JP2015173093A - 燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、端部セルの反応ガス分配不良を可及的に抑制することができ、良好な発電性能を維持することを可能にする。
【解決手段】燃料電池スタック10は、発電セル12を備え、前記発電セル12を構成する第1金属セパレータ24には、燃料ガス流路40に連通する供給孔部42a及び入口通路部44aが形成される。第1インシュレータ18aには、凹部68aが形成され、前記凹部68aに流路形成部材78aが配置されることにより、入口流路部72a及び入口連結孔部70aを有する連結流路部87aが構成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、電解質の両側に電極が配設される電解質・電極構造体とセパレータとを有する発電セルを備え、複数の前記発電セルが積層される積層体の積層方向両側には、ターミナルプレート、インシュレータ及びエンドプレートが配設される燃料電池スタックに関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の一方の面側にアノード電極が、他方の面側にカソード電極が、それぞれ配設された電解質膜・電極構造体(MEA)を備えている。電解質膜・電極構造体は、セパレータによって挟持されることにより、発電セルを構成している。燃料電池は、通常、所定の数の発電セルが積層されることにより、例えば、車載用燃料電池スタックとして燃料電池車両(燃料電池電気自動車等)に組み込まれている。
燃料電池スタックでは、積層されている各発電セルのアノード電極及びカソード電極に、それぞれ反応ガスである燃料ガス及び酸化剤ガスを供給するため、所謂、内部マニホールドを構成する場合が多い。この内部マニホールドは、発電セルの積層方向に貫通して設けられる反応ガス入口連通孔及び反応ガス出口連通孔を備えている。そして、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路の入口側及び出口側には、反応ガス入口連通孔及び反応ガス出口連通孔が、それぞれ連通している。
内部マニホールド型燃料電池スタックでは、反応ガス入口連通孔から各発電セルの反応ガス流路に反応ガスを良好に供給するとともに、各電極面に沿って前記反応ガスを均一に供給することが望まれている。そこで、例えば、特許文献1には、膜電極接合体の表面を流れる反応ガスの流量分布に起因した発電分布の不均一を抑制するための燃料電池が開示されている。
この燃料電池では、電解質膜の両面に、それぞれ触媒電極を接合した膜電極接合体と、各触媒電極の表面にそれぞれ積層され、各触媒電極に供給すべき反応ガスを流すための流路構成部材と、を備えている。そして、触媒電極における発電に供する発電部分の平面形状は、該触媒電極の表面に積層された流路構成部材における反応ガスの流量分布に基づいて設定されている。
特開2009−93889号公報
しかしながら、上記の特許文献1では、構造が複雑化するとともに、製造コストが高騰するという問題がある。しかも、燃料電池スタックでは、反応ガス入口連通孔から各燃料電池に反応ガスを分配供給するため、特に反応ガス入口側の燃料電池(以下、端部セルともいう)に、前記反応ガスの分配不良が惹起し易い。従って、端部セルの発電性能が低下するという問題がある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、簡単な構成で、端部セルの反応ガス分配不良を可及的に抑制することができ、良好な発電性能を維持することが可能な燃料電池スタックを提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池スタックは、電解質の両側に電極が配設される電解質・電極構造体とセパレータとを有する複数の発電セルが積層される積層体を備えている。積層体の積層方向両側には、それぞれ端部部材であるターミナルプレート、インシュレータ及びエンドプレートが配設されている。積層体には、燃料ガス又は酸化剤ガスである反応ガスを積層方向に流通させる反応ガス連通孔、前記反応ガスを電極面に沿って流通させる反応ガス流路、及び前記反応ガス連通孔と前記反応ガス流路とを連通する通路部とが設けられている。
少なくとも1つの端部部材には、反応ガス連通孔と反応ガス流路を連通する連結流路部が設けられている。
また、この燃料電池スタックでは、少なくとも1つのセパレータに積層方向に貫通して形成される反応ガス孔部を備えることが好ましい。その際、通路部は、セパレータの一方の面側で反応ガス連通孔と反応ガス孔部とを連通し且つ前記セパレータの他方の面側で前記反応ガス孔部と反応ガス流路とを連通することが好ましい。
さらに、この燃料電池スタックでは、連結流路部は、インシュレータの内部に構成されることが好ましい。
さらにまた、この燃料電池スタックでは、連結流路部は、インシュレータとは別部材である流路形成部材と前記インシュレータとにより構成されることが好ましい。
また、この燃料電池スタックでは、連結流路部は、エンドプレートに取り付けられ、インシュレータに挿入される流路形成部材により構成されることが好ましい。
