JP2015175996A - 電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリア及び該樹脂被覆キャリアを用いた電子写真現像剤 - Google Patents

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正史 青木
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Tetsuya Uemura
哲也 植村
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Abstract

【課題】長時間にわたる攪拌ストレスや極度の撹拌ストレス強度の影響下でも、粒子の割れ、欠けが発生せず、高画質が得られると共に、耐刷に伴う帯電量変動が極めて少ない安定した画質が得られる電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリア及び該樹脂被覆フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤を提供する。
【解決手段】フェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアであって、該樹脂は芳香族成分を有するポリウレタン単独又は該ポリウレタンとフッ素系樹脂との混合樹脂からなることを特徴とする電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアを採用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、複写機、プリンター等に用いられる二成分系電子写真現像剤に使用される電子写真現像剤用樹脂被覆キャリア及び該樹脂被覆キャリアを用いた電子写真現像剤に関する。
電子写真法に使用される二成分系現像剤はトナーとキャリアとにより構成されており、キャリアは現像剤ボックス内でトナーと混合撹拌され、トナーに所望の電荷を与え、電荷を帯びたトナーを感光体上の静電潜像に運び、トナー像を形成させる担体物質である。キャリアはトナー像を形成した後も、マグネットに保持され現像ロール上に残り、さらに再び現像ボックスに戻り、新たなトナーと再び混合撹拌され、一定期間繰り返し使用される。
この二成分系現像剤は、一成分系現像剤と異なり、キャリアが、トナーを撹拌し、トナーに所望の帯電性を付与すると共に、トナーを搬送する機能を有しており、現像剤設計において制御性がよいため、特に高画質の要求されるフルカラー機並びに画像維持の信頼性及び耐久性の要求される高速機の分野に広く使用されている。
このように、キャリア(キャリア粒子)は、長時間の使用中、常にトナー(トナー粒子)を所望する極性で、かつ充分な帯電量に摩擦帯電させなければならない。しかしながら、キャリア粒子間の衝突、現像槽内での機械的撹拌で、キャリア粒子の割れ、欠けが発生したり、被覆膜の削れ、剥がれが多くなったりするため、キャリア粒子の帯電特性が使用時間と共に低下してしまうと同時に、カブリやトナー飛散並びにキャリア粒子の割れ、欠けに伴うキャリア付着等の画質劣化が生じるため、現像剤全体を取り替える必要が生じる。
このようなキャリア粒子の割れ、欠けを防止するためには、従来、芯材であるキャリア粒子そのものの強度を向上させる提案や、機械的撹拌に伴う粒子への負担を緩和することにより、キャリア全体のストレスを緩和する試み等がなされてきた。
芯材そのものの強度を向上させる提案として、例えば特許文献1(特開2007−271663号公報)が挙げられる。この特許文献1には、球状で、高い圧縮破壊強度及び圧縮変化率を有し、現像剤に用いたときに現像器内で受けるストレスによる破壊強度に対する強度に優れ、かつ適度の脆性を有しており、このことによりキャリア付着が防止され、長寿命化が図れる電子写真現像剤用フェライトキャリア及びその製造方法、並びに電子写真現像剤が提案されている。
一方、キャリア全体のストレスを緩和する試みとしては、粒子密度に応じた流動度或いは保持力を制御することで流動性を適正化する、もしくは現像槽内の現像剤ストレスを緩和するためキャリア1粒子の重さを低減する等が挙げられる。
特許文献2(特開2002−357930号公報)には、下記式(1)で示される流動性指数(F1)が63〜75sec/(50・cm)、及び下記式(2)で示される流動性指数(F2)が30〜100Oe・g/cmであることを特徴とする電子写真現像剤用キャリアが提案されている。この特許文献2において、F1=AD×FR…(1)、F2=AD×Hc…(2)である。なお、式中、ADは見掛け密度(g/cm)、FRは流動度(sec/50g)、Hc(Oe)は保磁力をそれぞれ示す。
