図1は、本発明の照明装置の実施の一形態を示す構成図であり、図1(A)は斜視図、図1(B)は断面図である。図中、1は柱状レンズ、2は光源、11は入射面、12は出射面、13は側面である。
柱状レンズ1は、対向する入射面および出射面が長手方向に延在する柱状の導光体である。柱状レンズ1の長手方向と直交する方向の断面形状の一例を図1(B)に示している。図1(B)に示した柱状レンズ1の例では、台形の短い側の底辺である上底が円弧状となった形状をしており、この円弧状の面が出射面12となる。台形の長い側の底辺である下底は、この例では平面であり、この面が入射面11となる。台形の脚は側面13を構成し、台形の下底から上底へ向けて、すなわち入射面11の側から出射面12の側へ向けて、断面の幅が狭くなっている。台形が等脚台形であり、その上底が円弧状の断面であるとよい。
光源2は、柱状レンズ1の入射面側に長手方向に複数配置されている。この光源2は、柱状レンズ1の入射面11による虚像が出射面12の曲率中心を含む予め決められた範囲となるように配置されている。それぞれの光源2は、例えばLEDや電球等の点光源であるとよいが、蛍光体を有する白色LEDやEL素子などの面積を有する発光素子でもよく、種々の発光素子を用いてもよいことは言うまでもない。
上述の照明装置の実施の一形態の構成について、さらに説明する。図2は、本発明の照明装置の実施の一形態における光の経路の一例の説明図である。図中、21は虚像、22は出射面の曲率中心である。光源2から放射された光は、柱状レンズ1の入射面11に入射する。ここでは一例として入射面11を平面とするが、この平面で光は屈折する。従って、入射面11が平面であっても集光効果がある。柱状レンズ1に入射した光が屈折することから、光源2の虚像が存在し、それを虚像21として破線で示している。
一方、柱状レンズ1の出射面12を円弧状としていることから、この円弧の中心を曲率中心22として示している。この照明装置の実施の一形態では、光源2の柱状レンズ1の入射面11による虚像が、出射面12の曲率中心を含む予め決められた範囲となるように、光源2を配置する。
ここでは説明のため、光源2の虚像21が曲率中心22となるように光源2が配置されているものとする。図2(A)には、柱状レンズ1の長手方向と直交する方向の、光源2を含む断面における光の経路の一例を示している。光源2から放射され、柱状レンズ1の入射面から入射した光は、出射面12へと進む。柱状レンズ1内に進入した光は、光源2の虚像21が曲率中心22にあることから、曲率中心22から放射状に延びる軌跡を進むことになる。そして、光が出射面12に到達する。
出射面12に到達した光は、曲率中心22からの光と考えてよく、円弧状の出射面12の法線方向から出射面12に入射することになる。従って、出射面12で屈折することなく、出射面12の法線方向に光が出射されることになる。
図2(B)には、柱状レンズ1の長手方向の、光源2を含む断面における光の経路の一例を示している。こうした長手方向の軸と直交しない光線を、スキュー光線と呼ぶことにする。また直交面と光線との角度をスキュー角と呼ぶことにする。光源2から放射された光は、柱状レンズ1の長手方向にも放射される。これらの光についても、屈折率などの入射条件に従って、入射面11で屈折して柱状レンズ1内に入射する。そして、出射面12に到達した光は、長手方向については、出射面12への入射角と屈折率とに従って屈折し、出射されることになる。
この際に、長手方向と直交する断面の方向については、上述したとおり屈折せず、また収差の影響も受けない。柱状レンズ1の曲率中心は、3次元空間内の直線(曲率中心軸)となり、出射面12での光線出射点と、曲率中心軸を含む3次元空間内の平面を考えれば、出射面の出射点の法線ベクトルは、この曲率中心を通るこの平面上にあり、曲率中心にある光源の虚像22から出射点に至る光線も、この平面上にある。これより、曲率中心から出射面12に到達する光線に対して、長手方向に直交する方向の屈折は発生しない。従って、長手方向に放射される光に対して従来発生していた収差による集光効果の影響が排除される。これにより、照明する対象までの距離によって光の強度は変化するものの、照明されている領域における照度分布は照明する対象までの距離によらなくなる。なお、入射面11での集光効果により、光源2を単独で使用する場合に比べて光量は増加している。
上述の説明では、光源2の虚像21が曲率中心22となるように光源2が配置されているものとしたが、収差による収束が許容される、出射面12の曲率中心22を含む予め決められた範囲で、光源2の位置を柱状レンズ1に近づけ、あるいは柱状レンズ1から遠ざけてもよい。
また、光源2と柱状レンズ1の入射面11との距離が大きくなるほど、光源2から放射されたスキュー光線に対する、虚像位置からのずれが大きくなり、入射面11で屈折した後の光線は曲率中心からずれが生じる。これにより、出射面12から出射される光についても法線方向以外の光が増加し、柱状レンズ1の長手方向に進行する光についても収差による集光作用が現れてくる。光源と入射面11との距離が小さくなるほど、光線の曲率中心からのずれも相似比で小さくなる。従って、光源2と柱状レンズ1の入射面11との距離は小さい方がよく、また、上述のように光源2の虚像21が出射面12の曲率中心22に近い方がよいことから、柱状レンズ1の入射面11と出射面12の距離や出射面12の曲率などを設計するとよい。
