JP6345452B2 - 結合剤 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、ガラス繊維結合剤であって、(1)重合性カルボン酸又は無水物、又はその混合物と、ヒドロキシC2〜C8アルキルアクリレート又はメタクリレート、又はその混合物との反応生成物から成るコポリマー、及び(2)リン含有酸のアルカリ金属塩との水溶液から成ることを特徴とする結合剤が開示されている。該結合剤は、未硬化の時に低粘度を有し、硬化した時に構造的な剛性を有することが開示されている。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明の結合剤は、水酸基を有する重合体を含み、該重合体は、上記一般式(1)で表される構造単位を含む。本発明の結合剤の必須成分である上記重合体を、以下、「本発明の重合体」ともいう。
上記一般式(1)において、R2は、メチレン基(−CH2−)、エチレン基(−CH2CH2−)又は直接結合を表わす。単量体の製造の観点から、メチレン基、エチレン基であることがより好ましい。なお、R2が直接結合を表わすとは、炭素原子−R2−酸素原子の結合において、炭素原子と酸素原子が直接結合していることを表わす。
本発明の重合体は、上記一般式(1)で表される構造単位を、1種含んでいても、2種以上含んでいても良い。
上記塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が例示される。金属塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;鉄、アルミニウム等の遷移金属;等の塩が例示される。有機アミン塩としては、メチルアミン、n−ブチルアミン等のアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジプロパノールアミン等のアルカノールアミン;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のポリアミン;等の塩が例示される。
なお、本発明において、不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位とは、不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位と同じ構造を有していれば、不飽和カルボン酸系単量体を重合する以外の方法で形成した構造単位も不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位に含まれる。
本発明の重合体は、不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位を、1種含んでいても、2種以上含んでいても良い。
その他の単量体としては、特に制限はないが、具体的には、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸及びこれらの塩等のスルホン酸系単量体;ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアミン、およびこれらの4級化物や塩等のアミノ基含有単量体;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド系単量体;3−(メタ)アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の不飽和アルコール系単量体;ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体;(メタ)アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の不飽和グリシジル化合物;1−アリロキシ−3−ブトキシプロパン−2−オール等の、不飽和グリシジル化合物にアルコールを付加させた構造を有する単量体;スチレン、インデン、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体;イソブチレン、オクテン等のアルケン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニル類;が挙げられる。
また、上記その他の単量体は、1種を使用してもあるいは2種以上を併用しても良い。すなわち、本発明の重合体は、他の単量体に由来する構造単位を有していなくてもよく、1種有していてもよく、2種以上有していても良い。
上記塩としては、上記不飽和カルボン酸系単量体における塩と同様の塩が例示される。
なお、モル当量の比とは、例えばカルボキシル基(又はその塩)と水酸基のモル比が1:1であれば、モル当量の比は1:1であり、カルボキシル基の無水物(カルボキシル基が2つ脱水縮合した構造)と水酸基のモル比が1:1であれば、モル当量の比は2:1ということである。
なお、上記カルボキシル基の塩における「塩」とは、上記不飽和カルボン酸系単量体における塩と同様の塩が例示される。
なお、上記重量平均分子量は後述する測定方法により測定することができる。
上記重合開始剤の使用量としては、単量体(全単量体)の使用量1モルに対して、0.1g以上、25g以下であることが好ましく、0.1g以上、10g以下であることがより好ましく、0.1g以上、5g以下であることがさらに好ましい。
連鎖移動剤の使用量としては、単量体(全単量体)の使用量1モルに対して、0g以上、15g以下であることが好ましく、1g以上、10g以下であることがより好ましく、1g以上、7g以下であることがさらに好ましい。
上記重金属イオンの使用量としては、重合反応液全量に対して、0ppm以上、100ppm以下であることが好ましく、0ppm以上、50ppm以下であることがより好ましい。