この特許文献2によると、キャリア粒径としては、体積平均粒径が30〜80μm程度が好ましいとされており、現像機が限られた容積を持っていることから、現像剤、特にキャリアの単位体積あたりの流動度を適正化することが重要であるとされている。流動度を適正化するためには保持力が関与しており、保持力が低くなりすぎるとキャリアチェーンがスリーブ上で密になりにくく現像性が低下する。保持力が高くなりすぎると上での流動性が悪化しトナーが供給されにくくなり、現像性が低下する、キャリアがスリーブを離れた後も充分にほぐれず、新たに供給されたトナーと混ざりにくくなるといった不具合が生じると記載されている。
特許文献3(特開2012−58344号公報)には、多孔質フェライト粒子からなり、該多孔質フェライト粒子の組成が(MnO)(MgO)及び/又は(Fe2O3)の一部をSrOで0.3〜4.0重量%置換した電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア芯材が提案されている。この特許文献3によると、電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア芯材及びその空隙に樹脂を充填したフェライトキャリアは、低比重で軽量化が図られ、樹脂充填型キャリアの利点を保持しつつ、高品位な画質が得られ、粒子強度も強く、耐久性に優れ、画像欠陥を低減できるとされていることから、現像槽内の現像剤ストレスが緩和されることは容易に推測される。また、特許文献3には、キャリア粒子の強度を向上させるための試みとして多数の先行文献も記載されている。
以上のように、キャリア全体のストレスを緩和する試みは、樹脂被覆種によりある程度制御可能であるが、粒子そのものの強度を向上させる試みは、芯材の組成、芯材の製造方法及び樹脂充填量の調整によるものであり、樹脂材料成分を精査することによるキャリア粒子強度向上の試みはなされてこなかった。
また、被覆樹脂により、帯電特性の向上に大きな役割を果たしていることが知られている。特に、長期にわたる帯電量安定性及び画像安定性の向上を目的に、キャリア芯材表面にフッ素系樹脂を被覆することが提案されている。
例えば、特許文献4(特開2006−163373号公報)には、フェライト粒子の表面が、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体又は4フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体とポリアミドイミド樹脂との混合樹脂で被覆されており、該混合樹脂が酸化ケイ素を含有している電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアが提案されている。しかしながら、キャリア粒子の割れ、欠けについての記載はされていない。
ところで、特許文献5(特開2011−164480号公報)には、ウレタン成分含有樹脂をコーティングしたキャリアが提案されている。この特許文献5によると、樹脂層が剥がれ難い静電潜像現像用キャリアが提案されているものの、キャリア粒子そのものの強度向上を志向したのもではない上に、帯電特性と両立させているといった記述はなされていない。
特開2007−271663号公報 特開2002−357930号公報 特開2012−58344号公報 特開2006−163373号公報 特開2011−164480号公報
従って、本発明の目的は、長時間にわたる攪拌ストレスや極度の撹拌ストレス強度の影響下でも、粒子の割れ、欠けが発生せず、高画質が得られると共に、耐刷に伴う帯電量変動が極めて少ない安定した画質が得られる電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリア及び該樹脂被覆フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、フェライトキャリア芯材を被覆する樹脂として、特定のポリウレタンを用いることによって、高い圧縮強度が得られるために粒子の割れ、欠けが抑制され、そのため、耐刷に伴う割れ、欠けによるキャリア飛散が少なく高画質が得られ、しかも被覆膜が高硬度であり、被覆膜の削れ、剥がれが発生しにくいため、耐刷に伴う帯電量変動が極めて少ない安定した画質が得られることを知見し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、フェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアであって、該樹脂は芳香族成分を有するポリウレタン単独又は該ポリウレタンとフッ素系樹脂との混合樹脂からなることを特徴とする電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアを提供するものである。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアに用いられる上記ポリウレタンは、ポリカルボン酸アミン塩共存下、共重合させることで得られる平均粒径0.01〜0.1μmの自己乳化型水分散体であり、該ポリウレタン全体量に対して、N−メチルピロリドンを25〜35重量%含有することが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアにおいて、上記フッ素系樹脂と上記ポリウレタンとの混合樹脂中のフッ素系樹脂の含有量が40重量%以下であることが望ましい。
