JP2015165443A - 光ディスク装置、及び制御方法 - Google Patents

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潤一 酒井
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Abstract

【課題】励磁電流を適切に制御して消費電力を削減すること。
【解決手段】光ディスク2に光線を照射するピックアップ7と、前記ピックアップを移動するステッピングモータ20と、を有し、前記光ディスク2の再生の間、前記ピックアップ7の動作状態を切り替える光ディスク装置1において、前記ピックアップ7の動作状態の切り替えに合わせて、前記ステッピングモータ20に流す励磁電流の波高値を、切替先の前記ピックアップ7の動作状態に必要なトルクが得られる値に合わせて変更する構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ディスク装置、及び制御方法に関する。
CDやDVD等の光ディスクの記録面に記録された情報を再生する光ディスク再生装置が知られている。また光ディスクの記録面に情報を記録する光ディスク記録装置も知られている。これら光ディスク再生装置、及び光ディスク記録装置(以下、これらを「光ディスク装置」と称する)は、光ディスクの記録面に記録された情報を読取るために当該記録面にレーザ光を照射するピックアップと、このピックアップを駆動するピックアップ駆動装置とを備えている。
ピックアップ駆動装置は、光ディスクの再生又は記録時に、ピックアップを光ディスクの径方向(トラッキング方向)へ移動するアクチュエータとしてモータを備えている。このモータには、正確、かつ高度な移動を実現するために、ステッピングモータが広く用いられており、このステッピングモータとして、比較的小型で安価なものを用いることで、低コスト化が図られている。しかしながら、ステッピングモータは小型になるほどトルクが低下することから、ピックアップを十分な速度で移動するために必要なトルクが得られない、という問題がある。この問題に対し、ピックアップの移動速度(駆動速度)を低速に設定することで、必要なトルクを下げることができるが、そうすると動作速度が低下するという問題がある。
そこで、ステッピングモータは励磁電流が大きくなるほどトルクも増大することから、従来では、トルクの不足を補うように励磁電流を増大させている。しかしながら、励磁電流を過度に増大させると、ステッピングモータの温度が上がりコイルの焼損を招き易くなるなどの弊害が生じる。
以下、2相励磁方式のステッピングモータを例にして説明する。
図11は、ステッピングモータにおける励磁電流、及び総消費電流の波形図の一例である。
ステッピングモータが消費する総消費電流は、A相、及びB相の各相の励磁電流の波高値に比例して大きくなり、図11の例では、光ディスク装置の動作状態に応じて波高値に対し1〜√2倍の値となっている。相消費電流に差異を生じる光ディスク装置の動作状態は、アクセス状態、内周トレース再生状態、外周トレース再生状態、ポーズ(Pause)状態I、及びポーズ(Pause)状態IIの5つに大別される。
アクセス状態は、光ディスク装置がピックアップを現在位置から、データの読出又は書き込みを開始する目標のトラッキング位置まで移送する動作状態である。
内周トレース再生状態、及び外周トレース再生状態はどちらも、光ディスク装置が光りディスクから読み取ったデータを出力して再生している再生状態である。この再生状態では、光ディスク装置は、目標のトラッキング位置のトラックに沿ってピックアップを移動させてデータを読み出している。内周トレース再生状態と外周トレース再生状態は、光ディスクからデータを読み出すトレース位置が異なり、内周トレース再生状態ではトレース位置が光ディスクの内周側であり、外周トレース再生状態ではトレース位置が外周側である。