溶媒の使用量としては、単量体100質量%に対して40〜250質量%が好ましい。より好ましくは、45質量%以上であり、更に好ましくは、50質量%以上である。また、より好ましくは、200質量%以下であり、更に好ましくは、150質量%以下である。溶媒の使用量が40質量%未満であると、得られる重合体の分子量が高くなるおそれがあり、250質量%を超えると、得られる重合体の濃度が低くなり、保管等のコストが高額になるおそれがある。
上記重合温度は、重合反応において、常にほぼ一定に保持する必要はなく、例えば、室温から重合を開始し、適当な昇温時間又は昇温速度で設定温度まで昇温し、その後、設定温度を保持するようにしてもよいし、単量体成分や開始剤等の滴下方法に応じて、重合反応中に経時的に温度変動(昇温又は降温)させてもよい。
本発明の結合剤は、本発明の重合体のみを含んでいても良いが、架橋剤を含んでいてもよい。架橋剤としては、水酸基および/またはアミノ基を、1分子中に少なくとも2つ有する化合物が例示される。そのような化合物としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等のポリオール;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン等のポリアミン;モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン等の1分子に1つの水酸基と1つのアミノ基を有する化合物;ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の1分子に少なくとも2つの水酸基を有するアミン;などが例示される。これらの中でも、1分子に少なくとも2つの水酸基を有するアミンを含むことが特に好ましい。
本発明の結合剤は、架橋剤を、本発明の結合剤に含まれる重合体(本発明の重合体)に含まれる酸基100モル%に対し、0〜50モル%含んでいることが好ましく、0〜45モル%含んでいることがより好ましく、0〜40モル%含んでいることが特に好ましい。
上記硬化促進剤の中でも、本発明の結合剤をガラス繊維や粉末ガラスの結合剤に使用した場合の被結合体の強度がより向上し、吸湿劣化が抑制できる傾向にあることから、上記リン含有酸基含有化合物や有機リン化合物等のリン含有化合物が好ましい。
本発明の結合剤は、溶媒を、本発明の結合剤100質量%に対し、0〜75質量%含むことが好ましく、30〜70質量%含むことがより好ましく、30〜60質量%含むことがさらに好ましい。
本発明の結合剤は、ガラス繊維、ロックウール、カーボン繊維等の無機繊維;ガラス粒子、鉱物粒子等の無機粒子(無機粉体);羊毛、セルロース、麻、ナイロン、ポリエステル等の有機物の繊維;ナイロン微粒子、ポリエステル微粒子等の有機物の粒子(有機物の粉体);等の結合剤として、使用することができる。好ましくはガラス繊維や粉末ガラスの結合剤として使用することができる。
本発明の結合剤による処理は、本発明の結合剤を、ガラス繊維や粉末ガラス等の対象物質(被結合物質)に接触させる工程を必須とする。上記工程は、本発明の結合剤が溶剤を含む場合には、そのままで、または所望により濃度等を調節して、(i)被結合物質を本発明の結合剤に含浸させるか、または(ii)被結合物質に本発明の結合剤を散布することにより、行うことが好ましい。本発明の結合剤が溶剤を含まない場合には、本発明の結合剤を加熱・溶融させて被結合物質に接触させても構わないが、処理物(被結合体)の強度にむらが生じやすくなる傾向にあるので、溶剤に溶解し、上記(i)または(ii)を行うことが好ましい。
中でも、被結合物質に対する本発明の結合剤の添加量を調節しやすいことから、上記(ii)が好ましい。
上記本発明の結合剤を、被結合物質に接触させる工程における、被結合物質に対する本発明の結合剤の添加量は、本発明の結合剤の固形分が、被結合物質100質量%に対し、1〜40質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましく、1〜15質量%であることがさらに好ましい。本発明の結合剤を上記範囲で使用すると、被結合体の機械強度が向上する傾向にある。
なお、「被結合物質に接触させる工程における、被結合物質に対する本発明の結合剤の添加量」とは、上記(i)の工程においては被結合物質を含浸後、被結合物質に実際に付着した結合剤の量をいい、上記(ii)の工程においては、被結合物質に散布した後、被結合物質に実際に付着した結合剤の量をいう。
上記加熱処理工程は、100〜400℃で行うことが好ましく、120〜350℃で行うことがより好ましく、150〜300℃で行うことがさらに好ましい。
装置:東ソー製 HLC−8320GPC
検出器:RI
カラム:昭和電工株式会社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ,GF−710−HQ,GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検量線:創和科学社製 POLY SODIUM ACRYLATE STANDARD
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)。
水酸基含有単量体の反応率は、以下の条件の液体クロマト分析を行い、単量体の残存量を定量することにより算出した。
測定装置:東ソー製 8020シリーズ
カラム:株式会社資生堂製 CAPCELLPAK C1 UG120
カラム温度:40℃
流速:1ml/min
溶離液:0.01M リン酸水素2ナトリウム・12水和物水溶液(リン酸でpH7に調整)/アセトニトリル=45/55(体積比)
検出器:RI、UV(215nm).