また、本発明は、上記樹脂被覆フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤を提供するものである。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアは、長時間にわたる攪拌ストレスや極度の撹拌ストレス強度の影響下でも、粒子の割れ、欠けが発生せず、該樹脂被覆フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤によって高画質が得られると共に、耐刷に伴う帯電量変動が極めて少ない安定した画質が得られる。
<本発明に係る電子写真現像剤用樹脂被覆キャリア>
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアは、フェライトキャリア芯材(フェライト粒子)の表面に樹脂を被覆するものである。
ここに用いられるフェライト粒子は、Mn、Mg、Li、Ca、Sr、Cu、Zn、Niから選ばれる少なくとも1種を含むことが望ましい。近年の廃棄物規制を始めとする環境負荷低減の流れを考慮すると、Cu、Zn、Niの重金属を随伴不純物の範囲を超えて含有しないことが好ましい。
本発明に用いられる被覆樹脂は、芳香族成分を有するポリウレタン単独又は該ポリウレタンとフッ素系樹脂との混合樹脂からなる。
芳香族成分を有するポリウレタンは、高圧縮強度が得られ、その結果、耐刷に伴う細かな割れ、欠けによるキャリア飛散が極めて少ない安定した高画質が得られる。
また、本発明に用いられるポリウレタンは、芳香族成分を有することから、ポリウレタンのπ―πスタッキングに伴う結晶性が高くなり、樹脂硬度が高くなることから、撹拌ストレスの強さに対して、被覆膜の削れや剥がれが発生しにくい。このことから、耐刷に伴う帯電量変動が極めて少なく、安定した画質が得られる。
本発明に用いられるポリウレタンは、ポリカルボン酸アミン塩共存下、共重合させることで得られる平均粒径0.01〜0.1μmの自己乳化型水分散体であり、該ポリウレタン全体量に対して、N−メチルピロリドンを5〜20重量%含有することが望ましい。
本発明で用いられる共重合前の芳香族成分としては、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
ポリウレタンは、芳香族成分を有するタイプと脂肪族成分を有するタイプに大別されるが、本発明では、上記のように芳香族成分を有するポリウレタンが用いられる。脂肪族成分を有するポリウレタンを用いた場合には、帯電量変動が大きくなる。
この芳香族成分を有するポリウレタンを共重合する際に共存物質としてポリカルボン酸アミン塩を用いることが望ましく、このことにより高画質を得るための適正な帯電量レベルが得られ、紙上にかぶりが発生しない。
自己乳化型水分散体であるポリウレタンの平均粒径は0.01〜0.1μmが好ましい。このようなポリウレタンを用いることにより、樹脂粒子がフェライトキャリア芯材表面に均一に配列し、乾燥時に均一な被覆膜が得られる。また、撹拌ストレスを受けても、膜厚段差がないため、被覆膜の削れや剥がれず起こりにくく、帯電量変動が殆どない。
自己乳化型水分散体であるポリウレタンの平均粒径が0.01μm未満では、技術的に樹脂(ポリウレタン)の調製が困難であるか、存在しない。または、ポリウレタンをN,N−ジメチルホルムアミド等の有機溶剤に溶解(樹脂粒径:0μm)して使用しても、乾燥に伴う被覆膜形成時に、フェライトキャリア芯材表面における乾燥ムラが生じやすくなるため膜厚が不均一となる。そのため、芯材露出が現れて、帯電量レベルが低くなる。ポリウレタンの平均粒径が0.1μmより大きいと、樹脂粒子がフェライトキャリア芯材表面に配列しても、芯材粒子に対する粒径が大きいため、乾燥に伴う被覆膜形成が不均一となってしまい、撹拌ストレスにより、膜厚段差のある箇所から局所的に被覆膜の削れ、剥がれが発生しやすくなり、帯電量変動が大きくなる。
〔自己乳化型水分散体の平均粒径〕
ポリウレタンである自己乳化型水分散体の平均粒径は次のようにして測定される。
光散乱法(ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150:日機装(株)にて下記の条件で計測する。
測定上限 :6.54μm
測定下限 :0.0008μm
チャンネル数:52
測定時間 :100sec.
