JP2003240917A - 光学フィルタ、光学フィルタの製造方法、光量調節装置、撮影装置及び微小液滴吐出装置 - Google Patents

光学フィルタ、光学フィルタの製造方法、光量調節装置、撮影装置及び微小液滴吐出装置

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JP2003240917A
JP2003240917A JP2002041622A JP2002041622A JP2003240917A JP 2003240917 A JP2003240917 A JP 2003240917A JP 2002041622 A JP2002041622 A JP 2002041622A JP 2002041622 A JP2002041622 A JP 2002041622A JP 2003240917 A JP2003240917 A JP 2003240917A
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optical filter
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filter
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English (en)
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Ichiro Onuki
一朗 大貫
Eirishi Namazue
英利子 鯰江
Akio Kashiwazaki
昭夫 柏崎
Takeshi Miyazaki
健 宮崎
Masataka Yashima
正孝 八島
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微小液滴吐出装置を用いて光学フィルタを製
造することで得られる、簡易且つ経済的な光学特性に優
れた光学フィルタ、これを用いた光量調節装置及び撮影
装置の提供。その場合に、縞状の印刷欠陥が生じても光
学フィルタとしての機能を損なわない光学フィルタ製造
方法の提供。 【解決手段】 光光束の透過量を調節するための光学フ
ィルタであって、透明基板上にインクジェット記録によ
って形成された色材膜を有し、且つ、該色材膜は軸対称
の形状を有し、その透過率分布が、該対象軸に対して左
右対称であって且つ対称軸に沿って透過率変化が最大と
なるように段階的に又は連続的に変化することとなる色
材の濃度分布を有している光学フィルタ、これを用いた
光量調節装置及び撮影装置、微小液滴吐出装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ等の撮影装
置に用いられる光学フィルタと、該光学フィルタの製造
方法、光量調節装置、撮影装置、及び微小液滴吐出装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】カメラ等の光学機器に用いられる結像光
学系には、一般に入射光束の光量を調節する光量調節装
置、いわゆる絞り装置が内蔵される。該絞り装置におい
ては、複数の絞り羽根が所定面積の開口部を形成し、ア
クチュエータで該開口部の開口径を調節することで、開
口部を通過する光束の量を調節している。しかし、該開
口部の開口径を小さくするに従って、絞り羽根の端部で
生ずる回折の影響が大きくなり、結像光学系の結像性能
が低下することが生じる。この欠点を回避するために、
上記絞り羽根の一部にNeutral Density Filter(以下N
Dフィルタと略す)を設け、開口径を小さくする代わり
に、このNDフィルタで光量を減衰させる技術が開示さ
れている。このような目的に用いられるNDフィルタ
は、散乱、屈折異常、分光透過率偏差等の光学的欠陥が
少なく、且つ安価に製造できることが必要であり、この
目的を達成するために、以下のような技術が開示されて
いる。
【0003】例えば、特開平5−173004号公報で
は、マイクロ複写カメラを用いて銀塩フィルム上に所定
の濃度パターンを形成し、プレスで所定形状に打ち抜い
てNDフィルタを製造する方法が開示されている。又、
特開2000−352736公報では、蒸着或いは写真
製版等の印刷工程により、単一濃度の膜を網点状に形成
し、網点パターンを場所によって変えることで、透過率
が無段階に変わるNDフィルタの製造方法が開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術には、以下のような改善すべき点があった。
即ち、特開平5−173004号公報に開示された従来
技術では、NDフィルタに内在する銀粒子表面での光束
の反射や、銀粒子端部を通過する光束の回折によって、
該フィルタを通過した光線の直進性が損なわれ、光学系
の結像性能が低下するという問題がある。又、特開20
00−352736公報に開示された従来技術では、写
真製版或いは蒸着で所定濃度の膜を形成するが、何れの
工程を採用したとしても装置が大型・高価であるため、
NDフィルタの製造コストが高くなるという問題があ
る。
【0005】そこで本願発明者らは、従来試みられるこ
とのなかったインクジェットプリンタに代表される微小
液滴吐出装置を用いてNDフィルタの作成を試みたとこ
ろ、高品位なNDフィルタを、極めて低コストで製造し
得るとの知見を得た。そして、かかる知見を踏まえて、
更に検討を重ねたところ、微小液滴吐出手段による印刷
物に特有に現れる現象である、所謂スジムラが、NDフ
ィルタの性能に影響を与える場合があることを見出し、
高品位且つ低コストの光学フィルタを製造するうえで、
光学フィルタの性能へのスジムラの影響は、解決すべき
技術課題であるとの認識を得るに至ったのである。そし
て、かかる課題は、例えばインクジェットヘッドの高精
度化によって解決し得るものの、コストアップの要因と
なってしまい、微小液滴吐出手段を採用したことのメリ
ットを相殺してしまうことになりかねない。そこで、本
発明者らは、微小液滴吐出手段を用いたことのメリット
を最大限に生かしつつ、上記課題を解決する方法につい
て検討を重ねた。本発明はかかる検討の結果に基づきな
されたものである。そこで本発明の目的は、高い品位を
有し、且つ低コストで製造することのできる光学フィル
タを提供することにある。
【0006】又、本発明の他の目的は、微小液滴吐出手
段を用いたことのメリットを最大限に生かしつつ、微小
液滴吐出手段による印刷物に特有の現象が光学フィルタ
の品位に影響を与えることを有効に抑えた光学フィルタ
の製造方法を提供することを他の目的とする。又、本発
明の他の目的は、高精度な光学フィルタを簡易に製造す
ることが可能な高耐久の微小液滴吐出装置を提供するこ
とにある。又、本発明の他の目的は、光学性能に優れ、
しかも安価な光量調節装置及び撮影装置を提供すること
にある。本発明の更に他の目的は、特に、形状自由度の
大きい所望の透過率分布を有する光学フィルタを安価に
製造すると同時に、該光学フィルタを製造する際に光学
濃度分布に欠陥を生じたとしても、該欠陥による光学像
の劣化を最小限に抑えることのできる光学フィルタの製
造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、光光束の透過量
を調節するための光学フィルタであって、透明基板上に
インクジェット記録によって形成された色材膜を有し、
且つ、該色材膜は軸対称の形状を有し、その透過率分布
が、該対象軸に対して左右対称であって且つ対称軸に沿
って透過率変化が最大となるように段階的に又は連続的