本発明によれば、端部部材には、反応ガス連通孔と反応ガス流路を連通する連結流路部が設けられている。このため、端部部材に隣接する端部セルには、通路部及び前記端部部材の連結流路部から反応ガス孔部に反応ガスが供給されている。従って、端部セルの反応ガス流路には、通路部及び連結流路部から反応ガスが導入されるため、簡単な構成で、前記端部セルの反応ガス分配不良を可及的に抑制することができる。これにより、燃料電池スタック全体として、良好な発電性能を確実に維持することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタックの一部分解概略斜視図である。 前記燃料電池スタックの、図1中、II−II線断面図である。 前記燃料電池スタックを構成する発電セルの分解斜視説明図である。 前記発電セルを構成する第1金属セパレータの正面説明図である。 前記燃料電池スタックを構成する第1インシュレータの一部分解斜視説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する第1インシュレータの要部斜視説明図である。 前記第1インシュレータの一部断面平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池スタックの一部分解概略斜視図である。 前記燃料電池スタックの、図8中、IX−IX線断面図である。 前記燃料電池スタックの要部概略斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る燃料電池スタックの要部概略斜視図である。 本発明の第5の実施形態に係る燃料電池スタックの要部概略斜視図である。 前記燃料電池スタックの、図12中、XIII−XIII線断面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタック10は、複数の発電セル12が水平方向(矢印A方向)に積層された積層体14を備える。積層体14の積層方向(矢印A方向)一端には、それぞれ端部部材である第1ターミナルプレート16a、第1インシュレータ18a及び第1エンドプレート20aが外方に向かって、順次、配設される(図1参照)。積層体14の積層方向他端には、それぞれ端部部材である第2ターミナルプレート16b、第2インシュレータ18b及び第2エンドプレート20bが外方に向かって、順次、配設される。
燃料電池スタック10は、例えば、長方形に構成される第1エンドプレート20a及び第2エンドプレート20bを端板として含む箱状ケーシング(図示せず)により一体的に保持されてもよい。また、燃料電池スタック10は、矢印A方向に延在する複数のタイロッド(図示せず)により一体的に締め付け保持されてもよい。
発電セル12は、図2及び図3に示すように、電解質膜・電極構造体22と、前記電解質膜・電極構造体22を挟持する第1金属セパレータ24及び第2金属セパレータ26とを備える。第1金属セパレータ24及び第2金属セパレータ26は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属薄板を波状にプレス成形して構成される。なお、第1金属セパレータ24及び第2金属セパレータ26は、例えば、カーボンセパレータを用いてもよい。
電解質膜・電極構造体22は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜28と、前記固体高分子電解質膜28を挟持するカソード電極30及びアノード電極32とを備える。カソード電極30及びアノード電極32は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子を前記ガス拡散層の表面に一様に塗布して形成される電極触媒層(図示せず)とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜28の両面に形成されている。
アノード電極32は、カソード電極30よりも小さな平面寸法を有する。カソード電極30は、固体高分子電解質膜28と同一の平面寸法を有する。なお、カソード電極30は、アノード電極32よりも小さな平面寸法を有してもよい。
発電セル12の長辺方向である矢印B方向(図3中、水平方向)の一端縁部には、矢印A方向(積層方向)に互いに連通して、酸化剤ガス入口連通孔(反応ガス連通孔)34a、冷却媒体入口連通孔36a及び燃料ガス出口連通孔(反応ガス連通孔)38bが矢印C方向に配列して設けられる。酸化剤ガス入口連通孔34aは、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給し、冷却媒体入口連通孔36aは、冷却媒体を供給し、燃料ガス出口連通孔38bは、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出する。
発電セル12の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガス入口連通孔(反応ガス連通孔)38a、冷却媒体出口連通孔36b及び酸化剤ガス出口連通孔(反応ガス連通孔)34bが、矢印C方向に配列して設けられる。燃料ガス入口連通孔38aは、燃料ガスを供給し、冷却媒体出口連通孔36bは、冷却媒体を排出するとともに、酸化剤ガス出口連通孔34bは、酸化剤ガスを排出する。