測定温度 :25℃
粒子透過性 :吸収
粒子屈折率 :N/A(適用しない)
粒子形状 :非球形
密度 :1g/cm3
分散媒種類 :WATER
分散媒屈折率:1.333
なお、測定時は、サンプル濃度指数が0.01〜0.1の範囲になるように粒子の分散体を液状媒体で希釈し、測定する。そして、この体積平均粒径は、体積粒度分布の結果を算術平均値として計測される。
ポリウレタン全体量に対するN−メチルピロリドンの含有量は25〜35重量%であることが望ましい。この範囲で樹脂分散溶媒である水の蒸発スピードが適正であるため、樹脂粒子が芯材表面に規則正しく配列する。更なる水の揮発で融着、造膜化が進行するが、N−メチルピロリドンの存在により、水の蒸発スピードが制御され、均一な融着、造膜化が得られる。水の蒸発スピード制御のためには、高沸点溶剤であるN−メチルピロリドン等を上記範囲となるように適正量添加することが必要である。
N−メチルピロリドンの含有量が25重量%未満では、水の蒸発スピードが速くなるため、樹脂粒子のフェライトキャリア芯材表面への規則正しい配列、均一な融着、造膜化が困難となる。その結果、撹拌ストレスにより、局所的に被覆膜の削れ、剥がれが発生しやすくなり、帯電量変動が大きくなる。N−メチルピロリドンの含有量が35重量%より大きいと、N−メチルピロリドンが高沸点であり添加量が多すぎるため、樹脂被覆中に乾燥できず、樹脂粒子の融着が不充分となり芯材表面に造膜できず、緻密な被覆膜が形成されない。このため、芯材露出率が大きくなり、帯電量レベルが低くなる。
本発明では、被覆樹脂として上記のポリウレタンを単独で用いても良いが、上記のポリウレタンとフッ素系樹脂とからなる混合樹脂を用いても良い。フッ素系樹脂を用いることによって所望の帯電量レベルに調整することができる。フッ素系樹脂としては特に制限されず、例えば4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(FEP)等が挙げられる。混合樹脂中のフッ素系樹脂の含有量は望ましくは40重量%以下、さらに望ましくは10〜40重量%である。フッ素系樹脂の含有量が40重量%より大きいと、ポリウレタンよりもより柔らかいフッ素系樹脂が多くなるため、圧縮強度が低くなりすぎる。そのため、撹拌ストレスに対して、粒子破壊され、細かな微小な割れ、欠けが生じ、キャリア飛散が発生する。また、フッ素成分が多くなり、帯電量レベルが高くなりすぎる。
被覆樹脂は、フェライトキャリア芯材100重量部に対して0.01〜10重量部が望ましく、より望ましくは0.5〜5重量部である。樹脂の被覆量が0.01重量部未満であると、フェライトキャリア芯材の表面を樹脂で十分被覆することができない。また、樹脂被覆量が10重量部を超えると、キャリア同士の粒子間凝集が発生し、歩留まり低下等の生産性の低下と共に実機内での流動性あるいは帯電量等の現像剤特性変動の原因となる。
フェライトキャリアの電気抵抗や帯電量、帯電速度をコントロールすることを目的に、被覆樹脂中に導電剤を含有することができる。導電剤はそれ自身の持つ電気抵抗が低いことから、含有量が多すぎると急激な電荷リークを引き起こしやすい。従って、含有量としては、被覆樹脂の固形分に対し0.25〜20.0重量%であり、好ましくは0.5〜15.0重量%、特に好ましくは1.0〜10.0重量%である。導電剤としては、導電性カーボンや酸化チタン、酸化スズ等の酸化物、各種の有機系導電剤が挙げられる。
また、被覆樹脂中には、帯電制御剤を含有させることができる。帯電制御剤の例としては、トナー用に一般的に用いられる各種の帯電制御剤や、各種シランカップリング剤が挙げられる。使用できる帯電制御剤やカップリング剤の種類は特に限定されないが、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等の帯電制御剤、アミノシランカップリング剤やフッ素系シランカップリング剤等が好ましい。
本発明において、上記フェライトキャリア芯材(フェライト粒子)の表面に、上記した樹脂を被覆するには、公知の方法、例えば刷毛塗り法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリドライ方式、万能攪拌機による液浸乾燥法等により被覆することができる。被覆率を向上させるためには、流動床による方法が好ましい。
被覆樹脂をフェライトキャリア芯材に被覆後、焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。UV硬化樹脂を用いる場合は、UV加熱器を用いる。焼き付けの温度は使用する樹脂により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げる必要がある。
このようにして得られる本発明に係る電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアの体積平均粒径は20〜60μmであることが望ましく、この範囲でキャリア付着が防止され、また良好な画質が得られる。樹脂被覆フェライトキャリアの体積平均粒径が20μm未満であると、キャリア付着の原因となるため好ましくない。また、樹脂被覆フェライトキャリアの体積平均粒径が60μmを超えると、画質が劣化しやすくなり、好ましくない。
〔体積平均粒径(マイクロトラック)〕
