JP7128569B2 - 光学機器用遮光フィルム及び光学機器用積層遮光フィルム、並びに、これを用いた光学機器用遮光リング、光学機器用絞り部材、光学機器用シャッター部材、レンズユニット及びカメラモジュール - Google Patents

光学機器用遮光フィルム及び光学機器用積層遮光フィルム、並びに、これを用いた光学機器用遮光リング、光学機器用絞り部材、光学機器用シャッター部材、レンズユニット及びカメラモジュール Download PDF

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Description

本発明は、光学機器用遮光フィルム及び光学機器用積層遮光フィルム、並びに、これを用いた光学機器用遮光リング、光学機器用絞り部材、光学機器用シャッター部材、レンズユニット及びカメラモジュールに関する。
例えば携帯電話、スマートフォン等の情報通信端末、コンパクトカメラ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、プロジェクタ、車載カメラ等の電子機器には、被写体を撮影して画像信号に変換するためのカメラモジュールが内蔵されている。このカメラモジュールは、通常、被写体を撮像する撮像素子と、この撮像素子上に被写体の画像を結像するためのレンズユニットを備えている。また、レンズユニットは、通常、複数のレンズの組み合わせから構成されている。
この種の光学機器では、不要な入射光や反射光を除去し、ハレーション、レンズフレア、ゴースト等の発生を防ぎ、撮像画像の画質を向上させることが求められている。そのため、受光範囲を規制したり部材間の光漏れを防止するための遮蔽板やリング状部材等の固定部材、シャッター羽根や絞り羽根などの可動部材、モジュール内壁材等においては、高い遮光性が必要とされることが多い。そのため、そのような高い遮光性を有する遮光部材が配置されたレンズユニットやカメラモジュール等が種々提案されている。
このような遮光部材としては、遮光顔料としてカーボンブラック、滑剤、微粒子及びバインダー樹脂等を含有する遮光層を基材フィルムの両面に形成した遮光フィルムが提案されている(特許文献1~3参照)。
特開平9-274218号公報 WO2006/016555号公報 特開2012-133071号公報
従来の光学機器用の遮光部材においては、遮光性、黒色度、導電性及びコスト等のバランスの観点から、遮光顔料としてカーボンブラックを用いることがデファクトスタンダードとなっている。
しかしながら、本発明者らの知見によれば、遮光顔料として比較的に多量のカーボンブラックを用いた従来技術の遮光部材は、近赤外光の吸収により発熱し易く、太陽光や疑似太陽光等に例えば数分から数十分以上曝されると、塗膜の表面温度が数百度程度にまで達することが判明した。
そのため、このような従来技術の遮光部材を例えば近赤外カメラや近赤外線センサや近赤外領域の分光光度計等に用いた場合には、モジュール内部が高温となり、その熱の影響により、フレアやゴースト等が生じる、測定誤差が大きくなる等の問題を引き起こす。
また、本発明者らの知見によれば、従来技術の遮光部材は、塗膜の表面温度が数百度程度にまで達すると、場合によっては塗膜から発煙が生じることが判明した。このように遮光部材から発煙が生じると、正常な画像が得られない、得られる画像が不鮮明になる、得られる画像の解像度が低下する等の問題を引き起こす。
一方、近年の世界横断的なモジュール化が進展しており、レンズと遮光板を光軸方向に配列したレンズユニット、このレンズユニットに撮像素子をさらに組み込んだカメラモジュールやセンサ等の形態で、世界各国の製造工場にて、それぞれ製造及び管理されるようになってきている。これにともない、各モジュールの一部品となる遮光フィルムや遮光部材も、各所においてそれぞれ搬送及び製造管理されている。
ここで、遮光フィルムから所望形状の遮光部材を作製する際に又は遮光部材をモジュールに組み込む際に、遮光フィルムや遮光部材の表裏面の判別がつかないと、組み込み不良等の製造故障の原因となり得る。そして、世界横断的なモジュール化が進展している昨今において、ワールドワイドに遮光フィルムや遮光部材の管理(表裏面の確認)の徹底を図ることは容易ではない。
とりわけ、カメラモジュールの小型及び薄膜化の進展により、極めて小さなサイズの遮光部材が搭載されるようになってきている。そして、例えば黒色の遮光層を設けた遮光フィルムにおいては、サイズが数センチ四方以下になると、遮光フィルムの表裏判別が極めて困難になる。特に、光学濃度が高い遮光フィルムにおいては、この傾向が顕著になる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。すなわち本発明の目的は、光学機器用途において必要とされる遮光性及び低反射性を有し、さらに、近赤外光の吸収による発熱や発煙が低減された、光学機器用遮光フィルム及び光学機器用積層遮光フィルム等を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかる光学機器用遮光フィルム及び光学機器用積層遮光フィルム等を用い、検出能の低下、解像度の低下、測定誤差の増大等の不具合の発生が抑制された、光学機器用遮光リング、光学機器用絞り部材、光学機器用シャッター部材、レンズユニット及びカメラモジュール等を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上記の特性に加えて、通常は表裏判別が困難な光学濃度が高い遮光層を有しながらも、表裏面の判別が容易な光学機器用遮光フィルム及び光学機器用積層遮光フィルム、並びに、これを用いた光学機器用遮光リング、光学機器用絞り部材、光学機器用シャッター部材、レンズユニット及びカメラモジュール等を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、デファクトスタンダードとして用いられているカーボンブラックの使用、とりわけ比較的に多量のカーボンブラックの使用が、上述した意図しない各種不都合を引き起こす原因であることを突き止め、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に示す種々の具体的態様を提供する。
(1)第一遮光層を少なくとも備える光学機器用遮光フィルムであり、前記第一遮光層は、バインダー樹脂と、前記バインダー中に分散された顔料と、を少なくとも含有し、且つ、1.5以上の光学濃度及び10%未満の60度光沢度を有し、前記光学機器用遮光フィルムは、JIS R 3106に準拠して測定される700cm-1以上1500cm-1以下の近赤外領域における分光反射率が20%以上であることを特徴とする、光学機器用遮光フィルム。
(2)前記第一遮光層は、前記バインダー樹脂100質量部に対して、遮熱顔料5~50質量部、及びカーボンブラック0~10質量部を含有する(1)に記載の光学機器用遮光フィルム。
(3)前記第一遮光層は、カーボンブラックを含有しない(1)又は(2)に記載の光学機器用遮光フィルム。
(4)基材フィルム、及び前記基材フィルムの一方の主面側に設けられた第一遮光層を少なくとも備える積層構造を有する光学機器用遮光フィルムであり、前記第一遮光層は、バインダー樹脂と、前記バインダー中に分散された顔料と、を少なくとも含有し、且つ、1.5以上の光学濃度及び10%未満の60度光沢度を有し、前記光学機器用遮光フィルムは、JIS R 3106に準拠して測定される700cm-1以上1500cm-1以下の近赤外領域における分光反射率が20%以上であることを特徴とする、光学機器用積層遮光フィルム。
(5)前記基材フィルム、前記基材フィルムの一方の主面側に設けられた前記第一遮光層、及び前記基材フィルムの他方の主面側に設けられた第二遮光層を少なくとも備える積層構造を有する(4)に記載の光学機器用積層遮光フィルム。
(6)前記第二遮光層は、1.5以上の光学濃度及び10%未満の60度光沢度を有する(5)に記載の光学機器用積層遮光フィルム。
(7)前記第一遮光層及び前記第二遮光層は、合計で2.5以上の光学濃度を有する(5)又は(6)に記載の光学機器用積層遮光フィルム。