図4に示すように、第1金属セパレータ24の電解質膜・電極構造体22に向かう面24aには、例えば、矢印B方向に延在する燃料ガス流路(反応ガス流路)40が形成される。燃料ガス流路40は、燃料ガス入口連通孔38aと燃料ガス出口連通孔38bとに連通する複数本の直線状(又は波状)流路溝40aを有する。
第1金属セパレータ24には、燃料ガス入口連通孔38aの近傍に複数の供給孔部(反応ガス孔部)42aが形成されるとともに、燃料ガス出口連通孔38bの近傍に複数の排出孔部(反応ガス孔部)42bが形成される。
第1金属セパレータ24には、一方の面24b側で燃料ガス入口連通孔38aと供給孔部42aとを連通し且つ他方の面24a側で前記供給孔部42aと燃料ガス流路40とを連通する入口通路部44aが設けられる。第1金属セパレータ24には、一方の面24b側で燃料ガス出口連通孔38bと排出孔部42bとを連通し且つ他方の面24a側で前記排出孔部42bと燃料ガス流路40とを連通する出口通路部44bが設けられる。
第2金属セパレータ26の電解質膜・電極構造体22に向かう面26aには、例えば、矢印B方向に延在する酸化剤ガス流路(反応ガス流路)46が設けられる。酸化剤ガス流路46は、酸化剤ガス入口連通孔34aと酸化剤ガス出口連通孔34bとに連通する複数本の直線状(又は波状)流路溝46aを有する。
互いに隣接する第1金属セパレータ24の面24bと第2金属セパレータ26の面26bとの間には、冷却媒体入口連通孔36aと冷却媒体出口連通孔36bとに連通する冷却媒体流路48が形成される。冷却媒体流路48は、燃料ガス流路40が形成された第1金属セパレータ24の裏面形状と、酸化剤ガス流路46が形成された第2金属セパレータ26の裏面形状とが、重なり合って形成される。
図2及び図3に示すように、第1金属セパレータ24の面24a、24bには、この第1金属セパレータ24の外周端部を周回して、第1シール部材50が一体化される。第2金属セパレータ26の面26a、26bには、この第2金属セパレータ26の外周端部を周回して、第2シール部材52が一体化される。
第1シール部材50及び第2シール部材52には、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材等の弾性を有するシール部材が用いられる。
図1に示すように、第1ターミナルプレート16a及び第2ターミナルプレート16bの略中央には、積層方向外方に延在する端子部58a、58bが設けられる。端子部58a、58bは、絶縁性筒体60に挿入されて、第1インシュレータ18a及び第2インシュレータ18bの孔部62a、62bを貫通する。端子部58a、58bは、さらに第1エンドプレート20a及び第2エンドプレート20bの孔部64a、64bを貫通して前記第1エンドプレート20a及び前記第2エンドプレート20bの外部に突出する。
第1インシュレータ18a及び第1エンドプレート20aの矢印B方向一端縁部には、酸化剤ガス入口連通孔34a、冷却媒体入口連通孔36a及び燃料ガス出口連通孔38bが形成される。第1インシュレータ18a及び第1エンドプレート20aの矢印B方向他端縁部には、燃料ガス入口連通孔38a、冷却媒体出口連通孔36b及び酸化剤ガス出口連通孔34bが形成される。
第1インシュレータ18a及び第2インシュレータ18bは、絶縁性材料、例えば、ポリカーボネート(PC)やフェノール樹脂等で形成されている。第1インシュレータ18aは、中央部に平面形状が矩形状の溝部66aが設けられるとともに、この溝部66aの略中央に孔部62aが連通する。溝部66aには、第1ターミナルプレート16aが収容され、前記第1ターミナルプレート16aの端子部58aが絶縁性筒体60を介装して孔部62aに挿入される。
図1及び図5に示すように、第1インシュレータ18aには、燃料ガス入口連通孔38a及び燃料ガス出口連通孔38bを内包して平面形状が矩形状の凹部68a、68bが形成される。図5に示すように、凹部68aを構成する底面68aeには、各発電セル12の供給孔部42aと積層方向に連通する複数個の入口連結孔部70aが形成される。底面68aeには、燃料ガス入口連通孔38aと入口連結孔部70aとを連通する複数本の入口流路部72aが形成されるとともに、前記入口連結孔部70a及び前記入口流路部72aを周回して周溝74aが形成される。底面68aeには、例えば、四隅に対応してねじ孔76aが形成される。
凹部68aには、流路形成部材78aが配設される。流路形成部材78aは、絶縁性材料、例えば、第1インシュレータ18aと同一の材料で形成され、立方体形状を有するとともに、燃料ガス入口連通孔38aを設ける。流路形成部材78aの底面68aeに当接する当接面には、周溝80aが形成されるとともに、四隅に対応して孔部82aが形成される。なお、周溝74a又は80aのいずれか一方のみを設けてもよい。
周溝74a、80aには、Oリング84aが一体に配置され、各孔部82aに挿入されるねじ86が各ねじ孔76aに螺合されることにより、流路形成部材78aが第1インシュレータ18aに固定される。流路形成部材78aは、ねじ止めに代えて、第1インシュレータ18aに接着により固定してもよい。なお、流路形成部材78aの当接面には、必要に応じて複数本の入口流路部(入口流路部72aに対応する)を設けてもよい。
