JP2007226991A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電部分の面積効率を有効に向上させることができ、しかも面内反応分布の均一性及び排水性の向上を図ることを可能にする。
【解決手段】第1及び第2金属セパレータ24、26が重なり合う際に、第1及び第2凸状部50、64間に複数の冷却媒体流路溝70aを有する冷却媒体流路70が形成される。冷却媒体供給連通孔32a近傍には、蛇行凸状部52a、66aが互いの位相を異にして積層されることにより、前記冷却媒体供給連通孔32aと冷却媒体流路溝70aとを連結する入口側冷却媒体連結部72aが設けられる。冷却媒体排出連通孔32bの近傍には、同様に蛇行凸状部52b、66bが互いの位相を異にして積層されることにより、出口側冷却媒体連結部72bが設けられる。
【選択図】図5

Description

本発明は、電解質の両側にアノード側電極及びカソード側電極が設けられた電解質・電極構造体と、金属セパレータとが積層される燃料電池に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。この燃料電池は、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒(電極触媒層)と多孔質カーボン(拡散層)からなるアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持する発電セル(単位セル)により構成されている。通常、燃料電池では、この発電セルを所定の数だけ積層した燃料電池スタックが使用されている。
上記の燃料電池では、セパレータとして、例えば、薄板状の金属製プレートで構成される金属セパレータが使用される場合がある。この金属セパレータでは、プレス加工によって一方の面に反応ガス流路(燃料ガス流路又は酸化剤ガス流路)が形成されると、他方の面には、前記反応ガス流路の形状により決定された冷却媒体流路(又は他の反応ガス流路)が形成されることになる。このため、反応ガス流路の形状によっては、冷却媒体流路に沿って冷却媒体を良好に流すことができないという問題がある。
そこで、特許文献1に開示されている燃料電池では、電解質・電極接合体と交互に積層されるセパレータが、少なくとも互いに積層される第1及び第2金属プレートを備えている。第1金属プレートは、アノード側電極の面方向に沿って燃料ガスを供給し且つ屈曲する流路を含む燃料ガス流路を設ける一方、第2金属プレートは、カソード側電極の面方向に沿って酸化剤ガスを供給し且つ屈曲する流路を含む酸化剤ガス流路を設けている。
そして、第1及び第2金属プレート間には、冷却媒体入口連通孔に連通する2以上の入口バッファ部と、冷却媒体出口連通孔に連通する2以上の出口バッファ部と、セパレータ面方向に沿って延在し前記2以上の入口バッファ部と前記2以上の出口バッファ部とを連通する直線状流路溝とを備える冷却媒体流路が設けられている。
このため、第1及び第2金属プレート間では、冷却媒体入口連通孔から2以上の入口バッファ部に冷却媒体が分割して供給された後、直線状流路溝を通って2以上の出口バッファ部に導入され、さらに冷却媒体出口連通孔に排出される。従って、冷却媒体は、セパレータ面内を均一に流れることができ、電極面を均一に冷却して安定した発電性能を得ることが可能になる。
特開2004−152498号公報(図4)
本発明は、この種の金属セパレータを用いる燃料電池に関するものであり、特に発電部分の面積効率を有効に向上させることができ、しかも面内反応分布の均一性及び排水性に優れる燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、電解質の両側にアノード側電極及びカソード側電極が設けられた電解質・電極構造体と、縦長の長方形状を有する金属セパレータとが交互に積層される燃料電池に関するものである。
金属セパレータは、アノード側電極に向かう面に上下方向に延在する燃料ガス流路を設け、且つ、カソード側電極に向かう面に上下方向に延在する酸化剤ガス流路を設けるとともに、積層方向に互いに重なり合う前記金属セパレータ間には、上下方向に延在する冷却媒体流路が形成されている。そして、金属セパレータの上下両端には、燃料ガス連通孔、酸化剤ガス連通孔及び冷却媒体連通孔が積層方向に貫通して形成されている。
燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路は、燃料ガス連通孔及び酸化剤ガス連通孔との連通領域に、少なくとも一部が屈曲乃至湾曲する燃料ガス連結部及び酸化剤ガス連結部を設けている。一方、冷却媒体流路と冷却媒体連通孔との連通領域には、燃料ガス連結部及び酸化剤ガス連結部の反対側に突出する凸状部同士が互いの位相又はピッチを異にして積層されることによって冷却媒体連結部が設けられている。
