JP2015168765A - エネルギー線硬化型樹脂組成物 - Google Patents

エネルギー線硬化型樹脂組成物 Download PDF

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裕治 吉田
Yuji Yoshida
裕治 吉田
圭一 藤瀬
Keiichi Fujise
圭一 藤瀬
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Abstract

【課題】基材との密着性に優れるエネルギー線硬化型樹脂組成物を提供する。【解決手段】エネルギー線により硬化し得る置換基を有する化合物(I)および化学構造の異なる2以上のセクションを有する共重合体(II)を含有してなるエネルギー線硬化型樹脂組成物であって、共重合体(II)が、リビングラジカル重合法により製造され、ビニルピロリドンを含有する単量体(a)からなるセクション(A)と、ビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体(b)を含有するセクション(B)とを少なくとも一つずつ有するものを用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
エネルギー線硬化型樹脂組成物は、その成分や配合を変更することによって硬度や屈折率の調整が可能である。また、耐溶剤性、耐汚染性、耐擦傷性および耐屈曲性などの様々な性能を付与することが可能である。そのため、様々な基材へのコーティングや接着等に広く使用されている。しかし、一般的に、エネルギー線硬化型樹脂は基材との密着性が悪く、その密着性を向上するための検討が行われている。
例えば、特許文献1には、ウレタン(メタ)アクリレートを用いるエネルギー線硬化型樹脂組成物が開示されている。
特開2006−22295号公報
しかしながら、特許文献1のエネルギー線硬化型樹脂組成物では、基材の種類によっては密着性が得られないという問題がある。そこで、本発明は、基材との密着性に優れるエネルギー線硬化型樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物は、エネルギー線により硬化し得る置換基を有する化合物(I)および化学構造の異なる2以上のセクションを有する共重合体(II)を含有してなるエネルギー線硬化型樹脂組成物であって、上記の課題を解決するために、共重合体(II)が、ビニルピロリドンを含有する単量体(a)を重合してなるセクション(A)と、ビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体を含有する単量体(b)を重合してなるセクション(B)とを少なくとも一つずつ有し、上記セクション(A)を形成する工程とセクション(B)を形成する工程とを有するリビングラジカル重合法により形成されたものとする。
上記ビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体(b)としては、α,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体、α,β−不飽和ケトン、不飽和炭化水素化合物、シアノ基含有不飽和炭化水素化合物、ビニルエーテル化合物、ビニルエステル化合物、不飽和アルコール化合物、芳香族アルケニル化合物、並びに、炭素数7以上のN−ビニルアミン化合物から選ばれた1種又は2種以上が用いられる。
上記セクション(A)はビニルピロリドンを50質量%以上含有する単量体(a)を重合して得ることが好ましい。
また、上記セクション(B)は上記ビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体を60質量%以上含有する単量体(b)を重合して得ることが好ましい。
上記リビングラジカル重合法としては、可逆的付加開裂連鎖移動重合法が好適に用いられる。この可逆的付加開裂連鎖移動重合法には、ジチオカルバミン酸エステル及びキサントゲン酸エステルから選ばれた少なくとも1種の連鎖移動剤を用いることができる。
上記セクション(A)は、ポリビニルピロリドンからなるブロック単位であることが好ましい。このブロック単位は、ビニルピロリドン5分子以上が単独重合してなることが好ましい。
上記共重合体(II)中、セクション(A)の割合が30〜97質量%の範囲内であり、セクション(B)の割合が3〜70質量%の範囲内であることが好ましい。
上記共重合体(II)は、末端にジチオカルバメート基又はキサンタート基を有することが好ましい。
本発明の積層体は、上記いずれかのエネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させて得られる層を有するものである。
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物は、基材との密着性に優れるという効果を奏する。
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物は、エネルギー線により硬化し得る置換基を有する化合物(I)および化学構造の異なる2以上のセクションを有する共重合体(II)を含有する。
本発明に用いるエネルギー線により硬化し得る置換基を有する化合物(I)は、UV、EB、放射線などのエネルギー線により硬化し得るものであり、例えば、カルボン酸基含有不飽和重合性化合物、カルボン酸基含有不飽和重合性化合物のアルキルエステル、ビニル化合物、ウレタンアクリレートおよびエポキシ化合物が挙げられる。
カルボン酸基含有不飽和重合性化合物としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸およびイタコン酸などが挙げられる。
