JP2015168328A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
Description
更に、本発明によると、緩衝部材は筒状部材を有するので、ラックガイドは、傾斜し過ぎることがなく、更に弾性部材の弾性力によって、初期位置に復元し易い。これにより、ステアリング操作における切り増し及び切り戻しの間に操舵感の差異が生じない又は生じ難いステアリング装置を提供することができる。
ラックガイド12と押さえ部材13とは、ガイドハウジング5内において、ガイドハウジング5の外側開口部から並んで配置され、ラックガイド12と押さえ部材13との間にコイルばね14が配置されている。
なお、コイルばね14は、本発明に係るステアリング装置の付勢部材の一例である。本発明においては、コイルばね14以外にも、例えば板バネ、空気バネ、又はたけのこバネ等を用いることができる。
なお、弾性部材152がエラストマー等の弾性材料を用いて形成される場合は、未加硫状態の弾性部材152の材料に対して加硫しつつ、筒状部材151に対して圧接し、適宜に加熱することによって、弾性部材152を形成すると共に筒状部材151に対して接着固定が可能である。加硫以外の固定方法を採用することもでき、例えば圧着、溶着、又は筒状部材に溝又は被係合部等を設け、弾性部材の一部に凸部又は係合部等を設けて機械的に固定する方法等を採用しても良い。
次に、ラックシャフト11、ラックガイド12及び緩衝部材15の挙動について、図3を参照しつつ説明する。
なお、図3(A)及び図3(B)において図示はしていないが、上記ピニオンシャフト2は、図に対して手前と奥との間に延在し、ラックシャフト11の上方に配置されることになる。
緩衝部材15、筒状部材151、及び弾性部材152は、本発明に係るステアリング装置の緩衝部材、筒状部材及び弾性部材の一例である。
仮に、上述した緩衝部材15を設けずに、単にガイドハウジング5内にラックガイド12を配置してコイルばね14で付勢するだけの場合、ラックガイド12のガイドハウジング5内における挙動の自由度が高まる。つまり、ラックガイド12が、ラックシャフト11の動きに追従して傾き易くなる。ラックガイド12がラックシャフト11の動きに追従し易いと、ラックシャフト11が大きく又は急激に動いたとき等に、ラックガイド12の一部がガイドハウジング5の内周面に強く接触する可能性が生じる。この接触によって、異音が発生してしまうことがある。
この異音の発生を防止するために、ガイドハウジング5内で傾斜し過ぎないように従来Oリングが設けられていた。
具体的には、切り戻しの一形態として、ステアリングホイールを左に切った状態から、右に切ることによって車両が直進可能な初期位置まで戻し、更に間を空けずに再度左に切ることによってステアリングホイールを左に切った状態にする形態を挙げることができる。
更に、切り増しの一形態として、ステアリングホイールを右に切った状態から、左に切ることによって車両が直進可能な初期位置まで戻し、更に間を空けずに追加で左に切ることによってステアリングホイールを左に切った状態にする形態を挙げることができる。
この状態からステアリングホイールを初期位置に戻すと、ラックシャフト11の動きに追従してラックガイド12は例えば右側に傾く。更に、ラックガイド12が初期位置に戻る前に、間を空けずにステアリングホイールを左に切ると、右側に傾いたラックガイド12が左側に傾くことになる。これにより、ラックガイド12は、初期位置に戻る場合、又は初期位置より若干左側に傾く場合を採り得る。このとき、ラックガイド12は特に問題ある挙動をしないので、操舵感は途中で変化しない。
この状態からステアリングホイールを初期位置に戻すと、ラックシャフト11の動きに追従してラックガイド12は左側に傾く。更に、ラックガイド12が初期位置に戻る前に、間を空けずにステアリングホイールを左に切ると、左側に傾いたラックガイド12が更に左側に傾くことになる。一方向に傾き過ぎたラックガイド12は、ガイドハウジング5の内周面に接触する可能性が生じる。このとき、上述したように異音が発生する。更に、ステアリング操作の途中でガイドハウジング5とラックガイド12との接触が生じることにより、ラックガイド12が傾斜を途中で停止することになるので、ラックシャフト11とラックガイド12との接触部位に作用する摩擦力に変化が生じる。これにより、操舵感が途中で変化する。
特に、従来技術のように断面円形のOリングを用いる場合、該Oリングの線径が小さいと、ラックガイド12が傾斜し易いので、ステアリング操作で切り増しを行うと、ラックガイド12がガイドハウジング5の内周面に接触し易い。これにより、上述したようにステアリング操作の初動に要する応力は小さく抑えることはできるが、切り増した時の異音の発生、及び操舵途中で操舵感の変化が生じ易い。