また、本発明は、電解質の両側にアノード側電極及びカソード側電極が設けられた電解質・電極構造体と、横長の長方形状を有する金属セパレータとが交互に積層される燃料電池に関するものである。
金属セパレータは、アノード側電極に向かう面に水平方向に延在する燃料ガス流路を設け、且つ、カソード側電極に向かう面に水平方向に延在する酸化剤ガス流路を設けるとともに、前記金属セパレータの左右両端には、燃料ガス連通孔及び酸化剤ガス連通孔が積層方向に貫通して形成されている。
燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路は、燃料ガス連通孔及び酸化剤ガス連通孔との連通領域に、少なくとも一部が屈曲乃至湾曲する燃料ガス連結部及び酸化剤ガス連結部を設けている。そして、燃料ガス連通孔、燃料ガス連結部及び燃料ガス流路の燃料ガス流れ方向は、水平方向乃至下方向にのみ設定される一方、酸化剤ガス連通孔、酸化剤ガス連結部及び酸化剤ガス流路の酸化剤ガス流れ方向は、水平方向乃至下方向にのみ設定されている。
本発明によれば、燃料ガス連通孔と燃料ガス流路との間、及び酸化剤ガス連通孔と酸化剤ガス流路との間に、バッファ部が設けられていないため、発電部分の面積効率を有効に向上させることができるとともに、液滴の滞留が阻止されて良好な排水性を得ることが可能になる。
しかも、燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路は、上下方向に延在しており、生成水を円滑且つ確実に排出させることができる。さらに、冷却媒体流路と冷却媒体連通孔とは、冷却媒体連結部を介して有効に連通するため、冷却媒体の滞留を良好に阻止することが可能になる。
また、本発明によれば、燃料ガス連通孔、燃料ガス連結部及び燃料ガス流路の燃料ガス流れ方向が、水平方向乃至下方向にのみ設定されるため、発電面内に水滴が滞留することがなく、良好な排水性を確保することができる。同様に、酸化剤ガス連通孔、酸化剤ガス連結部及び酸化剤ガス流路の酸化剤ガス流れ方向が、水平方向乃至下方向にのみ設定されるため、生成水が発電面内から円滑且つ確実に排出可能になる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10の概略斜視説明図であり、図2は、前記燃料電池10を構成する発電セル12の要部分解斜視図である。
燃料電池10は、複数の発電セル12を矢印A方向に積層した積層体14を備える。積層体14の積層方向両端には、ターミナルプレート16a、16b、絶縁プレート18a、18b及びエンドプレート20a、20bが配設されており、前記エンドプレート20a、20b間には、所定の締め付け荷重が付与されている。なお、燃料電池10は、積層体14を図示しない箱状のケーシング内に収容して構成してもよい。
図2に示すように、発電セル12は、電解質膜(電解質)・電極構造体22と、前記電解質膜・電極構造体22を挟持する第1及び第2金属セパレータ24、26とを備える。第1及び第2金属セパレータ24、26は、縦長の長方形状を有する金属製プレートで構成されている。
発電セル12の矢印C方向の一端縁部(上端縁部)には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔30a、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔32a、及び燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔34aが、矢印B方向に配列して設けられる。
発電セル12の矢印C方向の他端縁部(下端縁部)には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔30b、冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔32b、及び燃料ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔34bが、矢印B方向に配列して設けられる。
電解質膜・電極構造体22は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜36と、該固体高分子電解質膜36を挟持するアノード側電極38及びカソード側電極40とを備える。
