JPH11253511A - 介護用シート、及び該介護用シートを係止した自立歩行支援機 - Google Patents

介護用シート、及び該介護用シートを係止した自立歩行支援機

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Publication number
JPH11253511A
JPH11253511A JP10066656A JP6665698A JPH11253511A JP H11253511 A JPH11253511 A JP H11253511A JP 10066656 A JP10066656 A JP 10066656A JP 6665698 A JP6665698 A JP 6665698A JP H11253511 A JPH11253511 A JP H11253511A
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JP
Japan
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user
tape
hook
seat
loop
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Pending
Application number
JP10066656A
Other languages
English (en)
Inventor
Yashio Suzuki
弥志雄 鈴木
Aritaka Kuboi
有孝 久保井
Makoto Okada
誠 岡田
Hiroyuki Kobayashi
宏之 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用者の起立、歩行、着座の一連動作を安全
に支援し、かつ身体への装着が簡単な介護用シートと、
その介護用シートを備えた自立歩行支援機を提供し、使
用者の自立と、介護者の負担軽減を可能にする。 【解決手段】 胴ベルト1は、使用者の胴に巻き付ける
ために略水平方向に延設され、胴ベルト1から下方にシ
ート部2が延設されている。シート部2の下部には、使
用者の両大腿部に巻き付けるための大腿支持部3が設け
られている。臀部支持部4は、シート部2横方向に取り
付けられ、臀部支持部4の両端で吊り上げ部5が縫着さ
れている。吊り上げ部5が引き上げられれば、使用者
は、坐骨結節から上前腸骨棘の方向へ引き上げられ、自
然起立動作を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下肢機能に障害を
持つ人のために起立、歩行、着座の一連動作を支援する
ための介護用シート、及び該介護用シートを係止した自
立歩行支援機の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】身体障害者や高齢者等の被介護者は、日
常生活においてベッドから車椅子へ移動したり、車椅子
からトイレや浴槽等へ移動したりすることができないた
め、介護者を介して行われる。
【0003】この場合、介護者が直接に被介護者の移動
を行うと、重労働となって腰痛などを生じることがある
ため、天井に設けたレールに沿って走行可能とした台車
からの吊り具で被介護者を支持して移動するようにして
いる。この種の吊り具として、従来から以下のものが知
られている。(1)特開平7−23663号公報に示さ
れるように介護用スリングを取り付けて、被介護者を吊
り上げ移動させる天井走行式リフト、(2)特開平9−
84832号公報に示される運搬装置、(3)特開平9
−570号公報に示される姿勢変換装置および姿勢変換
方法のような床上を走行可能な台車に支柱を介して、回
動可能なアームを取り付け、アームの先端にベルト状の
吊り上げ具やスリングを介して、被介護者を吊り上げ移
動させる床走行式リフト、などが使用されている。
【0004】そして、(1)に記載の介護用スリング
は、シート部とシート部のほぼ四隅にそれぞれループ状
