JP6303655B2 - 液体吐出装置、及び、液体吐出装置の駆動方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び、液体吐出装置の駆動方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えばプリンター等の液体吐出装置、及び、液体吐出装置の駆動方法に関する。
プリンターヘッド(以下、ヘッドという。)を駆動する駆動制御部が、ヘッドと共にキャリッジに搭載されている構成のプリンターが知られている。以下、このような態様のプリンターにおいて、キャリッジとその搭載物を除く部分を「本体部」という。
上述した構成のプリンターでは、その本体部側からキャリッジ側へ印刷信号を伝送する必要があるため、本体部とキャリッジとは、屈曲性の高いフレキシブルフラットケーブル(以下、FFC(Flexible Flat Cable)という。)で連結されている。このFFCは、本体部の電源ユニットから、キャリッジの駆動制御部への電力供給にも用いられる。
ここでキャリッジは、例えば主走査方向に移動する部材であるため、その移動の際に、FFCが機構上の物理的障害となり易い。また、FFCを通じて印刷信号等の制御信号にノイズが乗り易い。これらの問題が存在するため、FFCを用いずに液体吐出装置を構成する技術が望まれている。
上述した事情から、特許文献1には、キャリッジを往復移動させるタイミングベルトを金属等の導電性物質で構成し、タイミングベルトとプーリーとを介してキャリッジの駆動制御部に電力供給を行う液体吐出装置が提案されている。また、この特許文献1に提案されている液体吐出装置では、制御信号については無線通信技術を用いてキャリッジに供給する。
特開2011−46118号公報
電力は電圧と電流との積で算出されるところ、電力を伝送するには、電力を発生する電力源から負荷に向かって電流を流し込む給電経路と、負荷から電力源へ戻りの電流が流れる放電経路とが必要となる。なお、プリンターにおいてヘッドからインクを吐出させるために圧電素子を用いる構成を採る場合、圧電素子は充電と放電とによって変位する素子であるので、ヘッドの駆動制御部への給電経路は、圧電素子への充電経路でもある。
上述した特許文献1で開示された液体吐出装置は、タイミングベルトのみでキャリッジの駆動制御部に電力供給を行うことができる構成ではない。すなわち、電力供給においては、基準電位(例えば接地電位)と、該基準電位とは異なる所定電位とを供給する必要があるところ、特許文献1に開示されたタイミングベルトは、一の電位を供給する経路(以下、導電経路という。)としてしか機能しない。従って、特許文献1に開示されたタイミングベルトを用いる場合、別途もう一つの導電経路を確保する必要がある。実際に、特許文献1には、キャリッジを支持するガイドレール等を別の導電経路として用いることが提案されている。
なお、特許文献1に開示されているような導電性物質で構成されたタイミングベルトを用いる場合、通電中のタイミングベルトにミスト化したインク等の異物が付着した場合、短絡による発熱等の危険性がある。また、タイミングベルトにおいて静電気放電(Electro Static Discharge;ESD)と称される放電現象に起因する静電気ノイズが生じた場合、キャリッジへ供給する電力に変動が生じ、電子回路たる駆動制御部の動作が影響を受けてしまう可能性がある。そして、これらの事象が生じる可能性は、低減されることが望ましい。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、FFCを用いずに本体部からキャリッジへ電力を供給可能な液体吐出装置を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明に係る液体吐出装置の一態様は、充電と放電とによって変位する圧電素子と、内部に液体が充填され、前記圧電素子の変位により、前記内部の圧力が増減されるキャビティと、前記キャビティに連通し、前記キャビティ内の圧力の増減により前記液体を液滴として吐出するノズルと、を備えるヘッドユニットと、前記ヘッドユニットが設置されたキャリッジと、前記圧電素子を充電するための電力を供給する電力源と、前記電力源が配置された回路基板と、第1プーリーと、第2プーリーと、前記第1プーリーと前記第2プーリーとに掛けられ、前記キャリッジが接続されたベルトと、前記ベルトのうち前記第1プーリー及び前記第2プーリーに接触する第1面とは逆側の第2面に接触する第3プーリーと、を備え、前記ベルトの前記第1面及び前記第2面のうち何れか一方面には、前記回路基板から前記圧電素子に充電を行う充電経路の少なくとも一部を構成する第1部材が設けられ、前記ベルトのうち前記一方面とは異なる他方面には、前記圧電素子から前記回路基板に放電を行う放電経路の少なくとも一部を構成する第2部材が設けられている、ことを特徴とする。
この態様によれば、ベルトが2つの導電経路(第1部材、第2部材)を備えるため、ベルトのみで電力をキャリッジ側へ供給することができる。従って、FFCを用いることなく、ヘッドユニットに電力を供給する給電経路を形成すると共に、ヘッドユニットからの放電経路を形成することができる。また、ベルトが1つの導電経路しか備えない場合と比べて、より簡略な構成が実現する。
さらに、ベルトの一方面と他方面とにそれぞれ一つずつ導電経路を設ける構成を採るので、何れか一面に二つの導電経路を設ける構成と比較して、二つの導電経路が短絡されてしまうリスクを低減させることができる。
本発明に係る液体吐出装置の他の態様は、上述した液体吐出装置の一態様において、前記ベルトは、前記第1部材及び前記第2部材の何れの部材よりも高い電気抵抗率を有する第3部材を含み、前記ベルトの表面積のうち、前記第3部材が占める面積は、前記第1部材が占める面積または前記第2部材が占める面積よりも大きい、ことを特徴とする。
この態様によれば、ベルトは、第1部材や第2部材よりも高い電気抵抗率を有する第3部材(例えば非導電性の部材)を備え、この第3部材がベルトの表面積において第1部材や第2部材よりも大きい面積を占める。このため、ベルトは、例えばミスト化したインク等の液体が付着しても安全な面積が比較的大きいため、安全性がより高められている。
