のA部の拡大図である。
本発明者らは、上記問題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、複数の分割ターゲット材を単一のバッキングチューブの軸方向に並列して接合した円筒形スパッタリングターゲットにおいて、スパッタリング中に常にプラズマに晒される分割ターゲット材の端面の表面性状が、アーキングやノジュールの発生に大きく関係していることを見出した。より具体的には、複数の分割ターゲット材から構成される長尺の円筒形スパッタリングターゲットでは、分割ターゲット材の端面が全体的に平坦であったとしても、部分的に突起部が存在すると、その突起部に電流が集中してアーキングが発生し、これがノジュールの発生原因となることを見出した。
このような部分的な突起部を除去するためには、分割ターゲット材の端面に対して鏡面加工を施すことが有効である。しかしながら、分割ターゲットの材の端面には、スパッタリング中に飛来した粒子が付着して堆積物が形成されるため、分割ターゲット材の端面に鏡面加工が施されると、堆積物に対するアンカー効果が著しく低下する。この結果、スパッタリング中に堆積物が容易に剥離し、これがアーキングやノジュールの発生原因となる。このため、分割ターゲット材の端面を鏡面加工するだけでは、分割部に起因するアーキングやノジュールを十分に抑制することはできない。
この考察に基づいてさらに研究を重ねた結果、本発明者らは、分割ターゲット材の端面の算術平均粗さRaを0.1μm以上に制御するとともに、十点平均粗さRzを10.0μm以下に制御することで、端面に突起物を存在させることなく、かつ、適度な凹凸形状を比較的均一に存在させることができ、分割部に起因するアーキングやノジュールの発生を大幅に低減することができるとの知見を得た。本発明は、この知見に基づき完成されたものである。
以下、本発明について、「1.円筒形スパッタリングターゲット」と、「2.円筒形スパッタリングターゲットの製造方法」とに分けて詳細に説明する。なお、本発明は、円筒形スパッタリングターゲット材の全体の大きさや、これを構成する分割ターゲット材の個数にかかわらず適用することが可能である。ただし、以下では、6個〜33個の分割ターゲット材(外径:151mm〜155mm、内径:135mm、全長:50mm〜160.5mm)を、単一のバッキングチューブ(外径:133mm、全長:1m〜3m)の軸方向に並列して接合することにより得られる、円筒形スパッタリングターゲットを例に挙げて説明する。
1.円筒形スパッタリングターゲット
図1に示すように、本発明の円筒形スパッタリングターゲット1は、複数(図1では6本)の円筒形の分割ターゲット材2a〜2fを、接合層4a〜4fを介して、単一のバッキングチューブ3の軸方向に並列して接合したものであり、分割ターゲット材2a〜2fの端面5a〜5lのうち、少なくとも他の分割ターゲット材2a〜2fの端面5a〜5lと相対する端面5b〜5kの表面粗さが、算術平均粗さRaで0.1μm以上であり、かつ、十点平均粗さRzで10.0μm以下に規制されていることを特徴とする。なお、本発明において分割ターゲット材とは、長尺の円筒形スパッタリングターゲットのターゲットに用いられるターゲット材を構成する、短尺のターゲット材を意味する。
(1)分割ターゲット材
(材質)
本発明の円筒形スパッタリングターゲット1を構成する分割ターゲット材2a〜2fとして使用することができる円筒形セラミックス焼結体は、特に限定されることはない。たとえば、インジウム(In)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)およびチタン(Ti)から選択される少なくとも1種を主成分とする酸化物などから構成される円筒形セラミックス焼結体を使用することができる。特に、低融点接合材となじみやすい酸化インジウム(In23)や酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする円筒形セラミックス焼結体、具体的には、スズを含有する酸化インジウム(ITO)、セリウム(Ce)を含有する酸化インジウム(ICO)、ガリウム(Ga)を含有する酸化インジウム(IGO)、チタン(Ti)を含有する酸化インジウム(ITiO)、タングステン(W)を含有する酸化インジウム(IWO)、イットリウム(Y)を含有する酸化インジウム(IYO)、ニッケル(Ni)を含有する酸化インジウム(INiO)、スカンジウム(Sc)を含有する酸化インジウム(IScO)、シリコン(Si)を含有する酸化インジウム(ISiO)、ゲルマニウム(Ge)を含有する酸化インジウム(IGeO)、ハフニウム(Hf)を含有する酸化インジウム(IHfO)、タンタル(Ta)を含有する酸化インジウム(ITaO)、鉄(Fe)を含有する酸化インジウム(IFeO)、プラセオジウム(Pr)を含有する酸化インジウム(IPrO)、ユウロピウム(Eu)を含有する酸化インジウム(IEuO)、エルビウム(Er)を含有する酸化インジウム(IErO)、ジスプロシウム(Dy)を含有する酸化インジウム(IDyO)、マンガン(Mn)を含有する酸化インジウム(IMnO)、コバルト(Co)を含有する酸化インジウム(ICoO)、マグネシウム(Mg)を含有する酸化インジウム(IMgO)、亜鉛(Zn)を含有する酸化インジウムIZO、ガリウムおよび亜鉛を含有する酸化インジウム(IGZO)、アルミニウムを含有する酸化亜鉛(AZO)、ガリウムを含有する酸化亜鉛(GZO)、インジウムを含有する酸化亜鉛(ZIO)、マグネシウムを含有する酸化亜鉛(ZMgO)、ガリウムと亜鉛を含有する(GAZO)などから構成される円筒形セラミックス焼結体を、分割ターゲット材2a〜2fとして使用することができる。
(端面の表面粗さ)
本発明の円筒形スパッタリングターゲット1は、これを構成する分割ターゲット材2a〜2fの端面5a〜5lのうち、少なくとも他の分割ターゲット材2a〜2fの端面5a〜5lと相対する端面5b〜5kの表面粗さが、算術平均粗さRaで0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上であり、かつ、十点平均粗さRzで10.0μm以下、好ましくは7.0μm以下であることを特徴とする。なお、本発明において、算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRzは、いずれもJIS B0601(1994)に準拠した方法により求められる値である。