に変化することとなる色材の濃度分布を有していること
を特徴とする光学フィルタである。その好ましい形態と
しては、上記構成において、可視光帯域における分光透
過率が略一定のニュートラルデンシティフィルタである
光学フィルタ、又、上記構成において、色材膜の対称軸
が、インクジェット記録による記録方向に対して、直交
した状態か又は平行した状態にある光学フィルタが挙げ
られる。即ち、上記目的に対する本発明者らの検討の結
果、スジムラの、光学フィルタの性能に与える影響が、
スジムラと光学フィルタの濃度変化の方向とに依存し、
スジムラの方向と、光学フィルタの濃度勾配の方向とを
直交させることによって、スジムラが光学フィルタの性
能に与える影響を最小化することを見出したものであ
る。
【0008】又、本発明の別の実施形態は、インクジェ
ット記録ヘッドから透明基板上にインクを吐出させて、
該基材上に軸対称の形状を有する色材膜を複数形成し、
その後、上記基板から各色材膜を打ち抜いて光学フィル
タを同時に複数製造する光学フィルタの製造方法におい
て、上記色材膜は、その透過率分布が、その対象軸に対
して左右対称であって且つ対称軸に沿って透過率変化が
最大となるように段階的に又は連続的に変化することと
なる色材の濃度分布を有し、且つ、該色材膜を、同一基
材上に複数形成することを特徴とする光学フィルタの製
造方法である。その好ましい形態としては、上記構成に
おいて、複数の色材膜を、各色材膜の対称軸がすべて、
前記透明基板に対するインクジェット記録ヘッドの相対
的な走査方向に対して直交した状態となるように透明基
板上に形成する光学フィルタの製造方法、又、上記構成
において、複数の色材膜を、各色材膜の対称軸がすべ
て、前記透明基板に対するインクジェット記録ヘッドの
相対的な走査方向に対して平行した状態となるように透
明基板上に形成する光学フィルタの製造方法が挙げられ
る。
【0009】上記に挙げた光学フィルタ、或いは光学フ
ィルタの製造方法により製造された光学フィルタは、色
材膜を構成している単位色材群の内部、或いは単位色材
群同士の境界に生じた縞状の光学濃度欠陥を、光学フィ
ルタの透過率分布の等高線と揃えたものであるため、光
学的欠陥を低減したものとなる。又、撮影光学系等に用
いられる絞り装置に生じた光束の回折を防止した、安価
且つ光学特性に優れた光学フィルタが提供される。
【0010】本発明の別の実施形態は、記録ヘッドを透
明基板に対して主走査方向及びこれに直交する副走査方
向に相対移動させながら色材を含む着色液を上記透明基
板に吐出し、軸対称の形状を有し、且つ該対称軸に沿っ
た方向の透過率が段階的或いは連続的に変化する光学フ
ィルタを製造する方法において、上記対称軸と上記主走
査方向が直交するように印刷用の画像情報を生成する工
程と、該画像情報を上記記録ヘッドの色材吐出パターン
信号に変換する工程と、上記記録ヘッドと上記透明基板
を主走査方向に相対駆動しながら色材を吐出する工程
と、1回の主走査終了後に上記記録ヘッドと上記透明基
板を副走査方向に相対駆動する工程とを有することを特
徴とする光学フィルタの製造方法である。これにより、
主走査方向に沿って伸びる吐出パターンの縞状欠陥を、
光学フィルタの透過率分布の等高線と揃えた、光学的欠
陥の少ない光学フィルタを製造可能な方法を提供でき
る。
【0011】本発明の別の実施形態は、所定の開口部を
通過する光束の量を調整するための光量調節装置であっ
て、光学フィルタを備えた光量調節部材と、該光量調節
部材を駆動する駆動手段と、を有し、上記光量調節部材
の駆動量に応じて所定の開口部を透過する光束の透過量
が調節されるものであって、該光学フィルタが、上記記
載の光学フィルタ、又は上記記載の光学フィルタの製造
方法によって製造された光学フィルタであることを特徴
とする。これにより、光量調節時に前記光学フィルタに
よる光量調節がなされ、光束の回折の影響が少ない光量
調節装置が提供できる。
【0012】本発明の別の実施形態は、上記に記載の光
量調節装置と、被写体像を形成する撮影光学系と、該被
写体像を光電変換する撮像手段と、該光電変換された信
号を記録する記録手段とを有し、上記光量調節装置を撮
影光学系に配置することを特徴とする撮影装置である。
これにより、撮影の際の光量調節時に前記光学調節装置
による光量調節がなされ、回折による撮影解像力の低下
が少なく、且つボケ像の一様性を悪化させない撮影装置
が提供できる。
【0013】本発明の別の実施形態は、前記構成の光学
フィルタを製造するのに好適な、記録ヘッドに設けられ
た吐出口より色材を有する着色液を透明基板に吐出し
て、その透過率が変化する軸対称の形状を有する色材膜
を形成するための微小液滴吐出装置において、上記記録
ヘッドを第1の方向に、上記透明基板に対して相対的に
連続駆動しながら色材を吐出させる第1の駆動手段と、
該第1の駆動手段による動作が終了した後に、上記記録
ヘッドと上記透明基板を、上記第1の方向と直交する第
2の方向に相対駆動する第2の駆動手段とを具備し、こ
れら第1及び第2の駆動手段による動作を繰り返し実行
することで透明基板上に上記色材膜が形成され、且つ、
形成された色材膜の透過率分布が、対称軸に対しておお
よそ軸対称であって、該対称軸と上記第2の方向とが略
平行となるように構成されていることを特徴とする微小
液滴吐出装置である。これにより、主走査方向に沿って
伸びる吐出パターンの縞状欠陥を、光学フィルタの透過
率分布の等高線と揃えた、光学的欠陥の少ない光学フィ
ルタが製造可能な装置が提供される。
【0014】又、上記の微小液滴吐出装置の好ましい形
態としては、上記構成において、前記第1の駆動手段は
前記記録ヘッドをガイド部材に沿って駆動し、前記第2
の駆動手段は前記透明基板を駆動するものが挙げられ
る。これにより、市場に普及しているインクジェットプ
リンタの技術を応用できるため、安価な製造装置が提供
できる。
【0015】又、上記の微小液滴吐出装置の好ましい形
態としては、上記構成において、前記第1の駆動手段は
前記記録ヘッドを第1のガイド部材に沿って駆動し、前
記第2の駆動手段は前記記録ヘッドと前記透明基板を第
2のガイド部材に沿って相対駆動するものが挙げられ
る。これにより、2つの駆動手段の駆動精度を高めるこ
とができ、印刷精度の向上と製造装置の耐久性向上が図
れる。
【0016】又、上記の微小液滴吐出装置の好ましい形
態としては、上記構成において、前記第1の駆動手段及
び第2の駆動手段は、固定された前記記録ヘッドに対し
て、前記透明基板を第1及び第2の方向に駆動するもの
が挙げられる。これにより、剛性の高い製造装置が提供
でき、印刷精度の向上が図れる。
【0017】又、上記の微小液滴吐出装置の好ましい形
態としては、上記構成において、前記記録ヘッドは光学
特性の異なる色材を独立して収容する複数の吐出ユニッ
トを前記第1の方向に並列的に備え、前記各吐出ユニッ
トは同一色材を吐出する吐出口を前記第2の方向に複数
備えるものが挙げられる。これにより、光学特性の異な
る色材の微小液滴を同時に多数吐出でき、光学フィルタ
の光学濃度の階調を高くしながら、印刷の高速化が図れ
る製造装置が提供できる。
【0018】
【実施例】以下に、好ましい実施例を挙げて、本発明を
更に詳細に説明する。 (第1の実施例)図1乃至図13は、本発明の第1の実
施例に係わる図である。図1は、本発明の微小液体吐出
装置で、一枚の基板上に、光量調節部材である本実施例
の光学フィルタを多数印刷した状態を示す平面図であ
る。本実施例では、光量調節部材は、可視光を各波長帯
域に渡って段階的に減衰させたNDフィルタを例として
