JP2015168371A - 操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハウジングの分割面の口開きの発生を抑制できる操舵装置を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係る操舵装置1は、転舵軸8と、モータ20からのトルクを転舵軸8に伝達する伝達部材24と、転舵軸8と伝達部材24とを収容する収容部材10と、収容部材10に設けられて伝達部材24を支持する支持部材30と、を備え、収容部材10は、締結部材Bにより一体となる第1収容部材11と第2収容部材12とを有し、第1収容部材11には、支持部材30が設けられるとともに、締結部材Bが貫通する被締結部15が形成され、被締結部15は、転舵軸8の軸方向において支持部材30の全長と重複する。【選択図】図3

Description

本発明は、操舵装置に関する。
下記特許文献1、2に示される操舵装置では、転舵軸にモータのトルクが伝達され、運転者の操舵をアシストする。このような操舵装置は、モータの出力軸に連結された駆動プーリ(ドライブプーリ)、ベルト、従動プーリ(ドリブンプーリ)、ボールねじを介し、モータのトルクが転舵軸に伝達される。
また、操舵装置では、上述した駆動プーリ、ベルト、従動プーリ、及びボールねじが、転舵軸とともにハウジングに収容され、ボールねじのナットは、ハウジング内に設けられた軸受(支持部材)により回転自在に支持される。
ここで、ハウジングは、転舵軸の軸方向と交差する面(必ずしも90°ではない)で分割可能になっており、ボールねじ等を収容した後に、ボルトなどの締結部材で締め付けられて一体になる。
特開2005−343396号公報 特開2007−112245号公報
ところで、従動プーリが回転すると、従動プーリ自体が径方向外側に揺れる。このため、この従動プーリの揺れがボールねじを介して軸受に作用し、ハウジングの分割面に口開きが発生するおそれがある。
また、口開きの発生を抑制するために、締結部材を増やすことが考えられるものの、車両のレイアウトを制限するおそれがあり、好ましくない。
本発明は、このような課題を解決するために創作されたものであり、ハウジングの分割面の口開きの発生を抑制できる操舵装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る操舵装置は、転舵軸と、モータからのトルクを前記転舵軸に伝達する伝達部材と、前記転舵軸と前記伝達部材とを収容する収容部材と、前記収容部材に設けられて前記伝達部材を支持する支持部材と、を備え、前記収容部材は、締結部材により一体となる第1収容部材と第2収容部材とを有し、前記第1収容部材には、前記支持部材が設けられるとともに、前記締結部材が貫通する被締結部が形成され、前記被締結部は、前記転舵軸の軸方向において前記支持部材の全長と重複することを特徴とする。
前記発明に係る操舵装置によれば、被締結部が支持部材の軸方向の全て(支持部材の全長)をカバー(重複)している。このため、第1収容部材と第2収容部材との口開き量が低減する。
本発明によれば、ハウジングの分割面の口開きの発生を抑制できる操舵装置を提供することができる。
第1実施形態に係る操舵装置の背面図である。 図1のA―A線矢視断面図である。 図2のC―C線矢視断面図である。 第2実施形態に係る操舵装置の背面図である。 第2実施形態に係る操舵装置の収容空間内を示す断面図である。 第3実施形態に係る操舵装置の収容空間内を示す断面図である。 (a)は、実施例と比較例との被締結部の長さを説明するための図であり、(b)は、実施例と比較例との口開き量の測定結果を示す表である。
本発明に係る操舵装置の第1実施形態〜第3実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態〜第3実施形態の説明において、同一の要素には同一の符号を付している。
《第1実施形態》
操舵装置1は、車両に搭載されて、車両の操舵輪を操舵する装置である。
図1に示すように、操舵装置1は、左右方向に延びるラック軸(転舵軸)8を有するステアリング機構2と、ラック軸8の一端側に配置された補助トルク機構3と、を備えるラックアシスト型の装置である。
以下、ラック軸8が延びる左右方向において、補助トルク機構3が配置された一端側を左側と称し、他端側を右側と称する。