次に、柱状レンズ1の側面13について説明する。上述のように、柱状レンズ1では論理的には出射面12の法線方向から入射した光を法線方向に出射するものであり、この出射面12の法線方向から許容する誤差の範囲で光の入射および出射を行うことで柱状レンズ1の収差による収束を防いでいる。この出射面12の法線方向から許容する誤差の範囲の光以外の光が外部に漏れると、照明する領域の照度分布に影響することから、このような光については、外部に出射されないようにするとよい。そのために、側面13の角度および入射面11と出射面12の距離が、入射面11から入射した光線のうち、側面13に入射する光が全反射されるとともに、その反射光のうち出射面12に入射する光線が出射面12で全反射され、あるいは出射面12で屈折した光が照明領域にかからないような角度条件を満たすようにするとよい。
図3は、柱状レンズの側面に入射する光の経路の一例の説明図である。ここでは、柱状レンズ1として等脚台形の上底を円弧状にした断面形状を有している例を示しており、台形の脚となる面が側面13となる。この1対の側面13は、上述の条件を満たしているものとする。
光源2から放射された光は柱状レンズ1の入射面11で屈折して柱状レンズ1内に入射する。もちろん、入射面11の入射条件によって入射面11で反射され、柱状レンズ1内に入射しない光もある。
柱状レンズ1内に入射した光のうち、そのまま出射面12に向かう光については、上述したとおり、柱状レンズ1の長手方向と直交する断面においては出射面12の法線方向を含む範囲で出射面12に入射し、出射面12から出射されることになる。
柱状レンズ1内に入射し、斜めに設けられた側面13に向かった光は、上述の条件により側面13で全反射する。側面13で全反射した光は、出射面12および対向する側面13に向かうことになる。側面13で全反射した出射面12に向かった光は、上述した条件によって、出射面12で全反射か、あるいは出射面12で屈折した光が照明領域にかからないような角度で出射される。出射面12で全反射された場合、さらに、その光は最初に全反射した側面13と対向する側面13に向かい、やはり全反射されて入射面11へと戻り、出射される。従って、光源2から放射され、入射面11から柱状レンズ1内に入射して側面13に向かった光は、出射面12で出射されることはない。
側面13で全反射した対向する側面13に向かった光は、全反射される場合と外部へ漏れ出る場合がある。側面13から外部へ光が漏れ出たとしても、その方向は、出射面12から出射された光によって照明する領域の方向とは異なっており、照明する領域の照度分布に影響することはない。また、入射面11へ戻された光は、再び柱状レンズ1に戻される光もあり、光源2の光とともに利用される。
なお、上述の出射面12で全反射する条件が満たされていれば、柱状レンズ1内に入射して側面13に向かった光が、側面13や出射面12から漏れることはないが、ある程度の誤差を許容してもよい。もちろん、出射面12で屈折した光が照明領域にかからない条件では、出射面12から光が漏れ出ることになるが、照明領域にかかっていなければ、光が出射面12から漏れ出ても、その光によって照明領域の照度分布に影響することはない。
図4は、柱状レンズの別の例の説明図である。図中、14は傾斜部、15は基部である。図3で説明したが、柱状レンズ1として等脚台形の上底を円弧状にした断面形状の場合、側面13は台形の脚となり、傾斜面となる。側面13を上述の条件を満たす傾斜面としたことにより、側面13を透過した光や側面13で反射されて出射面12から出射された光が照明領域に入射しないようにしている。従って、側面13の出射面12に隣接する部分が傾斜していて上述の機能を有していればよく、側面13の入射面11に隣接する部分については異なる形状となっていてもよい。
この場合の例を図4に示している。図4に示した柱状レンズ1の例では、側面13として、出射面12に隣接する部分を傾斜部14とし、入射面11に隣接する部分を基部15として、それぞれ形状を異ならせている。少なくとも傾斜部14が上述の条件を満たしていればよい。なお、基部15の形状については、図示の形状に限られないことは言うまでもない。
従来は側面13によって光を出射面12に集め、側面13へ向かった光も照明に利用するように構成している。これに対して、この照明装置の実施の一形態では、側面13へ向かった光は出射しないようにしている。これによって、入射面11から出射面12へ向かう制御された光によって照明する領域の照度分布が乱されず、出射面12と照明対象の距離によって照度分布が変わることのない照明が行われる。