本発明に係る液体吐出装置の他の態様は、上述した液体吐出装置の一態様において、前記第1部材は、前記ベルトの前記第1面に設けられ、前記第2部材は、前記ベルトの前記第2面に設けられている、ことを特徴とする。
この態様によれば、ベルトのうち、例えばミスト化したインク等の異物が比較的付着し難い裏面に第1部材(充電経路)を設け、裏面よりも異物が付着しやすい表面に第2部材(放電経路)を設けることで、より安全性が高い構成が実現する。
本発明に係る液体吐出装置の他の態様は、上述した液体吐出装置の一態様において、前記ベルトは、前記第1プーリーと前記第3プーリーとによって、前記第1面側と前記第2面側とから挟持されている、ことを特徴とする。
この態様によれば、上述した液体吐出装置の一態様において、第1プーリーと第3プーリーとによってベルトが挟持されるため、駆動時にベルトが蛇行してしまったり、第1プーリーまたは第3プーリーからベルトが浮き上がってしまったりという不具合が抑制される。
本発明に係る液体吐出装置の他の態様は、上述した液体吐出装置の一態様において、前記第1プーリーは、前記ベルトの前記第1部材と電気的に接続される第1導電部を含み、前記第3プーリーは、前記ベルトの前記第2部材と電気的に接続される第2導電部を含む、ことを特徴とする。
この態様によれば、第1プーリーの第1導電部とベルトの第1部材とによって充電経路の少なくとも一部を構成でき、第3プーリーの第2導電部とベルトの第2部材とによって放電経路の少なくとも一部を構成することができる。
本発明に係る液体吐出装置の他の態様は、前記動力は、前記第1プーリーを通して前記ベルトに伝達され、前記第3部材上には前記第1プーリーから前記動力が伝達される動力伝達溝部が形成されており、前記第1プーリーには前記動力伝達溝部に前記動力を伝達するための動力伝達突部が形成されている、ことを特徴とする。
この態様によれば、ベルトにおいて、動力伝達に係る部位(動力伝達溝部)と、導電経路(第1部材、第2部材)とが別個に形成されるため、導電経路を流れる信号にESD等に起因するノイズが載りにくくなる。
本発明に係る液体吐出装置の他の態様は、上述した液体吐出装置の一態様において、前記第1部材と、前記第2部材と、前記第3部材と、前記第1プーリーと、前記第2プーリーと、前記第3プーリーとは、同極性に帯電する特性を有する材料から成る、ことを特徴とする。
この態様によれば、第1部材、第2部材、第3部材、第1プーリー、第2プーリー、及び第3プーリーが、摩擦等によって帯電した場合であっても、互いに同極性に帯電しているため、ESD等に起因するノイズが低減され、プーリー側からベルトへの供給電位の安定性が向上する。
本発明に係る液体吐出装置の駆動方法の一態様は、充電と放電とによって変位する圧電素子と、内部に液体が充填され、前記圧電素子の変位により、前記内部の圧力が増減されるキャビティと、前記キャビティに連通し、前記キャビティ内の圧力の増減により前記液体を液滴として吐出するノズルと、を備えるヘッドユニットと、前記ヘッドユニットが設置されたキャリッジと、前記圧電素子を充電するための電力を供給する電力源と、前記電力源が配置された回路基板と、第1プーリーと、第2プーリーと、前記第1プーリーと前記第2プーリーとに掛けられ、前記キャリッジが接続されたベルトと、前記ベルトのうち前記第1プーリー及び前記第2プーリーに接触する第1面とは逆側の第2面に接触する第3プーリーと、を有する液体吐出装置の駆動方法であって、前記ベルトの前記第1面及び前記第2面のうち何れか一方面に設けられ、前記回路基板から前記圧電素子に充電を行う充電経路の少なくとも一部を構成する第1部材と、前記ベルトのうち前記一方面とは異なる他方面に設けられ、前記圧電素子から前記回路基板に放電を行う放電経路の少なくとも一部を構成する第2部材とを用いて、前記圧電素子に電力を供給して変位させるステップと、前記圧電素子の変位によって、前記液体が前記ノズルから吐出するステップと、を有することを特徴とする。
この態様によれば、ベルトが2つの導電経路(第1部材、第2部材)を備えるため、ベルトのみで電力をキャリッジ側へ供給することができる。従って、FFCを用いることなく、ヘッドユニットに電力を供給する給電経路を形成すると共に、ヘッドユニットからの放電経路を形成することができる。また、ベルトが1つの導電経路しか備えない場合と比べて、より簡略な構成が実現する。
さらに、ベルトの一方面と他方面とにそれぞれ一つずつ導電経路を設ける構成を採るので、何れか一面に二つの導電経路を設ける構成と比較して、二つの導電経路が短絡されてしまうリスクを低減させることができる。
プリンターのシステム構成を示すブロック図。 プリンターの内部構成を示す斜視図。 図2に示すプリンターの側面断面図。 ヘッドにおけるノズルの配列を示す図。 ヘッドユニットが備えるヘッド駆動回路の説明図。 原駆動信号発生部の入出力関係を示す図。 原信号ODRV、印刷信号PRT(i)、及び、駆動信号DRV(i)の波形の一例を示す図。 本体部側(電源ユニット)からキャリッジ側(ヘッド駆動回路)への電力供給の一態様を示す模式図。 タイミングベルトの断面図。 図9に示すタイミングベルトの作成方法の一例を示す図。 第1プーリーを径方向に切断した断面の一部を示す図。 第3プーリーを径方向に切断した断面の一部を示す図。 第2実施形態に係るプリンターにおける、本体部側(電源ユニット)からキャリッジ側(ヘッド駆動回路)への電力供給の一態様を示す模式図。 変形例に係るプリンターにおける本体部側(電源ユニット)からキャリッジ側(ヘッド駆動回路)への電力供給の一態様を示す模式図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
以下、本実施形態に係る液体吐出装置として、シリアル式のインクジェットプリンター(以下、プリンターという。)を例として説明する。
図1はプリンター1のシステム構成を示すブロック図である。図2はプリンター1の内部構成を示す斜視図である。図3は図2に示すプリンターの側面断面図である。