ポーズ状態I、及びポーズ状態IIはどちらも、光ディスク装置がデータの出力を停止している停止状態である。この停止状態では、光ディスク装置は、光ディスクからのデータの読み出す必要がないためピックアップの移動を停止する。ポーズ状態Iとポーズ状態IIは、ステッピングモータへの通電状態が異なり、ポーズ状態Iでは2相のいずれか1相にのみ通電され、ポーズ状態IIでは2相の両方へ通電される。
なお、光ディスク装置は、一般に、光ディスクの再生の間、読み出しデータをバッファメモリに記録するバッファリング機能を備えている。すなわち、外部にデータが出力されている上記再生状態であっても、データのバッファリングによりバッファメモリ(バッファリングメモリとも称される)に空き容量が無い状態の間は(バッファ満杯状態)、光ディスクからのデータの読み出しが停止されるから、この間は光ディスク装置の動作状態は上記ポーズ状態となる。
図12〜図16は、上記動作状態別にステッピングモータの励磁電流と総消費電流を示す波形図であり、図12は、アクセス状態を示し、図13は内周トレース再生状態を示し、図14は外周トレース再生状態を示し、図15はポーズ状態Iを示し、図16はポーズ状態IIを示している。
アクセス状態では、図12に示すように、ピックアップがトラッキング方向に高頻度に比較的大きな移動速度で移動することから、ステッピングモータのトルクは下がり、またピックアップを脱調させないために励磁電流には高い電流値が必要となる。総消費電流の波高値は高いものの短い周期で変化するため、平均化すると発生する熱量は中程度である。
内周トレース再生状態では、図13に示すように、ピックアップがトラックに沿って移動するため、トラッキング方向への移動速度は小さく、ステッピングモータのトルクは上がり、また励磁電流はピックアップをトラッキング方向に配送可能な程度の低い電流値となる。発生する熱量はアクセス状態ほどではないものの、総消費電流の周期がアクセス状態に比べて延びることから、図13に示すように、熱量が上昇し温度上昇が大きい区間Aが広がる。
外周トレース再生状態では、図14に示すように、ピックアップがトラックに沿って比較的小さな移動速度で移動し、トラッキング方向への移動速度は、内周トレース再生状態よりも更に小さくなる。この外周トレース再生状態では、内周トレース再生状態と同様に、ステッピングモータのトルクは上がり、また励磁電流はピックアップを配送可能な程度の低い電流値となる。発生する熱量は平均化されるが、トラッキング方向への移動速度が小さいため、総消費電流の周期が内周トレース再生状態よりも更に延び、熱量が上昇し温度上昇が大きい区間Aが更に広がっている。
ポーズ状態Iでは、図15に示すように、ピックアップはトラッキング方向にはほとんど移動しないため、ピックアップが外乱で動かされないように固定する程度のトルクを発生するだけの励磁電流が流れていればよい。また2相のうちの一方(図示例ではA相)の励磁電流が0(mA)であるから、総消費電流値は低く発熱量は非常に小さい。
ポーズ状態IIでは、ポーズ状態Iと同様に、ピックアップはトラッキング方向にほとんど移動しないため、図16に示すように、ピックアップが外乱で動かないように固定するトルクを発生する程度の励磁電流が流れていればよい。一方、A相、及びB相の2相の両方に継続して通電されているから、総消費電流値は高く発熱量は非常に大きい。
図17は、図12〜図16に示した動作状態ごとのトルク、及び発熱量の傾向を表形式で示す。
この図に示すように、光ディスク装置の動作状態に応じて、必要なトルク、及び発熱量が異なることが分かる。また、アクセス状態のように、必要なトルクが小さくとも発熱量が大きい一方で、ポーズ状態のように、必要なトルクが大きくとも発熱量が小さいといこともあり、動作状態ごとに必要なトルクの傾向と、発熱量の傾向とは必ずしも一致しない。
すなわち、従来の光ディスク装置では、ステッピングモータの励磁電流の波高値が動作状態に依らずに一定としているため、励磁電流が比較的小さくてもよい状態でも、比較的大きな励磁電流を流し、発熱量を増大させている。特に、トルク増大のために励磁電流を大きくした場合、発熱量の増大はより顕著となる。
