JP2013161524A - 燃料電池スタック - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単且つ経済的な構成で、反応ガスを良好に整流することを可能にする。
【解決手段】燃料電池スタック10は、酸化剤ガス供給連通孔50aの入口側端部に酸化剤ガス整流部材84が設けられる。酸化剤ガス整流部材84は、酸化剤ガス供給連通孔50aの入口側端部に進入して配置され、酸化剤ガスの供給流通方向に沿って連通孔開口断面積を減少させる傾斜部88aと、前記傾斜部88aの先端に屈曲して設けられる補強部88bと、前記酸化剤ガス供給連通孔50aの外部に装着される板状部88cとを一体に設ける。
【選択図】図2
【解決手段】燃料電池スタック10は、酸化剤ガス供給連通孔50aの入口側端部に酸化剤ガス整流部材84が設けられる。酸化剤ガス整流部材84は、酸化剤ガス供給連通孔50aの入口側端部に進入して配置され、酸化剤ガスの供給流通方向に沿って連通孔開口断面積を減少させる傾斜部88aと、前記傾斜部88aの先端に屈曲して設けられる補強部88bと、前記酸化剤ガス供給連通孔50aの外部に装着される板状部88cとを一体に設ける。
【選択図】図2
Description
本発明は、電解質の両側に電極が配設される電解質・電極構造体とセパレータとを有する発電セルが積層されるとともに、前記セパレータには、発電面に沿って少なくとも燃料ガス又は酸化剤ガスである反応ガスを流す反応ガス流路と、前記反応ガス流路に連通し且つ積層方向に貫通する反応ガス供給連通孔及び反応ガス排出連通孔とが形成される燃料電池スタックに関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。この燃料電池は、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒(電極触媒層)及び多孔質カーボン(ガス拡散層)を有するアノード電極とカソード電極とを配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持する発電セルを構成している。通常、発電セルを所定の数だけ積層した燃料電池スタックが、例えば、車載用燃料電池スタックとして使用されている。
上記の燃料電池では、セパレータの面内に、アノード電極に対向して燃料ガスを流すための燃料ガス流路(反応ガス流路)と、カソード電極に対向して酸化剤ガスを流すための酸化剤ガス流路(反応ガス流路)とが設けられている。また、セパレータ間には、冷却媒体を流すための冷却媒体流路が、前記セパレータの面方向に沿って設けられている。
燃料電池では、セパレータの積層方向に貫通する反応ガス供給連通孔、反応ガス排出連通孔、冷却媒体供給連通孔及び冷却媒体排出連通孔が、前記燃料電池の内部に設けられる、所謂、内部マニホールドを構成する場合がある。その際、燃料電池スタックでは、積層された燃料電池を構成する各セパレータの反応ガス流路に対して反応ガスを均等に分配供給する必要がある。
ところが、燃料電池スタックの外部に接続された反応ガス供給配管から反応ガス供給連通孔に、反応ガスを比較的高圧で供給する際、前記反応ガス供給連通孔内に静圧分布が発生し易い。このため、特に、反応ガス供給連通孔の入口側に配置されている燃料電池には、反応ガスが十分に供給されない場合がある。
そこで、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池スタック構造が知られている。この燃料電池スタック構造は、図14に示すように、流体を燃料電池スタックの入口側内部マニホールド孔1の開口部2に供給する入口側外部通路3を有し且つ燃料電池スタックの積層端に配置される外部マニホールド4を備えている。
外部マニホールド4は、内部マニホールド孔1及び開口部2に接続される接続部5と、単セルのセル面に平行な面内に配置され且つ燃料電池スタックの積層端から見て前記内部マニホールド孔1からセル内流体通路6への流体流入方向と直交する方向から前記接続部5に流体を供給する外部通路3とから構成されている。
そして、外部通路3から接続部5に流入された流体は、前記接続部5若しくは開口部2の対向する面に沿って単セルのセル面と平行に流動して前記開口部2から内部マニホールド孔1内に横断方向に旋回流が形成されるようにしている。
しかしながら、上記の特許文献1では、外部マニホールド4の形状が相当に複雑化しており、前記外部マニホールド4の製造コストが高騰するという問題がある。しかも、外部マニホールド4を取り付けるため、燃料電池スタック全体が大型化するという問題がある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、簡単且つコンパクトな構成で、反応ガスを良好に整流することが可能な燃料電池スタックを提供することを目的とする。