ステアリング機構2は、運転者が操作するステアリングホイール4と、ステアリングホイール4と一体で回転するステアリング軸5と、ステアリング軸5の下端に連結されたトーションバー6と、トーションバー6の下端に連結され、下端にピニオン(不図示)を有するピニオン軸7と、ピニオンに歯合するラック(不図示)を有するラック軸8と、ラック軸8の両端に連結されたタイロッド9、9と、ハウジング(収容部材)10と、を備える。
そして、タイロッド9、9のそれぞれに操舵輪が連結され、運転手がステアリングホイール4を回転させると、ラック軸8が左方又は右方へ移動し、操舵輪を操舵することができる。
ハウジング10は、左右方向に延在する筒状部材であり、ボルト(締結部材)Bにより一体となるギヤケース11とギヤハウジング12とを備える。
なお、本実施形態におけるギヤケース11とギヤハウジング12とを締結するためのボルトBの本数は、4本であり(図2参照)、従来の本数と同じである。
また、第1実施形態において、ギヤケース11が、特許請求の範囲に記載された「第1収容部材」に相当する構成であり、ギヤハウジング12が、特許請求の範囲に記載された「第2収容部材」に相当する構成である。
図1に示すように、ギヤハウジング12は、補助トルク機構3の近傍から右方へ延出する長尺状の部材である。また、ギヤケース11は、ギヤハウジング12の左側に配置される左右方向に短尺状の部材である。そして、ギヤケース11とギヤハウジング12とがボルトBにより一体になることで、ハウジング10の左部に、ラック軸8と交差する分割面13が形成される。
図3に示すように、分割面13は、ハウジング10の径方向に階段状になっている。さらに、分割面13には、Oリングが介在している。このため、分割面13からハウジング10内に水が浸入し難い。
また、分割面13を構成するギヤケース11の右端面中央部とギヤハウジング12の左端面中央部とは窪んでおり、一体化したギヤケース11とギヤハウジング12との間に、補助トルク機構3の構成部品を収容する収容空間Sが形成されている。
また、ギヤケース11は、挿通されたラック軸8の周囲を囲む環状の周壁部14を有しており、その周壁部14には、第1軸受30の外輪が内嵌されている。
なお、第1軸受30は、特許請求の範囲に記載された「支持部材」である。
第1軸受30は、ラジアルベアリング、例えば4点接触ボールベアリングであって、ギヤケース11に設けられて、補助トルク機構3の後述するボールねじ24を回転自在に支持するための支持部材である。
第1軸受30の外輪は、左右方向から環状のスペーサ31、32に挟持され、さらに、スペーサ31の右側に固定リング36が当接し、ギヤケース11に対して、第1軸受30が左右方向に変位しないように規制されている。
また、ギヤハウジング12の左端部の上方には、モータ固定部17が設けられ、補助トルク機構3の後述するモータ20が取り付けられている。
ギヤケース11の右端部の上方には、モータ固定部17に接合する合わせ部18が設けられ、モータ固定部17と合わせ部18との間に、ギヤケース11とギヤハウジング12との間に形成された収容空間Sが延在している。
補助トルク機構3は、モータ20のトルクをラック軸8に伝達して、運転者による操舵をアシストするための機構である。
補助トルク機構3は、モータ固定部17に固定されて収容空間S内に出力軸20aが延在するモータ20と、出力軸20aに連結するとともに両端が第2軸受33、第3軸受34に支持された駆動プーリ21と、ラック軸8に連結するボールねじ24と、ボールねじ24に外嵌された従動プーリ22と、駆動プーリ21及び従動プーリ22に懸架されたベルト23と、を備える。
ボールねじ24は、従動プーリ22の回転運動を左右方向への直線運動に変換し、モータ20からのトルクをラック軸8に伝達する伝達部材であり、ナット25と、ねじ溝26が形成されたねじ軸8aと、複数の鋼球28、28・・・と、で構成されている。
なお、ねじ軸8aはラック軸8の一部である。
ナット25は、左右方向に延在し、ナット25の右側外周面に従動プーリ22が嵌められている。一方、ナット25の左端は、分割面13よりも左側に延在し、第1軸受30の内輪に内嵌されており、ナット25が第1軸受30に回転自在に支持されている。