いるが、可視帯域内の特定波長帯の光を減衰させる光学
フィルタ、紫外線や赤外線を減衰させる光学フィルタに
も同様に適用できる。
【0019】図1において、透明基板100の上には、
所定の濃度パターンを有したNDフィルタである色材膜
101が、横3列、縦6行の合計18個形成されてい
る。図1に示したように、後述する本実施例で使用した
微小液体吐出装置では、これらの色材膜101(以下、
NDフィルタと呼ぶ)が、記録ヘッドが矢印AH方向に
連続駆動される主走査と、主走査終了後に矢印Av方向
に所定量だけ駆動される副走査の組合せで印刷される
が、固有の周期(ピッチ)Pervで、高濃度の縞10
3と低濃度の縞104が周期的に現れており、その一部
がNDフィルタである色材膜101の部分にかかってい
る。
【0020】尚、NDフィルタの光学濃度(Optical De
nsity、ODと略す)と透過率(Transmission Rate、T
と略す)は、OD=−log10Tの式で対応付けられる
ため、本実施例で光学濃度が高いと表現された部分は、
透過率が低いと言い換えることができる。
【0021】本実施例による光量調節部材、即ち、ND
フィルタの製造方法について以下に説明する。先ず、本
実施例では、透光性の透明基板上に色材を含んだ着色液
を受容しうる材料がコーティングされた受容層を有する
透明基材を使用した。
【0022】本発明においては、基材として透明のもの
を用いることが好ましいが、透明基材としては、光量調
節部材としての機械的強度及び光学的特性等の必要特性
を有していれば特に限られるものではない。具体的に
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ジアセテー
ト、トリアセテート、ポリプロピレン等からなる透明フ
ィルムを挙げることができる。又、上記必要特性を満た
すものであればガラス製の基材も使用可能である。
【0023】上記したような透明基材上に、着色液(溶
剤に、後述する色材を混合させたもの)を受容しうる材
料をコーティングする方法としては、下記のような方法
を用いることができる。先ず、着色液を受容しうる材料
を、必要によって他の添加剤と共に、水或いはアルコー
ル、多価アルコール類、又は他の適当な有機溶剤に溶
解、又は分散して、塗工液を調製する。次いで、このよ
うにして得られた塗工液を、例えば、ロールコーター
法、スピンコート法等によって、透明基材表面に塗工す
る。その後、例えば、熱風乾燥炉、熱ドラム、ホットプ
レート等を用いて乾燥を行って、透明基材上に、着色液
を受容しうる層(受容層)を形成する。
【0024】上記において受容層の形成に用いることの
できる材料としては、透明基材上に被覆層を形成した場
合に、該層中に着色液が吸収され、該着色液中の色材を
層中に定着しうるものであれば特に限られるものではな
い。例えば、ポリビニルアルコール、セルロースの変性
物、ポリエステル等の合成樹脂、ゼラチン等の天然樹脂
を挙げることができる。又、これらの材料と共に受容層
の形成に用いることのできる、コーティング性、着色液
の吸収性能の制御、機械的特性の向上等を目的として加
える添加剤としては、各種の、界面活性剤、架橋剤、染
料固着剤(耐水化剤)、消泡剤、酸化防止剤、粘度調整
剤、pH調整剤、防カビ剤、可塑剤等が挙げられる。
【0025】本実施例では、上記のような受容層を有す
る透明基材として、厚さ75μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルムの上に受容層として厚さ5μmのポリ
ビニルアルコールのコーティング膜の膜が形成されたも
のを利用した。
【0026】本実施例に用いる着色液としては、微小液
滴吐出装置により吐出可能なものであれば特に限られる
ものではない。このような着色液としては、水系、油系
のものを共に用いることができるが、吐出信頼性の点か
ら、水系の着色液を使用することが好ましい。更に、着
色液中の色材としては、各種の、染料及び顔料を用いる
ことができるが、各種の、金属、無機、有機微粒子等も
使用可能である。
【0027】尚、本発明において、色材とは、広く、可
視光、紫外光、赤外光を含む所定波長帯の光の透過率を
制御する材料を意味していおり、本実施例におけるND
フィルタ部の製造においては、可視光帯域全体に渡って
均一な透過特性を与えるものが利用されているが、本発
明はこれに限定されるものではない。例えば、赤外線カ
メラ用の光量調節装置に用いる場合には、赤外域の特定
波長のみを透過する材料が用いられるが、これも色材に
含まれる。又、透過光量を制御する際の光の吸収が、材
料内部で生じるもの、材料表面で生じるものの何れも
が、本発明でいう色材に含まれる。
【0028】上記において使用する着色液中の溶剤とし
ては、水性媒体としてはメチルアルコール等の各種の水
溶性有機溶剤を用いることができる。更に、所望の物性
値を持つ着色液とするために、必要に応じて、各種の、
界面活性剤、消泡材、防腐剤等を添加することができ
る。
【0029】本実施例では、下記の組成の着色液を使用
した。使用した着色液(インク)は表1に示す4種類の
濃度のもので、それぞれの着色液が後述する記録ヘッド
の4つのインク室に収容されている。本実施例において
は、色材として染料を使用し、又、可視光領域におい
て、ほぼフラットな分光透過率を得るために、表2に示
すような4種の染料を混合したものを使用した。
【0030】
【0031】
【0032】本実施例では、先に説明した着色液を受容
しうる材料がコーティングされた透明基板上に、微小液
滴吐出装置を用いて上記着色液を付与して、NDフィル
タを作製した。その詳しい手順については後述する。
【0033】本実施例においては、上記のようにして着
色液を付与した後、必要に応じて、熱風乾燥炉、熱ドラ
ム、ホットプレート等を用いた乾燥を行って色材膜を形
成してもよい。特に、上記着色液を吸収し得る材料中に
架橋剤を混合した場合には、加熱或いは光照射を行うこ
とで被膜を硬化させることが効果的である。
【0034】本発明においては、上記のようにして、透
明基材上に色材膜を形成するが、その後、更に、光学的
な特性を向上させる目的で、着色被膜上に透明平坦化層
を設けてもよい。平坦化層の形成に用いられる材料とし
ては、先に説明した着色液を受容する材料を使用するこ
とができる。しかし、その他、着色層との密着性、機械
的強度、光学的特性等の必要性能を満たしていれば、い
ずれの材料を使用することもでき、特に限られるもので
はない。
【0035】本実施例では、その後、透明基材に形成さ
れた複数の色材膜をプレス工程で打ち抜きして、光量調
節部材であるNDフィルタ18個を作製した。
【0036】以上のようにして作製された本実施例のN
Dフィルタの光学特性について以下に説明する。光量調
節部材であるNDフィルタの良否を判断する場合、
(1)NDフィルタを単体で用いた場合に、色材が光束
を散乱或いは屈折することによる光学性能の低下、
(2)絞り装置等に組み込んで使用した場合の回折防止
効果、(3)分光透過率、の3項目の評価が必要であ
る。ここで(3)は、色材の種類によってフィルタの特
性を自在に調節でき、且つ市販の分光透過率計を用いて
簡単に測定できるので、説明は省略する。又、(2)の
項目は、その絞り羽根の形状や評価時の絞り値(Fナン
バー)等の因子が、その評価結果に大きな影響を及ぼす
ため、NDフィルタ自体の評価とは言い難い。そこで、
本実施例においては、前記(1)の評価を以下の手順で
行ない、本実施例によって得られるNDフィルタの光学
特性を評価した。
【0037】先ず、上記で述べたと同様の方法で、光学