上述の本発明の照明装置の実施の一形態を用いた画像読取装置の実施の一形態について説明する。図5は、本発明の画像読取装置の実施の一形態を示す構成図である。図中、31は照明装置、32は画像担持体、33,34,35は反射鏡、36は光学部、37は受光部である。照明装置31は、上述の照明装置の実施の一形態で説明したものである。この照明装置31により画像担持体32を照明するが、その際に、画像担持体32に対して予め決められた角度範囲から照明光を照射する。照明光は柱状レンズ1の長手方向に延在する領域に照射されることになる。
照明装置31から照射された光により照明され、画像担持体32で反射された光を、反射鏡33,34,35及び光学部36を介して受光部37で受光し、画像担持体32上の画像を読み取る。受光部37としては1次元センサを用い、照明光が照射されている柱状レンズ1の長手方向の1次元の画像を読み取ることになる。柱状レンズ1の長手方向を、ここでは主走査方向とする。この主走査方向と直交する方向を副走査方向とする。画像担持体32を副走査方向に移動させながら、上述の1次元の画像の読取を繰り返して行い、2次元の画像を得る。
画像担持体32を移動させる際に、画像担持体32が浮き上がる場合や、画像担持体32の表面に凹凸が生じている場合など、照明装置31と画像担持体32との距離が変化する場合がある。このような場合、従来の照明装置では画像担持体32を照明している光量が変化する場合があった。照明の光量が変化すると受光部37で受光した際の光量が変化して出力される信号も変化し、例えば画像の明度や色に影響する。
この画像読取装置の実施の一形態では、上述の照明装置の実施の一形態で説明した照明装置を用い、画像担持体32に対して予め決められた角度範囲から照明光を照射して、照明装置31と画像担持体32との距離が変化しても照明の光量が変化しないようにしている。以下、この構成についてさらに説明する。
図6は、照明装置からの距離と光強度分布の一例の説明図である。上述した照明装置の実施の一形態で説明した照明装置31を用いる場合、円弧状の出射面12の法線方向に光が出射されるように構成している。従って、ある程度の広がりを有する照明光が照明装置31から出射されている。この光の広がりにより、照明装置31からの距離に従って光の強度は変化する。しかし、照明装置31からの距離が変わっても、照明領域内での照度変化は許容範囲以下に抑えられている。
図7は、照明装置から斜めに光を照射する場合の説明図である。ここでは、図中の0と記した位置に画像担持体32が存在する場合を基準として考える。また、画像担持体32の被読取面の対象点法線方向と照明装置31の方向との角度をθ、画像担持体32の被読取面の対象点と照明装置31の出射面12の曲率中心との距離をbとする。照明装置31を長手方向に光量分布を持たないよう、光源を複数個並べたものとした場合、照明系の光軸方向に対する、被読取面方向の照明方向角度をφとする。被読取面の対象点が、照明方向に正対した場合(θ=0)の、被読取面の対象点照度をI0=f(b,φ)とすると、画像担持体32の被読取面の対象点での照度Iは、I=I0×cosθ=f(b,φ)×cosθで表される。ここで、照明装置31を出射面12の曲率中心位置に光源2として理想的な線光源が存在する場合に置き換えると、角度θによらず、I0=K/bとなる。
図7で、被読取面の対象点法線の延長線に対する曲率中心までの距離をa0とすると、被読取面の浮き沈みに対してa0は変化せず、bはb=a0/sinθであってθに依存した変数となることから、I=K×cosθ×sinθ/a0=K×sin2θ/a0となって、θに依存した関数として表される。これをθで微分した値がcos2θに比例することから、cos2θが0となるθ=45度で、照度Iの変化分ΔIが0となり、この角度で被読取面の浮き沈みに対し、照度変化がなくなる。
本発明の実施の一形態の照明深度を、具体的な実際量を用いて算出する。被読取面の浮き沈み変化に対する照度変化を計算するため、実際の被読取面の浮き沈みの深度を表すdと、θの関係が、d×tanθ=a0となることから、Δd/d=−Δθ/(cosθ×sinθ)となる。この関係からb=25mm、d=a=17.7mmでΔd=±2mmに対する照明深度の変化を見積もると、θ=±3.24度に相当し、照度変化として−0.7%の精度が得られる。これが、実際の照明装置では、I=f(b,φ)×cosθと、照明方向角φの関数となり、図7の関係からΔθ=Δφとなる。従来の照明装置で見られる照明系光軸方向に光束が集中するような光量分布では、被読取面の浮き沈みで、曲率中心から被読取面に向かう角度φが変化した際に、f(b,φ)が大きく変化して照明深度が急激に小さくなる。柱状レンズがスキュー光線に対して収束する特性であった場合、照明光軸中心に光束が集光する特性となり、照明深度が小さくなる。一方、本発明の実施の一形態のように、柱状レンズの特性をスキュー光線に対して収束しない特性にすれば、照明光軸での広がり角φの変化Δφ=Δθ=±3度以内の変化に対して、f(b,φ)の変化が、光束が集中する場合に比べて小さくなり、理想線光源のような照明深度が得られる。