また、第1軸受30の内輪の右側には、ナット25に外嵌された従動プーリ22が当接し、一方で、第1軸受30の内輪の左側には、ナット25の左端部に螺合した固定ナット35が当接している。このため、第1軸受30に対して、ナット25が左右方向へ変位しないように規制されている。
上述した補助トルク機構3によれば、モータ20の駆動により出力軸20aが回転すると、駆動プーリ21が回転する。そして、ベルト23によって駆動プーリ21の回転運動が従動プーリ22に伝達され、従動プーリ22が回転する。また、従動プーリ22とともにナット25が回転することで、ねじ軸8aには、左方又は右方へ移動するような力が作用するようになり、ラック軸8の左右方向への移動がアシストされる。
つぎに、ボルトBによるギヤケース11とギヤハウジング12との固定構造について説明する。
図1に示すように、ギヤハウジング12の左端部の外周面には、ギヤハウジング12の外周面に沿って周方向に延在するフランジ12aが設けられている。また、図3に示すように、フランジ12aには、ボルトBが螺合するための雌ねじ孔12bが形成されている。
一方、ギヤケース11の右端部の外周面には、ボルトBが貫通する被締結部15が形成されている。
図2に示すように、被締結部15は、ギヤケース11の周壁部14からラック軸8の径方向外側に延出してなる。このため、図3に示すように、被締結部15は、第1軸受30が内嵌された周壁部14に連続している。
被締結部15の右端面15bは、ギヤハウジング12のフランジ12aに当接し、分割面13を構成している。
一方で、被締結部15の左端面15cは、径方向内側に配置される第1軸受30を超えて第1軸受30よりも左側にある。このため、被締結部15は、軸方向において第1軸受30の全長と重複し、ハウジング10の分割面13の口開き量が低減する。
なお、重複とは、ラック軸8の径方向から視て、被締結部15と第1軸受30とが重なり合っていることを指す。
また、被締結部15には、左右方向に貫通する貫通孔15aが設けられており、この貫通孔15aにボルトBを挿通させることで、ボルトBが被締結部15を貫通する。
図2に示すように、被締結部15は、4本のボルトBに対応して4つ設けられている。
4つの被締結部15が設けられる位置は、ラック軸8を中心として、前側上方と、前側下方と、後側上方と、後側下方との四方向に分かれ、4つの被締結部15が第1軸受30を囲んでいる。
また、ギヤケース11では、隣り合う被締結部15、15同士の間に、円孤状の円孤部16が形成されている。このため、ギヤケース11の右端部の外周面に、被締結部15と円孤部16とが交互に配置され、周方向に連続した連続面を構成している。
そして、被締結部15と円孤部16とから構成される連続面は、ギヤハウジング12のフランジ12a全周に当接し、分割面13を介して収容空間Sに水が進入し難くなっている。
なお、円孤部16の厚み(左右方向の長さ)は、被締結部15よりも肉薄に形成され、ギヤケース11の軽量化が図られている。
以上、第1実施形態に係る操舵装置1によれば、ボルトBの本数を増やすことなく、ハウジング10の分割面13の口開き量を低減させることができる。
以上、第1実施形態について説明したが、本発明は、第1実施形態で説明した例に限定さない。たとえば、第1実施形態の操舵装置1は、ラックアシスト形式であったが、本発明はこれに限定されず、ステア・バイ・ワイヤ形式であってもよい。
また、第1実施形態の補助トルク機構3では、モータ20のトルクをナット25に伝達するために、駆動プーリ21、従動プーリ22、ベルト23を用いたベルト機構であったが、本発明はこれに限定されない。たとえば、スプロケットとチェーンとを用いたチェーン機構や、ピニオンとギヤとを用いたギヤ機構を用いても良い。
また、第1実施形態では、第1軸受30がギヤケース11に設けられていたが、本発明は、ギヤハウジング12の方に第1軸受30を設けてもよい。
また、第1実施形態のモータ20は、モータ固定部17が設けられたギヤハウジング12に取り付けられていたが、本発明は、ギヤハウジング12の方にモータ20を取り付けてもよい。
さらに、第1実施形態のモータ20は、第1軸受30が設けられていないギヤハウジング12に取り付けられていたが、本発明は、ギヤケース11又はギヤハウジング12に、第1軸受30とモータ20との両方を設けてもよい。
