JP2015181987A - セシウム吸着材、セシウム吸着材の製造方法、セシウム吸着装置、およびセシウム除去方法 - Google Patents

セシウム吸着材、セシウム吸着材の製造方法、セシウム吸着装置、およびセシウム除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プルシアンブルー類縁体の粒子が強固に担持されたセシウム吸着材、セシウム吸着材の製造方法、セシウム吸着装置、及びこのセシウム吸着材を用いて環境中に放出されたセシウムを効率的に回収する方法の提供。【解決手段】プルシアンブルー類縁体の粒子1aが、少なくとも部分的に、基材繊維2aの内部に埋め込まれた状態で担持されたセシウム吸着材であって、前記基材はポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリアミド類、及びポリアリーレン類から選択される非親水性繊維からなるとともに、繊維直径が1μm以下であるナノファイバー繊維基材である、セシウム吸着材、セシウム吸着材の製造方法、セシウム吸着装置及びセシウムの回収方法。【選択図】図1

Description

本発明は、たとえば、プルシアンブルーを利用する、セシウム吸着材、セシウム吸着材の製造方法、セシウム吸着装置、およびセシウム除去方法に関する。
原子力発電所事故などにより環境中に放出されたヨウ素、セシウム、およびストロンチウムなどの放射性物質の除去については、国家規模での議論が行われている。特に、主要な放射性物質であって約30年という長い半減期を有するセシウム137の水、土壌、および木質系廃棄物などからの除染については、様々なアプ口一チが各種機関および企業により現在も検討されている。
土壌の除染方法としては汚染された表土を取り除く物理的な除染方法が挙げられるが、取り除いた汚染土壌の処理が困難であるので、汚染された表土と下層の土とを入れ替える上下置換工法が実施されている。
この上下置換工法は、汚染土壌処理が必要ではなく、放射線量を1/10以下に低減することができる工法である。
しかしながら、汚染土壌が地中に残ってしまうので、将来的な水質汚染の可能性などが懸念されている。
一方、プルシアンブルー類縁体などのセシウムの除去剤を用いて放射性物質を回収する除染方法も、行われている。
このプルシアンブルー類縁体をセシウムが吸着された後に環境中から分離し回収することは、容易ではない。
したがって、放射性物質は少量であっても有害な放射線を放出する可能性が高いので、上述された物理的な除染方法の場合と同様な懸念が生じかねない。
そこで、環境中からセシウムを効率的に回収することができ、大量の放射性廃棄物を発生させない除染方法が、強く求められている。
さて、取り扱いが容易であって効率的にセシウムを回収することができる、プルシアンブルー類縁体が親水性繊維基材に固定化されたセシウム吸着材が、知られている(たとえば、特許文献1参照)。
そこで、図3を参照しながら、従来のセシウム吸着材についてより具体的に説明する。
ここに、図3(a)は従来のセシウム吸着材の親水性繊維基材200の一本の繊維200a近傍の概略斜視図であり、図3(b)は従来のセシウム吸着材の親水性繊維基材200の一本の繊維200a近傍の概略部分断面図である。
従来のセシウム吸着材においては、プルシアンブルー類縁体1の粒子1aが親水性繊維基材200の繊維200aの表面に担持されている。
このような従来のセシウム吸着材の製造方法は、たとえば、(a)親水性繊維基材200にヘキサシアノ金属酸の無機塩の水溶液を含浸させ、その後に親水性繊維基材200を水、極性有機溶媒、またはそれらの混合物で洗浄する処理を行う工程と、(b)上述された工程(a)において処理された親水性繊維基材200に遷移金属元素を含む無機化合物の水溶液をさらに含浸させ、その後に親水性繊維基材200を乾燥させる処理を行う工程と、を備える。
国際公開第2013/027652号
しかしながら、上述された従来のセシウム吸着材に関しては、プルシアンブルー類縁体の粒子をしっかりと担持することが極めて困難であった。
本願発明者は、その理由をつぎのように分析している。
すなわち、親水性繊維基材200への固定化は繊維基材の親水性に依拠して行われており、プルシアンブルー類縁体1の粒子1aは主として親水性繊維基材200の繊維200aの表面に付着するにすぎない。
したがって、粒子1aが繊維200aの内部または繊維200aの表面に埋め込まれた状態での固定化は、実際には極めて困難である。
結果的に、プルシアンブルー類縁体1がセシウム吸着材の使用中に脱落し、一旦は回収されたセシウムが再び環境中に放出されることがあるので、再汚染を発生させてしまう可能性が必ずしも低くはない。
