JP2015174981A - 結合剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたガラス繊維や粉末ガラスの結合力を発現することが可能な結合剤の提供。
【解決手段】水酸基を有する重合体を含む結合剤であって、該重合体は、不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位と、一般式(1)で表される構造単位とを含み、該重合体に含まれるカルボキシル基(カルボキシル基の塩やカルボキシル基の無水物を含む)と水酸基とのモル当量の比は、1:0.01〜1:3であり、該重合体に含まれるカルボキシル基の0〜35モル%が中和されている、結合剤。
Figure 2015174981

(Rは水素原子又はメチル基;Rはメチレン基、エチレン基又は直接結合;Rは同一若しくは異なって、C2〜20のアルキレン基;nはオキシアルキレン基(−R−O−)の平均付加モル数で、1〜80の数)
【選択図】なし

Description

本発明は、水酸基を有する重合体を含む結合剤に関する。より詳しくは、ガラス繊維や粉末ガラスの結合剤として有用な、水酸基を有する重合体を含む結合剤に関する。
ガラス繊維等に結合剤を付着させ、マット状に成形した耐熱性成形体が住居や倉庫、装置や機器等の断熱材等として広く使用されている。上記結合剤としては、フェノール−ホルムアルデヒド結合剤が広く使用されている。しかし、上記フェノール−ホルムアルデヒド結合剤は、未反応のホルムアルデヒドが成形体に残留し、住居等の施工後にホルムアルデヒドが放出されるという問題がある。よって、ホルムアルデヒドを放出することがない結合剤が検討されている。
例えば、特許文献1には、ガラス繊維結合剤であって、(1)重合性カルボン酸又は無水物、又はその混合物と、ヒドロキシC2〜C8アルキルアクリレート又はメタクリレート、又はその混合物との反応生成物から成るコポリマー、及び(2)リン含有酸のアルカリ金属塩との水溶液から成ることを特徴とする結合剤が開示されている。該結合剤は、未硬化の時に低粘度を有し、硬化した時に構造的な剛性を有することが開示されている。
特表平10−509485号公報
上記のとおり、ホルムアルデヒドを含まないガラス繊維等の結合剤が種々提案されているものの、それらのガラス繊維や粉末ガラスの結合力は、必ずしも充分とはいえなかった。
本発明は、上記の事情に着目してなされたものであって、優れたガラス繊維や粉末ガラスの結合力を発現することが可能な結合剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、結合剤が所定の重合体等を含むことにより、優れたガラス繊維や粉末ガラスの結合力を発現することを見出し、これらの知見に基づき本発明を完成した。
すなわち本発明は、水酸基を有する重合体を含む結合剤であって、該重合体は、不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位と、下記一般式(1)で表される構造単位とを含み、該重合体に含まれるカルボキシル基(カルボキシル基の塩やカルボキシル基の無水物を含む)と水酸基とのモル当量の比は、1:0.01〜1:3であり、該重合体に含まれるカルボキシル基の0〜35モル%が中和されている、結合剤である。
Figure 2015174981
上記一般式(1)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは、メチレン基、エチレン基又は直接結合を表わし、Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、nはオキシアルキレン基(−R−O−)の平均付加モル数であって、1〜80の数を表す。
本発明の結合剤は、良好なガラス繊維や粉末ガラスの結合力を有する為、ガラス繊維や粉末ガラスの結合体に、良好な強度を付与することが可能となる。よって、本発明の結合剤は、例えば住宅用の断熱材用の結合剤として、有用に使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
[水酸基を有する重合体]
本発明の結合剤は、水酸基を有する重合体を含み、該重合体は、上記一般式(1)で表される構造単位を含む。本発明の結合剤の必須成分である上記重合体を、以下、「本発明の重合体」ともいう。
上記一般式(1)において、Rは、メチレン基(−CH−)、エチレン基(−CHCH−)又は直接結合を表わす。単量体の製造の観点から、メチレン基、エチレン基であることがより好ましい。なお、Rが直接結合を表わすとは、炭素原子−R−酸素原子の結合において、炭素原子と酸素原子が直接結合していることを表わす。
上記一般式(1)において、Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表すが、ガラス繊維や粉末ガラスの結合力がより向上する傾向にあることから、炭素数2〜8のアルキレン基であることが好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基であることがより好ましい。また、上記一般式(1)に含まれる全R100モル%に対して、50〜100モル%がエチレン基(−CHCH−)であることが好ましく、80〜100モル%がエチレン基であることがより好ましい。
