JP2011165570A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単且つコンパクトな構成で、金属セパレータの腐食を良好に抑制することを可能にする。
【解決手段】燃料電池10は、電解質膜・電極構造体12と第1金属セパレータ14及び第2金属セパレータ16とを備える。第1金属セパレータ14は、金属薄板32上に第1シール部材33が一体に射出成形されるとともに、第2金属セパレータ16は、金属薄板34上に第2シール部材35が一体に射出成形される。第1金属セパレータ14は、冷却媒体供給連通孔20aを形成する内周面32aから両方のセパレータ金属面の少なくとも一部を被覆して絶縁部材33aを設けるとともに、前記絶縁部材33aの外周には、前記冷却媒体供給連通孔20aを周回し前記セパレータ金属面を露出させて金属露出面32b、32cが設けられる。
【選択図】図2

Description

電解質の両側に一対の電極が設けられる電解質・電極構造体と金属セパレータとが積層されるとともに、前記金属セパレータには、積層方向に貫通して少なくとも燃料ガス、酸化剤ガス又は冷却媒体のいずれかの流体が流通する流体連通孔が形成される燃料電池に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を、一対のセパレータによって挟持した単位セルを備えている。この種の燃料電池は、通常、所定の数の単位セルを積層することにより、車載用燃料電池スタックとして使用されている。
この種の燃料電池は、通常、車載用として使用される際、所望の発電力を得るために、所定数(例えば、数十〜数百)の単位セルを積層した燃料電池スタックとして使用されている。その際、燃料電池スタックは、一般的に、セパレータの面内に発電面に沿って燃料ガス、酸化剤ガス及び冷却媒体である各流体を流す流体流路と、前記流体流路に連通し、単位セルの積層方向に貫通する流体連通孔とを設ける、所謂、内部マニホールドを採用している。
この場合、セパレータとして金属セパレータが用いられる際、流体連通孔に存在する凝縮水を介して、高電位側の単位セルを構成するセパレータに腐食が発生し易い。これにより、金属セパレータが腐食し、金属イオンの溶出により前記セパレータの薄肉化(穴あき)が生じるという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池スタックが知られている。この燃料電池スタックでは、図10に示すように、複数の燃料電池1が積層されるとともに、前記燃料電池1は、MEA2とセパレータ3との積層体から構成されている。
MEA2は、電解質膜2aと、この電解質膜2aの両面に配置されるアノード電極2b及びカソード電極2cとからなっている。セパレータ3は、メタルセパレータ3aと樹脂フレーム3bとの組み合わせより構成されるとともに、前記メタルセパレータ3aは、SUS材等により構成されている。燃料電池1の積層方向に貫通して冷媒マニホールド4が形成されるとともに、前記冷媒マニホールド4は、冷媒流路5に連通している。
燃料電池スタックでは、メタルセパレータ3aの表面材よりも腐食し易い犠牲部材6が設けられている。この犠牲部材6は、冷媒流路5を流れる冷媒と、冷媒マニホールド4を流れる冷媒との、少なくとも一方に接するように設けられている。
従って、犠牲部材6は、メタルセパレータ3aと導通するため、前記メタルセパレータ3aの腐食が抑制されて、電池の性能を阻害することを防止することができる、としている。
特開2007−87766号公報
しかしながら、上記の特許文献1では、燃料電池スタックに、セパレータ3の表面材よりも腐食し易い材料からなるプレート状の犠牲部材6が設けられているため、部品点数が増加するとともに、製造費が高騰するという問題がある。
しかも、燃料電池スタック全体が積層方向に大型化するとともに、重量物となる。これにより、特に車載用として狭小なスペースに好適に配置することができないという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単且つコンパクトな構成で、金属セパレータの腐食を良好に抑制することが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、電解質の両側に一対の電極が設けられる電解質・電極構造体と金属セパレータとが積層されるとともに、前記金属セパレータには、積層方向に貫通して少なくとも燃料ガス、酸化剤ガス又は冷却媒体のいずれかの流体が流通する流体連通孔が形成される燃料電池に関するものである。
金属セパレータは、流体連通孔を形成するセパレータ内周面から両方のセパレータ金属面の少なくとも一部を被覆して絶縁部材を設けるとともに、前記絶縁部材の外周には、前記流体連通孔を周回して少なくとも一方の前記セパレータ金属面を露出させて金属露出面が設けられている。
