JP2015173798A - 介護支援ウエア及び介護支援システム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、被介護者のストレス及び介護者の負担を軽減可能な介護支援ウエア及びこれを備えた介護支援システムを提供すること。【解決手段】被介護者を吊り上げ、便座20等への被介護者の移乗を支援する吊上げ移乗装置200Aに接続可能な介護支援ウエア100Aであって、被介護者が着用可能なパンツ部120と、被介護者の両脚の大腿部に巻き付けて大腿部を支持可能な一対の脚帯部112a,112bと、被介護者の腰部に巻き付けて腰部を支持可能な腰帯部111と、を有するハーネス部110と、上半身を直立させると共に、大腿部を前方に屈曲させた姿勢で吊り上げられるように、被介護者の前方で、一対の脚帯部112a,112b及び腰帯部111を吊上げ移乗装置200Aに接続する接続部130と、を備えた。【選択図】図1
Description
本発明は、車椅子等からトイレの便座や寝室のベッド等への自力での移乗が困難な被介護者に対して、自力での移乗の支援に適用可能な介護支援ウエア及びこれを備える介護支援システムに関する。
自立歩行が困難なために車椅子を用いて生活している被介護者にとっては、ベッドから車椅子への移乗や車椅子からトイレの便座等への移乗を一人で行うことは非常に困難であり、危険な場合もある。そのため、車椅子を使用する被介護者は、通常、介護者に手助けされて便座やベッド等に移乗する。このような被介護者の移乗の手助けは、安全かつ素早く行う必要があるので、介護者にとって肉体的及び精神的な負担が大きい。また、近年、少子高齢化に伴い、介護者による手助けを必要とする高齢の被介護者が増加しており、これが介護者の負担をさらに増加させている。
そこで、昨今、被介護者の便座等への移乗を支援して、介護者の介護負担を軽減させるための様々な介護装置が提案されている。例えば、複数の帯体で支持した被介護者を介護用リフトで持ち上げ、介護用リフトを駆動して被介護者を便座に移乗させる介護用リフト装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の介護用リフト装置は、被介護者の両脇に帯体を回して被介護者を吊上げているため、被介護者は移動中両腕を自由に使うことができない。そのため、被介護者は自分で介護リフトを操作することができず、介護者が介護リフトを操作して被介護者を便座等に移乗させている。つまり、被介護者は、介護者がいなければ便座等に移乗することができず、これが被介護者のストレスになると共に、介護者の負担の軽減を抑制していた。
そこで、本発明は、被介護者のストレス及び介護者の負担を軽減可能な介護支援ウエア及びこれを備えた介護支援システムを提供することを目的とする。
本発明による介護支援ウエアは、被介護者を吊り上げ、所定の設備への被介護者の移乗を支援する吊上げ移乗装置に接続可能な介護支援ウエアであって、被介護者が着用可能なパンツ部と、被介護者の両脚の大腿部に巻き付けて前記大腿部を支持可能な一対の脚帯部と、被介護者の腰部に巻き付けて前記腰部を支持可能な腰帯部と、を有するハーネス部と、上半身を直立させると共に、前記大腿部を前方に屈曲させた姿勢で吊り上げられるように、被介護者の前方で、前記一対の脚帯部及び腰帯部を前記吊上げ移乗装置に接続する接続手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、被介護者のストレス及び介護者の負担を軽減可能な介護支援ウエア及びこれを備えた介護支援システムを提供することができる。
本発明の実施形態に係る介護支援システム1A〜1Lについて、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る介護支援システム1A〜1Lは、車椅子から、所定の場所に設置された所定の設備に一人で移乗できない被介護者に対して、自力での所定の設備への移乗を支援するためのものである。なお、ここでいう「所定の場所に設置された所定の設備」とは、例えば、寝室のベッド、トイレの便座及び浴室の浴槽等であり、介護支援システムは、例えば、ベッドから車椅子、車椅子からベッド又は便座や浴槽等への、被介護者の自力での移乗を支援するためのものである。以下、具体的に説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る介護支援システム1Aについて、図1から図5を参照しながら説明する。まず、介護支援システム1Aの概略構成について、図1から図4を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る介護支援システム1Aを示す図である。図2は、第1実施形態に係る介護支援ウエア100Aを示す図である。図3は、第1実施形態に係る吊上げ移乗装置200Aを示す図である。図4は、第1実施形態に係る吊上げ移乗装置200Aのブロック図である。なお、図1においては、介護支援ウエア100Aを説明するために、吊上げ移乗装置200Aに対する介護支援ウエア100Aの相対的な大きさを大きくしている。
第1実施形態に係る介護支援システム1Aについて、図1から図5を参照しながら説明する。まず、介護支援システム1Aの概略構成について、図1から図4を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る介護支援システム1Aを示す図である。図2は、第1実施形態に係る介護支援ウエア100Aを示す図である。図3は、第1実施形態に係る吊上げ移乗装置200Aを示す図である。図4は、第1実施形態に係る吊上げ移乗装置200Aのブロック図である。なお、図1においては、介護支援ウエア100Aを説明するために、吊上げ移乗装置200Aに対する介護支援ウエア100Aの相対的な大きさを大きくしている。
図1に示すように、介護支援システム1Aは、被介護者が装着可能な介護支援ウエア100Aと、介護支援ウエア100Aを介して被介護者を吊上げ、車椅子から所定の設備への被介護者の移乗を支援する吊上げ移乗装置200Aと、を備えている。
介護支援ウエア100Aは、被介護者の胴部及び両脚の大腿部に装着可能なハーネス部110と、被介護者が着用可能なパンツ部120と、ハーネス部110を吊上げ移乗装置200Aに接続可能な接続部(接続手段)130と、を備えている。なお、介護支援ウエア100Aが接続可能な吊上げ移乗装置は、上述の吊上げ移乗装置200Aに限定されず、例えば、介護用リフト装置等であってもよい。
図2(a)に示すように、ハーネス部110は、被介護者の腰部に巻き付けて腰部を支持する腰帯部111と、被介護者の両脚の大腿部に巻き付けて大腿部を支持する一対の脚帯部112a,112bと、を備えている。図2(b)に示すように、腰帯部111は、帯状に形成された帯状部113と、帯状部113の一方側の面の端部(一端部)に設けられる雄部114と、他方側の面の端部(他端部)に設けられ、雄部114に着脱可能に接合する雌部115と、を備えており、雄部114と雌部115とを接合することで、被介護者の腰部に巻き付けた帯状部113が腰部で固定される。
一対の脚帯部112a,112bは、帯状に形成された帯状部116a,116bと、帯状部116a,116bの一方側の面の端部(一端部)に設けられる雄部117a,117bと、他方側の面の端部(他端部)に設けられ、雄部117a,117bに着脱可能に接合する雌部118a,118bと、を備えており、雄部117a,117bと雌部118a,118bとを接合することで、被介護者の大腿部に巻き付けた帯状部116a,116bが大腿部で固定される。
なお、雄部114,117a,117bと雌部115,118a,118bを有する接合手段としては、面ファスナー、スナップボタン、フック及びバックル等が例示できるが、本実施形態においては、図2(b)に示す面ファスナーを用いている。また、本実施形態においては、雄部114,117a,117bと雌部115,118a,118bを有する着脱可能な接合手段で帯状部を固定させたが、繰り返しの使用を必要としない場合(例えば、使い捨て)には、両面テープ等で接合してもよい。また、帯状部113,116a,116bを構成する材料としては、綿素材やポリエステル素材等を編みこんで形成したものやメッシュ状に形成したもの等が例示できるが、浴室等でも使用することを考慮すると、通気性がよく、長手方向の引張強度の高いメッシュ状のものが好ましい。また、本実施形態では、雄部114,117a,117b及び雌部115,118a,118bは、帯状部113,116a,116bの一方側の面と他方側の面とに設けたが、同じ面に設ける構成であってもよい。
図2(c)から(e)に示すように、パンツ部120は、着用時に腹側に位置する腹側部121と、背側に位置する背側部122と、股下に位置する股下部123と、腹側部121に接合可能な接合面125a,125bを有し、背側部122の両側から幅方向外側に延出する一対のサイドパネル(接合部)124a,124bと、を備えており、所謂、展開型のおむつ形状に形成されている。パンツ部120は、展開型のおむつ形状にすることで、ハーネス部110を装着し、接続部130を接続した状態でも、容易に脱ぎ穿きすることができる。これは、パンツ部120を展開型のおむつ形状にすることで、ハーネス部110及び接続部130に干渉しない位置での着用が可能になるためである。これにより、パンツ部120は、ハーネス部110の装着の有無に関わらず、容易に脱ぎ穿きすることができる。
図2(a)に示すように、接続部130は、環状に形成され、腰帯部111の帯状部113に接合された接続環131と、接続環131に挿通させた状態で、両端が一対の脚帯部112a,112bに接合された結束帯132と、を備えている。つまり、ハーネス部110の腰帯部111及び一対の脚帯部112a,112bは、接続部130により連結されている。言い換えると、介護支援ウエア100Aは、ハーネス部110と接続部130とが一体化されている。
接続環131及び結束帯132は、ハーネス部110を装着した被介護者が吊上げ移乗装置200Aに吊上げられた際に、上半身を直立させると共に、両脚の大腿部を前方に屈曲させた姿勢(以下、「着座姿勢」という)となる長さに調整されている。なお、着座姿勢とは、被介護者が一般的な椅子に座っている際の姿勢をいう。また、接続環131及び結束帯132は、長さ調節機構を設け、長さ調節機構で長さを調整することで、何れの被介護者に対しても、吊上げた際に、着座姿勢を取らせることができるようにしてもよい。
接続環131及び結束帯132を構成する材料に関しては、前述した帯状部と同様であるため、その説明を省略する。接続部130を接続環131及び結束帯132により構成することで、コストダウンを図ることができる。また、軽量化を行うことができる。さらに、ハーネス部110と接続部130とが一体化されることで、ハーネス部110を取り外した際に、ハーネス部110及び接続部130の一方を紛失するおそれがなくなる。
図3(a)に示すように、吊上げ移乗装置200Aは、被介護者を吊り上げる吊上げ部210と、吊り上げられた状態の被介護者を移動させる車両部220と、を備えている。
図3(b)、(c)及び図4に示すように、吊上げ部210は、ウインチ(巻取り装置)211と、ウインチ211に巻き取られる巻取りロープ(紐状部材)212と、巻取りロープ212の先端に取り付けられ、接続部130の接続環131に接続可能なカラビナ(被接続部)213と、ウインチ211を操作するための操作部214と、操作部214の操作に基づいてウインチ211を駆動制御する制御部(制御手段)215と、を備えている。
図3(d)及び図4に示すように、ウインチ211は、巻取りロープ212を巻き取るスプール216と、スプール216を回転させるモータ217と、巻取りロープ212の巻き取り長さ(量)を検知する巻取り長さ検知センサ218と、モータ217の回転速度を検出する回転速度センサ219と、を備えている。モータ217は、スプール216を正逆回転させて、スプール216による巻取りロープ212の巻き取り及び送り出しを行う。また、モータ217は、回転を停止すると、停止位置で回転角度を保持するトルクを発生させる保持機構を備えている。これにより、モータ217を停止した位置、即ち、被介護者が吊上げられた位置で被介護者が保持される。