上記一般式(1)において、nはオキシアルキレン基(−R−O−)の平均付加モル数であって、1〜80の数を表すが、ガラス繊維や粉末ガラスの結合力がより向上する傾向にあることから、nは1〜50であることが好ましく、2〜30であることがより好ましく、2〜12であることが特に好ましい。
本発明の重合体は、上記一般式(1)で表される構造単位を、1種含んでいても、2種以上含んでいても良い。
本発明の重合体は、不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位を含む。不飽和カルボン酸系単量体とは、カルボキシル基および/またはその塩と、重合性の炭素炭素二重結合とを含む単量体であり、具体的には、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、αーヒドロキシアクリル酸、α−ヒドロキシメチルアクリル酸及びその誘導体等の、不飽和モノカルボン酸及びこれらの塩等;フマル酸、マレイン酸、メチレングルタル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸及びこれらの塩(一塩であっても二塩であっても良い);無水マレイン酸やイタコン酸無水物等の不飽和カルボン酸無水物;等が例示される。
上記塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が例示される。金属塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;鉄、アルミニウム等の遷移金属;等の塩が例示される。有機アミン塩としては、メチルアミン、n−ブチルアミン等のアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジプロパノールアミン等のアルカノールアミン;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のポリアミン;等の塩が例示される。
本発明において、不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位とは、不飽和カルボン酸系単量体が重合して形成される構造単位であり、具体的には、不飽和カルボン酸系単量体の炭素炭素二重結合が単結合になった構造である。例えば、不飽和カルボン酸系単量体がアクリル酸(CH=CHCOOH)である場合、不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位は、−CH−CH(COOH)−、で表すことができる。
なお、本発明において、不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位とは、不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位と同じ構造を有していれば、不飽和カルボン酸系単量体を重合する以外の方法で形成した構造単位も不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位に含まれる。
本発明の重合体は、不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位を、1種含んでいても、2種以上含んでいても良い。
本発明の重合体は、後述する一般式(2)で表される単量体と不飽和カルボン酸系単量体以外の単量体(以下、「その他の単量体」とも言う)に由来する構造単位を有していてもよい。
その他の単量体としては、特に制限はないが、具体的には、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸及びこれらの塩等のスルホン酸系単量体;ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアミン、およびこれらの4級化物や塩等のアミノ基含有単量体;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド系単量体;3−(メタ)アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の不飽和アルコール系単量体;ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体;(メタ)アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の不飽和グリシジル化合物;1−アリロキシ−3−ブトキシプロパン−2−オール等の、不飽和グリシジル化合物にアルコールを付加させた構造を有する単量体;スチレン、インデン、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体;イソブチレン、オクテン等のアルケン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニル類;が挙げられる。