本発明の円筒形スパッタリングターゲット1においては、分割ターゲット材2a〜2fの端面5b〜5kの表面粗さを上記範囲に制御することにより、アーキングの起点となる突起部を存在させずに、かつ、端面5b〜5kに生じた堆積物に対するアンカー効果を十分に大きくすることができるため、円筒形スパッタリングターゲット1の分割部を起点として生じるアーキングやノジュールを大幅に抑制することができる。これに対して、算術平均粗さRaが0.1μm未満では、分割ターゲット材2a〜2fの端面5b〜5kに生じた堆積物に作用するアンカー効果が小さく、この堆積物が剥離することにより生じるアーキングやノジュールを防止することができない。一方、十点平均粗さRzが10.0μmを超えると、分割ターゲット材2a〜2fの端面5b〜5kに、比較的高い突起部が存在することとなり、この突起部に電流が集中することにより生じるアーキングやノジュールを防止することができない。
なお、本発明の円筒形スパッタリングターゲットでは、分割ターゲット材2a〜2fの端面5a〜5lのうち、他の分割ターゲット材2a〜2fの端面5a〜5lと相対する端面5b〜5k以外の端面、すなわち、円筒形スパッタリングターゲット1の両端に位置する分割ターゲット材2a、2fの端面5a、5lは非エロ―ジョン部となるため、この端面5a、5lに起因してノジュールが発生することはない。したがって、端面5a、5lについては、その表面粗さを上記範囲に規制する必要はないが、後述する接合工程を効率よく行う観点から、これらの端面5aおよび5lの表面粗さを上記範囲としてもよい。
(分割ターゲット材の間隔)
本発明の円筒形スパッタリングターゲット1では、隣り合う分割ターゲット材2a〜2fの相対する端面の間隔(以下、「分割間隔」という)を、0.1mm以上1.0mm以下とすることが好ましく、0.3mm以上0.6mm以下とすることがより好ましい。分割間隔が0.1mm未満では、成膜時の熱膨張により、隣り合う分割ターゲット2a〜2fの端面5b〜5k同士が接触し、分割ターゲット材2a〜2fに欠けなどが生じ、アーキングやノジュールの発生原因となる。一方、分割間隔が1.0mmを超えると、隣り合う分割ターゲット材2a〜2fの間に存在する不純物が、このスパッタリングターゲットによって形成される膜中に巻き込まれてしまったり、ターゲット表面に存在する突起部に電流が集中し、アーキングやノジュールが発生しやすくなったりする。
なお、従来技術では、分割間隔を0.1mm〜0.5mm程度とすることが好ましいとされているが、工業規模の生産を前提とした場合、分割間隔をこのような範囲に制御することは容易ではなく、作業効率の悪化を招いている。この点、本発明によれば、分割間隔を、0.5mmを超えて1.0mm程度としても、アーキングやノジュールの発生を十分に抑制することができるため、その生産性を改善することが可能となる。
(隣接する分割ターゲット材の外周面の段差)
本発明の円筒形スパッタリングターゲット1を構成する分割ターゲット材2a〜2fは、その分割部において、隣り合う分割ターゲット材2a〜2fの外周面の段差が、1.0mm以下であることが好ましく、0.4mm以下であることがより好ましい。段差がこのような範囲にあれば、円筒形スパッタリングターゲット1の分割部に起因するアーキングやノジュールの発生をより効果的に防止することができる。これに対して、段差が1.0mmを超えると、分割ターゲット材2a〜2fのエッジ部に電流が集中してアーキング発生し、ノジュールの発生原因となるおそれがある。
(スパッタリング面の表面粗さ)
分割ターゲット材2a〜2fのスパッタリング面の表面粗さは、十点平均粗さRzで20μm以下であることが好ましい。十点表面粗さRzが20μmを超えると、スパッタリグ面に比較的高い突起部が存在することとなるため、この突起部に電流が集中してアーキングが発生し、ノジュールの発生原因となるおそれがある。
なお、分割ターゲット材2a〜2fのスパッタリング面の算術平均粗さRaは、0.2μm以上であることが好ましい。算術平均粗さRaが0.2μm未満では、スパッタリング面に粒子が付着して堆積物が形成された場合に、十分なアンカー効果が得られず、この堆積物の剥離によって生じるアーキングやノジュールを防止することができないおそれがある。
(エッジ部)
本発明の円筒形スパッタリングターゲット1を構成する分割ターゲット材2a〜2fにおいては、そのエッジ部に、R加工またはC面加工が施されていることが好ましい。これにより、分割ターゲット材2a〜2fの接合時に、エッジ部が欠けることを効果的に防止することができる。
(2)バッキングチューブ
本発明の円筒形スパッタリングターゲット1を構成する円筒形のバッキングチューブ3としては、SUS304などの一般的なオーステナイト系ステンレス製のほか、銅または銅合金製、チタンまたはチタン合金製、モリブデンまたはモリブデン合金製、アルミニウムまたはアルミニウム合金製などの各種バッキングチューブを使用することができる。ただし、これらの中には、その表面に不動態皮膜や酸化皮膜が存在し、接合材との接合性に劣ったものもある。このようなものをバッキングチューブ3として使用する場合には、その表面に銅および/またはニッケルなどの金属層を形成することが好ましい。
バッキングチューブ3の外径は、このバッキングチューブ3と分割ターゲット材2a〜2fの線膨張率の差を考慮して設定することが好ましい。たとえば、分割ターゲット材2a〜2fとして、20℃における線膨張率が7.2×10-6/℃のITOを使用し、バッキングチューブ3として、20℃における線膨張率が17.3×10-6/℃のSUS304を使用する場合には、分割ターゲット材2a〜2fの内周面とバッキングチューブ3の外周面との間隔が、好ましくは0.3mm〜2.0mm、より好ましくは0.5mm〜1.0mmとなるように、バッキングチューブ3の外径を設定する。この間隙が0.3mm未満では、溶融状態にある接合材を注入した際に、バッキングチューブ3の熱膨張により分割ターゲット材2a〜2fが割れてしまうおそれがある。一方、2.0mmを超えると、分割ターゲット材2a〜2fの中空部にバッキングチューブ3を同軸に配置し、これらの中心軸が一致した状態で接合することが困難となる。
