JP2006301488A - 撮像光学系用近赤外線カットフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

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弘毅 国井
Kazutoshi Mukai
和俊 迎
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Abstract

【課題】加工性及び形状の多様性に優れた撮像光学系用近赤外線カットフィルタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】撮像光学系用近赤外線カットフィルタの製造方法は、透明樹脂フィルムからなるシート状の基材1を用意する準備工程と、基材1の片面又は両面に可視光線を透過し近赤外線を阻止するコーティングCを形成する成膜工程と、コーティングCが施されたシート状の基材1を打抜き加工又は型抜き加工して、所望の外形を有するフィルタ素子10を複数個作成する加工工程とを有する。例えば成膜工程は、コーティングの少なくとも一部として、屈折率の異なる2種以上の薄膜を交互に積層してなり、可視光線領域で高透過特性を示すとともに近赤外線領域で低透過特性を示す光学多層膜を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、カメラやビデオなどのデジタル撮像光学系に使用する近赤外線カットフィルタ及びその製造方法に関する。
ビデオカメラや電子スチルカメラなどでは、光学的画像データを電気信号に変換する為にカラーCCD素子が使用されている。CCD素子は人間の目の感度(一般に人間の可視領域は400nm〜700nmである)とは異なり、近赤外線領域の1100nm付近まで高い感度を有している。したがって人間の目で見た色調バランスを再現する為には不要光となる近赤外線をカットし、可視光線を取り出すフィルタを用いて光のトリミングを行う必要がある。この様な目的で近赤外線カットフィルタが用いられる。
赤外線カットフィルタは様々な構造が開発されているが、大別すると3種類に分けられる。第1に、ガラスまたは樹脂からなる基材に金属錯体を保持し、その吸収を利用した近赤外線カットフィルタが知られており、例えば以下の特許文献1及び2に記載がある。第2に、透明な基材の表面に屈折率の異なる2種以上の誘電体薄膜を交互に積層配置してなる多層膜を形成し、この多層膜による光の干渉効果を利用した近赤外線カットフィルタが知られており、例えば以下の特許文献3及び4に記載がある。第3に、染料あるいは顔料の吸収を利用した近赤外線カットフィルタが知られており、例えば以下の特許文献5及び6に記載がある。
特開平07‐281021号公報 特開平11‐160529号公報 特開2000‐314808公報 特開2003‐029027公報 特開2001‐133623公報 特開2003‐227922公報
近年、携帯用途を中心として、撮像光学系を小型化、薄型化及び軽量化したいという市場での要求が益々強くなり、使用する光学部品の全てにわたって同様のことが求められている。近赤外線カットフィルタでもその小型化、薄型化及び軽量化が望まれている。市場の要求に応える上で、上述した従来の技術の近赤外線カットフィルタでは加工性や形状の多様性といった点で問題が残されている。
特許文献1の近赤外線カットフィルタはガラス基材中に遷移金属錯体を保持している。特許文献3及び特許文献4に記載の近赤外線カットフィルタはガラス基材の表面に光学多層膜を成膜している。いずれも基材としてガラス材料を使用している事から加工性に劣り、複雑な形状への加工は困難である。また加工後に洗浄作業が必要となり、工程数が増える。加えて、加工/組み立ての作業時に、ガラス基材のワレ/カケなどが発生するという課題がある。
特許文献2に記載された近赤外線カットフィルタは、ガラス基材に代えて樹脂基材を用いている。しかしながら、ガラス基材と異なり樹脂基材は近赤外線吸収成分である金属錯体の添加濃度に限界があり、市場で要求される充分な近赤外線阻止特性を出す為には、0.4mm程度の樹脂基材厚みが必要になる。したがって、特許文献2の赤外線カットフィルタでは成形加工を取る必要があり、光学面の精度を維持する事が難しい上、加工費用も高くなる。
特許文献5や6に記載された近赤外線カットフィルタは、染料/顔料の吸収を利用しているが、本来これらの近赤外線カットフィルタは大画面を有するプラズマディスプレイ用に開発されたもので、撮像光学系用としては光学特性が不十分であり、使用する事はできない。