この体積平均粒径は、次のようにして測定される。すなわち、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(Model MT3300EXII)を用いて測定される。分散媒には水を用いた。試料(樹脂被覆フェライトキャリア)10gと水80mlを100mlのビーカーに入れ、分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム)を2〜3滴添加する。次いで超音波ホモジナイザー(SMT.Co.LTD.製UH−150型)を用い、出力レベル4に設定し、20秒間分散を行った。その後、ビーカー表面にできた泡を取り除き、試料を装置へ投入した。算出される測定モードは、HRA Modelとした。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアは、樹脂被覆フェライトキャリアとフェライトキャリア芯材の平均圧縮強度差が好ましくは5mN以上、さらに好ましくは25mN以上であり、この強度差により適正な圧縮強度が得られる。
樹脂被覆フェライトキャリアとフェライトキャリア芯材の平均圧縮強度差が5mN未満では、高強度が得られず、粒子が完全に破壊され、細かな微小な割れ、欠けが生じ、キャリア飛散が発生しやすい。
〔平均圧縮強度〕
平均圧縮強度は、次の通り測定される。
株式会社エリオニクス社製の超微小押し込み硬さ試験機ENT−1100aを使用した。ガラス板上に分散させた樹脂被覆フェライトキャリア又はフェライトキャリア芯材を試験機にセットし、25℃の環境下で測定した。試験には直径50μmφの平圧子を使用し、49mN/sの負荷速度で490mNまで荷重した。粒子の選択は、超微小押し込み硬さ試験機の測定画面(横130μm×縦100μm)に1粒子だけ存在しているキャリア粒子で、かつ球形を成し、ENT−1100a付属のソフトで計測される長径と短径の平均値がキャリア体積平均粒径の±2μmのものを使用した。荷重−変位曲線の傾きが0に近づいたときを粒子の破壊とし、変曲点の荷重を圧縮強度とした。100粒子の圧縮強度を測定し、最大値と最小値それぞれから10個を除いた80個をデータとして採用し、平均圧縮強度を求めた。樹脂被覆フェライトキャリア及びフェライトキャリア芯材それぞれの平均圧縮強度から、下記式から平均圧縮強度差を算出した。
Figure 2015175996
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアは、常温常湿(N/N)環境での30分攪拌後の初期帯電量は、30〜50μC/gが好ましく、35〜50μC/gがさらに好ましい。この範囲の初期帯電量により適正な画像特性が得られる。ここで常温常湿(N/N)環境とは、温度20〜25℃、相対湿度50〜60%である。樹脂被覆フェライトキャリアの上記初期帯電量が30μC/g未満或いは50μC/gより大きいと、帯電量レベルが低すぎる或いは高すぎるため、適正な画像特性が得られない。帯電量の測定方法を下記に示す。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアは、帯電量安定性が65〜110%であることが好ましい。帯電量安定性は100%に近い方が、耐久による安定性が高いことを示す。樹脂被覆フェライトキャリアの帯電量安定性が65%未満又は110%より大きいと耐刷に伴う帯電量変動が大きいことを示し、適正な画像特性が得られない。帯電量安定性の測定方法を下記に示す。
〔帯電量〕
帯電量は、Epping q/m−meter、PES−Laboratoriumu社製吸引式帯電量測定装置(メッシュ:795mesh、吸引圧:105±10mbar、吸引時間:90秒)により測定し求め、30分攪拌後の初期帯電量及び80k枚耐刷後の常温常湿環境下の帯電量を求めた。
〔帯電量安定性〕
上記した常温常湿環境下での30分撹拌後の現像剤の初期帯電量及び80k枚の耐刷後の耐刷後現像剤の帯電量を用い、下記式から帯電量安定性を算出した。ここにおいて、帯電量安定性の値が100%に近い方が、耐久変化が小さいことを示し、100%の場合には、耐久変化がないことを示す。
Figure 2015175996
〔画像上のキャリア付着〕
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアは、適正露光条件下で耐刷現像を行うい、80k後の画像上のキャリア付着が15個以下であるが好ましく4個以下であることがさらに好ましい。このキャリア付着は、画像上のA4紙上の白斑数を目視によってカウントされる。
<本発明に係る電子写真用現像剤>
次に、本発明に係る電子写真用現像剤について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤は、上述した電子写真現像剤用フェライトキャリアとトナーとからなるものである。
本発明の電子写真現像剤を構成するトナー粒子には、粉砕法によって製造される粉砕トナー粒子と、重合法により製造される重合トナー粒子とがある。本発明ではいずれの方法により得られたトナー粒子も使用することができる。
粉砕トナー粒子は、例えば、結着樹脂、荷電制御剤、着色剤をヘンシェルミキサー等の混合機で充分に混合し、次いで、二軸押出機等で溶融混練し、冷却後、粉砕、分級し、外添剤を添加後、ミキサー等で混合することにより得ることができる。
粉砕トナー粒子を構成する結着樹脂としては特に限定されるものではないが、ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、更にはロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂等を挙げることができる。これらは単独又は混合して用いられる。
荷電制御剤としては、任意のものを用いることができる。例えば正荷電性トナー用としては、ニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩等を挙げることができ、また、負荷電性トナー用としては、含金属モノアゾ染料等を挙げることができる。