また、この燃料電池は、金属露出面の外周を周回して絶縁部材が設けられることが好ましい。
本発明によれば、絶縁部材の外周には、流体連通孔を周回して少なくとも一方のセパレータ金属面を露出させて金属露出面が設けられている。このため、絶縁部材の外周には、一定の範囲にわたって金属露出面を露出させることができ、金属セパレータの特定の部位に腐食電流が集中することを阻止することが可能になる。これにより、簡単且つコンパクトな構成で、金属セパレータの腐食を良好に抑制することができ、前記金属セパレータの耐久性の向上が容易に図られる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の要部分解斜視説明図である。 前記燃料電池の、図1中、II−II線断面説明図である。 前記燃料電池を構成する第1金属セパレータの正面の説明図である。 前記燃料電池を構成する第2金属セパレータの正面の説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の要部断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池の要部断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る燃料電池の要部断面説明図である。 本発明の第5の実施形態に係る燃料電池の要部断面説明図である。 前記燃料電池の要部平面説明図である。 特許文献1に開示されている燃料電池スタックの説明図である。
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10は、電解質膜・電極構造体(MEA)12と、前記電解質膜・電極構造体12を挟持する第1金属セパレータ14及び第2金属セパレータ16とを備える。
複数の燃料電池10は、例えば、電極面を水平方向に沿って(水平姿勢)重力方向(矢印A方向)に積層されて燃料電池スタックを構成する。なお、燃料電池10は、電極面を重力方向に沿って(鉛直姿勢)水平方向に積層されてもよい。
第1金属セパレータ14及び第2金属セパレータ16は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した縦長形状の金属板により構成される。第1及び第2金属セパレータ14、16は、平面が矩形状を有するとともに、金属製薄板を波板状にプレス加工することにより、断面凹凸形状に成形される。
燃料電池10の矢印B方向(水平方向)の一端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔(流体連通孔)18a、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔(流体連通孔)20a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔(流体連通孔)22bが設けられる。
燃料電池10の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔(流体連通孔)22a、冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔(流体連通孔)20b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔(流体連通孔)18bが設けられる。
図3に示すように、第1金属セパレータ14の電解質膜・電極構造体12側の面14aには、例えば、矢印B方向に延在する酸化剤ガス流路26が設けられる。酸化剤ガス流路26は、酸化剤ガス供給連通孔18a及び酸化剤ガス排出連通孔18bに連通する。第1金属セパレータ14の面14aとは反対の面14bには、冷却媒体流路28が形成される。冷却媒体流路28は、冷却媒体供給連通孔20a及び冷却媒体排出連通孔20bに連通する。
第2金属セパレータ16の電解質膜・電極構造体12側の面16aには、図4に示すように、燃料ガス供給連通孔22aと燃料ガス排出連通孔22bとに連通し、矢印B方向に延在する燃料ガス流路30が形成される。第2金属セパレータ16の面16aとは反対の面16bには、第1金属セパレータ14の面14bと重なり合うことにより、冷却媒体供給連通孔20aと冷却媒体排出連通孔20bとに連通する冷却媒体流路28が形成される(図1参照)。
図2に示すように、第1金属セパレータ14は、金属薄板32上に第1シール部材33が一体に射出成形されるとともに、第2金属セパレータ16は、金属薄板34上に第2シール部材35が一体に射出成形される。
第1及び第2シール部材33、35は、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコンゴム、フロロシリコンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン、又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材を使用する。