本発明は、電解質の両側に電極が配設される電解質・電極構造体とセパレータとを有する発電セルが積層されるとともに、前記セパレータには、発電面に沿って少なくとも燃料ガス又は酸化剤ガスである反応ガスを流す反応ガス流路と、前記反応ガス流路に連通し且つ積層方向に貫通する反応ガス供給連通孔及び反応ガス排出連通孔とが形成される燃料電池スタックに関するものである。
この燃料電池スタックでは、反応ガス供給連通孔の入口側端部には、反応ガス整流部材が設けられるとともに、前記反応ガス整流部材は、前記反応ガス供給連通孔に進入して配置され、反応ガスの供給流通方向に沿って連通孔開口断面積を減少させる傾斜部と、前記傾斜部に一体に設けられ、前記反応ガス供給連通孔の外部に装着される板状部とを備えている。
また、この燃料電池スタックでは、板状部は、燃料電池スタックの互いに隣接する入口側端部構成部材間に介装されることが好ましい。
さらに、この燃料電池スタックでは、板状部を入口側端部構成部材間に固定するために、互いに係合する孔部及び突起部を有する固定構造を備えることが好ましい。
本発明によれば、反応ガス整流部材の傾斜部は、反応ガス供給連通孔の入口側端部に進入して配置されており、反応ガスを整流することができる。このため、特に、入口側端部に配置された燃料電池に向かう反応ガス流れを形成することが可能になり、積層されている各燃料電池に対して反応ガスを均等に供給することができる。
しかも、反応ガス整流部材の板状部は、反応ガス供給連通孔の外部に装着されている。従って、板状部は、互いに隣接する部材間で容易且つ確実に挟持することが可能になる。これにより、簡単且つコンパクトな構成で、反応ガスを良好に整流することができる。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池スタック10は、複数の発電セル12が水平方向(矢印A方向)に積層された積層体14を備える。積層体14の積層方向(矢印A方向)一端には、ターミナルプレート16a、絶縁プレート18a及びエンドプレート20aが外方に向かって、順次、配設される(図1〜図3参照)。積層体14の積層方向他端には、ターミナルプレート16b、絶縁プレート18b及びエンドプレート20bが外方に向かって、順次、配設される(図1参照)。
燃料電池スタック10は、例えば、四角形に構成されるエンドプレート20a、20bを端板として含む箱状ケーシング(図示せず)により一体的に保持され、あるいは、矢印A方向に延在する複数のタイロッド(図示せず)により一体的に締め付け保持される。
ターミナルプレート16a、16bの略中央には、積層方向外方に延在する端子部22a、22bが設けられる。端子部22a、22bは、絶縁性筒体24に挿入されてエンドプレート20a、20bの外部に突出する。絶縁プレート18a、18bは、絶縁性材料、例えば、ポリカーボネート(PC)やフェノール樹脂等で形成されている。
絶縁プレート18a、18bは、中央部に矩形状の凹部26a、26bが設けられるとともに、この凹部26a、26bの略中央に孔部28a、28bが形成される。凹部26a、26bには、ターミナルプレート16a、16bが収容され、前記ターミナルプレート16a、16bの端子部22a、22bが絶縁性筒体24を介装して孔部28a、28bに挿入される。エンドプレート20a、20bの略中央部には、孔部28a、28bと同軸的に孔部30a、30bが形成される。
発電セル12は、図4に示すように、電解質膜・電極構造体36と、前記電解質膜・電極構造体36を挟持する第1金属セパレータ38及び第2金属セパレータ40とを備える。第1金属セパレータ38及び第2金属セパレータ40は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板で構成されるが、例えば、カーボンセパレータを用いてもよい。
電解質膜・電極構造体36は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜42と、前記固体高分子電解質膜42を挟持するアノード電極44及びカソード電極46とを備える。アノード電極44は、カソード電極46及び固体高分子電解質膜42よりも小さな表面積を有している。なお、この構成に代えて、カソード電極46が、アノード電極44及び固体高分子電解質膜42よりも小さな表面積を有していてもよく、また、前記カソード電極46と前記アノード電極44とは、同一の表面積を有していてもよい。
アノード電極44及びカソード電極46は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子を前記ガス拡散層の表面に一様に塗布して形成される電極触媒層(図示せず)とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜42の両面に形成されている。