に縫着された吊り紐等からなるもので、シート部で被介
護者の頭部から臀部まで被い、吊り紐を天井走行式リフ
ト等の吊り上げ装置のフックに取り付けることで被介護
者を移動させるものであった。
【0005】また、(2)に記載の運搬装置は、キャス
ター付のフレームと、電動式のジャッキによって、回動
可能な吊り上げアームからなる昇降機構により構成さ
れ、使用者をベッドから車椅子に移乗させるために、使
用者の上肢を胸当てパッド、膝を膝当てパッドで支持
し、更に吊り上げ具で臀部を支持し、吊り上げ具は、吊
り上げアーム後端の係合ピンに連結するものであった。
【0006】更に、(3)に記載の装置は、キャスター
付のフレームと、電動のねじ駆動機構によって揺動可能
なアームにより構成され、使用者の上肢を胸パッド、膝
を膝パッドで支持し、さらにスリングで腰および背中を
支持し、スリングの上側アーム部、下側アーム部を装置
のアームに設けたフックに係止するものであった。
【0007】一方、前記の天井走行式リフトや床走行式
リフトのように、単に介護者が被介護者を移動させるも
のとは異なり、使用者の起立と歩行動作を支援する装置
として、(4)特開平8−71114号公報に示される
ような電動立上り訓練器がある。この装置は、車輪付の
台車と、電動アクチュエータによって回動可能な可動支
柱により構成され、使用者の起立、歩行動作を支援する
ために、上肢保持枠、屈曲部で使用者の上肢を支持し、
さらに、リフトシートで臀部を支持し、リフトシートは
屈曲部に設けたフック部材に掛ける構造のものであっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術(1)の介護用スリングは、被介護者の上肢全体と大
腿の一部までが布に包まれるので、安全に移動できる
が、反面、被介護者が荷物のように扱われ、介護者が吊
り具を上昇させると被介護者の足が完全に浮き、自力に
よる歩行はできないといった問題があった。
【0009】また、天井走行式リフトは、レールを天井
に装置するため多額の設備費がかかり、さらに移動する
範囲が限定されるといった問題があった。
【0010】従来技術(2),(3)の装置は、もとも
と四肢の不自由な人に外力を与えて、臀部の持ち上げを
強制的に実現しようとしたものであるが、胸や膝で使用
者自らの体重を支えるため、各々の箇所に当たる負担が
大きく、使用者が苦痛を感じるという問題があった。
【0011】また、(3)の装置では、使用者の起立姿
勢までの変換方法が開示されているが、結局、起立の際
に膝への負担が大きく、その負担を支えることができる
程度の下肢能力がない限り、起立することが困難である
といった問題があった。
【0012】更に、(4)の装置では、使用者がリフト
シートに深々と座った場合、ブランコに乗った状態にな
るため、足が浮き、起立できないといった問題があっ
た。また、起立した後の歩行動作中に足の前方への繰り
出しによって、リフトシートが臀部から外れ、上肢を支
えているものの下肢の支えがなくなり、使用者が転倒す
るといった問題があった。
【0013】本発明は、上記従来技術の問題を解消し、
使用者の起立、歩行、着座の一連動作を安全に支援し、
かつ身体への装着が簡単な介護用シートと、その介護用
シートを備えた自立歩行支援機を提供して、使用者の自
立と、介護者の負担軽減を可能とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、使用者の胴に巻き付けるた
めの胴ベルトと、該胴ベルトから下方に延設し、かつ使
用者の臀部を被うシート部と、該シート部下部に取り付
けられ、使用者の両大腿部に巻き付けられる2つの大腿
支持部と、前記胴ベルトと略平行に、前記シート部横方
向に取り付けられ、使用者の尾骨付近を通る臀部支持部
と、該臀部支持部の両端部で縫着された複数の吊り上げ
部を有することを特徴とする。
【0015】請求項2記載の発明は、大腿支持部がシー
ト部の下端部に縫着され、該大腿支持部の両端にフック
テープとループテープからなる面ファスナーを備え、使