以下、ギヤケース11に第1軸受30とモータ20との両方を設けた場合と、ギヤハウジング12に第1軸受30とモータ20との両方を設けた場合とについて説明する。
《第2実施形態》
図4、図5に示すように、第2実施形態に係る操舵装置1Aのハウジング10Aは、ギヤケース(第1収容部材)11Aと、ギヤハウジング(第2収容部材)12Aと、を備える。ギヤケース11Aの周壁部14の内周面には、第1軸受30が内嵌されている。
ギヤケース11Aの外周面には、ボルトBが貫通し、ラック軸8の軸方向において第1軸受30の全長と重複する被締結部15が設けられている。
ギヤケース11Aの外周面には、モータ固定部17が設けられて、モータ20が取り付けられている。
一方で、ギヤハウジング12Aの左端部の外周面には、合わせ部18が形成されている。
このような操舵装置1Aであっても、被締結部15がラック軸8の軸方向において第1軸受30の全長と重複しているため、ボルトBの本数を増やすことなく、ハウジング10Aの分割面13の口開き量が低減させることができる。
《第3実施形態》
図6に示すように、第3実施形態に係る操舵装置1Bのハウジング10Bは、ギヤケース(第2収容部材)11Bと、ギヤハウジング(第1収容部材)12Bと、を備える。
ギヤハウジング12Bの周壁部14の内周面に第1軸受30が内嵌されている。
ギヤハウジング12Bの外周面には、ボルトBが貫通し、ラック軸8の軸方向において第1軸受30の全長と重複する被締結部15が設けられている。
ギヤハウジング12Bの外周面には、モータ固定部17が設けられていて、モータ20が取り付けられている。
一方で、ギヤケース11Bの右端部の外周面には、合わせ部18が形成されている。
このような操舵装置1Bであっても、被締結部15がラック軸8の軸方向において第1軸受30の全長と重複しているため、ボルトBの本数を増やすことなく、ハウジング10Bの分割面13の口開き量が低減させることができる。
《実施例》
つぎに、操舵装置の実施例について説明する。
実施した例として、図7(a)に示すように、第1実施形態に係る操舵装置1であり、被締結部15の左端面15cが第1軸受30を超えて第1軸受30よりも左側にあり、被締結部15がラック軸8の軸方向において第1軸受30の全長と重複しているものである。なお、被締結部15の軸方向の長さをL1とする。
また、実施例の効果を確認するために、比較例(比較例1、比較例2)を用意した。
図7(a)に示すように、比較例1の被締結部15の左端面15cは、第1軸受30の中心線(左右方向における中央)上にある(図7(a)の「L2」参照)。
よって、比較例1において、被締結部15と第1軸受30との重複量は、実施例1の被締結部15よりも少なく、実施例1の半分である。
比較例2の被締結部15の左端面15cは、第1軸受30の右端面上にある(図7(a)の「L3」参照)。よって、比較例2の被締結部15は、第1軸受30と重複していない。
このため、被締結部15と第1軸受30との重複量は、実施例>比較例1>比較例2の関係にある。
図7(b)に示すように、分割面13の口開き量は、実施例<比較例1<比較例2であった。よって、被締結部15と第1軸受30との重複量が多くなるほど、ハウジング10の口開き量が低減し、被締結部15が第1軸受30の全長と重複する実施例が最も口開き量が少なかった。
1、1A、1B 操舵装置
8 ラック軸
10、10A、10B ハウジング
11、11A、11B ギヤケース
12、12A、12B ギヤハウジング
12a フランジ
13 分割面
14 周壁部
15 被締結部
20 モータ
21 駆動プーリ
22 従動プーリ
23 ベルト
24 ボールねじ
25 ナット
30 軸受
B ボルト

Claims (1)

  1. 転舵軸と、モータからのトルクを前記転舵軸に伝達する伝達部材と、前記転舵軸と前記伝達部材とを収容する収容部材と、前記収容部材に設けられて前記伝達部材を支持する支持部材と、を備え、
    前記収容部材は、締結部材により一体となる第1収容部材と第2収容部材とを有し、
    前記第1収容部材には、前記支持部材が設けられるとともに、前記締結部材が貫通する被締結部が形成され、
    前記被締結部は、前記転舵軸の軸方向において前記支持部材の全長と重複する
    ことを特徴とする操舵装置。
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