そして、ポリプロピレン(PP)およびポリエチレン(PE)などのポリオレフィン類、ならびにポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリ乳酸(PLA)などのポリエステル類のような非親水性繊維基材については、もしも親水化処理が非親水性繊維基材に対して施されていたとしても、プルシアンブルー類縁体の粒子をしっかりと担持することはほとんどできなかった。
本発明は、上述された従来の課題を考慮し、プルシアンブルー類縁体の粒子をよりしっかりと担持することが可能な、セシウム吸着材、セシウム吸着材の製造方法、セシウム吸着装置、およびセシウム除去方法を提供することを目的とする。
第1の本発明は、プルシアンブルー類縁体の粒子が、少なくとも部分的に、前記繊維基材の繊維の内部に埋め込まれた状態で担持されていることを特徴とする、セシウム吸着材である。
第2の本発明は、前記繊維基材は、非親水性繊維基材であることを特徴とする、第1の本発明のセシウム吸着材である。
第3の本発明は、前記非親水性繊維基材の材質は、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリアミド類、およびポリアリーレン類の内の何れか一つであって、
前記非親水性繊維基材は、前記繊維の繊維直径が1μm以下であるナノファイバー繊維基材であることを特徴とする、第2の本発明のセシウム吸着材である。
第4の本発明は、前記ポリオレフィン類は、ポリプロピレン(PP)、およびポリエチレン(PE)の内の何れか一つであり、
前記ポリエステル類は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、およびポリ乳酸(PLA)の内の何れか一つであり、
前記ポリアミド類は、ナイロン6(N6)、ナイロン6,6(N66)、およびナイロン12(N12)の内の何れか一つであり、
前記ポリアリーレン類は、ポリフェニレンスルフィド(PPS)であり、
前記ナノファイバー繊維基材は、ナノファイバー不織布であることを特徴とする、第3の本発明のセシウム吸着材である。
第5の本発明は、前記プルシアンブルー類縁体は、プルシアンブルーであることを特徴とする、第1から第4の何れかの本発明のセシウム吸着材である。
第6の本発明は、繊維基材の原料を溶融する溶融ステップと、前記溶融された繊維基材の原料から柔軟状態の繊維基材を形成する柔軟基材形成ステップと、前記形成された柔軟状態の繊維基材から硬化状態の繊維基材を形成する硬化基材形成ステップと、を備えた、プルシアンブルー類縁体の粒子が担持されているセシウム吸着材の製造方法であって、
ヘキサシアノ金属酸の無機塩、および遷移金属元素を含む無機化合物の内の一方を、前記溶融された繊維基材の原料、または前記形成された柔軟状態の繊維基材に添加する第一添加処理を行い、
前記ヘキサシアノ金属酸の無機塩、および前記遷移金属元素を含む無機化合物の内の他方を、前記溶融された繊維基材の原料、前記形成された柔軟状態の繊維基材、または前記形成された硬化状態の繊維基材に添加する第二添加処理を行うことを特徴とする、セシウム吸着材の製造方法である。
第7の本発明は、前記繊維基材は、非親水性繊維基材であり、
前記第二添加処理においては、前記ヘキサシアノ金属酸の無機塩、および前記遷移金属元素を含む無機化合物の内の前記他方の水溶液で、前記形成された柔軟状態の繊維基材、または前記形成された硬化状態の繊維基材を処理することを特徴とする、第6の本発明のセシウム吸着材の製造方法である。
第8の本発明は、前記ヘキサシアノ金属酸の無機塩は、ヘキサシアノ鉄(II)酸のカリウム塩、およびヘキサシアノ鉄(II)酸のナトリウム塩の内の何れか一つであることを特徴とする、第6または第7の本発明のセシウム吸着材の製造方法である。
第9の本発明は、前記遷移金属元素を含む無機化合物は、塩化第二鉄、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、および過塩素酸第二鉄の内の何れか一つであることを特徴とする、第6から第8の何れかの本発明のセシウム吸着材の製造方法である。
第10の本発明は、前記繊維基材は、不織布、織布、または糸であることを特徴とする、第6から第9の何れかの本発明のセシウム吸着材の製造方法である。
第11の本発明は、第1から第5の何れかの本発明のセシウム吸着材を備えることを特徴とする、セシウム吸着装置である。
第12の本発明は、第11の本発明のセシウム吸着装置を利用して、前記セシウム吸着材を、セシウムによって汚染された対象物に接触させ、
前記対象物に接触させられたセシウム吸着材を回収することを特徴とする、セシウム除去方法である。
第13の本発明は、第1から第5の何れかの本発明のセシウム吸着材を、セシウムによって汚染された対象物に接触させ、
前記対象物に接触させられたセシウム吸着材を回収することを特徴とする、セシウム除去方法である。