そこで、ステッピングモータの停止のタイミングで励磁電流の電流値を下げ、ピックアップの移動開始のタイミングから励磁電流を徐々に上げることで、発熱量を抑える技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3325485号公報
しかしながら、従来の技術では、光ディスク装置の動作状態とは無関係に、ステッピングモータの動作開始と停止とのタイミングを起点として励磁電流を可変させているため次のような問題がある。
図18はアクセス状態におけるアクセス開始時のステッピングモータの励磁電流、及び総消費電流の波形図である。
従来の技術にあっては、アクセス開始(ピックアップの移動開始)とともに励磁電流が徐々に上がるため、図18に示すように、アクセス開始から所定期間Bにおいては、トルクを小さく、かつアクセスのプロファイル(励磁電流波形の形状)を時間的に緩やかに変化するように設定する必要がある。このためピックアップの移動速度が最高速に達するまでの時間が長くなるため、目標のトラッキング位置に達するまでの時間(所定期間Bの長さ)も長くなる。そこで、励磁電流を比較的短時間で波高値(最大値)まで戻せば、最高速に達するまでの時間(所定期間Bの長さ)を短縮できる。しかしながら、この場合、ステッピングモータに印加する電位の上昇をアクセス開始と完全に同時のタイミングで行わなければならず、少しでも上昇タイミングにズレが生じればピックアップに微細動が発生するおそれがある。
図19は、ステッピングモータをマイクロステップ駆動方式で駆動したときの波形図であり、図19(A)は励磁電流Isの波形を示す。また図19(B)、及び図19(C)は図19(A)の位相区間Cを、励磁電流Isを流すための駆動電圧Vaの波形とともに拡大して示す図である。
近年、光ディスクへの記録の高密度化に伴い、ピックアップを高分解、高精度に駆動することが求められている。この要求に応えるために、ステッピングモータの駆動方式には、従前のパルス駆動方式に代えてマイクロステップ駆動方式が用いられている。マイクロステップ方式では、ステッピングモータに印加する駆動電圧Vaを0、1の2段階ではなく、図19(A)に示すように、パルス幅変調方式のインバータを用いて多段階に変化させることで、励磁電流Isを略正弦波状に滑らかに変化させている。
このマイクロステップ駆動方式では、図19(B)に示すように、1マイクロステップCsごとに、立上がり、及び立下がりに傾斜を設けた台形状に駆動電圧Vaを変化させることで、消費電力を減らすことができる。
しかしながら、1マイクロステップCsあたりのピックアップの移動量(マイクロステップCsの幅)が小さく設定されている場合、又は、光ディスクの回転速度が大きい場合、図19(C)に示すように、駆動電圧Vaが大きくなったときには、1マイクロステップCsの期間内で駆動電圧Vaが下がりきらず、省電力効果が弱まる、という問題がある。
この問題は、光ディスクの高密度化が進むことで、1マイクロステップCsあたりの移動量が低下し、線速度や再生速度も上昇する傾向にあるため特に顕著になる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、励磁電流を適切に制御して消費電力を削減できる光ディスク装置、及び制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、光ディスクに光線を照射するピックアップと、前記ピックアップを移動するステッピングモータと、を有し、前記光ディスクの再生の間、前記ピックアップの動作状態を切り替える光ディスク装置において、前記ピックアップの動作状態の切り替えに合わせて、前記ステッピングモータに流す励磁電流の波高値を、切替先の前記ピックアップの動作状態に必要なトルクが得られる値に合わせて変更することを特徴とする。
また本発明は、上記光ディスク装置において、前記ステッピングモータに流す励磁電流の波高値を、最小値から最大値の間で少なくとも3段階以上に変更することを特徴とする。
