JP2015179788A - 透明基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】密着性が強い遮光膜を有する小型のカバーガラスや近赤外線カットフィルタを、容易に製作可能な透明基板を提供すること。【解決手段】透明基板が、光が入射する入射面と、該入射面に入射した光が透過して出射される出射面とを表裏に備え、複数の光学素子が多面付けされた透明基板であって、各光学素子は、光が透過可能な透光部と、入射面及び出射面の少なくとも一方の面上に、透光部の外周を枠状に取り囲むように形成され、光の一部を遮光する遮光部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、固体撮像素子の前面に配置される透明基板であって、特に、固体撮像素子を収納するパッケージの前面に取り付けられ、固体撮像素子を保護すると共に透光窓として使用されるカバーガラスや、固体撮像素子の視感度補正に用いられる近赤外線カットフィルタ等の光学素子に用いられる透明基板に関する。
近年、CCDやCMOSなどの固体撮像素子を内蔵した撮像モジュールが携帯電話や情報携帯端末機器等に使用されている。このような撮像モジュールは、固体撮像素子を保護するセラミックや樹脂製のパッケージと、その前面に取り付けられ、固体撮像素子を封止するカバーガラスを備えている。
また、一般に、固体撮像素子は近紫外域から近赤外域にわたる分光感度を有しているため、撮像モジュールは、入射光の近赤外線部分をカットして人間の視感度に近くなるように補正する近赤外線カットフィルタを備えており、撮像モジュール全体のサイズを小さくするため、近赤外線カットフィルタとカバーガラスとを兼ねるような構成の近赤外線カットフィルタも提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の近赤外線カットフィルタは、板状の透明基材(例えば、赤外線吸収ガラス)と、透明基材の一方面に形成された誘電体多層膜からなる紫外・赤外光反射膜と、透明基材の他方面に形成された反射防止膜とを有している。
また、このような近赤外線カットフィルタ等の光学部品を固体撮像素子の前面(つまり、光路中)に配置すると、近赤外線カットフィルタの側面等で反射した光が固体撮像素子の撮像面に入射することにより、フレアやゴースト等が発生するといった問題が生ずるため、特許文献1に記載の近赤外線カットフィルタにおいては、紫外・赤外光反射膜上にさらに枠状の遮光層を形成し、ゴースト等の原因となる光の光路を遮断する対策が講じられている。
特開2013−068688号公報
このように、特許文献1に記載の近赤外線カットフィルタによれば、入射光の近赤外線部分をカットしつつ、ゴースト等の原因となる光の光路を遮断することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の近赤外線カットフィルタの遮光層は、紫外・赤外光反射膜上に光硬化性樹脂を塗布したり、Cr等の黒色の金属を蒸着して形成されるため、透明基材との密着性を強くできず、使用される環境によっては剥離してしまうといった問題がある。
また、特許文献1に記載の近赤外線カットフィルタのように、比較的大きなサイズ(40mm×40mm×0.3mm)の場合、高い精度で遮光層を形成することは比較的容易であるが、昨今の携帯電話や情報携帯端末機器等に使用される撮像モジュールのようにサイズが小さくなると、小型(例えば、5mm×5mm×0.2mm)の近赤外線カットフィルタが必要になり、ハンドリングが難しくなるため、これに精度良く、かつ高い生産性で遮光層を形成することは困難なものとなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型のカバーガラスや近赤外線カットフィルタ等の光学素子を製作可能な透明基板であって、透明基板との密着性が強い遮光層を有する透明基板を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の透明基板は、光が入射する入射面と、該入射面に入射した光が透過して出射される出射面とを表裏に備え、複数の光学素子が多面付けされた透明基板であって、各光学素子は、光が透過可能な透光部と、入射面及び出射面の少なくとも一方の面上に、透光部の外周を枠状に取り囲むように形成され、光の一部を遮光する遮光部とを備えている。
このような構成によれば、複数の光学素子が透明基板上に多面付けされるため、小型の光学素子であってもハンドリングが容易となり、遮光部を光学素子上に精度よく、かつ高い生産性で形成することが可能となる。また、遮光部が透明基板上に直接形成されるため、遮光部と透明基板との密着性を高めることが可能となる。