本発明によって、プルシアンブルー類縁体の粒子をよりしっかりと担持することが可能な、セシウム吸着材、セシウム吸着材の製造方法、セシウム吸着装置、およびセシウム除去方法を提供することができる。
(a)本発明における実施の形態のセシウム吸着材の非親水性繊維基材の一本の繊維近傍の概略斜視図、(b)本発明における実施の形態のセシウム吸着材の非親水性繊維基材の一本の繊維近傍の概略部分断面図 (a)本発明における実施の形態のセシウム吸着材の概観の写真、(b)本発明における実施の形態のセシウム吸着材の表面部分の拡大電子顕微鏡写真 (a)従来のセシウム吸着材の親水性繊維基材の一本の繊維近傍の概略斜視図、(b)従来のセシウム吸着材の親水性繊維基材の一本の繊維近傍の概略部分断面図
以下、図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
はじめに、図1を主として参照しながら、本実施の形態のセシウム吸着材について説明する。
ここに、図1(a)は本発明における実施の形態のセシウム吸着材の非親水性繊維基材2の一本の繊維2a近傍の概略斜視図であり、図1(b)は本発明における実施の形態のセシウム吸着材の非親水性繊維基材2の一本の繊維2a近傍の概略部分断面図である。
なお、本実施の形態のセシウム吸着材について説明しながら、本発明のセシウム吸着装置、およびセシウム除去方法の一実施の形態についても説明する。
本実施の形態のセシウム吸着材においては、プルシアンブルー類縁体1の粒子1aが、少なくとも部分的に、非親水性繊維基材2の繊維2aの内部に埋め込まれた状態で担持されている。
担持されているプルシアンブルー類縁体1は、たとえば、プルシアンブルーまたは紺青などとも称されるヘキサシアノ鉄(II)酸の第二鉄(Fe(III))塩であるが、一部の鉄イオンが置換されているものを含んでいてもよい。
なお、非親水性繊維基材2は、本発明の繊維基材の一例である。
もちろん、本発明の繊維基材は、非親水性繊維基材ではなく、親水性繊維基材であってもよい。
図2に示されているように、プルシアンブルー類縁体1の粒子1aの担持状態は、顕微鏡などを利用して観察することができる。
ここに、図2(a)は本発明における実施の形態のセシウム吸着材の概観の写真であり、図2(b)は本発明における実施の形態のセシウム吸着材の表面部分P(図2(a)参照)の拡大電子顕微鏡(SEM,Scanning Electron Microscope)写真である。
上述された従来のセシウム吸着材(図3参照)に関しては、プルシアンブルー類縁体1の粒子1aが親水性繊維基材200の繊維200aのほぼ表面にしか担持されていなかった。
本実施の形態のセシウム吸着材に関しては、プルシアンブルー類縁体1の粒子1aが非親水性繊維基材2の繊維2aの内部に少なくとも部分的に埋め込まれてしっかりと固定化されていることが観察され、セシウム吸着材の使用時におけるプルシアンブルー類縁体1の脱落を大幅に抑制することができる。
そして、本実施の形態のセシウム吸着材は、単体でセシウム除去に使用されてもよいし、濾過装置などのセシウム除去装置に組み込まれてもよい。
セシウム吸着材がセシウム除去装置に組み込まれていると、プルシアンブルー類縁体の脱落が大幅に抑制された、セシウム除去装置およびセシウム除去方法を実現することができる。
なお、セシウム除去方法については、セシウムで汚染された水、土壌、および木質系廃棄物などにセシウム吸着材を接触させることができればよい。
セシウム吸着材が接触させられる土壌、および木質系廃棄物などは、水でぬれていることが望ましい。セシウム吸着材が水を介して接触させられると、セシウム除去が効率的に行われる。そして、水、土壌、および木質系廃棄物などに吸着されたセシウムを脱離するために、超音波処理、またはマイクロ/ナノバブル発生装置によるバブリング処理などが必要に応じて併用されると、セシウム除去がより効率的に行われる。
つぎに、図1を主として参照しながら、本実施の形態のセシウム吸着材の製造方法について説明する。
本実施の形態のセシウム吸着材の製造方法は、溶融ステップと、柔軟基材形成ステップと、硬化基材形成ステップと、を備えた、プルシアンブルー類縁体1の粒子1aが担持されているセシウム吸着材の製造方法である。
溶融ステップにおいては、非親水性繊維基材2の原料を溶融する。
柔軟基材形成ステップにおいては、溶融された非親水性繊維基材2の原料から柔軟状態の非親水性繊維基材2を形成する。
硬化基材形成ステップにおいては、形成された柔軟状態の非親水性繊維基材2から硬化状態の非親水性繊維基材2を形成する。
まず、ヘキサシアノ金属酸の無機塩、および遷移金属元素を含む無機化合物の内の一方を、溶融された非親水性繊維基材2の原料、または形成された柔軟状態の非親水性繊維基材2に添加する。
そして、ヘキサシアノ金属酸の無機塩、および遷移金属元素を含む無機化合物の内の他方を、溶融された非親水性繊維基材2の原料、形成された柔軟状態の非親水性繊維基材2、または形成された硬化状態の非親水性繊維基材2に添加する。