カルボン酸基含有不飽和重合性化合物のアルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ビシクロ[3,3,1]ノニル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ) アクリレート、エトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシプロピレングリコール(メタ)アクリレートおよびプロポキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのモノ(メタ)アクリル酸エステル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ) アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびトリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよびグリセリントリ(メタ)アクリレートなどのトリ(メタ)アクリレート化合物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどのテトラ(メタ)アクリレート化合物、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートおよびソルビトールヘキサ(メタ)アクリレートなどのヘキサ(メタ)アクリレート化合物、などが挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。
ビニル化合物としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエンおよびイソプレンが挙げられる。
ウレタンアクリレートは、ポリイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させたものである。
ウレタンアクリレートに使用しうるポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ノルボルネンジイソシアネートおよびこれらの変性体が挙げられる。
また、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させてなるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーもポリイソシアネートとして使用することができる。このようなポリオールとしては、特に限定されないが、アルキレングリコール、トリメチロールアルカン、グリセリンおよびペンタエリスルトールなどのポリオール化合物の他、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオールなども挙げられる。
ウレタンアクリレートに使用しうる水酸基含有(メタ)アクリレートは、分子中に1個以上の水酸基を有する(メタ)アクリレート系化合物である。このような化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ化合物は、分子内に2つ以上のエポキシ基を有するものが好ましく、例えば、ポリグリシジルエーテル、グリシジルエーテルエステル、ポリグリシジルエステル、グリシジルアミノグリシジルエーテル、グリシジルアミノグリシジルエステル、グリシジルアミンなどが挙げられる。
ポリグリシジルエーテルとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、ジアリールビスフェノールA、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、クレゾール、テトラブロモビスフェノールA、トリヒドロキシビフェニル、ベンゾフェノン、ビスレゾルシノール、ビスフェノールヘキサフルオロアセトン、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、ビキシレノール、フェノールノボラックおよびクレゾールノボラックなどの多価フェノール化合物とエピクロルヒドリンとを反応させて得られる芳香族ポリグリシジルエーテル、グリセリン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールなどの脂肪族多価アルコールとエピクロルヒドリンとを反応させて得られる脂肪族ポリグリシジルエーテル、グリシジルヘキサヒドロビスフェノールA、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートおよび1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンなどの脂環族ポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
グリシジルエーテルエステルとしては、例えば、p−オキシ安息香酸およびβ−オキシナフトエ酸などのヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるものが挙げられる。
ポリグリシジルエステルとしては、例えば、フタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラハイドロフタル酸、エンドメチレンテトラハイドロフタル酸、エンドメチレンヘキサハイドロフタル酸、トリメリット酸および重合脂肪酸などのポリカルボン酸とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるものが挙げられる。
グリシジルアミノグリシジルエーテルとしては、例えば、アミノフェノール、アミノアルキルフェノールとエピクロルヒドリンとを反応させて得られるものが挙げられる。