また、複数の光学素子が、二次元格子状に配置されることが好ましい。このような構成によれば、複数の光学素子を容易に分離することができ、高い生産性で製造することが可能となる。
また、遮光部は、金属又は樹脂の薄膜によって形成することができる。このような構成によれば、遮光性の高い遮光部を容易に形成することが可能となる。
また、光学素子は、固体撮像素子の光路中に配置される部材であり、透光部の面積が、固体撮像素子の受光面の面積よりも大きいことが望ましい。また、この場合、光学素子は、固体撮像素子を収容するパッケージの前面に配置されるカバーガラス、固体撮像素子に入射する光から近赤外線を除去する近赤外線カットフィルタ、又は固体撮像素子に入射する光から高い空間周波数を含む光を除去する光学ローパスフィルタであることが望ましい。
また、透明基板が、ガラス製のガラス基板であることが望ましい。また、この場合、ガラス基板が、Cu2+を含有するフツリン酸塩系ガラス、又はCu2+を含有するリン酸塩系ガラスからなる近赤外線吸収ガラスであることが望ましい。このような構成によれば、固体撮像素子に入射される光から近赤外線を除去することができるため、固体撮像素子の分光感度が人間の視感度に近くなるよう補正される。
また、透明基板は、複数の光学素子が形成された素子形成部と、該素子形成部の外周を枠状に取り囲むように形成された枠部とを有し、枠部には、複数の光学素子を個々に分離するための第1の指標が設けられていることが望ましい。このような構成によれば、第1の指標に基づいて裁断することにより、透明基板から個々の光学素子を容易に分離することができる。
また、各光学素子は、隣接する光学素子との間に所定の隙間を空けて配置されており、第1の指標が、隙間の位置に応じて配置されていることが望ましい。
また、枠部には、素子形成部における各光学素子の位置を二次元の座標で示すことが可能な第2の指標が設けられていることが望ましい。また、この場合、第2の指標は、各光学素子の行方向の位置を示す指標と、列方向の位置を示す指標とで構成されていることが望ましい。このような構成によれば、透明基板に多面付けされた光学素子の位置を容易に特定することが可能となり、例えば、各光学素子の検査結果を容易にデータ管理することが可能となる。
また、枠部には、透明基板を個々に識別可能な第3の指標が設けられていることが望ましい。また、この場合、第3の指標は、各透明基板に固有のシリアル番号であることが望ましい。
また、透明基板は、平面視において、非点対称な形状を有することが望ましい。このような構成によれば、透明基板に多面付けされた光学素子の位置を、透明基板の外形を基準に容易に特定することが可能となる。
また、透明基板は、複数の光学素子を覆う機能膜を更に備えることができる。また、この場合、機能膜は、反射防止、赤外線カット、紫外線カットの少なくとも1つ以上の機能を有する光学薄膜であることが望ましい。
以上のように、本発明によれば、密着性が強い遮光膜を有する小型のカバーガラスや近赤外線カットフィルタ等の光学素子を、容易に製作可能な透明基板が提供される。
図1は、本発明の実施形態に係る透明基板の平面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る透明基板に多面付けされたカバーガラスの構成を説明する図である。 図3は、本発明の実施形態に係る透明基板に多面付けされたカバーガラスを分離して搭載した固体撮像デバイスの構成を説明する縦断面図である。 図4は、本発明の実施形態に係る透明基板に設けられた裁断用マークの拡大図である。 図5は、本発明の実施形態に係る透明基板の製造方法を示す流れ図である。 図6は、本発明の実施形態に係る透明基板の第1の変形例の平面図である。 図7は、本発明の実施形態に係る透明基板の第2の変形例の平面図である。 図8は、本発明の実施形態に係る透明基板の第3の変形例の平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施形態に係る透明基板10の平面図である。本実施形態の透明基板10は、固体撮像素子200を収納するパッケージ300の前面に取り付けられ(図3)、固体撮像素子200を保護すると共に透光窓として使用されるカバーガラス100(光学素子)が多面付けされた、いわゆるワーク基板である。図2は、本実施形態の透明基板10に多面付けされたカバーガラス100の構成を説明する図であり、図2(a)は平面図であり、図2(b)は、縦断面図である。