切り戻し及び切り増しの様に、同一方向へのステアリング操作を行っても、直前のステアリング操作の相違によって、車両は両操作共通して直進状態となっているにもかかわらず、ラックガイド12の状態が相違していることに起因して、操舵感に差異が生じてしまうことがあった。
ラックガイドが傾斜し易い場合は、ピニオン回転トルクを高めていくと、ステアリング操作で入力するトルクがラックガイドの傾斜にある程度吸収され、限界までラックガイドの傾斜した後にラックシャフトがラックガイドの表面を摺動し始めることにより、静止摩擦力から動摩擦力と同等の大きさの必要トルクに変化する。しかしながら、Oリングの線径を大きくしてラックガイドを傾斜し難くすると、ステアリング操作で入力するトルクがラックガイドの傾斜にある程度吸収されず、必要トルクの大きさが静止摩擦力から動摩擦力の大きさに突然変化するので、図4のグラフ中に破線で示すようなトルクのオーバーシュートを生じることが多い。
これにより、ステアリング装置1は円滑なステアリング操作を妨げられることはない。
これにより、ステアリング操作において切り増し又は切り戻しをする場合、いずれの場合であっても、ラックガイド12が傾斜しても迅速にかつ正確に初期位置に戻るので、操舵感は一定である。よって、弾性部材152を有する緩衝部材15を設けたステアリング装置1は、ステアリング操作における切り増しと切り戻しとの間に操舵感の差異が生じない又は生じ難い。
更に、ラックガイド12、コイルばね14、ガイドハウジング5、ピニオンシャフト2、及びラックシャフト11等の部材が設計変更されて各大きさ及び各形状が変更された場合であっても、筒状部材の厚みによってラックガイドの可動範囲を設定することができるので、操舵感の制御が容易である。
なお、筒状部材151を設けることによって、ラックガイド12がガイドハウジング5の内周面に接触して異音を生じることはない。
また、ラックガイド12の傾斜の範囲に基づいて、緩衝部材15の径方向における筒状部材151の厚み、及び弾性部材152の厚み、及び弾性部材152の材料等を適宜に決定するのが良い。筒状部材151の厚みは、ラックガイド12の傾斜範囲をピニオン回転トルクが静止摩擦力から動摩擦力に円滑に移行可能な範囲とすることができれば良い。また、弾性部材152の厚みは、ラックガイド12が適切に傾斜可能であり、ラックガイド12を傾斜しても初期位置に戻し易い弾性力を実現可能であれば良い。
なお、図5及び図6に示す緩衝部材以外のラックガイド、ガイドハウジング及びラックシャフト等は図2及び図3に示したラックガイド12、ガイドハウジング5及びラックシャフト11と同一部材を用いているので、同一の参照符号を付し、該同一部材についての詳細な説明は省略する。なお、図5及び図6には図示していないが、図5の左側がピニオンシャフト及びラックシャフト側であり、図6(A)の手前側、図6(B)及び図6(C)の上側がピニオンシャフト側である。
これにより、ステアリング装置1は円滑なステアリング操作を妨げられることはない。
これにより、ステアリング操作において切り増し又は切り戻しをする場合、いずれの場合であっても、ラックガイド12が傾斜しても迅速にかつ正確に初期位置に戻るので、操舵感は一定である。よって、弾性部材161を有する緩衝部材16又は弾性部材173を有する緩衝部材17を設けたステアリング装置1は、ステアリング操作における切り増しと切り戻しとの間に操舵感の差異が生じない又は生じ難い。
つまり、筒状部材162、第1筒状部材171及び第2筒状部材172を設けることによって、ガイドハウジング5とラックガイド12との間隙を狭め、ラックガイド12の可動範囲を実質的に規制することができる。ラックガイド12の可動範囲が適切であれば、ラックガイド12が傾斜し過ぎなくなり、図4のグラフに破線で示すオーバーシュートが生じ難いので、円滑なステアリング操作が可能となる。
なお、筒状部材162、第1筒状部材171及び第2筒状部材172を設けることによって、ラックガイド12がガイドハウジング5の内周面に接触して異音を生じることはない。
図6(A)は、ラックガイド12及び緩衝部材18を、ラックガイド12におけるラックシャフト11側の一端面から見た場合の概略図である。図6(B)は、図6(A)に示したラックガイド12及び緩衝部材18をX−X面で切断した場合の一部拡大断面図である。図6(C)は、図6(A)に示したラックガイド12及び緩衝部材18をY−Y面で切断した場合の一部拡大断面図である。
特に図6(A)及び図6(C)に示すように、弾性部材183は、ラックガイド12の外周面において、ラックシャフト11の軸線方向に対して直交する部位を含むように配置されている。