また、バッキングチューブ3の全長は、これに接合される分割ターゲット材の全長および個数により適宜選択されるべきものである。一例としては、バッキングチューブ3の全長は、バッキングチューブ3に接合される分割ターゲット材の全長の合計よりも、好ましくは0mm〜500mm、より好ましくは10mm〜200mm程度長くする。バッキングチューブ3の全長がこのような範囲にあれば、スパッタリング時の取り扱いが容易なものとなる。
(3)接合層
接合層4a〜4fは、分割ターゲット材2a〜2fとバッキングチューブ3との間の間隙に、接合材を注入し、固化することにより形成される。
この際、使用することができる接合材としては、分割ターゲット材2a〜2fやバッキングチューブ3よりも融点が低く、十分な接合強度が得られるものであればよく、一般的にはインジウム、スズまたは亜鉛などを主成分として用いた低融点はんだを好適に使用することができる。具体的には、インジウムを主成分として、スズやアンチモンなどを含有させた低融点はんだや、スズを主成分として、インジウム、アンチモン、亜鉛などを含有させた低融点はんだなどを用いることができる。これらの低融点はんだは、冷却固化後の硬度が適切な範囲にあるばかりでなく、溶融時の流動性も高いため、巣やひけがきわめて少ない均一な接合層4a〜4fを形成することができる。特に、インジウムを主成分とする低融点はんだ、好ましくはインジウムを80質量%以上、より好ましくはインジウムを90質量%以上含有する低融点はんだは、冷却固化後の硬度がスズや亜鉛を主成分とする低融点はんだよりも低く、冷却過程における分割ターゲット材の割れを効果的に防止することができる。また、スパッタリング時における衝撃を吸収する効果も高いため、本発明の円筒形スパッタリングターゲットの接合材として好適に用いることができる。
2.円筒形スパッタリングターゲットの製造方法
本発明の円筒形スパッタリングターゲット1の製造方法は、複数の円筒形セラミックス焼結体の外周面、内周面および端面を加工し、複数の分割ターゲット材2a〜2fを得る加工工程と、得られた分割ターゲット材2a〜2fを、順次、バッキングチューブ3に挿入し、接合する接合工程を備える。なお、円筒形セラミックス焼結体は、その形状が特異であることや強度が低いことに起因して、公知のチャッキング方法のみでは、十分な固定強度をもってチャッキング治具(固定治具)に固定することができず、加工中に位置ずれを起こしてしまう場合がある。このため、公知のチャッキング方法に加えて、接着剤などを介してチャッキング治具に固定し、その固定強度を向上させた上で、加工工程を行うことが好ましい。
このような本発明の製造方法では、円筒形スパッタリングターゲット1の研削方法および接合方法は、特に制限されず、公知の手段を用いることができる。しかしながら、工業規模の生産を前提とした場合、分割ターゲット材2a〜2fの端面5b〜5kの表面粗さを、算術平均粗さRaで0.1μm以上、かつ、十点平均粗さRzで10.0μm以上とするためには、以下のような研削方法により加工することが好ましい。
はじめに、円筒形セラミックス焼結体を平面研削盤などの加工装置に設置し、端面部分を比較的粗い(番手が小さい)砥石を用いて粗研削を行い、平行度を出す。次に、円筒研削盤、内面研削盤、マシニングセンタやグライディングセンタなどを用いて、円筒形セラミックス焼結体の外周面および内周面を一定の表面粗さに研削する。最後に、再度、平面研削盤を用い、円筒形セラミックス焼結体の端面の表面粗さが上記範囲となるように仕上げ研削とゼロ研削を行う。
(1)粗研削
粗研削では、比較的粗い砥石を用いて研削する。具体的には、番手#100〜#220の砥石を使用することが好ましく、番手#140〜#170の砥石を使用することがより好ましい。このような番手の砥石を使用することで、高い作業効率をもって粗研削を行うことができるばかりでなく、仕上げ研削により、所望の表面粗さを有する端面5b〜5kを形成することが容易となる。これに対して、番手#100未満の砥石を用いた場合、得られる分割ターゲット材2a〜2fの端面5b〜5kの十点平均粗さRzが大きくなり、スパッタリング中のアーキングやノジュールの発生を抑制することが困難となる。一方、番手#220を超える砥石を用いた場合、粗研削に長時間を要し、生産性の悪化を招く。また、砥石が頻繁に目詰まりや目潰れを起こし、研削抵抗が大きくなるため、砥石軸や円筒形セラミックス焼結体にクラックが発生したり、所望の表面粗さを有する端面5b〜5kを得ることができなくなったりする。さらに、ツルーイング作業(砥石軸の変形を修正する作業)やドレッシング作業(砥石の表面を研いで切れ味を取り戻す作業)が必要となり、生産性がますます悪化することとなる。
なお、粗研削では、一端面あたり1回のみの研削を行うことよりも、複数回に分けて研削を行うことが好ましい。これによって、研削後の表面粗さを安定させることができるばかりでなく、研削対象物である円筒形セラミックス焼結体に対する負荷を低減することができる。ただし、研削回数をあまり多くしても、それ以上の効果を得ることができず、作業効率の悪化を招く。このため、一端面あたりの研削回数は、2回〜4回程度とすることが好ましい。
(2)仕上げ研削
仕上げ研削では、粗研削より番手の大きい砥石、具体的には、番手#120〜#400の砥石を用いて研削する。仕上げ研削の段階でこのような番手の砥石を使用することで、分割ターゲット材2a〜2fの端面5b〜5kに、適度な凹凸形状を比較的均一に存在させることが可能となる。これに対して、番手#120未満の砥石を用いた場合、端面5b〜5kの十点平均粗さRzが大きくなり、スパッタリング中のアーキングやノジュールの発生を抑制することが困難となる。一方、番手#400を超える砥石を用いた場合、この端面5b〜5kに堆積した堆積物に対するアンカー効果を十分なものとすることができない。