また本発明は、上記光ディスク装置において、前記ステッピングモータの制御を規定したプロファイルデータを前記ピックアップの動作状態ごとに備え、前記励磁電流の波高値を前記ピックアップの動作状態に必要なトルクが得られる値に合わせながら、前記ピックアップの動作状態に対応するプロファイルデータに基づき励磁電流を流すことを特徴とする。
また本発明は、上記光ディスク装置において、前記ステッピングモータの制御を含む制御処理を実行するフロントエンド部と、前記光ディスクから読み取られたデータに基づく処理を実行するバックエンド部と、を備え、前記フロントエンド部が、前記ピックアップの動作状態の切り替えに合わせて、前記ステッピングモータに流す励磁電流の波高値を、切替先の前記ピックアップの動作状態に必要なトルクが得られる値に合わせて変更することを特徴とする。
また本発明は、上記光ディスク装置において、前記フロントエンド部は、前記光ディスクから読み取ったデータを一時的に記憶するバッファメモリを備え、前記バックエンド部に出力するデータを前記バッファメモリから読み出すとともに、当該バッファメモリの空き容量の不足に伴い前記データの一時記憶を停止し、前記フロントエンド部による一時記憶の停止に対応して前記ピックアップの動作状態が切り替えられることを特徴とする。
また上記目的を達成するために、本発明は、光ディスクに光線を照射するピックアップと、前記ピックアップを移動するステッピングモータと、を有し、前記光ディスクの再生の間、前記ピックアップの動作状態を切り替える光ディスク装置の制御方法において、前記ピックアップの動作状態の切り替えに合わせて、前記ステッピングモータに流す励磁電流の波高値を、切替先の前記ピックアップの動作状態に必要なトルクが得られる値に合わせて変更することを特徴とする。
本発明によれば、励磁電流が適切に制御されて消費電力の削減が図られる、という効果を奏する。
本実施形態に係る光ディスク装置の機能的構成を示すブロック図である。 動作状態切替時におけるモータ制御装置の励磁電流設定処理のフローチャートである。 ステッピングモータの駆動処理のフローチャートである。 モータ制御装置のモータ制御処理のフローチャートである。 波高値設定処理のフローチャートである。 光ディスクの再生時における励磁電流の変化を示す図である。 図6の(I)部の拡大図であって、システムコントローラが動作処理をアクセス処理からトレース処理に切り替えるときの励磁電流波形を示す図である。 図6の(II)部の拡大図であって、システムコントローラが動作処理をトレース処理からスティル処理に切り替えるときの励磁電流波形を示す図である。 図6の(III)部の拡大図であって、システムコントローラが動作処理をスティル処理からトレース処理に切り替えるときの励磁電流波形を示す図である。 図6の(IV)部の拡大図であって、システムコントローラが動作処理をスティル処理からアクセス処理に切り替えるときの励磁電流波形を示す図である。 従来の光ディスク装置のステッピングモータの励磁電流、及び総消費電流の波形図である。 従来の光ディスク装置のアクセス状態におけるステッピングモータの励磁電流、及び総消費電流の波形図である。 従来の光ディスク装置の内周トレース再生状態におけるステッピングモータの励磁電流、及び総消費電流の波形図である。 従来の光ディスク装置の外周トレース再生状態におけるステッピングモータの励磁電流、及び総消費電流の波形図である。 従来の光ディスク装置のポーズ状態Iにおけるステッピングモータの励磁電流、及び総消費電流の波形図である。 従来の光ディスク装置のポーズ状態IIにおけるステッピングモータの励磁電流、及び総消費電流の波形図である。 図12〜図16に示した動作状態ごとのトルク、及び発熱量の傾向を示す図である。 従来の光ディスク装置のアクセス状態におけるアクセス開始時のステッピングモータの励磁電流、及び総消費電流の波形図である。 従来の光ディスク装置のステッピングモータをマイクロステップ駆動方式で駆動したときの波形図であり、(A)は励磁電流の波形を示し(B)、及び(C)は(A)の位相区間Cを、励磁電流を流すための駆動電圧の波形とともに拡大して示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る光ディスク装置1の機能的構成を示すブロック図である。