濃度0.5(透過率32%)の均一濃度パターンを有す
るNDフィルタを作製した。これをキヤノン(株)製デ
ジタルカメラPower Shot G1の撮影レンズ
の前方に配置し、ISO規格電子スチルカメラ用解像力
チャートを撮影した。露出制御モードは絞り開放による
絞り優先AEを使用し、NDフィルタの有無に係わらず
適正露出が得られるようにした。この撮影画像から白黒
バーチャート(像面上での空間周波数 14.5 line
pairs/mm)を切り出し、画像の白部のレベルと黒部
のレベルの差分を求め、これを評価コントラストとし
た。次いで、NDフィルタを外して同様の撮影を行な
い、画像の白部のレベルと黒部のレベルの差分を求め、
これを参照コントラストとした。このようにして得られ
た参照コントラストに対する評価コントラストの比率を
求め、フィルタコントラストと定義した。本実施例にお
けるこの値は0.96であった。フィルタコントラスト
の許容下限値は撮影装置の用途や価格帯により異なる
が、普及クラスの撮影装置では0.9以上、高級クラス
では0.92以上が好ましいことがわかっている。従っ
て、本実施例のNDフィルタのフィルタコントラスト値
0.96は、充分に高性能であることがわかった。
【0038】図2は、上記NDフィルタを製造する際に
用いた微小液滴吐出装置の外観図である。ここで微小液
滴吐出装置とは、微小なインク滴をシート状媒体に高速
で吐出し、所定の図形や文字を印刷する、いわゆるイン
クジェットプリンタと称されるものに代表される。本実
施例の微小液滴吐出装置も、このインクジェットプリン
タを用いている。
【0039】図2において、微小液滴吐出装置本体20
1の上面にある給紙口からシート状媒体、即ち、透明基
板を供給すると、内部で印刷処理が行なわれ、排紙口2
03より本実施例のNDフィルタが印刷された透明基板
100が排紙される。
【0040】図3は、微小液滴吐出装置201の構造を
示したものである。同図において、透明基板100はピ
ンチローラ212によってプラテン211に圧接保持さ
れる。そして、ラインフィードモータ213の回転に伴
うプラテン211の回転で、透明基板100は、矢印A
v方向に搬送される。これが本発明で言う副走査であ
る。この副走査は、シート状媒体を固定して考えると、
記録ヘッドが相対的に図中の矢印Av方向に移動したの
と等価である。よって、以降の説明では記録ヘッドを上
下方向に移動する動作を副走査と称する。
【0041】214は、シートセンサで、透明基板10
0がプラテン211上に給紙されているか否かを検出す
る。231は記録ヘッドで、ガイド軸221に沿って矢
印A H方向に移動可能に保持される。記録ヘッド231
は、キャリッジモータ222、ベルト223によってプ
ラテン211に沿って一定速度で駆動される。これが本
発明で言う主走査である。記録ヘッド231の位置は、
リニアエンコーダ224で検出される。225はホーム
ポジションセンサで、記録ヘッド231が右端の原点に
戻っているか否かを検出する。
【0042】図4は、本実施例で使用した記録ヘッド2
31の斜視図であり、4つのノズルユニット231a乃
至231dで構成され、各ユニットは複数のノズルを有
したマルチノズルヘッドとなっている。即ち、ノズルユ
ニット231aは、N個(本実施例では4個)のノズル
を有し、各ノズルの吐出口241は等ピッチPvで配置
されている。但し、実際には各ノズルユニットには製造
誤差があり、前記ピッチは厳密には等しくはならない。
そこで、該装置では、上から3番目と4番目の吐出口の
ピッチは基準ピッチPvよりδvだけ小さくなっていると
仮定する。そして4個の吐出口は後述するように内部で
つながっており、同一のインク滴が吐出される。
【0043】ノズルユニット231b乃至231dも、
ノズルユニット231aと同一の構造であり、各ユニッ
トは等ピッチPHで配置されるが、同様の製造誤差で、
図4に示したように、ノズルユニット231cと231
dのピッチは、基準ピッチよりδHだけ小さくなってい
ると仮定する。これらの各ノズルユニットの内部には、
異なる濃度の黒色インクが充填されている。本実施例で
は、ノズルユニット231a乃至231dのインクの相
対濃度は、8:4:2:1となっている。
【0044】図5は、一つのノズルユニット231aの
断面図である。242は、インク室で、不図示のメイン
インクタンクから供給器を介してインクが供給される。
このインク室242は、4つのノズル243と連通して
おり、各ノズルにインクを供給する。各ノズルの中間部
周囲にはヒータ244が設けられ、このヒータへ通電す
ることでノズル内のインクが気化し、気泡245が発生
する。そして、該気泡245の発生による圧力波がイン
ク滴246を吐出させる。他のノズルユニットも同様の
構造になっている。
【0045】図6は、上記の微小液滴吐出装置の制御回
路図である。251は、微小液滴吐出装置全体の動作を
制御するCPU、252は電源投入や印刷開始等を指示
するためのスイッチ群、253はNDフィルタの印刷濃
度パターン等を生成するPC(Personal Computer)等
の外部機器である。
【0046】ラインフィードモータ213は、モータ制
御回路215を介して、透明基板100を搬送制御(副
走査)する。この際、シートセンサ214は透明基板1
00の有無を検知し、プラテン上に透明基板100が無
い時は給紙を行なう。キャリッジモータ222は、モー
タ制御回路226を介して記録ヘッド231を駆動制御
(主走査)する。具体的には、キャリッジモータ222
は連続回転する直流モータで、リニアエンコーダ224
からの位置信号をフィードバックして、速度及び駆動量
を精密に制御する。尚、直流モータの代わりにステップ
モータを用いて、記録ヘッド231を主走査ピッチPx
を単位として高速で間欠駆動しても構わない。ホームポ
ジションセンサ225は、1回の主走査終了後に記録ヘ
ッドが初期位置に戻ったか否かを検出する。
【0047】233は、外部機器253で生成された濃
度パターンを、微小液滴の吐出パターンに変換するため
の記録データ処理回路である。そして、該回路233で
生成された信号に基づき、ヘッドドライバ232が記録
ヘッド231内の前記ヒータ244を発熱制御してイン
クを吐出し、この結果、所定の濃度パターンが透明基板
100上に印刷される。
【0048】図7は、上記微小液滴吐出装置で透明基板
全面に、均一濃度パターンを印刷する場合の印刷工程
と、その際に発生する印刷欠陥の様子を説明する図であ
る。前述の図4において、ノズルユニット231a乃至
231dにはそれぞれ異なる濃度のインクが収容され、
各インクの相対濃度は、8:4:2:1であると述べ
た。そこで、図7においては、ノズルユニット231a
の高濃度インクを用いて、高濃度の均一パターンを印刷
する場合について説明する。
【0049】図7(a)は、先に述べた記録ヘッド23
1が、1回目の主走査で印刷を行なった後の印刷パター
ンであり、透明基板100に着弾したインクを○で示
す。当工程では、先ず左端第1列目の4個のドットが形
成され、次いで記録ヘッド231が第1の方向である主
走査方向に、第1の間隔である主走査ピッチPxで微小
量右に移動して第2列目の4個のドットが形成される。
以下、同様の工程を繰り返して横方向(主走査方向)に
所定個(図では6個だが、実際の印刷工程では数万
個)、縦方向には吐出口の個数に対応する4個のドット
が、マトリクス状に印刷される。記録ヘッド231は1
回目の主走査が完了すると、キャリッジモータ222で
ホームポジションに戻る。
【0050】図7(b)は、記録ヘッド231の2回目