用者の大腿上部で、該面ファスナーのフックテープとル
ープテープを接続できることを特徴とする。
【0016】請求項3記載の発明は、シート部が中央部
で所定間隔で分割され、胴ベルトで結合されたことを特
徴とする。
【0017】請求項4記載の発明は、大腿支持部が、シ
ート部下部から、使用者の尾骨付近よりも上方で2方向
に分かれ、シート部と一体で延設され、使用者の大腿部
に巻き付け可能な長さを有することを特徴とする。
【0018】請求項5記載の発明は、大腿支持部の下端
部にフックテープとループテープとからなる面ファスナ
ーの一方側のテープを備えるとともに、該面ファスナー
の他方側のテープをシート部における使用者の腸骨付近
に備え、該面ファスナーのフックテープとループテープ
を接続できることを特徴とする。
【0019】請求項6記載の発明は、シート部が中央部
で所定間隔で分割され、前記胴ベルトで結合されるとと
もに、大腿支持部がシート部下部から一体で延設され、
使用者の大腿部に巻き付け可能な長さを有し、かつシー
ト部側部から外側に一体で延設された第2大腿支持部が
使用者の大腿部に巻き付け可能な長さを有することを特
徴とする。
【0020】請求項7記載の発明は、大腿支持部の下端
部にフックテープとループテープとからなる面ファスナ
ーの一方側のテープを備えるとともに、該面ファスナー
の他方側のテープを第2大腿支持部に備え、使用者の大
腿上部で面ファスナーのフックテープとループテープを
接続できることを特徴とする。
【0021】請求項8記載の発明は、胴ベルトが、両端
に一対の締結具を備え、胴ベルトの長さ調節機構を有す
ることを特徴とする。
【0022】請求項9記載の発明は、胴ベルトが、両端
にフックテープとループテープからなる面ファスナーを
備え、使用者の腹部で該面ファスナーのフックテープと
ループテープを接続できることを特徴とする。
【0023】請求項10記載の発明は、吊り上げ部が、
ループ状に縫着されたことを特徴とする。
【0024】請求項11記載の発明は、吊り上げ部が、
ループ状に縫着されるとともに、ループを結ぶ略平行な
複数の紐部を備えたことを特徴とする。
【0025】請求項12記載の発明は、吊り上げ部が、
使用者の坐骨結節付近で臀部支持部と縫着部されている
ことを特徴とする。
【0026】請求項13記載の発明は、臀部支持部が、
胴ベルトに対して、たるみを持ってシート部に縫着され
たことを特徴とする。
【0027】請求項14記載の発明は、胴ベルト又はシ
ート部が、中央部に介護者が掴持するための掴持部を有
することを特徴とする。
【0028】請求項15記載の発明は、胴ベルト又はシ
ート部が、中央部に介護シートの中心を示すためのマー
キングを備えていることを特徴とする。
【0029】請求項16記載の発明は、フレームと、複
数の車輪からなる移動機構と、前記フレームに挿抜自在
に設けた昇降部材と、該昇降部材の昇降動作により、使
用者の身体を起立位置から着座位置、又は着座位置から
起立位置まで上下動させる昇降機構と、前記昇降部材の
上端の両側に設けられ、使用者の上肢を支える上肢支持
部と、該上肢支持部の後端に係止具を設けた自立歩行支
援機において、請求項1乃至15の何れかに記載の介護
用シートにおける吊り上げ部を、前記係止具に係止した
ことを特徴とする。
【0030】以上の構成から明らかなように、上記介護
用シートによれば、使用者は胴ベルト,大腿支持部等を
簡単に装着できるとともに、胴ベルト,大腿支持部,臀
部支持部等により使用者を確実に支持できる。
【0031】また、吊り上げ部と臀部支持部の組み合わ
せによって、使用者は、介護用シートの吊り上げ部が何
らかの手段によって引き上げられた際、坐骨結節から上
前腸骨棘方向へ引き上げられる。すなわち、自然な起立
動作に近い方向へ引き上げられる。
【0032】更に、胴ベルトの両端に締結具や面ファス
ナーを設置すれば、自分の胴回りにフィットするように
長さ調節し、絞め込むことが可能となり、また、容易に
緩まない構成となる。
【0033】また、上記介護用シートを使用した自立歩