なお、ウインチ211は、保持機構とは別に、モータの回転をロックさせるロック機構を備えていてもよい。ロック機構を設けることで、ウインチ211は、被介護者を吊り下げた状態で確実に保持することができる。操作部214は、被介護者が操作するものであり、上昇キー214aと、下降キー214bと、を備えている。操作部214は、被介護者が上昇キー214a及び下降キー214bを操作すると、操作に応じた所定の信号を制御部215に送信する。制御部215は、操作部214から送信される信号に応じて、ウインチ211を制御する。
なお、本実施形態においては、モータ217を制御して巻取りロープ212の巻き取り等を行うウインチ211を用いて説明したが、モータ217の代わりに、ハンドルでスプール216を回転させて、巻取りロープ212の巻き取り等を行う構成であってもよい。この場合、巻き取りトルクが小さくなるように設定されたギア列を介してハンドルをスプール216に接続し、スプール216には巻き取り方向にのみ回転させるワンウェイ機構と、ワンウェイ機構の解除機構とを設けることが好ましい。巻き取りトルクを小さくするギア列を設けることで、モータ217を使うことなく巻取りロープ212の巻き取りが可能になり、コストダウンを図ることができる。
また、本実施形態においては、巻取りロープ212の先端に設けられる被接続部としてカラビナ213を用いて説明したが、接続環131と接続可能であれば、例えば、接続環131と係合可能なフック等であってもよい。
車両部220は、フレーム221と、フレーム221の幅方向の両側に設けられる一対の車輪222a,222bと、フレーム221に回動自在に取り付けられる一対のキャスタ223a,223bと、車両部220を停止位置で固定する不図示のハンドブレーキと、後方を視認可能な不図示のバックミラーと、を備えている。
フレーム221は、前面カバー224と、前面カバー224の幅方向の両側に設けられ、移動方向と略平行に伸びる一対の転倒防止アーム225a,225bと、を備えている。前面カバー224には、最上部の幅方向で見た略中央部にウインチ211が配設されており、前面カバー224の最上部は、車椅子若しくは便座やベッド等に座った被介護者を、着座姿勢のまま車椅子等から吊上げて、車椅子等から離間(少なくとも臀部が離間)するまで巻取りロープ212が完全に巻き上がらない高さに形成されている。前面カバー224は、吊上げられた状態の被介護者の正面に位置するように設けられており、ウインチ211に吊り下げられた状態の被介護者の、ウインチ211を中心とした前後の揺れを規制する。これは、被介護者の胸や脚が前面カバー224に接触することで、被介護者の前方向への移動が規制されるためである。また、前面カバー224は曲面状に形成されており、小型化が図られると共に、物に接触した際の衝撃を緩和する。一対の転倒防止アーム225a,225bは、その間に車椅子や便座等が収まるように、前面カバー224に接続されると共に、一対の車輪222a,222bと反対側に伸びている。
一対の車輪222a,222bのそれぞれの同軸上には、被介護者が操作可能な不図示のリムが取り付けられており、被介護者がリムを操作することで一対の車輪222a,222bが回転し、車両部220を移動させることができるようになっている。なお、車両部220には、被介護者がリムを操作して前方に移動する際に、被介護者の後方への揺れを規制する後方規制手段を設けることが好ましい。後方規制手段を設けることで、被介護者が車両部220から後方に離れることが防止され、安定したリムの操作が可能になる。後方規制手段としては、被介護者の背中を支持する支持バー等が例示できる。
一対のキャスタ223a,223bは、車両部220の向きを変更可能に、一対の転倒防止アーム225a,225bの先端に回動自在に支持されている。ハンドブレーキは、一対の車輪222a,222bの回転を止めて、車両部220を停止位置で固定する。バックミラーは、前面カバー224に取り付けられており、被介護者が車両部220をバックさせる際に後方を確認するためのものである。
次に、上述した介護支援システム1Aを用いた被介護者の、所定の設備への自力での移乗動作について、図5を参照しながら説明する。ここでは、車椅子10から便座20への被介護者の移乗を用いて説明する。図5は、第1実施形態に係る介護支援システム1Aを用いた被介護者の移乗動作を説明するための図である。
図5(a)に示すように、被介護者は、予め、介護支援ウエア100Aを装着しておく。介護支援ウエア100Aの装着方法としては、まず、被介護者は、パンツ部120を着用する。次に、被介護者は、ハーネス部110を装着する。具体的には、被介護者は、帯状部113を腰に巻き付け、雄部114に雌部115を接合させて腰帯部111を腰に固定する。次に、帯状部116aを一方の大腿部に巻き付け、雄部117aに雌部118aを接合させて一方の大腿部に脚帯部112aを固定する。同様に、他方の大腿部にも脚帯部112bを固定する。このとき、接続環131及び結束帯132が被介護者の前方に位置するように、ハーネス部110を装着する。なお、パンツ部120とハーネス部110の着用順序は逆であってもよく、ハーネス部110は、常時装着していてもよい。
この状態で、被介護者は、図5(b)に示すように、車椅子10に乗ったまま、吊上げ移乗装置200Aの一対の転倒防止アーム225a,225bの間に移動する。このとき吊上げ移乗装置200Aは、便座20の近くに停止しており、ハンドブレーキで動かないように固定されている。介護支援ウエア100Aの接続部130がカラビナ213の下方に位置するまで被介護者が移動すると、被介護者は、操作部214の下降キー214bを操作して巻取りロープ212を送り出し、カラビナ213を下降させる。そして、被介護者は、カラビナ213を接続環131に接続する。カラビナ213を接続環131に接続すると、被介護者は、操作部214の上昇キー214aを操作して巻取りロープ212をウインチ211に巻き取らせる。巻取りロープ212がウインチ211に巻き取られると、接続部130を介してハーネス部110が引っ張られ、被介護者が吊上げられる。
このとき被介護者は、接続部130により着座姿勢のまま吊上げられるので、臀部が浮くまで操作部214の上昇キー214aを操作すれば、車椅子10から離間する。そのため、吊上げ移乗装置200Aによる被介護者の吊上げ量が少なくて済む。これにより、吊上げ移乗装置200Aの重心も高くなり過ぎず、横転(幅方向に転倒)するおそれがない。また、正面側には移動方向の揺れを規制する前面カバー224が配置されると共に、一対の転倒防止アーム225a,225bが移動方向と平行に伸びているので、前後方向に転倒するおそれもない。
被介護者が吊上げ移乗装置200Aに吊上げられると、被介護者は、ハンドブレーキを解除して、吊上げ移乗装置200Aを移動可能な状態にする。そして、被介護者は、リム(又は一対の車輪222a,222b)を操作して、便座20へのアプローチを開始する。具体的には、まず、被介護者は、リム(又は一対の車輪222a,222b)を操作して、車椅子10から離れ、図5(c)に示すように、被介護者の背中が便座20と対向する位置に移動する。移動に際しては、吊上げ移乗装置200Aは、一対の転倒防止アーム225a,225bに一対のキャスタ223a,223bが回転自在に支持されていることで、一対の車輪222a,222bを中心とした方向転換が容易となっている。
被介護者の背中が便座と対向する位置に移動すると、被介護者は、バックミラーで便座20の位置を確認しながらバックし、便座20の上まで移動する。図5(d)に示すように、被介護者が便座20の上まで移動すると、ハンドブレーキで吊上げ移乗装置200Aを固定し、操作部214の下降キー214bを操作して、巻取りロープ212を送り出す。巻取りロープ212が送り出されることでハーネス部110を介して被介護者が下降し、被介護者は便座20に着座する。つまり、被介護者の便座20への移乗が完了する。便座20に着座した被介護者は、パンツ部120を脱いで用を足す。このとき被介護者は、パンツ部120の一対のサイドパネル124a,124bの接合面125a,125bを腹側部121から外すことで、パンツ部120を脱ぐことができる。用を足した被介護者は、パンツ部120を再度着用し、上述と反対の動作を行うことで、車椅子10に移乗する。
以上説明したように、第1実施形態に係る介護支援システム1Aは、被介護者が介護支援ウエア100Aを装着することで、吊上げ移乗装置200Aを自分で操作可能な状態(両腕を自由に使える状態)で吊上げ移乗装置200Aに接続することができる。また、介護支援ウエア100Aは、被介護者の前方で吊上げ移乗装置200Aに接続される。そのため、被介護者は、介護者に手助けされることなく、自力で吊上げ移乗装置への接続及び操作を行い、便座20等への移乗を行うことができる。これにより、介護者の手助けを待つ被介護者のストレス及び介護者の負担を軽減することができる。また、被介護者の自立心を向上させることができる。
さらに、介護支援ウエア100Aは、被介護者を着座姿勢で吊上げさせる。そのため、少ない吊上げ量で被介護者を車椅子等から離間させることができる。これにより、移動時の重心を比較的低く抑えることができる。その結果、移動中の吊上げ移乗装置200Aの揺れが低減され、転倒等を防止することができる。
また、ハーネス部110の腰帯部111及び一対の脚帯部112a,112bは、着脱可能な雄部114,117a,117bと雌部115,118a,118bとを接合して、腰部及び両脚の大腿部に固定する。そのため、被介護者は、腰帯部111及び一対の脚帯部112a,112bを腰部及び大腿部から容易に取り外すことができる。これにより、ハーネス部110を長時間装着すること等から生じる被介護者の肉体的な負担を軽減させることができる。また、交換も容易となるため清潔な状態を維持することができる。
また、パンツ部120は、所謂、展開型のおむつ形状に形成されている。そのため、ハーネス部110を装着した状態でも、容易に着脱することができる。これにより、パンツ部120の交換も容易となり、例えば、パンツ部120を清潔に保つことができる。その結果、被介護者に快適な状態を提供することができる。
また、介護支援ウエア100Aは、一対の脚帯部112a,112bが被介護者の体重を支えると共に、被介護者が巻取りロープ212から離れないように腰帯部111が被介護者を固定する。そのため、例えば、吊上げられた状態で被介護者が身体を動かしても後ろに倒れる心配がなく、上半身をほぼ直立させたまま両手を自由に動かすことができる。これにより、例えば、下方の着座位置を目視しながら吊上げ移乗装置200Aの操作を行うことができる。その結果、便座等に対する位置ズレが容易に認識可能になり、移動も容易に行えるので、便座等の所定の位置に確実に移乗することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る介護支援システム1Bについて、図1を援用すると共に、図6及び図7を参照しながら説明する。第2実施形態に係る介護支援システム1Bは、被介護者が着用する介護支援ウエアが第1実施形態と相違する。そのため、第2実施形態においては、介護支援ウエア100Bを中心に説明し、第1実施形態と同じ構成のものについては、第1実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。図6は、第2実施形態に係る介護支援ウエア100Bを示す図である。図7は、図6に示す介護支援ウエア100Bのハーネス部140及びパンツ部150を示す図である。
次に、本発明の第2実施形態に係る介護支援システム1Bについて、図1を援用すると共に、図6及び図7を参照しながら説明する。第2実施形態に係る介護支援システム1Bは、被介護者が着用する介護支援ウエアが第1実施形態と相違する。そのため、第2実施形態においては、介護支援ウエア100Bを中心に説明し、第1実施形態と同じ構成のものについては、第1実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。図6は、第2実施形態に係る介護支援ウエア100Bを示す図である。図7は、図6に示す介護支援ウエア100Bのハーネス部140及びパンツ部150を示す図である。
図1及び図6に示すように、介護支援システム1Bは、被介護者が装着可能な介護支援ウエア100Bと、介護支援ウエア100Bを介して被介護者を吊上げ、車椅子から所定の設備への被介護者の移乗を支援する吊上げ移乗装置200Aと、を備えている。
介護支援ウエア100Bは、被介護者の胴部及び両脚の大腿部に装着可能なハーネス部140と、被介護者が着用可能なパンツ部150と、ハーネス部140を吊上げ移乗装置200Aに接続可能な接続部(接続手段)160と、を備えている。なお、介護支援ウエア100Bが接続可能な吊上げ移乗装置は、上述の吊上げ移乗装置200Aに限定されず、例えば、介護用リフト装置等であってもよい。