<不飽和カルボン酸系単量体の反応率>
不飽和カルボン酸系単量体の反応率は、以下の条件の液体クロマト分析を行い、単量体の残存量を定量することにより算出した。
装置:Waters製e2695
検出器:UV
カラム:株式会社昭和電工製 SHODEX RSpak DE−413
温度:40℃
溶離液:0.1質量%リン酸水溶液
流速:1ml/min.
<結合剤の固形分測定方法>
150℃に加熱したオーブンで結合剤を20分間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)を算出した。
リン含有化合物の含有量は、下記条件にてイオンクロマト分析を行った。
装置 :Metrohm社製 762 Interface
検出器 :Metrohm社製 732 IC Detecter
イオン分析方式 :サプレッサー法
カラム :Shodex IC SI−90 4E
ガードカラム :Shodex SI−90 G
カラム温度 :40℃
溶離液 :NaHCO3水(2gを水で2000gに希釈)
流速 :1.0mL/min
<バインダー硬化物試験片の作成>
(i)結合剤に水を添加し、固形分35%に調整する。
(ii)粒径0.35〜0.50mmのガラスビーズに、上記(i)で得られた結合剤を、結合剤の固形分がガラスビーズ重量の7.5%となるように添加し、十分に混合する。
(iii)離型処理した140mm×20mm×5mmの型枠に(ii)で得られた混合物を押し入れて成型し、200℃のオーブンで30分間乾燥後、デシケータに移し30分冷却することで試験片を得る。
JISK7171に準じ、2mm/minの試験速度で曲げ強さを測定した。試験片3枚の曲げ強さを測定し、平均値を算出した。
還流冷却機、攪拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水300.0gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点還流状態の重合反応系中に80質量%アクリル酸水溶液(以下「80%AA」と称する)425.3g(すなわち4.73mol)を180分間、アリルアルコールのエチレンオキサイド5mol付加物(以下、「アリルアルコール5EO」とも称する。)146.2g(すなわち0.53mol)を150分間、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液(以下「15%NaPS」と称する)26.3gを195分間、45質量%次亜リン酸ナトリウム水溶液(以下「45%SHP」と称する)12.5gを18分間と更に続いて49.0gを162分間と2段階の供給速度で、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、45%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、反応溶液に45%SHP40.7gを投入することにより、本発明の結合剤(1)を得た。なお、重合の完結後のアクリル酸の反応率は99%以上であり、アリルアルコール5EOの反応率は99%以上であった。よって、得られた重合体に含まれるカルボキシル基と水酸基とのモル当量の比は、9:1であった。該水溶液の固形分値は52.7%、重量平均分子量(Mw)は5900、SHPの含有量は重合体100重量部に対し、3.9%だった。上述の方法で作成した試験片の機械強度を評価したところ、15.0MPaであった。
還流冷却機、攪拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水313.7gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点還流状態の重合反応系中に80%AA366.9g(すなわち4.08mol)を180分間、メタリルアルコールのエチレンオキサイド8mol付加物(以下、「メタリルアルコール8EO」とも称する。)192.3g(すなわち0.45mol)を150分間、15%NaPS22.7gを195分間、45%SHP12.8gを18分間と更に続いて50.0gを162分間と2段階の供給速度で、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、45%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、反応溶液に45%SHP41.6gを投入することにより、本発明の結合剤(2)を得た。なお、重合の完結後のアクリル酸の反応率は99%以上であり、メタリルアルコール8EOの反応率は99%以上であった。よって、得られた重合体に含まれるカルボキシル基と水酸基とのモル当量の比は、9:1であった。該水溶液の固形分値は52.5%、重量平均分子量(Mw)は6000、SHPの含有量は重合体100重量部に対し、4.2%だった。上述の方法で作成した試験片の機械強度を評価したところ、14.7MPaであった。