アノード側電極38及びカソード側電極40は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布して形成される電極触媒層(図示せず)とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜36の両面に形成される。
図3に示すように、第1金属セパレータ24の電解質膜・電極構造体22側の面24aには、燃料ガス供給連通孔34aと燃料ガス排出連通孔34bとに連通する燃料ガス流路42が形成される。
燃料ガス流路42は、上下方向(矢印C方向)に延在する複数の燃料ガス流路溝42aを有するとともに、前記燃料ガス流路溝42aは、上下両端で3本ずつ入口側燃料ガス連結部44aと出口側燃料ガス連結部44bとに合流する。
入口側燃料ガス連結部44aは、燃料ガス供給連通孔34aと燃料ガス流路42とを連通しており、少なくとも一部が上下に屈曲して、すなわち、ジグザグに矢印B方向に蛇行する蛇行溝部46aと、略90゜屈曲する屈曲溝部48aとを有する。蛇行溝部46aは、冷却媒体供給連通孔32aの下方に位置し且つ前記冷却媒体供給連通孔32aに近接して多段に設けられる。
出口側燃料ガス連結部44bは、燃料ガス排出連通孔34bと燃料ガス流路42とを連通しており、少なくとも一部が上下に屈曲して、すなわち、ジグザグに矢印B方向に蛇行する蛇行溝部46bと、略90゜屈曲する屈曲溝部48bとを有する。蛇行溝部46bは、冷却媒体排出連通孔32bの上方に位置し且つ前記冷却媒体排出連通孔32bに近接して多段に設けられる。
燃料ガス流路42の裏面側には、すなわち、第1金属セパレータ24の面24b側には、図2に示すように、各燃料ガス流路溝42aを設けることによって前記面24b側に突出する複数の長尺な第1凸状部50が形成される。面24b側には、蛇行溝部46a、46bに対応して蛇行凸状部52a、52bと、屈曲溝部48a、48bに対応して屈曲溝部54a、54bが形成される。
第2金属セパレータ26の電解質膜・電極構造体22側の面26aには、酸化剤ガス供給連通孔30aと酸化剤ガス排出連通孔30bとに連通する酸化剤ガス流路56が形成される。
酸化剤ガス流路56は、上下方向(矢印C方向)に延在する複数の酸化剤ガス流路溝56aを有するとともに、前記酸化剤ガス流路溝56aは、上下両端で3本ずつ入口側酸化剤ガス連結部58aと出口側酸化剤ガス連結部58bとに合流する。
入口側酸化剤ガス連結部58aは、酸化剤ガス供給連通孔30aと酸化剤ガス流路56とを連通しており、少なくとも一部が上下に屈曲して、すなわち、ジグザグに矢印B方向に蛇行する蛇行溝部60aと、略90゜屈曲する屈曲溝部62aとを有する。蛇行溝部60aは、冷却媒体供給連通孔32aの下方に位置し且つ前記冷却媒体供給連通孔32aに近接して多段に設けられる。
出口側酸化剤ガス連結部58bは、酸化剤ガス排出連通孔30bと酸化剤ガス流路56とを連通しており、少なくとも一部が上下に屈曲して、すなわち、ジグザグに矢印B方向に蛇行する蛇行溝部60bと、略90゜屈曲する屈曲溝部62bとを有する。蛇行溝部60bは、冷却媒体排出連通孔32bの上方に位置し且つ前記冷却媒体排出連通孔32bに近接して多段に設けられる。
酸化剤ガス流路56の裏面側には、すなわち、第2金属セパレータ26の面26b側には、図4に示すように、各酸化剤ガス流路溝56aを設けることによって前記面26b側に突出する複数の長尺な第2凸状部64が形成される。面26b側には、蛇行溝部60a、60bに対応して蛇行凸状部66a、66bと、屈曲溝部62a、62bに対応して屈曲溝部68a、68bが形成される。
第1金属セパレータ24の面24aと第2金属セパレータ26の面26bとが重ね合わされることにより、第1及び第2金属セパレータ24、26間には、冷却媒体流路70が形成される。
図5に示すように、冷却媒体流路70は、第1及び第2凸状部50、64が当接することによって、これらの間に矢印C方向に延在して形成される複数の冷却媒体流路溝70aを有する。
図5及び図6に示すように、冷却媒体流路70と冷却媒体供給連通孔32aとの連通領域には、蛇行凸状部52a、66aが互いの位相を異にして(又は互いのピッチを異にして)積層されることによって、入口側冷却媒体連結部72aが設けられる。冷却媒体流路70と冷却媒体排出連通孔32bとの連通領域には、蛇行凸状部52b、66bが互いの位相を異にして(又はピッチを異にして)積層されることによって、出口側冷却媒体連結部72bが設けられる。
図2に示すように、第1金属セパレータ24の面24a、24bには、この第1金属セパレータ24の外周端縁部を周回して第1シール部材74が一体成形される。第2金属セパレータ26の面26a、26bには、同様にこの第2金属セパレータ26の外周端縁部を周回して第2シール部材76が一体成形される。