図6(a)及び(b)に示すように、ハーネス部140は、被介護者の腰部に巻き付けて腰部を支持する腰帯部141と、被介護者の両脚の大腿部に巻き付けて大腿部を支持する一対の脚帯部142a,142bと、を備えている。図7(a)及び(b)に示すように、腰帯部141は、帯状に形成された帯状部143と、帯状部143の一方側の面の端部(一端部)に設けられる雄部144と、他方側の面の端部(他端部)に設けられ、雄部114に着脱可能に接合する雌部145と、帯状部143の両端に設けられる一対のフック部146,147と、帯状部143の他方の面の略中央部に設けられるすべり止め雌部148と、を備えている。
帯状部143の雄部144と雌部145とが設けられる領域には、伸縮可能な材料が配設されており、帯状部143が長手方向に引っ張られても雄部144と雌部145とが容易に外れないようになっている。一対のフック部146,147は、接続部160の後述する第1接続カラビナ161に接続可能に構成されている。すべり止め雌部148は、パンツ部150の背側部152に設けられる後述するすべり止め雄部156と係合可能に構成されている。腰帯部141は、雄部144と雌部145とを接合することで、被介護者の腰部に巻き付けた帯状部143が腰部で固定されると共に、一対のフック部146,147が近接して、一対のフック部146,147を第1接続カラビナ161に接続可能になる。なお、被介護者は、一対のフック部146,147が被介護者の正面に位置するように腰帯部141を固定する。
一対の脚帯部142a,142bは、基本構成が腰帯部141と同様であるため、図7(a)及び(b)を援用して、その説明を省略する。また、腰帯部141及び一対の脚帯部142a,142bを構成する材料等は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
図7(c)から(e)に示すように、パンツ部150は、着用時に腹側に位置する腹側部151と、背側に位置する背側部152と、股下に位置する股下部153と、腹側部121に接合可能な接合面155a,155bを有し、背側部152の両側から幅方向外側に延出する一対のサイドパネル(接合部)154a,154bと、を備えており、所謂、展開型のおむつ形状に形成されている。背側部152は、腰帯部141のすべり止め雌部148と係合可能なすべり止め雄部156と、一対の脚帯部142a,142bのすべり止め雌部と係合可能なすべり止め雄部157a,157bと、を備えている。すべり止め雄部156が腰帯部141のすべり止め雌部148と係合することで腰帯部141の位置ズレが防止され、すべり止め雄部157a,157bが一対の脚帯部142a,142bのすべり止め雌部と係合することで一対の脚帯部142a,142bの位置ズレが防止される。つまり、それぞれの一対のフック部146,147を被介護者の正面に位置させた状態を維持することができる。
接続部160は、腰帯部141の一対のフック部146,147に接続可能な第1接続カラビナ161と、第1接続カラビナ161に接続された第1接続ロープ162と、脚帯部142aの一対のフック部146,147に接続可能な第2接続カラビナ163と、第2接続カラビナ163に接続された第2接続ロープ164と、脚帯部142bの一対のフック部146,147に接続可能な第3接続カラビナ165と、第3接続カラビナ165に接続された第3接続ロープ166と、を備えている。第1接続ロープ162、第2接続ロープ164及び第3接続ロープ166は、端部同士が連結されると共に、被介護者が吊上げ移乗装置200Aに吊上げられた際に、着座姿勢となる長さに調整されている。なお、第1接続ロープ162、第2接続ロープ164及び第3接続ロープ166は、長さ調節機構を設け、長さ調節機構で長さを調整することで、何れの被介護者に対しても、吊上げた際に、着座姿勢を取らせることができるようにしてもよい。
以上説明したように、第2実施形態に係る介護支援システム1Bの介護支援ウエア100Bは、腰帯部141及び一対の脚帯部142a,142bに一対のフック部146,147を設け、それぞれの一対のフック部146,147に接続部160の第1〜第3接続カラビナ161,163,165を接続することで、ハーネス部140と、と接続部160とを接続する。つまり、ハーネス部140と接続部160とが、別体かつ容易に着脱自在に構成されている。そのため、吊上げ移乗装置200Aと接続するとき以外は、接続部160をハーネス部140から外しておくことができる。これにより、介護支援ウエア100Bを装着する被介護者が身軽となり、被介護者の肉体的な負担を軽減させることができる。
また、一対のフック部146,147を設けることで、例えば、接続部160の第1〜第3接続カラビナ161,163,165が直接肌に触れることがなくなり、第1〜第3接続カラビナ161,163,165の接触による被介護者の不快を防止することができる。
なお、接続部160は、予め、吊上げ移乗装置200Aの吊上げ部210のカラビナ213にあらかじめ接続させておく、若しくは、一体に設けてもよく、こうすることで、接続部160を紛失するおそれがなくなる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る介護支援システム1Cについて、図1を援用すると共に、図8を参照しながら説明する。第3実施形態に係る介護支援システム1Cは、被介護者が着用する介護支援ウエアが第1実施形態及び第2実施形態と相違する。そのため、第3実施形態においては、介護支援ウエア100Cを中心に説明し、第1実施形態及び第2実施形態と同じ構成のものについては、第1実施形態及び第2実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。図8は、第3実施形態に係る介護支援ウエア100Cを示す図である。
次に、本発明の第3実施形態に係る介護支援システム1Cについて、図1を援用すると共に、図8を参照しながら説明する。第3実施形態に係る介護支援システム1Cは、被介護者が着用する介護支援ウエアが第1実施形態及び第2実施形態と相違する。そのため、第3実施形態においては、介護支援ウエア100Cを中心に説明し、第1実施形態及び第2実施形態と同じ構成のものについては、第1実施形態及び第2実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。図8は、第3実施形態に係る介護支援ウエア100Cを示す図である。
図1及び図8(a)に示すように、介護支援システム1Cは、被介護者が装着可能な介護支援ウエア100Cと、介護支援ウエア100Cを介して被介護者を吊上げ、車椅子から所定の設備への被介護者の移乗を支援する吊上げ移乗装置200Aと、を備えている。
介護支援ウエア100Cは、被介護者の胴部及び両脚の大腿部に装着可能なハーネス部170と、被介護者が着用可能なパンツ部180と、ハーネス部170を吊上げ移乗装置200Aに接続可能な接続部(接続手段)160と、を備えている。なお、介護支援ウエア100Cが接続可能な吊上げ移乗装置は、上述の吊上げ移乗装置200Aに限定されず、例えば、介護用リフト装置等であってもよい。
図8(b)に示すように、ハーネス部170は、被介護者の腰部を支持する腰帯部171と、被介護者の両脚の大腿部を支持する一対の脚帯部172a,172bと、を備えている。腰帯部171は、帯状に形成された帯状部173と、帯状部173の両端部に設けられる一対のフック部174,175と、を備えている。帯状部173は、パンツ部180と一体となるように、パンツ部180のウエスト周りに接合されている。一対のフック部174,175は、パンツ部180の前面に位置するように、パンツ部180に接合された帯状部173の両端に取り付けられている。一対の脚帯部172a,172bは、帯状に形成された帯状部176a,176bと、フック部177a,177bと、を備えている。帯状部176a,176bは、パンツ部180の大腿部周りに接合されている。フック部177a,177bは、パンツ部180の前面に位置するように、パンツ部180に接合された帯状部176a,176bに取り付けられている。腰帯部171の帯状部173及び一対の脚帯部172a,172bの帯状部176a,176bは、周方向の引張強度が高くなるように、綿素材やポリエステル素材等を編みこんで形成されている。
パンツ部180は、被介護者が下半身に着用可能な長ズボン形状に形成されており、腹側の一部が開口可能に構成されている。本実施形態においては、パンツ部180は、腹側にファスナーが取り付けられており、ファスナーによって腹側の一部が開口可能になっている。
以上説明したように、第3実施形態に係る介護支援システム1Cの介護支援ウエア100Cは、パンツ部180が長ズボン形状に形成されると共に、腰帯部171及び一対の脚帯部172a,172bがパンツ部180に接合されている。そのため、例えば、被介護者が下着の上から着用することができる。また、接続部160を取り外した状態では、一見して介護支援ウエアだと分かりにくいため、介護支援ウエアに対する被介護者の好感度を向上させることができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る介護支援システム1Dについて、図1を援用すると共に、図9及び図10を参照しながら説明する。第4実施形態に係る介護支援システム1Dは、被介護者を吊り上げる吊上げ移乗装置が第1〜第3実施形態と相違する。そのため、第4実施形態においては、吊上げ移乗装置200Dを中心に説明し、第1〜第3実施形態と同じ構成のものについては、第1〜第3実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
次に、本発明の第4実施形態に係る介護支援システム1Dについて、図1を援用すると共に、図9及び図10を参照しながら説明する。第4実施形態に係る介護支援システム1Dは、被介護者を吊り上げる吊上げ移乗装置が第1〜第3実施形態と相違する。そのため、第4実施形態においては、吊上げ移乗装置200Dを中心に説明し、第1〜第3実施形態と同じ構成のものについては、第1〜第3実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
図1及び図9(a)に示すように、介護支援システム1Dは、被介護者が装着可能な介護支援ウエア100A(100B,100C)と、介護支援ウエア100A(100B,100C)を介して被介護者を吊上げ、車椅子から所定の設備への被介護者の移乗を支援する吊上げ移乗装置200Dと、を備えている。
まず、吊上げ移乗装置200Dの概略構成について、図9を参照しながら説明する。図9は、第4実施形態に係る吊上げ移乗装置200Dを示す図である。
図9(a)から(c)に示すように、吊上げ移乗装置200Dは、被介護者を吊上げる吊上げ部210と、吊上げられた状態の被介護者を移動させる車両部220Dと、を備えている。
車両部220Dは、フレーム226と、フレーム226の幅方向の両側に設けられる一対の車輪222a,222bと、フレーム226に取り付けられる一対のキャスタ223a,223bと、車両部220を停止位置で固定する不図示のハンドブレーキと、後方を視認可能な不図示のバックミラーと、を備えている。
フレーム226は、前面カバー227と、幅方向の両側に設けられ、移動方向と略平行に伸びる一対の転倒防止アーム225a,225bと、を備えている。前面カバー227は、吊上げられた状態の被介護者の正面に位置するように設けられており、幅方向の略中央部にウインチ211が取り付けられている。前面カバー227は、ウインチ211に吊り下げられた状態の被介護者の、ウインチ211を中心とした前後の揺れを規制する。また、前面カバー227は、板状部材を組み合わせた箱状に形成されている。
次に、上述した介護支援システム1Dを用いた被介護者の、所定の設備への自力での移乗動作について、図10を参照しながら説明する。なお、吊上げ移乗装置200Dは、第1〜第3実施形態の介護支援ウエア100A,100B,100Cを任意に選択的し、使用することができるが、ここでは、介護支援ウエア100Aを装着した被介護者が、車椅子10から便座20への被介護者の移乗動作を用いて説明する。図10は、第4実施形態に係る介護支援システム1Dを用いた被介護者の移乗動作を説明するための図である。