還流冷却機、攪拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量1リットルのセパラブルフラスコに、純水を104.6g、無水マレイン酸を58.8g(すなわち0.60mol)、アリルアルコール5EOを27.8g(0.10mol)仕込み(初期仕込)、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点還流状態の重合反応系中に36質量%マレイン酸水溶液54.5g(すなわち0.20mol)を120分間、30質量%過硫酸ナトリウム水溶液79.4gを280分間、アリルアルコール5EO27.8g(すなわち0.10mol)を重合開始30分後から150分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。アリルアルコール5EOの滴下終了後、さらに130分間に渡って反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、反応溶液に45%SHP14.6gを投入することにより、本発明の結合剤(3)を得た。なお、重合の完結後のマレイン酸の反応率は90%(無水マレイン酸は検出限界以下)であり、アリルアルコール5EOの反応率は99%以上であった。よって、得られた重合体に含まれるカルボキシル基と水酸基とのモル当量の比は、7:1であった。該水溶液の固形分値は46.9%、重量平均分子量(Mw)は2000、SHPの含有量は重合体100重量部に対し、4.0%だった。上述の方法で作成した試験片の機械強度を評価したところ、9.3MPaであった。
還流冷却機、攪拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水266.3gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点還流状態の重合反応系中に80%AA542.5g(すなわち6.03mol)を180分間、メタリルアルコール48.3g(すなわち0.67mol)を150分間、15%NaPS33.6gを195分間、45%SHP14.3gを18分間と更に続いて56.3gを162分間と2段階の供給速度で、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、45%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、反応溶液に45%SHP38.8gを投入することにより、本発明の比較結合剤(1)を得た。該水溶液の固形分値は52.5%、重量平均分子量(Mw)は5600、SHPの含有量は重合体100重量部に対し、4.1%だった。上述の方法で作成した試験片の機械強度を評価したところ、3.0MPaであった。
還流冷却機、攪拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水230.6gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点還流状態の重合反応系中に80%AA608.4g(すなわち6.76mol)を180分間と、15%NaPS33.9gを195分間、45%SHP9.0gを18分間と更に続いて42.5gを192分間と2段階の供給速度で、純水27.6gを重合開始92分後から88分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、45%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、45%SHP33.3gを投入することにより、比較結合剤(2)を得た。該水溶液の固形分値は51.4%、重量平均分子量(Mw)は8200、SHPの含有量は重合体100重量部に対し、4.0%だった。上述の方法で作成した試験片の強度を評価したところ、3.3MPaであった。
還流冷却機、攪拌機(パドル翼)、温度計を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水251.5gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、沸点まで昇温した。次いで攪拌下、沸点還流状態の重合反応系中に80%AA624.0g(すなわち6.93mol)を180分間と、15%NaPS34.7gを195分間、45%SHP9.2gを18分間と更に続いて43.6gを192分間と2段階の供給速度で、純水180.2gを重合開始92分後から88分間、それぞれ別々の供給経路を通じて先端ノズルより滴下した。それぞれの成分の滴下は、45%SHP以外は一定の滴下速度で連続的に行った。80%AAの滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)して重合を完結せしめた。重合の完結後、45%SHP53.0gを投入した後、反応溶液を放冷しながら80質量%ジエタノールアミン水溶液303.7g(アクリル酸の33.3mol%中和分)を攪拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和を行った(比較結合剤(3))。該水溶液の固形分値は51.2%、重量平均分子量(Mw)は8100、SHPの含有量は重合体100重量部に対し、4.0%だった。上述の方法で作成した試験片の強度を評価したところ、8.7MPaであった。
Claims (1)
- 水酸基を有する重合体を含む結合剤であって、該重合体は、不飽和カルボン酸系単量体に由来する構造単位と、下記一般式(1)で表される構造単位とを含み、該重合体に含まれるカルボキシル基(カルボキシル基の塩やカルボキシル基の無水物を含む)と水酸基とのモル当量の比は、1:0.01〜1:3であり、該重合体に含まれるカルボキシル基の0〜35モル%が中和されている、ガラス繊維または粉末ガラスの結合剤。
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