このように構成される燃料電池10の動作について、以下に説明する。
燃料電池10内には、空気等の酸素含有ガスである酸化剤ガス、水素含有ガス等の燃料ガス、及び純水やエチレングリコール等の冷却媒体が供給される。このため、図2に示すように、酸化剤ガス供給連通孔30aから第2金属セパレータ26の入口側酸化剤ガス連結部58aに酸化剤ガスが導入される。この酸化剤ガスは、入口側酸化剤ガス連結部58aに連通する酸化剤ガス流路56に供給され、各酸化剤ガス流路溝56aを流れることにより、電解質膜・電極構造体22を構成するカソード側電極40に沿って鉛直下方向に移動する。
一方、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔34aから第1金属セパレータ24の入口側燃料ガス連結部44aに導入される。図3に示すように、燃料ガスは、入口側燃料ガス連結部44aに連通する燃料ガス流路42に供給され、各燃料ガス流路溝42aを流れることにより、電解質膜・電極構造体22を構成するアノード側電極38に沿って鉛直下方向に移動する。
従って、電解質膜・電極構造体22では、カソード側電極40に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極38に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
カソード側電極40に供給されて消費された酸化剤ガスは、出口側酸化剤ガス連結部58bから酸化剤ガス排出連通孔30bに沿って矢印A方向に排出される(図2参照)。同様に、アノード側電極38に供給されて消費された燃料ガスは、出口側燃料ガス連結部44bから燃料ガス排出連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される(図3参照)。
また、冷却媒体供給連通孔32aに供給された冷却媒体は、第1及び第2金属セパレータ24、26間の入口側冷却媒体連結部72aに導入される(図5参照)。この冷却媒体は、入口側冷却媒体連結部72aに連通する冷却媒体流路54に供給された後、鉛直下方向に流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体22を冷却した後、出口側冷却媒体連結部72bから冷却媒体排出連通孔32bに排出される。
この場合、第1の実施形態では、図3に示すように、燃料ガス流路42は、入口側燃料ガス連結部44a及び出口側燃料ガス連結部44bを介して燃料ガス供給連通孔34a及び燃料ガス排出連通孔34bに直接連結されている。同様に、酸化剤ガス流路56は、図2に示すように、入口側酸化剤ガス連結部58a及び出口側酸化剤ガス連結部58bを介して酸化剤ガス供給連通孔30a及び酸化剤ガス排出連通孔30bに直接連結されている。
このため、第1及び第2金属セパレータ24、26の面内には、バッファ部が設けられておらず、発電部分の面積効率を有効に向上させることができるとともに、液滴の滞留が阻止されて良好な排出性を得ることが可能になるという効果が得られる。
しかも、燃料ガス流路42及び酸化剤ガス流路56は、上下方向に延在しており、鉛直下方向に向かって流動している。従って、酸化剤ガス中に含まれる生成水や燃料ガス中に含まれる水滴(逆拡散水)を、発電領域から円滑且つ確実に排出させることができ、良好な発電が容易に遂行可能になる。
さらに、図5及び図6に示すように、第1金属セパレータ24の面24bと第2金属セパレータ26の面26bとが重なり合う際に、蛇行溝部46a、46bに対応する蛇行凸状部52a、52bと、蛇行溝部60a、60bに対応する蛇行凸状部66a、66bとは、互いの位相を異にして積層されている。
このため、冷却媒体供給連通孔32a及び冷却媒体排出連通孔32bと冷却媒体流路70とは、入口側冷却媒体連結部72a及び出口側冷却媒体連結部72bを介して良好に連通している。これにより、第1及び第2金属セパレータ24、26間で冷却媒体が滞留することを良好に阻止することが可能になり、冷却効率の向上が容易に図られる。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セル80の要部分解斜視図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池10を構成する発電セル12と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