図10(a)に示すように、被介護者は、予め、介護支援ウエア100Aを装着しておく。介護支援ウエア100Aの装着方法については説明を省略する。
次に、図10(b)に示すように、介護支援ウエア100Aを装着した被介護者は、車椅子10に乗った状態のまま、吊上げ移乗装置200Dの一対の転倒防止アーム225a,225bの間に移動する。このとき吊上げ移乗装置200Dは、便座20の近くに停止しており、ハンドブレーキで動かないように固定されている。介護支援ウエア100Aの接続部130がカラビナ213の下方に位置するまで被介護者が移動すると、被介護者は、操作部214の下降キー214bを操作して巻取りロープ212を送り出し、カラビナ213を下降させる。そして、被介護者は、カラビナ213を接続環131に接続する。カラビナ213を接続環131に接続すると、被介護者は、操作部214の上昇キー214aを操作して巻取りロープ212をウインチ211に巻き取らせる。巻取りロープ212がウインチ211に巻き取られると、接続部130を介してハーネス部110が引っ張られ、被介護者が吊上げられる。
このとき被介護者は、接続部130により着座姿勢のまま吊上げられるので、臀部が浮くまで操作部を操作すれば、車椅子10から離間する。そのため、吊上げ移乗装置200Dによる被介護者の吊上げ量が少なくて済む。これにより、吊上げ移乗装置200Dの重心も高くなり過ぎず、横転(幅方向に転倒)するおそれがない。また、正面側には移動方向の揺れを規制する正面カバー232が配置されると共に、一対の転倒防止アーム225a,225bが移動方向と平行に伸びているので、前後方向に転倒するおそれもない。
被介護者が吊上げ移乗装置200Dに吊上げられると、ハンドブレーキを解除して、吊上げ移乗装置200Dを移動可能な状態にする。そして、被介護者は、リム(又は一対の車輪222a,222b)を操作して、車椅子10から離れ、図10(c)に示すように、被介護者の背中が便座20と対向する位置に移動する。移動に際しては、吊上げ移乗装置200Dは、一対の転倒防止アーム225a,225bに一対のキャスタが回動自在に取り付けられていることで、一対の車輪222a,222bを中心とした方向転換が容易となっている。
被介護者の背中が便座と対向する位置に移動すると、被介護者は、バックミラーで便座20の位置を確認しながらバックし、便座20の上まで移動する。このとき、便座の位置を確認するために被介護者が振り返っても、被介護者はハーネス部110及び接続部130で固定されているため、後方に倒れることはない。
図10(d)に示すように、被介護者が便座20の上まで移動すると、ハンドブレーキで吊上げ移乗装置200Dを固定し、操作部214の下降キー214bを操作して、巻取りロープ212を送り出す。巻取りロープ212が送り出されることでハーネス部110を介して被介護者が下降し、被介護者は便座20に着座する。つまり、被介護者の便座20への移乗が完了する。便座20に着座した被介護者は、パンツ部120を脱いで用を足す。用を足した被介護者は、パンツ部120を再度着用し、上述と反対の動作を行うことで、車椅子10に移乗する。
以上説明したように、第4実施形態に係る介護支援システム1Dの吊上げ移乗装置200Dは、車両部220Dのフレーム231の前面カバー227が、板状部材を組み合わせた箱状に形成されている。そのため、容易に製造することができる。これにより、製造コストを抑えることが可能になり、低い単価で製造することができる。その結果、多くの人に気軽に使用してもらうことができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る介護支援システム1Eについて、図11から図15を参照しながら説明する。第5実施形態に係る介護支援システム1Eは、介護支援ウエア及び吊上げ移乗装置の構成の一部が第1〜第4実施形態と相違する。そのため、第5実施形態においては、介護支援ウエア及び吊上げ移乗装置の第1〜第4実施形態と異なる点を中心に説明し、第1〜第4実施形態と同じ構成のものについては、第1〜第4実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
次に、本発明の第5実施形態に係る介護支援システム1Eについて、図11から図15を参照しながら説明する。第5実施形態に係る介護支援システム1Eは、介護支援ウエア及び吊上げ移乗装置の構成の一部が第1〜第4実施形態と相違する。そのため、第5実施形態においては、介護支援ウエア及び吊上げ移乗装置の第1〜第4実施形態と異なる点を中心に説明し、第1〜第4実施形態と同じ構成のものについては、第1〜第4実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
まず、第5実施形態に係る介護支援システム1Eの概略構成について、図11から図14を参照しながら説明する。図11は、第5実施形態に係る介護支援システム1Eを示す図である。図12は、第5実施形態に係る介護支援ウエア300Eを示す図である。図13は、第5実施形態に係る吊上げ移乗装置200Eを示す図である。図14は、第5実施形態に係る吊上げ移乗装置200Eのブロック図である。
図11に示すように、介護支援システム1Eは、被介護者が装着可能な介護支援ウエア300Eと、介護支援ウエア300Eを介して被介護者を吊上げ、車椅子から所定の設備への被介護者の移乗を支援する吊上げ移乗装置200Eと、を備えている。
図12(a)に示すように、介護支援ウエア300Eは、被介護者の胴部、両脚の大腿部及び胸部に装着可能なハーネス部310と、被介護者が下半身に着用可能なパンツ部320と、ハーネス部310を吊上げ移乗装置200Eに接続可能な接続部(接続手段)330と、被介護者が上半身に着用可能なシャツ部340と、を備えている。なお、介護支援ウエア300Eが接続可能な吊上げ移乗装置は、上述の吊上げ移乗装置200Eに限定されず、例えば、介護用リフト装置等であってもよい。
図12(b)に示すように、ハーネス部310は、被介護者の腰部に巻き付けて腰部を支持する腰帯部311と、被介護者の両脚の大腿部に巻き付けて大腿部を支持する一対の脚帯部312a,312bと、被介護者の胸部に巻き付けて胸部を支持する胸帯部350と、を備えている。図12(c)に示すように、腰帯部311は、帯状に形成された帯状部313と、帯状部313の一方側の面の端部(一端部)に設けられる雄部314と、他方側の面の端部(他端部)に設けられ、雄部314に着脱可能に接合する雌部315と、を備えており、雄部314と雌部315とを接合することで、被介護者の腰部に巻き付けた帯状部313が腰部で固定される。
一対の脚帯部312a,312bは、帯状に形成された帯状部316a,316bと、帯状部316a,316bの一方側の面の端部(一端部)に設けられる雄部317a,317bと、他方側の面の端部(他端部)に設けられ、雄部317a,317bに着脱可能に接合する雌部318a,318bと、を備えており、雄部317a,317bと雌部318a,318bとを接合することで、被介護者の大腿部に巻き付けた帯状部316a,316bが大腿部で固定される。
胸帯部350は、帯状に形成された帯状部351と、帯状部351の一方側の面の端部(一端部)に設けられる雄部352と、他方側の面の端部(他端部)に設けられ、雄部352に着脱可能に接合する雌部353と、を備えており、雄部352と雌部353とを接合することで、被介護者の胸部に巻き付けた帯状部351が胸部で固定される。また、胸帯部350は、帯状部351に連結された一対の肩紐部353a,353bを備えており、一対の肩紐部353a,353bを被介護者の肩にかけて装着することで、帯状部351がズレないようになっている。
パンツ部320は、被介護者が下半身に着用可能なパンツ形状に形成されており、前面に接続部330の後述する結束帯331を出し入れ可能(露出可能)な開口部321が設けられている。開口部321は、ファスナーによって開閉自在に構成されており、被介護者がファスナーを開口操作することで結束帯331が露出される。つまり、結束帯331は、開口部321が開口されるまで、パンツ部320の中に収納された状態のままになっている。また、パンツ部320の内面の、腰帯部311の帯状部312及び一対の脚帯部312a,312bの帯状部316a,316bと対向する部位には、帯状部312,316a,316bと係合して、腰帯部311及び一対の脚帯部312a,312bのズレを防止可能な係合手段が設けられている。係合手段としては、摩擦係数の高い部材や粘着性のある部材等が例示できる。また、帯状部312,316a,316bに被係合手段を設けて、パンツ部320の係合手段と係合させる構成であってもよい。
接続部330は、腰帯部311と一対の脚帯部312a,312bとを連結する結束帯331と、胸帯部350の帯状部351に設けられるフック部332と、を備えている。結束帯331は、ハーネス部310を装着した被介護者が吊上げ移乗装置200Eに吊上げられた際に、着座姿勢となる長さに調整されている。なお、結束帯331は、長さ調節機構を設け、長さ調節機構で長さを調整することで、何れの被介護者に対しても、吊上げた際に、着座姿勢を取らせることができるようにしてもよい。
シャツ部340は、被介護者が上半身に着用可能なTシャツ形状に形成されており、前面に胸帯部350に設けられた接続部330のフック部332を出し入れ可能(露出可能)な開口部341が設けられている。開口部341は、ファスナーによって開閉自在に構成されており、被介護者がファスナーを開口操作することでフック部332が露出される。つまり、フック部332は、開口部341を開口するまでシャツ部340の中に収容された状態のままになっている。
図13(a)及び図14に示すように、吊上げ移乗装置200Eは、被介護者を吊上げる吊上げ部230と、吊上げられた状態の被介護者を移動させる車両部240と、を備えている。吊上げ部230は、被介護者を吊上げる第1ウインチ231a及び第2ウインチ231bと、第1ウインチ231aに巻き取られる第1巻取りロープ232aと、第2ウインチ231bに巻き取られる第2巻取りロープ232bと、結束帯331に接続可能な第1カラビナ233と、フック部332に接続可能な第2カラビナ234と、第1ウインチ231a及び第2ウインチ231bを操作する操作部237と、操作部237の操作に基づいて第1ウインチ231a及び第2ウインチ231bを駆動制御する制御部238と、を備えている。
第1ウインチ231aは、第1巻取りロープ232aを巻き取る第1スプール216aと、第1スプール216aを回転させる第1モータ217aと、第1巻取りロープ232aの巻き取り長さ(量)を検知する第1巻取り長さ検知センサ218aと、第1モータ217aの回転速度を検出する第1回転速度センサ219aと、を備えている。第2ウインチ231bは、第2巻取りロープ232bを巻き取る第2スプール216bと、第2スプール216bを回転させる第2モータ217bと、第2巻取りロープ232bの巻き取り長さ(量)を検知する第2巻取り長さ検知センサ218bと、第2モータ217bの回転速度を検出する第2回転速度センサ219bと、を備えている。第1及び第2スプール216a,216b、第1及び第2モータ217a,217b、第1及び第2巻取り長さ検知センサ218a,218b、第1及び第2回転速度センサ219a,219bは、第1実施形態と同じ構成であるため、説明を省略する。操作部237も同様である。
第1巻取りロープ232aと第2巻取りロープ232bとは、先端同士が接続されている。第1カラビナ233は、第1連結ロープ235を介して、第1巻取りロープ232aと第2巻取りロープ232bの接続部232cに接続されている。第2カラビナ234は、第2連結ロープ236を介して、接続部232cに接続されている。なお、第2連結ロープ236は、第1連結ロープ235よりも短くなっており、第2カラビナ234をフック部332に接続した際に、被介護者が接続部232cから離れ過ぎないようになっている。
車両部240は、フレーム241と、フレーム241の幅方向の両側に設けられる一対の車輪222a,222bと、フレーム241に回動自在に支持される一対のキャスタ223a,223bと、車両部220を停止位置で固定する不図示のハンドブレーキと、後方を視認可能な不図示のバックミラーと、を備えている。
