JP2015174322A - 液体吐出装置、及び、液体吐出装置の駆動方法 - Google Patents
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Abstract
Description
上述した構成のプリンターでは、その本体部側からキャリッジ側へ印刷信号を伝送する必要があるため、本体部とキャリッジとは、屈曲性の高いフレキシブルフラットケーブル(以下、FFC(Flexible Flat Cable)という。)で連結されている。このFFCは、本体部の電源ユニットから、キャリッジの駆動制御部への電力供給にも用いられる。
ここでキャリッジは、例えば主走査方向に移動する部材であるため、その移動の際に、FFCが機構上の物理的障害となり易い。また、FFCを通じて印刷信号等の制御信号にノイズが乗り易い。これらの問題が存在するため、FFCを用いずに液体吐出装置を構成する技術が望まれている。
上述した事情から、特許文献1には、キャリッジを往復移動させるタイミングベルトを金属等の導電性物質で構成し、タイミングベルトとプーリーとを介してキャリッジの駆動制御部に電力供給を行う液体吐出装置が提案されている。また、この特許文献1に提案されている液体吐出装置では、制御信号については無線通信技術を用いてキャリッジに供給する。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、FFCを用いずに本体部からキャリッジへ電力を供給することを可能とし、且つ、電力の供給に係る部材に液体等の異物が付着した場合であっても安全性が確保される液体吐出装置を提供することを目的とする。
この態様によれば、ベルトが送電に適した導電性の部材(第1部材)を備えるため、ベルトを用いたヘッドユニットへの電力供給が可能になり、従来電力供給等に用いられていたFFCが不要となる。また、ベルト全体を導電性材料で構成した場合と比較して、異物の付着等による短絡等の危険性が大きく低減される。すなわち、第1部材にミスト化したインク等の異物が付着しない限り安全性が確保される。また、ベルト全体を導電性材料で構成する場合、強度が高い材料であっても非導電性の材料を用いることができないが、本態様によれば、非導電性材料を用いてベルトの強度を補強することができる。
この態様によれば、ベルトの表面積のうち、ミスト化したインク等の異物が付着しても比較的安全な第2部材の占める割合が、第1部材のそれよりも大きいため、漏電や異物付着等の危険性がより低減される。
この態様によれば、モーターによる動力は第1プーリーを介してベルトに伝達される。具体的には、第1プーリーに形成された動力伝達突部と、ベルトに形成された動力伝達溝部とによって動力がベルトに伝達される。ここで動力伝達溝部はベルトのうち電力の供給に用いられない第2部材上に形成されるため、第1プーリーとベルトとの間の摩擦で生じるESDに係るノイズが供給電力へ与える影響を抑制することができる。なお、動力伝達突部と動力伝達溝部とは、第1プーリー側からベルト側への電位の供給経路から絶縁されていることが好ましい。
この態様によれば、互いに係合するベルト側係合部とプーリー側係合部とによって、プーリー側からベルト側へ電力が伝達されるため、例えばプーリーの外周面においてタイミングベルトがプーリーの厚み方向にずれて電力の伝達が断たれてしまうことが防止される。
この態様によれば、第1部材、第2部材、第1プーリー、及び第2プーリーが、摩擦等によって帯電した場合であっても同極性に帯電しているため、ESDに係るノイズが低減され、プーリーからベルトへの供給電位の安定性が向上する。
この態様によれば、ベルトが送電に適した導電性の部材(第1部材)を備えるため、ベルトを用いたヘッドユニットへの電力供給が可能になり、従来電力供給等に用いられていたFFCが不要となる。また、ベルト全体を導電性材料で構成した場合と比較して、異物の付着等による短絡等の危険性が大きく低減される。すなわち、第1部材にミスト化したインク等の異物が付着しない限り安全性が確保される。また、ベルト全体を導電性材料で構成する場合、強度が高い材料であっても非導電性の材料を用いることができないが、本態様によれば、非導電性材料を用いてベルトの強度を補強することができる。
本発明に係る液体吐出装置の一態様は、第1プーリーと、第2プーリーと、前記第1プーリーと前記第2プーリーとに掛けられたベルトと、液滴を吐出するヘッドユニットが設けられ、前記ベルトに接続されたキャリッジと、レベルが第1電位となる第1電源信号を出力する電源と、を備え、前記ベルトは、前記第1電源信号が供給され、前記ヘッドユニットと電気的に接続される第1部材と、前記第1部材の電気抵抗率よりも高い電気抵抗率の第2部材と、を含む、ことを特徴とする。