プルシアンブルー類縁体1の合成原料である、ヘキサシアノ金属酸の無機塩、および遷移金属元素を含む無機化合物の両方を、硬化状態の非親水性繊維基材2に添加することはしない。
けれども、たとえば、ヘキサシアノ金属酸の無機塩、および遷移金属元素を含む無機化合物の両方を、溶融された非親水性繊維基材2の原料に添加することは、差し支えない。
ただし、このように両方を溶融された非親水性繊維基材2の原料に添加する場合には、合成されたプルシアンブルー類縁体1の粒子1aの内、非親水性繊維基材2の内部に完全に入り込んでしまってセシウム吸着に寄与することができないものが多くなり、結局のところヘキサシアノ金属酸の無機塩、および遷移金属元素を含む無機化合物の両方が無駄になってしまう恐れはある。
なお、ヘキサシアノ金属酸の無機塩、および遷移金属元素を含む無機化合物の内の、形成された柔軟状態の非親水性繊維基材2、または形成された硬化状態の非親水性繊維基材2に添加されるものは、そもそも非親水性繊維基材2の内部に完全に入り込んでしまうことが少ないので、無駄になりにくい。
ところで、製造過程における非親水性繊維基材2は、不織布であってもよいし、織布であってもよいし、糸であってもよい。
もちろん、糸は、最終的には織られて織布とされる。
ただし、そのように糸を織って織布とする場合には、プルシアンブルー類縁体1が糸を織る前に合成されていると、糸を織るときに脱落するプルシアンブルー類縁体1が多くなってしまう恐れはある。
非親水性繊維基材2の材質は、たとえば、(1)ポリプロピレン(PP)、およびポリエチレン(PE)などのポリオレフィン類、(2)ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、およびポリ乳酸(PLA)などのポリエステル類、(3)ナイロン6(N6)、ナイロン6,6(N66)、およびナイロン12(N12)などのポリアミド類、または(4)ポリフェニレンスルフィド(PPS)などのポリアリーレン類である。
上述された樹脂には、必要に応じて、ゼオライトなどの他の吸着材粒子、難燃剤、帯電防止剤、または親水化剤などの添加物が含有させられていてもよく、さらなる他の成分が樹脂の性質を損なわない範囲で共重合されていてもよい。
非親水性繊維基材2は、たとえば、ナノファイバー不織布などの、繊維2aの繊維直径が1μm以下であるナノファイバー繊維基材である。
一般的に、ナノファイバー繊維基材は、その比表面積が通常のマイクロファイバー繊維基材の比表面積と比較して大きいので、高効率にセシウムを吸着し除去することができる。
プルシアンブルー類縁体1の粒子1aをよりしっかりと担持するために、溶融された非親水性繊維基材2の原料から繊維2aを形成するための繊維化が行われる紡糸の段階において、同原料にヘキサシアノ金属酸の無機塩、および遷移金属元素を含む無機化合物の内の少なくとも何れか一方を混合して複合繊維化を行うことが望ましい。
本実施の形態においては、複合繊維化が、溶融された非親水性繊維基材2の原料である樹脂と、ヘキサシアノ金属酸の無機塩、および遷移金属元素を含む無機化合物の内の少なくとも何れか一方と、を混練押出機などによってあらかじめ混練した混練物に対して、通常の、溶融紡糸法、または溶融紡糸法と電界紡糸法(エレクトロスピニング法)とを組み合わせた紡糸法を適用することで行われる。
もちろん、ヘキサシアノ金属酸の無機塩、および遷移金属元素を含む無機化合物の内の少なくとも何れか一方は、通常の繊維化が溶融された非親水性繊維基材2の原料である樹脂に対してこのような紡糸法を適用することによって行われた後に、その溶融された樹脂が十分には硬化していない状態において添加されてもよい。
つまり、上述された通り、ヘキサシアノ金属酸の無機塩、および遷移金属元素を含む無機化合物の内の一方を、溶融された非親水性繊維基材2の原料、または形成された柔軟状態の非親水性繊維基材2に添加すればよい。
そして、ヘキサシアノ金属酸の無機塩、および遷移金属元素を含む無機化合物の内の他方の水溶液で、たとえば、形成された硬化状態の非親水性繊維基材2を処理することが望ましい。
本実施の形態においては、同水溶液への含浸が行われた後に、洗浄および乾燥が行われる。
水溶液の濃度は、特に制限されないが、実際に使用される、ヘキサシアノ金属酸の無機塩、および遷移金属元素を含む無機化合物の水溶解度、およびプルシアンブルー類縁体1の所望の担持量などに応じて選択されればよく、1〜20重量%程度、より具体的には、5〜10重量%程度である。水溶液の温度は、特に制限されないが、10〜80℃程度、より具体的には、常温程度である。水溶液への含浸時間は、特に制限されないが、10秒から24時間程度、より具体的には、1分から1時間程度である。そして、水溶液には、必要に応じて、界面活性剤が添加されてもよく、超音波処理が含浸処理中に行われてもよい。