光ディスク装置1は、光ディスク2に記録された情報を読み取る装置であり、同図に示すように、システムコントローラ4と、サーボ制御装置5と、ピックアップ駆動装置6と、ピックアップ7と、モータ制御装置8と、を備えている。
光ディスク2は、情報を記録する記録媒体であり、薄い円盤状に形成され、表裏面の少なくともいずれか一方の面に、情報を記録する記録面2Aが形成されている。光ディスク2の例としては、CDやDVD、BD等が挙げられる。
システムコントローラ4は、装置の各部を中枢的に制御する。このシステムコントローラ4は、光ディスク2から信号を読み出す、いわゆるフロントエンド部の機能を備える回路である。すなわちシステムコントローラ4は、サーボ制御装置5、ピックアップ駆動装置6、及びモータ制御装置8を制御することで、光ディスク2の再生に必要なサーボ制御やレーザ制御、データ読み出し等のエラー訂正といった各種の制御を実行する。
なお、光ディスク装置1には、フロントエンド部たるシステムコントローラ4によって読み出された信号をデコードして例えば楽曲データ等の所定データ(情報)に変換する、いわゆるバックエンド部の機能を備えたコントローラがシステムコントローラ4とは別に設けられている。
ピックアップ7は、光ディスク2の記録面2Aに光線たるレーザ光をフォーカスさせながら照射し、記録面2Aで反射した反射光(戻り光)を検出し、その光量を出力する装置である。具体的には、ピックアップ7は、レーザ照射装置10と、ピックアップレンズ11と、戻り光検出装置12と、ピックアップレンズ駆動装置13と、を備えている。
レーザ照射装置10は、レーザ光源(例えばレーザダイオード)を備え、サーボ制御装置5の制御の下、光ディスク2の記録面2Aにレーザ光を照射する。
ピックアップレンズ11は、集光(フォーカス)するレンズであり、ピックアップレンズ11には、レーザ照射装置10のレーザ光が例えばミラー等の光学系を通じて入射され、ピックアップレンズ11によって光ディスク2の記録面2Aに集光して照射される。
戻り光検出装置12は、レーザ光の記録面2Aでの反射による戻り光を検出するセンサ(例えばフォトダイオード)を備え、戻り光の光量をサーボ制御装置5に出力する。戻り光の光量は、レーザ照射箇所に記録された情報(0、1のデジタル値)に応じて大小に変化することから、当該戻り光の光量の大小(所定閾値より大きいか否か)に基づいて、レーザ照射箇所の情報(デジタル値)が判定される。また、この戻り光の光量に基づき、トラッキング位置のズレ量や、フォーカス位置のズレ量が特定される。
ピックアップレンズ駆動装置13は、サーボ制御装置5の制御の下、ピックアップレンズ11をフォーカス方向、及びトラッキング方向に移動するレンズアクチュエータを備えている。フォーカス方向は、レーザ光の光軸方向(記録面2Aに接近又は離間する方向)であり、トラッキング方向は光ディスク2の径方向である。
サーボ制御装置5は、システムコントローラ4の制御の下、戻り光の光量に基づいて、レーザ光の照射光量、フォーカス位置、及びトラッキング位置をサーボ制御する。
具体的には、サーボ制御装置5は、戻り光検出装置12から戻り光の光量が入力されると、戻り光の光量と所定値を比較し、戻り光の光量が所定値に維持されるようにレーザ照射装置10の照射光量をサーボ制御する。またサーボ制御装置5は、戻り光の光量に基づいて、トラッキング位置のズレ量、及びフォーカス位置のズレ量を特定し、これらのズレ量を打ち消すようにピックアップレンズ駆動装置13をサーボ制御してピックアップレンズ11の位置を調整する。これらのサーボ制御により、戻り光の光量が安定し、記録面2Aから情報が安定的に読み取られるようになる。