第1インシュレータ18aの凹部68aに流路形成部材78aが配置されることにより、連結流路部87aが構成される。連結流路部87aは、第1インシュレータ18aの燃料ガス入口連通孔38aと、前記第1インシュレータ18aに隣接する発電セル12(端部セル)の供給孔部42aとを連通させる流路である。
凹部68b側の構成は、上記の凹部68a側の構成と同様である。凹部68bでは、凹部68aと同一の構成要素に、同一の参照数字に符号aに代えて符号bを付し、その詳細な説明は省略する。なお、凹部68b及び流路形成部材78bにより連結流路部87bが構成されるものであるが、この構成は、必要に応じて採用すればよい。また、連結流路部87a又は連結流路部87bの少なくとも一方のみを設けてもよい。さらに、連結流路部は、酸化剤ガス入口連通孔34a又は酸化剤ガス出口連通孔34bの少なくとも一方に設けてもよい。
第2インシュレータ18bは、積層体14側の端部が開口される凹部88を有する。凹部88を構成する底面88aの略中央には、孔部62bが連通する。凹部88には、断熱部材90及び第2ターミナルプレート16bが収容され、前記第2ターミナルプレート16bの端子部58bが絶縁性筒体60を介装して孔部62bに挿入される。
断熱部材90は、例えば、2枚のカーボンプレート92a間に波板形状の金属プレート92bを挟んで構成される。金属プレート92bの両面にカーボンプレート92aが当接することにより、これらの間に断熱用空間が形成される。なお、断熱部材90は、カーボンプレート92aの枚数や金属プレート92bの枚数を種々変更してもよく、あるいは、単一の金属プレート92bを複数枚積層してもよい。
このように構成される燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、酸素含有ガス等の酸化剤ガスは、第1エンドプレート20aの酸化剤ガス入口連通孔34aに供給される。水素含有ガス等の燃料ガスは、第1エンドプレート20aの燃料ガス入口連通孔38aに供給される。一方、純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体は、第1エンドプレート20aの冷却媒体入口連通孔36aに供給される。
酸化剤ガスは、図3に示すように、酸化剤ガス入口連通孔34aから第2金属セパレータ26の酸化剤ガス流路46に導入され、矢印B方向に移動して電解質膜・電極構造体22のカソード電極30に供給される。
一方、燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔38aから第1金属セパレータ24の燃料ガス流路40に導入される。燃料ガスは、燃料ガス流路40に沿って矢印B方向に移動し、電解質膜・電極構造体22のアノード電極32に供給される。
従って、各電解質膜・電極構造体22では、カソード電極30に供給される酸化剤ガスと、アノード電極32に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、カソード電極30に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、アノード電極32に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス出口連通孔38bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体入口連通孔36aに供給された冷却媒体は、第1金属セパレータ24と第2金属セパレータ26との間の冷却媒体流路48に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体22を冷却した後、冷却媒体出口連通孔36bから排出される。
この場合、第1の実施形態では、図1及び図5に示すように、第1インシュレータ18aには、燃料ガス入口連通孔38aを内包して矩形状の凹部68aが形成されている。そして、凹部68aの底面68aeには、供給孔部42aに連通する入口連結孔部70aと、前記入口連結孔部70aを燃料ガス入口連通孔38aに連通させる入口流路部72aとが形成されている。凹部68aには、流路形成部材78aが配設されることにより、第1インシュレータ18aと流路形成部材78aとの間に、連結流路部87aが構成されている(図2参照)。
このため、図2に示すように、第1インシュレータ18aに隣接する発電セル12(端部セル)には、入口通路部44a及び連結流路部87aから供給孔部42aに燃料ガスが供給されている。従って、端部セルの燃料ガス流路40には、入口通路部44a及び連結流路部87aを通って燃料ガスが導入されている。
これにより、特に燃料ガスの分配が少ない端部セルにも、燃料ガスを良好に供給することができる。このため、簡単な構成で、端部セルの燃料ガス分配不良を可及的に抑制することができ、前記端部セルの発電性能を向上させ、燃料電池スタック10全体として、良好な発電性能を確実に維持することが可能になるという効果が得られる。