プリンター1は、筐体3と、電源ユニット5と、コントローラー10と、搬送ユニット20と、キャリッジ32と、ヘッドユニット40と、検出器群50とを有する。そして、プリンター1は、例えば、外部装置であるコンピューター110に接続して使用される。
すなわち、プリンター1は、コンピューター110から送信された印刷データを受信すると、コントローラー10によって各部を制御し、記録用紙(以下、用紙という。)Sに画像を形成する。その際、プリンター1内の状況は検出器群50により監視され、その検出結果に基づいて、コントローラー10が各部を制御する。
筐体3は、各構成部材を収容する箱体と、その内側に設けられた金属等の導電性材料から成るメカフレーム3aとを備える。
電源ユニット5は、筐体3に対して固定されている。この電源ユニット5は、電気コード等を介して家庭用ACコンセント等に接続され、これにより例えば42V等のDC電源として機能し、各部に電力を供給する。電源ユニット5は、電力供給用の出力端子として42Vの正極端子と、メカフレーム3aを介して電気的に接地されたグランド端子と、を備える。
電力は電圧と電流との積(電力P[W]=電圧E[V]・電流I[A])で算出されるところ、電力を伝送するには、電力を発生する電力源から負荷に向かって電流を流し込む給電経路と、負荷から電力源へ戻りの電流が流れる放電経路とが必要となる。
即ち、電力源は給電経路及び放電経路を介して負荷に電気的に接続され、電力源は給電経路及び放電経路に電源電圧を印加する。より具体的には、給電経路に第1の電源信号を供給し、放電経路に第2の電源信号を供給することによって、第1の電源信号と第2の電源信号の電位差として与えられる電源電圧を給電経路及び放電経路に印加する。
本実施形態において、「電力を供給」とは、給電経路及び放電経路に電源電圧を印加すること、給電経路及び放電経路の少なくとも一方に電源信号を供給することを含む概念である。
なお、電源ユニット5が備える出力端子は必ずしも正極端子でなくともよく、レベルが負極性電位となる電源信号を出力する負極端子であってもよい。つまり、電源ユニット5は、レベルが所定電位(例えば電源電位(VDD)レベル)となる第1電源信号と、レベルが所定電位とは異なる基準電位(例えばグランド(GND)レベル)となる第2電源信号とを出力する出力端子を備えていればよい。この電源ユニット5は、ヘッドユニット40のノズルから液体を吐出させる為の電力を供給する電力源として機能する。
本実施形態では、ヘッドユニット40のノズルから液体(インク滴)を吐出させるために圧電素子を用いるところ、圧電素子は充電と放電とによって変位する素子であるので、ヘッドユニット40(ヘッド駆動回路61)への給電経路は、圧電素子への充電経路でもある。
コントローラー10も、筐体3に対して固設されている。そして、コントローラー10は、インターフェース部11と、CPU12と、メモリー13と、ユニット制御回路14と、送信機17とを有する。インターフェース部11は、コンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU12は、プリンター1全体の制御を行う演算処理装置であり、ユニット制御回路14を介して各部を制御する。メモリー13は、CPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保する。送信機17は、後述する印刷信号PRT等の種々の信号を無線送信する。
搬送ユニット20は、用紙Sを印刷可能な位置に送り込むとともに、印刷時に搬送方向に所定の搬送量で用紙Sを搬送するものであり、図2及び図3に示すように給紙ローラー21と、搬送モーター22と、搬送ローラー23と、プラテン24と、排紙ローラー25と、を有する。給紙ローラー21は、印刷すべき用紙Sを搬送ローラー23の位置まで送る。
そして、搬送ローラー23の方へ送られた用紙Sの先端を、図1に示す検出器群50の一つである紙検出センサー51が検出すると、コントローラー10は搬送ローラー23を回転させ、用紙Sを印刷開始位置に位置決めする。
用紙Sが印刷開始位置に位置決めされたとき、ヘッド41の下面41aの少なくとも一部のノズルNは、用紙Sと対向している。プラテン24は、ヘッド41の下面41aと対向可能な位置に設けられ、印刷中の用紙Sを下方から支持する。
キャリッジ32には、ヘッドユニット40と受信機37とが設けられている。
キャリッジ32は、筐体3に固定されて設けられたガイドレール36によって支持されると共に案内され、図2に示す搬送方向と交差する方向(キャリッジ移動方向)に往復移動する。具体的には、キャリッジ32は、筐体3に設けられたキャリッジモーター33を動力源とし、タイミングベルト35の一部が固定され、該タイミングベルト35の送り出しによって移動する。
キャリッジ32の支持部として機能するガイドレール36は、例えば、キャリッジ32の移動方向を長手方向(軸方向)とする略柱状部材(軸体)である。ここでキャリッジ32には、その移動方向に貫通する貫通孔が形成されており、その貫通孔にガイドレール36は挿通される。
タイミングベルト35は、図2に示すように第1プーリー34aと第2プーリー34bとに掛けられ(掛け渡され)ており、それらを介してキャリッジモーター33の駆動力がタイミングベルト35に伝達されて送り出される。
ここでタイミングベルト35の一部はキャリッジ32に固定されているため、キャリッジモーター33によって第2プーリー34bが回転駆動されてタイミングベルト35が送り出されると、キャリッジ32がキャリッジ移動方向に移動する。すなわち、ヘッド41が用紙Sに対してキャリッジ移動方向に移動する。
また、タイミングベルト35のうち第1プーリー34a及び第2プーリー34bが接している一方面(裏面)とは逆側の他方面(表面)には、図2に示すように第3プーリー34cが接触して設けられている。なお、タイミングベルト35の詳細な構成は、図9を参照して後述する。
受信機37は、コントローラー10の送信機17から無線送信された信号を受信してヘッドユニット40のヘッド駆動回路61へ供給する。具体的には、受信機37が受信する信号は、例えば印刷信号PRTや原信号生成用パラメーター(後述)等の、ヘッドユニット40のヘッド41を駆動するための制御信号である。