なお、仕上げ研削は、一般的に、粗研削と比べて研削時における円筒形セラミックス焼結体に対する負荷が小さく、研削回数を、一端面あたり1回としても特に問題が生じることはない。ただし、仕上げ研削による研削量が多い場合には、研削回数を複数回とすることが好ましい。
また、本発明では、上述した粗研削において比較的番手の大きい砥石を用いることにより、分割ターゲット材2a〜2fの端面5b〜5kの算術平均粗さRaを所望の範囲に制御することができる場合には、仕上げ研削を省略することも可能である。
(3)ゼロ研削
仕上げ研削後(仕上げ研削を省略する場合には、粗研削後)、分割ターゲット材2a〜2fの端面5b〜5kに対してゼロ研削を行う。これによって、仕上げ研削後または粗研削後の端面5b〜5kに残存する突起部を除去することができる。なお、ゼロ研削とは、加工治具を、加工面を滑らせるように移動させることにより、加工面に存在する突起部のみを研削する加工方法をいう。
ゼロ研削で使用する砥石は、特に制限されることはない。粗研削または仕上げ研削で使用した砥石を使用することもできるし、これらの研削で使用した砥石と異なる番手の砥石を用いることもできる。ただし、端面5b〜5kに残存する突起物を効率よく除去する観点から、番手#120〜#220の砥石を使用することが好ましい。番手#120未満の砥石を用いた場合、得られる分割ターゲット材2a〜2fの端面5b〜5kの十点平均粗さRzが大きくなり、スパッタリング中のアーキングやノジュールの発生を抑制することが困難となる場合がある。一方、番手#220を超える砥石を用いた場合、端面5b〜5kに残存する突起の除去に長時間を要するため、生産性の悪化を招く。
なお、ゼロ研削は、粗研削と同様に、一端面あたり1回のみの研削を行うことよりも、複数回に分けて研削を行うことが好ましい。具体的には、一端面あたり1回〜6回程度に分けて研削を行うことが好ましい。
以下、実施例および比較例を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
[加工工程]
分割ターゲット材2a〜2fを作製するため、外径が155mm、内径が131mm、全長(軸方向の長さ)が165mmのITO製の円筒形セラミックス焼結体を6本用意した。
はじめに、これらの円筒形セラミックス焼結体を平面研削盤に設置し、全長が161mmとなるように、その両端面を、番手#140の砥石を用いて粗研削を2回ずつ行った。次に、粗研削後の円筒形セラミックス焼結体を円筒研削盤に設置し、外径が151mmとなるように、その外周面(スパッタリング面)を、番手#140の砥石を用いて研削した。続いて、この円筒形セラミックス焼結体を内面研削盤に設置し、内径が135mmとなるように、その内周面を、番手#170の砥石を用いて研削した。最後に、この円筒形セラミックス焼結体を、再度、平面研削盤に設置し、全長を160mmに仕上げるため、番手#140の砥石を用いて両端面を0.5mmずつ研削する仕上げ研削を行うとともに、この砥石を用いて、両端面に対してゼロ研削を2回ずつ行い、分割ターゲット材2a〜2fを得た。この分割ターゲット材2a〜2fの端面5a〜5lの算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRz、ならびに、スパッタリング面の十点平均粗さRzを、表面粗さ・輪郭形状測定機を用いて、JIS B0601(1994)に準拠した方法により測定した。この結果を表2に示す。
[接合工程]
分割ターゲット材2a〜2fの外周面および端面5a〜5lにマスキングテープを貼りつけた後、超音波はんだごてを用いて、その内周面にインジウム系はんだを塗布した。
次に、全長が1mのバッキングチューブ3を直立させ、これに分割ターゲット材2aを挿入し、分割ターゲット材2aとバッキングチューブ3を加熱した。分割ターゲット材2aとバッキングチューブ3の温度が160℃を超えたところで、これらの間隙に、溶融したインジウム系はんだを所定量流し込んだ。なお、このインジウム系はんだは、分割ターゲット材2a〜2fの内周面に塗布したものと同様のものであった。この状態で室温まで徐冷し、インジウム系はんだが固化したことを確認した後、端面5bのマスキングテープを剥がした。
続いて、バッキングチューブ3に、厚さが0.5mm、外径が153mm、内径が135mmの環状テフロンシートを挿入し、分割ターゲット材2aの端面5bに密着させた後、分割ターゲット材2bを挿入し、環状テフロンシートに密着させた。分割ターゲット材2aの場合と同様に、分割ターゲット材2bとバッキングチューブ3を加熱し、これらの温度が160℃を超えたところで、溶融したインジウム系はんだを所定量流し込んだ。この状態で室温まで徐冷し、インジウム系はんだが固化したことを確認した後、端面の5dのマスキングテープを剥がした。以降、同様の作業を繰り返し、分割ターゲット材2c〜2fをバッキングチューブ3に接合させた後、分割ターゲット材2a〜2fの間にそれぞれ挿入された環状テフロンシートを取り外すことで、スパッタリング面の全長が約962mmの円筒形スパッタリングターゲット1を得た。この円筒形スパッタリングターゲット1における、隣接する分割ターゲット材の2a〜2fの端面の間隔の最大値および最小値、ならびに、外周面の最大値および最小値を測定した。この結果を表2に示す。
[評価]
上述のようにして得られた円筒形スパッタリングターゲット1をマグネトロン型回転カソードスパッタリング装置に取り付け、0.7Paのアルゴン雰囲気中、パワー密度15kW/mの条件で、スパッタリングを実施し、3時間放電したところで、スパッタリングを中断した。この間、アーキングが発生することはなかった。また、このときの分割部の状態を目視で観察した結果、分割部にノジュールが発生していないことが確認された。
その後、スパッタリングを再開し、円筒形スパッタリングターゲット1の厚さが5mmとなったところで、再度スパッタリングを中断した。この間、アーキング発生することはなかった。また、このときの分割部の状態を目視で観察した結果、分割部にノジュールが発生していないことが確認された。