(8)前記第一遮光層と前記第二遮光層との60度光沢度の差が、1.5~4.0である(5)~(7)のいずれか一項に記載の光学機器用積層遮光フィルム。
(9)前記第一遮光層と前記第二遮光層との色差ΔE*abが0.2以上である(5)~(8)のいずれか一項に記載の光学機器用積層遮光フィルム。
(10)前記第二遮光層は、バインダー樹脂と、前記バインダー中に分散された顔料と、を少なくとも含有する(5)~(9)のいずれか一項に記載の光学機器用積層遮光フィルム。
(11)前記第二遮光層は、前記バインダー樹脂100質量部に対して、遮熱顔料5~50質量部、及びカーボンブラック0~10質量部を含有する(5)~(10)のいずれか一項に記載の光学機器用積層遮光フィルム。
(12)前記第二遮光層は、カーボンブラックを含有しない(5)~(11)のいずれか一項に記載の光学機器用積層遮光フィルム。
(13)(1)~(3)のいずれか一項に記載の光学機器用遮光フィルム、及び/又は(4)~(12)のいずれか一項に記載の光学機器用積層遮光フィルムを備え、平面視でリング状の外形形状を有することを特徴とする、光学機器用遮光リング。
(14)(1)~(3)のいずれか一項に記載の光学機器用遮光フィルム、及び/又は(4)~(12)のいずれか一項に記載の光学機器用積層遮光フィルムを備えることを特徴とする、光学機器用絞り部材。
(15)(1)~(3)のいずれか一項に記載の光学機器用遮光フィルム、及び/又は(4)~(12)のいずれか一項に記載の光学機器用積層遮光フィルムを備えることを特徴とする、光学機器用シャッター部材。
(16)少なくとも1以上のレンズ及び少なくとも1以上の遮光板が、前記レンズの光軸方向に配列されたレンズユニットであって、前記遮光板の少なくとも1以上が、(13)に記載の光学機器用遮光リング、(14)に記載の光学機器用絞り部材、及び/又は、(15)に記載の光学機器用シャッター部材からなることを特徴とする、レンズユニット。
(17)少なくとも1以上のレンズ及び少なくとも1以上の遮光板を備え、前記レンズ及び前記遮光板が前記レンズの光軸方向に配列されたレンズユニットと、前記レンズユニットを通して被写体を撮像する撮像素子とを少なくとも有するカメラモジュールであって、前記遮光板の少なくとも1以上が、(13)に記載の光学機器用遮光リング、(14)に記載の光学機器用絞り部材、及び/又は、(15)に記載の光学機器用シャッター部材からなることを特徴とする、カメラモジュール。
ここで、好ましい一態様としては、前記第一遮光層は、断面視でフィルム幅を拡開させる傾斜端面を有し、前記第一遮光層の主面の法線方向から見た平面視で、前記傾斜端面が露出しているものが挙げられる。
また、他の好ましい一態様としては、前記第一遮光層には、中空部が設けられており、前記中空部の内周に、断面視でフィルム幅を拡開させる傾斜端面を有するものが挙げられる。
また、別の好ましい一態様としては、前記第一遮光層及び/又は前記第二遮光層は、前記第一遮光層から前記第二遮光層に向けてフィルム幅を拡開させる傾斜端面を有し、前記第一遮光層の主面の法線方向から見た平面視で、前記傾斜端面が露出しているものが挙げられる。
また、他の好ましい一態様としては、前記第一遮光層及び/又は前記第二遮光層には、中空部が設けられており、前記中空部の内周に傾斜端面を有するものが挙げられる。
本発明によれば、光学機器用途において必要とされる遮光性及び低反射性を有し、さらに、近赤外光の吸収による発熱や発煙が低減された、光学機器用遮光フィルム及び光学機器用積層遮光フィルム等を実現することができ、検出能の低下、解像度の低下、測定誤差の増大等の不具合の発生が抑制された、光学機器用遮光リング、光学機器用絞り部材、光学機器用シャッター部材、レンズユニット及びカメラモジュール等を実現することができる。また、本発明の好適な一態様によれば、通常は表裏判別が困難な光学濃度が高い遮光層を有しながらも、表裏面の判別が容易な光学機器用遮光フィルム及び光学機器用積層遮光フィルム等を実現することができるため、モジュール製造現場における取扱性が向上され、部品管理の負担を軽減できる。そのため、組み込み不良等の製造故障の発生を抑制でき、歩留まりを向上させることができる。したがって、これらを用いたレンズユニット及びカメラモジュール等は、生産性及び経済性に優れたものとなる。
一実施形態の遮光フィルム100及びそのロール原反を模式的に示す斜視図である。 図1のII-II断面図である。 一実施形態の遮光フィルム100の平面図である。 遮光フィルム100の分光反射率の実測データの一例を示すグラフである。 一実施形態の遮光リング(遮光フィルム)、並びに、これを用いたレンズユニット及びカメラモジュールを模式的に示す分解斜視図である。 一実施形態の遮光リング(遮光フィルム)を模式的に示す断面図である。 一実施形態の光学機器用絞り部材を模式的に示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。但し、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書において、例えば「1~100」との数値範囲の表記は、その上限値「100」及び下限値「1」の双方を包含するものとする。また、他の数値範囲の表記も同様である。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態の遮光フィルム100(積層遮光フィルム100)及びその原反ロール200を模式的に示す斜視図であり、図2は、遮光フィルム100の要部を示す断面図(図1のII-II断面)である。図3は、遮光フィルム100の平面図である。
本実施形態の遮光フィルム100は、基材フィルム11と、この基材フィルム11の一方の主面11a側に設けられた第一の遮光層21と、他方の主面11b側に設けられた第二の遮光層31とを少なくとも備える。そして、遮光フィルム100は、遮光層21、基材フィルム11、及び遮光層31が、少なくともこの順に配列された積層構造(3層構造)を有するものとなっている。なお、この積層構造において、第一の遮光層21は表側の最表面に配置されるとともに第二の遮光層31は裏側の最表面に配置されており、図2に示す通り、第一及び第二の遮光層21,31は表側及び裏側の最表面にそれぞれ露出した状態で配置されている。そして、この遮光フィルム100が有芯又は無芯ロール状に巻き取られることにより、巻回体たるロール原反200が構成されている。
ここで本明細書において、「基材フィルムの一方(他方)の主面側に設けられた」とは、本実施形態のように基材フィルム11の表面(例えば主面11aや主面11b)に遮光層21,31が直接載置された態様のみならず、基材フィルム11の表面と遮光層21,31との間に任意の層(例えばプライマー層、接着層等)が介在して遮光層21,31が離間して配置された態様を包含する意味である。また、遮光層21及び遮光層31を少なくとも備える積層構造とは、遮光層21及び遮光層31のみが直接積層した構造のみならず、上述した3層構造、及び、3層構造の層間に任意の層をさらに設けた構造を包含する意味である。
基材フィルム11は、遮光層21,31を支持可能なものである限り、その種類は特に限定されない。寸法安定性、機械的強度及び軽量化等の観点から、合成樹脂フィルムが好ましく用いられる。合成樹脂フィルムの具体例としては、ポリエステルフィルム、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)フィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。また、アクリル系、ポリオレフィン系、セルロース系、ポリスルホン系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリエーテルスルホン系、ポリエーテルエーテルケトン系のフィルムを用いることもできる。これらの中でも、基材フィルム11としては、ポリエステルフィルムやポリイミドフィルムが好適に用いられる。とりわけ、一軸又は二軸延伸フィルム、特に二軸延伸ポリエステルフィルムは、機械的強度及び寸法安定性に優れるため、特に好ましい。また、耐熱用途には、一軸又は二軸延伸の、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリアミドフィルムが特に好ましく、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルムが最も好ましい。これらは1種を単独で用いることができ、また2種以上を組み合わせて用いることもできる。