ヘッドユニット40は、キャリッジ32に搭載されている。そして、用紙Sにインク滴を吐出するためのヘッド41と、ヘッド41のノズルNからインク滴を吐出すべくヘッド41を駆動するヘッド駆動回路61(図5参照)とを有する。ヘッド41の下面41aには、ノズルNが複数設けられ、各ノズルNには、インクが入ったインク室と、インク室の容量を変化させてインク滴を吐出するための駆動素子として圧電素子とが設けられている。そして、ヘッド駆動回路61が、印刷信号PRT等に基づいて圧電素子を駆動することにより、インク滴が吐出される。
検出器群50には、リニア式エンコーダー52(図2参照)やロータリー式エンコーダー53(図3参照)等が含まれる。リニア式エンコーダー52は、キャリッジ32の位置を検出する。ロータリー式エンコーダー53は、搬送ローラー23の回転量を検出する。
このような構成のプリンター1では、キャリッジ移動方向に沿って移動するヘッド41からインク滴を断続的に吐出させ、用紙S上にドットを形成するドット形成動作と、用紙Sを搬送方向に搬送する搬送動作と、を交互に繰り返す。そうすることで、先のドット形成動作により形成されたドット列(ラスタライン)とは搬送方向の異なる位置にドット列が形成され、これにより用紙S上に画像が完成する。
なお、このプリンター1は双方向印刷を行うこともでき、つまり、キャリッジ移動方向の往路及び復路において用紙Sに向けてインク滴を吐出して画像を形成することも可能である。その場合には、往路と復路とのドット形成動作の間に、用紙Sの搬送動作が行われる。
図4は、ヘッド41におけるノズルNの配列を示す図である。ヘッド41の下面41aには、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色毎にそれぞれ複数(例えば180ヶ)のノズル♯1〜♯nを含むノズル列411が設けられている。ノズル列411に含まれるノズル♯1〜♯nは、用紙Sの搬送方向に沿って所定のノズルピッチP(例えば180dpi)で直線状に整列されている。また、それらノズル列411は、相互にキャリッジ移動方向に間隔を隔てて平行に配置されている。
図5は、ヘッドユニット40が備えるヘッド駆動回路61の説明図である。同図において二点鎖線で囲まれた部材が、ヘッド駆動回路61に含まれる部材である。このヘッド駆動回路61は、例えばヘッドユニット40の各部を駆動制御する回路基板61aであり、キャリッジ32内に配置され、原駆動信号発生部63と駆動信号整形部65とを備えている。なお、何れも例えば電気回路で構成される。
ヘッド駆動回路61は、各ノズル列411ごと、即ちブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロ(Y)の各色のノズル列411ごとに設けられている。また、各ノズルごとに圧電素子の駆動が行われる。同図中において、各信号名の末尾に付された括弧内の数字は、当該信号が供給されるノズルの番号を示している。
各ノズルが備える圧電素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧が印加されると、電圧の印加時間に応じて伸張し、インクの流路の側壁を変形させる。これによって、インクの流路の体積が圧電素子の伸縮に応じて収縮し、この収縮分に相当するインク量が、インク滴となって各色の各ノズル♯1〜♯180から吐出される。
図5に示すように、第1プーリー34a、第3プーリー34c、及びタイミングベルト35は、キャリッジ32に搭載されたヘッド駆動回路61(図5参照)に電力を伝送するための導電経路としても機能する。これらの部材の詳細な構成等については後述する。
図6に示すように、原駆動信号発生部63には、原信号ODRVの波形形状等を規定する原信号生成用パラメーターが入力される。この原信号生成用パラメーターに基づいて、原駆動信号発生部63は、各ノズル#1〜#nに共通して用いられる原信号ODRVを生成する。ここでは、この原信号ODRVは、一画素分の期間内(キャリッジ32が一画素の間隔を横切る時間内)において、図7に示すように、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む信号である。
他方、駆動信号整形部65には、図6に示すように、原駆動信号発生部63から原信号ODRVが入力されると共に、印刷データに基づいて印刷信号PRTが入力される。印刷信号PRTは、一画素に対して割り当てられている画素データに対応した信号である。つまり、印刷信号PRTは、印刷データに含まれる画素データに応じた信号である。
駆動信号整形部65は、各ノズル(i)に対応する印刷信号PRT(i)に基づいて、ノズル(i)毎に原信号ODRVを遮断したり通過させたりする。例えば、図7に示すように、印刷信号PRT(i)が2ビット信号で『00』の場合には、原信号ODRVの両パルスW1,W2を遮断し、また、印刷信号PRT(i)が同『01』の場合には、パルスW1のみを遮断してパルスW2は通過させ、印刷信号PRT(i)が同『10』の場合には、パルスW2のみを遮断してパルスW1は通過させ、印刷信号PRT(i)が同『11』の場合には、両パルスW1,W2を通過させる。
そして、駆動信号整形部65は、通過させたパルスを駆動信号DRV(i)として、各ノズル(i)の圧電素子に向けて出力する。各ノズル(i)の圧電素子は、駆動信号整形部65からの駆動信号DRV(i)に基づいて駆動してインク滴の吐出を行う。
以下、ヘッド駆動回路61へ電力を伝送するための導電経路について説明する。ヘッド駆動回路61は例えば電気回路等によって構成され、供給された電力で作動する。
ヘッド駆動回路61の回路基板はキャリッジ32に設けられている。従来のプリンターでは本体部側の電源ユニットとキャリッジ側の回路基板とはFFCによって接続され、このFFCを介して電源ユニットから回路基板61aに電力が供給される。なお、従来のプリンターでは、FFCは、電力の他に制御信号等も本体部側(コントローラ)からキャリッジ側(ヘッド駆動回路)へ供給する。