一方、第1インシュレータ18aに形成された凹部68bに流路形成部材78bが配設されることにより、前記第1インシュレータ18aと前記流路形成部材78bとの間には、連結流路部87bが構成されている。従って、端部セルからの使用済み燃料ガスの排出処理が円滑に遂行されるという利点が得られる。
なお、第1の実施形態では、第1金属セパレータ24の供給孔部42a及び排出孔部42bが形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、第1金属セパレータ24に、供給孔部42a及び排出孔部42bに代えて、それぞれ複数の溝部と前記溝部を覆うカバー部材とを設けてもよい。また、少なくとも一方の端部部材に、入口連結孔部70a又は出口連結孔部70bに代えて互いに平行な連結流路部を設けてもよい。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する第1インシュレータ100の要部斜視説明図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池スタック10を構成する第1インシュレータ18aと同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図6及び図7に示すように、第1インシュレータ100には、燃料ガス入口連通孔38aを構成する内壁面38awに、複数本の入口流路部102が形成される。各入口流路部102は、開口断面が円柱形状を有して矢印B方向に延在するとともに、それぞれの一端が燃料ガス入口連通孔38aに連通孔する。各入口流路部102の他端は、それぞれ入口連結穴部104の一端に連通する。各入口連結穴部104の開放端である他端は、端部セルの供給孔部42aに連通する。
第1インシュレータ100には、入口流路部102及び入口連結穴部104を有する連結流路部106が一体に構成される。このため、第2の実施形態では、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、部品点数が有効に削減されるという利点がある。なお、本願発明の構成は、酸化剤ガス流路46側に適用してもよい。
図8は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池スタック110の一部分解概略斜視図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池スタック10と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図8及び図9に示すように、燃料電池スタック110は、積層体14の積層方向一端に外方に向かって、順次、配設される第1ターミナルプレート16a、第1インシュレータ112及び第1エンドプレート114を備える。第1インシュレータ112及び第1エンドプレート114は、端部部材である。
第1エンドプレート114には、燃料ガス入口連通孔38a及び燃料ガス出口連通孔38bを内包して孔部116a、116bが形成される。孔部116a、116bには、カラー部材である流路形成部材118a、118bが挿入される。以下、流路形成部材118aについて詳細に説明する一方、流路形成部材118bは、前記流路形成部材118aに付した参照符号のaに代えてbを付し、その詳細な説明は省略する。
流路形成部材118aは、第1角筒部120a、フランジ部122a及び第2角筒部124aから一体に形成され、前記第1角筒部120aは、第1エンドプレート114の孔部116aに嵌合する。図10に示すように、フランジ部122aは、複数本のねじ126を介して第1エンドプレート114に固定される。フランジ部122aには、第1インシュレータ112とのシール性を確保するためにシール部材127が配設される。なお、フランジ部122aは、第1エンドプレート114の積層方向の外側に設けてもよい。
図8及び図9に示すように、第1インシュレータ112には、第1エンドプレート114に対向する面に流路形成部材118aの形状、具体的には、フランジ部122a及び第2角筒部124aの形状に対応する段付き孔部128aが形成される。図10に示すように、第2角筒部124aの内周面124asには、内側の長尺面(矢印C方向に延在する鉛直面)に長手方向に延在するスリット130aが形成される。スリット130aには、第2角筒部124aの先端面から形成される複数本の孔部132aが一体に連通する。図9に示すように、複数本の孔部132aは、入口通路部44aに対向して開口されており、連結流路部を構成する。
このように構成される第3の実施形態では、第1エンドプレート114の燃料ガス入口連通孔38a、すなわち、流路形成部材118aに供給された燃料ガスは、一部がスリット130aに導入されている。スリット130aに導入された燃料ガスは、複数本の孔部132aに分配された後、入口通路部44aに直接供給されている。
このため、端部セルの燃料ガス流路40には、燃料ガス入口連通孔38a及び複数本の孔部132aから入口通路部44aを通って燃料ガスが導入されている。従って、特に燃料ガスの分配が少ない端部セルにも、燃料ガスを良好に供給することができ、簡単な構成で、端部セルの燃料ガス分配不良を可及的に抑制することが可能になる等、上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。