再度、スパッタリグを再開し、ライフエンドまでスパッタリングを行った。この間、アーキング発生することはなかった。また、このときの分割部の状態を目視で観察した結果、分割部にノジュールが発生していないことが確認された。以上の結果を表3に示す。
なお、スパッタリング中のアーキングおよびノジュールについては、以下の方法および基準にしたがって評価した。
アーキングの評価は、高速アークおよび低速アークの検知時間を0とし、スパッタリングを開始してから1時間経過した後の、10分間当たりのアーキング発生回数をカウントすることにより行った。なお、アーキングの評価は、3回(初期、中期および後期)実施し、それぞれにおいて、アーキング発生回数が20回未満のものを「◎」、20回以上50回未満のものを「○」、50回以上100回未満のものを「□」、100回以上のものを「△」、目視できるような規模の大きなアーキングの発生が確認されたものを「×」として評価した。
一方、ノジュールの評価は、スパッタリング後にスパッタリング面全体を観察し、ノジュールが全く発生していなかったものを「○」、ノジュールが0.01m2当たり1個〜5個発生していたものを「△」、ノジュールが0.01m2当たり6個以上発生していたものを「×」として評価した。以上の結果を表3に示す。
(実施例2)
分割ターゲット材2a〜2fの端面5a〜5lに対して、ゼロ研削を1回ずつ行ったこと以外は、実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを得た。この円筒形スパッタリングターゲットを構成する分割ターゲット材の端面の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRz、スパッタリング面の算術平均粗さRaの最大値および最小値、隣接する分割ターゲット材の端面の間隔、ならびに、隣接する分割ターゲット材の外周面の段差の最大値および最小値を表2に示す。
このようにして得られた円筒形スパッタリングターゲットに対して、実施例1と同様の評価を行った。この結果を表3に示す。
(実施例3)
分割ターゲット材2a〜2fの端面5a〜5lに対して、番手#140の砥石を用いて粗研削を4回ずつ行ったこと、番手#400の砥石を用いて仕上げ研削を行ったこと、および、番手#400の砥石を用いてゼロ研削を3回ずつ行ったこと以外は、実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを得た。この円筒形スパッタリングターゲットを構成する分割ターゲット材の端面の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRz、スパッタリング面の算術平均粗さRaの最大値および最小値、隣接する分割ターゲット材の端面の間隔の最大値および最小値、ならびに、外周面の段差の最大値および最小値を表2に示す。
このようにして得られた円筒形スパッタリングターゲットに対して、実施例1と同様の評価を行った。この結果を表3に示す。
(実施例4)
分割ターゲット材2a〜2fの端面5a〜5lに対して、番手#100の砥石を用いて粗研削を4回ずつ行ったこと、番手#120の砥石を用いて仕上げ研削を行ったこと、および、番手#120の砥石を用いてゼロ研削を2回ずつ行ったこと以外は、実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを得た。この円筒形スパッタリングターゲットを構成する分割ターゲット材の端面の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRz、スパッタリング面の算術平均粗さRaの最大値および最小値、隣接する分割ターゲット材の端面の間隔の最大値および最小値、ならびに、外周面の段差の最大値および最小値を表2に示す。
このようにして得られた円筒形スパッタリングターゲットに対して、実施例1と同様の評価を行った。この結果を表3に示す。
(実施例5)
外径が155mm、内径が127mm、全長(軸方向の長さ)が65mmのITO製の円筒形セラミックス焼結体を33本用意し、これらの円筒形セラミックス焼結体の外周面および内周面を、グラインディングセンタを用いて加工したこと以外は、実施例1と同様にして、外径が151mm、内径が131mm、全長が50mmの分割ターゲット材33本を得た。続いて、これらの分割ターゲット材を、実施例1と同様にして、全長が1.7mmのバッキングチューブに接合し、スパッタリング面の全長が1670mmの円筒形スパッタリングターゲットを得た。この円筒形スパッタリングターゲットを構成する分割ターゲット材の端面の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRz、スパッタリング面の算術平均粗さRaの最大値および最小値、隣接する分割ターゲット材の端面の間隔の最大値および最小値、ならびに、外周面の段差の最大値および最小値を表2に示す。
このようにして得られた円筒形スパッタリングターゲットに対して、実施例1と同様の評価を行った。この結果を表3に示す。
(実施例6)
分割ターゲット材2a〜2fの端面5a〜5lに対して、番手#140の砥石を用いて粗研削を4回行ったこと、および、番手#140の砥石を用いてゼロ研削を4回ずつ行ったこと以外は、実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを得た。この円筒形スパッタリングターゲットを構成する分割ターゲット材の端面の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRz、スパッタリング面の算術平均粗さRaの最大値および最小値、隣接する分割ターゲット材の端面の間隔の最大値および最小値、ならびに、外周面の段差の最大値および最小値を表2に示す。
このようにして得られた円筒形スパッタリングターゲットに対して、実施例1と同様の評価を行った。この結果を表3に示す。
(実施例7)