行支援機では、介護用シートで使用者を確実に支持でき
るため、使用者の起立,歩行,着座動作を円滑に支援で
きる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る介護用シート
及びこの介護用シートを係止した自立歩行支援機の実施
形態について、図1乃至図12を参照しながら説明す
る。
【0035】図1は本発明に係る介護用シートの第1実
施形態を示す表側の平面図、図2は図1に示した介護用
ートの裏側を示す平面図、図3は第2実施形態による介
護用シートの表側の平面図、図4は図3に示した介護用
シートの裏側を示す平面図、図5は第3実実施形態によ
る介護用シートの表側の平面図、図6は図5に示した介
護用シートの裏側を示す平面図、図7は第4実施形態に
よる介護用シートの表側の平面図、図8は図7に示した
介護用シートの裏側を示す平面図、図9及び図10は第
1実施形態,第3実施形態及び第4実施形態による介護
用シートの胴ベルトの両端に取り付けられる締結具の実
施例を示す断面図、図11は本発明に係る介護用シート
を適用する自立歩行支援機の構成を示す正面断面図、図
12は介護用シートを適用した自立歩行支援機の側面縦
断面図である。
【0036】(実施形態1)図1及び図2において、胴
ベルト1は、使用者の胴に巻き付けるために略水平方向
に延設され、胴ベルト1から下方にシート部2が延設さ
れている。さらにシート部2の下部には、使用者の両大
腿部に巻き付けるための大腿支持部3が設けられてい
る。また、臀部支持部4は、シート部2の横方向に、胴
ベルト1と略平行に取り付けられ、臀部支持部4の両端
で吊り上げ部5が縫着されている。この介護用シートを
使用者に装着した場合、臀部支持部4は、使用者の尾骨
付近を通り、さらに吊り上げ部5は、坐骨結節付近に位
置することになる。尚、胴ベルト1、シート部2及び大
腿支持部3の寸法は、使用者の身体寸法にあったものが
望ましいが、例えば、S,M,Lサイズといったように
サイズ別に寸法を変えることもできる。
【0037】この構成で、胴ベルト1、大腿支持部3、
臀部支持部4は、幅が約50mm程度の帯状をなし、吊
り上げ部5は、幅が約15mm程度の紐状をなし、シー
ト部2は厚み約0.35mm程度の布であり、シート部
2は全周にわたって、ほつれ止めを施すようにするのが
望ましい。また、介護用シートの材質としては、使用者
の身体へのフィット感、洗濯のしやすさを考慮すると、
ポリエステル繊維等の化学繊維とするのが望ましい。
【0038】大腿支持部3の帯状部の一端には、面ファ
スナーのフックテープ6が取り付けられ、他端の裏面側
には、面ファスナーのループテープ7(図2参照)が取
り付けられており、使用者が帯状部を大腿に巻き付けた
際には、フックテープ6とループテープ7が、大腿の上
面側で接続される構成となっている。すなわち、フック
テープ6とループテープ7は、各々表裏逆に取り付けら
れている。
【0039】また、シート部2は、中央部で所定の幅で
分割され、胴ベルト1で結合されている。中央部の開口
部分の幅は、使用者がトイレ等で下着を脱ぐか、又は介
護者が下着を脱がせ、排泄行為を行なうことを考慮し
て、約200から300mmであることが望ましい。
【0040】さらに、胴ベルト1は、一端に締結具凹側
8を備え、他端に締結具凸側9を備えている。締結具凹
側8には、図9に示すように、ベルト通し穴8aとベル
トを巻き付けるための棒部材8bが設けられ、胴ベルト
1の帯状部が通し穴8aに通され、棒部材8bで折り返
された帯状部に縫着されている。締結具凸側9は、図1
0に示すように、2個のベルト通し穴9a,9bと共
に、このベルト通し穴9a,9bを分割する棒部材9c
が締結具凸側9と一体に設けられている。胴ベルト1の
帯条部は、締結具凸側9に近い方の内側のベルト通し穴
9aから通され、棒部材9cを巻き付けるように片側の
外側のベルト通し穴9bに通され、外部に出た帯状部の
端部は、2重以上に折り返され帯状部に縫着されてい
る。この構成によって、使用者が胴ベルト1を腰に巻き
付けた際に、締結具凹側8と締結具凸側9とを自分の腹