また、上記その他の単量体は、1種を使用してもあるいは2種以上を併用しても良い。すなわち、本発明の重合体は、他の単量体に由来する構造単位を有していなくてもよく、1種有していてもよく、2種以上有していても良い。
上記塩としては、上記不飽和カルボン酸系単量体における塩と同様の塩が例示される。
本発明において、その他の単量体に由来する構造単位とは、その他の単量体が重合して形成される構造単位であり、具体的には、その他の単量体の炭素炭素二重結合が単結合になった構造である。例えば、その他の単量体がアクリル酸ブチル(CH=CHCOOC)である場合、その他の単量体に由来する構造単位は、−CH−CH(COOC)−、で表すことができる。
本発明の重合体における各構成単位は、ランダムに存在していても、ブロック状等、規則的に存在していても構わない。
本発明の重合体は、本発明の重合体に含まれるカルボキシル基(カルボキシル基の塩やカルボキシル基の無水物を含む)と水酸基とのモル当量の比が、1:0.01〜1:3であることを特徴としている。好ましくは、1:0.02〜1:1であり、より好ましくは、1:0.03〜1:0.5である。上記範囲で有することにより、ガラス繊維や粉末ガラスの結合力が向上する傾向にある。
なお、モル当量の比とは、例えばカルボキシル基(又はその塩)と水酸基のモル比が1:1であれば、モル当量の比は1:1であり、カルボキシル基の無水物(カルボキシル基が2つ脱水縮合した構造)と水酸基のモル比が1:1であれば、モル当量の比は2:1ということである。
本発明の重合体は、未中和のカルボキシル基を含む。本発明の重合体に含まれるカルボキル基の中和率は、0〜35%、すなわち、本発明の重合体に含まれるカルボキシル基の0〜35モル%がカルボキシル基の塩である。好ましくは、0〜20モル%がカルボキシル基の塩であり、より好ましくは0〜3モル%である。上記範囲で有することにより、ガラス繊維や粉末ガラスの結合力が向上する傾向にある。
なお、上記カルボキシル基の塩における「塩」とは、上記不飽和カルボン酸系単量体における塩と同様の塩が例示される。
本発明の重合体は、全単量体に由来する構造単位(上記一般式(1)で表される構造単位と上記不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位と、上記その他の単量体に由来する構造単位)100モル%に対して、上記一般式(1)で表される構造単位を1モル%以上、75モル%以下含むことが好ましく、1モル%以上、50モル%以下含むことがより好ましく、1モル%以上、33モル%以下含むことがさらに好ましい。上記範囲で含むことにより、本発明の結合剤をガラス繊維や粉末ガラスの結合剤に使用した場合の被結合体の強度が向上する傾向にある。
本発明の重合体は、不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位を、全単量体に由来する構造単位100モル%に対して、15モル%以上、99モル%以下有することが好ましく、30モル%以上、98モル%以下有することがより好ましく、40モル%以上、97モル%以下有することがさらに好ましい。不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位を、上記範囲で含むことによって、本発明の結合剤をガラス繊維や粉末ガラスの結合剤に使用した場合の被結合体の機械強度が向上する傾向にある。
本発明の重合体は、その他の単量体に由来する構造単位を、全単量体に由来する構造単位100モル%に対して、0モル%以上、35モル%以下有することが好ましく、0モル%以上、25モル%以下有することがより好ましく、0モル%以上、15モル%以下有することがさらに好ましい。
本発明の重合体は、本発明の結合剤をガラス繊維や粉末ガラスの結合剤に使用した場合の被結合体の強度が向上し、吸湿劣化が抑制できる傾向にあることから、重量平均分子量が、500以上、100,000以下であることが好ましく、1,500以上、15,000以下であることが好ましく、2,000以上、10,000以下であることがより好ましい。
なお、上記重量平均分子量は後述する測定方法により測定することができる。
本発明の重合体は、下記一般式(2)で表される単量体と、不飽和カルボン酸系単量体と、必要に応じてその他の単量体を重合する工程を含んで製造することが好ましい。すなわち、本発明の重合体に含まれる上記一般式(1)で表される構造単位は、下記一般式(2)で表される単量体を重合することにより形成することが好ましい。
Figure 2015174981
上記一般式(2)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは、メチレン基、エチレン基又は直接結合を表わし、Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、nはオキシアルキレン基(−R−O−)の平均付加モル数であって、1〜80の数を表す。一般式(2)における、R、R、Rの好ましい形態は、上記一般式(1)におけるR、R、Rの好ましい形態とそれぞれ同じである。