洗浄条件は特に制限されないが、水、有機溶媒、またはそれらの混合物による洗浄処理が行われればよい。
乾燥条件も特に制限されないが、10〜100℃および10秒から24時間程度の条件、より具体的には、50〜80℃および1分から1時間程度の条件での乾燥処理が脱水処理後に行われればよく、減圧処理が乾燥処理中に行われてもよい。
かくして、プルシアンブルー類縁体1が繊維2aの内部に少なくとも部分的に埋め込まれてしっかりと固定化されたセシウム吸着材を得ることができる。
なお、ヘキサシアノ金属酸の無機塩は、たとえば、ヘキサシアノ鉄(II)酸のカリウム塩、またはヘキサシアノ鉄(II)酸のナトリウム塩である。
また、遷移金属元素を含む無機化合物は、たとえば、塩化第二鉄、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、または過塩素酸第二鉄である。
以下、本発明者が行った実験による、本発明における実施の形態の、実施例および比較例について詳細に説明する。
はじめに、様々な評価項目について具体的に説明する。
(A)平均繊維径について
繊維の平均直径である平均繊維径については、SEMによる表面画像から繊維直径を求め、その平均値を計算した。
一つのサンプルとして同一の視野内で無作為に抽出した10本以上の繊維の繊維直径を測定し、異なる箇所から採取した五つのサンプルを利用し、合計50本以上の繊維の繊維直径を用いて平均値を計算した。
利用したSEM装置は、キーエンス製のVE7800である。
(B)セシウム(Cs)除去率について
非放射性の硝酸セシウム(CsNO3)水溶液であるセシウム標準液を用いた仮想実験による評価を行った。
セシウム吸着材を作成するとともに、1mg/Lの濃度の硝酸セシウム水溶液を用意した。
そして、300mLの硝酸セシウム水溶液に約300mgのセシウム吸着材を浸漬し、通常のボールミルにおいて100分間の回転を行った後にセシウム吸着材を取出した水溶液を分析した。
実験室環境については、室温が25℃であり、相対湿度が50%RH(Relative Humidity)であった。
ここでの分析については、誘導結合プラズマ質量分析法を利用した。
セシウム除去率は
(数1) セシウム除去率
=(1−(浸漬実験後溶液中セシウム濃度)/(浸漬実験前溶液中セシウム濃度))
×100
によって算出した。
ここで利用した誘導結合プラズマ質量分析装置は、Agilent Technology製のAgilent7700である。
(C)プルシアンブルー(PB)担持率について
含まれている鉄(Fe)の鉄濃度分析からの換算を利用し、化学式Fe7(CN)18を採用してプルシアンブルー担持量を算出した。
上述されたセシウム除去率の算出に利用する前のセシウム吸着材を、分析前処理のためにガスバーナーで加熱し、炭化した。そして、電気炉において650℃の温度条件で約2時間の加熱を行い、灰化した残渣を王水で溶解し、純水での希釈を行ってから分析を行った。
ここでの分析についても、誘導結合プラズマ質量分析法を利用した。
プルシアンブルー担持率は
(数2) プルシアンブルー担持率
=((プルシアンブルー担持量)/(吸着材重量))×100
によって算出した。
ここで利用した誘導結合プラズマ質量分析装置は、Spectro製のCIROS−120である。
(D)プルシアンブルー(PB)脱落率について
含まれている鉄(Fe)の鉄濃度分析からの換算を利用し、化学式Fe7(CN)18を採用してプルシアンブルー脱落量を算出した。
上述されたセシウム除去率の算出に利用した後のセシウム吸着材が取出された水溶液について、分析を行った。
ここでの分析についても、誘導結合プラズマ質量分析法を利用した。
プルシアンブルー脱落率は
(数3) プルシアンブルー脱落率
=((プルシアンブルー脱落量)/(プルシアンブルー担持量))×100
によって算出した。
ここで利用した誘導結合プラズマ質量分析装置も、Spectro製のCIROS−120である。
ついで、実施例1および2、ならびに比較例について具体的に説明していくが、これらはもちろん本発明を限定するものではない。
(実施例1)
実施例1でのセシウム吸着材をつぎの手順で作製した。
溶融エレクトロスピニング紡糸装置を用いて、非親水性繊維基材としての不織布を作製した。
この溶融エレクトロスピニング紡糸装置は、熱可塑性樹脂を溶融して搬送する溶融押出機と、搬送された溶融プラスチックを繊維状に吐出する紡糸ノズルと、紡糸ノズル近傍に高温の加熱エアを紡糸ノズルからの吐出向きと平行な向きに吹き出すエアノズルと、紡糸ノズルから吐出する溶融プラスチックに高電圧を印加する電圧付与装置と、を備える。