基材フィルム11の厚みは、要求性能及び用途に応じて適宜設定でき、特に限定されない。軽量化及び薄膜化の観点からは、基材フィルム11の厚みは、0.5μm以上、100μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以上、50μm以下、さらに好ましくは5μm以上、40μm以下、特に好ましくは10μm以上、30μm以下である。なお、遮光層21,31との接着性を向上させる観点から、必要に応じて、基材フィルム11表面にアンカー処理やコロナ処理等の各種公知の表面処理を行うこともできる。
本実施形態において、基材フィルム11の外周側面(外周端面)には、傾斜端面12が設けられている。この傾斜端面12によって、基材フィルム11の断面構造は、下底が上底よりも長い台形状となっており、基材フィルム11のフィルム幅は、遮光層21から遮光層31に向けて拡開された構造となっている(図2参照)。
傾斜端面12は、基材フィルム11を図2に示すように平坦状態にしたとき、基材フィルム11の主面11a側から視認可能となるように、基材フィルム11の主面11aの法線方向からの平面視で露出するように設けられている(図3参照)。具体的には、基材フィルム11の主面11aと傾斜端面12とを結ぶ傾斜角θ(俯角θ)が10~87°となるように設定されている。主面11a側からの平面視における傾斜端面12の視認性を向上させ、基材フィルム11端面の強度を維持し、生産性を維持する等の観点から、傾斜角θは30~85°が好ましく、40~83°がより好ましく、45~80°がさらに好ましい。なお、傾斜端面12が基材フィルム11の主面11a側から視認可能である限り、例えばフィルム端面強化のために、傾斜端面12に透明乃至半透明の保護層等が設けられていてもよい。
なお、基材フィルム11の外観は、透明、半透明、不透明のいずれであってもよく、特に限定されない。例えば発泡ポリエステルフィルム等の発泡した合成樹脂フィルムや、各種顔料を含有させた合成樹脂フィルムを用いることもできる。主面11a側からの平面視における傾斜端面12の視認性を向上させる観点からは、基材フィルム11は、80.0~99.9%の全光線透過率を有することが好ましく、より好ましくは83.0~99.0%、さらに好ましくは85.0~99.0%である。また、近赤外光の吸収による発熱や発煙を抑制する観点からは、基材フィルム11は、JIS R 3106に準拠して測定される700cm-1以上1500cm-1以下の近赤外領域における分光反射率は40%以上が好ましく、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上であり、その上限値は特に限定されないが99%以下である。
遮光部材としての高い遮光性を具備する観点から、遮光層21,31の光学濃度(OD)は、それぞれ1.5以上であることが好ましい。なお、本明細書において、光学濃度(OD)は、JIS-K7651:1988に準拠し、光学濃度計(TD-904:グレタグマクベス社)及びUVフィルターを用いて測定して得られた値とする。より高い遮光性を具備させる観点から、遮光層21,31は、それぞれ単層で1.7以上の光学濃度(OD)を有する遮光膜であることがより好ましく、それぞれ単層で2.0以上の光学濃度(OD)を有する遮光膜であることがさらに好ましい。また、遮光層21,31を積層させた場合、その積層体の全体の光学濃度(OD)は、2.5~6.0が好ましく、4.5~6.0がより好ましく、さらに好ましくは5.0~6.0である。
また、遮光部材としての高い艶消し性及び低い光沢性等を具備する観点から、遮光層21,31の60度光沢度は、それぞれ10%未満であることが好ましい。ここで、60度光沢度は、JIS-Z8741:1997に準拠し、デジタル変角光沢計(UGV-5K:スガ試験機社製)を用い入射受光角60°における遮光層21,31表面の光沢度(鏡面光沢度)(%)を測定して得られた値とする。遮光性、低光沢、低反射性、光吸収性等のバランスの観点から、遮光層21と遮光層31の少なくとも一方は、2%超10%以下の60度光沢度を有することが好ましい。ここで、遮光層21,31の60度光沢度の差が設定されていると、表裏判別がより容易となる。その好ましい態様の1つとしては、遮光層21の60度光沢度が0.01%以上10%未満、より好ましくは0.1%以上8%未満、さらに好ましくは0.3%以上5%未満であり、遮光層31の60度光沢度が2%超10%以下、より好ましくは2.2%以上8%未満、さらに好ましくは2.4%以上10%未満である態様が挙げられる。また、表裏判別の観点から、60度光沢度の差が1.0~4.5%、好ましくは1.5~4.0%、さらに好ましくは1.8~3.5%となるように、遮光層21と遮光層31は異なる60度光沢度を有していることが好ましい。
そして、本実施形態の遮光フィルム100においては、人間工学的なアプローチから、上述した光学濃度及び60度光沢度を有する遮光層21と遮光層31において、さらに色差ΔE*abが0.2以上であることが好ましい。なお、色差ΔE*abは、JIS-Z8730:2009に準拠して、カラーメーターを用いて遮光層21及び遮光層31の色相L*値、a*値、b*値をそれぞれ求めて、これらの差分として算出される値を意味する。このとき、遮光層21と遮光層31の色差ΔE*abは、目視での表裏面の判別性や光学濃度(遮光性)のバランスを考慮して適宜設定すればよく、特に限定されないが、0.4以上が好ましく、より好ましくは0.8以上であり、さらに好ましくは1.6以上であり、特に好ましくは3.2以上である。なお、遮光層21と遮光層31の色差ΔE*abの上限値は、特に限定されないが、通常は25.0が目安とされる。
さらに、遮光層21の明度と遮光層31の明度を異ならしめると、遮光フィルム100の表裏の判別がより容易となる。ここで、明度の差は、CIE 1976 L***表色系における明度指数L*で表すことができる。具体的には、遮光層21,31の明度指数L*は1以上35以下が好ましく、より好ましくは1以上30以下、さらに好ましくは2~28、特に好ましくは3~26である。そして、遮光層21と遮光層31との明度指数L*の差は、1以上30以下であることが好ましく、より好ましくは2以上20以下、さらに好ましくは3以上10以下である。
また、本実施形態の遮光フィルム100は、JIS R 3106に準拠して測定される700cm-1以上1500cm-1以下の近赤外領域における分光反射率が平均で20%以上とされている。より好ましくは23%以上、さらに好ましくは25%以上であり、その上限値は特に限定されないが、好ましくは99%以下、より好ましくは95%以下である。このように近赤外領域における分光反射率が高い(換言すれば、近赤外領域における分光透過率が高い)遮光フィルム100とすることで、謂わば遮熱遮光フィルムとして機能し、近赤外光の吸収による発熱や発煙が抑制され、検出能の低下、解像度の低下、測定誤差の増大等の不具合の発生が抑制される。なお、本明細書において、近赤外領域における分光反射率の測定は、JIS R 3106に準拠して行い、標準白色板(スペクトラロン SRS99)を用いて校正した値を意味する。
ここで、遮光フィルム100が遮光層21の単層フィルムである場合には、遮光層21が上記の分光反射率を満たせばよい。一方、遮光フィルム100が本実施形態のように積層フィルムである場合、近赤外光の吸収による発熱や発煙等の抑制のためには、遮光層21のみならず、積層体全体において上記の分光反射率を満たす必要がある。かかる観点から、本実施形態の遮光フィルム100においては、遮光層31においても、上述した分光反射率が20%以上であることが好ましく、より好ましくは25%以上、さらに好ましくは30%以上であり、その上限値は特に限定されないが好ましくは99%以下、より好ましくは95%以下である。