上述した従来の技術の課題に鑑み、本発明は加工性及び形状の多様性に優れた撮像光学系用近赤外線カットフィルタ及びその製造方法を提供する事を目的とする。かかる目的を達成するために以下の手段を講じた。即ち本発明の撮像光学系用近赤外線カットフィルタの製造方法は、透明樹脂フィルムからなるシート状の基材を用意する準備工程と、該基材の片面又は両面に可視光線を透過し近赤外線を阻止するコーティングを形成する成膜工程と、該コーティングが施されたシート状の基材を打抜き加工又は型抜き加工して、所望の外形を有するフィルタ素子を複数個作成する加工工程とを有する。
好ましくは前記準備工程は、PET,PEN,TAC,PMMA又はオレフィン系の透明樹脂フィルムからなる基材を用意する。又前記成膜工程は、該コーティングの少なくとも一部として、屈折率の異なる2種以上の薄膜を交互に積層してなり、可視光線領域で高透過特性を示すとともに近赤外線領域で低透過特性を示す光学多層膜を形成する。
又本発明にかかる撮像光学系用近赤外線カットフィルタは、透明樹脂フィルムからなる基材と、該基材の片面又は両面に形成され可視光線を透過し近赤外線を阻止するコーティングとからなり、あらかじめ該コーティングが施されたシート状の該基材から、打抜き加工又は型抜き加工により切り出された所望の外形形状を有することを特徴とする。
好ましくは前記打抜き加工又は型抜き加工により切り出された基材は、角部に丸みのついた外形形状を有する。又前記打抜き加工又は型抜き加工により切り出された基材は、組付け用の案内部がついた外形形状を有する。
本発明によれば、厚さが例えば30〜250μmの透明樹脂フィルムを基材に用い、片面または両面に近赤外線阻止機能を持つコーティングを形成し、打抜き法または型抜き用により形状加工を行う事で、撮像光学系用近赤外線カットフィルタを作成している。従来のフィルタと比較して、加工が容易且つ安価で自由な形状が得られ、加工及び組み立て時にワレ/カケのない、近赤外線カットフィルタを得る事ができる。ちなみに、撮像光学系用途としては、近赤外線カットフィルタの光学特性は、波長範囲400〜600nmにおいて最大透過率が80%以上、波長範囲750〜1000nmにおいて最大透過率が10%以下であり、ヘイズ値が2%以下である事が好ましい。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明にかかる撮像光学系用近赤外線カットフィルタの製造方法を示す模式図である。(A)に示すように、本発明にかかる撮像光学系用近赤外線カットフィルタの製造方法は、基本的に準備工程と成膜工程と加工工程とからなる。準備工程では、透明樹脂フィルムからなるシート状の基材1を用意する。続いて成膜工程では、基材1の片面または両面に可視光線を透過し近赤外線を阻止するコーティングCを形成する。最後に加工工程では、コーティングCが施されたシート状の基材1を打抜き加工または型抜き加工して、所望の外形を有するフィルタ素子(近赤外線カットフィルタ)10を作成する。好ましくは、前記準備工程では、PET,PEN,TAC,PMMAまたはオレフィン系の透明樹脂フィルムからなる基材1を用意する。樹脂フィルムの厚みは30〜250μm程度が好ましい。このように本発明では生産性を考慮して、ある程度大きな基材1を用意し、これに近赤外阻止機能を有するコーティングCを施し、さらに要求される形状(図示の例では円形)に打抜き加工または型抜き加工して、近赤外線カットフィルタ10を複数個作成している。近赤外線カットフィルタ10に要求される形状に合わせて、自由なレイアウトで基材1を加工する事ができる。
(B)は加工工程を示す模式図である。図示するように、シート状の基材1をX方向及びY方向に移動させながら、打抜き用もしくは型抜き用のヘッド4を基材1に対してZ方向に上下移動する事で、例えば(A)に示した円形の近赤外線カットフィルタ10を順次作成する事ができる。図示の例では、基材1をX及びY方向に移動する方式を示したが、これに代えて基材1を固定する一方ヘッド4をX方向及びY方向に送る方式を採用しても良い。
打抜き加工で近赤外線カットフィルタ10を作成する場合、これに用いるヘッド4は基本的にプレス抜きの刃具からなる。例えば(A)に示した円形の近赤外線カットフィルタ10を打ち抜く場合には、円柱状のプレス刃具をヘッド4として加工機に装着する。
型抜き加工で近赤外線カットフィルタ10を作成する場合には、型抜き用の刃具をヘッド4として装着する。例えば(A)に示した円形の近赤外線カットフィルタ10を作成する場合、打抜き加工では円柱状の刃具を用いるが、型抜き加工ではこれに代えて円筒状の刃具を用いる。一般に型抜き加工は、紙、フィルム、フェルトなど比較的に薄い軟材やゴム、発泡品(スポンジ)プラスチック容器、各種機能フィルム(PET、偏光・遮光・反射・拡散フィルム)、合板、板紙などの重みのある硬材などを定められた形状の刃具を使って切断する加工である。型抜き用の刃具は一般にトムソン刃型あるいはビク刃型と呼ばれている。特に紙器関係に使われている。この刃型には、チタン材を使ったもの、化学的処理し刃付けした寸法精度の高いものなどが使用されている。