一方、本実施形態に係るプリンター1は、以下説明する態様で本体部側(電源ユニット5)からキャリッジ32側(ヘッド駆動回路61)へ電力を供給することで、FFCを不用としている。
図8は、本体部側(電源ユニット5)からキャリッジ32側(ヘッド駆動回路61)への電力供給の一態様を示す模式図である。図2及び図8に示すように、一方のプーリー(本例では第1プーリー34a)は、キャリッジ32の往復移動経路の一端に設けられている。他方のプーリー(本例では第2プーリー34b)は、同往復移動経路の他端に設けられたキャリッジモーター33の軸部材229に同心に固定されている。
なお、本例では説明の便宜上、第2プーリー34bをキャリッジモーター33の駆動回転軸33bに固定する構成としているが、第1プーリー34aに対してキャリッジモーター33の駆動回転軸33bを固定する構成としても勿論よい。また、第1プーリー34aと第2プーリー34bとの両方に対して各々キャリッジモーター33を設けて駆動回転軸33bを固定し、何れか一方のプーリーを駆動するように、動作させるキャリッジモーター33を適宜切り替えてもよい。
これら一対のプーリー34a,34bには無端のタイミングベルト35が掛け回されていると共に、タイミングベルト35の一部には、接続部を介してキャリッジ32が接続(固定)されている。この接続部は、例えばキャリッジ32側に固設された一対の把持部材であり、この把持部材がタイミングベルト35の一部を挟み込むことにより、タイミングベルト35とキャリッジ32とは相対移動不能に物理的に連結されている。よって、タイミングベルト35を介してキャリッジモーター33の駆動力がキャリッジ32に伝達され、これによりキャリッジ32が往復移動される。
本実施形態に係るプリンター1では、キャリッジ32の移動に用いるタイミングベルト35、第1プーリー34a及び第3プーリー34cを、ヘッド駆動回路61へ電力を伝送するための導電経路として併用する。
なお、タイミングベルト35の裏面Bに設けられた第1導電部材101vへの異物の付着を、より確実に防止するために、図8に示すようにタイミングベルト35の裏面Bを覆うカバー部材39を設けてもよい。
図9は、タイミングベルト35を厚さ方向に切断した断面を示す断面概略図である。図9に示すように、タイミングベルト35は、導電性を有する第1導電部材101vと、第2導電部材101gと、これら第1導電部材101vと第2導電部材101gとを電気的に絶縁する絶縁層151とを備える。第1導電部材101vは絶縁層151の一方面側に設けられ、第2導電部材101gは絶縁層151の他方面側に設けられている。
本実施形態では、第1導電部材101vは、レベルが所定電位(例えば正極性電位または負極性電位)となる第1電源信号の経路(給電経路)の少なくとも一部として用いられる。また、第2導電部材101gは、レベルが基準電位(例えばGNDレベルの電位)となる第2電源信号の経路(放電経路)の少なくとも一部として用いられる。つまり、本実施形態においてタイミングベルト35は、一方面に給電経路を備え、他方面に放電経路を備える。
すなわち、第1導電部材101vは、タイミングベルト35において、電源ユニット5から出力される電力(第1電源信号)をヘッドユニット40に供給する第1部材として機能する。また、第2導電部材101gは、タイミングベルト35において、ヘッドユニット40からの放電経路として機能する。換言すれば、第2導電部材101gは、電源ユニット5から、レベルが基準電位(GNDレベル)となる第2電源信号が供給される低位側電源ラインとして機能する。
本実施形態では、タイミングベルト35のうち第1プーリー34a及び第2プーリー34bと接触する側の面(図9において符号Bが付された面)を「裏面」と称し、該裏面の逆側の面(図9において符号Fが付された面)であって第3プーリー34cと接触する側の面を「表面」と称する。
表面Fには、第3プーリー34cの外周面に形成された歯状部199(動力伝達突部)と噛合する歯状部99(動力伝達溝部)が設けられている。同様に、裏面Bには、第1プーリー34a及び第2プーリー34bの外周面に形成された歯状部199(動力伝達突部)と噛合する歯状部99(動力伝達溝部)が設けられている。これら歯状部99と歯状部199とが噛合することによって、タイミングベルト35と各プーリー34a,34b,34cとの間で動力の伝達が行われる。
図10は、タイミングベルト35の作成方法の一例を示す図である。タイミングベルト35は、図10に示すベルト34を用いて作成することができる。ベルト34は、導電性の材料から成るベルト状部材101の一方面を、絶縁性(非導電性)の材料で被覆(コーティング)して絶縁層151を形成すると共に、ベルト状部材101の幅方向両側に絶縁性(非導電性)の材料で絶縁部位NCを設ける。そして、この絶縁部位NCには、歯状部99(動力伝達溝部)を形成する。
図9に示すタイミングベルト35は、このベルト34を2本用意し、それらの絶縁層151同士を貼り合わせることによって作成することができる。
なお、上述したタイミングベルト35の作成方法は一例であり、表面Fと裏面Bとにそれぞれ一系統の導電経路が設けられたタイミングベルト35であれば、どのような作成方法で作成されていてもよい。
例えば、タイミングベルト35の作成方法の他の例としては、
(i)非導電性の材料で形成されたタイミングベルト35の裏面に、導電性の被覆層を設ける方法
(ii)タイミングベルト35の表面側を導電性の材料で形成し、且つ、裏面側を非導電性の材料で形成する方法
(iii)非導電性の材料で形成したタイミングベルト35の裏面側に露出するように導電性の部材をタイミングベルト35に埋設する方法
等を挙げることができる。
上述したようにタイミングベルト35のうち第1導電部材101v及び第2導電部材101g以外の部位は絶縁性(非導電性)の材料から成る。タイミングベルト35のうち第1導電部材101v及び第2導電部材101g以外の部位は、それらよりも高い電気抵抗率(例えば絶縁性または非導電性)を有する材料から成る第3部位として機能する。このように構成することで、タイミングベルト35全体を導電性の材料で構成した場合に比べて、安全性を大きく高めることができる。