また、図3は、本実施形態のカバーガラス100によって、固体撮像素子200のパッケージ300の開口部が封止された固体撮像デバイス1の構成を説明する縦断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の透明基板10は、矩形板状の外観を呈するガラス基材101から構成され、略中央部にカバーガラス100が面付けされる矩形の面付け領域Z(素子形成部)が形成され、面付け領域Zを取り囲む縁部に枠部OFが形成されている。そして、面付け領域Zには、カバーガラス100が、6個(横方向)×6個(縦方向)の態様で面付けされている。なお、本実施形態のカバーガラス100は、6mm(横方向)×5mm(縦方向)のサイズを有し、縦及び横方向に0.2mmの隙間dを空け、二次元格子状に配置されており、隙間dに沿って裁断することで、最終的には36個のカバーガラス100が得られるように構成されている。このように、本実施形態の透明基板10においては、面付けされた各カバーガラス100が隙間dによって区画されており、隙間dは、カバーガラス100を個々に分離するための指標として機能すると共に、いわゆる切断代となっている。
図2に示すように、各カバーガラス100は、矩形板状の外観を呈しており、ガラス基材101と、ガラス基材101上に形成された遮光膜102とから構成されている。また、ガラス基材101の一方面(図2(b)において上側の面)は、カバーガラス100がパッケージ300に取り付けられたときに、固体撮像素子200に向かう光が入射する入射面101aとなっており、ガラス基材101の他方面(図2(b)において下側の面)は、入射面101aに入射した光が出射する出射面101bとなっている。
本実施形態のガラス基材101は、Cu2+を含有する赤外線吸収ガラス(Cu2+を含有するフツリン酸塩系ガラスまたはCu2+を含有するリン酸塩系ガラス)である。一般に、フツリン酸塩系ガラスは、優れた耐候性を有しており、ガラス中にCu2+を添加することで、可視光域の高い透過率を維持したまま近赤外線を吸収することができる。このため、ガラス基材101が固体撮像素子200に入射する入射光の光路中に配置されると、一種のローパスフィルタとして機能し、固体撮像素子200の分光感度が人間の視感度に近くなるよう補正される。なお、本実施形態のガラス基材101に用いられるフツリン酸塩系ガラスは、公知のガラス組成を用いることができるが、特に、Li、アルカリ土類金属イオン(例えば、Ca2+、Ba2+など)、希土類元素イオン(Y3+やLa3+など)を含有する組成であることが好ましい。また、本実施形態のガラス基材101の厚みは、特に限定されないが、小型軽量化を図る観点から、0.1〜1.5mmの範囲が好ましい。
遮光膜102は、Cr(クロム)の薄膜であり、入射面101aに入射する入射光の一部を遮光し、ゴースト等の原因となる不要光を除去する機能を有している。遮光膜102は、カバーガラス100を平面視したときに、ガラス基材101の外形に沿って枠状に形成される。つまり、本実施形態のカバーガラス100には、中央部に矩形状に形成され、入射面101aから入射する光が出射面101bに透過する透光部Tと、透光部Tを枠状に包囲するように形成され、入射面101aに入射する光を遮光する遮光部Sとが形成されている。
図3に示すように、各カバーガラス100は、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子200を収容するパッケージ300の前面(図3中上側)に取り付けられ、接着剤(不図示)によって固定される。カバーガラス100がパッケージ300に取り付けられると、固体撮像素子200に入射する入射光の光路中に配置されるが、上述したように、カバーガラス100には遮光部S(つまり、遮光膜102)が形成されているため、固体撮像素子に不要光が入射することはなく、ゴーストやフレアが発生することはない。なお、透光部Tと遮光部Sの大きさは、固体撮像デバイス1の外側に配置されるレンズ等の光学素子や、固体撮像素子200のサイズ及びカバーガラス100のサイズに合わせて適宜決定されるが、少なくとも透光部Tの面積が、固体撮像素子200の受光面の面積よりも大きくなるように構成される。
以上のように、本実施形態の透明基板10には、枠状の遮光膜102が形成された小型のカバーガラス100が36個多面付けされている。そして、本実施形態においては、透明基板10をワーク単位として製造することで、小型のカバーガラス100であってもハンドリングを向上させ、遮光膜102を透明基板10上に精度よく、かつ高い生産性で形成している。また、本実施形態の遮光膜102は、ガラス基材101上に直接形成されるため、ガラス基材101との密着性が強く、剥離し難い構成になっている。