グリシジルアミノグリシジルエステルとしては、例えば、アミノ安息香酸とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるものが挙げられる。
グリシジルアミンとしては、例えば、アニリン、トルイジン、トリブロムアニリン、キシリレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび4,4’−ジアミノジフェニルスルホンと、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるものが挙げられる。
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物に含有される共重合体(II)は、リビングラジカル重合法により逐次形成されたセクション(A)とセクション(B)とを少なくとも1つずつ有する共重合体を含有するものである。
上記セクション(A)は、ビニルピロリドンを含有する単量体(a)を重合してなるものであり、構成モノマーの50質量%以上がビニルピロリドンであることが好ましい。
セクション(A)は、構成モノマーとしてビニルピロリドンのみを有することが特に好ましく、その重合数は5以上が好ましく、7以上がより好ましく、10以上がさらに好ましい。上記範囲内とすることにより、基材との密着性をさらに向上することができる。
上記セクション(A)は、数平均分子量が500以上であることが好ましく、1,000以上であることがより好ましい。また、1,000,000以下であることが好ましく、300,000以下であることがより好ましく、200,000以下であることがさらに好ましく、100,000以下であることが最も好ましい。上記範囲内とすることにより、基材との密着性をさらに向上することができる。
上記共重合体における上記セクション(A)の含有量は、30重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましい。また、97重量%以下であることが好ましく、95重量%以下であることがより好ましい。上記範囲内とすることにより、基材との密着性をさらに向上することができる。
次に、セクション(B)の構成モノマーとしては、ビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体を用いることができる。このようなビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、α,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体、α,β−不飽和ケトン、不飽和炭化水素化合物、シアノ基含有不飽和炭化水素化合物、ビニルエーテル化合物、ビニルエステル化合物、不飽和アルコール化合物、芳香族アルケニル化合物、並びに、炭素数7以上のN−ビニルアミン化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。ここで、芳香族アルケニル化合物とは、アルケニル基で置換された芳香環を有する化合物である。また、N−アルケニルアミン化合物とは、窒素原子上にアルケニル基を有する化合物である。なお、上記ブロック単位の構成モノマーを2種以上用いる場合は、これらの構造はブロック構造であってもランダム構造であってもよい。
α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トランス−2−ヘキサン酸などが挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
α,β−不飽和カルボン酸の誘導体としては、α,β−不飽和カルボン酸塩、α,β−不飽和カルボン酸無水物、α,β−不飽和カルボン酸クロリド、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和カルボン酸アミド、マレイミド化合物等が挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸塩としては、例えば、上記α,β−不飽和カルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸無水物としては、例えば、上記α,β−不飽和カルボン酸の無水物が挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸クロリドとしては、例えば、上記α,β−不飽和カルボン酸のカルボン酸クロライドが挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどが挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸アミドとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−(t−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、クロトンアミドなどが挙げられる。マレイミド化合物としては、例えば、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどが挙げられる。
α,β−不飽和ケトンとしては、例えば、イソプロピリデンアセトン、ジイソプロピリデンアセトン、2−シクロヘキセン−1−オン、2−シクロペンテン−1−オン、3−デセン−2−オン、3−メチル−3−ブテン−2−オン、メチルビニルケトン、3−ノネン−2−オン、3−オクテン−2−オンなどが挙げられる。