また、本実施形態の遮光フィルム100は、JIS R 3106に準拠して測定される700cm-1以上1500cm-1以下の近赤外領域における分光反射率と分光透過率の合計が60%以上であることが好ましく、より好ましくは65%以上、さらに好ましくは70以上であり、その上限値は特に限定されないが、好ましくは99%以下、より好ましくは95%以下である。このように近赤外領域における分光反射率と分光透過率の合計が高い(換言すれば、近赤外領域における吸収率が低い)遮光フィルム100とすることで、近赤外光の吸収による発熱や発煙が抑制され、検出能の低下、解像度の低下、測定誤差の増大等の不具合の発生が抑制される。なお、本明細書において、近赤外領域における分光透過率の測定は、JIS R 3106に準拠して行い、標準白色板(スペクトラロン SRS99)を用いて校正した値を意味する。
なお、遮光フィルム100の分光反射率や分光透過率は、例えば基材フィルム11の分光反射率や分光透過率、遮光層21及び遮光層31の分光反射率や分光透過率、基材フィルム11の厚みや素材、遮光層21及び遮光層31の厚みや処方等によって適宜調整することができ、その調整方法は、特に限定されない。
遮光層21,31を構成する素材としては、当業界で公知のものを用いることができ、その種類は特に限定されない。一例を挙げると、バインダー樹脂と、このバインダー中に分散された顔料を少なくとも含有する遮光膜を用いることで、上述した各種物性を満たす遮光層21,31を実現することができる。以下、その具体例をさらに詳述する。
バインダー樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン/ポリブタジエン樹脂、ポリウレタン系樹脂、アルキド樹脂、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリエーテルアクリレート系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに特に限定されない。また、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂等も用いることができる。これらは1種を単独で用いることができ、また2種以上を組み合わせて用いることもできる。なお、バインダー樹脂は、要求性能及び用途に応じて、適宜選択して用いることができる。例えば、耐熱性が求められる用途においては、熱硬化性樹脂が好ましい。
遮光層21,31中のバインダー樹脂の含有量(総量)は、特に限定されないが、接着性、遮光性、耐傷付性、摺動性及び艶消し性等の観点から、40~90質量%が好ましく、より好ましくは50~85質量%、さらに好ましくは55~80質量%である。
バインダー樹脂中に分散される顔料としては、当業界で公知のものを用いることができ、その種類は特に限定されない。ここでは、700cm-1以上1500cm-1以下の近赤外領域の光を吸収しない又はその吸収率が小さい顔料(遮熱顔料)が好ましく用いられる。このような遮熱顔料を用いることで、近赤外光の吸収による発熱が抑制された、近赤外領域の分光反射率が高い遮熱遮光フィルムを実現できる。遮熱顔料としては、JIS K 5602に準拠して測定される700cm-1以上1500cm-1以下の近赤外領域における分光透過率が好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上のものが用いられる。このような物性を有する遮熱顔料としては、例えば白色系、黄色系、赤色系、青色系、黒色系の遮熱顔料が知られており、当業界で公知のものから適宜選択して用いることができる。
遮熱顔料の具体例としては、無機系遮熱顔料として、例えばアルミナやシリカ等で表面処理された酸化チタン(例えば石原産業株式会社製のチタンブラック「タイペークR-820N」、デュポン株式会社製の「タイピュアR706」、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、チタン酸ナトリウム、酸化ケイ素、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム、酸化鉄、酸化銅、酸化セリウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物系遮熱顔料;カルシウム-チタン-マンガン複合酸化物(例えば石原産業株式会社製の「MPT-370」、「LPC-707」)、鉄-コバルト-クロム複合酸化物(例えば大日精化株式会社製の「ダイピロキサイドカラーブラウン#9290」、「ダイピロキサイドカラーブラック#9590」)、鉄-クロム複合酸化物(例えば大日精化株式会社製の「ダイピロキサイドカラーブラック#9595」、アサヒ化成工業株式会社製の「Black6350」)、鉄-マンガン複合酸化物、銅-マグネシウム複合酸化物(例えば大日精化株式会社製の「ダイピロキサイドカラーブラック#9598」)、ビスマス-マンガン複合酸化物(例えばアサヒ化成工業株式会社製の「Black6301」)、マンガン-イットリウム複合酸化物(例えばアサヒ化成工業株式会社製の「Black6303」)、鉄-コバルト-クロム複合酸化物や鉄-コバルト-亜鉛-クロム複合酸化物(例えば東罐マテリアル・テクノロジー株式会社製の「近赤外線反射型顔料」)、鉄-コバルト複合酸化物(例えばシェファードカラー株式会社製の「アークティックBlack 10C909A」や「アークティックBlack 411A」)等の複合酸化物系遮熱顔料;シリコン、アルミニウム、鉄、マグネシウム、マンガン、ニッケル、チタン、クロム、カルシウム等の金属系遮熱顔料;鉄-クロム、ビスマス-マンガン、鉄-マンガン、マンガン-イットリウム等の合金系遮熱顔料等が挙げられる。
また、有機系遮熱顔料としては、例えばアゾ系顔料、アゾメチンブラック(大日精化工業株式会社製、商品名:クロモファインブラック A1103)等のアゾメチン系顔料、アゾメチンアゾ系顔料、レーキ系顔料、チオインジゴ系顔料、アントラキノン系顔料(アントアンスロン顔料、ジアミノアンスラキノニル顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、アントラピリミジン顔料など)、ペリレンブラック(BASF社製のK0084、K0086)等のペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、キニフタロン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。
これらの中でも、遮熱顔料としては、複合酸化物顔料や有機系遮熱顔料が好ましい。また、遮光層21,31に高い遮光性を付与する観点からは、黒色又は黒色に近い暗色系の遮熱顔料が特に好適に用いられる。なお、遮熱顔料は、1種を単独で用いることができ、また2種以上を組み合わせて用いることもできる
遮光層21,31中の遮熱顔料の含有量(総量)は、特に限定されないが、分散性、製膜性、取扱性、接着性、滑り性、艶消し性、耐磨耗性等の観点から、遮光層21,31中に含まれる全樹脂成分に対する固形分換算(phr)で、5~50質量%であることが好ましく、より好ましくは8~45質量%であり、さらに好ましくは10~40質量%である。
なお、遮光層21,31は、上述した遮熱顔料以外の他の顔料(以降において、単に「他の顔料」と称する場合がある。)或いは染料を含有していてもよい。すなわち、黒色、灰色、紫色、青色、茶色、赤色、緑色等の暗色系の顔料又は染料を1種以上併用して、光学濃度の高い遮光膜とすることができる。例えば黒色系の遮光膜としては、バインダー樹脂並びに遮熱顔料、及び必要に応じて配合される暗色系の他の顔料又は染料を少なくとも含有する黒色遮光膜(換言すれば、黒色遮光層21,31)が好ましく用いられる。
他の顔料や染料としては、当業界で公知のものから適宜選択して用いることができ、その種類は特に限定されない。例えば黒色系の他の顔料としては、黒色樹脂粒子、マグネタイト系ブラック、銅・鉄・マンガン系ブラック、チタンブラック、カーボンブラック等が挙げられる。これらの中でも、隠蔽性に優れることから、黒色樹脂粒子、チタンブラック、カーボンブラックが好ましい。これらは1種を単独で用いることができ、また2種以上を組み合わせて用いることもできる。