フレーム241は、支持フレーム242と、支持フレーム242の幅方向の両側に設けられ、移動方向と略平行に伸びる一対の転倒防止アーム225a,225bと、を備えている。支持フレーム242には、最上部の幅方向の両側に第1ウインチ231aと第2ウインチ231bとが配設されており、支持フレーム242の最上部は、車椅子若しくは便座やベッド等に座った被介護者を、着座姿勢のまま車椅子等から吊上げて、車椅子等から離間(少なくとも臀部が離間)可能な高さに形成されている。支持フレーム242の幅方向の両側に第1ウインチ231a及び第2ウインチ231bが配設されることで、被介護者を吊上げる際の被介護者の幅方向の揺れが低減される。
次に、上述した介護支援システム1Eを用いた被介護者の、所定の設備への自力での移乗動作について、図15を参照しながら説明する。ここでは、車椅子10から便座20への被介護者の移乗を用いて説明する。図15は、第5実施形態に係る介護支援システム1Eを用いた被介護者の移乗動作を説明するための図である。
図15(a)に示すように、被介護者は、予め、介護支援ウエア300Eを装着しておく。介護支援ウエア300Eの装着方法としては、まず、被介護者は、結束帯331が前方に位置するように、腰帯部311及び一対の脚帯部312a,312bを装着する。なお、結束帯331は、腰帯部311及び一対の脚帯部312a,312bに連結されているため、腰帯部311及び一対の脚帯部312a,312bを装着するだけで、被介護者に装着された状態になる。次に、被介護者は、フック部332が前方に位置するように、胸帯部350を装着する。
次に、被介護者は、パンツ部320及びシャツ部340を着用する。このとき、パンツ部320の開口部321は、ファスナーが閉じられているので、パンツ部320を着用すると、結束帯331はパンツ部の中に収納された状態になる。同様に、シャツ部340の開口部341も、ファスナーが閉じられているので、シャツ部340を着用すると、フック部332はシャツ部340の中に収納された状態になる。また、パンツ部320の内面には係合手段が設けられているため、パンツ部320を装着することで腰帯部311及び一対の脚帯部312a,312bがズレ難くなる。つまり、結束帯331の位置が被介護者の前方からズレ難くなる。また、胸帯部250には肩紐部353a,353bが設けられているため、装着することでフック部332の位置が被介護者の前方からズレ難くなっている。
この状態で、被介護者は、図15(b)に示すように、車椅子10に乗ったまま、吊上げ移乗装置200Eの一対の転倒防止アーム225a,225bの間に移動する。このとき吊上げ移乗装置200Eは、便座20の近くに停止しており、ハンドブレーキで動かないように固定されている。介護支援ウエア300Eのパンツ部320が第1カラビナ233の下方に位置するまで被介護者が移動すると、被介護者は、パンツ部320のファスナーを下げて開口部321を開口し、結束帯331を露出させる。同様に、シャツ部340のファスナーを下げて開口部341を開口し、フック部332を露出させる。
次に、被介護者は、操作部237の下降キー237bを操作して第1巻取りロープ232a及び第2巻取りロープ232bを送り出し、第1カラビナ233及び第2カラビナ234を下降させる。そして、被介護者は、第1カラビナ233を結束帯331に接続し、第2カラビナ234をフック部332に接続する。第1カラビナ233及び第2カラビナ234をハーネス部310に接続すると、被介護者は、操作部237の上昇キー237aを操作して、第1巻取りロープ232a及び第2巻取りロープ232bを第1ウインチ231a及び第2ウインチ231bに巻き取らせる。第1ウインチ231a及び第2ウインチ231bに第1巻取りロープ232a及び第2巻取りロープ232bが巻き取られると、接続部330を介してハーネス部310が引っ張られ、被介護者が吊上げられる。
このとき被介護者は、腰帯部311及び一対の脚帯部312a,312bにより着座姿勢のまま吊上げられるので、臀部が浮くまで操作部237を操作すれば、車椅子10から離間する。そのため、吊上げ移乗装置200Eによる被介護者の吊上げ量が少なくて済む。また、被介護者は、移動方向と直交する幅方向の両側に設けられた第1ウインチ231a及び第2ウインチ231bにより吊上げられるため、幅方向の揺れが規制される。これにより、吊上げ移乗装置200Eが横転(幅方向に転倒)するおそれが低減される。
被介護者が吊上げ移乗装置200Eに吊上げられると、被介護者は、ハンドブレーキを解除して、吊上げ移乗装置200Eを移動可能な状態にする。そして、被介護者は、リム(又は一対の車輪222a,222b)を操作して、便座20へのアプローチを開始する。具体的には、被介護者は、図15(c)に示すように、リム(又は一対の車輪222a,222b)を操作して、車椅子10から離れ、図15(d)に示すように、被介護者の背中が便座20と対向する位置に移動する。
被介護者の背中が便座と対向する位置に移動すると、被介護者は、図15(e)に示すように、バックミラーで便座20の位置を確認しながらバックし、便座20の上まで移動する。このとき、被介護者は、第2カラビナ234とフック部332との接続によって、第1巻取りロープ232a及び第2巻取りロープ232bから離れないようになっているので、下方に位置する便座20の位置を確認するために、振り返りながら後方を覗き込んだりしても後ろに倒れることがない。
被介護者が便座20の上まで移動すると、ハンドブレーキで吊上げ移乗装置200Eを固定し、操作部237の下降キー237bを操作して、第1巻取りロープ232a及び第2巻取りロープ232bを送り出す。第1巻取りロープ232a及び第2巻取りロープ232bが送り出されることでハーネス部310を介して被介護者が下降し、図15(f)に示すように、被介護者は便座20に着座する。つまり、被介護者の便座20への移乗が完了する。便座20に着座した被介護者は、パンツ部120を脱いで用を足す。このときパンツ部320は、開口部321が開口されていることで、腰帯部311及び一対の脚帯部312a,312bに干渉することなく、容易に脱ぎ穿きすることができる。用を足した被介護者は、パンツ部120を再度着用し、上述と反対の動作を行うことで、車椅子10に移乗する。
以上説明したように、第5実施形態に係る介護支援システム1Eは、胸帯部350で被介護者の胸部を支持することで、吊上げ移乗装置200Eに吊上げられた被介護者の姿勢を安定させることができる。そのため、例えば、被介護者が吊上げられた状態で、後方を覗き込んだり、振り返ったりしても、被介護者が後ろに倒れることがない。これにより、安定した移乗動作が可能になる。
また、介護支援システム1Eの吊上げ移乗装置200Eは、幅方向の両端に配設された第1ウインチ231a及び第2ウインチ231bで被介護者を吊上げる。そのため、被介護者の幅方向の揺れが規制される。これにより、安定した吊上げ動作を行うことができる。その結果、介護支援システム1Eの安全性をさらに向上させることができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る介護支援システム1Fについて、図11を援用すると共に、図16を参照しながら説明する。第6実施形態に係る介護支援システム1Fは、介護支援ウエアが第5実施形態と相違する。そのため、第6実施形態においては、介護支援ウエアを中心に説明し、第1〜第5実施形態と同じ構成のものについては、第1〜第5実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。図16は、第6実施形態に係る介護支援ウエア300Fを示す図である。
次に、本発明の第6実施形態に係る介護支援システム1Fについて、図11を援用すると共に、図16を参照しながら説明する。第6実施形態に係る介護支援システム1Fは、介護支援ウエアが第5実施形態と相違する。そのため、第6実施形態においては、介護支援ウエアを中心に説明し、第1〜第5実施形態と同じ構成のものについては、第1〜第5実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。図16は、第6実施形態に係る介護支援ウエア300Fを示す図である。
図11及び図16に示すように、介護支援システム1Fは、被介護者が装着可能な介護支援ウエア300Fと、介護支援ウエア300Fを介して被介護者を吊上げ、車椅子から所定の設備への被介護者の移乗を支援する吊上げ移乗装置200Eと、を備えている。
図16(a)及び(b)に示すように、介護支援ウエア300Fは、被介護者の胴部、両脚の大腿部及び胸部に装着可能なハーネス部360と、被介護者が下半身に着用可能なパンツ部370と、ハーネス部360を吊上げ移乗装置200Eに接続可能な接続部(接続手段)160と、被介護者が上半身に着用可能なシャツ部380と、を備えている。なお、介護支援ウエア300Fが接続可能な吊上げ移乗装置は、上述の吊上げ移乗装置200Eに限定されず、例えば、介護用リフト装置等であってもよい。
図16(d)に示すように、ハーネス部360は、被介護者の腰部に巻き付けて腰部を支持する腰帯部361と、被介護者の両脚の大腿部に巻き付けて大腿部を支持する一対の脚帯部362a,362bと、被介護者の胸部に巻き付けて胸部を支持する胸帯部390と、を備えている。図16(e)に示すように、腰帯部361は、帯状に形成された帯状部363と、帯状部363の一方側の面の端部(一端部)に設けられる雄部364と、他方側の面の端部(他端部)に設けられ、雄部364に着脱可能に接合する雌部365と、第1接続カラビナ161と接続可能なフック部395と、を備えており、雄部314と雌部315とを接合することで、被介護者の腰部に巻き付けた帯状部313が腰部で固定される。
一対の脚帯部362a,362bは、帯状に形成された帯状部366a,366bと、帯状部366a,366bの一方側の面の端部(一端部)に設けられる雄部367a,367bと、他方側の面の端部(他端部)に設けられ、雄部367a,367bに着脱可能に接合する雌部368a,368bと、第2接続カラビナ163及び第3接続カラビナ165に接続可能な一対のフック部396a,396bと、を備えており、雄部317a,317bと雌部318a,318bとを接合することで、被介護者の大腿部に巻き付けた帯状部316a,316bが大腿部で固定される。
胸帯部390は、帯状に形成された帯状部391と、帯状部391の一方側の面の端部(一端部)に設けられる雄部392と、他方側の面の端部(他端部)に設けられ、雄部392に着脱可能に接合する雌部393と、第2カラビナ234に接続可能なフック部394と、を備えており、雄部392と雌部393とを接合することで、被介護者の胸部に巻き付けた帯状部391が胸部で固定される。
パンツ部370は、被介護者が下半身に着用可能なパンツ形状に形成されており、前面に、腰帯部361のフック部395及び一対の脚帯部362a,362bの一対のフック部396a,396bを出し入れ可能な開口部371,372a,372bが設けられている。また、パンツ部370の内面の、腰帯部361の帯状部362及び一対の脚帯部362a,362bの帯状部366a,366bと対向する部位には、帯状部362,366a,366bと係合して、腰帯部361及び一対の脚帯部362a,362bのズレを防止可能な係合手段が設けられている。係合手段としては、摩擦係数の高い部材や粘着性のある部材等が例示できる。また、帯状部362,366a,366bに被係合手段を設けて、パンツ部320の係合手段と係合させる構成であってもよい。
シャツ部380は、被介護者が上半身に着用可能なTシャツ形状に形成されており、前面に胸帯部390のフック部394及び腰帯部361のフック部395を出し入れ可能(露出可能)な開口部381,382が設けられている。
以上説明したように、第6実施形態に係る介護支援システム1Fの介護支援ウエア300Fは、ハーネス部360の腰帯部361、一対の脚帯部362a,362b及び胸帯部390がフック部394,395,396a,396bを備えている。また、シャツ部380及びパンツ部370には、フック部394,395,396a,396bを出し入れ可能な開口部が設けられている。そのため、必要な時だけフック部394,395,396a,396bをシャツ部380及びパンツ部370から取り出し可能になり、介護支援ウエアのデザインをシンプルなものにすることができる。これにより、介護支援ウエアであることを分かり難くすることが容易となり、介護支援ウエアを装着する被介護者の精神的負担を軽減させることができる。