なお、図1に示すように、本実施形態の透明基板10においては、各隙間dの延長線上(つまり、枠部OF上)と、面付け領域Zの各辺の延長線上(つまり、枠部OF上)に、面付け領域Zを挟んで、それぞれ一対の裁断用マーク103(第1の指標)が形成されている。図4は、図1に示す裁断用マーク103の拡大図である。図1及び図4に示すように、本実施形態の裁断用マーク103は、遮光膜102と同様のプロセス(つまり、Crの薄膜)で形成される、長さ0.2mm、幅0.02mmの縦線と横線で構成された十字状の黒色のマークであり、面付け領域Zから1mm離れた位置にそれぞれ形成されている。このように、本実施形態の透明基板10には、各隙間d及び面付け領域Zの各辺に沿って裁断用マーク103を形成されているため、各カバーガラス100を裁断する際には、カッターの刃を裁断用マーク103に合せることで、各カバーガラス100を正確に裁断することができる。
また、本実施形態の透明基板10においては、枠部OF上に、カバーガラス100の面付け位置(つまり、二次元の座標)を示す指標104a〜104fと、指標105a〜105f(第2の指標)が設けられている。図1に示すように、本実施形態においては、指標104a〜104fは各カバーガラス100の列方向の位置(つまり、座標)を示す指標であり、指標105a〜105fは各カバーガラス100の行方向の位置(つまり、座標)を示す指標である。また、透明基板10の右下には、各透明基板10に固有のシリアル番号SN(第3の指標)が刻印されている。指標104a〜104f、指標105a〜105f、及びシリアル番号SNは、後述する検査工程において、良品又は不良品と判断されたカバーガラス100のデータ管理に用いられる。なお、本実施形態においては、指標104a〜104fは、遮光膜102と同様のプロセス(つまり、Crの薄膜)で形成されるアルファベット「A」〜「F」であり、指標105a〜105fは、遮光膜102と同様のプロセス(つまり、Crの薄膜)で形成される数字「1」〜「6」であるが、透明基板10内(つまり、面付け領域Z内)において各カバーガラス100の位置を二次元の座標で特定することができるものであれば、他の指標を用いることもできる。また、本実施形態のシリアル番号SNは、各透明基板10を管理するために、ガラス基材101を成形した際に、ガラス基材101上に直接刻印されるものであるが、各透明基板10を個々に識別できるものであれば、シリアル番号SN以外の指標を用いることもできる。
次に、本実施形態の透明基板10の製造方法について説明する。図5は、本実施形態に係る透明基板10の製造方法を示す流れ図である。図5(a)は、透明基板10の製造工程を示すフローチャートであり、図5(b)は、各製造工程に対応した透明基板10の平面拡大図であり、図5(c)は、各製造工程に対応した透明基板10の断面拡大図である。なお、図5(b)及び図5(c)においては、説明の便宜のため、透明基板10の面付け領域Zの一部のみを示している。また、理解を容易にするために、図5(b)においては、構成要素の一部に濃淡をつけ、図5(c)においては、構成要素の一部を強調して示している。
(ガラス基板の成形)
ガラス基板の成形工程では、所望の光学特性を備えたガラス組成からなるガラス板を用意し、外形寸法が最終形状(つまり、透明基板10の形状)と略同一となるように、公知の切断方法にて切断する。切断方法は、ダイヤモンドカッターにて切断線を刻設した後に折り割りする方法や、ダイシング装置にて切断する方法がある。なお、この工程で用いるガラス板は、ラッピングなどの粗研磨によって、最終形状に近い板厚寸法まで加工されたものを用いてもよい。ガラス板が切断されると、洗浄され、ガラス基材101が得られる。
(Cr薄膜の形成)
Cr薄膜の形成工程では、ガラス基材101上に、スパッタリング法や真空蒸着法等によって、遮光膜102のベースとなる、膜厚約0.1μmのCr薄膜を形成する。
(レジストコート・ベーキング)
レジストコート・ベーキング工程では、Cr薄膜の表面に、フォトレジストを塗布し、所定の時間ベーキングを行う。フォトレジストは、紫外又は赤外の波長領域の光によって溶解性が変化するものであればよく、特に材料は制限されない。また、フォトレジストの塗布方法としては、周知のスピンコート法、ディップコート法等を適用することができる。
(露光・レジスト現像)