部付近で接続し、また締結具凸側9の外側のベルト通し
穴9bから外部に出た帯状部を引っ張ることにより、自
分の胴回りにフィットするように長さを調節し、絞め込
むことが可能となる。この際、外側のベルト通し穴9b
のさらに外側の締結具の断面形状が、外側のベルト通し
穴9bに向かって角部9dを有する形状であるため、一
度帯状部を絞め込むと帯状部が角部9dに食い込むた
め、容易に緩まない構成となっている。尚、前記の構成
は、胴ベルト1が一対の締結具凹側8,締結具凸側9
と、長さ調節機構を備えたものの一実施形態であり、他
の実施形態も考えられるが、本発明のように簡単な構成
であるほうが使い勝手が良い。
【0041】次に、吊り上げ部5は、紐状をなし、紐状
の両端部が、シート部2に縫着されることでループ状を
なしている。吊り上げ部5のループは、略平行にループ
に縫着された複数の紐5aによって複数に分割され、使
用者の身体寸法や下肢機能に合わせて吊り上げ位置を調
節可能とてしている。また、吊り上げ部5とシート部2
との縫着位置は、使用者が大腿支持部3と胴ベルト1を
取り付けた際に、使用者のほぼ坐骨結節付近に備えられ
る。
【0042】さらに、臀部支持部4は、胴ベルト1に対
して、たるみを持ってシート部2に縫着されるが、これ
によって、使用者の臀部にフィットさせることができ
る。また、使用者の側から見て、裏面には、胴ベルト1
近傍の中央部に横方向に縫着された掴持部10を有して
いる。この掴持部10は、帯部材であり両端のみが縫着
されているため、介護者が使用者を支えるために掴むこ
とが可能である。尚、掴持部10の縫着位置は、胴ベル
ト1であってもよい。
【0043】さらに胴ベルト1の中央部には、小片の布
部材11が縫着されて、介護用シートの中心が示されて
いる。これによって、介護者が使用者の身体の中心と、
介護用シートの中心を合わせて介護用シートを取り付け
ることができる。尚、中心を示すための方法としては、
胴ベルト1やシート部2と色の異なる布部材を縫着する
ことや、油性インキ等でマーキングすることなども考え
られる。また、シート部2のほつれ止めのために全周に
施したテープ部材の合わせ目を中心に配置することもで
きる。
【0044】以上説明してきた吊り上げ部5と臀部支持
部4の組み合わせによって、使用者は、吊り上げ部5が
何らかの手段によって引き上げられた際、坐骨結節から
上前腸骨棘方向へ引き上げられる。すなわち、自然な起
立動作に近い方向へ引き上げられるのである。
【0045】(実施形態2)一方、別の実施形態につい
て、図3,図4を参照しながら説明する。この実施例で
は、胴ベルト1の一端には面ファスナーのフックテープ
6が取り付けられ、他端の裏面側には、面ファスナーの
ループテープ7が取り付けられ、使用者が帯状部を腰に
巻き付けた際には、フックテープ6とループテープ7
が、腹部で接続される構成となっている。すなわち、フ
ックテープ6とループテープ7は、各々表裏逆に取り付
けられている。
【0046】(実施形態3)次に、さらに別の実施形態
について、図5,図6を参照しながら説明する。この実
施例では、大腿支持部3が、シート部2下部から、使用
者の尾骨付近よりも上方で2方向に分かれ、シート部2
と一体で延設され、使用者の大腿部に巻き付け可能な長
さを有している。この介護用シートを使用者に取り付け
る際、使用者が座位を保持している状態から、まずシー
ト部2を使用者の背部に位置させ、臀部支持部4を背部
から使用者の尾骨付近に滑り込ませる。大腿支持部3
は、使用者の内股を通して大腿部に巻き付けられる。こ
の際、大腿支持部3の下端に面ファスナーのフックテー
プ6が取り付けられ、シート部2の使用者の腸骨付近に
面ファスナーのループテープ7が取り付けられているの
で、内股を通して大腿部に巻き付けた後、フックテープ
6とループテープ7を使用者の腸骨付近で接続すること
ができる。したがって、使用者の側から介護用シートを
見た場合、フックテープ6は表側、ループテープ7は裏
側に取り付けられていることになる。尚、本実施例で