この態様によれば、ベルトが送電に適した導電性の部材(第1部材)を備えるため、ベルトを用いたヘッドユニットへの電力供給が可能になり、従来電力供給等に用いられていたFFCが不要となる。また、ベルト全体を導電性材料で構成した場合と比較して、異物の付着等による短絡等の危険性が大きく低減される。すなわち、第1部材にミスト化したインク等の異物が付着しない限り安全性が確保される。また、ベルト全体を導電性材料で構成する場合、強度が高い材料であっても非導電性の材料を用いることができないが、本態様によれば、非導電性材料を用いてベルトの強度を補強することができる。
この態様によれば、ベルトの表面積のうち、ミスト化したインク等の異物が付着しても比較的安全な第2部材の占める割合が、第1部材のそれよりも大きいため、漏電や異物付着等の危険性がより低減される。
この態様によれば、プーリーとベルトとにおいて、動力伝達に係る部位とは別個に(異なる領域に)、所定電位の供給に係る部位が設けられるため、所定電位の供給においてプーリーとベルトとの間の摩擦で生じるESDに係るノイズの供給電位への影響が低減される。なお、歯状部たる動力伝達突部と動力伝達溝部とは、プーリー側からベルト側への電位の供給経路から絶縁されていることが好ましい。
この態様によれば、ベルトとプーリーとが、互いに係合する部位を備えるため、プーリーの外周面においてタイミングベルトがプーリーの厚み方向にずれてしまうことが防止される。
この態様によれば、第1部材、第2部材、第1プーリー、及び第2プーリーが、摩擦等によって帯電した場合であっても同極性に帯電しているため、ESDに係るノイズが低減され、プーリーからベルトへの供給電位の安定性が向上する。
この態様によれば、ヘッドユニットに対して、キャリッジを支持する支持部から第2電源信号が供給される。従って、第2電源信号をヘッドユニットに対して供給するための部材を新たに設ける必要がないため、より簡易な構成が実現する。ここで、「第2電源信号が供給され」とは、支持部を筐体に固定する固定部材を介して、支持部と筐体が電気的に接続される態様を含む概念である。この場合、筐体の電位である第2電源信号が、筐体→固定部材→支持部の経路で支持部に供給される。
上述した液体吐出装置の一態様において、前記第2電源信号が供給される筐体を備えることを特徴とする。この態様によれば、ヘッドユニットから支持部と固定部材とを通じて筐体へと放電される放電経路が実現する。
この態様によれば、ベルトが送電に適した導電性の部材(第1部材)を備えるため、ベルトを用いたヘッドユニットへの電力供給が可能になり、従来用いられていたFFCが不要となる。また、ベルト全体を導電性材料で構成した場合と比較して、異物の付着等による短絡等の危険性が大きく低減される。すなわち、第1部材にミスト化したインク等の異物が付着しない限り安全性が確保される。また、ベルト全体を導電性材料で構成する場合、強度が高い材料であっても非導電性の材料を用いることができないが、本態様によれば、非導電性材料を用いてベルトの強度を補強することができる。
以下、本実施形態に係る液体吐出装置として、シリアル式のインクジェットプリンター(以下、プリンターという。)を例として説明する。
図1はプリンター1のシステム構成を示すブロック図である。図2はプリンター1の内部構成を示す斜視図である。図3は図2に示すプリンターの側面断面図である。
プリンター1は、図1に示すように外部装置であるコンピューター110に接続して使用される。即ち、プリンター1は、コンピューター110から送信された印刷データを受信すると、コントローラー10によって各部を制御し、記録用紙(以下、用紙という。)Sに画像を形成する。その際、プリンター1内の状況は検出器群50により監視され、その検出結果に基づいて、コントローラー10が各部を制御する。
電源ユニット5は、筐体3に対して固定されている。この電源ユニット5は、電気コード等を介して家庭用ACコンセント等に接続され、これにより42V等のDC電源として機能し、各部に電力を供給する。電源ユニット5は、電力供給用の出力端子として42Vの正極端子と、メカフレーム3aを介して電気的に接地されたグランド端子と、を備える。
本実施形態では、ヘッドユニット40のノズルから液体(インク滴)を吐出させるために圧電素子を用いるところ、圧電素子は充電と放電とによって変位する素子であるので、ヘッドユニット40(ヘッド駆動回路61)への給電経路は、圧電素子への充電経路であるともいえる。