露光・レジスト現像工程では、先ず、遮光膜102、裁断用マーク103、指標104a〜104f、指標105a〜105fがパターンニングされたフォトマスク(不図示)を介して、フォトレジストに光を照射する。そして、フォトレジストに応じた現像液を用いて、フォトレジストを現像し、遮光膜102、裁断用マーク103、指標104a〜104f、指標105a〜105fのパターンに応じたレジストを形成する。
(パターンニング)
パターンニング工程では、Cr剥離剤に浸漬して、レジストが形成されていない部分のCr薄膜をエッチングし、Cr薄膜によって遮光膜102、裁断用マーク103、指標104a〜104f、指標105a〜105fのパターンを形成する。
(レジスト剥離)
レジスト剥離工程では、アルコール等のレジスト剥離剤に浸漬して、レジストを剥離する。これによって、ガラス基材101上には、遮光膜102、裁断用マーク103、指標104a〜104f、指標105a〜105fが形成され、カバーガラス100が多面付けされたものとなる。
(検査工程)
検査工程では、ガラス基材101上に面付けされた各カバーガラス100について、遮光膜102の厚さや形状等、様々な項目について検査され、良品又は不良品の判断が行われる。そして、良品及び不良品の判断結果は、指標104a〜104f及び指標105a〜105fで特定されるカバーガラス100の番地情報(つまり、二次元の座標)と、ガラス基材101上に刻印されたシリアル番号SNと共にデータ管理され、不良品と判断されたカバーガラス100が、裁断された後に使用されることがないようになっている。なお、検査工程において不良と判断されたカバーガラス100については、誤って使用されることがないように、スタンプや刻印等でマーキングを行ってもよい。
以上のように、本実施形態の透明基板10の製造方法によれば、カバーガラス100に応じた36個の遮光膜102が透明基板10上に同時に形成されて、カバーガラス100が面付けされる。従って、従来のようなカバーガラス100毎に遮光膜102を形成する方法と比較して、ハンドリングが容易で、また高い精度の遮光膜102を形成することができる。
以上が本発明の実施形態の説明であるが、本発明は、上記の実施形態の構成に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、本実施形態においては、ガラス基材101が、Cu2+を含有する赤外線吸収ガラス(Cu2+を含有するフツリン酸塩系ガラスまたはCu2+を含有するリン酸塩系ガラス)であるとしたが、可視波長領域で透明な材料から適宜選択でき、例えば、硼珪酸ガラスや、水晶、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂等を使用することもできる。
また、本実施形態の透明基板10には、6個(横方向)×6個(縦方向)のカバーガラス100が面付けされているとしたが、このような構成に限定されるものではなく、面付け数は、カバーガラス100のサイズ等に応じて適宜変更される。
また、本実施形態の透明基板10は、カバーガラス100が多面付けされた構成のものとしたが、同様に、固体撮像素子200に入射する光から近赤外線を除去する近赤外線カットフィルタ、又は固体撮像素子200に入射する光から高い空間周波数を含む光を除去する光学ローパスフィルタが多面付けされた構成とすることもできる。なお、近赤外線カットフィルタを構成する場合、本実施形態の透明基板10と同様のガラス基材101を用いることができ、その厚みは、0.1〜1.5mmの範囲であることが好ましい。また、光学ローパスフィルタを構成する場合、水晶や硼珪酸ガラスからなる透明基板10を用いればよく、その厚みは、0.1〜3.0mmの範囲であることが好ましい。
また、本実施形態においては、ガラス基材101の入射面101a側に遮光膜102が形成されるものとして説明したが、遮光膜102は、出射面101b側に形成されてもよく、また入射面101aと出射面101bの両面に形成されてもよい。
また、本実施形態のカバーガラス100には、遮光膜102のみが形成されるものとして説明したが、このような構成に限定されるものではなく、遮光膜102を覆うように、反射防止膜、赤外線カット膜、紫外線カット膜の少なくとも1つ以上の機能を有する光学薄膜を成膜してもよい。また、カバーガラス100の遮光膜102が形成されていない側の面(つまり、出射面101b)に、反射防止膜、赤外線カット膜、紫外線カット膜の少なくとも1つ以上の機能を有する光学薄膜を成膜してもよい。このような、機能膜は、上記のレジスト剥離工程の後、例えばスパッタリング法や真空蒸着法によって、透明基板10全体(つまり、面付けされた全てのカバーガラス100)に一度に成膜できるため、効率よく、かつ性能のバラツキの少ない機能膜を構成できる。