カーボンブラックとしては、オイルファーネスブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ガスファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ケッチェンブラック等、各種公知の製法で作製されたものが知られているが、その種類は特に制限されない。遮光層21,31に導電性を付与し静電気による帯電を防止する観点から、導電性カーボンブラックが特に好ましく用いられる。カーボンブラックの歴史は古く、例えば三菱化学株式会社、旭カーボン株式会社、御国色素株式会社、レジノカラー工業株式会社、Cabot社、DEGUSSA社等から、各種グレードのカーボンブラック単体及びカーボンブラック分散液が市販されており、要求性能や用途に応じて、これらの中から適宜選択すればよい。なお、カーボンブラックの粒子サイズは、要求性能等に応じて適宜設定でき、特に限定されない。カーボンブラックの平均粒子径D50は、0.01~2.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.05~0.1.0μm、さらに好ましくは0.08~0.5μmである。なお、本明細書における平均粒子径とは、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、島津製作所社:SALD-7000等)で測定される、体積基準のメジアン径(D50)を意味する。
但し、遮熱顔料以外の他の顔料や染料を併用する場合、得られる遮光フィルム100の近赤外領域における分光反射率が低下する場合がある。したがって、他の顔料や染料は多量に使用しないことが望ましい。かかる観点から、遮光層21,31中の他の顔料や染料の含有量(総量)は、遮光層21,31の総量に対して、50質量%未満であることが好ましく、より好ましくは30質量%未満である。
とりわけ、他の顔料としてカーボンブラックは近赤外光の吸収率が高いため、その使用量は必要最低限度に留めることが望まれる。例えば表面抵抗値や黒色度等を調整するために遮光層21,31にカーボンブラックや導電性カーボンブラックを併用してもよい。このような場合には、各成分の配合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して、遮熱顔料5~50質量部、カーボンブラック0~10質量部、並びに、その他の顔料及び染料0~50質量部が好ましく、バインダー樹脂100質量部に対して、遮熱顔料8~30質量部、カーボンブラック0~5質量部、並びに、その他の顔料及び染料0~30質量部がより好ましい。近赤外光の吸収率を最小限に留める観点から、遮光層21,31はカーボンブラックを実質的に含有しないことが望ましい。
図4は、遮光フィルム100の分光反射率の実測データの一例を示すグラフである。ここでは、本発明品1(遮光層21、基材フィルム11、及び遮光層31の3層積層構造を有するもの)と、本発明品2(遮光層21、及び基材フィルム11の2層積層構造を有するもの)と、従来品(カーボンブラックを用いた遮光層、基材フィルム11、及びカーボンブラックを用いた遮光層の3層積層構造を有するもの)の3つのデータを示す。なお、本発明品1の遮光フィルム100は、基材フィルム11として厚み25μmのポリイミドフィルムを、遮光層21及び遮光層31として厚み8.5μmの遮熱遮光膜(遮光顔料11.7質量%(phr)、導電フィラー4.24質量部、残部が硬化剤及びバインダー前駆体(バインダーとして12.9質量部)のフィルム)を、それぞれ用いた総厚み42μmの積層遮光フィルムである。本発明品1の遮光フィルム100の700cm-1以上1500cm-1以下の近赤外領域における分光反射率は25%であった。また、本発明品2の遮光フィルム100は、基材フィルム11として厚み25μmのポリイミドフィルムを、遮光層21として厚み15.5μmの遮熱遮光膜(遮光顔料11.7質量%(phr)、導電フィラー4.24質量部、残部が硬化剤及びバインダー前駆体(バインダーとして12.9質量部)のフィルム)を、それぞれ用いた総厚み42μmの積層遮光フィルムである。本発明品2の遮光フィルムの700cm-1以上1500cm-1以下の近赤外領域における分光反射率は30%であった。また、従来品の遮光フィルムは、本発明品1において、遮熱顔料の代わりにカーボンブラックを用いたものである。従来品の遮光フィルムの700cm-1以上1500cm-1以下の近赤外領域における分光反射率は5%であった。
遮光層21,31の厚みは、要求性能及び用途に応じて適宜設定でき、特に限定されない。高い光学濃度、軽量化及び薄膜化の観点からは、遮光層21,31の厚みは、それぞれ0.1μm以上が好ましく、より好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは4.0μm以上であり、上限側は23μm以下が好ましく、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは18μm以下である。
また、軽量化及び薄膜化の観点からは、遮光フィルム100の総厚みは、0.5μm以上80μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは60μm以下である。
本実施形態の遮光フィルム100の好適態様として、人間工学的なアプローチから、上述した光学濃度及び60度光沢度を有する遮光層21と遮光層31において、60度光沢度の差を1.5~4.0とした構成や色差ΔE*abを0.2以上とした構成をさらに採用することができる。このように60度光沢度及び/又は色差ΔE*abをさらに付与した遮光層21及び遮光層31を採用することで、光学濃度、光沢、艶、色差等が相まった結果、知覚色差が増強し、これにより、非接触すなわち目視で、遮光フィルム100の表裏の判別が極めて容易となる。
遮光層21と遮光層31の色差ΔE*abの調整方法としては、例えば、遮光層21と遮光層31とで遮熱顔料の含有量を相違させる方法、遮光層21と遮光層31とで黒色度の異なる遮熱顔料を用いる方法、遮光層21と遮光層31とで大きさの異なる遮熱顔料を用いる方法、遮光層21と遮光層31とで表面粗さを相違させる方法、遮光層21と遮光層31とで色相の異なるバインダー樹脂を用いる方法、遮光層21及び遮光層31の一方のみに他の顔料又は染料を併用する方法、使用する遮熱顔料と他の顔料又は染料との種類を遮光層21及び遮光層31とで異ならしめる方法等があるが、これらに特に限定されない。また、遮光膜に用いられる各種公知の添加剤を配合することで、明度、色相、及び/又は彩度を調整することも可能である。これらの調整方法は、各種の方法をそれぞれ単独で又は適宜組み合わせて行うことができる。
また、遮光層21と遮光層31の60度光沢度の調整方法としては、例えば、遮光層21と遮光層31とで遮熱顔料の含有量を相違させる方法、遮光層21と遮光層31とで黒色度の異なる遮熱顔料を用いる方法、遮光層21と遮光層31とで大きさの異なる遮熱顔料を用いる方法、遮光層21と遮光層31とで表面粗さを相違させる方法、遮光層21と遮光層31とで色相の異なるバインダー樹脂を用いる方法、遮光層21及び遮光層31の一方のみに他の暗色系の顔料又は染料を併用する方法、使用する遮熱顔料と他の顔料又は染料との種類を遮光層21及び遮光層31とで異ならしめる方法等があるが、これらに特に限定されない。また、遮光膜に用いられる各種公知の添加剤を配合することで、60度光沢度を調整することも可能である。これらの調整方法は、各種の方法をそれぞれ単独で又は適宜組み合わせて行うことができる。