図3に示すように、第1シール部材33は、第1金属セパレータ14の面14a側において、酸化剤ガス供給連通孔18a及び酸化剤ガス排出連通孔18bを酸化剤ガス流路26に連通する。第1シール部材33には、酸化剤ガス供給連通孔18aと酸化剤ガス排出連通孔18bとにそれぞれ近接して、入口側ブリッジ部36aと出口側ブリッジ部36bとが一体に成形される。
第2シール部材35は、図4に示すように、第2金属セパレータ16の面16a側において、燃料ガス供給連通孔22a及び燃料ガス排出連通孔22bと燃料ガス流路30とを連通する。第2シール部材35には、燃料ガス供給連通孔22aと燃料ガス排出連通孔22bとにそれぞれ近接して、入口側ブリッジ部38aと出口側ブリッジ部38bが一体に成形される。
図1に示すように、第2シール部材35には、第2金属セパレータ16の面16b側において、冷却媒体供給連通孔20aと冷却媒体排出連通孔20bとにそれぞれ近接して、入口側ブリッジ部40aと出口側ブリッジ部40bが一体に成形される。
図2及び図3に示すように、第1金属セパレータ14は、酸化剤ガス供給連通孔18a、酸化剤ガス排出連通孔18b、冷却媒体供給連通孔20a、冷却媒体排出連通孔20b、燃料ガス供給連通孔22a及び燃料ガス排出連通孔22b(以下、単に各連通孔ともいう)を形成する金属薄板32の内周面(セパレータ内周面)32aから両方のセパレータ金属面の一部を被覆して絶縁部材33aを設ける。
絶縁部材33aは、第1シール部材33と同一材料で一体成形されるとともに、前記絶縁部材33aの外周には、各連通孔を周回し両方のセパレータ金属面を露出させて金属露出面32b、32cが設けられる。金属露出面32b、32cは、全周全体が露出していなくてもよく、一部が露出、例えば、断続的に露出してもよい。絶縁部材33aは、各連通孔と金属露出面32b、32cとを一定の距離Hだけ離間させる。金属露出面32b、32cの外周を周回して絶縁部材である第1シール部材33が設けられる。腐食電流を特定の部位に流すことができるからである。
図3に示すように、第1金属セパレータ14の面14aには、酸化剤ガス流路26を露出させて金属露出面32dが設けられる一方、面14bには、冷却媒体流路28を露出させて金属露出面32eが設けられる。
第2金属セパレータ16は、図2及び図4に示すように、各連通孔を形成する金属薄板34の内周面(セパレータ内周面)34aから両方のセパレータ金属面の一部を被覆して絶縁部材35aが設けられる。絶縁部材35aは、第2シール部材35と同一材料で一体成形されるとともに、前記絶縁部材35aの外周には、各連通孔を周回し両方のセパレータ金属面を露出させて金属露出面34b、34cが設けられる。絶縁部材35aは、所定の距離Hを有して構成される。金属露出面34b、34cの外周を周回して絶縁部材である第2シール部材35が設けられる。
図4に示すように、第2金属セパレータ16には、燃料ガス流路30を露出させて金属露出面34dが設けられる一方、面16b側には、冷却媒体流路28を露出させて金属露出面34eが設けられる。
図1に示すように、電解質膜・電極構造体12は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜(電解質)42と、前記固体高分子電解質膜42を挟持するカソード側電極44及びアノード側電極46とを備える。
カソード側電極44及びアノード側電極46は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されることにより形成される電極触媒層とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜42の両面に形成されている。
図2に示すように、絶縁部材33a、35aと固体高分子電解質膜42との間には、所定の隙間Sが形成される。隙間Sは、各連通孔の全周にわたって設けられ、断面積を小さく設定することにより、電気抵抗が大きくなって腐食電流を減少させることができる。
このように構成される燃料電池10の動作について、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、酸化剤ガス供給連通孔18aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス供給連通孔22aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体供給連通孔20aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔18aから第1金属セパレータ14に設けられた酸化剤ガス流路26に導入される。これにより、酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路26を矢印B方向に移動しながら、電解質膜・電極構造体12を構成するカソード側電極44に供給される。