発電セル12の矢印B方向(図4中、水平方向)の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔50a、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔52a及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔54bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
発電セル12の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔54a、冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔52b及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔50bが、矢印C方向に配列して設けられる。
第2金属セパレータ40の電解質膜・電極構造体36に向かう面40aには、例えば、矢印B方向に延在する酸化剤ガス流路56が設けられる。この酸化剤ガス流路56は、酸化剤ガス供給連通孔50aと酸化剤ガス排出連通孔50bとに連通する。
図5に示すように、第1金属セパレータ38の電解質膜・電極構造体36に向かう面38aには、矢印B方向に延在する燃料ガス流路58が形成される。第1金属セパレータ38には、燃料ガス供給連通孔54aを燃料ガス流路58に連通するための複数の供給孔部59aと、前記燃料ガス流路58を燃料ガス排出連通孔54bに連通するための複数の排出孔部59bとが形成される。
図4に示すように、互いに隣接する第1金属セパレータ38の面38bと第2金属セパレータ40の面40bとの間には、冷却媒体供給連通孔52aと冷却媒体排出連通孔52bとに連通する冷却媒体流路60が形成される。この冷却媒体流路60は、例えば、矢印B方向に延在する。
図2〜図5に示すように、第1金属セパレータ38の面38a、38bには、この第1金属セパレータ38の外周端部を周回して、第1絶縁部材(シール部材)62が一体化されるとともに、第2金属セパレータ40の面40a、40bには、この第2金属セパレータ40の外周端部を周回して、第2絶縁部材(シール部材)64が一体化される。
第1絶縁部材62及び第2絶縁部材64には、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材が用いられる。
図5に示すように、第1絶縁部材62は、第1金属セパレータ38の面38aに内側シール部66aと外側シール部66bとを一体成形する。内側シール部66aは、燃料ガス流路58と供給孔部59a及び排出孔部59bとを覆う一方、外側シール部66bは、前記面38aの外周端部を覆っている。この外側シール部66bにより酸化剤ガス供給連通孔50a及び酸化剤ガス排出連通孔50bに連通する通路68a、68bが設けられている。
第1絶縁部材62は、図4に示すように、第1金属セパレータ38の面38bに内側シール部66cと外側シール部66dとを一体成形する。内側シール部66cは、冷却媒体流路60と冷却媒体供給連通孔52a及び冷却媒体排出連通孔52bとを覆って設けられる。冷却媒体流路60と冷却媒体供給連通孔52a及び冷却媒体排出連通孔52bとは、通路70a、70bを介して連通する。
第2絶縁部材64は、第2金属セパレータ40の面40aに一体成形される平面状シール部72aと、面40bに一体成形される平面状シール部72bとを有する。平面状シール部72aは、酸化剤ガス供給連通孔50aと酸化剤ガス排出連通孔50bとを酸化剤ガス流路56に連通する段差74a、74bを設ける。平面状シール部72bは、冷却媒体供給連通孔52a及び冷却媒体排出連通孔52bを冷却媒体流路60に連通するための段差76a、76bを設ける。
図1に示すように、エンドプレート20aは、酸化剤ガス供給連通孔50a、冷却媒体供給連通孔52a、燃料ガス排出連通孔54b、燃料ガス供給連通孔54a、冷却媒体排出連通孔52b及び酸化剤ガス排出連通孔50bに、それぞれ配管78が取り付けられる。配管78は、フランジ部80と円筒部82とを一体に設けるとともに、前記フランジ部80は、ねじ81がエンドプレート20aのねじ孔83に螺合されることにより、前記エンドプレート20aに固定される。
酸化剤ガス供給連通孔50aの入口側端部及び燃料ガス供給連通孔54aの入口側端部には、酸化剤ガス整流部材84及び燃料ガス整流部材86が設けられる。酸化剤ガス整流部材84及び燃料ガス整流部材86は、例えば、金属薄板(例えば、ステンレスやチタン等)を屈曲成形して構成される。また、酸化剤ガス整流部材84及び燃料ガス整流部材86は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルサルフォン(PES)等の樹脂製板部材により構成してもよい。