なお、上記第1実施形態〜第6実施形態においては、ハーネス部のフック部(146,147,174,175,177a,177b,332,395,396a,396b,394)として環状の帯部材を例示しているが、本発明におけるフック部は、環状の帯部材に限定されるものではない。例えば、図17に示すように、ハーネス部の一端に紐(192,193)を設け、その先端部に結び目(192a、193a)を設けることによって、金具293と接続可能にしたフック部や、車のシートベルトに使用されるバックルなど、一般的な固定用部材が使用できる。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態に係る介護支援システム1Gについて、図11を援用すると共に、図18を参照しながら説明する。第7実施形態に係る介護支援システム1Gは、介護支援ウエアが第5実施形態と相違する。そのため、第7実施形態においては、介護支援ウエアを中心に説明し、第1〜第5実施形態と同じ構成のものについては、第1〜第5実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。図18は、第7実施形態に係る介護支援ウエア400Gを示す図である。
次に、本発明の第7実施形態に係る介護支援システム1Gについて、図11を援用すると共に、図18を参照しながら説明する。第7実施形態に係る介護支援システム1Gは、介護支援ウエアが第5実施形態と相違する。そのため、第7実施形態においては、介護支援ウエアを中心に説明し、第1〜第5実施形態と同じ構成のものについては、第1〜第5実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。図18は、第7実施形態に係る介護支援ウエア400Gを示す図である。
図11及び図18に示すように、介護支援システム1Gは、被介護者が装着可能な介護支援ウエア400Gと、介護支援ウエア400Gを介して被介護者を吊上げ、車椅子から所定の設備への被介護者の移乗を支援する吊上げ移乗装置200Eと、を備えている。
図18(a)から(c)に示すように、介護支援ウエア400Gは、被介護者の胴部、両脚の大腿部及び胸部に装着可能なハーネス部410と、被介護者が下半身に着用可能なパンツ部420と、ハーネス部410を吊上げ移乗装置200Eに接続可能な接続部(接続手段)160と、被介護者が上半身に着用可能なシャツ部430と、を備えている。なお、介護支援ウエア400Gが接続可能な吊上げ移乗装置は、上述の吊上げ移乗装置200Eに限定されず、例えば、介護用リフト装置等であってもよい。
図18(d)に示すように、ハーネス部410は、被介護者の腰部に巻き付けて腰部を支持する腰帯部141と、被介護者の両脚の大腿部に巻き付けて大腿部を支持する一対の脚帯部142a,142bと、被介護者の胸部に巻き付けて胸部を支持する胸帯部411と、を備えている。なお、胸帯部411は、基本構成が腰帯部141と同じであるため、その説明を省略する。
パンツ部420は、被介護者が下半身に着用可能なパンツ形状に形成されている。また、パンツ部420には、両サイドに一対のファスナー(例えば、線ファスナーや面ファスナー)421a,421bが設けられており、前身頃422の一部が開閉可能に構成されている。被介護者は、例えば、吊上げ移乗装置200Eに接続する際、前身頃422を開放して、腰帯部141及び一対の脚帯部142a,142bを露出して、接続部160を接続する(図18(c)参照)。さらに、パンツ部420の内面の、一対の脚帯部142a,142bと対向する部位には、帯状部143と係合して、一対の脚帯部142a,142bのズレを防止可能な係合手段が設けられている。係合手段としては、摩擦係数の高い部材や粘着性のある部材等が例示できる。また、帯状部143に被係合手段を設けて、パンツ部420の係合手段と係合させる構成であってもよい。
シャツ部430は、被介護者の上半身に着用可能なシャツ形状に形成されている。また、シャツ部430には、前面にファスナー(例えば、線ファスナーや面ファスナー)が設けられており、上半身の前面を解放可能に構成されている。被介護者は、例えば、吊上げ移乗装置200Eに接続する際、上半身の前面を開放して胸帯部411を露出し、胸帯部411に第2カラビナ234を接続する(図18(c)参照)。
以上説明したように、第7実施形態に係る介護支援システム1Gの介護支援ウエア400Gは、パンツ部420の前身頃422を解放可能に構成されている。そのため、吊上げ移乗装置200Eを使用するのみ前身頃を開いて一対の脚帯部142a,142bを露出させ、それ以外の時は、一対の脚帯部142a,142bを隠しておくことができる。このとき、接続部160もハーネス部410から取り外しておけるので、さらに、ハーネス部410を目立たなくすることができる。同様に、シャツ部においても吊上げ移乗装置200Eを使用するときのみ前面を開放して胸帯部411及び腰帯部141を露出させ、それ以外の時は、胸帯部411及び腰帯部141を隠しておくことができる。
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態に係る介護支援システム1Hについて、図19〜図21を参照しながら説明する。第8実施形態に係る介護支援システム1Hは、吊上げ移乗装置が第1実施形態と相違する。そのため、第8実施形態においては、吊上げ移乗装置を中心に説明し、第1実施形態と同じ構成のものについては、第1実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
次に、本発明の第8実施形態に係る介護支援システム1Hについて、図19〜図21を参照しながら説明する。第8実施形態に係る介護支援システム1Hは、吊上げ移乗装置が第1実施形態と相違する。そのため、第8実施形態においては、吊上げ移乗装置を中心に説明し、第1実施形態と同じ構成のものについては、第1実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
まず、介護支援システム1Hの概略構成について、図19及び図20を参照しながら説明する。図19は、第8実施形態に係る吊上げ移乗装置500Hの斜視図である。図20は、第9実施形態に係る吊上げ移乗装置500Hのブロック図である。
図19に示すように、介護支援システム1Hは、被介護者が装着可能な介護支援ウエア100Aと、介護支援ウエア100Aを介して被介護者を吊上げ、車椅子から所定の設備への被介護者の移乗を支援する吊上げ移乗装置500Hと、を備えている。なお、吊上げ移乗装置500Hに対しては、前述した介護支援ウエア(支持具)100A〜100Cが使用可能であり、介護支援システム1Hは、吊上げ移乗装置500Hと、介護支援ウエア100A〜100Cの任意の組合せとすることができる。
吊上げ移乗装置500Hは、横揺れ規制フレーム510と、被介護者の移動方向上流に設けられる第1吊上げ手段520と、移動方向下流に設けられる第2吊上げ手段530と、第1吊上げ手段520及び第2吊上げ手段530を操作する操作部540と、操作部540の操作に基づいて第1吊上げ手段520及び第2吊上げ手段530を制御する制御部(制御手段)550と、を備えている。
横揺れ規制フレーム510は、被介護者の移動方向と直交する幅方向の両側に立設された一対の規制面511a,511bが上部で湾曲し、最上部で連結されたトンネル状に形成されている。一対の規制面510a,510bは、その間に車椅子が侵入可能な幅に配設されている。また、横揺れ規制フレーム510は、自立している。
第1吊上げ手段520は、被介護者を吊上げ可能な第1巻取りロープ(第1ロープ)521と、第1巻取りロープ521を巻き取り可能な第1ウインチ(第1巻取り装置)522と、を備えている。第1ウインチ522は、第1巻取りロープ521を巻き取る第1スプール523と、第1スプール523を正逆回転させる第1モータ524と、第1巻取りロープ521の巻き取り長さ(量)を検知する第1巻取り長さ検知センサ525と、第1モータ524の回転速度を検出する第1回転速度センサ526と、を備えている。
第2吊上げ手段530は、被介護者を吊上げ可能な第2巻取りロープ(第2ロープ)531と、第2巻取りロープ531を巻き取り可能な第2ウインチ(第2巻取り装置)532と、を備えている。第2ウインチ532は、第2巻取りロープ531を巻き取る第2スプール533と、第2スプール533を正逆回転させる第2モータ534と、第2巻取りロープ531の巻き取り長さ(量)を検知する第2巻取り長さ検知センサ535と、第2モータ534の回転速度を検出する第2回転速度センサ536と、を備えている。
第1ウインチ522は、横揺れ規制フレーム510の最上部、かつ、被介護者の移動方向上流(移動方向の一方側)に配設されており、第2ウインチ532は、横揺れ規制フレーム510の最上部、かつ、被介護者の移動方向下流(移動方向の他方側)に配設されている。第1モータ524及び第2モータ534は、回転を停止すると、停止位置で回転角度を保持するトルクを発生させる保持機構を備えている。これにより、第1モータ524及び第2モータ534を停止した位置、即ち、被介護者が吊上げられた位置で被介護者が保持される。なお、第1モータ524及び第2モータ534は、保持機構とは別に、回転を規制するロック機構を備えることが好ましい。
第1巻取りロープ521と第2巻取りロープ531は、先端同士が接続されており、その接続部には、カラビナ501が取り付けられている。操作部540は、被介護者が操作するものであり、上昇キー(第1操作キー)541、下降キー(第3操作キー)542、右水平移動キー(第2操作キー)543及び左水平移動キー(第4操作キー)544を備えており、被介護者が各キーを操作することで、制御部550に所定の信号が送信される。制御部550は、操作部540から送信される信号に応じて、第1ウインチ522及び第2ウインチ532を制御する。
次に、上述した介護支援システム1Hを用いた被介護者の、所定の設備への自力での移乗動作について、図21を参照しながら説明する。ここでは、車椅子10からベッド30への被介護者の移乗を用いて説明する。図21は、第8実施形態に係る介護支援システム1Hを用いた被介護者の移乗動作を説明するための図である。
図21(a)に示すように、吊上げ移乗装置500Hは、予め、ベッド30の横に配置されている。被介護者は、まず、車椅子10に乗った状態で、横揺れ規制フレーム510の一対の規制面511a,511bの間に移動して、規制面511bに取り付けられた操作部540を取り外す。次に、被介護者は、介護支援ウエア100Aの接続部130がカラビナ501の下方に位置するまで移動する。そして、被介護者は、操作部540の下降キー542を操作して、第1巻取りロープ521及び第2巻取りロープ531を送り出し、カラビナ501を下降させる。そして、被介護者は、カラビナ501を接続環131に接続する。
カラビナ501を接続環131に接続すると、被介護者は、操作部540の上昇キー541を操作して、第1巻取りロープ521及び第2巻取りロープ531を第1ウインチ522及び第2ウインチ532に巻き取らせる。図21(b)に示すように、第1巻取りロープ521及び第2巻取りロープ531が巻き取られると、接続部130を介してハーネス部110が引っ張られ、被介護者が上昇移動する。このとき制御部550は、第1及び第2巻取り長さ検知センサ525,535で検出される第1及び第2巻取りロープ521,531の巻取り長さ、及び第1及び第2回転速度センサ526,536で検出される第1及び第2モータ524,534の回転速度に基づいて、第1及び第2モータ524,534を制御して、被介護者を略鉛直方向に上昇移動させる。
被介護者の臀部がベッド30の縁を超える高さまで上昇すると、次に、被介護者は、操作部540の右水平移動キー543を操作して、ベッド30に向かって移動を開始する。このとき制御部550は、被介護者がベッド30に向かって水平移動するように、第1及び第2モータ524,534を制御する。また、第1及び第2モータ524,534が移動方向の上流端と下流端とに設けられ、それぞれからロープの送り出しと巻取りとを行っているため、被介護者は、移動方向と平行な前後方向への揺れが防止される。また、被介護者の移動方向と直交する幅方向の両側には、一対の規制面511a,511bが配設されているため、被介護者の幅方向の揺れも規制されている。そのため、被介護者は、安全に移動することができる。
被介護者が移動方向の略中央まで移動すると、次に、被介護者は、カラビナ501を中心として、自分の身体を180度回転させる。つまり、身体の前後の向きを切り替える。例えば、第1及び第2巻取りロープ521,531を持って回転する。このとき被介護者は、ハーネス部110によって着座姿勢で支持されているため、不要に後方に倒れたりすることはない。