の主走査で印刷を行なった後のインク滴の印刷パターン
を示す。2回目の主走査を行なう前に、透明基板100
はラインフィードモータ213により、記録ヘッド23
1に対してピッチPyだけ上方に駆動される(第1の副
走査)。図7(b)では、記録ヘッド231が透明基板
101に対して相対的にピッチPyだけ下方に移動した
ものとして描いてある。第2回目の主走査によるインク
ドットを◇で示す。
【0051】同様に、3回目の主走査後の印刷パターン
を図7(c)に☆で、4回目の主走査後の印刷パターン
を図7(d)に□で示す。以上の4回の主走査で、所定
の領域が、横方向(主走査方向)ピッチPx、縦方向
(副走査方向)ピッチPyのインクドットマトリクスで
すべて埋め尽くされたことになる。この一巡の工程を、
1印刷サイクルと称することにする。即ち、1印刷サイ
クルで生成された色材膜は、第1の方向には第1の間隔
で、第2の方向にも所定間隔で微小液滴が並んだ帯状の
印刷領域で構成される。
【0052】続いて5回目の主走査が開始されるが、そ
の前に記録ヘッド231は縦方向に、 (N−1)×Pv+Py=3×Pv+Py だけ副走査駆動され(第2の副走査)、その後に5回目
の主走査が行なわれる。その印刷結果を図7(e)に示
す。そして5回目の主走査によるインクドットを再び○
で示すが、これは1回目の主走査によるインクドットの
位置からN×Pvだけ隔たった位置になる。その後は、
前記2、3、4回目の主走査と同様の工程で6、7、8
回目の主走査が行なわれ、図7(h)で2回目の印刷サ
イクルが完了し、図7(i)で3回目の印刷サイクルが
開始される。即ち、複数回の印刷サイクルで生成された
色材膜は、1回の印刷サイクルで生成された帯状の印刷
領域が、第2の方向である副走査方向に、第2の間隔で
あるN×Pvのピッチで繰り返し配列された構成になっ
ている。
【0053】ここで図7(i)の印刷パターンを観察す
ると、横方向(主走査方向)には印刷欠陥は生じていな
い。その理由は、記録ヘッド231の主走査駆動は、ホ
ームポジション(始点)から対極の終端まで、即ち、透
明基板の横方向の全領域において、すべて一連の連続駆
動中に印刷が行なわれるため、微小液滴は第1の間隔で
連続的に配置されるからである。
【0054】一方縦方向(副走査方向)には、図7
(i)に示したように、インクドットの行間隔が密にな
った部分Ldと、粗い部分Lcが交互に現れ、それぞれが
現れる周期はN×Pvであることがわかる(Nはノズル
の副走査方向の数で、本実施例ではN=4)。この欠陥
のピッチをPervとする。この印刷欠陥は、図4に示
したノズルユニット231(a)のノズルのピッチ誤差
に起因する。即ち、インクジェット式印刷装置において
は、主走査方向と平行の印刷欠陥が、副走査方向に第2
の間隔Pervで周期的に現れることになる。このよう
な欠陥は、図4で説明したノズルの製造誤差のほか、ノ
ズルの目詰まりによっても生じる。又、プラテン或いは
ピンチローラの摩耗乃至変形によっても、それぞれの原
因に応じた固有のピッチで縞状の欠陥が発生する。
【0055】図8は、NDフィルタの印刷フロー図であ
る。前述の図1乃至図7を参照しながら図8を用いて、
CPU251の制御フローを説明する。微小液滴吐出装
置201の電源スイッチがオン操作され、続いて印刷操
作スイッチがオン操作されると、CPU251は印刷制
御を行なうためにステップ(101)からステップ(1
02)へ進む。尚、図8ではステップをSと略す。
【0056】ステップ(102)においては、パーソナ
ルコンピュータ等の外部機器253と通信を行ない、ス
テップ(103)において外部機器253からNDフィ
ルタの印刷パターン情報を受信する。この印刷パターン
情報は、図1における単一のNDフィルタ領域101の
画像情報に相当し、その情報は、例えば、出力解像度3
00dpi(dot per inch)、各画素の階調は8bit
グレースケール、というように定義されている。
【0057】ステップ(104)では、NDフィルタの
濃度変化パターンを認識し、濃度勾配(透過率の変化勾
配)が最大となる方向が、印刷の副走査方向と一致する
ように、前記NDフィルタの回転方向の位置を決定す
る。ステップ(105)では、透明基板100の有効印
刷領域内に、NDフィルタパターンを所定個数配列す
る。このときの主走査及び副走査方向の配列個数は、印
刷完了後に各フィルタをプレスで打ち抜く際の打ち抜き
代を勘案して、一枚の透明基板上になるべく多数のND
フィルタが印刷できるように配列する。これで、印刷領
域全面に、NDフィルタの印刷パターンの配列が完了す
る。本実施例では、図1に示す如く、1枚の透明基板1
00上に、18個のNDフィルタである色材膜101の
パターンが形成される。
【0058】ステップ(106)では、上記NDフィル
タの印刷パターンを、インクの吐出パターンに変換す
る。本実施例では、記録ヘッドの印刷解像度、即ち、イ
ンクドットの吐出解像度は1200dpiに設定されて
いるので、前述の300dpi、8bitグレースケー
ルの画像情報を1200dpiのインク吐出パターン情
報に変換する。この変換方法は本出願人による特開平1
1−1006号公報等に開示されているので、詳しい説
明は省略する。以上で印刷用のデータ創生が完了したの
で、次のステップで印刷を開始する。
【0059】先ず、ステップ(111)では、シートセ
ンサ214が透明基板100の有無を検知し、透明基板
100がプラテン上に供給されていなければ給紙を行な
う。給紙が完了したら、ステップ(112)で印刷開始
命令を出力する。ステップ(113)では、記録ヘッド
231を主走査駆動しながらインクを吐出し、印刷を行
なう。ステップ(114)では、主走査が終了したか否
かを判別し、終了していない場合はステップ(113)
を繰り返し実行する。この工程は、図7の(a)に相当
する。主走査が終了した場合はステップ(115)でキ
ャリッジリターン動作を行ない、記録ヘッド231をホ
ームポジションに復帰させる。
【0060】続いてステップ(116)に移行し、第1
の副走査を実行する。この工程は、図7の(a)から
(b)への移行に相当する。このときの副走査駆動量は
yである。ステップ(117)では1サイクルの印刷
工程が完了したか否かを判定する。そして完了していな
ければ、ステップ(113)に戻って主走査・印刷を繰
り返し実行する。上記主走査を4回実行すると1サイク
ルの印刷工程が完了するので、ステップ(117)から
ステップ(118)へ移行する。
【0061】ステップ(118)では第2の副走査を実
行する。この工程は、図7の(d)から(e)への移行
に相当する。このときの副走査駆動量は3×Pv+Py
ある。ステップ(119)では、透明基板100への全
面印刷が完了したか否かを判別し、完了していなければ
ステップ(113)乃至ステップ(118)を繰り返し
実行する。そして全面印刷が完了すると、ステップ(1
19)からステップ(120)へ移行し、排紙を行なっ
てステップ(121)にて印刷動作を停止する。尚、本
実施例のフローでは、ステップ(115)でキャリッジ
リターンを行なうため、記録ヘッドがホームポジション
へ戻る過程では印刷を行なわないが、戻り方向の駆動で
も印刷を行なう、いわゆる往復印刷を行なっても構わな
い。
【0062】以上のフローにより、図1に示した如く透
明基板100上に18個のNDフィルタとなる色材膜1
01が印刷される。次いで、各NDフィルタ101は、
プレス工程で打ち抜きされる。打ち抜きされた単体のN
Dフィルタを図9に示した。得られたNDフィルタ10
1は、対称軸cに対して左右が対象で、且つ、対称軸c