また、本実施形態においては、遮光膜102は、スパッタリング法や真空蒸着法等によって形成されるCr薄膜であると説明したが、このような構成に限定されるものではない。遮光膜102としては、Cr以外にも、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Ni(ニッケル)、Ti(チタン)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)などの金属材料や、カーボンなどの黒色顔料が分散された樹脂材料、又は、光透過性を有する複数色の着色層が積層された樹脂材料を用いることができる。なお、樹脂材料を用いる場合には、遮光膜102を公知のスクリーン印刷等によって形成することができ、上述したレジストコート・ベーキング工程、露光・レジスト現像工程、パターンニング工程、レジスト剥離工程が不要となる。
また、本実施形態の裁断用マーク103は、十字状の黒色のマークであるとしたが、マークの図形中心点もしくは図形中心線が、目視もしくは画像認識できればよく、例えば、T字状、L字状、I字状、丸状(●)、四角状(■)、ひし形状(◆)等、様々な形状のマークを適用することができる。
また、本実施形態の透明基板10は、矩形板状のガラス基材101から構成されるものとして説明したが、このような構成に限定されるものではない。図6〜図8は、それぞれ本実施形態の透明基板10の第1〜第3の変形例を示す平面図である。
〈第1の変形例〉
図6に示すように、本変形例の透明基板10Aは、ガラス基材101Aの左上隅が斜めに切り欠かれ、切欠部110Aが形成されている点で本実施形態の透明基板10と異なる。また、本変形例の透明基板10Aにおいては、カバーガラス100の面付け位置(つまり、二次元の座標)を示す指標104a〜104fと、指標105a〜105fが設けられていない点で本実施形態の透明基板10と異なる。
このように、透明基板10Aに切欠部110Aを設けると、透明基板10Aが非点対称な形状となるため、透明基板10Aは方向性を有することとなる。従って、例えば、切欠部110Aに最も近いカバーガラス100を基準に二次元の座標を構成することとすれば、各カバーガラス100の位置を特定することができるため、本実施形態の透明基板10のように面付け位置(つまり、二次元の座標)を示す指標104a〜104f、及び指標105a〜105fを設ける必要がなくなる。
〈第2の変形例〉
図7に示すように、本変形例の透明基板10Bは、カバーガラス100の行方向と平行なオリエンテーションフラット110Bが形成された略円盤状のガラス基材101Bから構成されており、48個のカバーガラス100が多面付けされている点で本実施形態の透明基板10と異なる。また、本変形例の透明基板10Bにおいては、第1の変形例の透明基板10Aと同様、カバーガラス100の面付け位置(つまり、二次元の座標)を示す指標104a〜104fと、指標105a〜105fが設けられていない点で本実施形態の透明基板10と異なる。
このように、略円盤状の透明基板10Bにオリエンテーションフラット110Bを設けると、透明基板10Bが非点対称な形状となるため、透明基板10Bは方向性を有することとなる。従って、例えば、オリエンテーションフラット110Bを下向きにしたときに、最上段左側に位置するカバーガラス100を基準(つまり、1番目)として、各カバーガラス100を所定の方向に数え、順に所定の番地を付与することとすれば、透明基板10B内において各カバーガラス100の位置を特定することができる。従って、本変形例の透明基板10Bにおいても、第1の変形例の透明基板10Aと同様、本実施形態の透明基板10のように面付け位置(つまり、二次元の座標)を示す指標104a〜104f、及び指標105a〜105fを設ける必要がない。
〈第3の変形例〉
図8に示すように、本変形例の透明基板10Cは、第2の変形例のオリエンテーションフラット110Bに代えて、カバーガラス100の列方向を示すノッチ110Cが形成されている点で第2の変形例の透明基板10Bと異なる。
このように、略円盤状の透明基板10Cにノッチ110Cを設けても、透明基板10Cが非点対称な形状となり、透明基板10Cは方向性を有することとなる。従って、本変形例の透明基板10Cにおいても、第2の変形例の透明基板10Bと同様、透明基板10C内において各カバーガラス100の位置を特定することができ、本実施形態の透明基板10のように面付け位置(つまり、二次元の座標)を示す指標104a〜104f、及び指標105a〜105fを設ける必要がない。
なお、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 固体撮像デバイス