遮光層21,31の外周側面には、上述した傾斜端面12に対応する傾斜角θを有する傾斜端面22,32(外周端面22,32)が両側面(2箇所)に設けられている。これらの傾斜端面22,32は、遮光層21,31を図2に示すように平坦状態にしたとき、遮光層21の主面21a側から視認可能となるように、遮光層21の主面21aの法線方向からの平面視で露出するように設けられている(図3参照)。具体的には、遮光層21の主面21aと傾斜端面22,32とを結ぶ傾斜角θが10~87°となるように設定されている。なお、傾斜端面22,32が遮光層21の主面21a側から視認可能である限り、例えばフィルム端面強化のために、傾斜端面22,32に透明乃至半透明の保護層等が設けられていてもよい。このように構成し、基材フィルム11と遮光層21,31との色相、彩度、明度、透明度、60度光沢度、全光線透過率等の相違を利用すれば、遮光層21,31の判別性がさらに向上する。ここで、傾斜端面22,32の傾斜角θは、特に限定されないが、傾斜端面12と同様に10~87°が好ましく、より好ましくは30~85°、さらに好ましくは40~83°、特に好ましくは45~80°である。傾斜端面12と同一又は同程度の傾斜角に設定することで、端面強度を高く維持し易い傾向にあり、また、生産性が向上され易い傾向にある。
なお、遮光層21,31は、当業界で公知の各種添加剤を含有していてもよい。その具体例としては、マット剤(艶消し剤)、滑剤、導電剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤、酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、流動調整剤、消泡剤、分散剤等が挙げられるが、これらに特に限定されない。マット剤としては、架橋ポリメチルメタクリレート粒子、架橋ポリスチレン粒子等の有機系微粒子、シリカ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化チタン等の無機系微粒子等が挙げられるが、これらに特に限定されない。滑剤としては、ポリエチレン、パラフィン、ワックス等の炭化水素系滑剤;ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸系滑剤;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等のアミド系滑剤;ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリド等のエステル系滑剤;アルコール系滑剤;金属石鹸、滑石、二硫化モリブデン等の固体潤滑剤;シリコーン樹脂粒子、ポリテトラフッ化エチレンワックス、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂粒子等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの中でも、特に有機系滑剤が好ましく用いられる。また、バインダー樹脂として、紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂を用いる場合には、例えばn-ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-ブチルホスフィン等の増感剤や紫外線吸収剤等を用いてもよい。これらは1種を単独で用いることができ、また2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの含有割合は、特に限定されないが、遮光層21,31中に含まれる全樹脂成分に対する固形分換算で、一般的にはそれぞれ0.01~5質量%であることが好ましい。
また、遮光層21,31は、15%以下の可視光反射率を有することが好ましい。ここで可視光反射率とは、分光光度計(島津製作所社製、分光光度計SolidSpec-3700等)及び標準板として硫酸バリウムとを用い、遮光層21,31に対して入射角8°で光を入射したときの、相対全光線反射率を意味する。より高い遮光性を具備させる等の観点から、遮光層21,31の可視光反射率は、10%以下がより好ましく、さらに好ましくは8%以下、特に好ましくは4%以下である。なお、遮光層21,31の判別性を高める観点からは、遮光層21と遮光層31の可視光反射率の差は1%以上であることが好ましい。
さらに、遮光層21,31は、十分な帯電防止性能を具備させる観点から、1.0×1010Ω未満の表面抵抗率を有することが好ましく、より好ましくは1.0×108Ω未満、さらに好ましくは5.0×107Ω未満である。なお、本明細書において、表面抵抗率は、JIS-K6911:1995に準拠して測定される値とする。
遮光フィルム100の製造方法は、上述した構成のものが得られる限り、特に限定されない。基材フィルム11上に遮光層21,31を再現性よく簡易且つ低コストで製造する観点からは、ドクターコート、ディップコート、ロールコート、バーコート、ダイコート、ブレードコート、エアナイフコート、キスコート、スプレーコート、スピンコート等の従来公知の塗布方法が好適に用いられる。
例えば、上述したバインダー樹脂及び遮熱顔料、並びに必要に応じて配合される任意成分としての他の顔料或いは染料、又は添加剤等を溶媒中に含有する塗布液を、基材フィルム11の主面上に塗布し、乾燥させた後、必要に応じて熱処理や加圧処理等を行うことにより、基材フィルム11上に遮光層21,31を製膜できる。ここで使用する塗布液の溶媒としては、水;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のエーテル系溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤、並びにこれらの混合溶媒等を用いることができる。なお、基材フィルム11と遮光層21,31との接着を向上させるため、必要に応じてアンカー処理やコロナ処理等を行うこともできる。さらに、必要に応じて、基材フィルム11と遮光層21,31との間にプライマー層や接着層等の中間層を設けることもできる。なお、圧縮成形、射出成形、ブロー成形、トランスファ成形、押出成形等の各種公知の成形方法により、所望形状を有する遮光フィルム100を簡易に得ることもできる。また、一旦シート状に成形した後、真空成形や圧空成形等を行うこともできる。
また、傾斜端面12,22,32の形成方法についても、特に限定されない。各種公知の手法を適宜適用して、任意の傾斜角θを有する傾斜端面12,22,32を作成することができる。例えば、基材フィルム11上に遮光層21及び遮光層31を設けた積層遮光フィルムを用意し、その外周側面を上述した傾斜角θで切り落とす(裁断する)ことで、傾斜端面12,22,32を簡易に設けることができる。また、傾斜端面22,32が不要な場合は、任意の傾斜角θを有する傾斜端面12を予め設けた基材フィルム11を用意し、この基材フィルム11上に遮光層21及び遮光層31を設ければよい。
(作用)
本実施形態の遮光フィルム100及び原反ロール200においては、バインダー樹脂に顔料を分散させ、1.5以上の光学濃度及び10%未満の60度光沢度を有する遮光層21,31を採用し、JIS R 3106に準拠して測定される700cm-1以上1500cm-1以下の近赤外領域における遮光フィルム100の分光反射率を20%以上としている。そのため、本実施形態の遮光フィルム100等は、光学機器用途において必要とされる遮光性及び低反射性を有しながらも、カーボンブラックを用いた従来技術に比して、近赤外光の吸収にともなう発熱が緩和され、或いは発熱量が低減され、その結果、検出能の低下、解像度の低下、測定誤差の増大等の不具合の発生が抑制される。
また、1.5以上の光学濃度及び10%未満の60度光沢度を有する遮光層21,31を採用しているため、本実施形態の遮光フィルム100等をレンズユニットやカメラモジュール等の光学機器用遮熱遮光部材として用いる場合には、不要な入射光や反射光を除去することができ、ハレーション、レンズフレア、ゴースト等の発生を防止でき、撮像画像の画質を向上させることができる。
しかも、上述した積層構造において、表裏面に露出した遮光層21と遮光層31の光学濃度、60度光沢度、及び色差ΔE*abを上記の通り調整することにより、知覚色差が増強され、これにより、非接触すなわち目視で、表裏面の判別を極めて容易に行うことができる。また、平面視で視認可能に露出した傾斜端面12は、フィルム外周縁において、光沢感や艶のある輝部として認知可能であるため、非接触すなわち目視で遮光フィルム100の表裏面の判別を、格別容易に行うことができる。これは、遮光層21や遮光層31と傾斜端面12(基材フィルム11)との、色相、彩度、明度、透明度、60度光沢度、全光線透過率等の相違に起因する。