流動性の大きさを示すMFR(Melt Flow Rate)が1700g/10分であるポリプロピレン樹脂、および複合繊維化のために添加するヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムを、設定温度が300℃である溶融押出機に供給し、内径が300μmである紡糸ノズルの単孔あたりの吐出量が10g/分となるように、ポリプロピレン樹脂およびヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムの混練物である溶融プラスチックを紡糸ノズルから吐出した。
この吐出時において、温度が300℃であって吹き出し速度が200m/秒である加熱エアを紡糸ノズルと5mmだけ離れたエアノズルから吹き出した。
そして、紡糸ノズルに30kVの電圧を印加しながら、吐出した溶融プラスチックを延伸させ、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムが複合繊維化により添加された不織布を作製した。
ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムが複合繊維化により添加された不織布を濃度が10重量%となるように調整した塩化第二鉄水溶液に浸漬し、塩化第二鉄水溶液を含浸させ、十分な紺色の変色が起こっていることを確認した上で不織布を塩化第二鉄水溶液から取出した。
塩化第二鉄水溶液を含浸させた不織布に対して、色落ちがなくなるまで純水による洗浄を行った。
バッチ式の真空乾燥炉を用い、洗浄を行った不織布に対して50℃および1時間程度の条件で減圧乾燥処理を行った。
このようにして作製したセシウム吸着材については、つぎのような結果が上述された評価項目について得られた。
平均繊維径は、557nmであった。
セシウム除去率は、98.9%であった。
吸着材重量は303mgであり、プルシアンブルー担持量は30.1mgであり、プルシアンブルー脱落量は0.15mgであったので、プルシアンブルー担持率は9.9%であり、プルシアンブルー脱落率は0.5%であった。
(実施例2)
実施例2でのセシウム吸着材をつぎの手順で作製した。
実施例1と同様な溶融エレクトロスピニング紡糸装置を用いて、非親水性繊維基材としての不織布を作製した。
ただし、実施例2においては、MFRが1700g/10分であるポリプロピレン樹脂のみを、設定温度が300℃である溶融押出機に供給し、紡糸ノズルの単孔あたりの吐出量が10g/分となるように、溶融したポリプロピレン樹脂である溶融プラスチックを紡糸ノズルから吐出した。
この吐出時において、シリンジを用いて、濃度が10重量%となるように調整したヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム水溶液を吐出した溶融プラスチックに混合するとともに、温度が300℃であって吹き出し速度が200m/秒である加熱エアを紡糸ノズルと5mmだけ離れたエアノズルから吹き出した。
そして、紡糸ノズルに30kVの電圧を印加しながら、吐出したポリプロピレン樹脂およびヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム水溶液の混合液である溶融プラスチックを延伸させ、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムが複合繊維化により添加された不織布を作製した。
実施例1の場合と同様に、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムが複合繊維化により添加された不織布を濃度が10重量%となるように調整した塩化第二鉄水溶液に浸漬し、塩化第二鉄水溶液を含浸させ、十分な紺色の変色が起こっていることを確認した上で不織布を塩化第二鉄水溶液から取出した。
実施例1の場合と同様に、塩化第二鉄水溶液を含浸させた不織布に対して、色落ちがなくなるまで純水による洗浄を行った。
実施例1の場合と同様に、バッチ式の真空乾燥炉を用い、洗浄を行った不織布に対して50℃および1時間程度の条件で減圧乾燥処理を行った。
このようにして作製したセシウム吸着材については、つぎのような結果が上述された評価項目について得られた。
平均繊維径は、572nmであった。
セシウム除去率は、99.2%であった。
吸着材重量は305mgであり、プルシアンブルー担持量は31.3mgであり、プルシアンブルー脱落量は0.19mgであったので、プルシアンブルー担持率は10.3%であり、プルシアンブルー脱落率は0.6%であった。
(比較例)
比較例でのセシウム吸着材をつぎの手順で作製した。
実施例1および2と同様な溶融エレクトロスピニング紡糸装置を用いて、非親水性繊維基材としての不織布を作製した。
ただし、比較例においては、MFRが1700g/10分であるポリプロピレン樹脂のみを、設定温度が300℃である溶融押出機に供給し、紡糸ノズルの単孔あたりの吐出量が10g/分となるように、溶融したポリプロピレン樹脂である溶融プラスチックを紡糸ノズルから吐出した。