ここで、照明装置31は円弧状の出射面12を有しており、その出射面12の法線方向から予め決められた範囲で光が出射されるように構成されている。このことから、照明装置31から出射される光は、ある程度の広がりを有し、広がりの範囲では被照射面の法線に対する角度θが異なった光が出射されていることになる。
図7(B)には、画像担持体32と照明装置31との距離が変化した場合について示している。ここで、基準とする0と記した位置に画像担持体32が存在する場合の読取位置における法線方向と照明装置31の方向との角度をθとする。例えば画像担持体32がその読取面の法線の図中+と記した方向に変化した場合を考えると、画像担持体32と照明装置31との距離は、基準とする0と記した位置よりも短くなる。従って、図6で説明したように、光の強度は基準の位置よりも強くなる。
一方、画像担持体32の読取位置における法線方向と照明装置31の方向との角度はθ’となる。この角度θ’は、基準の位置での角度θよりも大きくなる。角度が大きくなると、単位面積あたりの光量は減少する。例えば、太陽の光を考えた場合、法線方向との角度が小さい日中よりも、角度が大きい夕方の方が光量が少ないことからも、容易に理解できよう。
このように、画像担持体32の位置が基準の位置から図中の+の方向、すなわち照明装置31に近づく方向にずれた場合、照明装置31からの光の強度は基準の位置に比べて増すが、照明装置31からの光の角度が基準の位置に比べて大きくなることにより単位面積あたりの光量は減少する。従って両者が相殺されることになる。先に述べた理想線光源の場合のθ=45度付近の特性では、増加分と減少分が相殺され、被読取対象点での照度が基準の位置における照度と変わらなくなる。また、上述のように光源2の虚像21を、柱状レンズの曲率中心を含む予め決められた範囲におくことで、スキュー光線に対する収束特性を緩和して、理想線光源の条件に近づけられ、画像担持体32の位置が+側に変化しても被読取対象点での照度が画像担持体32の基準の位置における照度と変わらない程度となる。
また、例えば画像担持体32がその被読取面の法線の図中−と記した方向に変化した場合を考えると、画像担持体32と照明装置31との距離は、基準とする0と記した位置よりも長くなる。従って、図6で説明したように、光の強度は基準の位置よりも弱くなる。一方、画像担持体32の被読取対象点における法線方向と照明装置31の方向との角度はθ”となる。この角度θ”は、基準の位置での角度θよりも小さくなる。角度が小さくなると、単位面積あたりの光量は増加する。
このように、画像担持体32の位置が基準の位置から図中の−の方向、すなわち照明装置31から離れる方向にずれた場合、照明装置31からの光の強度は基準の位置に比べて減少するが、照明装置31からの光の角度が基準の位置に比べて大きくなることにより単位面積あたりの光量は増加する。従って両者が相殺されることになる。上述のように光源2の虚像21を、柱状レンズの曲率中心を含む予め決められた範囲におくことで、スキュー光線に対する収束特性を緩和して、この光量の増加分と減少分が相殺され、画像担持体32の位置がマイナス側に変化しても被読取対象点での照度が基準の位置における照度と変わらなくなる。
なお、基準位置における画像担持体32の被読取面の法線方向と照明装置31との角度は、例えば45度を含む予め決められた範囲であるとよい。
図8は、照度及び照明角と離間方向距離の関係の一例の説明図である。上述の被照明面の法線に対する角度θ(以下簡便のため照明角θと呼ぶ)を具体的に設定する例として、前述した照度I=K×sin2θ/a0と、a0=d×tanθの関係から、照度Iと離間方向距離dの関係をグラフにしたのが、図8(A)である。このグラフを使って、標準の画像形成出力を監視する用途で被照明対象物を押し付ける対向面がある場合について、照明角θの設定を以下に説明する。この場合は、離間方向距離dの値が対向面距離以上になることはなく、それよりも短い距離での使用に限られる。
この場合、対向面に対応するdを、図8(A)における光量ピークとなる離間方向距離である18mmより長い、20mmに設定する。このように設定すると、照度ピークを挟んで20mm〜16mmの範囲が、照度変化のピーク値マイナス0.7%の照度変化の範囲での使用範囲となる。この場合、d=20mmに対応する照明角θは、図8(C)に示す離間方向距離dと照明角θの関係から、θ=41度となる。
また、照明と被照明対象物間にカバーガラスが挿入されると、ガラス面透過率の角度特性(照明角θが大きくなると表面反射の増加により透過率が下がる)から、図8(B)に示すように、離間方向距離dに対するピークが1mm程度移動し、離間方向距離が延びる側の照度変化特性も照度が増す方向に変化する。この場合で、さらに、照度変化を2%まで許容すると、対向面に対応する離間方向距離dを22mmに設定すれば、照度ピークを挟んで、22mm以下15mm以上の範囲が、照度変化のピーク値マイナス2%の範囲での使用範囲となる。この場合の離間方向距離d=22mmに対応する照明角θは、図8(C)から39度となる。