は、大腿支持部3の下端をフックテープ6とし、シート
部2の腸骨付近に位置される部分をループテープ7とし
たが、この逆の配置としても、本実施形態と相違のある
ものではない。
【0047】(実施形態4)さらに、別の実施形態につ
いて、図7,図8を参照しながら説明する。この実施例
によると、シート部2が中央部で所定間隔で分割され、
大腿支持部3がシート部2から一体で延設され、使用者
の大腿部に巻き付け可能な長さを有している。また、シ
ート部2側部から外側にもシート部2と一体で延設され
た第2大腿支持部12が大腿部に巻き付け可能な長さで
設けられている。この介護用シートを使用者に取り付け
る際、使用者が座位を保持している状態から、まずシー
ト部2を使用者の背部に位置させ、臀部支持部4を背部
から使用者の尾骨付近に滑り込ませる。大腿支持部3
は、使用者の内股を通して大腿部に巻き付けられる。一
方このとき第2大腿支持部12は、使用者の大腿部外側
に位置し、外側から大腿部に巻き付けられ、大腿部の上
部で大腿支持部3と第2大腿支持部12に設けられた面
ファスナーが接続される。本実施例では、使用者の側か
ら見て、フックテープ6は表側、ループテープ7は裏側
としたが、この逆の配置としても本実施形態と相違のあ
るものではない。
【0048】次に、本発明に係る介護用シートを適用す
る自立歩行支援機の構造を図11,図12を参照しなが
ら説明する。自立歩行支援機は、前輪13と中間輪14
と後輪15からなる移動機構と、中間輪14前方から斜
め前方に傾斜する方向に立設した右フレーム16と左フ
レーム17と、左右フレーム16,17に挿抜自在に設
けられた昇降部材18と、昇降部材18を上下動させる
ための昇降機構26により構成され、昇降機構26は、
左右フレーム16,17を結ぶセンターフレーム19に
内蔵されている。尚、本実施形態の自立歩行支援機は、
左右フレーム16,17、およびセンターフレーム19
は、化粧カバー20に被われ、さらに、昇降部材18
は、伸縮自在の蛇腹21で被われている。
【0049】昇降機構26は、特に図示しないが、駆動
源としてモータを用い、歯車等の伝達部を介して昇降部
材18の直線運動に変換されている。さらに、充電可能
な電源装置等もセンターフレーム19内に内蔵されてい
る。
【0050】また、昇降部材18の上端部には、使用者
の側に略コの字形に開口した使用者の上肢を支える上肢
支持部22が設けられ、前側にグリップ23と、操作ス
イッチ24が設けられている。さらに上肢支持部22の
後端には、介護用シートを係止するための係止具25が
設けられている。
【0051】次に、本実施形態の自立歩行支援機を用い
た一連の動作を説明する。
【0052】予め、使用者は上述の実施の形態で説明し
た介護用シート27を自分の身体に取り付け、座位を保
持している。そして、自立歩行支援機を使用者の近くの
適切な位置に待機させる。さらに、介護用シート27の
吊り上げ部5を、自立歩行支援機の上肢支持部22の後
端に設けられた係止具25に引っ掛ける。この際、吊り
上げ部5は、やや引っ張りぎみにして余分な緩みを除去
したほうが次の起立動作の際に、起立動作を行ないやす
くなる。すなわち、吊り上げ部5のループを結ぶ複数の
紐5aのうち、使用者の身体にあった適切な位置で係止
具25に係止させると良い。尚、特に図示はしないが、
係止具25は適切な抜け止め構造を有することが望まし
いことは明らかである。
【0053】使用者が起立動作を行なう場合、上肢支持
部22の操作スイッチ24を操作するとモータが回転
し、伝達部が駆動し、昇降部材18と共に、上肢支持部
22が斜め前方へ上昇する。使用者の身体は、介護用シ
ート27の臀部支持部4が尾骨付近に位置していること
と、吊り上げ部5の縫着位置が坐骨結節付近にあること
により、上肢支持部22の上昇によって坐骨結節から上
前腸骨棘の方向に引き上げられ、起立動作を行なうこと
ができる。尚、上肢支持部22の停止動作は、使用者が
操作スイッチ24を操作して行なうことができる。
【0054】歩行動作は、上肢支持部22又はグリップ