上記工程において、上記一般式(2)で表される単量体と、不飽和カルボン酸系単量体と、その他の単量体(以下、これらを「全単量体」ともいう。)の合計の使用量100モル%に対して、上記一般式(2)で表される単量体を1〜75モル%とすることが好ましく、1〜50モル%とすることがより好ましく、1〜33モル%とすることがさらに好ましい。上記工程における不飽和カルボン酸系単量体の使用量は、全単量体の合計の使用量100モル%に対して、15〜99モル%であることが好ましく、30〜98モル%であることがより好ましく、40〜97モル%であることがさらに好ましい。上記工程におけるその他の単量体の使用量は、全単量体の合計の使用量100モル%に対して、0〜35モル%であることが好ましく、0〜25モル%であることがより好ましく、0〜15モル%であることがさらに好ましい。
上記重合する工程における重合は、従来公知の種々の方法、例えば、溶液重合法、バルク重合、懸濁重合法、逆相懸濁重合法、或いは注型重合法、薄膜重合法、噴霧重合法等を採用することができる。特に限定されるものではないが、溶液重合が好ましい。また、上記重合工程は、回分式でも連続式でも行うことができる。
上記重合する工程において、重合を行なう際には、重合開始剤を用いることが好ましい。上記重合開始剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が好適である。これらの重合開始剤のうち、過酸化水素、過硫酸塩が好ましく、過硫酸塩が最も好ましい。これらの重合開始剤は、単独で使用されてもよく、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記重合開始剤の使用量としては、単量体(全単量体)の使用量1モルに対して、0.1g以上、25g以下であることが好ましく、0.1g以上、10g以下であることがより好ましく、0.1g以上、5g以下であることがさらに好ましい。
上記重合する工程においては、必要に応じて連鎖移動剤を用いても良い。連鎖移動剤としては、具体的には、メルカプトエタノール、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、n−ドデシルメルカプタン等の、チオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等の、ハロゲン化物;イソプロパノール、グリセリン等の、第2級アルコール;次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム等の次亜リン酸(塩)(これらの水和物を含む);亜リン酸、亜リン酸ナトリウム等の亜リン酸(塩);亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸(塩);亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等の重亜硫酸(塩);亜ジチオン酸ナトリウム等の亜ジチオン酸(塩);ピロ亜硫酸カリウム等のピロ亜硫酸(塩);などが挙げられる。上記連鎖移動剤は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
連鎖移動剤の使用量としては、単量体(全単量体)の使用量1モルに対して、0g以上、15g以下であることが好ましく、1g以上、10g以下であることがより好ましく、1g以上、7g以下であることがさらに好ましい。
上記重合工程は、反応促進等を目的として、重金属イオンを使用しても良い。本発明で重金属イオンとは、比重が4g/cm以上の金属のイオンを意味する。重金属イオンを使用することで、重合開始剤の使用量を低減することが可能となる。上記重金属イオンは、イオンの形態として含まれるものであれば特に限定されないが、重金属化合物を溶解してなる溶液を用いる方法を用いると、取り扱い性に優れるため好適である。上記重金属化合物としては、モール塩(Fe(NH(SO・6HO)、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化マンガン等が例示される。
上記重金属イオンの使用量としては、重合反応液全量に対して、0ppm以上、100ppm以下であることが好ましく、0ppm以上、50ppm以下であることがより好ましい。
上記重合工程は、溶媒を使用することが好ましい。溶媒としては、水を含むことが好ましく、溶媒全量に対して、水を50質量%以上、100質量%以下含むことがより好ましく、80質量%以上、100質量%以下含むことがさらに好ましい。上記重合工程で使用可能な溶媒としては、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等の低級ケトン類;ジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアルデヒド等のアミド類が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