図2は、近赤外線カットフィルタの製造方法の参考例を示す模式図である。この参考例では、シート状のガラス基材1が用いられている。ガラス板の基材1を用いると、本発明のように打抜き加工あるいは型抜き加工が使えない。そこで参考例ではいわゆるダイシング加工で個々の近赤外線カットフィルタを切り出している。具体的には、ダイヤモンド微粒子が表面に固定された回転刃5に対してガラス基材1をX方向及びY方向に移動する事で個々のフィルタ形状に加工する。しかしながら、このダイシング方式では複雑な形状の加工はできず、単純な矩形の近赤外線カットフィルタ素子しか得られない。ダイシング加工ではカケやチッピングが発生し、洗浄が必要になるなどの欠点がある。
図3は、本発明にしたがって製造された近赤外線カットフィルタの実施例を示す模式的な平面図である。基本的に本発明の近赤外線カットフィルタ10は、透明樹脂フィルムからなる基材と、この基材の片面または両面に形成され可視光線を透過し近赤外線を阻止するコーティングとからなり、予めこのコーティングが施されたシート状の基材から、打抜き加工または型抜き加工により切り出された所望の外形形状を有する事を特徴とする。例えば(A)に示した実施例では、打抜き加工または型抜き加工により切り出された基材が、角部に丸みの付いた外形形状を備えている。この様に角部を取る事で、組立工程におけるカケやチッピングをある程度防止する事ができる。この様な外形形状は、打抜きまたは型抜きに用いる刃具の形状によって自由に設計する事が可能である。
(B)に示した実施例では、ほぼ矩形の近赤外線カットフィルタ10の四隅に、開口部10xを形成してある。例えば撮像光学系を構成するシャッタや鏡筒のピンやネジ止め部分に、この開口部10xを利用して近赤外線カットフィルタ10を装着することも可能である。従来のように単純な矩形形状の近赤外線カットフィルタでは、主として接着によりフィルタ素子を光学撮像系に装着していた。しかしながら、接着作業は作業時間を要し失敗も多い。これに代えて、本発明ではフィルタ素子の打抜き加工または型抜き加工のとき同時に開口部10xを形成する事ができるので、これを利用してネジ止めなどにより極めて簡便にフィルタ素子を撮像光学系側の部品に組み付ける事が可能である。
(C)の実施例は、外形形状が円形の近赤外線カットフィルタ10である。従来のようにダイシング加工では単純な矩形のフィルタ素子しか作成できないが、本発明では刃具の形状に合わせて自由自在に異形状のフィルタ素子を作成する事ができる。例えば撮像光学系側の鏡筒の内周形状に合わせて、丸型の近赤外線カットフィルタ10を作成する事ができる。この様にすれば、丸型のフィルタ素子10を極めて簡便にレンズ鏡筒の内周部に装着する事が可能である。
(D)に示した実施例は、さらに複雑な形状となっており、組み付け用の案内部10zが付いた外形形状である。この案内部10zには開口部10xが形成されており、これを用いて撮像光学系側の部品に容易に組み付ける事が可能である。
図4は、本発明にかかる近赤外線カットフィルタの層構成を示す模式的な断面図である。本実施例は、コーティングとしていわゆる光学多層膜を用いている。この光学多層膜は、基本的に屈折率の異なる2種以上の薄膜を交互に積層してなり、可視光線領域で高透過特性を示すと共に近赤外線領域で低透過特性を示す。本近赤外線カットフィルタは、透明な基材1の表面に、屈折率の異なる2種以上の誘電体薄膜L,Hを交互に積層配置してなる多層膜12を形成し、可視光線領域では高透過特性を示すと共に、近赤外線領域では低透過特性を示すように光学設計されている。即ち、基材1の一面Aには可視光線領域で高透過特性を示すと共に近赤外線領域で低透過特性を示す第1の多層膜12Aを形成する。また同じ基材1の他の一面Bには可視光線領域で高透過特性を示すと共に近赤外線領域で低透過特性を示す第2の多層膜12Bを形成する。さらに第1または第2の多層膜12A,12Bの少なくとも片方に金属薄膜17を少なくとも一層挿入している。この金属薄膜17は銀の単体または銀を主成分とする合金からなり、可視光線領域及び近赤外線領域にわたって適当な透過特性(吸収特性)を示し、且つ可視光線領域よりも近赤外線領域で高い反射特性を示す。好ましくは、第1の多層膜12Aと第2の多層膜12Bは、近赤外線領域における透過特性が互いに異なっており、両者を合わせる事で所望の近赤外線阻止特性を得るようにしている。基材1は樹脂フィルムからなる。