23に使用者が掴まって、移動機構を利用し、自らの意
思で自由に動き回るものである。使用者の下肢能力によ
っては、転倒する危険性があるが、使用者は吊り上げ部
5によって係止具25に係止されているため、転倒する
可能性は少ない。
【0055】着座動作を行なう場合は、使用者は介護用
シート27に体重を預け、次に操作スイッチ24を操作
すると、モータが回転し、伝達部が駆動し、昇降部材1
8と共に上肢支持部22が下降して、着座位置で使用者
を停止させる。
【0056】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係る介護用
シートは、使用者の身体に簡単に装着できるとともに、
使用者を確実に支持できる。また、この介護用シートを
使用した自立歩行支援機によれば、使用者の起立,歩
行,着座の一連動作を自然な動作で行なうことができ、
使用者の自立を高め、かつ介護者の負担を軽減すること
ができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による介護用シートの表
側の平面図。
【図2】図1に示した介護用シートの裏側の平面図。
【図3】本発明の第2実施形態による介護用シートの表
側の平面図。
【図4】図3に示した介護用シートの裏側の平面図。
【図5】本発明の第3実施形態による介護用シートの表
側の平面図。
【図6】図5に示した介護用シートの裏側の平面図。
【図7】本発明の第4実施形態による介護用シートの表
側の平面図。
【図8】図7に示した介護用シートの裏側の平面図。
【図9】本発明の介護用シートにおける締結具凹側の断
面図。
【図10】本発明の介護用シートにおける締結具凸側の
断面図。
【図11】本発明に係る自立歩行支援機の正面断面図。
【図12】本発明に係る自立歩行支援機の側面縦断面
図。
【符号の説明】
1 胴ベルト 2 シート部 3 大腿支持部 4 臀部支持部 5 吊り上げ部 6 フックテープ 7 ループテープ 8 締結具凹側 9 締結具凸側 10 掴持部 11 布部材 12 第2大腿支持部 13 前輪 14 中間輪 15 後輪 16 右フレーム 17 左フレーム 18 昇降部材 19 センターフレーム 20 化粧カバー 21 蛇腹 22 上肢支持部 23 グリップ 24 操作スイッチ 25 係止具 26 昇降機構 27 介護用シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 宏之 東京都板橋区板橋三丁目9番7号 日立化 成工業株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用者の胴に巻き付けるための胴ベルト
    と、該胴ベルトから下方に延設し、かつ使用者の臀部を
    被うシート部と、該シート部下部に取り付けられ、使用
    者の両大腿部に巻き付けられる2つの大腿支持部と、前
    記胴ベルトと略平行に、前記シート部横方向に取り付け
    られ、使用者の尾骨付近を通る臀部支持部と、該臀部支
    持部の両端部で縫着された吊り上げ部を有することを特
    徴とする介護用シート。
  2. 【請求項2】 大腿支持部がシート部の下端部に縫着さ
    れ、該大腿支持部の両端にフックテープとループテープ
    からなる面ファスナーを備え、使用者の大腿上部で、該
    面ファスナーのフックテープとループテープを接続でき
    ることを特徴とする請求項1記載の介護用シート。
  3. 【請求項3】 シート部が中央部で所定間隔で分割さ
    れ、前記胴ベルトで結合されたことを特徴とする請求項
    1又は2記載の介護用シート。
  4. 【請求項4】 大腿支持部が、シート部下部から、使用
    者の尾骨付近よりも上方で2方向に分かれ、シート部と
    一体で延設され、使用者の大腿部に巻き付け可能な長さ
    を有することを特徴とする請求項1記載の介護用シー
    ト。
  5. 【請求項5】 大腿支持部の下端部にフックテープとル