溶媒の使用量としては、単量体100質量%に対して40〜250質量%が好ましい。より好ましくは、45質量%以上であり、更に好ましくは、50質量%以上である。また、より好ましくは、200質量%以下であり、更に好ましくは、150質量%以下である。溶媒の使用量が40質量%未満であると、得られる重合体の分子量が高くなるおそれがあり、250質量%を超えると、得られる重合体の濃度が低くなり、保管等のコストが高額になるおそれがある。
上記重合工程における重合は、通常、0℃以上で行われることが好ましく、また、150℃以下で行われることが好ましい。より好ましくは、40℃以上であり、更に好ましくは、60℃以上であり、特に好ましくは、80℃以上である。また、より好ましくは、120℃以下であり、更に好ましくは、110℃以下である。
上記重合温度は、重合反応において、常にほぼ一定に保持する必要はなく、例えば、室温から重合を開始し、適当な昇温時間又は昇温速度で設定温度まで昇温し、その後、設定温度を保持するようにしてもよいし、単量体成分や開始剤等の滴下方法に応じて、重合反応中に経時的に温度変動(昇温又は降温)させてもよい。
上記重合工程における重合時間は特に制限されないが、好ましくは30〜420分であり、より好ましくは45〜390分であり、さらに好ましくは60〜360分であり、最も好ましくは90〜300分である。なお、本発明において、「重合時間」とは、特に断らない限り、単量体を添加している時間を表す。
上記重合工程において、重合中の単量体に含まれる酸基の中和率(中和されている酸基のモル数/(中和されている酸基のモル数+未中和の酸基のモル数)×100)は、0%以上、10%以下が好ましく、0%以上、5%以下がより好ましい。
上記重合工程における反応系内の圧力としては、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下の何れであってもよいが、得られる重合体の分子量の点で、常圧下、又は、反応系内を密閉し、加圧下で行うのが好ましい。また、加圧装置や減圧装置、耐圧性の反応容器や配管等の設備の点で、常圧(大気圧)下で行うのが好ましい。反応系内の雰囲気としては、空気雰囲気でもよいが、不活性雰囲気であっても良く、例えば、重合開始前に系内を窒素等の不活性ガスで置換しても良い。
本発明の重合体は、任意であるが、上記重合工程以外の工程を含んで製造しても構わない。例えば、熟成工程、中和工程、重合開始剤や連鎖移動剤の失活工程、希釈工程、乾燥工程、濃縮工程、精製工程等が挙げられる。
[本発明の結合剤]
本発明の結合剤は、本発明の重合体のみを含んでいても良いが、架橋剤を含んでいてもよい。架橋剤としては、水酸基および/またはアミノ基を、1分子中に少なくとも2つ有する化合物が例示される。そのような化合物としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等のポリオール;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン等のポリアミン;モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン等の1分子に1つの水酸基と1つのアミノ基を有する化合物;ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の1分子に少なくとも2つの水酸基を有するアミン;などが例示される。これらの中でも、1分子に少なくとも2つの水酸基を有するアミンを含むことが特に好ましい。
本発明の結合剤は、架橋剤を、本発明の結合剤に含まれる重合体(本発明の重合体)に含まれる酸基100モル%に対し、0〜50モル%含んでいることが好ましく、0〜45モル%含んでいることがより好ましく、0〜40モル%含んでいることが特に好ましい。
本発明の結合剤は、硬化促進剤を含んでも良い。硬化促進剤としては、次亜リン酸(塩)、亜リン酸(塩)、リン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、ポリリン酸(塩)、有機リン酸(塩)等のリン含有酸基含有化合物(なお、これらの水和物も含まれる);トリメチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンオキシド等の有機リン化合物;上記以外のプロトン酸[硫酸、カルボン酸、炭酸等]、およびその塩[金属(アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、2B族、4A族、4B族、5B族等)塩、アンモニウム塩等]、金属(上記のもの)の、酸化物、塩化物、水酸化物およびアルコキシド等が挙げられ、これらは単独使用でも2種類以上併用してもいずれでもよい。上記硬化促進剤は、重合体の架橋を促進する効果を有すると考えられる。
上記硬化促進剤の中でも、本発明の結合剤をガラス繊維や粉末ガラスの結合剤に使用した場合の被結合体の強度がより向上し、吸湿劣化が抑制できる傾向にあることから、上記リン含有酸基含有化合物や有機リン化合物等のリン含有化合物が好ましい。