また、ガラス面が被照明対象物に近接した場合に、被照明対象物にあたった照明光が、ガラス面で反射され、被照明対象物に再度入射する現象が発生する場合がある。この場合には、ガラス面に近接した場合の照度増2%程度を含めて照明角を設定するとよい。
プラテンガラス上に被照明対象物を載置して読み取る用途では、離間方向距離は、プラテンガラス位置で決まる離間方向距離の最小値よりも長い方向に変化する。この場合には、ガラス面反射による光量増分2%を見込んで、離間方向距離dの標準を15mmに設定して、照明深度特性とガラス面反射の影響を相殺させるように設定する。この場合の15mmは、照明角50度に対応する。
図9は、光源2の虚像21を、柱状レンズの曲率中心を含む予め決められた範囲におくことで、スキュー光線に対する収束特性を緩和した照明装置31の、副走査方向の位置と光量との関係の一例の説明図である。ここでは光源として、理想線光源でなく、発光面の直径が2.4mmの白色LEDを、6mm間隔で配置したLEDアレイとした場合の光量シミュレーションを行った結果に基づいている。理想線光源の場合に比べ、深度特性は若干小さくなるものの、理想線光源とほぼ同等の特性が得られる。図7に副走査方向として示した方向の画像担持体32上の位置と光量の変化を、図7(B)に0,+,−として示した方向に照明装置31と画像担持体32との距離が変化した、異なる3つの場合について示した。なお、副走査方向の0と示した位置が被読取対象点となる。図9から、被読取対象点では画像担持体32と照明装置31との距離が変化しても、光量が変化していないことが分かる。従って、画像担持体32の移動中に浮きが生じた場合や、画像担持体32に凹凸が生じている場合など、照明装置31との距離が変化した場合でも、照明光の強度の変化が抑えられる。
さらに、上述の照明装置の実施の一形態では、光源2から柱状レンズ1の長手方向よりに放射された光が、柱状レンズ1のスキュー光線に対する収差が存在した場合でも、収束することが回避されている。また、この収差による収束の影響により、画像担持体32と照明装置31との距離の変化で照明される光量が僅かに変化するものの、スキュー光線による収束を緩和することで、画像担持体32と照明装置31との距離の変化による照明光の強度の変化が抑えられている。
なお、図9から、読取位置が副走査方向にずれても、照明装置31と画像担持体32との距離の変化による光量の変化が生じないことも分かる。従って、この画像読取装置の実施の一形態では、読取位置が副走査方向にずれた場合でも、そのずれが許容する誤差の範囲では、照明装置31と画像担持体32との距離の変化によって照明の光量が変化せずに読み取りが行われる。
この読取位置の許容ずれは、照明装置31における出射面12の曲率半径に依存する。曲率半径が小さくなるほど、読取位置の許容範囲は狭くなり、読取位置のずれとともに照明の光量が維持される距離の変化量も小さくなる。
図10、図11は、出射面の曲率半径の変化による特性変化の具体例の説明図である。ここでは、入射面−光源間距離を1.1mmとした際に、入射面11による虚像21の位置が出射面12の曲率中心となるように、曲率半径を10mmに対して柱状レンズ1の厚さを設定した最適条件を基準として光源2、入射面11の位置、出射面12の位置を固定している。この条件で、図10では、出射面12の曲率半径を10mmから小さくなる側に順次ずらしていった場合の特性変化の具体例を示し、図10(A)が曲率半径10mm、図10(B)が曲率半径8mm、図10(C)が曲率半径7mm、図10(D)が曲率半径5mmの場合をそれぞれ示している。また、図11では、上述の条件で、出射面12の曲率半径を、10mmから大きくなる側に順次ずらしていった場合の特性変化の具体例を示しており、図11(A)が曲率半径11mm、図11(B)が曲率半径15mm、図11(C)が曲率半径20mm、図11(D)が曲率半径50mmの場合をそれぞれ示している。また、それぞれのグラフにおける各曲線は、画像担持体32の浮き沈みによって、図7(B)に0,+,−として示した方向に照明装置31と画像担持体32との距離が変化した場合の特性変化を示しており、太線は±0mmの場合を、点線は−0.5mmの場合を、細線は+1.0mmの場合を、破線は+1.5mmの場合を、それぞれ示している。
副走査方向の照度分布を示すグラフの、副走査方向位置0mm前後での特性が、曲率半径の大きい領域では斜め直線傾向であるのに対し、曲率半径を小さくするに従い、次第に副走査方向照度分グラフの副走査位置0mm前後の特性は曲線傾向になってゆく。また、各曲線が重なる、画像担持体32の浮き沈みが生じても共通の照明深度がとれる範囲が狭くなっていく。
図12は、出射面12の曲率半径と副走査方向レンジ及び副走査中心部照度との関係の具体例の説明図である。上述の特性から、各曲率半径の条件で、各副走査方向位置での光量ばらつきが、4%以内に入る副走査方向位置レンジを長さで示したグラフが図12(A)である。出射面12の曲率中心を入射面11の虚像21の位置とした条件から、曲率半径が小さくなるに従って、光量ばらつきが4%以内となる副走査方向位置レンジが狭くなっていくことがわかる。