不飽和炭化水素化合物としては、例えば、エチレン、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン及び1−オクテンなどのアルケン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シクロヘプタジエン、1,3−シクロオクタジエン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン及びクロロプレンなどの共役ジエンが挙げられる。
シアノ基含有不飽和炭化水素化合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−シアノエチルアクリロニトリルなどが挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル2−クロロエチルエーテル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、2,3−ジヒドロフラン、1,4−ジオキセン、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、イソプロペニルメチルエーテルなどが挙げられる。
ビニルエステル化合物としては、例えば、酢酸ビニル、酪酸ビニル、酢酸イソプロペニル、カプリン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
不飽和アルコールとしては、例えば、アリルアルコール、けい皮アルコールなどが挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−ブチルスチレン、4−フェニルスチレン、4−フルオロスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、4−クロロスチレン、4−ブロモスチレン、4−ヨードスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アミノスチレン、4−カルボキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−シアノメチルスチレン、4−クロロメチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−ニトロスチレン、4−スチレンスルホン酸ナトリウム、4−スチレンスルホン酸クロリド、4−ビニルフェニルボラン酸、α−メチルスチレン、トランス−β−メチルスチレン、2−メチル−1−フェニルプロペン、1−フェニル−1−シクロヘキセン、β−ブロモスチレン、β−スチレンスルホン酸ナトリウム、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−イソプロペニルナフタレン、1−ビニルイミダゾールなどの芳香族ビニル化合物が挙げられる。
炭素数7以上のN−ビニルアミン化合物としては、例えば、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカルバゾールなどが挙げられる。
これらのうち、密着性がより優れることから、α,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体、シアノ基含有不飽和炭化水素化合物、並びに、ビニルエステル化合物が好ましい。また、さらに優れた密着性が得られることから、α,β−不飽和カルボン酸誘導体及びビニルエステル化合物が好ましく、メチルメタクリレート及び酢酸ビニルがより好ましい。
上記セクション(B)は、構成モノマーとしてビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体を60重量%以上含有することが好ましく、80重量%以上含有することがより好ましく、90重量%以上含有することがさらに好ましく、100重量%含有することが最も好ましい。上記範囲内とすることにより、密着性がより優れたものとなる。
上記セクション(B)は、数平均分子量が500以上であることが好ましく、1,000以上であることがより好ましい。また、1,000,000以下であることが好ましく、300,000以下であることがより好ましく、100,000以下であることがさらに好ましく、50,000以下であることが最も好ましい。上記範囲内とすることにより、密着性がより優れたものとなる。
上記共重合体における上記セクション(B)の含有量は、3重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であることがより好ましい。また、70重量%以下であることが好ましく、50重量%以下であることがより好ましい。上記範囲内とすることにより、密着性がより優れたものとなる。
上記セクション(B)には、ビニルピロリドンが含まれていてもよいが、5分子以上連続した部分は含まないものとする。
本発明で用いる共重合体は、上記セクション(A)と上記セクション(B)をそれぞれ少なくとも1つ含むものとする。すなわち、セクション(A)とセクション(B)が一つずつ直鎖状に結合したA−B構造のほか、A−B−A構造又はB−A−B構造、あるいはセクション(A)又は上記セクション(B)をさらに有する構造をとることもできる。
また、本発明に用いる共重合体は、本発明の目的に反しない範囲であれば、上記セクション(A)及び上記セクション(B)以外の構造単位を含有していてもよい。
本発明に用いる共重合体は、末端にジチオカルバメート基またはキサンタート基を有することが好ましい。
ジチオカルバメート基としては、例えば、N,N−ジメチルジチオカルバメート基、N,N−ジエチルジチオカルバメート基、N−メチル−N−フェニルジチオカルバメート基、N,N−ジフェニルジチオカルバメート基、N−メチル−N−(4−ピリジル)ジチオカルバメート基、N,N−ジ(4−ピリジル)ジチオカルバメート基などが挙げられる。また、キサンタート基としては、例えば、メチルキサンタート基、エチルキサンタート基、プロピルキサンタート基、フェニルキサンタート基などが挙げられる。これらのうち、末端にジチオカルバメート基を有する共重合体であることが好ましい。