本発明の結合剤は、上記硬化促進剤を、例えば0〜20質量%含んでいても良い。本発明の結合剤は、上記リン含有化合物を、本発明の結合剤に含まれる重合体(本発明の重合体)100質量%に対し、0.1〜20質量%含んでいることが好ましく、0.5〜10質量%含んでいることがより好ましく、1.6〜7質量%含んでいることが最も好ましい。
本発明の結合剤は、溶剤を含んでいても良い。溶剤としては、有機溶剤でも構わないが、水を含むことが好ましく、溶剤全量に対して、50質量%以上が水であることが好ましい。
本発明の結合剤は、溶媒を、本発明の結合剤100質量%に対し、0〜75質量%含むことが好ましく、30〜70質量%含むことがより好ましく、30〜60質量%含むことがさらに好ましい。
本発明の結合剤は、本発明の重合体を結合剤100質量%に対し、25〜100質量%含むことが好ましく、30〜70質量%含むことがより好ましく、40〜70質量%含むことがさらに好ましい。
[本発明の結合剤の用途]
本発明の結合剤は、ガラス繊維、ロックウール、カーボン繊維等の無機繊維;ガラス粒子、鉱物粒子等の無機粒子(無機粉体);羊毛、セルロース、麻、ナイロン、ポリエステル等の有機物の繊維;ナイロン微粒子、ポリエステル微粒子等の有機物の粒子(有機物の粉体);等の結合剤として、使用することができる。好ましくはガラス繊維や粉末ガラスの結合剤として使用することができる。
[本発明の結合剤の使用方法]
本発明の結合剤による処理は、本発明の結合剤を、ガラス繊維や粉末ガラス等の対象物質(被結合物質)に接触させる工程を必須とする。上記工程は、本発明の結合剤が溶剤を含む場合には、そのままで、または所望により濃度等を調節して、(i)被結合物質を本発明の結合剤に含浸させるか、または(ii)被結合物質に本発明の結合剤を散布することにより、行うことが好ましい。本発明の結合剤が溶剤を含まない場合には、本発明の結合剤を加熱・溶融させて被結合物質に接触させても構わないが、処理物(被結合体)の強度にむらが生じやすくなる傾向にあるので、溶剤に溶解し、上記(i)または(ii)を行うことが好ましい。
中でも、被結合物質に対する本発明の結合剤の添加量を調節しやすいことから、上記(ii)が好ましい。
上記本発明の結合剤を、被結合物質に接触させる工程における、被結合物質に対する本発明の結合剤の添加量は、本発明の結合剤の固形分が、被結合物質100質量%に対し、1〜40質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましく、1〜15質量%であることがさらに好ましい。本発明の結合剤を上記範囲で使用すると、被結合体の機械強度が向上する傾向にある。
なお、「被結合物質に接触させる工程における、被結合物質に対する本発明の結合剤の添加量」とは、上記(i)の工程においては被結合物質を含浸後、被結合物質に実際に付着した結合剤の量をいい、上記(ii)の工程においては、被結合物質に散布した後、被結合物質に実際に付着した結合剤の量をいう。
本発明の結合剤による処理は、上記接触させる工程で得られた被結合体を、加熱処理する工程を含むことが好ましい。加熱処理を行なうことにより、架橋反応が促進され、被結合体の機械強度が向上する傾向にある。
上記加熱処理工程は、100〜400℃で行うことが好ましく、120〜350℃で行うことがより好ましく、150〜300℃で行うことがさらに好ましい。
本発明の結合剤が溶剤を含む場合には、本発明の結合剤による処理は、上記接触させる工程で得られた被結合体を、乾燥する工程を含んでいても良い。上記乾燥する工程は、常圧下で行っても良いし、減圧下で行ってもよい。乾燥を加熱して行なう場合には、その条件は上記加熱処理する工程と同様である。
本発明の結合剤が溶剤を含む場合等には、本発明の結合剤による処理は、上記接触させる工程で得られた被結合体を、養生する工程を含んでいてもよい。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<重量平均分子量の測定条件>
装置:東ソー製 HLC−8320GPC
検出器:RI
カラム:昭和電工株式会社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ,GF−710−HQ,GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検量線:創和科学社製 POLY SODIUM ACRYLATE STANDARD
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)。
<水酸基含有単量体の反応率>
水酸基含有単量体の反応率は、以下の条件の液体クロマト分析を行い、単量体の残存量を定量することにより算出した。
測定装置:東ソー製 8020シリーズ
カラム:株式会社資生堂製 CAPCELLPAK C1 UG120
カラム温度:40℃
流速:1ml/min
溶離液:0.01M リン酸水素2ナトリウム・12水和物水溶液(リン酸でpH7に調整)/アセトニトリル=45/55(体積比)
検出器:RI、UV(215nm).