本実施形態において、「電力を供給」とは、給電経路及び放電経路に電源電圧を印加すること、給電経路及び放電経路の少なくとも一方に電源信号を供給することを含む概念である。
そして、搬送ローラー23の方へ送られた用紙Sの先端を、図1に示す検出器群50の一つである紙検出センサー51が検出すると、コントローラー10は搬送ローラー23を回転させ、用紙Sを印刷開始位置に位置決めする。
用紙Sが印刷開始位置に位置決めされたとき、ヘッド41の下面41aの少なくとも一部のノズルは、用紙Sと対向している。プラテン24は、ヘッド41の下面41aと対向可能な位置に設けられ、印刷中の用紙Sを下方から支持する。
キャリッジ32は、筐体3に固定されたガイドレール36によって支持されると共に案内され、図2に示す搬送方向と交差する方向(キャリッジ移動方向)に往復移動する。具体的には、キャリッジ32は、筐体3に設けられたキャリッジモーター33を動力源とし、タイミングベルト35の一部が固定(接続)されており、該タイミングベルト35の送り出しによって移動する。
なお、本実施形態では電力をタイミングベルト35を介してヘッドユニット40に供給すると共に、戻りの電流が流れる放電経路にはガイドレール36を用いているが、タイミングベルト35を放電経路としても用いてよい。つまり、タイミングベルト35を、給電経路及び放電経路の2経路として機能するように構成してもよい。
ここでタイミングベルト35の一部はキャリッジ32に固定されているため、キャリッジモーター33によって第2プーリー34bが回転駆動されてタイミングベルト35が送り出されると、キャリッジ32がキャリッジ移動方向に移動する。すなわち、ヘッド41が用紙Sに対してキャリッジ移動方向に移動する。
ヘッド駆動回路61は、各ノズル列411ごと、即ちブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロ(Y)の各色のノズル列411ごとに設けられている。また、各ノズルごとにピエゾ素子の駆動が行われる。同図中において、各信号名の末尾に付された括弧内の数字は、当該信号が供給されるノズルの番号を示している。
図5に示すように、第1プーリー34a及びタイミングベルト35は、キャリッジ32に搭載されたヘッド駆動回路61(図5参照)に給電するための給電系統としても機能する。これらの部材の詳細な構成等については後述する。
駆動信号整形部65は、各ノズル(i)に対応する印刷信号PRT(i)に基づいて、ノズル(i)毎に原信号ODRVを遮断したり通過させたりする。例えば、図7に示すように、印刷信号PRT(i)が2ビット信号で『00』の場合には、原信号ODRVの両パルスW1,W2を遮断し、また、印刷信号PRT(i)が同『01』の場合には、パルスW1のみを遮断してパルスW2は通過させ、印刷信号PRT(i)が同『10』の場合には、パルスW2のみを遮断してパルスW1は通過させ、印刷信号PRT(i)が同『11』の場合には、両パルスW1,W2を通過させる。
そして、駆動信号整形部65は、通過させたパルスを駆動信号DRV(i)として、各ノズル(i)のピエゾ素子に向けて出力する。各ノズル(i)のピエゾ素子は、駆動信号整形部65からの駆動信号DRV(i)に基づいて駆動してインク滴の吐出を行う。
ヘッド駆動回路61の回路基板はキャリッジ32に設けられている。従来のプリンターでは本体部側の電源ユニットとキャリッジ側の回路基板とはFFCによって接続され、このFFCを介して電源ユニットから回路基板61aに電力が供給される。なお、従来のプリンターでは、FFCは、電力の他に制御信号等も本体部側(コントローラ)からキャリッジ側(ヘッド駆動回路)へ供給する。
一方、本実施形態に係るプリンター1は、以下説明する態様で本体部側(電源ユニット5)からキャリッジ32側(ヘッド駆動回路61)へ電力を供給することで、FFCを不用としている。
本実施形態に係るプリンター1では、キャリッジ32の移動に係る第1プーリー34a及びタイミングベルト35を、ヘッド駆動回路61への給電系統として併用する。なお、第2プーリー34bについては、非導電性材料で形成されていることが望ましい。
なお、本例では説明の便宜上、第2プーリー34bをキャリッジモーター33の駆動回転軸33bに固定する構成としているが、第1プーリー34aに対してキャリッジモーター33の駆動回転軸33bを固定する構成としても勿論よい。また、第1プーリー34aと第2プーリー34bとの両方に対して各々キャリッジモーター33を設けて駆動回転軸33bを固定し、何れか一方のプーリーを駆動するように、動作させるキャリッジモーター33を適宜切り替えてもよい。