以下基材1、多層膜12A及び12B、金属薄膜17などの各構成要素につき、詳細に説明する。まず基材1であるが、本実施形態では厚みが0.1mmのPETフィルムを用いている。但し本発明はこれに限られるものではなく、PETフィルムに代えて、PC,PEN,ポリオレフィン系など他の透明樹脂フィルムを使用してもよい。
次に多層膜12Aであるが、図示するように透明基材1の表面Aに形成されており、高屈折率材料Hからなる透明薄膜と低屈折率材料Lからなる透明薄膜とを交互に複数積層したものである。本実施形態では、基材1の表面Aから数えて奇数層目が低屈折率材料Lで、偶数層目が高屈折率材料Hからなり、合計で11層重ねられている。本実施形態では、高屈折率材料Hに二酸化チタン(TiO)を用い、低屈折率材料Lに二酸化ケイ素(SiO)を用いている。これらの透明薄膜は、図4に示す物理膜厚となるように、透明基材1の表面Aから二酸化ケイ素薄膜と二酸化チタン薄膜が交互に11層まで重ねられて多層膜12Aを形成している。
この様に多層膜12Aは、二酸化チタンなどの高屈折率材料からなる透明薄膜と二酸化ケイ素などの低屈折率材料からなる透明薄膜とを交互に複数積層したものであり、透明薄膜による光の干渉を利用して近赤外線波長域の光を選択的に阻止するものである。各波長における光透過率は、交互に積層する各透明薄膜の光学膜厚(薄膜の屈折率と薄膜の物理膜厚の積)で決まり、近赤外線波長域の光を阻止するように、積層する透明薄膜の屈折率、膜厚及び積層数を設計している。
なお本実施形態では高屈折率材料としてTiOを用い、低屈折率材料としてSiOを用いているが、これに限られるものではない。他の誘電体薄膜材料として、MgF、Al、ZrO、Ta、Nbなども適用可能である。
基材1の裏面B側に形成された多層膜12Bも、基本的には多層膜12Aと同様である。多層膜12Bは合計11層からなり、基本的には高屈折率材料Hと低屈折率材料Lを交互に10層積層して、所望の透過特性を得ている。但し、各薄膜の物理膜厚を適宜調整する事で、近赤外線領域における透過特性が多層膜12Aと異なるように設計されている。多層膜12Aと多層膜12Bを総合する事で近赤外線領域における所望の阻止特性を得ている。
多層膜12Bが多層膜12Aと異なる点は、誘電体薄膜(光学薄膜)の層に加え、金属薄膜17の層を少なくとも1層具備している事である。本実施形態では、この金属薄膜17は銀(Ag)の単体からなりその物理膜厚は15nmである。膜厚が極めて薄いので、大きな透過率となっているが、近赤外線領域で好ましい反射特性を備えている。なお耐久性を重視する場合、銀の単体に代えて、銀を主成分とする合金を使用する事も可能である。銀合金の組成であるが、例えばAgを主成分として、これにTi、Zr、Hf、Ta、Mo、Ni、Pd、Pt、Cu、Au、Zn、Al、In、Si、Sn、Geなどの元素を1種類以上混合したものが挙げられる。
引き続き図4を参照して、本近赤外線カットフィルタのコーティング方法を説明する。本例では、PETフィルム基材1に二酸化チタン3と二酸化ケイ素4を交互に真空蒸着して製造する。基材1の温度は例えば100℃に保持してある。但し本成膜方法は真空蒸着法に限られるものではなく、イオンプレーティング法、イオンアシスト法、スパッタ法などの手法を利用する事が可能である。まずフィルム基材1を真空蒸着装置の真空容器内に装填すると共に、ペレット状または粒状の二酸化チタン、二酸化ケイ素及び銀をこの真空容器内に設けられた3つの電子ビーム蒸着源に別々に入れ、真空容器を排気する。
真空容器内の圧力が1×10−3Pa以下になったら、電子ビーム蒸着源に電子ビームを照射して二酸化チタンと二酸化ケイ素をそれぞれ過熱して蒸発させる。2つの電子ビーム蒸着源の直上には、それぞれ開閉可能なシャッターが設けられており、二酸化チタンの蒸着時は二酸化チタン側のシャッターを開いて二酸化ケイ素側のシャッターを閉じ、二酸化ケイ素の蒸着時は二酸化チタン側のシャッターを閉じ二酸化ケイ素側のシャッターを開いて、フィルム基材1上に二酸化チタンと二酸化ケイ素の透明薄膜を交互に積層する。
この様にしてフィルム基材1の表面A側に多層膜12Aを形成したら、フィルム基材1を裏返しにして再び真空蒸着処理を行い多層膜12Bを形成する。その際、途中で金属薄膜17を成膜する段階に到達したら、二酸化チタンや二酸化ケイ素の蒸着に代えて、第3の電子ビーム蒸着源を動作させ、Agの単体を例えば15nmの厚みで形成する。その後二酸化チタンと二酸化ケイ素の蒸着を所望の層数繰り返して多層膜12Bを完成する。
なお各透明薄膜の膜厚は、膜厚モニターで蒸着の間測定されており、所定の膜厚でシャッターを閉じるようにして膜厚を制御している。所定の層数まで蒸着されたら、電子ビーム蒸着源の動作を停止し、真空容器の排気をやめて大気圧に戻す。蒸着が終わったフィルム基材は、所定の外形寸法に切断されて個々の赤外線カットフィルタとなる。