この吐出時において、通常通りに、温度が300℃であって吹き出し速度が200m/秒である加熱エアを紡糸ノズルと5mmだけ離れたエアノズルから吹き出した。
そして、紡糸ノズルに30kVの電圧を印加しながら、吐出した溶融プラスチックを延伸させ、通常通りの不織布を作製した。
通常通りの不織布を濃度が10重量%となるように調整したヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム水溶液に5分間程度にわたって浸漬し、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム水溶液を含浸させ、不織布をヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム水溶液から取出した。
5分間程度の条件で超音波処理を行った後に、バッチ式の真空乾燥炉を用い、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム水溶液を含浸させた不織布に対して50℃および1時間程度の条件で減圧乾燥処理を行った。
ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム水溶液を含浸させた不織布を濃度が10重量%となるように調整した塩化第二鉄水溶液に浸漬し、塩化第二鉄水溶液を含浸させ、十分な紺色の変色が起こっていることを確認した上で不織布を塩化第二鉄水溶液から取出した。
塩化第二鉄水溶液を含浸させた不織布に対して、色落ちがなくなるまで純水による洗浄を行った。
バッチ式の真空乾燥炉を用い、洗浄を行った不織布に対して50℃および1時間程度の条件で減圧乾燥処理を行った。
このようにして作製したセシウム吸着材については、つぎのような結果が上述された評価項目について得られた。
平均繊維径は、545nmであった。
セシウム除去率は、63.2%であった。
吸着材重量は304mgであり、プルシアンブルー担持量は15.5mgであり、プルシアンブルー脱落量は0.81mgであったので、プルシアンブルー担持率は5.1%であり、プルシアンブルー脱落率は5.2%であった。
さて、表1に実施例1および2、ならびに比較例に関する実験結果を示す。
実施例1においてはヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムを溶融されたポリプロピレン樹脂に添加しており、実施例2においてはヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムを形成された柔軟状態の不織布に添加しているが、実施例1および2の何れにおいても、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムが複合繊維化により不織布に添加されており、セシウム除去率およびプルシアンブルー担持率は十分に大きく、プルシアンブルー脱落率は十分に小さいといった望ましい効果が得られている。
これは、実施例1および2においては、プルシアンブルーの粒子は主として不織布の繊維の内部または繊維の表面に埋め込まれた状態で固定されているので、プルシアンブルーがセシウム吸着材の製造時における洗浄などによって脱落しにくく、プルシアンブルー担持率がそもそも大きく、したがってセシウム除去率も大きく、プルシアンブルー脱落率は小さくなるからである。
しかしながら、比較例においては、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムが複合繊維化によっては不織布に添加されておらず、セシウム除去率およびプルシアンブルー担持率はかなり小さく、プルシアンブルー脱落率はかなり大きい。
これは、比較例においては、プルシアンブルーの粒子は主として不織布の繊維の表面に付着しているにすぎないので、プルシアンブルーがセシウム吸着材の製造時における洗浄などによって脱落しやすく、プルシアンブルー担持率がそもそも小さく、したがってセシウム除去率も小さく、プルシアンブルー脱落率は大きくなるからである。
なお、実施例1および2、ならびに比較例における平均繊維径は何れも1μm以下であり、十分な細繊維化が行われているが、平均繊維径が1μm以下ではない場合においても実施例1および2についての上述された望ましい効果を期待することができる。
このように、本実施の形態によれば、製造時におけるプルシアンブルー類縁体の脱落を抑制できるので、本来のプルシアンブルー類縁体の担持量を大きくすることができ、セシウム吸着材の使用時におけるプルシアンブルー類縁体の脱落も抑制できるので、セシウムを吸着したプルシアンブルー類縁体を環境中に取り残さないようにほぼ完全に回収することができる。
かくして、効率的なセシウム除去が、本実施の形態により実現される。