発電セル80は、電解質膜・電極構造体22を挟持する第1及び第2金属セパレータ82、84を備える。第1金属セパレータ82の電解質膜・電極構造体22側の面82aには、燃料ガス流路86が形成される。燃料ガス流路86は、上下方向に延在する複数の燃料ガス流路溝86aを有するとともに、各燃料ガス流路溝86aは、上下両端で入口側燃料ガス連結部44aと出口側燃料ガス連結部44bとに連結される。
第1金属セパレータ82の面82bには、各燃料ガス流路溝86aを設けることにより、前記面82b側に突出する複数の長尺な第1凸状部88が形成される。
第2金属セパレータ84の電解質膜・電極構造体22側の面84aには、酸化剤ガス流路90が形成される。酸化剤ガス流路90は、上下方向に延在する複数の酸化剤ガス流路溝90aを有するとともに、各酸化剤ガス流路溝90aの上下両端は、入口側酸化剤ガス連結部58aと出口側酸化剤ガス連結部58bとに連結される。第2金属セパレータ84の面84bには、各酸化剤ガス流路溝90aを設けることによって、前記面84b側に突出する複数の長尺な第2凸状部92が形成される。
図8に示すように、第1及び第2金属セパレータ82、84が重なり合うことによって、これらの間には、冷却媒体流路94が形成される。冷却媒体流路94は、第1及び第2凸状部88、92が当接することによって矢印C方向に延在する複数の冷却媒体流路溝94aを有する。
このように構成される第2の実施形態では、燃料ガス流路86と燃料ガス供給連通孔34a及び燃料ガス排出連通孔34bとの間、酸化剤ガス流路90と酸化剤ガス供給連通孔30a及び酸化剤ガス排出連通孔30bとの間に、バッファ部が設けられていない。このため、発電部分の面積効率を有効に向上させるとともに、液滴の滞留が阻止される等、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図9は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セル100の要部分解斜視図である。
発電セル100は、電解質膜・電極構造体102と前記電解質膜・電極構造体102を挟持する第1及び第2金属セパレータ104、106とを備える。第1及び第2金属セパレータ104、106は、横長の長方形状を有する金属製プレートで構成されている。
発電セル100の矢印B方向(水平方向)の一端縁部には、酸化剤ガス供給連通孔30a、冷却媒体供給連通孔32a及び燃料ガス排出連通孔34bが矢印C方向に配列して設けられる。発電セル100の矢印C方向の他端縁部には、燃料ガス供給連通孔34a、冷却媒体排出連通孔32b及び酸化剤ガス排出連通孔30bが矢印C方向に配列して設けられる。
図10に示すように、第1金属セパレータ104の電解質膜・電極構造体102側の面104aには、燃料ガス流路42が形成される。燃料ガス流路42は、水平方向(矢印B方向)に延在する複数の燃料ガス流路溝42aを有するとともに、前記燃料ガス流路溝42aは、左右両端で3本ずつ入口側燃料ガス連結部44aと出口側燃料ガス連結部44bとに合流する。
面104a内では、燃料ガスの流れ方向に沿って、すなわち、燃料ガス供給連通孔34aに連通する入口側燃料ガス連結部44a、燃料ガス流路溝42a及び燃料ガス排出連通孔34bに連通する出口側燃料ガス連結部44bに沿う燃料ガス流れ方向は、水平方向乃至下方向にのみ設定される。
図9に示すように、第2金属セパレータ106の電解質膜・電極構造体102側の面106aには、酸化剤ガス流路56が形成される。酸化剤ガス流路56は、水平方向に延在する複数の酸化剤ガス流路溝56aを有するとともに、前記酸化剤ガス流路溝56aは、左右両端で3本ずつ入口側酸化剤ガス連結部58aと出口側酸化剤ガス連結部58bとに合流する。
面106a内では、入口側酸化剤ガス連結部58a、酸化剤ガス流路溝56a及び出口側酸化剤ガス連結部58bに沿う酸化剤ガス流れ方向は、水平方向乃至下方向にのみ設定される。
このように構成される第3の実施形態では、燃料ガス供給連通孔34aから入口側燃料ガス連結部44aに導入される燃料ガスは、この入口側燃料ガス連結部44a、各燃料ガス流路溝42a及び出口側燃料ガス連結部44bを介して燃料ガス排出連通孔34bに至るまで、燃料ガス流れ方向が水平方向乃至下方向にのみ設定されている。従って、燃料ガスが流れる発電面内には、水滴が滞留することはない。
一方、酸化剤ガス供給連通孔30aから入口側酸化剤ガス連結部58aに導入される酸化剤ガスは、この入口側酸化剤ガス連結部58a、酸化剤ガス流路溝56a及び出口側酸化剤ガス連結部58bを介して酸化剤ガス排出連通孔30bに排出されるまで、酸化剤ガス流れ方向が水平方向乃至下方向にのみ設定されている。このため、酸化剤ガスが流れる発電面内には、水滴が滞留することはない。