またサーボ制御装置5は、戻り光の光量をシステムコントローラ4に順次に出力し、システムコントローラ4が戻り光の光量に基づいてレーザ照射箇所の信号(デジタル値)を判定することで信号の読み取りを行う。
またシステムコントローラ4は、信号から読み取ったデータを一時記憶するバッファメモリ4Aを備え、信号の読み取り動作中には、信号のデータを順次にバッファメモリ4Aに格納し、バックエンド部でのデータ再生に合わせて、バッファメモリ4Aから信号のデータを読み出してバックエンド部に出力する。
ピックアップ駆動装置6は、ピックアップ7を光ディスク2のトラッキング方向(すなわち内外周)に配送する装置であり、ステッピングモータ20を含む直動機構21を備えている。ステッピングモータ20は例えば2相励磁型のモータであり、モータ制御装置8によって駆動される。直動機構21は、ステッピングモータ20の出力軸に結合され、当該出力軸の回転に伴ってピックアップ7をトラッキング方向に直線的に動かすメカニカル機構である。
モータ制御装置8は、システムコントローラ4の指示に基づいて、ステッピングモータ20を駆動するものであり、駆動方式にはマイクロステップ駆動が用いられている。このステッピングモータ20の駆動によってピックアップ7がトラッキング方向に直動される。
詳述すると、モータ制御装置8は、記憶部25を備え、この記憶部25には、ステッピングモータ20の駆動、及び制御に要する各種のデータが記憶されている。また、この記憶部25には、動作状態別電流データ26が予め格納されている。動作状態別電流データ26は、ステッピングモータ20に流す励磁電流を、光ディスク2の再生時におけるピックアップ7の動作状態と対応付けて規定したデータである。
光ディスク装置1が光ディスク2を再生する時の動作には、光ディスク2の記録面2Aから情報を読み出し、デコード処理等の各種の信号処理を施し、外部に出力する一連の動作が含まれている。このような一連の動作の中で、ピックアップ7のトラッキング方向への移動態様、すなわち、ピックアップ7の配送に伴うステッピングモータ20の総消費電流に差異を生じる観点によって、動作の状態を分類したものが上記動作状態として規定されている。
この光ディスク装置1では、ピックアップ7の動作状態として、アクセス状態、トレース(Trace)状態、及びスティル(Still)状態の3つの動作状態が規定され、それぞれの動作状態ごとにプロファイルデータ27が上記記憶部25に予め格納されている。光ディスク2の再生中には、これら3つの動作状態が、システムコントローラ4の動作処理に合わせて選択的に切り替えられる。
プロファイルデータ27は、ピックアップ7の移動態様における加速度や速度、加速期間等を定義したデータである。ピックアップ7の加速度や速度、加速期間に応じて、ステッピングモータ20に流す励磁電流の波形も異なる。すなわち、モータ制御装置8は、動作状態が決定すると、その動作状態に対応したプロファイルデータ27を読み出し、そのプロファイルデータ27の定義に即して励磁電流をステッピングモータ20に流す。
図2は光ディスク装置1の再生時の動作を、バックエンド部、及びフロントエンド部ごとに示した説明図である。
バックエンド部の動作の観点で、再生時の動作処理を大別すると、バックエンド部の再生時の処理は、図2に示すように、アクセス処理、プレイ(Play)処理、及びポーズ(Pause)処理の3つに大別される。
アクセス処理は、光ディスク2の目標のトラッキング位置から信号を読み出すために、この目標のトラッキング位置にピックアップ7を配送する動作処理である。
プレイ処理は、光ディスク2から信号を読み出し、デコード等の信号処理を行って、外部の装置にデータを順次に出力する動作処理である。
ポーズ処理は、光ディスク2の回転、及びピックアップ7の駆動を継続しつつ、外部の装置へのデータの出力を一時的に停止している動作処理である。
一方、フロントエンド部たるシステムコントローラ4は、光ディスク2の再生時にバッファメモリ4Aへの信号データの蓄積動作を有することから、再生時の処理はバックエンド部の動作処理と一部を異にする。