本発明に用いる共重合体は、線状共重合体であることが好ましい。
本発明に用いる共重合体は、数平均分子量が1,000以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましい。また、2,000,000以下であることが好ましく、600,000以下であることがより好ましく、300,000以下であることがさらに好ましく、150,000以下であることが最も好ましい。上記範囲内とすることにより、密着性がより優れたものとなる。
本発明に用いる共重合体の製造方法は、リビングラジカル重合法により製造することができ、具体的には原子移動ラジカル重合法(ATRP法)、可逆的付加開裂連鎖移動重合法(RAFT法)及びニトロキシドを介した重合法(NMP法)などの方法が好適に用いられ、可逆的付加開裂連鎖移動重合法(RAFT重合法)が特に好ましい。
可逆的付加開裂連鎖移動重合法(RAFT重合法)では、例えば、可逆的付加開裂連鎖移動剤(RAFT剤)とラジカル重合開始剤の存在下、上記セクション(A)の構成モノマーの重合反応を行い、続いて、上記セクション(B)の構成モノマーの重合反応を行う。また、上記セクション(B)の構成モノマーの重合反応を行い、続いて、上記セクション(A)の構成モノマーの重合反応を行うこともできる。
RAFT剤としては、例えば、ジチオカルバミン酸エステルやキサントゲン酸エステルが挙げられる。
ジチオカルバミン酸エステルとしては、例えば、シアノメチル−メチル(フェニル)カルバモジチオアート、シアノメチル−ジフェニルカルバモジチオアート、1−スクシンイミジル−4−シアノ−[N−メチル−N−(4−ピリジル)カルバモチオイルチオ]ペンタノアート、2−シアノプロパン−2−イル−N−メチル−N−(ピリジン−4−イル)カルバモジチオアート、シアノメチル−メチル−(4−ピリジル)カルバモジチオアート、メチル−2−プロピオネート−メチル−(4−ピリジル)カルバモジチオアート、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−(4−ピリジル)チウラムジスルフィドなどが挙げられる。
キサントゲン酸エステルとしては、例えば、キサントゲン酸−O−エチル−S−ベンジル、キサントゲン酸−O−エチル−S−シアノメチル、キサントゲン酸−O−エチル−S−(2−シアノプロプ−2−イル)などが挙げられる。
また、ラジカル重合開始剤としては、従来公知の化合物が使用でき、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ペルオキシ酢酸t−ブチル、ペルオキシ安息香酸t−ブチル、ペルオキシオクタン酸t−ブチル、ペルオキシネオデカン酸t−ブチル、ペルオキシイソ酪酸t−ブチル、過酸化ラウロイル、ペルオキシピバリン酸t−アミル、ペルオキシピバリン酸t−ブチル、過酸化ジクミル、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウムなどの過酸化水素類、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブテノニトリル)、4,4’−アゾビス(4−ペンタン酸)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(t−ブチルアゾ)−2−シアノプロパン、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(1,1)−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、二塩化2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、二塩化2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]及び2,2’−アゾビス(イソブチリルアミド)二水和物などのアゾ化合物、過硫酸塩(例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム及び過硫酸アンモニウムなど)と還元剤(例えば、メタ亜硫酸水素ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムなど)との組み合わせ、有機過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル及びクメンハイドロパーオキサイドなど)と3級アミン(例えば、ジメチルアニリン及びアニリンなど)との組み合わせ、有機過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル及びクメンハイドロパーオキサイドなど)と遷移金属化合物(例えば、コバルトナフテートなど)との組み合わせなどのレドックス系開始剤が挙げられる。
なお、本発明の共重合体の末端にジチオカルバメート基やキサンタート基を導入する方法は特に限定されないが、例えば上記のようにジチオカルバミン酸エステルやキサントゲン酸エステルを用いたRAFT重合法を行うことにより得ることができる。
上記リビングラジカル重合反応は、溶液重合法、エマルジョン重合法、バルク重合法、懸濁重合法等のいずれの方法でも行うことができる。また、単量体の供給方法としては、バッチ法、半バッチ法、連続法、逐次供給法等のいずれも採用可能である。