これにより、第3の実施形態では、燃料ガス及び酸化剤ガスに含まれる水分は、発電面内から円滑且つ確実に排出されるという効果が得られる。
さらに、燃料ガス流路42を流れる燃料ガスと酸化剤ガス流路56を流れる酸化剤ガスとは、矢印B方向に対して対向流に設定されている。従って、電解質膜・電極構造体102の発電面における反応分布を均一化することができるという利点がある。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の概略斜視説明図である。 前記燃料電池を構成する発電セルの要部分解斜視図である。 前記発電セルを構成する第1金属セパレータの正面図である。 前記発電セルを構成する第2金属セパレータの正面図である。 前記第1及び第2金属セパレータ間に形成される冷却媒体流路の説明図である。 入口側冷却媒体連結部及び出口側冷却媒体連結部の斜視説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セルの要部分解斜視図である。 前記燃料電池を構成する冷却媒体流路の説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セルの要部分解斜視図である。 前記発電セルを構成する第1金属セパレータの正面図である。
符号の説明
10…燃料電池 12、80、100…発電セル
14…積層体 22、102…電解質膜・電極構造体
24、26、82、84、104、106…金属セパレータ
30a…酸化剤ガス供給連通孔 30b…酸化剤ガス排出連通孔
32a…冷却媒体供給連通孔 32b…冷却媒体排出連通孔
34a…燃料ガス供給連通孔 34b…燃料ガス排出連通孔
36…固体高分子電解質膜 38…アノード側電極
40…カソード側電極 42、86…燃料ガス流路
42a、86a…燃料ガス流路溝 44a、44b…燃料ガス連結部
46a、46b、60a、60b…蛇行溝部
48a、48b、54a、54b、62a、62b、68a、68b…屈曲溝部
50、64、88、92…凸状部
52a、52b、66a、66b…蛇行凸状部
58a、58a…酸化剤ガス連結部
56、90…酸化剤ガス流路 56a、90a…酸化剤ガス流路溝
70、94…冷却媒体流路 70a、94a…冷却媒体流路溝
72a、72b…冷却媒体連結部

Claims (2)

  1. 電解質の両側にアノード側電極及びカソード側電極が設けられた電解質・電極構造体と、縦長の長方形状を有する金属セパレータとが交互に積層される燃料電池であって、
    前記金属セパレータは、前記アノード側電極に向かう面に上下方向に延在する燃料ガス流路を設け、且つ、前記カソード側電極に向かう面に上下方向に延在する酸化剤ガス流路を設けるとともに、
    積層方向に互いに重なり合う前記金属セパレータ間には、上下方向に延在する冷却媒体流路が形成され、
    前記金属セパレータの上下両端には、燃料ガス連通孔、酸化剤ガス連通孔及び冷却媒体連通孔が積層方向に貫通して形成されており、
    前記燃料ガス流路及び前記酸化剤ガス流路は、前記燃料ガス連通孔及び前記酸化剤ガス連通孔との連通領域に、少なくとも一部が屈曲乃至湾曲する燃料ガス連結部及び酸化剤ガス連結部を設け、
    前記冷却媒体流路と前記冷却媒体連通孔との連通領域には、前記燃料ガス連結部及び前記酸化剤ガス連結部の反対側に突出する凸状部同士が互いの位相又はピッチを異にして積層されることによって冷却媒体連結部が設けられることを特徴とする燃料電池。
  2. 電解質の両側にアノード側電極及びカソード側電極が設けられた電解質・電極構造体と、横長の長方形状を有する金属セパレータとが交互に積層される燃料電池であって、
    前記金属セパレータは、前記アノード側電極に向かう面に水平方向に延在する燃料ガス流路を設け、且つ、前記カソード側電極に向かう面に水平方向に延在する酸化剤ガス流路を設けるとともに、
    前記金属セパレータの左右両端には、燃料ガス連通孔及び酸化剤ガス連通孔が積層方向に貫通して形成されており、
    前記燃料ガス流路及び前記酸化剤ガス流路は、前記燃料ガス連通孔及び前記酸化剤ガス連通孔との連通領域に、少なくとも一部が屈曲乃至湾曲する燃料ガス連結部及び酸化剤ガス連結部を設け、
    前記燃料ガス連通孔、前記燃料ガス連結部及び前記燃料ガス流路の燃料ガス流れ方向は、水平方向乃至下方向にのみ設定される一方、
    前記酸化剤ガス連通孔、前記酸化剤ガス連結部及び前記酸化剤ガス流路の酸化剤ガス流れ方向は、水平方向乃至下方向にのみ設定されることを特徴とする燃料電池。
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