<不飽和カルボン酸系単量体の反応率>
不飽和カルボン酸系単量体の反応率は、以下の条件の液体クロマト分析を行い、単量体の残存量を定量することにより算出した。
装置:Waters製e2695
検出器:UV
カラム:株式会社昭和電工製 SHODEX RSpak DE−413
温度:40℃
溶離液:0.1質量%リン酸水溶液
流速:1ml/min.
<結合剤の固形分測定方法>
150℃に加熱したオーブンで結合剤を20分間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)を算出した。
<リン含有化合物の含有量分析(イオンクロマト分析)>
リン含有化合物の含有量は、下記条件にてイオンクロマト分析を行った。
装置 :Metrohm社製 762 Interface
検出器 :Metrohm社製 732 IC Detecter
イオン分析方式 :サプレッサー法
カラム :Shodex IC SI−90 4E
ガードカラム :Shodex SI−90 G
カラム温度 :40℃
溶離液 :NaHCO水(2gを水で2000gに希釈)
流速 :1.0mL/min
<バインダー硬化物試験片の作成>
(i)結合剤に水を添加し、固形分35%に調整する。
(ii)粒径0.35〜0.50mmのガラスビーズに、上記(i)で得られた結合剤を、結合剤の固形分がガラスビーズ重量の7.5%となるように添加し、十分に混合する。
(iii)離型処理した140mm×20mm×5mmの型枠に(ii)で得られた混合物を押し入れて成型し、200℃のオーブンで30分間乾燥後、デシケータに移し30分冷却することで試験片を得る。
<試験片の機械強度>
JISK7171に準じ、2mm/minの試験速度で曲げ強さを測定した。試験片3枚の曲げ強さを測定し、平均値を算出した。
<実施例1>
還流冷却機、攪拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水300.0gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点還流状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液(以下「80%AA」と称する)425.3g(すなわち4.73mol)を180分間、アリルアルコールのエチレンオキサイド5mol付加物(以下、「アリルアルコール5EO」とも称する。)146.2g(すなわち0.53mol)を150分間、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下「15%NaPS」と称する)26.3gを195分間、45質量%次亜リン酸ナトリウム水溶液(以下「45%SHP」と称する)12.5gを18分間と更に続いて49.0gを162分間と2段階の供給速度で、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、45%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、反応溶液に45%SHP40.7gを投入することにより、本発明の結合剤(1)を得た。なお、重合の完結後のアクリル酸の反応率は99%以上であり、アリルアルコール5EOの反応率は99%以上であった。よって、得られた重合体に含まれるカルボキシル基と水酸基とのモル当量の比は、9:1であった。該水溶液の固形分値は52.7%、重量平均分子量(Mw)は5900、SHPの含有量は重合体100重量部に対し、3.9%だった。上述の方法で作成した試験片の機械強度を評価したところ、15.0MPaであった。
<実施例2>
還流冷却機、攪拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水313.7gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点還流状態の重合反応系中に80%AA366.9g(すなわち4.08mol)を180分間、メタリルアルコールのエチレンオキサイド8mol付加物(以下、「メタリルアルコール8EO」とも称する。)192.3g(すなわち0.45mol)を150分間、15%NaPS22.7gを195分間、45%SHP12.8gを18分間と更に続いて50.0gを162分間と2段階の供給速度で、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、45%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、反応溶液に45%SHP41.6gを投入することにより、本発明の結合剤(2)を得た。なお、重合の完結後のアクリル酸の反応率は99%以上であり、メタリルアルコール8EOの反応率は99%以上であった。よって、得られた重合体に含まれるカルボキシル基と水酸基とのモル当量の比は、9:1であった。該水溶液の固形分値は52.5%、重量平均分子量(Mw)は6000、SHPの含有量は重合体100重量部に対し、4.2%だった。上述の方法で作成した試験片の機械強度を評価したところ、14.7MPaであった。
<実施例3>