重合反応溶媒は、使用する単量体の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール及び2−ブタノールなどのアルコール、アセトニトリルなどのニトリル化合物、トルエン、キシレン及び石油ナフサなどの芳香族炭化水素、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン及びアセトンなどのケトン系溶媒、酢酸ブチル及び酢酸ヘキシルなどのエステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン及びジオキサンなどのエーテル系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル酢酸エステルなどのグリコールエーテルエステルが挙げられる。
上記リビングラジカル重合を行う際の重合温度(液温)は、−20℃〜200℃が好ましく、40℃〜160℃がより好ましい。
反応溶液からの生成物の単離は、公知の方法で行うことができる。例えば、反応溶媒や未反応の化合物(I)を除去し、不溶性の溶媒を用いて析出させることにより単離することができる。また、生成物の単離が不要である場合は、反応溶液をそのまま使用することも可能である。
なお、リビングラジカル重合法で得られた共重合体には、後処理としての化学反応を行って、官能基の変換等を行うことができ、本発明のコーティング剤に用いる共重合体は、そのような後処理が行われた共重合体も含むものとする。リビングラジカル重合法で得られた共重合体の後処理の例としては、酢酸ビニルなどに由来するエステル基を加水分解して水酸基に変換する反応、アクリル酸などに由来するカルボキシ基を、ポリエチレングリコールなどの水酸基含有化合物と脱水縮合してエステル化する反応、アクリル酸などに由来するカルボキシ基を、臭化アリルや臭化アルキルと反応させてエステル化する反応、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどに由来する水酸基を、臭化アリルや臭化アルキルと反応させてエーテル化する反応等が挙げられる。これらのうち、基材との密着性がさらに優れることから、酢酸ビニルなどに由来するエステル基を加水分解して水酸基に変換する反応がより好ましい。
上記共重合体の配合量は、エネルギー線により硬化し得る置換基を有する化合物(I)100質量部に対して、0.5〜20質量部であることが好ましく、2〜10質量部であることがより好ましい。上記範囲内とすることにより、基材に対する密着性をさらに向上することができる。
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物は、光重合開始剤を含有することができる。光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフインオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、カンファーキノン等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤の配合量は、エネルギー線により硬化し得る置換基を有する化合物(I)100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、2〜10質量部であることがより好ましい。上記範囲内とすることにより、さらに短時間で硬化することができる。
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物には、公知の添加剤を使用することができる。このような添加剤としては、例えば、フィラー、染料、顔料、レベリング剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤等が挙げられる。
本発明の積層体は、基材に前記エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布し、エネルギー線を照射して硬化させることにより得られる。
積層体に用いる基材は、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、シクロオレフィン系樹脂などが挙げられる。なお、これらの基材は、コロナ処理等の表面処理を行ったものであってもよい。
エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗布方法は、特に限定されないが、例えば、ロールコート法、吹き付け法、スプレー法、バーコート法、グラビア法、メイヤーバー法、エアナイフ法、ダイコーター法、ディップ法、スピンコート法などを用いることができる。
また、エネルギー線は、紫外線、電子線、放射線などを使用することができる。紫外線を用いる場合は、キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線照射装置を光源とし、例えば、80〜300W/cmの出力で照射することにより硬化できる。また、電子線を用いる場合は、電子線加速装置を使用し、例えば、50〜1000KeVの電子線を照射可能することにより硬化できる。
本発明の積層体におけるエネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物の膜厚は、特に限定されないが、0.1〜50μmであることが好ましい。
本発明の積層体は、ハードコートフィルム、微細形状を附形することでプリズムレンズシートやアンチグレアフィルム、反射防止フィルム、拡散シート等の光学シートなどとして使用することができる。
(共重合体の合成)
[合成例1]
窒素導入管、温度計、還流管を取り付けた反応容器に、2−シアノプロパン−2−イル−N−メチル−N−(ピリジン−4−イル)カルバモジチオアート2重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部、p−トルエンスルホン酸一水和物1.7重量部、アクリロニトリル160重量部及びアセトニトリル700重量部を仕込み、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させることにより、ポリ(アクリロニトリル)を得た(数平均分子量20,000、アクリロニトリルの転化率99%)。