酸化剤ガス整流部材84の幅寸法(矢印C方向の寸法)H1は、酸化剤ガス供給連通孔50aの幅寸法H2と同一寸法(H1=H2)に設定される。燃料ガス整流部材86の幅寸法(矢印C方向の寸法)H3は、燃料ガス供給連通孔54aの幅寸法H4と同一寸法(H3=H4)に設定される。
図2に示すように、酸化剤ガス整流部材84は、酸化剤ガス供給連通孔50aに進入して配置され、酸化剤ガスの供給流通方向(矢印Fca方向)に沿って連通孔開口断面積を減少させる傾斜部88aと、前記傾斜部88aの先端に屈曲して設けられる補強部88bと、前記酸化剤ガス供給連通孔50aの外部に装着される板状部88cとを一体に設ける。なお、傾斜部88aの先端には、補強部88bが湾曲して設けられてもよい(図2中、二点鎖線参照)。
板状部88cは、燃料電池スタック10の互いに隣接する入口側端部構成部材間に、第1の実施形態では、絶縁プレート18aとエンドプレート20aとの間に、介装される。板状部88cとエンドプレート20a(又は絶縁プレート18a)とは、固定構造90により固定される。
固定構造90は、板状部88cに設けられる一体で構成される複数の突起部90aと、エンドプレート20a(又は絶縁プレート18a)に形成され、前記突起部90aが嵌合(係合)する1以上の穴部90bとを有する。なお、板状部88cに穴部を設ける一方、エンドプレート20a(又は絶縁プレート18a)に突起部を設けてもよい。
図3に示すように、燃料ガス整流部材86は、燃料ガス供給連通孔54aに進入して配置され、燃料ガスの供給流通方向(矢印Fan方向)に沿って連通孔開口断面積を減少させる傾斜部92aと、前記傾斜部92aの先端に屈曲して設けられる補強部92bと、前記燃料ガス供給連通孔54aの外部に装着される板状部92cとを一体に設ける。なお、傾斜部92aの先端には、補強部92bが湾曲して設けられてもよい(図3中、二点鎖線参照)。
板状部92cは、燃料電池スタック10の互いに隣接する入口側端部構成部材間に、第1の実施形態では、絶縁プレート18aとエンドプレート20aとの間に、介装される。板状部92cとエンドプレート20a(又は絶縁プレート18a)とは、固定構造94により固定される。
固定構造94は、板状部92cに設けられる一体で構成される複数の突起部94aと、エンドプレート20a(又は絶縁プレート18a)に形成され、前記突起部94aが嵌合(係合)する1以上の穴部94bとを有する。なお、板状部92cに穴部を設ける一方、エンドプレート20a(又は絶縁プレート18a)に突起部を設けてもよい。
上記のように構成される燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
先ず、図1及び図2に示すように、酸素含有ガス等の酸化剤ガスは、酸化剤ガス用の配管78に供給されることにより、燃料電池スタック10の酸化剤ガス供給連通孔50aに供給される。図1及び図3に示すように、水素含有ガス等の燃料ガスは、燃料ガス用の配管78に供給されることにより、燃料電池スタック10の燃料ガス供給連通孔54aに供給される。さらに、図1に示すように、純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体は、冷却媒体用の配管78に供給されることにより、燃料電池スタック10の冷却媒体供給連通孔52aに供給される。
酸化剤ガスは、図2及び図4に示すように、酸化剤ガス供給連通孔50aから第2金属セパレータ40の酸化剤ガス流路56に導入され、矢印B方向に移動して電解質膜・電極構造体36のカソード電極46に供給される。
一方、燃料ガスは、図3及び図4に示すように、燃料ガス供給連通孔54aから供給孔部59aを通って第1金属セパレータ38の燃料ガス流路58に導入される。燃料ガスは、燃料ガス流路58に沿って矢印B方向に移動し、電解質膜・電極構造体36のアノード電極44に供給される。
従って、各電解質膜・電極構造体36では、カソード電極46に供給される酸化剤ガスと、アノード電極44に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、カソード電極46に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔50bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、アノード電極44に供給されて消費された燃料ガスは、排出孔部59bを通り燃料ガス排出連通孔54bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体供給連通孔52aに供給された冷却媒体は、図4に示すように、第1金属セパレータ38と第2金属セパレータ40との間の冷却媒体流路60に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体36を冷却した後、冷却媒体排出連通孔52bから排出される。