一方、副走査方向位置0mmで図10、図11から得た照度を比較した例が、図12(B)である。出射面12の曲率半径を小さくしていくほど光束の収束度が上がり、照度は上がっていく。
この照度と、深度方向照度変化(照明深度)の特性から、入射面11による光源の虚像21の位置が出射面12の曲率中心の位置となる基本構成から、照明深度精度と中心照度のどちらを重視して設計するかにより、曲率条件をずらしていけばよい。
図13は、本発明の照明装置の実施の一形態におけるスキュー光線の一例の説明図である。ここで、出射面12の曲率中心と光源の入射面11による虚像21の位置関係をずらしていった場合のスキュー光線の振る舞いを考察する。図13(A)には、複数配置されている光源2のうちの1つに注目して、光源2の中心を発して柱状レンズ1によるライトガイドの有効開口内を通過した光線が、照射面に照射された出射光線束を示す。スキュー光線に対する特性によりこの出射光線束の図上での縦方向の幅が変化する。
この出射された光線束の投射形状を決める光線束端の、図上での縦方向の幅を、以下に説明する光源2の出射角度に対して決定する。図13(B)に示す光源2の出射光軸に対する注目光線の3次元極座標の極角ξを、光源2からの出射角度とする。出射角度ξで光源2から発せられる光線は、光円錐の側面にあたる光線群となる。この光線群のうち入射面での屈折後に、出射面の有効出射端を通過する光線が、照射面にぶつかる位置で、図13(C)で示す出射角ξに対する出射光線束幅w(ξ)が決まる。
図14は、本発明の実施の一形態における照明装置の各寸法の説明図、図15は、曲率半径によるスキュー光線束の収束程度の一例の説明図、図16は、光源−入射面間距離によるスキュー光線束の収束程度の一例の説明図である。出射面12の曲率半径を変えた場合の出射角ξに対する出射光線束幅w(ξ)の変化の一例を図15に示す。ここでは、柱状レンズ長手方向軸に直交し、光源中心を含む面を子午面と呼び、この子午面での出射光線束幅w(ξ0)に対する出射角ξでの出射光線束幅w(ξ)との比を、w(ξ)/w(ξ0)として、縦軸にとっている。子午面での出射光線束幅w(ξ0)については図13にも示している。
入射面11での光源虚像位置を、出射面の曲率半径10mmとした場合の曲率中心位置におき、曲率半径をこの理想条件から順次短くして行った場合、出射角ξにより、上述の出射光線束幅の比が小さくなる傾向が強くなる。開口幅等の寸法は図14に示す。ここで、開口幅は4mmとする。
光源2の出射角に対する指向特性を標準的なランバート分布とした場合、光量が半値となる出射角ξ=60度を目安として比較する。入射面での光源近軸虚像位置を出射面曲率半径10mmの場合の曲率中心位置においたまま、出射面曲率半径を光源近軸虚像位置から出射面までの距離の1/2である5mmにすると、出射角60度における出射光線束幅比が1/5以下となり、ランバート角度60度で集光する傾向になる。曲率半径を10mmより小さくして、出射角が大きい場合の収束程度が大きくなると、光源2からの出射光が柱状レンズを通過した後の光線束が、光源2の光軸に集まる比率が高くなる。このことは、図10(D)などにおいて副走査方向の分布が変化して、副走査方向位置0mm前後での照度分布が曲線傾向になることに対応している。
この出射光線束幅比w(ξ)/w(ξ0)の関係を、入射面位置の条件について見る。光源の虚像位置は幾何光学での近軸近似を使って、光の屈折に関するスネルの法則n×sinξ=n’×sinξ’をn×ξ=n’×ξ’で近似することを前提として決定する場合、ランバート角度にまで光源出射角度ξが大きくなると、この近似からずれを生じる。従って、光源の入射面虚像位置(近軸近似の値)を出射面曲率中心としても、入射面11で屈折後の光線を逆光線追跡した光源光軸上の出射点(出射角ξでの虚像位置)は、近軸虚像位置より入射面11から遠ざかる方向にずれ、スキュー光線に対する出射面出射後の光束は子午面上の光束に比べて収束度合いが強くなる。
しかし、この近軸近似からの虚像位置ずれによる誤差は、入射面11から光源2までの距離に比例する。光源2から入射面11までの距離が小さいほど入射面11から遠ざかる距離が短くなり、入射面11から光源2までの距離が大きくなるにつれて、入射面11から遠ざかる距離が長くなる。
入射面11による近軸虚像位置が出射面の曲率中心となる条件で、光源−入射面間の距離を変えた場合に、出射角ξに対する出射光線束比w(ξ)/w(ξ0)の関係変化を、近軸近似からの誤差の影響として、図16に示す。光源−入射面間の距離が1.1mm程度であれば、これより距離が長い場合に比べて、近軸虚像位置と出射角ξに対する虚像位置のずれは小さい。光源−入射面間距離を、曲率半径の60%(3/5)にあたる6mmとすると、図15に示した曲率半径をずらした場合で、曲率半径を7mm以下とした場合に相当する特性となる。
曲率半径を小さく設計することと、光源−入射面間距離を長くすることは、照明深度特性に対しては等価な影響であるが、出射面曲率中心に入射面近軸虚像位置をおいた条件で光源−入射面間距離を長くする場合は子午面光束が収束されない分、照明光量は相対的に低くなるので、照明深度特性と照明光量のトレードオフの観点では、光源―入射面間距離を、各部の公差等のメカニカルな制約の範囲で短くするとよい。