に沿った方向に透過率が段階的に変わるグラデーション
パターン102が印刷される。そして、透過率の変化率
が最大になる方向は対称軸cの方向で、主走査方向AH
と直交する方向に設定されている。又、図7で説明した
欠陥発生原理により、主走査方向と平行に縞状の欠陥部
103及び104が生じている。
【0063】図9のNDフィルタを組み込んだ光量調節
装置を図10に示した。同図において、300は開口部
を通過する光束の光量を複数の絞り羽根を用いて調節す
る、いわゆる絞り装置の全体を示している。305は、
後述する各部材を搭載する地板で、中央に絞りの開口部
である光路孔305aを有すると共に、後述する絞り羽
根の摺動ガイドとなる4本のガイドピン305bが植設
されている。301は第1の絞り羽根で、絞り開口縁3
01a、スライド用ガイド孔301b、被駆動用ガイド
孔301cを有する。そしてスライド用ガイド孔301
bが前記地板のガイドピン305bに摺動可能に係合し
ているため、絞り羽根301は地板上を上下方向に移動
可能になっている。又、絞り開口縁301aには、図9
のNDフィルタ101が接着固定される。
【0064】302は第2の絞り羽根で、同様に絞り開
口縁302a、スライド用ガイド孔302b、被駆動用
ガイド孔302cを有する。そしてスライド用ガイド孔
302bが前記地板のガイドピン305bに摺動可能に
係合しているため、同じく絞り羽根302は、地板上を
上下方向に移動可能になっている。
【0065】303は絞り羽根駆動レバーであり、不図
示のモータ軸が孔303aに嵌着され、該孔303aを
中心として回動される。そして、このレバー303の両
端には、絞り羽根駆動用の突設ピン303b及び303
cが設けられ、前記絞り羽根の被駆動用ガイド孔301
c及び302cに係合している。よって、不図示のモー
タ軸が時計方向に回転すると、絞り開口縁301a及び
302aが近接して光路孔305aの開口面積が減少す
る。この際、NDフィルタ101が光路孔305aを覆
うため、開口面積の減少と、NDフィルタによる減光作
用の相乗で光束の透過量を減少させる。
【0066】ここでNDフィルタの透過率を、段階的
に、或いは連続的に変化させた場合の光学的優位性は、
例えば、特開平6−95208号公報及び特開平11−
15042号公報等に記載されている。従って、上記し
たような簡易な製造方法によって、NDフィルタの透過
率が、段階的に、或いは連続的に変化する、グラデーシ
ョンパターンを形成してNDフィルタを製造し、これを
絞り装置300に適用すれば、簡易且つ経済的に得られ
たNDフィルタを用いているにもかかわらず、絞り装置
300は、上記した公知技術の場合と同様の効果が得ら
れる優れたものとなる。
【0067】図11は、図10で示した絞り装置を撮影
装置に配置したものである。本実施例では、撮影装置は
動画像もしくは静止画像を撮像手段で電気信号に光電変
換し、これをデジタルデータとして記録するビデオカメ
ラを例として説明する。但し、ビデオカメラに限定され
ることなく、スチルカメラ、産業用工具カメラ等の撮影
装置に適用しても同様の効果を得る。400は複数のレ
ンズ群からなる撮影光学系であり、第1レンズ群40
1、第2レンズ群402、第3レンズ群403、及び、
図10で示した絞り装置300で構成される。401は
固定の前玉レンズ群、402はバリエータレンズ群、4
03はフォーカシングレンズ群である。404は光学ロ
ーパスフィルタである。
【0068】又、撮影光学系400の焦点位置(予定結
像面)には、撮像手段411が配置される。これは照射
された光エネルギを電荷に変換する複数の光電変換部、
該電荷を蓄える電荷蓄積部、及び該電荷を転送し、外部
に送出する電荷転送部からなる2次元CCD等の光電変
換手段が用いられる。撮像手段411上に結像した被写
体の像は、その明るさの強弱に応じた画素毎の電荷量と
して、電気信号に変換され、アンプ回路441で増幅さ
れた後、カメラ信号処理回路442で所定のγ補正等の
処理を施される。尚、この処理は、A/D変換後のデジ
タル信号処理で行われてもよい。このようにして作られ
た映像信号はレコーダ443にて記録される。レコーダ
443は、磁気テープや光磁気ディスク等の記録媒体へ
信号を記録する装置が用いられる。
【0069】421は液晶ディスプレイ等の表示器で、
撮像手段411で取得した被写体像や、撮影装置の動作
状況を表示する。422は、操作スイッチ群でズームス
イッチ、撮影準備スイッチ、撮影開始スイッチ、シャッ
ター秒時等を設定する撮影条件スイッチで構成される。
423はアクチュエータで、これによりフォーカス駆動
を行ない、撮影光学系400の焦点状態を調節したり、
その他の部材を駆動する。
【0070】以上の構成において、CPU431はカメ
ラ信号処理回路442から出力された映像信号が自身内
にメモリーされている適正露出に相当する数値と一致し
ているかどうかを算出し、差のある場合は、その差分の
符号と絶対値に応じて絞り開口を変化させ、撮像手段4
11への光量を最適化させる。
【0071】絞りを動かす場合には、絞り駆動回路43
2により、図10の絞り羽根駆動レバー303が303
aを回転中心とし回動することで、絞り羽根301及び
302が上下にスライドする。これにより、開口部であ
る光路孔305aの大きさが変化するとともにNDフィ
ルタが進退し、光路孔305aを通過する光量を調節す
る。
【0072】このように絞り開口面積を変化させて最適
の露出を得ることができるが、前述のごとくNDフィル
タ101の減光作用が寄与するため、開口面積を極端に
小絞りにする必要がない。よって開口縁301a 及び
302aの回折の影響が緩和され、且つ充分に透過光量
を低下させることができる。
【0073】図11の撮影装置を用いて、小絞り状態で
撮影を行なった際のボケ像を図12に示した。図12
は、後述する図19と同様に、点光源を撮影した場合
の、像のボケ形状を表わしている。図12によると、2
つの絞り羽根で形成されたひし形状の開口部に相当する
ボケ像121の内部には、NDフィルタの透過率分布に
対応して明るさが一様に変化する領域122と、縞状の
欠陥に対応する領域123、124が現れる。但し 該
縞状の欠陥は、NDフィルタの透過率変化が最大になる
方向と垂直、言い換えると透過率分布の等高線と平行に
生じるため、縞模様は透過率変化パターンに埋もれて目
立たなくなり、ボケ像の違和感が低減されて撮影画像の
品位が保たれる。
【0074】図13に、本発明で製造されるNDフィル
タの変形例を示した。図13(a)に示すNDフィルタ
131は濃度変化が一段の場合、図13(b)に示すN
Dフィルタ151は濃度変化の等高線が直線でない場合
である。又、図示していないが、図9に示したNDフィ
ルタ131は濃度変化が多段階でなく、無段階で変化す
るものも本発明の好ましい形態である。何れの場合にお
いても、透過率分布は対称軸cに対して左右対称、及び
該対称軸cに沿って透過率変化が最大になっており、且
つ対称軸cは矢印AHで示した主走査方向と直交してい
る。
【0075】(第2の実施例)第1の実施例において使
用した微小液滴吐出装置は、主走査時は記録ヘッドが移
動し、副走査時はシート状媒体が移動するもので、汎用
のインクジェットプリンタの技術が応用できる。従っ
て、機器の小型化と低価格化に有利であるが、シート状
媒体がプラテンとピンチローラの摩擦力によって搬送さ
れるため、極端に薄い透明基材を使用した場合は搬送不
能になったり、プラテンやピンチローラの摩耗・変形で
印刷精度が悪化するという欠点もある。