ここで、ベルト35の表面積のうち、第1導電部材101vの表面積(以下、第1導電露出面積という。)、及び露出している第2導電部材101gの表面積(以下、第2導電露出面積という。)は、それぞれ、絶縁性(非導電性)の材料で形成されている部分の表面積(以下、非導電面積という。)よりも小さいことが好ましい。これにより、第1導電部材101v及び第2導電部材101gからの漏電や、それらへの異物付着等による短絡の危険性が低減される。さらには、第1導電露出面積と第2導電露出面積との和が、非導電面積よりも小さいことが好ましい。
図11に、第1プーリー34aを回転中心軸(以降、「回転軸」という。)を含む平面で切断した断面を示す。同図に示すように、第1プーリー34aのうちタイミングベルト35と接触する外周面には、タイミングベルト35の第1導電部材101vと接触する第1導電部201vと、タイミングベルト35の歯状部99(動力伝達溝部)と噛合する歯状部199(動力伝達突部)とが形成されている。
図11に示す例では、第1プーリー34aのうち、軸部材229から外周面に至る部位は、例えば金属等の導電性材料で形成されており、この外周面において歯状部199が形成されていない部位が第1導電部201vである。
なお、図11において符号222が付された部材は、第1プーリー34aに掛けられたタイミングベルト35が、第1プーリー34aの厚み方向へずれてしまうことを防止するための縁部である。この縁部222によって、タイミングベルト35の蛇行が防止される。
図12に、第2プーリー34bを回転軸たる駆動回転軸33bを含む平面で切断した断面を示す。同図に示すように、第2プーリー34bのうちタイミングベルト35の第1導電部材101vと接触する部位には、歯状部199が形成されない。また、第2プーリー34bは導電経路として用いない。従って、タイミングベルト35の第1導電部材101v等の導電経路と短絡してしまわないように、絶縁性(非導電性)の材料で構成することが好ましい。
本実施形態では第2プーリー34bのうち、少なくともタイミングベルト35と接触する外周面については、絶縁性(非導電性)の材料で形成する。また、第2プーリー34bの外周面のうち、タイミングベルト35の第1導電部材101vが接触する部位には歯状部199を形成しない。これは、第1導電部材101vが接触する部位に歯状部199が存在すると、第1導電部材101vと歯状部199とが接触して、第1導電部材101vが損傷してしまう可能性があるからである。
図13に、第3プーリー34cを、その回転軸たる軸部材229を含む平面で切断した断面図を示す。同図に示すように、第3プーリー34cのうちタイミングベルト35の表面Fと接触する外周面には、タイミングベルト35の第2導電部材101gと接触する第2導電部201gと、タイミングベルト35の歯状部99(動力伝達溝部)と噛合する歯状部199(動力伝達突部)とが形成されている。
第3プーリー34cのうち、軸部材229から外周面に至る部位は、例えば金属等の導電性材料で形成されており、この外周面において歯状部199が形成されていない部位が第2導電部201gである。
ところで、第1プーリー34aの第1導電部201vは、上述した電源ユニット5の正極端子と電気的に接続されている。具体的には、例えば電源ユニット5の正極端子と電気的に接続されたブラシ部材(不図示)が、導電性を有する第1プーリー34aの外周面に摺接しており、この外周面を介して電源ユニット5の出力端子(本例では正極端子)から第1導電部201vに電力(第1電源信号)が供給される。
なお、第1プーリー34aのうち軸部材229から第1導電部201vに至る部位が導電性を有する場合、例えば軸部材229を介して電源ユニット5から第1導電部201vに電力(第1電源信号)を供給してもよい。
また、ヘッド駆動回路61(図5参照)の回路基板61aの電力供給用端子62P(例えば正極端子)は、タイミングベルト35の第1導電部材101vと電気的に接続され、電力(第1電源信号)が電力供給用端子62Pに供給される。
具体的には、電力供給用端子62Pは、キャリッジ32とタイミングベルト35との接続部位まで延長され、タイミングベルト35の第1導電部材101vと接続される。
他方、タイミングベルトの第2導電部材101gは、第3プーリー34cの第2導電部201gと共に、ヘッドユニット40からの放電経路の一部として機能する。
具体的には、電源ユニット5のグランド端子と電気的に接続されたブラシ部材を、導電性を有する第3プーリー34cの外周面に摺接させ、この外周面を介して電源ユニット5のグランド端子と第2導電部201gとを電気的に接続させる。
なお、第3プーリー34cのうち、軸部材229から第2導電部201gに至る部位が導電性を有する場合、その部位を放電経路の一部として用いてもよい。この場合、例えば軸部材229を筐体3のメカフレーム3aと接続して接地する。
そして、ヘッド駆動回路61のグランド端子62Gは、タイミングベルト35の第2導電部材101gと電気的に接続される。具体的には、グランド端子62Gは、キャリッジ32とタイミングベルト35との接続部位まで延長され、タイミングベルト35の第2導電部材101gと接続される。
このように構成することで、第3プーリー34cの外周面に設けられた第2導電部201gと、タイミングベルト35の第2導電部材101gとを介して、ヘッド駆動回路61のグランド端子62Gが接地される。つまり、ヘッドユニット40から電源ユニット5のグランド端子への放電経路が形成される。換言すれば、レベルがGNDレベルとなる第2電源信号が、第3プーリー34cの第2導電部201gと、タイミングベルトの第2導電部材101gとを介してヘッドユニット40に供給される。
以上説明したように、本発明の一実施形態によれば、FFCを用いることなく、ヘッド駆動回路61に電力(第1電源信号)を供給する給電経路を形成すると共に、ヘッド駆動回路61からの放電経路(第2電源信号の経路)を形成することができる。つまり、FFCを用いることなく、本体部側からキャリッジ32側への送電が可能になる。