これら一対のプーリー34a,34bには無端のタイミングベルト35が掛け回されていると共に、タイミングベルト35の一部には、接続部を介してキャリッジ32が接続(固定)されている。この接続部は、例えばキャリッジ32側に固設された一対の把持部材であり、この把持部材がタイミングベルト35の一部を挟み込むことにより、タイミングベルト35とキャリッジ32とは相対移動不能に物理的に連結されている。よって、タイミングベルト35を介してキャリッジモーター33の駆動力をキャリッジ32に伝達し、これによりキャリッジ32は往復移動される。
すなわち導電部材101は、タイミングベルト35において、電源ユニット5から出力される電力(第1電源信号)をヘッドユニット40に供給する第1部材として機能する。また、タイミングベルト35自体は、この第1部材(導電部材101)の電気抵抗率よりも高い電気抵抗率の第2部材として機能する。
タイミングベルト35は、その内部に長手方向に沿って導電部材101が配設(埋設)されると共に、その導電部材101の少なくとも一部が外部に露出するように切り欠き部35cが形成されている。また、タイミングベルト35には、第1プーリー34a及び第2プーリー34bの外周面に形成された歯状部199(動力伝達突部)と噛合する歯状部99(動力伝達溝部)が形成されている。
なお、切り欠き部35cを通じた導電部材101への異物の付着を、より確実に防止するために、タイミングベルト35の裏面を覆うカバー部材39(図8参照)を更に設けても勿論よい。
なお、第1プーリー34aのうち軸部材229から導電突起部201に至る部位が導電性を有する材料から成る場合、例えば軸部材229を介して電源ユニット5から導電突起部201に電力(第1電源信号)を供給してもよい。
また、図5に示すヘッド駆動回路61の回路基板61aの電力供給用端子62P(例えば正極端子)は、タイミングベルト35内の導電部材101に接触するように、キャリッジ32とタイミングベルト35との接続部位まで延長され、導電部材101と電気的に接続される。
上述した構成によって、電源ユニット5から、第1プーリー34aの外周面200に設けられた導電突起部201と、タイミングベルト35の導電部材101とを介して、電力(第1電源信号)が電力供給用端子62Pに供給される。
なお、ガイドレール36の導電性部分に対してミスト化したインク等の異物が付着したとしても、この導電性部分に供給される第2電源信号のレベルがGNDレベルである場合、そうでない場合に比べてより安全性が増す。
また、上述した給電経路と放電経路とを互いに逆の態様で構成してもよい。すなわち、第1プーリー34a及びタイミングベルト35を放電経路(第2電源信号の供給経路)として用い、ガイドレール36を給電経路(第1電源信号の供給経路)として用いてもよい。この場合、第1プーリー34a及び第2プーリー34bの両プーリーを導電性材料で形成してもよい。
また、第1プーリー34aの導電部たる導電突起部201は、タイミングベルト35に設けられた導電部材101(第1部材)に向かって突出する部位に形成され、この導電部材101(第1部材)は、第1プーリー34aの導電部たる導電突起部201が挿入される切り欠き部35cに形成される。そして、タイミングベルト35の切り欠き部35cと、この切り欠き部35cに挿入された第1プーリー34aの導電突起部201とが係合し、タイミングベルト35の位置規制が為される。従って、第1プーリー34aの外周面200に縁部222を設けずとも、タイミングベルト35が第1プーリー34aの厚み方向にずれることはないため、第1プーリー34aの外周面200には縁部222を必ずしも設けなくてもよい。
なお、必要に応じて、図5に示す例のようにDC−DCコンバーター67を設け、これにより、電源ユニット5の電圧を、ヘッド駆動回路61が必要とする適宜な電圧(同図に示す例では3.3V)に変圧して給電しても良い。
以下、本発明の第2実施形態に係るプリンター1について説明する。説明の重複を避けるため、第1実施形態に係るプリンター1との相違点を説明し、第1実施形態との共通点については説明を省略する。
第1実施形態と第2実施形態との主な相違点は、第1プーリー34a側からタイミングベルト35側への電力の供給(第1電源信号の供給)を可能にするための、第1プーリー34a及びタイミングベルト35の構成である。
図12は、第2実施形態に係るプリンター1におけるタイミングベルト35を厚み方向に切断した断面を示す図である。図13は、第1プーリー34aを回転中心軸を含む平面で切断した断面の一部(軸部材229を境にして一方側)を示す断面概略図である。換言すれば、図13は、第1プーリー34aを径方向に切断した断面の一部(軸部材229を境にして一方側)を示す図である。図14は、第1プーリー34aの外周面200の一態様を示す図である。