図5は、本発明にかかる近赤外線カットフィルタの光学特性を示すグラフである。縦軸に透過率を取り、横軸に波長を取ってある。□点のプロットは表面Aのみを多層膜でコートした透明基材の光学特性を示し、△点のプロットは裏面Bのみを多層膜でコートした基材の光学特性を示し、◆点のプロットは両面コートされた基材(即ち完成した近赤外線カットフィルタ)の光学特性を表している。グラフから明らかなように、面Aコート品は700〜850nm近辺の波長を阻止する光学特性を有する。また銀の金属薄膜を1層含む多層膜をコートした面Bコート品は、800〜1100nm近辺の波長を阻止する機能を有する。面Aコート品及び面Bコート品共に400〜600nm付近の可視光線領域を透過するように設計してある。以上の特性を合成した両面コート品は、400〜600nmの可視光線を透過し、700〜1100nmの近赤外線を阻止する事ができ、薄型の近赤外線カットフィルタが得られた。また、100℃程度の低温成膜にも関わらず、層数を抑えて必要な近赤外線阻止性能が得られると共に、フィルム基材1の両面A,Bへ同じ程度の膜数を積層する事で、基材1の変形を抑える事ができる様になった。なお図4に示した層構成はあくまで代表例であり、要求される近赤外線領域の阻止特性により、光学薄膜や金属薄膜の積層数、膜材料及び膜厚を適宜設定可能である。
図6は、参考例にかかる近赤外線カットフィルタの光学特性を示すグラフである。この参考例は基本的に図4に示した本発明の実施例と同じ層構成を有しているが、多層膜12B側に挿入された1層の金属薄膜17を通常の透明誘電体薄膜で置き換えたものである。□点のプロットは面Aコート品の特性を示し、△点のプロットは面Bコート品の特性を示し、◆点のプロットは両面コートした後の光学特性を表している。グラフから明らかなように、合計層数は本発明の実施例と同じ22であるにもかかわらず、700〜1100nmの近赤外線領域で阻止性能に劣ることが分かる。具体的に見ると、図6の参考例では波長900nmのあたりに透過率10%を超えるピークが生じ、これが画質などに悪影響を与える。これに対し、図5に示した本発明品では、700〜1100nmの近赤外線領域に渡って、均一に10%以下の透過率を維持する事ができる。但し、400〜600nmの可視光線領域を見ると、本発明品は銀の金属膜の吸収がある為、透過率は80%となっている。これに対し、図6の参考例は金属膜の吸収がない為、400〜600nmの可視光線領域で透過率が90%に達している。可視光線領域における透過率がさほど問題とならない用途では、近赤外線領域の均一な阻止性能に優れた本発明品が有力である。なお、本発明品と同等な阻止性能を得る為には、図6の参考例の場合さらに光学薄膜を積層する必要があり、特にフィルム基材を使用した場合には膜応力の増加と共に、反りやクラック及び剥離などが発生するので、実際には対応が困難となる。
図7は、本発明にかかる近赤外線カットフィルタの他の実施形態を示す模式的な断面図である。図示するように、本近赤外線カットフィルタは、基本的に透明な基材1と、この基材1の片面または両面に形成された光学多層膜12,13と、この基材1の少なくとも片面に形成された少なくとも1層の樹脂吸収膜14とからなる。光学多層膜12,13は、屈折率の異なる2種以上の薄膜を交互に積層してなり、可視光線領域で高透過特性を示すと共に近赤外線領域で低透過特性を示す。図示の例では、高屈折率材料Hの薄膜と低屈折率材料Lの薄膜を交互に積層して光学多層膜12,13としている。一方樹脂吸収膜14は染料または顔料を吸収した樹脂材料を膜状に塗工したものであり、染料または顔料は近赤外線領域に吸収を有する。好ましくは、樹脂吸収膜14が阻止する近赤外線の波長範囲は、光学多層膜12,13が阻止する近赤外線の波長範囲と一部重なるか、あるいは光学多層膜12または3が阻止する近赤外線の範囲に全て含まれる。また基材1は、PETなどの樹脂フィルムからなる。
以下基材1、光学多層膜12及び13、樹脂吸収膜14などの各構成要素につき、詳細に説明する。まず基材1であるが、本実施形態では厚みが0.1mmのPETフィルムを用いている。但し本発明はこれに限られるものではなく、PETフィルムに代えて、PC,PEN,ポリオレフィン系など他の透明樹脂フィルムを使用してもよい。
次に光学多層膜12であるが、図示するように透明基材1の表面に形成されており、高屈折率材料Hからなる透明薄膜と低屈折率材料Lからなる透明薄膜とを交互に複数積層したものである。本実施形態では、基材1の表面から数えて奇数層目が低屈折率材料Lで、偶数層目が高屈折率材料Hからなり、合計で11層重ねられている。本実施形態では、高屈折率材料Hに二酸化チタン(TiO)を用い、低屈折率材料Lに二酸化ケイ素(SiO)を用いている。これらの透明薄膜は、図7に示す物理膜厚となるように、透明基材1の表面から二酸化ケイ素薄膜と二酸化チタン薄膜が交互に11層まで重ねられて光学多層膜12を形成している。