図21(c)に示すように、身体の向きを切り替えると、被介護者は、再度、操作部540の右水平移動キー543を操作して、ベッド30への移動を再開する。このとき、被介護者がベッドの位置を確認するために下方を覗き込んでも、ハーネス部110によって着座姿勢で支持されているため、後ろに倒れることはない。
被介護者がベッド30の上まで移動すると、次に、被介護者は、操作部540の下降キー542を操作して、ベッド30に向けて略鉛直方向に下降移動する。図21(d)に示すように、ベッド30に着座した被介護者は、接続環131に接続されたカラビナ501を取り外す。カラビナ501を取り外すと、被介護者は、操作部540の上昇キー541を操作して、カラビナ501を退避させておく。カラビナ501を退避させると、被介護者は、操作部540を規制面511aに取り付け、ベッド30に横になる。なお、ベッド30から車椅子10に移動する際には、上述と反対の動作を行う。
以上説明したように、第8実施形態に係る介護支援システム1Hの吊上げ移乗装置500Hは、第1及び第2ウインチ522,532を移動方向の上流側と下流側とに配置して、被介護者を吊上げた状態で移動させる。そのため、移動中に、被介護者が移動方向と平行に揺れることが防止される。また、吊上げ移乗装置500Hは、移動方向と直交する幅方向の両側に、一対の規制面511a,511bを備えるため、移動中の被介護者が幅方向に揺れることも規制される。これにより、被介護者を安全に移動させることができる。
また、被介護者は、介護支援ウエア100Aを介して吊上げ移乗装置500Hと接続されるため、両腕を自由に使うことができる。そのため、自分一人で移乗動作を行うことができる。これにより、介護者の手助けを待つ被介護者のストレス及び介護者の負担を軽減することができる。また、被介護者の自立心を向上させることができる。
また、吊上げ移乗装置500Hは、横揺れ規制フレーム510と、第1吊上げ手段520及び第2吊上げ手段530と、の簡単な構成で形成されている。そのため、部品点数も少なく、安価に製造することができる。これにより、使用を望む被介護者の金銭的負担も軽減される。また、使用場所の限定も少なく、軽量であるため、移動も容易である。
<第9実施形態>
次に、本発明の第9実施形態に係る介護支援システム1Jについて、図19を援用すると共に、図22から図25を参照しながら説明する。第9実施形態に係る介護支援システム1Jは、吊上げ移乗装置が第8実施形態と相違する。そのため、第9実施形態においては、吊上げ移乗装置を中心に説明し、第8実施形態と同じ構成のものについては、第8実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
次に、本発明の第9実施形態に係る介護支援システム1Jについて、図19を援用すると共に、図22から図25を参照しながら説明する。第9実施形態に係る介護支援システム1Jは、吊上げ移乗装置が第8実施形態と相違する。そのため、第9実施形態においては、吊上げ移乗装置を中心に説明し、第8実施形態と同じ構成のものについては、第8実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。
まず、介護支援システム1Jの概略構成について、図19、図22及び図23を参照しながら説明する。図22は、第9実施形態に係る吊上げ移乗装置500Jの斜視図である。図23は、第9実施形態に係る吊上げ移乗装置500Jを示す図である。
図19に示すように、介護支援システム1Jは、被介護者が装着可能な介護支援ウエア100Aと、介護支援ウエア100Aを介して被介護者を吊上げ、車椅子から所定の設備への被介護者の移乗を支援する吊上げ移乗装置500Jと、を備えている。なお、吊上げ移乗装置500Jに対しては、前述した介護支援ウエア(支持具)100A〜100Cが使用可能であり、介護支援システム1Jは、吊上げ移乗装置500Jと、介護支援ウエア100A〜100Cの任意の組合せとすることができる。
図22に示すように、吊上げ移乗装置500Jは、横揺れ規制フレーム510Jと、被介護者の移動方向上流に設けられる第1吊上げ手段520と、移動方向下流に設けられる第2吊上げ手段530と、第1吊上げ手段520及び第2吊上げ手段530を操作する操作部540と、操作部540の操作に基づいて第1吊上げ手段520及び第2吊上げ手段530を制御する制御部550と、被介護者が乗って移動する車椅子部560と、を備えている。
横揺れ規制フレーム510Jは、第8実施形態に係る横揺れ規制フレーム510が自立していることに対して、車椅子部560に接続されていること以外は第8実施形態に係る横揺れ規制フレーム510と同じであるため、ここでは説明を省略する。なお、横揺れ規制フレーム510Jは、車椅子部560の後述するフレーム564に着脱可能に構成してもよく、車椅子部560のフレーム564と一体で形成してもよい。車椅子部560に着脱可能に構成する場合は、既存の車椅子にも接続可能になる。
車椅子部560は、被介護者が着座するシート561と、シート561の前方に設けられる一対の第1キャスタ562a,562bと、シート561の幅方向の両側に設けられる一対の車輪563a,563bと、一対の第1キャスタ562a,562bと一対の車輪563a,563bとの間に設けられる一対の第2キャスタ565a,565bと、シート561、一対の第1キャスタ562a,562b、一対の第2キャスタ565a,565b及び一対の車輪563a,563bを支持するフレーム564と、を備えている。
図23(a)及び(b)に示すように、一対の第1キャスタ562a,562bは、鉛直方向の回動軸を中心に、一対の前方アーム566a,566bの先端部に、回動自在に取り付けられている。一対の前方アーム566a,566bは、鉛直方向の回動軸を中心に、基端部がフレーム564に回動自在に取り付けられている。また、一対の前方アーム566a,566bは、図23(c)に示すように、弾性変形可能な一対の弾性部材567a,567bにより、回動しても初期位置に復帰する(戻る)ように規制されている。なお、一対の前方アーム566a,566bの初期位置は、車椅子部560の移動方向と平行となる位置である。吊上げ移乗装置500Jは、一対の第1キャスタ562a,562bを設けることで、前方に転倒することが防止される。
一対の車輪563a,563bのそれぞれの同軸上には、被介護者が操作可能な不図示のリムが取り付けられており、被介護者がリムを操作することで一対の車輪563a,563bが回転し、車椅子部560を移動させることができるようになっている。また、一対の車輪563a,563bには、不図示のハンドブレーキが設けられており、ハンドブレーキを操作することで、車椅子部560が停止位置で固定されるようになっている。
一対の第2キャスタ565a,565bは、鉛直方向の回動軸を中心に、一対の補助アーム568a,568bの先端部に、回動自在に取り付けられている。一対の補助アーム568a,568bは、鉛直方向の回動軸を中心に、基端部がフレーム564に回動自在に取り付けられている。また、一対の補助アーム568a,568bは、弾性変形可能な一対の弾性部材569a,569bにより、回動しても初期位置に復帰する(戻る)ように規制されている。なお、一対の補助アーム568a,568bの初期位置は、車椅子部560の幅方向と平行となる位置である。吊上げ移乗装置500Jは、一対の第2キャスタ565a,565bを設けることで、横転することが防止される。
次に、上述した介護支援システム1Jを用いた被介護者の、所定の設備への自力での移乗動作について、図24を参照しながら説明する。ここでは、車椅子10から便座20への被介護者の移乗を用いて説明する。図24は、第9実施形態に係る介護支援システム1Jを用いた被介護者の移乗動作を説明するための図である。
図24(a)に示すように、被介護者は、まず、吊上げ移乗装置500Jの車椅子部560に乗った状態で、便座20の前まで移動する。このとき、被介護者は、便座20と対向する位置に移動する。便座20の前まで移動すると、被介護者は、ハンドブレーキを操作して、吊上げ移乗装置500Jを固定する。吊上げ移乗装置500Jを固定すると、被介護者は、規制面511bに取り付けられた操作部540を取り外し、操作部540の下降キー542を操作して、第1巻取りロープ521及び第2巻取りロープ531を送り出し、カラビナ501を下降させる。そして、被介護者は、カラビナ501を接続環131に接続する。
カラビナ501を接続環131に接続すると、被介護者は、操作部540の上昇キー541を操作して、第1巻取りロープ521及び第2巻取りロープ531を第1ウインチ522及び第2ウインチ532に巻き取らせる。図24(b)に示すように、第1巻取りロープ521及び第2巻取りロープ531が巻き取られると、接続部130を介してハーネス部110が引っ張られ、被介護者が上昇する。このとき制御部550は、第1及び第2巻取り長さ検知センサ525,535で検出される第1及び第2巻取りロープ521,531の巻取り長さ、及び第1及び第2回転速度センサ526,536で検出される第1及び第2モータ524,534の回転速度に基づいて、第1及び第2モータ524,534を制御して、被介護者を略鉛直方向に上昇移動させる。
被介護者の臀部がシート561から離間すると、次に、被介護者は、操作部540の右水平移動キー543を操作して、便座20に向かって移動を開始する。このとき制御部550は、被介護者が便座20に向かって水平移動するように、第1及び第2モータ524,534を制御する。また、第1及び第2モータ524,534が移動方向の上流端と下流端とに設けられ、それぞれからロープの送り出しと巻取りとを行っているため、被介護者は、移動方向と平行な前後方向への揺れが防止される。
被介護者が移動方向の略中央まで移動すると、次に、被介護者は、図24(c)に示すように、カラビナ501を中心として、自分の身体を180度回転させる。つまり、身体の前後の向きを切り替える。例えば、第1及び第2巻取りロープ521,531を持って回転する。このとき被介護者は、ハーネス部110によって着座姿勢で支持されているため、不要に後方に倒れたりすることはない。また、被介護者の移動方向と直交する幅方向の両側には、一対の規制面511a,511bが配設されているため、被介護者の幅方向の揺れも規制されている。そのため、被介護者は、安全に回転することができる。さらに、被介護者は、腰帯部311及び一対の脚帯部312a,312bにより着座姿勢のまま吊上げられるので、臀部が浮くまで操作部を操作すれば、車椅子10から離間する。そのため、吊上げ移乗装置500Jによる被介護者の吊上げ量が少なくて済む(重心を低くすることができる)。これにより、被介護者が回転する際に、吊上げ移乗装置500Jが横転(幅方向に転倒)するおそれが低減される。
図24(d)に示すように、身体の向きを切り替えると、被介護者は、再度、操作部540の右水平移動キー543を操作して、便座20への移動を再開する。図24(e)に示すように、被介護者が便座20の上まで移動すると、被介護者は、操作部540の下降キー542を操作して、便座20に向けて下降する。図24(f)に示すように、便座20に着座した被介護者は、操作部540を規制面511bに取り付け、用を足す。用を足した被介護者は、上述と反対の動作を行うことで車椅子部560に移乗する。
以上説明したように、第9実施形態に係る介護支援システム1Jの吊上げ移乗装置500Jは、横揺れ規制フレーム510Jと車椅子部560とが一体となるように接続されている。そのため、例えば、移乗したい所定の設備の前に、吊上げ移乗装置500Hが配置されていない場合でも、自力で所定の設備に移乗することができる。つまり、被介護者は、自由に移動して、自由に所定の設備に移乗することができる。これにより、介護者の手助けを待つ被介護者のストレス及び介護者の負担を軽減することができる。また、被介護者の自立心を向上させることができる。
また、吊上げ移乗装置500Jは、車椅子部560に横揺れ規制フレーム510Jを連結しただけの構成であるため、安価に製造することができる。そのため、吊上げ移乗装置の使用を望む被介護者の金銭的負担を軽減することができる。
さらに、一対の前方アーム566a,566bを前述のように構成することで、例えば、図25(a)に示すように、狭い通路の曲がり角を走行中に、キャスタ562bが壁に接触した際においても、前方アーム566bが回動することで、吊上げ移乗装置500Jは、曲がり角を通過可能になる。狭い曲がり角を通過した後、一対の弾性部材567a,567bにより前方アーム566bが初期位置の戻ることで、一対の前方アーム566a,566bによる、被介護者が移動動作を行う際の吊上げ移乗装置500Jの前方への転倒防止機能が復帰する。