得られた反応溶液に、N,N−ジメチルアミノピリジン1.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1.5重量部及びN−ビニルピロリドン650重量部を投入し、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させ、減圧下で溶媒を除去することにより、構成モノマーとしてビニルピロリドンを含有するセクション(A)と、構成モノマーとしてアクリロニトリルを含有するセクション(B)とを有し、末端にN−メチル−N−(4−ピリジル)ジチオカルバメート基を有する共重合体1を得た(数平均分子量99,000、N−ビニルピロリドン転化率96%)。
[合成例2〜8]
アクリロニトリル160重量部を表1に記載の原料に変更した以外は合成例1と同様の操作を行い、表1に記載の共重合体2〜8をそれぞれ得た。
[合成例9]
2−シアノプロパン−2−イル−N−メチル−N−(ピリジン−4−イル)カルバモジチオアートを10重量部とした以外は合成例1と同様の操作を行い、表1に記載の共重合体9を得た。
[合成例10]
N−ビニルピロリドンの使用量を60重量部とした以外は合成例9と同様の操作を行い、表1に記載の共重合体10を得た。
[合成例11]
窒素導入管、温度計、還流管を取り付けた反応容器に、シアノメチル−N−メチル−N−フェニルジチオカルバマート1.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル2重量部、N−ビニルピロリドン650重量部及びアセトニトリル700重量部を仕込み、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させることにより、ポリ(N−ビニルピロリドン)を得た(数平均分子量78,000、N−ビニルピロリドン転化率96%)。
得られた反応溶液に、アゾビスイソブチロニトリル1.5重量部及び酢酸ビニル160重量部を投入し、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させ、減圧下で溶媒と残存モノマーを除去することにより、構成モノマーとしてビニルピロリドンを含有するセクション(A)と、構成モノマーとして酢酸ビニルを含有するセクション(B)とを有し、末端にN−メチル−N−フェニルジチオカルバメート基を有する共重合体11を得た(数平均分子量96,000)。
[合成例12]
窒素導入管、温度計、還流管を取り付けた反応容器に、2−シアノプロパン−2−イル−N−メチル−N−(ピリジン−4−イル)カルバモジチオアート2重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部、p−トルエンスルホン酸一水和物1.7重量部、メチルメタクリレート80重量部及びアセトニトリル700重量部を仕込み、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させた後、n−ブチルメタクリレート80重量部及びアゾビスイソブチロニトリル1重量部を投入し、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させることにより、アクリロニトリルと2−エチルヘキシルメタクリレートのブロック共重合体を得た(数平均分子量19,000)。
得られた反応溶液に、N,N−ジメチルアミノピリジン1.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1.5重量部及びN−ビニルピロリドン650重量部を投入し、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させ、減圧下で溶媒を除去することにより、構成モノマーとしてビニルピロリドンを含有するセクション(A)と、構成モノマーとしてアクリロニトリル及び2−エチルヘキシルメタクリレートを含有するセクション(B)とを有し、末端にN−メチル−N−(4−ピリジル)ジチオカルバメート基を有する共重合体12を得た(数平均分子量99,000)。
[合成例13]
窒素導入管、温度計、還流管を取り付けた反応容器に、アゾビスイソブチロニトリル5重量部、N−ビニルピロリドン650重量部、酢酸ビニル160重量部及びアセトニトリル700重量部を仕込み、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させ、減圧下で溶媒を除去することにより、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとのランダム共重合体13を得た(数平均分子量130,000)。
[合成例14]
窒素導入管、温度計、還流管を取り付けた反応容器に、2−シアノプロパン−2−イル−N−メチル−N−(ピリジン−4−イル)カルバモジチオアート2重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部、p−トルエンスルホン酸一水和物1.7重量部、メチルメタクリレート160重量部及びアセトニトリル700重量部を仕込み、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させることにより、ポリ(メチルメタクリレート)を得た(数平均分子量19,000)。
得られた反応溶液に、N,N−ジメチルアミノピリジン1.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1.5重量部及び酢酸ビニル650重量部を投入し、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させ、減圧下で溶媒を除去することにより、メチルメタクリレートと酢酸ビニルの共重合体14を得た(数平均分子量95,000)。