【0076】そこで、第2の実施例では、シート状媒体
を平板上に固定し、より精密な印刷を可能としたもので
ある。図14は第2の実施例で使用した微小液滴吐出装
置の構造を示したものである。図14において、501
は微小液滴吐出装置全体を示し、固定台502上の所定
位置には透明基板100が固定される。固定台502の
両端には2本の副走査ガイド軸511が設けられる。副
走査ガイド軸511には主走査ガイド軸521が摺動可
能に装着され、ガイド軸511とガイド軸521の交差
部には副走査駆動手段513が設けられる。よって、主
走査ガイド軸521は矢印Av方向に駆動可能になって
いる。
【0077】主走査ガイド軸521には記録ヘッド53
1が摺動可能に装着される。該ヘッド531は第1実施
形態の記録ヘッド231と同様の構成で、ヘッド531
の底面、即ち、透明基板100と対向する面には複数の
インク吐出口が設けられる。又、該ヘッド531には主
走査駆動手段522が設けられ、主走査ガイド軸521
に対して矢印AH方向に駆動可能になっている。
【0078】以上の構成により、固定の透明基板100
に対して記録ヘッド531は主走査及び副走査方向に駆
動できるので、第1の実施例の場合と同様の印刷制御を
実行することで、透明基板100上に、複数のNDフィ
ルタを形成できる。本実施例では、透明基板搬送用のゴ
ム製ピンチローラ等を用いないため、耐久性に優れる。
又、透明基板が固定されているため、非常に薄い透明樹
脂シートを基材として用いることも可能であり、このよ
うな材料を用いれば、透明基板内部での光束の散乱や屈
折異常を低減でき、NDフィルタの光学特性をより向上
させることができる。
【0079】(第3の実施例)第3の実施例で使用した
微小液滴吐出装置は、以下に示す通り、前記第2の実施
例で使用した装置を変形したものである。図15は、第
3の実施例で使用した微小液滴吐出装置の構造を示した
ものである。図15において、601は微小液滴吐出装
置全体を示す。602は固定テーブル、611は可動テ
ーブルで、両部材で公知のXYステージが構成される。
即ち、可動テーブル611は、固定テーブル602の上
面を、矢印AH方向及び矢印Av方向に精密に駆動するこ
とができる構成になっている。そして、該可動テーブル
611の上面の所定位置には透明基板100が固定され
る。
【0080】固定テーブル602の外側には2つの支柱
620が植設され、その上には記録ヘッド固定手段62
1が設けられる。即ち、固定手段621は、前記可動テ
ーブル611の上に覆いかぶさっている。そして、固定
手段621の中央には、記録ヘッド631が固定され
る。該ヘッド631は第1の実施例で使用した記録ヘッ
ド231と同様の構成で、ヘッド631の底面、即ち、
透明基板100と対向する面には複数のインク吐出口が
設けられる。
【0081】以上の構成により、固定の記録ヘッド63
1に対して、透明基板100が可動テーブル611と一
体となって主走査及び副走査方向に駆動できる。よっ
て、第1の実施例の場合と同様の印刷制御を実行するこ
とで、透明基板100上にNDフィルタを複数形成でき
る。本実施例では、第2の実施例と同様の利点が得られ
る他、剛性の高い固定テーブル602の上を透明基板が
移動し、且つ、可動テーブルの摺動嵌合長も長くできる
ので、印刷精度を更に向上させ、印刷欠陥の低減が可能
である。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所定の透過率変化パターン上に透過率の局所的な欠陥が
生じても、光学的な影響の少ない光学フィルタが提供で
きる。又、本発明によれば、安価で光学特性の優れたN
Dフィルタが提供できる。又、本発明によれば、印刷さ
れた濃度パターンに欠陥が生じても、光学的な影響が少
ない光学フィルタを製造可能な装置が提供できる。又、
本発明によれば、光学フィルタを安価に製造可能な小型
・低価格の装置が提供できる。又、本発明によれば、高
精度な光学フィルタを製造可能な高耐久の装置が提供で
きる。又、本発明によれば、光学濃度の階調分解能が高
い光学フィルタを高速且つ安価に製造可能な装置が提供
できる。又、本発明によれば、印刷された濃度パターン
に欠陥が生じても、光学的な影響が少ない光学フィルタ
を製造可能な方法が提供できる。又、本発明によれば、
透過光量を大きく減衰させる際にも光束の回折による光
学性能の低下が少ない光量調節装置が提供できる。又、
本発明によれば、高輝度の被写体を撮影する際に、透過
光量を大きく減衰させても回折による光学性能の低下が
少なく、且つボケた像の一様性を損なわない撮影装置が
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学フィルタを同一透明基板上に複数
形成した際の平面図である。
【図2】本発明にかかる微小液滴吐出装置の外観図であ
る。
【図3】本発明にかかる微小液滴吐出装置の要部構造図
である。
【図4】本発明にかかる微小液滴吐出装置が有する記録
ヘッドの斜視図である。
【図5】本発明にかかる微小液滴吐出装置が有するノズ
ルユニットの断面図である。
【図6】本発明にかかる微小液滴吐出装置の制御回路図
である。
【図7】本発明にかかる微小液滴吐出装置の印刷工程説
明図である。
【図8】本発明にかかる微小液滴吐出装置の印刷フロー
図である。
【図9】本発明の光学フィルタの模式的な拡大平面図で
ある。
【図10】本発明の光量調節装置の要部平面図である。
【図11】本発明の撮影装置の構成図である。
【図12】本発明の撮影装置で撮影された輝点のボケ像
を表わす図である。
【図13】本発明の光学フィルタの変形例を示す平面図
である。
【図14】本発明の第2の実施例で使用した微小液滴吐
出装置の要部平面図である。
【図15】本発明の第3の実施例で使用した微小液滴吐
出装置の要部平面図である。
【符号の説明】
100:透明基板 101、131、141、151:NDフィルタ(色材
膜) 103、104:縞状の印刷欠陥 121:ボケ像 201:微小液滴吐出装置 203:排紙口 211:プラテン 212:ピンチローラ 213:ラインフィードモータ 214:シートセンサ 215:ラインフィードモータ制御回路 221:ガイド軸 222:キャリッジモータ 223:ベルト 224:リニアエンコーダ 225:ホームポジションセンサ 226:キャリッジモータ制御回路 231:記録ヘッド 231a、231b、231c、231d:ノズルユニ
ット 232:ヘッドドライバ 233:記録データ処理回路 241:吐出口 242:インク室 243:ノズル 244:ヒータ 245:気泡 246:インク滴 251:CPU 252:走査スイッチ群 253:外部機器 300:光量調節装置 301、302:絞り羽根 301a、302a:絞り羽根開口縁 301b:スライド用ガイド孔 301c、302c:被駆動用ガイド軸 303:絞り羽根駆動レバー 303a:孔 303b、303c:突設ピン 305:絞り地板 305a:光路孔 305b:ガイドピン 400:撮影光学系 401:固定前玉レンズ群 402:バリエータレンズ群 403:フォーカシングレンズ群 404:光学ローパスフィルタ 411:撮像手段 421:表示器 422:スイッチ群 423:アクチュエータ 431:CPU 432:絞り駆動回路 441:アンプ回路 442:カメラ信号処理回路 443:レコーダ 501:微小液滴吐出装置 502:固定台 511:副走査ガイド軸 513:副走査駆動手段 521:主走査ガイド軸 522:主走査駆動手段 531:記録ヘッド 601:微小液滴吐出装置 602:固定テーブル 611:可動テーブル 620:支柱 621:記録ヘッド固定手段 631:記録ヘッド c:対称軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏崎 昭夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 宮崎 健 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 八島 正孝 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 FB01 FB08 2H042 AA06 AA11 AA22 2H048 CA04 CA09 CA14 CA22 2H080 AA01 DD00