分割ターゲット材2a〜2fの端面5a〜5lに対して、番手#220の砥石を用いて粗研削を2回ずつ行ったこと、番手#220の砥石を用いて仕上げ研削を行ったこと、および、番手#220の砥石を用いてゼロ研削を2回ずつ行ったこと以外は、実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを得た。この円筒形スパッタリングターゲットを構成する分割ターゲット材の端面の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRz、スパッタリング面の算術平均粗さRaの最大値および最小値、隣接する分割ターゲット材の端面の間隔の最大値および最小値、ならびに、外周面の段差の最大値および最小値を表2に示す。
このようにして得られた円筒形スパッタリングターゲットに対して、実施例1と同様の評価を行った。この結果を表3に示す。
(実施例8)
接合材として、スズを60質量%、インジウムを30質量%、アンチモンを5質量%、亜鉛を5質量%含有する低融点はんだ材を用いた以外は、実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを得た。この円筒形スパッタリングターゲットを構成する分割ターゲット材の端面の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRz、スパッタリング面の算術平均粗さRaの最大値および最小値、隣接する分割ターゲット材の端面の間隔の最大値および最小値、ならびに、外周面の段差の最大値および最小値を表2に示す。
このようにして得られた円筒形スパッタリングターゲットに対して、実施例1と同様の評価を行った。この結果を表3に示す。
(実施例9)
分割ターゲット材の両端面に対して、番手#100の砥石を用いて粗研削を2回ずつ行ったこと、番手#140の砥石を用いて仕上げ研削を行ったこと、および、番手#140の砥石を用いてゼロ研削を6回ずつ行ったこと以外は、実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを得た。この円筒形スパッタリングターゲットを構成する分割ターゲット材の端面の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRz、スパッタリング面の算術平均粗さRaの最大値および最小値、隣接する分割ターゲット材の端面の間隔の最大値および最小値、ならびに、外周面の段差の最大値および最小値を表2に示す。
このようにして得られた円筒形スパッタリングターゲットに対して、実施例1と同様の評価を行った。この結果を表3に示す。
(実施例10)
円筒形セラミックス焼結体の外周面(スパッタリング面)を、番手#400の砥石を用いて研削したこと以外は、実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを得た。この円筒形スパッタリングターゲットを構成する分割ターゲット材の端面の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRz、スパッタリング面の算術平均粗さRaの最大値および最小値、隣接する分割ターゲット材の端面の間隔の最大値および最小値、ならびに、外周面の段差の最大値および最小値を表2に示す。
このようにして得られた円筒形スパッタリングターゲットに対して、実施例1と同様の評価を行った。この結果を表3に示す。
(実施例11)
円筒形セラミックス焼結体の外周面(スパッタリング面)を、番手#120の砥石を取り付けたグライディングセンタを用いて加工したこと以外は、実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを得た。この円筒形スパッタリングターゲットを構成する分割ターゲット材の端面の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRz、スパッタリング面の算術平均粗さRaの最大値および最小値、隣接する分割ターゲット材の端面の間隔の最大値および最小値、ならびに、外周面の段差の最大値および最小値を表2に示す。
このようにして得られた円筒形スパッタリングターゲットに対して、実施例1と同様の評価を行った。この結果を表3に示す。
(実施例12)
分割ターゲット材の接合工程において、厚さが0.5mmの環状テフロンシートに加えて、厚さが0.05mmの環状テフロンシートを使用し、分割間隔が0.1mm以下となる部分を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを得た。この円筒形スパッタリングターゲットを構成する分割ターゲット材の端面の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRz、スパッタリング面の算術平均粗さRaの最大値および最小値、隣接する分割ターゲット材の端面の間隔の最大値および最小値、ならびに、外周面の段差の最大値および最小値を表2に示す。
このようにして得られた円筒形スパッタリングターゲットに対して、実施例1と同様の評価を行った。この結果を表3に示す。
(実施例13)
分割ターゲット材の接合工程において、厚さが0.5mmの環状テフロンシートに加えて、厚さが1.0mmの環状テフロンシートを使用し分割間隔が1.0mm以上となる部分を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを得た。この円筒形スパッタリングターゲットを構成する分割ターゲット材の端面の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRz、スパッタリング面の算術平均粗さRaの最大値および最小値、隣接する分割ターゲット材の端面の間隔の最大値および最小値、ならびに、外周面の段差の最大値および最小値を表2に示す。
このようにして得られた円筒形スパッタリングターゲットに対して、実施例1と同様の評価を行った。この結果を表3に示す。
(実施例14)
分割ターゲット材の接合工程において、隣接する分割ターゲット材の一部において、外周面の段差が1.0mm以上となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを得た。この円筒形スパッタリングターゲットを構成する分割ターゲット材の端面の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRz、スパッタリング面の算術平均粗さRaの最大値および最小値、隣接する分割ターゲット材の端面の間隔の最大値および最小値、ならびに、外周面の段差の最大値および最小値を表2に示す。