図17は、本発明の画像読取装置の別の実施の形態を示す構成図である。図中、41は開口部である。図5に示した構成では、画像担持体32を移動させながら読み取る構成を示した。しかし、このような構成に限らず、照明装置の実施の一形態で説明した照明装置を用いる読取装置であれば、種々の読取方式であってよい。
一例として図17(A)に示した例では、画像担持体32を移動させずに、照明装置31および反射鏡33,34,35を移動させながら画像を読み取る構成を示している。この構成では、開口部41に設けられている載置面に画像担持体32を載置し、照明装置31により開口部41を通じて画像担持体32を照明し、画像担持体32のからの反射光を反射鏡33,34,35及び光学部36を介して受光部37で受光し、画像を読み取る。このような読取を、照明装置31と反射鏡33を移動させ、反射鏡34及び反射鏡35を照明装置31及び反射鏡33の半分の速度で移動させながら行えばよい。もちろん、画像担持体32を移動させながら画像を読み取る読取方式と兼用する構成も知られており、そのような構成であってもよい。
図17(B)に示した例では、反射鏡33,34,35を用いない構成の一例を示している。この構成の例でば、画像担持体32を移動させながら読取を行う。照明装置31によって画像担持体32を照明し、画像担持体32からの反射光を光学部36を介して受光部37で受光し、画像を読み取ればよい。
もちろん、このほかの読取方式であってもよいことは言うまでもない。いずれにしても、照明装置31として上述した本発明の照明装置の実施の一形態で説明した照明装置を用い、条件に従って斜めに照明することにより、画像担持体32の読取面がその読取面の法線方向に変化した場合でも読取面の照度が保たれ、照明深度が確保される。
図18は、本発明の画像読取装置の応用例を示す構成図である。図中、61−k,c,m,y,oは像形成部、62は中間転写体、63は二次転写部、64は給紙トレイ、65は搬送路、66は定着部、67は冷却部、68はデカーラ、69は読取部、70は排出部、71は反転路、72は折り返し路である。ここでは、本発明の画像読取装置の各実施の形態の応用例として、画像形成装置に内蔵された構成の一例を示す。このような構成では、画像読取装置は、画像形成装置で形成した画像を読み取って画像形成装置の状態を把握する用途で用いられる。
像形成部61−k,c,m,y,oは、それぞれ、K:黒、C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、o:光沢用の各色材を用いて中間転写体62上に画像を形成する。それぞれの像形成部61−k,c,m,y,oは、表面が感光性の誘電体で構成されている感光体ドラムと、その周囲に配置された帯電器、露光器、現像器、一次転写器、清掃器などを有している。また、各色材を収容した収容容器なども設けられている。
中間転写体62は、各像形成部61−k,c,m,y,oの一次転写器及び二次転写部63を通る環状の部材である。中間転写体62には、駆動部材の一例としてのドライブロール、張力付与部材の一例としてのテンションロール、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロール、従動部材の一例としての複数のアイドラロール、可動部材の一例としての複数のリトラクトロールなども設けられ、中間転写体62の動作が規制されている。さらに、中間転写体62の清掃器なども配置されている。
給紙トレイ64には、記録媒体が収容されている。この例では、2つの給紙トレイが設けられている。この給紙トレイ64から記録媒体が搬送路65へと供給され、記録媒体は搬送路65を搬送される。搬送路65には、バリ取りを行うバリ取り部や、通過する記録媒体の厚みを計測して記録媒体の重複状態、いわゆる重送を検知する検知部が配置されている場合がある。また、記録媒体の搬送方向に対する傾斜、いわゆるスキューを補正する補正ロールや、二次転写部63への記録媒体の搬送時期を調整するレジストレーションロールなどが配置されている。
さらに、搬送路65には二次転写部63が配置されており、中間転写体62に形成された画像が記録媒体に転写されて、記録媒体に画像が形成される。画像が形成された記録媒体は、さらに搬送路65に沿って搬送され、定着部66に送られる。定着部66では加熱により色材を溶融させ、また加圧して記録媒体に定着させる。さらにこの例では冷却部67が設けられており、定着部66で加熱された記録媒体を冷却している。
さらに、冷却部67の下流側には、記録媒体に圧力を加えて、記録媒体の湾曲、いわゆるカールを補正するデカーラ68が配置されている。そして、このデカーラ68の下流側には、記録媒体に記録された画像を読み取る読取部69が配置されている。
読取部69を通過した記録媒体は、排出部70から排出される。あるいは、反転路71を通じて折り返し路72で表裏が反転され、搬送路65へと送られて、記録媒体の反対面への画像の形成が行われる場合もある。