還流冷却機、攪拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量1リットルのセパラブルフラスコに、純水を104.6g、無水マレイン酸を58.8g(すなわち0.60mol)、アリルアルコール5EOを27.8g(0.10mol)仕込み(初期仕込)、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点還流状態の重合反応系中に36質量%マレイン酸水溶液54.5g(すなわち0.20mol)を120分間、30質量%過硫酸ナトリウム水溶液79.4gを280分間、アリルアルコール5EO27.8g(すなわち0.10mol)を重合開始30分後から150分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。アリルアルコール5EOの滴下終了後、さらに130分間に渡って反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、反応溶液に45%SHP14.6gを投入することにより、本発明の結合剤(3)を得た。なお、重合の完結後のマレイン酸の反応率は90%(無水マレイン酸は検出限界以下)であり、アリルアルコール5EOの反応率は99%以上であった。よって、得られた重合体に含まれるカルボキシル基と水酸基とのモル当量の比は、7:1であった。該水溶液の固形分値は46.9%、重量平均分子量(Mw)は2000、SHPの含有量は重合体100重量部に対し、4.0%だった。上述の方法で作成した試験片の機械強度を評価したところ、9.3MPaであった。
<比較例1>
還流冷却機、攪拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水266.3gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点還流状態の重合反応系中に80%AA542.5g(すなわち6.03mol)を180分間、メタリルアルコール48.3g(すなわち0.67mol)を150分間、15%NaPS33.6gを195分間、45%SHP14.3gを18分間と更に続いて56.3gを162分間と2段階の供給速度で、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、45%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、反応溶液に45%SHP38.8gを投入することにより、本発明の比較結合剤(1)を得た。該水溶液の固形分値は52.5%、重量平均分子量(Mw)は5600、SHPの含有量は重合体100重量部に対し、4.1%だった。上述の方法で作成した試験片の機械強度を評価したところ、3.0MPaであった。
<比較例2>
還流冷却機、攪拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水230.6gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点還流状態の重合反応系中に80%AA608.4g(すなわち6.76mol)を180分間と、15%NaPS33.9gを195分間、45%SHP9.0gを18分間と更に続いて42.5gを192分間と2段階の供給速度で、純水27.6gを重合開始92分後から88分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、45%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、45%SHP33.3gを投入することにより、比較結合剤(2)を得た。該水溶液の固形分値は51.4%、重量平均分子量(Mw)は8200、SHPの含有量は重合体100重量部に対し、4.0%だった。上述の方法で作成した試験片の強度を評価したところ、3.3MPaであった。
<比較例3>
還流冷却機、攪拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水251.5gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点還流状態の重合反応系中に80%AA624.0g(すなわち6.93mol)を180分間と、15%NaPS34.7gを195分間、45%SHP9.2gを18分間と更に続いて43.6gを192分間と2段階の供給速度で、純水180.2gを重合開始92分後から88分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、45%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、45%SHP53.0gを投入した後、反応溶液を放冷しながら80質量%ジエタノールアミン水溶液303.7g(アクリル酸の33.3mol%中和分)を攪拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和を行った(比較結合剤(3))。該水溶液の固形分値は51.2%、重量平均分子量(Mw)は8100、SHPの含有量は重合体100重量部に対し、4.0%だった。上述の方法で作成した試験片の強度を評価したところ、8.7MPaであった。
Figure 2015174981
表1に示した結果から、本発明の結合剤で処理したガラスビーズの硬化物は、従来の結合剤で処理したガラスビーズの硬化物と比較して、良好な強度を有することが明らかとなった。

Claims (1)

  1. 水酸基を有する重合体を含む結合剤であって、該重合体は、不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位と、下記一般式(1)で表される構造単位とを含み、該重合体に含まれるカルボキシル基(カルボキシル基の塩やカルボキシル基の無水物を含む)と水酸基とのモル当量の比は、1:0.01〜1:3であり、該重合体に含まれるカルボキシル基の0〜35モル%が中和されている、結合剤。
    Figure 2015174981
    上記一般式(1)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは、メチレン基、エチレン基又は直接結合を表わし、Rは、同一若しくは異なって、炭素数2〜20のアルキレン基を表し、nはオキシアルキレン基(−R−O−)の平均付加モル数であって、1〜80の数を表す。
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