この場合、第1の実施形態では、図2に示すように、酸化剤ガス整流部材84は、酸化剤ガス供給連通孔50aの入口側端部に配置され、酸化剤ガスの供給流通方向(矢印Fca方向)に沿って連通孔開口断面積を減少させる傾斜部88aを備えている。このため、傾斜部88aは、酸化剤ガス供給連通孔50aの上流側から流通する酸化剤ガスを入口側端部近傍で整流することができる。従って、特に、入口側端部に配置された発電セル12aに向かう酸化剤ガス流れを形成することが可能になる。これにより、積層されている各発電セル12の各酸化剤ガス流路56に対して酸化剤ガスを均等に供給することができる。
しかも、酸化剤ガス整流部材84の板状部88cは、酸化剤ガス供給連通孔50aの外部に装着されている。具体的には、板状部88cは、絶縁プレート18aとエンドプレート20aとの間に介装されている。このため、板状部88cは、互いに隣接する部材間、すなわち、絶縁プレート18aとエンドプレート20aとの間で容易且つ確実に挟持することが可能になる。従って、簡単且つコンパクトな構成で、酸化剤ガスを良好に整流することができる。
さらに、板状部88cとエンドプレート20a(又は絶縁プレート18a)とは、固定構造90により固定されている。固定構造90は、板状部88cに設けられる1以上の突起部90aと、エンドプレート20a(又は絶縁プレート18a)に形成され、前記突起部90aが嵌合する1以上の穴部90bとを有している。これにより、簡単な構成からなる固定構造90により、板状部88cを容易且つ確実に固定することが可能になる。
一方、図3に示すように、燃料ガス整流部材86は、燃料ガス供給連通孔54aの入口側端部に配置され、燃料ガスの供給流通方向(矢印Fan方向)に沿って連通孔開口断面積を減少させる傾斜部92aを備えている。このため、傾斜部92aは、燃料ガス供給連通孔54aの上流側から流通する燃料ガスを入口側端部近傍で整流することができる。従って、特に、入口側端部に配置された発電セル12aに向かう燃料ガス流れを形成することが可能になる。これにより、積層されている各発電セル12の各燃料ガス流路58に対して燃料ガスを均等に供給することができる。
しかも、燃料ガス整流部材86の板状部92cは、燃料ガス供給連通孔54aの外部に装着されている。具体的には、板状部92cは、絶縁プレート18aとエンドプレート20aとの間に介装されている。このため、板状部92cは、互いに隣接する部材間、すなわち、絶縁プレート18aとエンドプレート20aとの間で容易且つ確実に挟持することが可能になる。従って、簡単且つコンパクトな構成で、燃料ガスを良好に整流することができる。
さらに、板状部92cとエンドプレート20a(又は絶縁プレート18a)とは、固定構造94により固定されている。固定構造94は、板状部92cに設けられる1以上の突起部94aと、エンドプレート20a(又は絶縁プレート18a)に形成され、前記突起部94aが嵌合する1以上の穴部94bとを有している。これにより、簡単な構成からなる固定構造94により、板状部92cを容易且つ確実に固定することが可能になる。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池スタック100の一部断面説明図である。
なお、第2以降の実施形態では、酸化剤ガス供給連通孔50aのみについて説明するが、燃料ガス供給連通孔54aも、前記酸化剤ガス供給連通孔50aと同様に構成される。また、第1の実施形態に係る燃料電池スタック10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。さらにまた、以下に説明する第3以降の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
燃料電池スタック100は、積層体14の酸化剤ガス流れ方向上流側の端部に配設される発電セル12aを備えるとともに、前記発電セル12a内には、酸化剤ガス整流部材102が設けられる。酸化剤ガス整流部材102は、酸化剤ガス供給連通孔50aの入口側端部に進入して配置され、酸化剤ガスの供給流通方向(矢印Fca方向)に沿って連通孔開口断面積を減少させる傾斜部104aと、前記傾斜部104aの先端に屈曲して設けられる補強部104bと、前記酸化剤ガス供給連通孔50aの外部に装着される板状部104cとを一体に設ける。
板状部104cは、燃料電池スタック100の互いに隣接する入口側端部構成部材間に、第2の実施形態では、発電セル12aを構成する第1金属セパレータ38と第2金属セパレータ40との間に、各表面に一体で形成されたシール部材を介して介装される。板状部104cには、必要に応じて固定構造が設けられる。
このように構成される第2の実施形態では、簡単且つコンパクトな構成で、酸化剤ガスを良好に整流することが可能になる等、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池スタック110の一部断面説明図である。