弾性部材183によって、ラックガイド12は、ラックシャフト11の動きに追従してある程度の傾斜は許容されている。これにより、ピニオン回転トルクを静止摩擦力から動摩擦力の大きさに円滑に移行させることができ、図4に破線で示したピニオン回転トルクのオーバーシュートが生じない又は生じ難い。
これにより、ステアリング装置1は円滑なステアリング操作を妨げられることはない。
これにより、ステアリング操作において切り増し又は切り戻しをする場合、いずれの場合であっても、ラックガイド12が傾斜しても迅速にかつ正確に初期位置に戻るので、操舵感は一定である。よって、弾性部材183を有する緩衝部材18を設けたステアリング装置1は、ステアリング操作における切り増しと切り戻しとの間に操舵感の差異が生じない又は生じ難い。
該接触部位近傍において、第1筒状部材181及び第2筒状部材182を設けているので、弾性部材183は最大でも第2筒状部材182の内周面までしか径方向に圧縮され得ない。これにより、ラックガイド12の過度の傾斜を防止することができる。
つまり、第1筒状部材181及び第2筒状部材182を設けることによって、ガイドハウジング5とラックガイド12との間隙を狭め、ラックガイド12の可動範囲を実質的に規制することができる。ラックガイド12の可動範囲が適切であれば、ラックガイド12が傾斜し過ぎなくなり、図4のグラフに破線で示すオーバーシュートが生じ難いので、円滑なステアリング操作が可能となる。
なお、第1筒状部材181及び第2筒状部材182を設けることによって、ラックガイド12がガイドハウジングの内周面に接触して異音を生じることはない。
これに対して、本発明に係るステアリング装置は、緩衝部材15、16及び17のように、各筒状部材及び各弾性部材の形状を、ラックガイドの外周面におけるラックシャフトとの接触部位の形状に合わせて適宜に形成することができる。更に、ラックシャフトの軸線に沿ったラックガイドの支持を実現できれば良い場合は、緩衝部材18のように弾性部材を筒形状に形成する必要はなく、板形状又は棒形状等の弾性部材をラックガイドの支持すべき部位に配置すれば良い。
したがって、本発明に係るステアリング装置は、ラックガイドが動く範囲及び方向が決定されれば、その範囲及び方向に基づいて最適なラックガイドの支持態様を採ることができる。よって、本発明に係るステアリング装置は設計自由度が高いので好ましい。
第1弾性部材と第2弾性部材とは、二色成形等で一体的に形成される形態であっても良く、別体的に形成される形態であっても良い。
Claims (8)
- ラック及びピニオンを備えるステアリング装置であって、
ピニオンを外周面に有するピニオンシャフトと、
ピニオンに歯合するラックを有するラックシャフトと、
ラックシャフトのピニオンシャフトとは反対側において、ラックシャフトをその軸線に沿って案内するラックガイドと、
ラックをピニオン側に押圧するために、ラックガイドをラックシャフトに対して付勢する付勢部材と、
ラックガイド及び付勢部材を収容するガイドハウジングと、
ラックガイドの外周面とガイドハウジングの内周面との間に設けられる緩衝部材と、を備え、
緩衝部材は、筒状部材と弾性部材とを有し、
弾性部材は、筒状部材の内周面及び外周面の少なくとも一方に配置される、
ステアリング装置。 - 弾性部材は、筒状部材の内周面に取付けられ、ラックガイドの外周面に当接する、
請求項1に記載のステアリング装置。 - 弾性部材は、筒状部材の外周面に取付けられ、
筒状部材の内周面が、ラックガイドの外周面に当接する、
請求項1に記載のステアリング装置。 - 筒状部材は、小径の第1筒状部材と、大径の第2筒状部材とを有し、
第1筒状部材が第2筒状部材内に配置され、
弾性部材が第1筒状部材の外周面と第2筒状部材の内周面との間に取付けられる、
請求項1に記載のステアリング装置。 - 弾性部材は、ラックガイドのラックシャフトとの接触部位近傍に配置される、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のステアリング装置。 - 弾性部材は、ラックガイドの軸線に沿って配置される、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のステアリング装置。 - 弾性部材は、筒状部材に対して加硫によって固定される、
請求項1〜6のいずれか1項に記載のステアリング装置。 - 弾性部材は、第1弾性部材と、第1弾性部材より小さい弾性率を有する第2弾性部材とを有し、
第2弾性部材は、第1弾性部材よりピニオンシャフト及びラックシャフト側に配置される、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のステアリング装置。
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