一方、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔22aから第2金属セパレータ16に設けられている燃料ガス流路30に導入される。燃料ガス流路30に導入された燃料ガスは、矢印B方向に移動しながら、電解質膜・電極構造体12を構成するアノード側電極46に供給される。
従って、電解質膜・電極構造体12では、カソード側電極44に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極46に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
次いで、カソード側電極44に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔18bに排出される。一方、アノード側電極46に供給されて消費された使用済みの燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔22bに排出される。また、冷却媒体は、冷却媒体供給連通孔20aから冷却媒体流路28に導入された後、矢印B方向に沿って流動する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体12を冷却した後、冷却媒体排出連通孔20bに排出される。
この場合、第1の実施形態では、図2に示すように、冷却媒体供給連通孔20aにおいて、第1金属セパレータ14には、金属薄板32の内周面32aから両方のセパレータ金属面の一部を被覆して絶縁部材33aが設けられている。そして、絶縁部材33aの外周には、冷却媒体供給連通孔20aを周回し両方のセパレータ金属面を露出させて金属露出面32b、32cが設けられている。
このため、絶縁部材33aの外周には、一定の範囲にわたって(距離Hだけ離間して)、金属露出面32b、32cを冷却媒体供給連通孔20aの外周に露出させることができる。絶縁部材33aは、一定の距離Hだけ設けられるとともに、固体高分子電解質膜42との間に隙間Sが形成されており、この領域では、水断面積が小さいために電気抵抗が大きくなり、腐食電流を減らすことが可能になる。しかも、第1金属セパレータ14では、金属薄板32の特定の部位に腐食電流が集中することを阻止することができる。
これにより、簡単且つコンパクトな構成で、第1金属セパレータ14の腐食を良好に抑制することが可能になり、前記第1金属セパレータ14の耐久性の向上が容易に図られるという効果が得られる。
一方、第2金属セパレータ16では、同様に冷却媒体供給連通孔20aを周回して絶縁部材35aが設けられるとともに、この絶縁部材35aの外周には、前記冷却媒体供給連通孔20aを周回し両方のセパレータ金属面を露出させて金属露出面34b、34cが設けられている。従って、第2金属セパレータ16の特定の部位に腐食電流が集中することを阻止することができる等、上記の第1金属セパレータ14と同様の効果が得られる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池50の要部断面説明図である。
なお、第1の実施形態に係る燃料電池10と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3の実施形態以降においても同様に、その詳細な説明は省略する。
燃料電池50は、電解質膜・電極構造体12を挟持する第1金属セパレータ52及び第2金属セパレータ54を備える。第1金属セパレータ52は、金属薄板56上に第1シール部材58が一体に射出成形されるとともに、第2金属セパレータ54は、金属薄板60上に第2シール部材62が一体に射出成形される。
第1金属セパレータ52は、冷却媒体供給連通孔20aを形成する金属薄板56の内周面(セパレータ内周面)56aから両方のセパレータ金属面の少なくとも一部を被覆して絶縁部材58aを設ける。絶縁部材58aは、金属薄板56の他方のセパレータ金属面側に第1シール部材58と一体且つ連続して設けられており、一方のセパレータ金属面側で折り返して終端する。絶縁部材58aの外周には、冷却媒体供給連通孔20aを周回し一方のセパレータ金属面を露出させて金属露出面56bが設けられる。
第2金属セパレータ54は、同様に冷却媒体供給連通孔20aを形成する金属薄板60の内周面(セパレータ内周面)60aから両方のセパレータ金属面の少なくとも一部を被覆して絶縁部材62aを設ける。絶縁部材62aは、他方のセパレータ金属面側で第2シール部材62に連続して設けられる。この絶縁部材62aの外周には、冷却媒体供給連通孔20aを周回し一方のセパレータ金属面を露出させて金属露出面60bが設けられる。