このようにして得られた円筒形スパッタリングターゲットに対して、実施例1と同様の評価を行った。この結果を表3に示す。
(比較例1)
分割ターゲット材2a〜2fの端面5a〜5lに対して、番手#220の砥石を用いて粗研削を2回ずつ行ったこと、番手#400の砥石を用いて仕上げ研削を行ったこと、および、番手#400の砥石を用いてゼロ研削を8回ずつ行ったこと以外は、実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを得た。この円筒形スパッタリングターゲットを構成する分割ターゲット材の端面の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRz、スパッタリング面の算術平均粗さRaの最大値および最小値、隣接する分割ターゲット材の端面の間隔の最大値および最小値、ならびに、外周面の段差の最大値および最小値を表2に示す。
このようにして得られた円筒形スパッタリングターゲット1に対して、実施例1と同様の評価を行った。具体的には、円筒形スパッタリングターゲット1をマグネトロン型回転カソードスパッタリング装置に取り付け、実施例1と同様の条件でスパッタリングを実施し、円筒形スパッタリングターゲットの厚さが7mmとなったところでスパッタリングを中断した。この間、アーキングが発生することはなかった。また、このときの分割部の状態を目視で観察した結果、分割部にノジュールが発生していないことが確認された。
その後、スパッタリングを再開したところ、アーキングが発生し、成膜速度が低下したため、パワー密度を10kW/m、さらには5kW/mまで下げてスパッタリングを継続した。しかしながら、アーキングを止めることはできなかったため、円筒形スパッタリングターゲットの厚さが5mmになったところでスパッタリングを中断した。この際、分割部の状態を目視で観察したところ、分割部にノジュールが発生していることが確認された。このため、本比較例では、この時点でスパッタリングを中止した。
なお、本比較例では、スパッタリングにより得られた膜についても観察を行った。この結果、本比較例により得られた膜は、成膜時にダメージを受けていたことが確認された。
(比較例2)
分割ターゲット材2a〜2fの端面5a〜5lに対して、番手#100の砥石を用いて粗研削を2回ずつ行ったこと、番手#100の砥石を用いて仕上げ研削を行ったこと、および、番手#100の砥石を用いてゼロ研削を1回ずつ行ったこと以外は、実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを得た。この円筒形スパッタリングターゲットを構成する分割ターゲット材の端面の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRz、スパッタリング面の算術平均粗さRaの最大値および最小値、隣接する分割ターゲット材の端面の間隔の最大値および最小値、ならびに、外周面の段差の最大値および最小値を表2に示す。
このようにして得られた円筒形スパッタリングターゲット1に対して、実施例1と同様の評価を行った。具体的には、円筒形スパッタリングターゲット1をマグネトロン型回転カソードスパッタリング装置に取り付け、実施例1と同様の条件でスパッタリングを実施し、円筒形スパッタリングターゲットの厚さが7mmとなったところでスパッタリングを中断した。この間、アーキングが発生することはなかった。また、このときの分割部の状態を目視で観察した結果、分割部にノジュールが発生していないことが確認された。
その後、スパッタリングを再開したところ、アーキングが発生し、成膜速度が低下したため、パワー密度を10kW/m、さらには5kW/mまで下げてスパッタリングを継続した。しかしながら、アーキングを止めることはできなかったため、円筒形スパッタリングターゲットの厚さが5mmになったところでスパッタリングを中断した。この際、分割部の状態を目視で観察したところ、分割部にノジュールが発生していることが確認された。このため、本比較例では、この時点でスパッタリングを中止した。
なお、本比較例では、スパッタリングにより得られた膜についても観察を行った。この結果、本比較例により得られた膜は、成膜時にダメージを受けていたことが確認された。
(比較例3)
分割ターゲット材の両端面に対して、番手#140の砥石を用いて粗研削を2回ずつ行ったこと番手#140の砥石を用いて仕上げ研削を行ったこと、および、ゼロ研削を行わなかったこと以外は、実施例5と同様にして、分割ターゲット材を得た。続いて、分割ターゲット材の接合工程において、厚さが0.5mmの環状テフロンシートに加えて、厚さが1.0mmの環状テフロンシートを使用し、分割間隔が1.0mm以上となる部分を形成したこと以外は、実施例5と同様にして、円筒形スパッタリングターゲットを得た。この円筒形スパッタリングターゲットを構成する分割ターゲット材の端面の算術平均粗さRaおよび十点平均粗さRz、スパッタリング面の算術平均粗さRaの最大値および最小値、隣接する分割ターゲット材の端面の間隔の最大値および最小値、ならびに、外周面の段差の最大値および最小値を表2に示す。
このようにして得られた円筒形スパッタリングターゲット1に対して、実施例1と同様の評価を行った。具体的には、円筒形スパッタリングターゲット1をマグネトロン型回転カソードスパッタリング装置に取り付け、実施例1と同様の条件でスパッタリングを実施した。本比較例では、開始直後から、隣接する分割ターゲット材の端面の間隔を1.0mm以上とした部分を起点としてアーキングが発生したため、パワー密度を5kW/mまで下げてスパッタリングを継続した。しかしながら、アーキングを止めることができなかったため、円筒形スパッタリングターゲットの厚さが7.4mmとなった時点でスパッタリングを中断した。このときの分割部の状態を目視で観察した結果、分割部にノジュールが発生していることが確認された。