10、10A、10B、10C 透明基板
100 カバーガラス
101、101A、101B、101C ガラス基材
101a 入射面
101b 出射面
102 遮光膜
103 裁断用マーク
104a、104b、104c、104d、104e、104f 指標
105a、105b、105c、105d、105e、105f 指標
110A 切欠部
110B オリエンテーションフラット
110C ノッチ
200 固体撮像素子
300 パッケージ

Claims (16)

  1. 光が入射する入射面と、該入射面に入射した光が透過して出射される出射面とを表裏に備え、複数の光学素子が多面付けされた透明基板であって、
    前記各光学素子は、
    前記光が透過可能な透光部と、
    前記入射面及び前記出射面の少なくとも一方の面上に、前記透光部の外周を枠状に取り囲むように形成され、前記光の一部を遮光する遮光部と、
    を備えることを特徴とする透明基板。
  2. 前記複数の光学素子が、二次元格子状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の透明基板。
  3. 前記遮光部は、金属又は樹脂の薄膜によって形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の透明基板。
  4. 前記光学素子は、固体撮像素子の光路中に配置される部材であり、
    前記透光部の面積が、前記固体撮像素子の受光面の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の透明基板。
  5. 前記光学素子は、前記固体撮像素子を収容するパッケージの前面に配置されるカバーガラス、前記固体撮像素子に入射する光から近赤外線を除去する近赤外線カットフィルタ、又は前記固体撮像素子に入射する光から高い空間周波数を含む光を除去する光学ローパスフィルタであることを特徴とする請求項4に記載の透明基板。
  6. 前記透明基板が、ガラス製のガラス基板であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の透明基板。
  7. 前記ガラス基板が、Cu2+を含有するフツリン酸塩系ガラス、又はCu2+を含有するリン酸塩系ガラスからなる近赤外線吸収ガラスであることを特徴とする請求項6に記載の透明基板。
  8. 前記透明基板は、前記複数の光学素子が形成された素子形成部と、該素子形成部の外周を枠状に取り囲むように形成された枠部と、を有し、
    前記枠部には、前記複数の光学素子を個々に分離するための第1の指標が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の透明基板。
  9. 前記各光学素子は、隣接する光学素子との間に所定の隙間を空けて配置されており、
    前記第1の指標が、前記隙間の位置に応じて配置されていることを特徴とする請求項8に記載の透明基板。
  10. 前記枠部には、前記素子形成部における前記各光学素子の位置を二次元の座標で示すことが可能な第2の指標が設けられていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の透明基板。
  11. 前記第2の指標は、前記各光学素子の行方向の位置を示す指標と、列方向の位置を示す指標とで構成されていることを特徴とする請求項10に記載の透明基板。
  12. 前記枠部には、前記透明基板を個々に識別可能な第3の指標が設けられていることを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか一項に記載の透明基板。
  13. 前記第3の指標は、前記各透明基板に固有のシリアル番号であることを特徴とする請求項12に記載の透明基板。
  14. 前記透明基板は、平面視において、非点対称な形状を有することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の透明基板。
  15. 前記透明基板は、前記複数の光学素子を覆う機能膜を更に備えることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の透明基板。
  16. 前記機能膜は、反射防止、赤外線カット、紫外線カットの少なくとも1つ以上の機能を有する光学薄膜であることを特徴とする請求項15に記載の透明基板。

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