さらにまた、一対の補助アーム568a,568bを前述のように構成することで、例えば、図25(b)に示すように、狭い入口を通過する際においても、一対の補助アーム568a,568bが回動することで、吊上げ移乗装置500Jは、狭い入口を通過可能になる。狭い入口を通過した後、一対の弾性部材569a,569bにより一対の補助アーム568a,568bが初期位置に戻ることで、一対の補助アーム568a,568bによる、被介護者が移動動作を行う際の吊上げ移乗装置500Jの横転防止機能が復帰する。
<第10実施形態>
次に、本発明の第10実施形態に係る介護支援システム1Kについて、図19を援用すると共に、図26及び図27を参照しながら説明する。第10実施形態に係る介護支援システム1Kは、吊上げ移乗装置が第9実施形態と相違する。そのため、第10実施形態においては、吊上げ移乗装置を中心に説明し、第9実施形態と同じ構成のものについては、第9実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。図26は、第10実施形態に係る吊上げ移乗装置500Kを示す図である。図27は、第10実施形態に係る吊上げ移乗装置500Kのブロック図である。
次に、本発明の第10実施形態に係る介護支援システム1Kについて、図19を援用すると共に、図26及び図27を参照しながら説明する。第10実施形態に係る介護支援システム1Kは、吊上げ移乗装置が第9実施形態と相違する。そのため、第10実施形態においては、吊上げ移乗装置を中心に説明し、第9実施形態と同じ構成のものについては、第9実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。図26は、第10実施形態に係る吊上げ移乗装置500Kを示す図である。図27は、第10実施形態に係る吊上げ移乗装置500Kのブロック図である。
図19に示すように、介護支援システム1Kは、被介護者が装着可能な介護支援ウエア100Aと、介護支援ウエア100Aを介して被介護者を吊上げ、車椅子から所定の設備への被介護者の移乗を支援する吊上げ移乗装置500Kと、を備えている。なお、吊上げ移乗装置500Kに対しては、前述した介護支援ウエア(支持具)100A〜100Cが使用可能であり、介護支援システム1Kは、吊上げ移乗装置500Kと、介護支援ウエア100A〜100Cの任意の組合せとすることができる。
図26(a)、(b)及び図26に示すように、吊上げ移乗装置500Kは、横揺れ規制フレーム510Jと、被介護者の移動方向上流に設けられる第1吊上げ手段520と、移動方向下流に設けられる第2吊上げ手段570と、第1吊上げ手段520及び第2吊上げ手段570を操作する操作部540と、操作部540の操作に基づいて第1吊上げ手段520及び第2吊上げ手段570を制御する制御部550Kと、被介護者が乗って移動する車椅子部560と、を備えている。
第2吊上げ手段570は、被介護者を吊上げ可能な第2巻取りロープ571aと、第2巻取りロープ571aを巻き取り可能な第2ウインチ572aと、被介護者を吊上げ可能な第3巻取りロープ(第3ロープ)571bと、第3巻取りロープ571bを巻き取り可能な第3ウインチ(第3巻取り装置)572bと、を備えている。
第2ウインチ572aは、第2巻取りロープ571aを巻き取る第2スプール573aと、第2スプール573aを正逆回転させる第2モータ574aと、第2巻取りロープ571aの巻き取り長さ(量)を検知する第2巻取り長さ検知センサ575aと、第2モータ574aの回転速度を検出する第2回転速度センサ576aと、を備えている。第3ウインチ572bは、第3巻取りロープ571bを巻き取る第3スプール573bと、第3スプール573bを正逆回転させる第3モータ574bと、第3巻取りロープ571bの巻き取り長さ(量)を検知する第3巻取り長さ検知センサ575bと、第3モータ574bの回転速度を検出する第3回転速度センサ576bと、を備えている。
第2ウインチ572aは、被介護者の移動方向下流(移動方向他方側)、かつ移動方向と直交する幅方向の一方側に配設されている。第3ウインチ572bは、被介護者の移動方向下流(移動方向他方側)、かつ移動方向と直交する幅方向の他方側に配設されている。第2モータ574a及び第3モータ574bは、回転を停止すると、停止位置で回転角度を保持するトルクを発生させる保持機構を備えている。これにより、第2モータ574a及び第3モータ574bを停止した位置、即ち、被介護者が吊上げられた位置で被介護者が保持される。第2巻取りロープ571aと第3巻取りロープ571bは、先端同士が接続されており、その接続部には、カラビナ501が取り付けられている。
以上説明したように、第10実施形態に係る介護支援システム1Kの吊上げ移乗装置500Kは、移動方向下流に設けられる第2吊上げ手段570が、幅方向の一方側に配設される第2ウインチ572aと、他方側に配設される第3ウインチ572bとを備えている。つまり、第2吊上げ手段570が幅方向の両側に配設された第2ウインチ572a及び第3ウインチ572bを備えている。そのため、吊上げ移乗装置500Kは、被介護者が第2ウインチ572a及び第3ウインチ572bに引っ張られることで、便座等に移乗する際の被介護者の幅方向の揺れが規制される。また、吊上げ移乗装置500Kは、被介護者が、第1ウインチ522と、第2ウインチ572a及び第3ウインチ572bと、に引っ張られることで、便座等に移乗する際の被介護者の移動方向の揺れが規制される。これにより、被介護者を安全に移乗させることができる。
<第11実施形態>
次に、本発明の第11実施形態に係る介護支援システム1Lについて、図19を援用すると共に、図28を参照しながら説明する。第11実施形態に係る介護支援システム1Lは、吊上げ移乗装置が第9実施形態と相違する。そのため、第11実施形態においては、吊上げ移乗装置を中心に説明し、第9実施形態と同じ構成のものについては、第9実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。図28は、第11実施形態に係る吊上げ移乗装置600Lの斜視図である。
次に、本発明の第11実施形態に係る介護支援システム1Lについて、図19を援用すると共に、図28を参照しながら説明する。第11実施形態に係る介護支援システム1Lは、吊上げ移乗装置が第9実施形態と相違する。そのため、第11実施形態においては、吊上げ移乗装置を中心に説明し、第9実施形態と同じ構成のものについては、第9実施形態と同じ符号を付して、その説明を省略する。図28は、第11実施形態に係る吊上げ移乗装置600Lの斜視図である。
図19に示すように、介護支援システム1Lは、被介護者が装着可能な介護支援ウエア100Aと、介護支援ウエア100Aを介して被介護者を吊上げ、車椅子から所定の設備への被介護者の移乗を支援する吊上げ移乗装置600Lと、を備えている。なお、吊上げ移乗装置600Lに対しては、前述した介護支援ウエア(支持具)100A〜100Cが使用可能であり、介護支援システム1Lは、吊上げ移乗装置600Lと、介護支援ウエア100A〜100Cの任意の組合せとすることができる。
図28に示すように、吊上げ移乗装置600Lは、横揺れ規制フレーム580と、被介護者が洗浄動作等を行うためのシャワー装置590と、被介護者の移動方向上流に設けられる第1吊上げ手段520と、移動方向下流に設けられる第2吊上げ手段530と、第1吊上げ手段520及び第2吊上げ手段530を操作する操作部540と、操作部540の操作に基づいて第1吊上げ手段520及び第2吊上げ手段530を制御する制御部550と、被介護者が乗って移動する車椅子部560と、を備えている。
横揺れ規制フレーム580は、シート561を囲うと共に、シート561の周りを密閉するように設けられている。横揺れ規制フレーム580は、フレーム本体581と、フレーム本体581に回動可能に支持され、被介護者がフレーム本体581の中に出入り可能に形成された扉部582と、フレーム本体581に溜まった水を排出可能な排出部583と、を備えている。
シャワー装置590は、フレーム本体581の内部に配設されており、シート561に着座した被介護者がフレーム本体581の中で身体を洗う等ができるようになっている。つまり、吊上げ移乗装置600Lは、移動式の風呂を構成している。
以上説明したように、吊上げ移乗装置600Lは、移動式の風呂を構成している。そのため、被介護者が浴室に移動しなくても、身体を洗うことができる。また、フレーム本体の中に入った後は、扉部を閉めることで内部が見えなくなるので、プライバシーも守られる。これにより、被介護者は、好きな時に自力で入浴等することができる。
1A 介護支援装置
20 便座(所定の設備)
100A 介護支援ウエア
110 ハーネス部
111 腰帯部
112a、112b 一対の脚帯部
120 パンツ部
130 接続部(接続手段)
200A 吊上げ移乗装置
20 便座(所定の設備)
100A 介護支援ウエア
110 ハーネス部
111 腰帯部
112a、112b 一対の脚帯部
120 パンツ部
130 接続部(接続手段)
200A 吊上げ移乗装置
Claims (7)
- 被介護者を吊り上げ、所定の設備への被介護者の移乗を支援する吊上げ移乗装置に接続可能な介護支援ウエアであって、
被介護者が着用可能なパンツ部と、
被介護者の両脚の大腿部に巻き付けて前記大腿部を支持可能な一対の脚帯部と、被介護者の腰部に巻き付けて前記腰部を支持可能な腰帯部と、を有するハーネス部と、
上半身を直立させると共に、前記大腿部を前方に屈曲させた姿勢で吊り上げられるように、被介護者の前方で、前記一対の脚帯部及び腰帯部を前記吊上げ移乗装置に接続する接続手段と、を備えた、
ことを特徴とする介護支援ウエア。 - 前記腰帯部及び前記一対の脚帯部のそれぞれは、帯状部と、前記帯状部の一端部に設けられる雄部と、前記帯状部の他端部に設けられ、前記雄部に着脱可能な雌部と、を有し、
前記雄部と前記雌部とを接合することで、前記腰部及び前記大腿部のそれぞれに固定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の介護支援ウエア。 - 腰帯部及び前記一対の脚帯部のぞれぞれは、前記接続手段に接続可能なフック部を有し、
前記パンツ部は、前記フック部を出し入れ可能な開口部を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の介護支援ウエア。 - 前記ハーネス部は、被介護者の胸部に巻き付けられ、前記吊上げ移乗装置に接続することで、前記一対の脚帯部及び腰帯部を介して前記吊上げ装置に吊上げられた被介護者の姿勢を安定可能な胸帯部を有する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の介護支援ウエア。 - 被介護者が着用可能なシャツ部を備え、
前記シャツ部は、前記胸帯部の、前記吊上げ移乗装置との接続部を出し入れ可能な開口部を有する、
ことを特徴とする請求項4に記載の介護支援ウエア。 - 前記一対の脚帯部及び腰帯部が、前記パンツ部に接合されている、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の介護支援ウエア。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の介護支援ウエアと、
前記介護支援ウエアを装着した被介護者を、前記介護支援ウエアを介して吊上げて所定の設備に移乗させる吊上げ移乗装置と、を備えた、
ことを特徴とする介護支援システム。
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2014
- 2014-03-14 JP JP2014051705A patent/JP2015173798A/ja active Pending
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Legal Events
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A02 | Decision of refusal |
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