燃料電池スタック110は、酸化剤ガス流れ方向上流側の端部に酸化剤ガス整流部材112を設ける。酸化剤ガス整流部材112は、エンドプレート20a、絶縁プレート18a及び積層体14の入口側の各酸化剤ガス供給連通孔50aに進入して配置され、酸化剤ガスの供給流通方向(矢印Fca方向)に沿って連通孔開口断面積を減少させる傾斜部114aと、前記傾斜部114aの先端に屈曲して設けられる補強部114bと、前記酸化剤ガス供給連通孔50aの外部に装着される板状部114cとを一体に設ける。
板状部114cは、燃料電池スタック110の互いに隣接する入口側端部構成部材間に、第3の実施形態では、エンドプレート20aと酸化剤ガス供給用の配管78との間に、シール部材116、118を伴って介装される。板状部114cには、必要に応じて固定構造が設けられる。
このように構成される第3の実施形態では、簡単且つコンパクトな構成で、酸化剤ガスを良好に整流することが可能になる等、上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。
しかも、燃料電池スタック110を組み付けた後、エンドプレート20aに配管78を取り付ける際、酸化剤ガス整流部材112を組み込むことができる。従って、酸化剤ガス整流部材112の取り付け作業が容易に遂行されるという利点がある。
図8には、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する酸化剤ガス整流部材120が示される。酸化剤ガス整流部材120は、酸化剤ガス供給連通孔50aの入口側端部に進入して配置され、酸化剤ガスの供給流通方向(矢印Fca方向)に沿って連通孔開口断面積を減少させる傾斜部122aと、前記酸化剤ガス供給連通孔50aの外部に装着される板状部122bとを一体に設ける。傾斜部122aは、矢印Fca方向に向かって肉厚になる楔形状を有する。
図9には、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する酸化剤ガス整流部材130が示される。酸化剤ガス整流部材130は、酸化剤ガス供給連通孔50aの入口側端部に進入して配置され、酸化剤ガスの供給流通方向(矢印Fca方向)に沿って連通孔開口断面積を減少させる傾斜部132aと、前記酸化剤ガス供給連通孔50aの外部に装着される板状部132bとを一体に設ける。酸化剤ガス整流部材130は、全体が薄板状を有し、所定の曲率で湾曲させることにより、傾斜部132aが形成される。
図10には、本発明の第6の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する酸化剤ガス整流部材140が示される。酸化剤ガス整流部材140は、酸化剤ガス供給連通孔50aの入口側端部に進入して配置され、酸化剤ガスの供給流通方向(矢印Fca方向)に沿って連通孔開口断面積を減少させる傾斜部142aと、前記酸化剤ガス供給連通孔50aの外部に装着される板状部142bとを一体に設ける。傾斜部142aは、断面V字状を有するとともに、矢印Fca方向に向かって酸化剤ガス供給連通孔50a内に傾斜する。
図11には、本発明の第7の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する酸化剤ガス整流部材150が示される。酸化剤ガス整流部材150は、酸化剤ガス供給連通孔50aの入口側端部に進入して配置され、酸化剤ガスの供給流通方向(矢印Fca方向)に沿って連通孔開口断面積を減少させる傾斜部152aと、前記傾斜部152aの先端に屈曲して設けられる補強部152bと、前記酸化剤ガス供給連通孔50aの外部に装着される板状部152cとを一体に設ける。板状部152cは、酸化剤ガス供給連通孔50aの外部に3方向に突出しており、該3方向で挟み込まれる。
図12には、本発明の第8の実施形態に係る燃料電池スタックを構成する酸化剤ガス整流部材160が示される。酸化剤ガス整流部材160は、側部には、それぞれリブ162a、162bが設けられるとともに(図12及び図13参照)、その他は、酸化剤ガス整流部材84と同様に構成されている。
このように構成される第4〜第8の実施形態では、上記の第1〜第3の実施形態と同様の効果が得られる。
10、100、110…燃料電池スタック
12、12a…発電セル 14…積層体
20a、20b…エンドプレート 36…電解質膜・電極構造体
38、40…金属セパレータ 42…固体高分子電解質膜
44…アノード電極 46…カソード電極
50a…酸化剤ガス供給連通孔 50b…酸化剤ガス排出連通孔
52a…冷却媒体供給連通孔 52b…冷却媒体排出連通孔
54a…燃料ガス供給連通孔 54b…燃料ガス排出連通孔
56…酸化剤ガス流路 58…燃料ガス流路
60…冷却媒体流路 78…配管
84、102、112、120、130、140、150、160…酸化剤ガス整流部材