このように構成される第2の実施形態では、第1及び第2金属セパレータ52、54は、それぞれの絶縁部材58a、62aの外周に一方のセパレータ金属面を露呈させて金属露出面56b、60bが設けられている。
従って、第1及び第2金属セパレータ52、54の特定の部位に、腐食電流が集中することを阻止することができ、簡単且つコンパクトな構成で、前記第1及び第2金属セパレータ52、54の耐久性の向上が図られる等、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池70の要部断面説明図である。
燃料電池70は、電解質膜・電極構造体12を挟持する第1金属セパレータ72及び第2金属セパレータ74を備える。第1金属セパレータ72は、金属薄板76の一方の面に第1シール部材78が一体に射出成形されるとともに、第2金属セパレータ74は、金属薄板80の一方の面に第2シール部材82が一体に射出成形される。
第1シール部材78は、金属薄板76の内周面(セパレータ内周面)76aで折り返して一方のセパレータ金属面側に所定の距離だけ延在し絶縁部材78aを一体成形する。絶縁部材78aは、金属薄板76の一方のセパレータ金属面を露出させ、冷却媒体供給連通孔20aを周回する金属露出面76bを設ける。
第2シール部材82は、金属薄板80の他方のセパレータ金属面から前記金属薄板80の内周面(セパレータ内周面)80aを周回して一方のセパレータ金属面側に折り返し、絶縁部材82aを一体に設ける。この絶縁部材82aは、金属薄板80の一方のセパレータ金属面を露出させ、冷却媒体供給連通孔20aを周回する金属露出面80bを設ける。
このように構成される第3の実施形態では、上記の第2の実施形態と同様に構成されており、第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第1〜第3の実施形態では、隙間が、各連通孔の全周にわたって設けられているが、これに限定されるものではない。
図7は、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池90の要部断面説明図である。
なお、燃料電池90は、基本的に第1の実施形態に係る燃料電池10を採用しているが、第2及び第3の実施形態に係る燃料電池50、70にも、同様に用いることができる。
燃料電池90では、絶縁部材33a、35aに切り欠き92a、92bが設けられており、各連通孔と金属露出面32b、32c及び34b、34cとを連通している。
図8は、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池100の要部断面説明図である。
燃料電池100では、図8及び図9に示すように、絶縁部材33a、35aに複数のスリット102a、102bが設けられており、各連通孔と金属露出面32b、32c及び34b、34cとを連通している。
このように構成される第4及び第5の実施形態では、上記の第1〜第3の実施形態と同様の効果が得られる。
10、50、70、90、100…燃料電池
12…電解質膜・電極構造体
14、16、52、54、72、74…金属セパレータ
18a…酸化剤ガス供給連通孔 18b…酸化剤ガス排出連通孔 20a…冷却媒体供給連通孔 20b…冷却媒体排出連通孔 22a…燃料ガス供給連通孔 22b…燃料ガス排出連通孔 26…酸化剤ガス流路 28…冷却媒体流路 30…燃料ガス流路
32、34、56、60、76、80…金属薄板
32a、34a、56a、60a、76a、80a…内周面
32b〜32e、34b〜34e、56b、60b、76b、80b…金属露出面
33a、35a、58a、62a、78a、82a…絶縁部材
33、35、58、62、78、82…シール部材
42…固体高分子電解質膜 44…カソード側電極 46…アノード電極側電極 92a、92b…切り欠き 102a、102b…スリット

Claims (2)

  1. 電解質の両側に一対の電極が設けられる電解質・電極構造体と金属セパレータとが積層されるとともに、前記金属セパレータには、積層方向に貫通して少なくとも燃料ガス、酸化剤ガス又は冷却媒体のいずれかの流体が流通する流体連通孔が形成される燃料電池であって、
    前記金属セパレータは、前記流体連通孔を形成するセパレータ内周面から両方のセパレータ金属面の少なくとも一部を被覆して絶縁部材を設けるとともに、
    前記絶縁部材の外周には、前記流体連通孔を周回して少なくとも一方の前記セパレータ金属面を露出させて金属露出面が設けられることを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池において、前記金属露出面の外周を周回して絶縁部材が設けられることを特徴とする燃料電池。
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