着色剤(色材)としては、従来より知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を使用することができる。その他、トナーの流動性、耐凝集性向上のためのシリカ粉体、チタニア等のような外添剤をトナー粒子に応じて加えることができる。
重合トナー粒子は、懸濁重合法、乳化重合法、乳化凝集法、エステル伸長重合法、相転乳化法といった公知の方法で製造されるトナー粒子である。このような重合法トナー粒子は、例えば、界面活性剤を用いて着色剤を水中に分散させた着色分散液と、重合性単量体、界面活性剤及び重合開始剤を水性媒体中で混合攪拌し、重合性単量体を水性媒体中に乳化分散させて、攪拌、混合しながら重合させた後、塩析剤を加えて重合体粒子を塩析させる。塩析によって得られた粒子を、濾過、洗浄、乾燥させることにより、重合トナー粒子を得ることができる。その後、必要により乾燥されたトナー粒子に機能付与のため外添剤を添加することもできる。
更に、この重合トナー粒子を製造するに際しては、重合性単量体、界面活性剤、重合開始剤、着色剤以外に、定着性改良剤、帯電制御剤を配合することができ、これらにより得られた重合トナー粒子の諸特性を制御、改善することができる。また、水性媒体への重合性単量体の分散性を改善するとともに、得られる重合体の分子量を調整するために連鎖移動剤を用いることができる。
上記重合トナー粒子の製造に使用される重合性単量体に特に限定はないが、例えば、スチレン及びその誘導体、エチレン、プロピレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエステル及びメタクリル酸ジエチルアミノエステル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類等を挙げることができる。
上記重合トナー粒子の調製の際に使用される着色剤(色材)としては、従来から知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー及びフタロシアニングリーン等を使用することができる。また、これらの着色剤はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等を用いてその表面が改質されていてもよい。
上記重合トナー粒子の製造に使用される界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン性界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を使用することができる。
ここで、アニオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン、脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等を挙げることができる。更に、カチオン系界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。また、両イオン性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩、アルキルアミノ酸等を挙げることができる。
上記のような界面活性剤は、重合性単量体に対して、通常は0.01〜10重量%の範囲内の量で使用することができる。このような界面活性剤は、単量体の分散安定性に影響を与えるとともに、得られた重合トナー粒子の環境依存性にも影響を及ぼす。上記範囲内の量で使用することは単量体の分散安定性の確保と重合トナー粒子の環境依存性を低減する観点から好ましい。
重合トナー粒子の製造には、通常は重合開始剤を使用する。重合開始剤には、水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤とがあり、本発明ではいずれをも使用することができる。本発明で使用することができる水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、水溶性パーオキサイド化合物を挙げることができ、また、油溶性重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、油溶性パーオキサイド化合物を挙げることができる。
また、本発明において連鎖移動剤を使用する場合には、この連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四臭化炭素等を挙げることができる。
更に、本発明で使用する重合トナー粒子が、定着性改善剤を含む場合、この定着性改良剤としては、カルナバワックス等の天然ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックス等を使用することができる。
また、本発明で使用する重合トナー粒子が、帯電制御剤を含有する場合、使用する帯電制御剤に特に制限はなく、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等を使用することができる。
また、重合トナー粒子の流動性向上等のために使用される外添剤としては、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子等を挙げることができ、これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
更に、水性媒体から重合粒子を分離するために使用される塩析剤としては、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム等の金属塩を挙げることができる。