この様に光学多層膜12は、二酸化チタンなどの高屈折率材料Hからなる透明薄膜と二酸化ケイ素などの低屈折率材料Lからなる透明薄膜とを交互に複数積層したものであり、透明薄膜による光の干渉を利用して近赤外線波長域の光を選択的に阻止するものである。各波長における光透過率は、交互に積層する各透明薄膜の光学膜厚(薄膜の屈折率と薄膜の物理膜厚の積)で決まり、近赤外線波長域の光を阻止するように、積層する透明薄膜の屈折率、膜厚及び積層数を設計している。
なお本実施形態では高屈折率材料としてTiOを用い、低屈折率材料としてSiOを用いているが、これに限られるものではない。他の誘電体薄膜材料として、MgF、Al、ZrO、Ta、Nbなども適用可能である。
基材1の裏面側に形成された光学多層膜13も、基本的には光学多層膜12と同様である。光学多層膜13は合計11層からなり、基本的には高屈折率材料Hと低屈折率材料Lを交互に11層積層して、所望の透過特性を得ている。但し、各薄膜の物理膜厚を適宜調整する事で、近赤外線領域における透過特性が光学多層膜12と異なるように設計されている。光学多層膜12と光学多層膜13を総合する事で近赤外線領域における所望の阻止特性を得ている。
樹脂吸収膜14は、基本的に染料または顔料を添加した樹脂材料を膜状に塗工したものである。添加する染料または顔料は特に近赤外線領域に吸収を有しており、上述した光学多層膜12及び13と組み合わせる事で、ほぼ理想的な近赤外線阻止能を得る事ができる。本実施形態では、有機溶媒中にアクリル系の透明樹脂および染料を溶解した塗液を作成し、これを光学多層膜13の上に10μmの厚みでコーティングしたものである。このとき用いた染料はSANDS社製の製品番号No.8630である。なお、樹脂吸収膜14の樹脂材料は、アクリル系以外でも可視域にて透明であればどのようなベース材を使用してもよく、例えばポリエステル系の樹脂も好ましい。また樹脂に添加する染料は、基本的に可視域で透明性が高く近赤外域で吸収のある材料が好ましい。例えばフタロシアニン系、チオール金属錯体系、アゾ化合物系、ポリメチン系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、キノン系、ジイモニウム系などの単体または混合物を使用する事ができる。顔料の場合も、可視光線領域で透明性が高く、近赤外線領域で吸収を有する材料が選択される。例えばインジウムとスズの複合酸化物であるITOを微粒子化したものを顔料に用いる事ができる。ITOは液晶ディスプレイなどの透明電極に多用されており、可視域ではほぼ透明であるが、近赤外域に吸収を有する。撮像系に適用する近赤外線カットフィルタの場合、画像のぼやけなどが発生しない程度の粒径に顔料を微細化する必要がある。その粒径は例えば数10nm以下である。
引き続き図7を参照して、本近赤外線カットフィルタのコーティング方法を説明する。本例では、PETフィルム基材1に二酸化チタンと二酸化ケイ素を交互に真空蒸着して製造する。基材1の温度は例えば100℃に保持してある。但し本成膜方法は真空蒸着法に限られるものではなく、イオンプレーティング法、イオンアシスト法、スパッタ法などの手法を利用する事が可能である。まずフィルム基材1を真空蒸着装置の真空容器内に装填すると共に、ペレット状または粒状の二酸化チタン及び二酸化ケイ素をこの真空容器内に設けられた2つの電子ビーム蒸着源に別々に入れ、真空容器を排気する。
真空容器内の圧力が1×10−3Pa以下になったら、電子ビーム蒸着源に電子ビームを照射して二酸化チタンと二酸化ケイ素をそれぞれ加熱して蒸発させる。2つの電子ビーム蒸着源の直上には、それぞれ開閉可能なシャッターが設けられており、二酸化チタンの蒸着時は二酸化チタン側のシャッターを開いて二酸化ケイ素側のシャッターを閉じ、二酸化ケイ素の蒸着時は二酸化チタン側のシャッターを閉じ二酸化ケイ素側のシャッターを開いて、フィルム基材1上に二酸化チタンと二酸化ケイ素の透明薄膜を交互に積層する。この様にしてフィルム基材1の表面側に光学多層膜12を形成したら、フィルム基材1を裏返しにして再び真空蒸着処理を行い光学多層膜13を形成する。即ち、二酸化チタンと二酸化ケイ素の蒸着を所望の層数繰り返して光学多層膜13を完成する。
なお各透明薄膜の膜厚は、膜厚モニターで蒸着の間測定されており、所定の膜厚でシャッターを閉じるようにして膜厚を制御している。所定の層数まで蒸着されたら、電子ビーム蒸着源の動作を停止し、真空容器の排気をやめて大気圧に戻す。蒸着が終わったフィルム基材は、真空容器から取り出し、次のコーティング処理を行なう。