このような構成の画像形成装置で画像を形成する際には、各像形成部61−k,c,m,y,oの感光体ドラムや中間転写体62が回転し、その回転とともに感光体ドラムへの帯電器による帯電、露光器でレーザ光の照射による静電潜像の書き込み、現像器で色材による潜像の現像、現像された画像の一次転写器での中間転写体62〜の転写、清掃器による清掃などが行われる。中間転写体62には、各像形成部61−o,y,m,c,kからO,Y,M,C,Kの順に画像が転写されて積層される。
一方、給紙トレイ64から記録媒体が1枚ずつ取り出され、搬送路65へ送られる。バリ取り部によるバリの除去や、検知部による重送の検知、補正ロールによるスキューの補正、レジストレーションロールによる搬送時期の調整などが行われ、記録媒体が二次転写部63へと送られる。
記録媒体が二次転写部63へ送られると、各像形成部6161−k,c,m,y,oで中間転写体62に形成された画像が記録媒体に転写される。なお、転写後の中間転写体62は、清掃されて再び各像形成部6161−k,c,m,y,oによる画像の形成に利用される。
画像が転写された記録媒体は、定着部66で加熱、加圧されて画像が記録媒体に定着する。さらに、定着部66で加熱された記録媒体は冷却部67で冷却される。冷却後、デカーラ68で記録媒体に圧力を加えて、記録媒体の湾曲、いわゆるカールを除去して読取部69に送られ、読取部69で記録媒体に形成された画像を読み取る。そして、排出部70から画像が形成された記録媒体が排出される。あるいは、反転路71及び折り返し路72を通じて搬送され、表裏が反転されて、反対面への画像の形成に供される。
図19は、本発明の画像読取装置の応用例における読取部の一例の構成図であり、図19(A)は読取部の要部拡大図、図19(B)は読取位置の要部拡大図である。図中、81は基準ロール、82は読取部本体、83は光学系収容部、84は照射系収容部、85は照明部、86は読取位置、87はファン、91は開口、92は窓材、93は第1ミラー、94は第2ミラー、95は第3ミラー、96は結像部、97は受光部である。
この読取部69は、本発明の画像読取装置の各実施の形態で説明したものであり、基本的な読取方式は図5に示したものである。搬送路65を搬送される記録媒体の下面に接触する基準ロール81が設けられ、基準ロール81に対して搬送路65を挟んで、読取部本体82が配置されている。読取部本体82は、記録媒体の搬送方向および幅方向に延びる箱状の光学系収容部83と、光学系収容部83と搬送路65に挟まれて配置された照射系収容部84を有する。
照射系収容部84には、上述の本発明の照明装置の実施の一形態として説明した照明部85が配置されている。照明部85は、搬送路65上に予め設定された読取位置86に対して照明光を照射する。照明部85の構造及び配置については、上述したとおりであり、この例では記録媒体の法線方向と45度の角度をなす位置に1つずつ照明部85が配置されている。また、照射系収容部84には、照明部85を冷却するファン87が設けられている。
さらに照射系収容部84には、読取位置6の対向する位置に開口91が形成されており、開口91には、記録媒体からの反射光が透過する透明な窓材92が設けられている。
光学系収容部83には、第1ミラー93、第2ミラー94、第3ミラー95が設けられている。第1ミラー93は、窓材92を透過してきた記録媒体からの反射光を第2ミラー94へ向けて反射する。また第2ミラー94は、第1ミラーによる反射光を第3ミラー95へ向けて反射する。さらに第3ミラー95は、第2ミラー94による反射光を受光部97へ向けて反射する。
第3ミラー95で反射された光は、外乱や乱反射光等を遮光する遮光板などを介して結像部96に入射する。結像部96には、複数のレンズにより構成される結像レンズ群や赤外光を遮断するフィルタなどが設けられている。この結像部96で集光された光が受光部97の受光面に結像する。受光部97は、結像した記録媒体上の画像を読み取る。
この構成では、画像が形成された記録媒体が上述の画像担持体に対応し、上述した本発明の照明装置の実施の一形態で説明した照明装置が照明部85として用い、本発明の画像読取装置の各実施の形態で説明した構成により、記録媒体に形成された画像を読み取ることになる。上述の構成では、デカーラ68で記録媒体の湾曲を修正しているものの、基準ロール81上の読取位置86に搬送されてきた記録媒体の浮き上がりは生じる。画像形成装置の状態を検出する用途で用いる読取部69に対しては、読み取った色値に対する精度が要求されるが、従来は記録媒体の浮き上がりによる照明光量の変動などにより、読み取った色値が変動していた。本発明の照明装置の実施の一形態として説明した照明部85を用いると、照明深度がとれることから、記録媒体の浮き上がりが生じても照明光量の変動によって読み取った色値が変動せず、精度への要求が満たされる。なお、図19に示した画像形成装置の構成は一例であって、この構成に限られるものでないことは言うまでも無い。