その後、スパッタリングを再開したが、アーキングを止めることはできなかったため、最終的に、円筒形スパッタリングターゲットの厚さが7.0mmとなったところで、スパッタリングを中止した。このとき、分割部の状態を目視で観察したと結果、分割部にノジュールが発生していること、特に、分割ターゲット材の端面の間隔を1.0mm以上とした部分では、大量のノジュールが発生していることが確認された。
Figure 2015183284
Figure 2015183284
Figure 2015183284
1 円筒形スパッタリングターゲット
2a〜2f 分割ターゲット材
3 バッキングチューブ
4a〜4f 接合層
5a〜5l 端面
(1)分割ターゲット材
(材質)
本発明の円筒形スパッタリングターゲット1を構成する分割ターゲット材2a〜2fとして使用することができる円筒形セラミックス焼結体は、特に限定されることはない。たとえば、インジウム(In)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)およびチタン(Ti)から選択される少なくとも1種を主成分とする酸化物などから構成される円筒形セラミックス焼結体を使用することができる。特に、低融点接合材となじみやすい酸化インジウム(In23)や酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする円筒形セラミックス焼結体、具体的には、スズを含有する酸化インジウム(ITO)、セリウム(Ce)を含有する酸化インジウム(ICO)、ガリウム(Ga)を含有する酸化インジウム(IGO)、チタン(Ti)を含有する酸化インジウム(ITiO)、タングステン(W)を含有する酸化インジウム(IWO)、イットリウム(Y)を含有する酸化インジウム(IYO)、ニッケル(Ni)を含有する酸化インジウム(INiO)、スカンジウム(Sc)を含有する酸化インジウム(IScO)、シリコン(Si)を含有する酸化インジウム(ISiO)、ゲルマニウム(Ge)を含有する酸化インジウム(IGeO)、ハフニウム(Hf)を含有する酸化インジウム(IHfO)、タンタル(Ta)を含有する酸化インジウム(ITaO)、鉄(Fe)を含有する酸化インジウム(IFeO)、プラセオジウム(Pr)を含有する酸化インジウム(IPrO)、ユウロピウム(Eu)を含有する酸化インジウム(IEuO)、エルビウム(Er)を含有する酸化インジウム(IErO)、ジスプロシウム(Dy)を含有する酸化インジウム(IDyO)、マンガン(Mn)を含有する酸化インジウム(IMnO)、コバルト(Co)を含有する酸化インジウム(ICoO)、マグネシウム(Mg)を含有する酸化インジウム(IMgO)、亜鉛(Zn)を含有する酸化インジウムIZO、ガリウムおよび亜鉛を含有する酸化インジウム(IGZO)、アルミニウムを含有する酸化亜鉛(AZO)、ガリウムを含有する酸化亜鉛(GZO)、インジウムを含有する酸化亜鉛(ZIO)、マグネシウムを含有する酸化亜鉛(ZMgO)、ガリウムとアルミニウムを含有する酸化亜鉛(GAZO)などから構成される円筒形セラミックス焼結体を、分割ターゲット材2a〜2fとして使用することができる。

Claims (9)

  1. 複数の円筒形の分割ターゲット材を、単一のバッキングチューブの軸方向に並列して接合した円筒形スパッタリングターゲットであって、
    前記分割ターゲット材の端面のうち、少なくとも他の分割ターゲット材の端面と相対する端面の表面粗さが、算術平均粗さRaで0.1μm以上であり、かつ、十点平均粗さRzで10.0μm以下である、
    円筒形スパッタリングターゲット。
  2. 前記少なくとも他の分割ターゲット材の端面と相対する端面の表面粗さが、十点平均粗さRzで7.0μm以下である、請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  3. 前記複数の分割ターゲット材のうち、隣り合う分割ターゲット材の相対する端面の間隔は、0.1mm以上1.0mm以下である、請求項1または2に記載の円筒形スパッタリングターゲット。
  4. 前記複数の分割ターゲット材のうち、隣り合う分割ターゲット材の外周面の段差は、1.0mm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の円筒形スパッタリングターゲット。
  5. 前記分割ターゲット材のスパッタリング面の表面粗さが、十点平均粗さRzが20μm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の円筒形スパッタリングターゲット
  6. 複数の円筒形セラミックス焼結体の外周面、内周面および端面を加工し、複数の分割ターゲット材を得る加工工程と、得られた複数の分割ターゲット材を、順次、バッキングチューブに挿入し、接合する接合工程とを備え、
    前記加工工程において、前記複数の分割ターゲット材のうち、少なくとも隣り合う分割ターゲット材の相対する端面を粗研削加工した後、仕上げ研削加工をし、さらにゼロ研削をすることにより、該端面の表面粗さを算術平均粗さRaで0.1μm以上、かつ、十点平均粗さRzで10.0μm以下とする、
    円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
  7. 前記粗研削加工を、番手#100〜#220の砥石を用いて、一端面あたり2回〜4回行う、請求項6に記載の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
  8. 前記仕上げ研削加工を、番手#120〜#400の砥石を用いて、一端面あたり少なくとも1回行う、請求項7に記載の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
  9. 前記ゼロ研削を、番手#120〜#220の砥石を用いて、一端面あたり1回〜6回行う、請求項8に記載の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
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