樹脂吸収膜を形成する為のコーティング処理では、まず分散媒となるベースポリエステルを製作する。作成したベースポリエステルをバインダー樹脂とし、これに所望の赤外線吸収色素及び溶剤を添加し、フラスコに入れて加熱しながら撹拌し、色素及びバインダー樹脂を溶解する。なお溶剤としてはメチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、トルエンなどの単体もしくは混合物を用いる。この様にして溶解した樹脂を前工程で光学多層膜12,13が形成されたPETフィルム基材の一面に、ギャップが例えば50μmのアプリケーターを用いてコーティングし、乾燥温度90℃で1時間乾燥させる。このとき得られたコーティング厚みは10μmである。なおコーティング法は実施例に限られるものではなく、ディップ法、グラビア法、リップ法、CAPコート法、スプレー法、スピンコート法などいずれも利用可能である。
図8は、本発明にかかる近赤外線カットフィルタの光学特性を示すグラフである。縦軸に透過率を取り、横軸に波長を取ってある。□のプロットは基材1の表面に光学多層膜12のみを形成した場合の光学特性を示し、△のプロットは基材の裏面に光学多層膜13のみをコートした場合の光学特性を示し、○のプロットは基材の片面に樹脂吸収膜14のみをコートした場合の光学特性を表している。グラフから明らかなように、光学多層膜12は波長が650nm〜950nmの範囲で大きな阻止能を有している。光学多層膜12の阻止能は大部分が反射に依存している。一方光学多層膜13は波長が800nm以上の範囲で近赤外線の阻止能を有している。これらに、光学多層膜12と光学多層膜13は近赤外線領域で異なる透過特性を備えており、基本的には両者を組み合わせる事で所定の近赤外線領域700〜1100nmを阻止するように設計されている。
一方樹脂吸収膜14は波長が400nm〜700nmの可視領域で、光学多層膜12,13に比べるとやや透過率が低く若干の吸収を有している。波長700nmを超えたところから透過率が徐々に低下し、900nm当たりで最大の吸収となり、さらに波長がこれより長くなると再び透過率が高くなる。グラフから明らかなように、近赤外線領域における樹脂吸収膜14の吸収特性は、光学多層膜13が阻止する近赤外線の波長範囲と一部重なっている。また樹脂吸収膜14が阻止する近赤外線の波長範囲は、他の光学多層膜12が阻止する近赤外線の範囲に全て含まれている。
*のプロットは、光学多層膜12と光学多層膜13を組み合わせた場合の光学特性を表している。図8のグラフから明らかなように、両者を組み合わせると、波長700nmを超えた近赤外線領域で透過率が10%以下となっており、ほぼ実用レベルである。続いて◆のプロットは光学多層膜12及び3に加えて樹脂吸収膜14を重ねた場合の光学特性を示している。図8のグラフから明らかなように、この樹脂吸収膜14を追加する事で、特に波長が800nm〜900nmにかけての近赤外線阻止能を一段と改善する事ができ、透過率は5%以下である。この範囲の近赤外線を強力に遮断することで、撮像系に使った場合優れた色再現性を得る事ができる。仮に樹脂吸収膜14を用いる事なく光学多層膜12,13のみで800〜900nmにおける透過率を5%程度まで下げようとすると、光学多層膜の全層数が40層程度に達し、基材の反りや膜の剥離が問題となる。これに対し本発明では樹脂吸収膜14を追加することで光学多層膜側の層数を削減する事が可能となり、基材の反りや膜の剥離を抑える事ができる。このため従来に比較し基材を薄型化する事が可能である。
一方可視光線領域においても、樹脂吸収膜14を追加した場合、その透過率は90%のレベルを維持でき、実用上問題ない。仮に樹脂吸収膜14のみで近赤外線カットフィルタを構成すると、可視光域における透過率が80%程度まで低下し、用途によっては問題となる。これに対し、樹脂吸収膜14よりも可視光線領域で透明性の高い光学多層膜12及び3を組み合わせる事で、近赤外線カットフィルタの可視光線領域における透明性を90%程度まで高める事ができる。
図9は本発明にかかる近赤外線カットフィルタの種々の変形例を示す模式的な断面図である。(A)に示す例は、基材1の表面側に光学多層膜12を形成する一方、基材1の裏面側に樹脂吸収膜14を形成している。最も単純な構成であり、安価に近赤外線カットフィルタを製造する事ができる。
(B)に示す例は、基材1の表面側のみに樹脂吸収膜14及び光学多層膜12を形成したものである。基材1の片面側のみに光学多層膜12及び樹脂吸収膜14が配される為、製造及び取り扱いが容易になるという利点がある。