一方、第2実施形態では図12に示すように、タイミングベルト35のうち第1プーリー34aと接触する面の一部にアルミニウムの蒸着等によって導電層101−1を設け、且つ、第1プーリー34aの外周面200のうち少なくとも導電層101−1と接触する部位を、図13及び図14に示すように導電部201−1として構成する。
すなわち導電層101−1は、タイミングベルト35において、電源ユニット5から出力される電力(第1電源信号)をヘッドユニット40に供給する第1部材として機能する。また、タイミングベルト35自体は、この第1部材(導電層101−1)の電気抵抗率よりも高い電気抵抗率の第2部材として機能する。
また、第1プーリー34aの外周面200には、電力(第1電源信号)が供給される導電部201−1と、タイミングベルト35の歯状部99(動力伝達溝部)と噛合する歯状部199(動力伝達突部)とが互いに独立して形成される。
ここで、導電層101を図12に示すように歯状部99とは別個に(互いに異なる領域に)設け、且つ、導電部201−1を図13に示すように歯状部199とは別個に(互いに異なる領域に)設けることで、第1プーリー34aの歯状部199と、タイミングベルト35の歯状部99との間の摩擦で生じるESDに係るノイズが、第1プーリー34a側からタイミングベルト35側へ供給される電力(第1電源信号)に与える影響を低減させることができる。なお、歯状部99,199は、第1プーリー34a側からタイミングベルト35側への電位の供給経路から絶縁されていることが好ましい。
第2実施形態では上述した構成により、第1プーリー34aの導電部201−1と、タイミングベルト35の導電層101−1とを介して、第1プーリー34a側からタイミングベルト35側への電力(第1電源信号)の供給を可能としている。
なお、タイミングベルト35の裏面(第1プーリー34a,第2プーリー34bと接する側の面)に導電層101−1を備えさせる方法としては、例えば下記の方法を挙げることができる。すなわち、導電性の材料で形成されたタイミングベルト35の表面に非導電性の被覆層を設ける方法、非導電性の材料で形成されたタイミングベルト35の裏面に導電性の被覆層を設ける方法、タイミングベルト35の表面側を導電性の材料で形成し且つ裏面側を非導電性の材料で形成する方法、及び、非導電性の材料で形成したタイミングベルト35の裏面側に露出するように導電性の部材をタイミングベルト35に埋設する方法等を挙げることができる。
以下、本発明の第3実施形態に係るプリンター1について説明する。説明の重複を避けるため、第1実施形態に係るプリンター1との相違点を説明し、第1実施形態との共通点については説明を省略する。
図15は、第3実施形態に係るプリンター1のタイミングベルト35の断面図である。
図16は、第1プーリー34aを回転中心軸を含む平面で切断した断面の一部(軸部材229を境にして一方側)を示す断面概略図である。換言すれば、図16は、第1プーリー34aを径方向に切断した断面の一部(軸部材229を境にして一方側)を示す図である。図17は、第3実施形態に係るプリンター1における第1プーリー34aの外周面200の一態様を示す図である。
すなわち導電突起部101−2は、タイミングベルト35において、電源ユニット5から出力される電力(第1電源信号)をヘッドユニット40に供給する第1部材として機能する。また、タイミングベルト35自体は、この第1部材(導電突起部101−2)の電気抵抗率よりも高い電気抵抗率の第2部材として機能する。
また、第1プーリー34aの外周面200には、電力(第1電源信号)が供給される導電部たる導電溝部201−2と、タイミングベルト35の歯状部99(動力伝達溝部)と噛合する歯状部199(動力伝達突部)とが互いに独立して形成される。
ここでタイミングベルト35の第1部材たる導電突起部101−2は、第1プーリー34aの導電部たる導電溝部201−2に向かって突出する部位に形成され、第1プーリー34aの導電部たる導電溝部201−2はタイミングベルト35の第1部材たる導電突起部101−2と係合する部位に形成されている。
具体的には、導電突起部101−2及び導電溝部201−2は、例えば金属等の導電性の材料で形成されている。ここで第1プーリー34aの導電溝部201−2に、タイミングベルト35の導電突起部101−2が挿入されることで、それら互いの導電部位が接触して電力(第1電源信号)の供給が可能となる。