また、タイミングベルト35が2つの導電経路(第1導電部材101v、第2導電部材101g)を備えるため、タイミングベルト35のみで所望の電圧をキャリッジ32側へ供給することができる。従って、タイミングベルト35が1つの導電経路としてしか機能しない場合と比べて、より簡略な構成が実現する。また、送電に用いられるタイミングベルト35自体は、高い電気抵抗率を有する部材(例えば非導電性の部材)であるため、インク等の液体が付着しても安全である。
そして、タイミングベルト35の表面Fと裏面Bとにそれぞれ一つずつ導電経路を設ける構成は、何れか一方の面(表面Fのみ、または、裏面Bのみ)に二つの導電経路を設ける構成と比較して、二つの導電経路が短絡されてしまう可能性を低減させることができる。
本実施形態によれば、さらに、例えばミスト化したインク等の異物が比較的付着し難い裏面Bに給電経路(レベルが電源電位の第1電源信号の導電経路)を設けることで、より安全性が高い構成が実現する。タイミングベルト35の裏面Bと比較して異物が付着しやすい表面Fには第2導電部材101gを設け、これを放電経路(レベルがGNDレベルとなる第2電源信号の導電経路)として用いることで、異物が付着した際の安全性が確保される。
また、タイミングベルト35は、第1プーリー34aと第3プーリー34cとによって、表面F側と裏面B側とから挟持される。このため、駆動時にタイミングベルト35が蛇行してしまったり、第1プーリー34aまたは第3プーリー34cからタイミングベルトが浮き上がってしまったりという不具合が抑制される。
なお、本一実施形態においては、第1プーリー34aをタイミングベルト35から伝達された動力で回転する従動プーリーとして構成し、第2プーリー34bをキャリッジモーター33によって駆動する主動プーリーとして構成しているが、この態様に限られず、第1プーリー34aを主動プーリーとして構成し、第2プーリー34bを従動プーリーとして構成しても勿論よい。
また、タイミングベルト35と、第1導電部材101vと、第2導電部材101gと、第1プーリー34aと、第3プーリー34cとは、互いに同極性に帯電する特性を有する材料で構成されていることが好ましい。これにより、それらが摩擦等によって帯電した場合であっても、互いに同極性に帯電しているため、ESDに係るノイズが低減され、タイミングベルト35へ供給される電位の安定性が向上する。なお、歯状部99,199は、第1プーリー34a/第3プーリー34c側からタイミングベルト35側へ供給される電位に係る導電経路から絶縁されていることが好ましい。
なお、必要に応じて、図5に示す例のようにDC−DCコンバーター67を設け、これにより、電源ユニット5の電圧を、ヘッド駆動回路61が必要とする適宜な電圧(同図に示す例では3.3V)に変圧して給電しても良い。
なお、上述の各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
《変形例》
以下、上述した実施形態の変形例に係るプリンター1について説明する。説明の重複を避けるため、上述した実施形態に係るプリンター1との相違点を説明し、共通点については説明を省略する。主な相違点は、本変形例に係るプリンター1では、タイミングベルト35を絶縁部材によって電気的に二つに分割して用いることで、導電経路を四経路設ける点である。
図14は、本変形例に係るプリンター1における本体部側(電源ユニット5)からキャリッジ32側(ヘッド駆動回路61)への電力供給の一態様を示す模式図である。
本変形例においては、図14に示すようにタイミングベルト35のうちキャリッジ32と向かい合う部位に絶縁部材301を設けることで、タイミングベルト35を電気的に二つの部位に分断する。これにより、電気的に分断された二つの部位の一方(第1ベルト35−1)と他方(第2ベルト35−2)とで、それぞれ二つの導電経路を備えさせる。
具体的には、第1ベルト35−1及び第2ベルト35−2は、それぞれ、上述したタイミングベルト35と同様の構成を採る。従って、第1ベルト35−1及び第2ベルト35−2は、それぞれ、表面Fと裏面Bとで一経路ずつ導電経路を備える。また、第2ベルト35−2側においては、第2ベルト35−2の表面Fに接触するプーリーである第4プーリー34dが設けられる。このように構成することで、本変形例においてはタイミングベルト35は、第1ベルト35−1側と第2ベルト35−2側とで合計四経路の導電経路を備える。
詳細には、図14に示すように、第1ベルト35−1の表面Fには第1導電部材101v−1が設けられ、裏面Bには第2導電部材101g−1が設けられる。同様に、第2ベルト35−2の表面Fには第3導電部材101v−2が設けられ、裏面Bには第4導電部材101g−2が設けられる。
本変形例においては、第2導電部材101g−1は放電経路として用い、他の導電部材(第1導電部材101v−1、第3導電部材101v−2、第4導電部材101g−2)は給電経路として用いる。従って、本変形例によれば、本体部側からキャリッジ32側へ、それぞれ異なるレベルの電位を示す3種類の電源信号を供給することができる。
以上説明した実施形態及び変形例では、印刷信号PRT等の制御信号をコントローラー10からキャリッジ32のヘッド駆動回路61へと無線送信する方法として、電波による方法を用いたが、無線送信可能であれば何等これに限るものではない。例えば、制御信号を光伝送しても良い。すなわち、レーザー照射部をコントローラー10側に設け、光電変換部を、キャリッジ32側に設け、レーザー照射部から光電変換部へと、制御信号をレーザー光として伝送しても良い。なお、この場合には、レーザ照射部のレーザー光は、キャリッジ移動方向と平行に照射される。これにより、キャリッジ32の往復移動経路の全範囲に亘って、レーザー照射部は光電変換部にレーザー光を照射することができる。
上述の実施形態及び変形例では、インクの吐出方式として、圧電素子による圧電効果方式を例示したが、何等これに限るものではなく、例えば、インクを加熱し、そのインク中に生じる気泡によりインクをノズルから吐出するサーマルジェット方式でも良い。