上記のようにして製造されたトナー粒子の体積平均粒径は、2〜15μm、好ましくは3〜10μmの範囲内にあり、重合トナー粒子の方が粉砕トナー粒子よりも、粒子の均一性が高い。トナー粒子が2μmよりも小さくなると、帯電能力が低下しかぶりやトナー飛散を引き起こしやすく、15μmを超えると、画質が劣化する原因となる。
上記のように製造されたキャリアとトナーとを混合し、電子写真現像剤を得ることができる。キャリアとトナーの混合比、即ちトナー濃度は、3〜15重量%に設定することが好ましい。3重量%未満であると所望の画像濃度が得にくく、15重量%を超えると、トナー飛散やかぶりが発生しやすくなる。
本発明に係る電子写真現像剤は、補給用現像剤として用いることもできる。この際のキャリアとトナーの混合比、即ちトナー濃度は100〜3000重量%に設定することが好ましい。
上記のように調製された本発明に係る電子写真現像剤は、有機光導電体層を有する潜像保持体に形成されている静電潜像を、バイアス電界を付与しながら、トナー及びキャリアを有する二成分現像剤の磁気ブラシによって反転現像する現像方式を用いたデジタル方式のコピー機、プリンター、FAX、印刷機等に使用することができる。また、磁気ブラシから静電潜像側に現像バイアスを印加する際に、DCバイアスにACバイアスを重畳する方法である交番電界を用いるフルカラー機等にも適用可能である。
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
MnO:39.6モル%、MgO:9.6モル%、Fe2O3:50モル%及びSrO:0.8モル%になるようにフェライトキャリア原料を秤量し、乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)で5時間粉砕し、得られた粉砕物をローラーコンパクターにて約1mm角のペレットにした。MnO原料としては四酸化三マンガンを、MgO原料としては水酸化マグネシウムを、SrO原料としては、炭酸ストロンチウムを用いた。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、1000℃で3時間加熱、仮焼成を行なった。
次いで、乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)を用いて平均粒径が5.1μmまで粉砕した後、水を加え、さらに湿式のメディアミル(縦型ビーズミル、1/16インチ径のステンレスビーズ)を用いて3時間粉砕した。このスラリーの粒径(粉砕の一次粒子径)をマイクロトラックにて測定した結果、D50は2.41μmであった。このスラリーに分散剤を適量添加し、また造粒される粒子の強度を確保し、次の焼成工程において還元性雰囲気を実現するため、バインダーとしてPVA(10%溶液)をスラリーの固形分に対して12重量%添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、得られた粒子の粒度調整を行なった。
上述のようにして得られた造粒物を、まず、ロータリー式電気炉にて、炉内を正圧に保ち、還元性雰囲気下、温度990℃、1時間保持し、本焼成を行なった。また、還元性雰囲気は、スプレードライヤーで造粒する際に添加した分散剤及びバインダーの加熱分解ガスを利用した。
その後、解砕し、さらに分級して粒度調整を行い、磁力選鉱により低磁力品を分別し、フェライト粒子からなるフェライトキャリア芯材を得た。このフェライトキャリア芯材の粒径は35μmであった。
次に、水及びN−メチルピロリドン中にて、ポリカルボン酸アミン塩の共存下共重合化した芳香族成分を有するポリウレタン分散体を得た。得られたポリウレタン分散体の体積平均粒径は0.02μmであり、ポリウレタン分散体を含む溶液全体量に対するN−メチルピロリドン含有量は10重量%(ポリウレタン全体量に対しては30重量%)、ポリウレタン分散体(固形分)含有量は35重量%、水含有量は55重量%であった。
上記方法により得られたポリウレタン樹脂を更に水で希釈し、樹脂溶液を調整した。樹脂層形成液を固形分換算で500g得た。この時の樹脂溶液の固形分比は10重量%であった。この被覆層形成液を用い、上記フェライト粒子10kgと共に流動床被覆装置に投入して被覆を行った。その後、190℃で3時間、焼付けを行い、樹脂被覆量5.0重量%の樹脂被覆フェライトキャリアを製造した。
共重合化後の水分散体の体積平均粒径を0.01μmに調整した以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリアを製造した。
共重合化後の水分散体の体積平均粒径を0.10μmに調整した以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリアを製造した。
ポリウレタン全体量に対するN−メチルピロリドン含有量を25重量%に調整した以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリアを製造した。
ポリウレタン全体量に対するN−メチルピロリドン含有量を35重量%に調整した以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリアを製造した。
実施例1で調製したポリウレタンと4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(FEP)とを60重量%:40重量%の割合で配合した混合樹脂を被覆樹脂として用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリアを製造した。