また、本実施形態の遮光フィルム100等を暗所で取り扱う場合にも、傾斜端面12は特に有効に機能する。すなわち、傾斜端面12(基材フィルム11)は、遮光層21や遮光層31との相違に起因して、僅かな光であっても光沢感や艶のある輝部として明瞭に認知可能である。また、傾斜端面12を指等で直接触れ、その傾斜方向を確認することで、表裏面の判別を行うこともできる。
(変形例)
なお、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内で、任意に変更して実施することができる。例えば、傾斜端面22,32を設けずに、傾斜端面12のみを設けてもよい。また、傾斜端面12の形成箇所は、基材フィルム11の外周側面の少なくとも一部に設けられていればよい。或いは、傾斜端面12の形成箇所は、遮光層21(遮光層31)の外周側面の少なくとも一部に設けられていればよい。さらに、本実施形態のように遮光フィルム100のMD方向に延在するように基材フィルム11の両側面(2箇所)に設けても、基材フィルム11のTD方向に延在するように基材フィルム11の一側面(1箇所)又は両側面(2箇所)に設けてもよい。或いは、基材フィルム11の外周側面の全面(全周)にわたって傾斜端面12を設けてもよい。また、MD方向及び/又はTD方向に延在する傾斜端面12は、本実施形態のように連続的に形成されていてもよく、また、断続的に形成されていてもよい。さらに、上述した実施形態では、基材フィルム11の表裏に遮光層21及び遮光層31を設けた態様を示したが、基材フィルム11を設けることなく、遮光層21及び遮光層31の積層構造(2層構造)としてもよく、また、遮光層21のみ(遮光層31のみ)の単層構造としてもよい。さらには、遮熱遮光層は1以上設けられていればよく、例えば本実施形態においては、一方を遮光層21とし他方を(非遮熱)遮光層31としてもよい。また、上述した積層構造体は、遮光フィルム100の取扱時において、表裏面に遮光層21と遮光層31が露出した状態であればよく、その後の使用時や実装時において、遮光層21や遮光層31の露出面を覆うように保護層や他の遮光層等の追加の層が形成されていてもよい。さらに、2以上の遮光膜から遮光層21,31を形成してもよい。例えば遮熱遮光膜21a及び遮光膜21bが積層された積層遮光層を遮光層21として適用することができる。遮光層31についても同様である。このとき、遮熱遮光膜21a及び遮光膜21bの積層体として、遮光層21に求められる上述した各種性能・物性を満たせばよい。遮光層31についても同様である。
(第二実施形態)
図5は、本発明の第二実施形態のレンズユニット41及びカメラモジュール51を模式的に示す分解斜視図である。レンズユニット41は、レンズ群42(レンズ42A,42B,42C,42D,42E)と、多段円筒状のホルダー43と、遮光性スペーサーとしての光学機器用遮光リング100A,100B,100C(遮光フィルム100)とから構成されている。ホルダー43の内周部には複数の段差部43a,43b,43cが設けられている。そして、この段差部43a,43b,43cを利用して、レンズ群42及び光学機器用遮光リング100A,100B,100Cが、同軸上(同一光軸上)に配置して積み重ねられた状態で、ホルダー43内の所定位置に収納配置されている。ここで、レンズ42A,42B,42C,42D,42Eとしては、凸レンズや凹レンズ等、種々のレンズを用いることができ、その曲面は、球面であっても、非球面であってもよい。一方、カメラモジュール51は、上述したレンズユニット41と、このレンズユニット41の光軸上に配置され、レンズユニット41を通して被写体を撮像する、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の撮像素子44とから構成されている。
図6は、光学機器用遮光リング100Aを模式的に示す断面図である。光学機器用遮光リング100Aは、上述した第一実施形態の遮光フィルム100をリング状(中空筒状)に打ち抜き加工して得られたものである。そのため、光学機器用遮光リング100Aは、上述した第一実施形態の遮光フィルム100と同様の積層構造を有する。
光学機器用遮光リング100Aは、平面視で略中央位置に円状の中空部Sが設けられた、外形がリング状(中空筒状)の遮光板である。本実施形態において、光学機器用遮光リング100Aの外周側面には、上述した傾斜端面12,22,32)が設けられておらず、これらの外周側面は断面視で矩形状に形成されている。すなわち、本実施形態の光学機器用遮光リング100Aにおいて、外周端面の傾斜角θは90°となっている。一方、本実施形態の光学機器用遮光リング100Aにおいて、内周端面には、上述した傾斜端面12,22,32に対応する、傾斜端面13,23,33が設けられている。なお、光学機器用遮光リング100B,100Cは、外径のサイズ及び中空部Sの外径のサイズがそれぞれ相違すること以外は、光学機器用遮光リング100Aと同様の構成を有するものであり、ここでの重複した説明は省略する。
(作用)
本実施形態の光学機器用遮光リング100A,100B,100Cにおいても、バインダー樹脂に遮熱顔料を分散させ、1.5以上の光学濃度及び10%未満の60度光沢度を有する遮光層21,31を採用し、これにより、JIS R 3106に準拠して測定される700cm-1以上1500cm-1以下の近赤外領域における光学機器用遮光リング100A,100B,100Cの分光反射率を20%以上としている。そのため、これをレンズユニットやカメラモジュール等の光学機器用遮熱遮光部材として用いることで、光学機器用途において必要とされる遮光性及び低反射性を有しながらも、カーボンブラックを用いた従来技術に比して、近赤外光の吸収にともなう発熱が緩和され、或いは発熱量が低減され、その結果、検出能の低下、解像度の低下、測定誤差の増大等の不具合の発生が抑制される。
また、1.5以上の光学濃度及び10%未満の60度光沢度を有する遮光層21,31を採用しているため、本実施形態の遮光フィルム100等をレンズユニットやカメラモジュール等の光学機器用遮熱遮光部材として用いる場合には、不要な入射光や反射光を除去することができ、ハレーション、レンズフレア、ゴースト等の発生を防止でき、撮像画像の画質を向上させることができる。
しかも、上述した積層構造において、表裏面に露出した遮光層21と遮光層31の光学濃度、60度光沢度、及び色差ΔE*abを上記の通り調整することにより、知覚色差が増強され、これにより、非接触すなわち目視で、光学機器用遮光リング100A,100B,100Cの表裏面の判別を極めて容易に行うことができる。そのため、これら光学機器用遮光リング100A,100B,100Cを用いたレンズユニット41及びカメラモジュール51は、その保管時や組み込み時においても、表裏面の誤認に基づく組み込み不良等の製造故障が抑止される。
その上さらに、本実施形態の光学機器用遮光リング100Aにおいては、傾斜端面13,23,33が設けられており、遮光層21,31の判別性がさらに高められている。このように光軸側の端面(内周端面)に傾斜端面13,23,33を設けることで、不要な反射光を除去することができ、ハレーション、レンズフレア、ゴースト等の発生を防ぎ、撮像画像の画質を向上させることができる。
(変形例)