ここで、導電突起部101−2を図15に示すように歯状部99とは異なる領域に設け、且つ、導電溝部201−2を図16に示すように歯状部199とは異なる領域に設けることで、第1プーリー34aの歯状部199と、タイミングベルト35の歯状部99との間の摩擦で生じるESDに係るノイズが、第1プーリー34a側からタイミングベルト35側へ供給される電力(第1電源信号)に与える影響を低減させることができる。
上述の各実施形態では、印刷信号PRT等の制御信号をコントローラー10からキャリッジ32のヘッド駆動回路61へと無線送信する方法として、電波による方法を用いたが、無線送信可能であれば何等これに限るものではない。例えば、制御信号を光伝送しても良い。すなわち、レーザー照射部をコントローラー10側に設け、光電変換部を、キャリッジ32側に設け、レーザー照射部から光電変換部へと、制御信号をレーザー光として伝送しても良い。なお、この場合には、レーザ照射部のレーザー光は、キャリッジ移動方向と平行に照射される。これにより、キャリッジ32の往復移動経路の全範囲に亘って、レーザー照射部は光電変換部にレーザー光を照射することができる。
上述の実施形態では、インクの吐出方式として、ピエゾ素子による圧電効果方式を例示したが、何等これに限るものではなく、例えば、インクを加熱し、そのインク中に生じる気泡によりインクをノズルから吐出するサーマルジェット方式でも良い。
Claims (6)
- 第1プーリーと、
第2プーリーと、
液体を吐出するヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットが設置されたキャリッジと、
前記キャリッジを駆動するための動力を発生するモーターと、
前記ヘッドユニットから液体を吐出させる為の電力を供給する電力源と、
前記第1プーリーと前記第2プーリーとに掛けられ、前記モーターから供給される前記動力により前記キャリッジを駆動させ、前記電力を前記ヘッドユニットに伝達するためのベルトと、を備え、
前記ベルトは、
前記電力源と前記ヘッドユニットとを電気的に接続するための第1部材と、
前記第1部材の電気抵抗率よりも高い電気抵抗率の第2部材と、を含む、
ことを特徴とする液体吐出装置。 - 前記ベルトの表面積のうち、前記第1部材が占める面積は、前記第2部材が占める面積よりも小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。 - 前記動力は、前記第1プーリーを通して前記ベルトに伝達され、
前記第2部材上には前記第1プーリーから前記動力が伝達される動力伝達溝部が形成されており、
前記第1プーリーには前記動力伝達溝部に前記動力を伝達するための動力伝達突部が形成されている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置。 - 前記電力は、前記第1プーリー及び前記第2プーリーのうち少なくとも一方を通して前記ベルトに伝達され、
前記第1部材上には、前記第1プーリー及び前記第2プーリーのうち少なくとも一方から前記電力が伝達されるベルト側係合部が形成されており、
前記第1プーリー及び前記第2プーリーのうち少なくとも一方には、前記ベルト側係合部に電力を伝達するためのプーリー側係合部が形成されている、
ことを特徴とする請求項1または請求項3に記載の液体吐出装置。 - 前記第1部材と、前記第2部材と、前記第1プーリーと、前記第2プーリーとは、同極性に帯電する特性を有する材料から成る、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。 - 第1プーリーと、
第2プーリーと、
液体を吐出するヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットが設置されたキャリッジと、
前記キャリッジを駆動するための動力を発生するモーターと、
前記ヘッドユニットから液体を吐出させる為の電力を供給する電力源と、
前記電力源と前記ヘッドユニットとを電気的に接続するための第1部材と、前記第1部材の電気抵抗率よりも高い電気抵抗率の第2部材とを含み、前記第1プーリーと前記第2プーリーとに掛けられ、前記モーターから供給される前記動力により前記キャリッジを駆動させるベルトと、を備える液体吐出装置の駆動方法であって、
前記電力を前記第1部材を介して前記ヘッドユニットに供給するステップと、
前記電力を供給された前記ヘッドユニットが液滴を吐出するステップと、
を有することを特徴とする液体吐出装置の駆動方法。
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