Figure 2015168765
[実施例1〜12、比較例1〜2]
合成例1〜14で得られた共重合体5重量部とフェノキシエチルアクリレート15重量部とを80℃で加熱溶解した。ここに、ウレタンアクリレート(商品名:ニューフロンティアR−1302、第一工業製薬社製)40重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA;日本化薬社製)40重量部およびベンゾフェノン系光重合開始剤(イルガキュア184;BASFジャパン社製)3重量部を加えて混合した。この混合液を、3種類の基板(PET基板、ABS基板およびPC基板)上に膜厚50μmとなるように塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、積算400mJのUVを照射して硬化させることにより、塗膜を有する試験片を作製した。この塗膜について、下記の方法で鉛筆硬度および密着性の評価を行った。結果を表2に示す。
(1)鉛筆硬度
JIS K5600−5−4に準じて、鉛筆引っかき試験機を用いて塗膜の硬さを評価し、鉛筆の濃度記号で表した。
(2)密着性
試験片を、温度80℃、湿度95%の条件に24時間静置した後、JIS K5600−5−6に準じて、1mm×100マスの碁盤目に対するセロテープ(登録商標)を用いた剥離試験を行った。試験後に基板上に残った塗膜の個数をxとし、評価結果をx/100として記載した。xの数値が大きいほど、密着性が優れることを示す。
[比較例3]
合成例1〜14で得られた共重合体5重量部を用いない以外は実施例1と同様の操作により塗膜を有する試験片を作製し、同様に評価した。結果を表2に示す。
Figure 2015168765
本発明のエネルギー線硬化型樹脂組成物は、基材との密着性に優れることから、樹脂フィルムなどの薄膜基材やの他の基材へのハードコートなど利用することができる。

Claims (11)

  1. エネルギー線により硬化し得る置換基を有する化合物(I)および化学構造の異なる2以上のセクションを有する共重合体(II)を含有してなるエネルギー線硬化型樹脂組成物であって、
    前記共重合体(II)は、リビングラジカル重合法 により製造され、かつ
    ビニルピロリドンを含有する単量体(a)からなるセクション (A)と、ビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体(b)を含有するセクション(B)とを少なくとも一つずつ有することを特徴とするエネルギー線硬化型樹脂組成物。
  2. 前記ビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体(b)が、α,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体、α,β−不飽和ケトン、不飽和炭化水素化合物、シアノ基含有不飽和炭化水素化合物、ビニルエーテル化合物、ビニルエステル化合物、不飽和アルコール化合物、芳香族アルケニル化合物、並びに、炭素数7以上のN−ビニルアミン化合物から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
  3. 前記セクション(A)がビニルピロリドンを50質量%以上含有する単量体(a)を重合して得られたことを特徴とする、請求項1又は2に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
  4. 前記セクション(B)が前記ビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体を60質量%以上含有する単量体(b)を重合して得られたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
  5. 前記リビングラジカル重合法が、可逆的付加開裂連鎖移動重合法であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
  6. 前記可逆的付加開裂連鎖移動重合法に、ジチオカルバミン酸エステル及びキサントゲン酸エステルから選ばれた少なくとも1種の連鎖移動剤が用いられたことを特徴とする、請求項5に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
  7. 前記セクション(A)が、ポリビニルピロリドンからなるブロック単位であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
  8. 前記ブロック単位が、ビニルピロリドン5分子以上が単独重合してなることを特徴とする、請求項7に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
  9. 前記共重合体(II)中、前記セクション(A)の割合が30〜97質量%の範囲内であり、前記セクション(B)の割合が3〜70質量%の範囲内であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
  10. 前記共重合体(II)が、末端にジチオカルバメート基又はキサンタート基を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のエネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させて得られる層を有する積層体。
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