なお、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内で、任意に変更して実施することができる。例えば、遮光フィルム100(光学機器用遮光リング100A,100B,100C)の外形形状は、例えば平面視で長方形状、正方形状、六角形状等の多角形状、楕円形状、不定形状等の任意の形状を採用することができる。また、光学機器用遮光リング100A,100B,100Cの中空部Sの形状も、本実施形態では平面視で円状に形成されているが、その外形は特に限定されない。例えば平面視で長方形状、正方形状、六角形状等の多角形状、楕円形状、不定形状等の任意の形状を採用することができる。さらに、本実施形態では、上述した傾斜端面12,22,32を設けていないが、必要に応じて、傾斜端面12、及び傾斜端面22,32のいずれか一方或いは双方を適宜設けることができる。さらに、上述した実施形態では、基材フィルム11の表裏に遮光層21及び遮光層31を設けた態様を示したが、基材フィルム11を設けることなく、遮光層21及び遮光層31の積層構造(2層構造)としてもよく、また、遮光層21のみ(遮光層31のみ)の単層構造としてもよい。また、上述した積層構造体は、遮光フィルム100の取扱時において、表裏面に遮光層21と遮光層31が露出した状態であればよく、その後の使用時や実装時において、遮光層21や遮光層31の露出面を覆うように保護層や他の遮光層等の追加の層が形成されていてもよい。さらに、2以上の遮光膜から遮光層21,31を形成してもよい。例えば遮光膜21a及び遮熱遮光膜21bが積層された積層遮光層を遮光層21として適用することができる。遮光層31についても同様である。このとき、遮光膜21a及び遮熱遮光膜21bの積層体として、遮光層21に求められる上述した各種性能・物性を満たせばよい。遮光層31についても同様である。
(第三実施形態)
図7は、本発明の第三実施形態の光学機器用絞り部材300を模式的に示す平面図である。この光学機器用絞り部材300は、一眼レフ用の写真撮影用レンズに搭載された光量調整用の絞り部材である。本実施形態においては、6枚の絞り羽根300Aを重ね合わせた虹彩絞りとなっており、図示しない絞りリング及び省電力自動絞り駆動機構により、手動で及び/又は通電により所定の光量調整を行う。
各々の光学機器用絞り部材300は、上述した第一実施形態の遮光フィルム100を所定形状に打ち抜き加工して得られたものである。そのため、光学機器用絞り部材300は、上述した第一実施形態の遮光フィルム100と同様の積層構造を有する。このように構成された本実施形態の光学機器用絞り部材300においても、上述した第一及び第二実施形態と同様の作用効果が奏される。そのため、ここでの重複した説明は省略する。
なお、光学機器用絞り部材300において、絞り羽根300Aの形状及び枚数は、図示のものに限定されず、任意の形状及び枚数とすることができる。また、本実施形態では、虹彩絞りの絞り部材を例に挙げたが、ウォーターハウス絞りや回転絞り等の公知の形式を採用することもできる。また、本実施形態では、光量調整用の絞り部材に適用した例を挙げたが、上述した各種実施形態の遮光フィルム100は、フォーカルプレーンシャッターやレンズシャッター等のシャッター部材やシャッター羽根としても、同様に用いることができる。
本発明は、精密機械分野、半導体分野、光学機器分野、電子機器等における高性能な光学機器用遮熱遮光部材として広く且つ有効に利用可能である。とりわけ、高性能一眼レフカメラ、コンパクトカメラ、ビデオカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話、プロジェクタ、車載カメラ、車載センサ、光学センサ等に搭載されるレンズユニットやカメラモジュールやセンサユニット等に用いる遮光部材、絞り部材、シャッター部材等として、さらには近赤外線カメラや近赤外線センサ等に用いる遮光部材、絞り部材、シャッター部材等として、殊に有効に利用可能である。
11 ・・・基材フィルム
11a・・・表面(主面)
11b・・・表面(主面)
12 ・・・傾斜端面
13 ・・・傾斜端面
21 ・・・遮光層
21a・・・表面(主面)
22 ・・・傾斜端面
23 ・・・傾斜端面
31 ・・・遮光層
31a・・・表面(主面)
32 ・・・傾斜端面
33 ・・・傾斜端面
41 ・・・レンズユニット
42 ・・・レンズ群
42A・・・レンズ
42B・・・レンズ
42C・・・レンズ
42D・・・レンズ
42E・・・レンズ
43 ・・・ホルダー
43a・・・段差部
43b・・・段差部
43c・・・段差部
44 ・・・撮像素子
51 ・・・カメラモジュール
100 ・・・遮光フィルム
100A・・・遮光リング(積層遮光フィルム)
100B・・・遮光リング(積層遮光フィルム)
100C・・・遮光リング(積層遮光フィルム)
200 ・・・原反ロール
300 ・・・光学機器用絞り部材
300A・・・絞り羽根
θ ・・・傾斜角
S ・・・中空部
MD ・・・流れ方向
TD ・・・垂直方向

Claims (12)

  1. 基材フィルム、及び前記基材フィルムの一方の主面側に設けられた第一遮光層、及び前記基材フィルムの他方の主面側に設けられた第二遮光層を少なくとも備える積層構造を有する光学機器用遮光フィルムであり、
    前記第一遮光層は、バインダー樹脂と、前記バインダー中に分散された顔料と、を少なくとも含有し、且つ1.5以上の光学濃度及び10%未満の60度光沢度を有し、
    前記第一遮光層と前記第二遮光層との60度光沢度の差が、1.5~4.0であり、
    前記光学機器用遮光フィルムは、JIS R 3106に準拠して前記第一遮光層側または前記第二遮光層側から測定される700cm-1以上1500cm-1以下の近赤外領域における分光反射率が平均で20%以上である
    ことを特徴とする、光学機器用積層遮光フィルム。
  2. 前記第二遮光層は、1.5以上の光学濃度及び10%未満の60度光沢度を有する
    請求項1に記載の光学機器用積層遮光フィルム。
  3. 前記第一遮光層及び前記第二遮光層は、合計で2.5以上の光学濃度を有する
    請求項1又は2に記載の光学機器用積層遮光フィルム。
  4. 前記第一遮光層と前記第二遮光層との色差ΔE*abが0.2以上である
    請求項1~3のいずれか一項に記載の光学機器用積層遮光フィルム。
  5. 前記第二遮光層は、バインダー樹脂と、前記バインダー中に分散された顔料と、を少なくとも含有する
    請求項1~4のいずれか一項に記載の光学機器用積層遮光フィルム。
  6. 前記第二遮光層は、前記バインダー樹脂100質量部に対して、JIS K 5602に準拠して測定される700cm -1 以上1500cm -1 以下の近赤外領域における分光透過率が50%以上の遮熱顔料5~50質量部、及びカーボンブラック0~10質量部を含有する
    請求項1~5のいずれか一項に記載の光学機器用積層遮光フィルム。
  7. 前記第二遮光層は、カーボンブラックを含有しない
    請求項1~6のいずれか一項に記載の光学機器用積層遮光フィルム。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の光学機器用積層遮光フィルムを備え、平面視でリング状の外形形状を有することを特徴とする、
    光学機器用遮光リング。
  9. 請求項1~7のいずれか一項に記載の光学機器用積層遮光フィルムを備えることを特徴とする、
    光学機器用絞り部材。
  10. 請求項1~7のいずれか一項に記載の光学機器用積層遮光フィルムを備えることを特徴とする、
    光学機器用シャッター部材。
  11. 少なくとも1以上のレンズ及び少なくとも1以上の遮光板が、前記レンズの光軸方向に配列されたレンズユニットであって、
    前記遮光板の少なくとも1以上が、請求項8に記載の光学機器用遮光リング、請求項9に記載の光学機器用絞り部材、及び/又は、請求項10に記載の光学機器用シャッター部材からなることを特徴とする、
    レンズユニット。
  12. 少なくとも1以上のレンズ及び少なくとも1以上の遮光板を備え、前記レンズ及び前記遮光板が前記レンズの光軸方向に配列されたレンズユニットと、前記レンズユニットを通して被写体を撮像する撮像素子とを少なくとも有するカメラモジュールであって、
    前記遮光板の少なくとも1以上が、請求項8に記載の光学機器用遮光リング、請求項9に記載の光学機器用絞り部材、及び/又は、請求項10に記載の光学機器用シャッター部材からなることを特徴とする、
    カメラモジュール。
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