図11は、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池スタック140の要部概略斜視図である。なお、第3の実施形態に係る燃料電池スタック110と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第5の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
燃料電池スタック140は、第1エンドプレート(端部部材)142を備え、前記第1エンドプレート142には、流路形成部材118aに代えて流路形成部材144が取り付けられる。流路形成部材144は、内周面124asにスリット130aが形成されるとともに、前記スリット130aには、第2角筒部124aの先端面から形成されるスリット146が連通する。スリット146は、矢印C方向に長尺状に形成される。
第4の実施形態では、第3の実施形態の複数本の孔部132aに代えて単一のスリット146が設けられている。このため、特に燃料ガスの分配が少ない端部セルにも、燃料ガスを良好に供給することができ、簡単な構成で、端部セルの燃料ガス分配不良を可及的に抑制することが可能になる等、上記の第1〜第3の実施形態と同様の効果が得られる。
図12は、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池スタック150の要部概略斜視図である。
燃料電池スタック150は、第1エンドプレート(端部部材)152を備え、前記第1エンドプレート152には、流路形成部材118aに代えて流路形成部材154が取り付けられる。流路形成部材154は、内周面124asに傾斜スリット156が形成されるとともに、前記傾斜スリット156には、複数本の孔部132aが連通する。図13に示すように、傾斜スリット156を形成する側面156aは、燃料ガス入口連通孔38aの燃料ガス流れ方向に対して外方に傾斜する。
このように構成される第5の実施形態では、傾斜スリット156が設けられるため、燃料ガス入口連通孔38aを流通する燃料ガスは、側面156aの傾斜に沿って傾斜スリット156に円滑に流入することができる。
10、110、140、150…燃料電池スタック
12…発電セル 14…積層体
16a、16b…ターミナルプレート
18a、18b、100、112…インシュレータ
20a、20b、114、142、152…エンドプレート
22…電解質膜・電極構造体 24、26…金属セパレータ
28…固体高分子電解質膜 30…カソード電極
32…アノード電極 34a…酸化剤ガス入口連通孔
34b…酸化剤ガス出口連通孔 36a…冷却媒体入口連通孔
36b…冷却媒体出口連通孔 38a…燃料ガス入口連通孔
38b…燃料ガス出口連通孔 40…燃料ガス流路
42a…供給孔部 42b…排出孔部
44a…入口通路部 44b…出口通路部
46…酸化剤ガス流路 48…冷却媒体流路
50、52…シール部材 68a、68b、88…凹部
70a…入口連結孔部 72a、102…入口流路部
78a、78b、118a、118b、144、154…流路形成部材
87a、87b、106…連結流路部 104…入口連結穴部
130a、146…スリット 132a…孔部
156…傾斜スリット

Claims (5)

  1. 電解質の両側に電極が配設される電解質・電極構造体とセパレータとを有する発電セルを備え、複数の前記発電セルが積層される積層体の積層方向両側には、それぞれ端部部材であるターミナルプレート、インシュレータ及びエンドプレートが配設されるとともに、燃料ガス又は酸化剤ガスである反応ガスを前記積層方向に流通させる反応ガス連通孔、前記反応ガスを電極面に沿って流通させる反応ガス流路、及び前記反応ガス連通孔と前記反応ガス流路とを連通する通路部を備える燃料電池スタックであって、
    少なくとも一つの前記端部部材には、前記反応ガス連通孔と前記反応ガス流路を連通する連結流路部が設けられることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 請求項1記載の燃料電池スタックにおいて、少なくとも1つの前記セパレータに前記積層方向に貫通して形成される反応ガス孔部を備え、
    前記通路部は、前記セパレータの一方の面側で前記反応ガス連通孔と前記反応ガス孔部とを連通し且つ前記セパレータの他方の面側で前記反応ガス孔部と前記反応ガス流路とを連通することを特徴とする燃料電池スタック。
  3. 請求項1又は2記載の燃料電池スタックにおいて、前記連結流路部は、前記インシュレータの内部に構成されることを特徴とする燃料電池スタック。
  4. 請求項1又は2記載の燃料電池スタックにおいて、前記連結流路部は、前記インシュレータとは別部材である流路形成部材と該インシュレータとにより構成されることを特徴とする燃料電池スタック。
  5. 請求項1又は2記載の燃料電池スタックにおいて、前記連結流路部は、前記エンドプレートに取り付けられ、前記インシュレータに挿入される流路形成部材により構成されることを特徴とする燃料電池スタック。
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