本発明におけるセシウム吸着材、セシウム吸着材の製造方法、セシウム吸着装置、およびセシウム除去方法は、プルシアンブルー類縁体の粒子をよりしっかりと担持することが可能であり、たとえば、プルシアンブルーを利用する、セシウム吸着材、セシウム吸着材の製造方法、セシウム吸着装置、およびセシウム除去方法に利用するために有用である。
1 プルシアンブルー類縁体
1a 粒子
2 非親水性繊維基材
2a 繊維
200 親水性繊維基材
200a 繊維

Claims (13)

  1. プルシアンブルー類縁体の粒子が、少なくとも部分的に、前記繊維基材の繊維の内部に埋め込まれた状態で担持されていることを特徴とする、セシウム吸着材。
  2. 前記繊維基材は、非親水性繊維基材であることを特徴とする、請求項1に記載のセシウム吸着材。
  3. 前記非親水性繊維基材の材質は、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリアミド類、およびポリアリーレン類の内の何れか一つであって、
    前記非親水性繊維基材は、前記繊維の繊維直径が1μm以下であるナノファイバー繊維基材であることを特徴とする、請求項2に記載のセシウム吸着材。
  4. 前記ポリオレフィン類は、ポリプロピレン(PP)、およびポリエチレン(PE)の内の何れか一つであり、
    前記ポリエステル類は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、およびポリ乳酸(PLA)の内の何れか一つであり、
    前記ポリアミド類は、ナイロン6(N6)、ナイロン6,6(N66)、およびナイロン12(N12)の内の何れか一つであり、
    前記ポリアリーレン類は、ポリフェニレンスルフィド(PPS)であり、
    前記ナノファイバー繊維基材は、ナノファイバー不織布であることを特徴とする、請求項3に記載のセシウム吸着材。
  5. 前記プルシアンブルー類縁体は、プルシアンブルーであることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載のセシウム吸着材。
  6. 繊維基材の原料を溶融する溶融ステップと、前記溶融された繊維基材の原料から柔軟状態の繊維基材を形成する柔軟基材形成ステップと、前記形成された柔軟状態の繊維基材から硬化状態の繊維基材を形成する硬化基材形成ステップと、を備えた、プルシアンブルー類縁体の粒子が担持されているセシウム吸着材の製造方法であって、
    ヘキサシアノ金属酸の無機塩、および遷移金属元素を含む無機化合物の内の一方を、前記溶融された繊維基材の原料、または前記形成された柔軟状態の繊維基材に添加する第一添加処理を行い、
    前記ヘキサシアノ金属酸の無機塩、および前記遷移金属元素を含む無機化合物の内の他方を、前記溶融された繊維基材の原料、前記形成された柔軟状態の繊維基材、または前記形成された硬化状態の繊維基材に添加する第二添加処理を行うことを特徴とする、セシウム吸着材の製造方法。
  7. 前記繊維基材は、非親水性繊維基材であり、
    前記第二添加処理においては、前記ヘキサシアノ金属酸の無機塩、および前記遷移金属元素を含む無機化合物の内の前記他方の水溶液で、前記形成された柔軟状態の繊維基材、または前記形成された硬化状態の繊維基材を処理することを特徴とする、請求項6に記載のセシウム吸着材の製造方法。
  8. 前記ヘキサシアノ金属酸の無機塩は、ヘキサシアノ鉄(II)酸のカリウム塩、およびヘキサシアノ鉄(II)酸のナトリウム塩の内の何れか一つであることを特徴とする、請求項6または7に記載のセシウム吸着材の製造方法。
  9. 前記遷移金属元素を含む無機化合物は、塩化第二鉄、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、および過塩素酸第二鉄の内の何れか一つであることを特徴とする、請求項6から8の何れかに記載のセシウム吸着材の製造方法。
  10. 前記繊維基材は、不織布、織布、または糸であることを特徴とする、請求項6から9の何れかに記載のセシウム吸着材の製造方法。
  11. 請求項1から5の何れかに記載のセシウム吸着材を備えることを特徴とする、セシウム吸着装置。
  12. 請求項11に記載のセシウム吸着装置を利用して、前記セシウム吸着材を、セシウムによって汚染された対象物に接触させ、
    前記対象物に接触させられたセシウム吸着材を回収することを特徴とする、セシウム除去方法。
  13. 請求項1から5の何れかに記載のセシウム吸着材を、セシウムによって汚染された対象物に接触させ、
    前記対象物に接触させられたセシウム吸着材を回収することを特徴とする、セシウム除去方法。
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