86…燃料ガス整流部材
88a、92a、104a、114a、122a、132a、142a、152a…傾斜部
88b、92b、104b、114b、152b…補強部
88c、92c、104c、114c、122b、132b、142b、152c…板状部
90、94…固定構造 90a、94a…突起部
90b、94b…穴部 162a、162b…リブ
12、12a…発電セル 14…積層体
20a、20b…エンドプレート 36…電解質膜・電極構造体
38、40…金属セパレータ 42…固体高分子電解質膜
44…アノード電極 46…カソード電極
50a…酸化剤ガス供給連通孔 50b…酸化剤ガス排出連通孔
52a…冷却媒体供給連通孔 52b…冷却媒体排出連通孔
54a…燃料ガス供給連通孔 54b…燃料ガス排出連通孔
56…酸化剤ガス流路 58…燃料ガス流路
60…冷却媒体流路 78…配管
84、102、112、120、130、140、150、160…酸化剤ガス整流部材
86…燃料ガス整流部材
88a、92a、104a、114a、122a、132a、142a、152a…傾斜部
88b、92b、104b、114b、152b…補強部
88c、92c、104c、114c、122b、132b、142b、152c…板状部
90、94…固定構造 90a、94a…突起部
90b、94b…穴部 162a、162b…リブ
Claims (3)
- 電解質の両側に電極が配設される電解質・電極構造体とセパレータとを有する発電セルが積層されるとともに、前記セパレータには、発電面に沿って少なくとも燃料ガス又は酸化剤ガスである反応ガスを流す反応ガス流路と、前記反応ガス流路に連通し且つ積層方向に貫通する反応ガス供給連通孔及び反応ガス排出連通孔とが形成される燃料電池スタックであって、
前記反応ガス供給連通孔の入口側端部には、反応ガス整流部材が設けられるとともに、
前記反応ガス整流部材は、前記反応ガス供給連通孔に進入して配置され、前記反応ガスの供給流通方向に沿って連通孔開口断面積を減少させる傾斜部と、
前記傾斜部に一体に設けられ、前記反応ガス供給連通孔の外部に装着される板状部と、
を備えることを特徴とする燃料電池スタック。 - 請求項1記載の燃料電池スタックにおいて、前記板状部は、前記燃料電池スタックの互いに隣接する入口側端部構成部材間に介装されることを特徴とする燃料電池スタック。
- 請求項2記載の燃料電池スタックにおいて、前記板状部を前記入口側端部構成部材間に固定するために、互いに係合する孔部及び突起部を有する固定構造を備えることを特徴とする燃料電池スタック。
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JP2012019732A JP2013161524A (ja) | 2012-02-01 | 2012-02-01 | 燃料電池スタック |
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JP2015173093A (ja) * | 2014-02-20 | 2015-10-01 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池スタック |
JP2015191841A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池スタック |
JP2019145427A (ja) * | 2018-02-23 | 2019-08-29 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池システム |
-
2012
- 2012-02-01 JP JP2012019732A patent/JP2013161524A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015173093A (ja) * | 2014-02-20 | 2015-10-01 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池スタック |
JP2015191841A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池スタック |
JP2019145427A (ja) * | 2018-02-23 | 2019-08-29 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池システム |
JP7006365B2 (ja) | 2018-02-23 | 2022-02-10 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池システム |
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