すなわち、フロントエンド部の動作の観点で、再生時の動作処理を大別すると、フロントエンド部の再生時の処理は、図2に示すように、アクセス処理、トレース処理、及びスティル処理の3つに大別される。
アクセス処理は、バックエンド部のアクセス処理と同じ動作処理である。
トレース処理は、光ディスク2から信号を読み取りバッファメモリ4Aに信号データを順次に蓄積する動作処理であり、フロントエンド部がプレイ処理、及びポーズ処理(すなわち、アクセス処理以外)を実行している間に行われる。
スティル処理は、バッファメモリ4Aに信号データが満杯に記憶されて、追加で記憶する空き容量(残量)が不足した状態となったために、光ディスク2からの信号の読み取りを一時停止する動作処理であり、トレース処理と同じく、フロントエンド部がプレイ処理、及びポーズ処理(すなわち、アクセス処理以外)を実行している間に行われる。
システムコントローラ4は、光ディスク2の再生中、バッファメモリ4Aの残量が判定区間下限値A1(%)を下回っている間、残量が0+α(%)(αは適宜のマージン量)に達したか否かに基づいてスティル処理を実行するか否かを判定する。これにより、残量が0+α(%)に達している間は、スティル処理が実行されることとなる。
再生時におけるフロントエンド部のこれらの動作処理は、それぞれピックアップ7の移動態様と一対一に対応することから、これら動作処理と上記動作状態とが対応付けられる。すなわち、アクセス処理、トレース処理、及びスティル処理の各動作処理は、それぞれアクセス状態、トレース状態、及びスティル状態に対応付けられる。
アクセス状態では、アクセス処理のために、ピックアップ7が現在位置からトラッキング方向に移動し、情報の読出又は書き込みを開始する目標のトラッキング位置への配送が行われる。このアクセス状態では、ピックアップ7が他の動作状態と比較して速い速度で高頻度にトラッキング方向に移動される。
トレース状態では、トレース処理のために、ピックアップ7は目標のトラッキング位置のトラックに沿って移動され、これにより順次に信号の読み取りが行われる。一般に光ディスク2の記録面2Aには中心から螺旋状にトラックが形成されていることから、トレース状態におけるピックアップ7のトラッキング方向(径方向)への移動はアクセス状態と比較して低速度で行われる。
スティル状態では、スティル処理のために、ピックアップ7は光ディスク2の読み取り位置が一定数のアドレスを通り過ぎるごとに規定本数分だけ内周側にトラッキング方向に沿って戻る動作を繰り返すように駆動される。これにより、ピックアップ7は、所定のトラッキング位置の近傍に保持され、またその間は、信号の読み取りが一時的に停止される。
光ディスク装置1がオーディオプレーヤーである場合、楽曲の再生ボタンが操作されたときには、バックエンド部はアクセス処理を経てプレイ処理を実行し、楽曲が継続的に出力される。バックエンド部がプレイ処理を実行している間、フロントエンド部は、上述の通り、トレース処理、及びスティル処理を実行する。また一時停止ボタンが操作されたときには、バックエンド部はポーズ処理を実行して楽曲の出力を一時的に停止するが、フロントエンド部は、バッファメモリ4Aの残量に応じてトレース処理、及びスティル処理を実行する。
なお、早送り(FF)ボタンや巻戻し(FB)ボタンが操作された場合は、ピックアップ7がトラックをトレースしながら移動するからフロントエンド部はトレース処理を行うこととなる。
システムコントローラ4は、光ディスク2の再生に伴い、アクセス処理、及びトレース処理に動作処理を切り替えるときには、モータ制御装置8に割り込み信号を入力して割り込み処理を発生させ、切替先の動作処理に対応したピックアップ7の動作状態をモータ制御装置8に指示する。
またシステムコントローラ4は、バッファメモリ4Aの残容量に基づき、動作処理をトレース処理からスティル処理に切り替えるときには、割り込み信号に代えて、スティル状態遷移通知をモータ制御装置8に出力し、ピックアップ7の動作状態をスティル状態に切り替えさせる。