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光束の透過量を調節するための光学フィ
    ルタであって、透明基板上にインクジェット記録によっ
    て形成された色材膜を有し、且つ、該色材膜は軸対称の
    形状を有し、その透過率分布が、該対象軸に対して左右
    対称であって且つ対称軸に沿って透過率変化が最大とな
    るように段階的に又は連続的に変化することとなる色材
    の濃度分布を有していることを特徴とする光学フィル
    タ。
  2. 【請求項2】 可視光帯域における分光透過率が略一定
    のニュートラルデンシティフィルタである請求項1に記
    載の光学フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記色材膜の対称軸が、インクジェット
    記録による記録方向に対して、直交した状態か又は平行
    した状態にある請求項1に記載の光学フィルタ。
  4. 【請求項4】 インクジェット記録ヘッドから透明基板
    上にインクを吐出させて、該基材上に軸対称の形状を有
    する色材膜を複数形成し、その後、上記基板から各色材
    膜を打ち抜いて光学フィルタを同時に複数製造する光学
    フィルタの製造方法において、上記色材膜は、その透過
    率分布が、その対象軸に対して左右対称であって且つ対
    称軸に沿って透過率変化が最大となるように段階的に又
    は連続的に変化することとなる色材の濃度分布を有し、
    且つ、該色材膜を、同一基材上に複数形成することを特
    徴とする光学フィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の色材膜を、各色材膜の対称軸
    がすべて、前記透明基板に対するインクジェット記録ヘ
    ッドの相対的な走査方向に対して直交した状態となるよ
    うに透明基板上に形成する請求項4に記載の光学フィル
    タの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記複数の色材膜を、各色材膜の対称軸
    がすべて、前記透明基板に対するインクジェット記録ヘ
    ッドの相対的な走査方向に対して平行した状態となるよ
    うに透明基板上に形成する請求項4に記載の光学フィル
    タの製造方法。
  7. 【請求項7】 記録ヘッドを透明基板に対して主走査方
    向及びこれに直交する副走査方向に相対移動させながら
    色材を含む着色液を上記透明基板に吐出し、軸対称の形
    状を有し、且つ該対称軸に沿った方向の透過率が段階的
    或いは連続的に変化する光学フィルタを製造する方法に
    おいて、上記対称軸と上記主走査方向が直交するように
    印刷用の画像情報を生成する工程と、該画像情報を上記
    記録ヘッドの色材吐出パターン信号に変換する工程と、
    上記記録ヘッドと上記透明基板を主走査方向に相対駆動
    しながら色材を吐出する工程と、1回の主走査終了後に
    上記記録ヘッドと上記透明基板を副走査方向に相対駆動
    する工程とを有することを特徴とする光学フィルタの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 所定の開口部を通過する光束の量を調整
    するための光量調節装置であって、光学フィルタを備え
    た光量調節部材と、該光量調節部材を駆動する駆動手段
    と、を有し、上記光量調節部材の駆動量に応じて所定の
    開口部を透過する光束の透過量が調節されるものであっ
    て、該光学フィルタが、請求項1〜3の何れか1項に記
    載の光学フィルタ、又は請求項4〜7の何れか1項に記
    載の光学フィルタの製造方法によって製造された光学フ
    ィルタであることを特徴とする光量調節装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の光量調節装置と、被写
    体像を形成する撮影光学系と、該被写体像を光電変換す
    る撮像手段と、該光電変換された信号を記録する記録手
    段とを有し、上記光量調節装置を撮影光学系に配置する
    ことを特徴とする撮影装置。
  10. 【請求項10】 記録ヘッドに設けられた吐出口より色
    材を有する着色液を透明基板に吐出して、その透過率が
    変化する軸対称の形状を有する色材膜を形成するための
    微小液滴吐出装置において、上記記録ヘッドを第1の方
    向に、上記透明基板に対して相対的に連続駆動しながら
    色材を吐出させる第1の駆動手段と、該第1の駆動手段
    による動作が終了した後に、上記記録ヘッドと上記透明
    基板を、上記第1の方向と直交する第2の方向に相対駆
    動する第2の駆動手段とを具備し、これら第1及び第2
    の駆動手段による動作を繰り返し実行することで透明基
    板上に上記色材膜が形成され、且つ、形成された色材膜
    の透過率分布が、対称軸に対しておおよそ軸対称であっ
    て、該対称軸と上記第2の方向とが略平行となるように
    構成されていることを特徴とする微小液滴吐出装置。
  11. 【請求項11】 前記第1の駆動手段は、前記記録ヘッ
    ドをガイド部材に沿って駆動させ、且つ、前記第2の駆
    動手段は、前記透明基板を駆動させるように構成されて
    いる請求項10に記載の微小液滴吐出装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の駆動手段は、前記記録ヘッ
    ドを第1のガイド部材に沿って駆動させ、且つ、前記第
    2の駆動手段は、前記記録ヘッドと前記透明基板とを第
    2のガイド部材に沿って相対駆動させるように構成され
    ている請求項10に記載の微小液滴吐出装置。
  13. 【請求項13】 前記第1の駆動手段及び第2の駆動手
    段は、固定されている前記記録ヘッドに対して、前記透
    明基板を第1及び第2の方向に駆動させるように構成さ
    れている請求項10に記載の微小液滴吐出装置。
  14. 【請求項14】 前記記録ヘッドは、光学特性の異なる
    色材を独立して収容する複数の吐出ユニットを前記第1
    の方向に並列的に備えており、且つ、前記各吐出ユニッ
    トは、同一色材を吐出する吐出口を前記第2の方向に複
    数備える請求項10乃至13の何れか1項に記載の微小
    液滴吐出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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