(C)に示す例は、基材1の裏面側に樹脂吸収膜14を形成する一方、基材1の表面側に別の樹脂吸収膜15と光学多層膜12を形成している。近赤外線領域における吸収特性が異なる樹脂吸収膜14,15を組み合わせる事で、所望の近赤外線阻止能が得られる。
(D)に示した例は、基材1の表面側に樹脂吸収膜15及び光学多層膜12を順に形成する一方、基材1の裏面側に樹脂吸収膜14及び光学多層膜13を順に形成している。基材1の表面と裏面にそれぞれ樹脂吸収膜及び光学多層膜を形成する事で、膜応力の均衡を図る事ができる。これにより、薄い樹脂フィルム基材を用いた場合でも、反り、膜剥離及びクラックなどを防ぐ事ができる。
(E)に示した例は、基材1の表面側に光学多層膜12を形成する一方、基材1の裏面側に光学多層膜13及び樹脂吸収膜14を形成している。これは丁度図7で説明した構成と同じであり、これ以上の詳細な説明は省略する。
(F)に示した例は、基材1の表側に光学多層膜12を形成する一方、基材1の裏側に光学多層膜13を形成している。光学多層膜12の表面を保護するように樹脂吸収膜15を形成している。同じく基材1の裏面側に形成された光学多層膜13を保護するように樹脂吸収膜14が形成されている。この様にする事で、信頼性に優れた近赤外線カットフィルタを提供する事ができる。
なお上述した実施形態では、光学多層膜に金属薄膜あるいは樹脂吸収膜を組み合わせて近赤外線阻止用のコーティングとしている。本発明は但しこれに限られるものではなく、近赤外線の阻止機能を有するコーティングは様々な層構成を採用できる。例えば光学多層膜のみからなるコーティングを採用する事も場合によっては可能である。重要な事は、基材として透明樹脂フィルムを用いる事が必須である為、これに適合したコーティングを採用しなければならない。
本発明にかかる近赤外線カットフィルタの製造方法を示す模式図である。 近赤外線カットフィルタの製造方法の参考例を示す模式的な斜視図である。 本発明にしたがって製造された近赤外線カットフィルタの外形形状の例を示す模式的な平面図である。 本発明にかかる近赤外線カットフィルタの層構成を示す模式的な断面図である。 図4に示した近赤外線カットフィルタの光学特性を示すグラフである。 近赤外線カットフィルタの光学特性の参考例を示すグラフである。 本発明にかかる近赤外線カットフィルタの他の層構成を示す模式的な断面図である。 図7に示した近赤外線カットフィルタの光学特性を示すグラフである。 図7に示した近赤外線カットフィルタの様々な変形例を示す模式的な断面図である。
符号の説明
1・・・基材、4・・・ヘッド、10・・・近赤外線カットフィルタ、12・・・光学多層膜、13・・・光学多層膜、14・・・樹脂吸収膜、17・・・金属薄膜

Claims (6)

  1. 透明樹脂フィルムからなるシート状の基材を用意する準備工程と、
    該基材の片面又は両面に可視光線を透過し近赤外線を阻止するコーティングを形成する成膜工程と、
    該コーティングが施されたシート状の基材を打抜き加工又は型抜き加工して、所望の外形を有するフィルタ素子を複数個作成する加工工程とを有することを特徴とする
    撮像光学系用近赤外線カットフィルタの製造方法。
  2. 前記準備工程は、PET,PEN,TAC,PMMA又はオレフィン系の透明樹脂フィルムからなる基材を用意することを特徴とする請求項1に記載の撮像光学系用近赤外線カットフィルタの製造方法。
  3. 前記成膜工程は、該コーティングの少なくとも一部として、屈折率の異なる2種以上の薄膜を交互に積層してなり、可視光線領域で高透過特性を示すとともに近赤外線領域で低透過特性を示す光学多層膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の撮像光学系用近赤外線カットフィルタの製造方法。
  4. 透明樹脂フィルムからなる基材と、該基材の片面又は両面に形成され可視光線を透過し近赤外線を阻止するコーティングとからなり、
    あらかじめ該コーティングが施されたシート状の該基材から、打抜き加工又は型抜き加工により切り出された所望の外形形状を有することを特徴とする
    撮像光学系用近赤外線カットフィルタ。
  5. 前記打抜き加工又は型抜き加工により切り出された基材は、角部に丸みのついた外形形状を有することを特徴とする請求項4に記載の撮像光学系用近赤外線カットフィルタ。
  6. 前記打抜き加工又は型抜き加工により切り出された基材は、組付け用の案内部がついた外形形状を有することを特徴とする請求項4に記載の撮像光学系用近赤外線カットフィルタ。
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