共重合化における共存物質として第四級アンモニウム塩を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリアを製造した。
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を用いてポリウレタンを溶液化した以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリアを製造した。
共重合化後の水分散体の体積平均粒径を0.15μmに調整した以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリアを製造した。
ポリウレタン全体量に対するN−メチルピロリドン含有量を20重量%に調整した以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリアを製造した。
ポリウレタン全体量に対するN−メチルピロリドン含有量を40重量%に調整した以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリアを製造した。
実施例1で調製したポリウレタンと4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(FEP)とを50重量%:50重量%の割合で配合した混合樹脂を被覆樹脂として用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリアを製造した。
比較例
〔比較例1〕
シリコーン樹脂を被覆樹脂として用い、樹脂被覆量を2.75重量%とした以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリアを製造した。
〔比較例2〕
ポリアミドイミド(PAI)とポリアミドイミド(PAI)とを20重量%:80重量%の割合で配合した混合樹脂を被覆樹脂として用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリアを製造した。
〔比較例3〕
脂肪族成分を有するポリウレタンを共重合化した以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリアを製造した。
実施例1〜12及び比較例1〜3で得られた樹脂被覆フェライトキャリアの平均粒径、被覆樹脂の種類、被覆樹脂中のフッ素系樹脂の割合、ポリウレタンの特性(成分の種類、共重合化における共存物質、共重合化後の水分散体の体積平均粒径及び樹脂溶液全体量に対するN−メチルピロリドン含有量)を表1に示す。また、実施例1〜12及び比較例1〜3で得られた樹脂被覆フェライトキャリアの各特性、すなわち平均圧縮強度差、帯電量(初期、80k枚、安定性)、キャリア付着(80k枚耐刷)を表2に示す。なお、各測定方法は上述の通りである。
Figure 2015175996
Figure 2015175996
表2の結果から明らかなように、実施例1〜12の樹脂被覆フェライトキャリアは、平均圧縮強度差が所定以上であり、初期帯電量や帯電量安定性が適正であり、キャリア付着が少ない
これに対し、比較例1の樹脂被覆フェライトキャリアは、平均圧縮強度差が小さすぎ、帯電量安定性及びキャリア付着において劣る。比較例2の樹脂被覆フェライトキャリアは、平均圧縮強度差がマイナスとなり、キャリア付着が大幅に劣る。比較例3の樹脂被覆フェライトキャリアは、帯電安定性に劣ったものである。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリアは、被覆樹脂として特定のポリウレタンを有するため、該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤は、長時間にわたる攪拌ストレスや極度の撹拌ストレス強度の影響下でも、粒子の割れ、欠けが発生せず、高画質が得られると共に、耐刷に伴う帯電量変動が極めて少ない安定した画質が得られる。
従って、本発明は、特に高画質が要求されるフルカラー機並びに画像維持の信頼性及び耐久性の要求される高速機の分野に広く使用可能である。

Claims (4)

  1. フェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆してなる電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアであって、該樹脂は芳香族成分を有するポリウレタン単独又は該ポリウレタンとフッ素系樹脂との混合樹脂からなることを特徴とする電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリア。
  2. 上記ポリウレタンは、ポリカルボン酸アミン塩共存下共重合させることで得られる平均粒径0.01〜0.1μmの自己乳化型水分散体であり、該ポリウレタン全体量に対して、N−メチルピロリドンを25〜35重量%含有する請求項1に記載の電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリア。
  3. 上記フッ素系樹脂と上記ポリウレタンとの混合樹脂中のフッ素系樹脂の含有量が40重量%以下である請求項1又は2に記載の電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリア。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂被覆フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤。
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