    ープテープとからなる面ファスナーの一方側のテープを
    備えるとともに、該面ファスナーの他方側のテープをシ
    ート部における使用者の腸骨付近に備え、該面ファスナ
    ーのフックテープとループテープを接続できることを特
    徴とする請求項4記載の介護用シート。
  6. 【請求項6】 シート部が中央部で所定間隔で分割さ
    れ、胴ベルトで結合されるとともに、大腿支持部がシー
    ト部下部から一体で延設され、使用者の大腿部に巻き付
    け可能な長さを有し、かつシート部側部から外側に一体
    で延設された第2大腿支持部が使用者の大腿部に巻き付
    け可能な長さを有することを特徴とする請求項1記載の
    介護用シート。
  7. 【請求項7】 大腿支持部の下端部にフックテープとル
    ープテープとからなる面ファスナーの一方側のテープを
    備えるとともに、該面ファスナーの他方側のテープを第
    2大腿支持部に備え、使用者の大腿上部で面ファスナー
    のフックテープとループテープを接続できることを特徴
    とする請求項6記載の介護用シート。
  8. 【請求項8】 胴ベルトが、両端に一対の締結具を備
    え、前記胴ベルトの長さ調節機構を有することを特徴と
    する請求項1乃至7の何れかに記載の介護用シート。
  9. 【請求項9】 胴ベルトが、両端にフックテープとルー
    プテープからなる面ファスナーを備え、使用者の腹部で
    該面ファスナーのフックテープとループテープを接続で
    きることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の
    介護用シート。
  10. 【請求項10】 吊り上げ部が、ループ状に縫着された
    ことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の介護
    用シート。
  11. 【請求項11】 吊り上げ部が、ループ状に縫着される
    とともに、ループを結ぶ、略平行な複数の紐部を備えた
    ことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の介護
    用シート。
  12. 【請求項12】 吊り上げ部が、使用者の坐骨結節付近
    で臀部支持部と縫着されていることを特徴とする請求項
    1乃至11の何れかに記載の介護用シート。
  13. 【請求項13】 臀部支持部が、胴ベルトに対して、た
    るみを持ってシート部に縫着されたことを特徴とする請
    求項1乃至12の何れかに記載の介護用シート。
  14. 【請求項14】 胴ベルト又はシート部が、中央部に介
    護者が掴持するための掴持部を有することを特徴とする
    請求項1乃至13の何れかに記載の介護用シート。
  15. 【請求項15】 胴ベルト又はシート部が、中央部に介
    護シートの中心を示すためのマーキングを備えているこ
    とを特徴とする請求項1乃至14の何れかに記載の介護
    用シート。
  16. 【請求項16】 フレームと、複数の車輪からなる移動
    機構と、前記フレームに挿抜自在に設けた昇降部材と、
    該昇降部材の昇降動作により、使用者の身体を起立位置
    から着座位置、又は着座位置から起立位置まで上下動さ
    せる昇降機構と、前記昇降部材の上端の両側に設けら
    れ、使用者の上肢を支える上肢支持部と、該上肢支持部
    の後端に係止具を設けた自立歩行支援機において、請求
    項1乃至15の何れかに記載の介護用シートにおける吊
    り上げ部を、前記係止具に係止したことを特徴とする自
    立歩行支援機。
JP10066656A 1998-03-17 1998-03-17 介護用シート、及び該介護用シートを係止した自立歩行支援機 Pending JPH11253511A (ja)

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