1…プリンター、3…筐体、3a…メカフレーム、5…電源ユニット、10…コントローラー、17…送信機、20…搬送ユニット、21…給紙ローラー、22…搬送モーター、229…軸部材、23…搬送ローラー、24…プラテン、25…排紙ローラー、32…キャリッジ、34a…第1プーリー、34b…第2プーリー、35…ベルト、40…ヘッドユニット、301…絶縁部材、32…キャリッジ、33…キャリッジモーター、33b…駆動回転軸、33b…駆動軸、34…ベルト、34a…第1プーリー、34b…第2プーリー、34c…第3プーリー、34d…第4プーリー、35…タイミングベルト、35−1…第1ベルト、35−2…第2ベルト、36…ガイドレール、37…受信機、40…ヘッドユニット、41…ヘッド、411…ノズル列、50…検出器群、51…紙検出センサー、52…リニア式エンコーダー、53…ロータリー式エンコーダー、61…ヘッド駆動回路、61a…回路基板、62G…グランド端子、62P…電力供給用端子、63…原駆動信号発生部、65…駆動信号整形部、67…コンバーター、99,199…歯状部、101v,101v−1…第1導電部材、101g,101g−1…第2導電部材、101v−2…第3導電部材、101g−2…第4導電部材、11…インターフェース部、110…コンピューター、13…メモリー、14…ユニット制御回路、151…絶縁層、199…歯状部。

Claims (8)

  1. 充電と放電とによって変位する圧電素子と、
    内部に液体が充填され、前記圧電素子の変位により、前記内部の圧力が増減されるキャビティと、
    前記キャビティに連通し、前記キャビティ内の圧力の増減により前記液体を液滴として吐出するノズルと、を備えるヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットが設置されたキャリッジと、
    前記圧電素子を充電するための電力を供給する電力源と、
    前記電力源が配置された回路基板と、
    第1プーリーと、
    第2プーリーと、
    前記第1プーリーと前記第2プーリーとに掛けられ、前記キャリッジが接続されたベルトと、
    前記ベルトのうち前記第1プーリー及び前記第2プーリーに接触する第1面とは逆側の第2面に接触する第3プーリーと、
    を備え、
    前記ベルトの前記第1面及び前記第2面のうち何れか一方面には、前記回路基板から前記圧電素子に充電を行う充電経路の少なくとも一部を構成する第1部材が設けられ、
    前記ベルトのうち前記一方面とは異なる他方面には、前記圧電素子から前記回路基板に放電を行う放電経路の少なくとも一部を構成する第2部材が設けられている、
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記ベルトは、
    前記第1部材及び前記第2部材の何れの部材よりも高い電気抵抗率を有する第3部材を含み、
    前記ベルトの表面積のうち、前記第3部材が占める面積は、前記第1部材が占める面積または前記第2部材が占める面積よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記第1部材は、前記ベルトの前記第1面に設けられ、
    前記第2部材は、前記ベルトの前記第2面に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記ベルトは、前記第1プーリーと前記第3プーリーとによって、前記第1面側と前記第2面側とから挟持されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記第1プーリーは、前記ベルトの前記第1部材と電気的に接続される第1導電部を含み、
    前記第3プーリーは、前記ベルトの前記第2部材と電気的に接続される第2導電部を含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  6. 動力は、前記第1プーリーを通して前記ベルトに伝達され、
    前記第3部材上には前記第1プーリーから前記動力が伝達される動力伝達溝部が形成されており、
    前記第1プーリーには前記動力伝達溝部に前記動力を伝達するための動力伝達突部が形成されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  7. 前記第1部材と、前記第2部材と、前記第3部材と、前記第1プーリーと、前記第2プーリーと、前記第3プーリーとは、同極性に帯電する特性を有する材料から成る、
    ことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  8. 充電と放電とによって変位する圧電素子と、
    内部に液体が充填され、前記圧電素子の変位により、前記内部の圧力が増減されるキャビティと、
    前記キャビティに連通し、前記キャビティ内の圧力の増減により前記液体を液滴として吐出するノズルと、を備えるヘッドユニットと、
    前記ヘッドユニットが設置されたキャリッジと、
    前記圧電素子を充電するための電力を供給する電力源と、
    前記電力源が配置された回路基板と、
    第1プーリーと、
    第2プーリーと、
    前記第1プーリーと前記第2プーリーとに掛けられ、前記キャリッジが接続されたベルトと、
    前記ベルトのうち前記第1プーリー及び前記第2プーリーに接触する第1面とは逆側の第2面に接触する第3プーリーと、を有する液体吐出装置の駆動方法であって、
    前記ベルトの前記第1面及び前記第2面のうち何れか一方面に設けられ、前記回路基板から前記圧電素子に充電を行う充電経路の少なくとも一部を構成する第1部材と、前記ベルトのうち前記一方面とは異なる他方面に設けられ、前記圧電素子から前記回路基板に放電を行う放電経路の少なくとも一部を構成する第2部材とを用いて、前記圧電素子に電力を供給して変位させるステップと、
    前記圧電素子の変位によって、前記液体が前記ノズルから吐出するステップと、
    を有することを特徴とする液体吐出装置の駆動方法。
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