モータ制御装置8は、動作状態の切替がシステムコントローラ4によって指示されると、切替先の動作状態に対応するプロファイルデータ27、及び動作状態別電流データ26を特定し、これらのデータに基づいて励磁電流をステッピングモータ20に流す。
上述の通り、プロファイルデータ27は動作状態ごとに、ピックアップ7の加速度や速度、加速期間を規定したデータである。一方、この動作状態に対応する励磁電流の波高値については、動作状態別電流データ26によって規定されている。
すなわち、ステッピングモータ20の駆動の間、モータ制御装置8は、プロファイルデータ27に即した励磁電流を、動作状態別電流データ26によって規定された波高値でステッピングモータ20に流す。これにより、この光ディスク装置1では、ピックアップ7の加速や速度、加速期間(すなわち、プロファイルデータ27に規定された移動態様)を変えることなく、励磁電流の波高値(すなわち、トルク)のみが変化される。
次いで、光ディスク装置1の動作を説明する。
図3は、光ディスク再生時におけるシステムコントローラ4による動作処理の切替処理を示すフローチャートである。
システムコントローラ4は、光ディスク2の再生に伴い動作処理を切り替える場合(ステップSa1:YES)、切替先の動作処理を特定する(ステップSa2)。次いでシステムコントローラ4は、切替先の動作処理がスティル処理以外の場合(ステップSa3:NO)、割り込み処理により切り替え先の動作処理に対応した動作状態をモータ制御装置8に出力し(ステップSa4)、切替先の動作処理がスティル処理の場合は(ステップSa3:YES)、スティル状態遷移通知をモータ制御装置8に出力する(ステップSa5)。
図4は、モータ制御装置8のモータ制御処理のフローチャートである。
モータ制御装置8は、図4に示すように、システムコントローラ4により割り込み処理、又はスティル状態遷移通知が入力されると(ステップSb1:YES)、切替先の動作状態を特定する(ステップSb2)。次いでモータ制御装置8は、切替先の動作状態に対応したプロファイルデータ27を選択して記憶部25から読み出し、高速に読み書きできる例えばRAM等のワークメモリに格納する(ステップSb3)。次に、モータ制御装置8は、次に説明する波高値設定処理を実行する(ステップSb4)
ステップSb3において、高速アクセスが可能なワークメモリにプロファイルデータ27を格納することで、アクセス時間が長いROM等に格納したプロファイルデータ27を参照する場合に比べ、高速性が要求されるステッピングモータ20の制御を遅滞なく行うことができる。なお、全てのプロファイルデータ27を記憶部25から予めワークメモリに転送しても良い。しかしながら、切替先の動作状態に対応するプロファイルデータ27だけをワークメモリに読み出すようにすることで、ワークメモリの記憶領域が圧迫されることがない。
図5は、上述の波高値設定処理のフローチャートである。
この波高値設定処理は、切替先の動作状態に対応する励磁電流の波高値を設定する処理である。図5に示すように、モータ制御装置8は、切替先の動作状態を確認し(ステップSc1)、動作状態別電流データ26を参照して切替先の動作状態に対応する励磁電流の波高値を設定する(ステップSc2〜Sc4)。
具体的には、切替先の動作状態がスティル状態である場合(ステップSc1:スティル状態)、モータ制御装置8は波高値を基準値の50%に設定する(ステップSc2)。波高値の基準値は、例えばステッピングモータ20の定格駆動における波高値の最大値が用いられている。基準値の50%に相当する波高値は、外乱(外部からの衝撃や振動)を受けても、ピックアップ7の位置が保持可能なトルクが得られる電流値である。換言すれば、スティル状態では、ステッピングモータ20の定格駆動における波高値の最大値よりも小さく、かつ、外乱の力に抗してピックアップ7の位置を保持するトルクが得られる電流値が波高値に設定される。
なお、外乱から受ける力に対して、直動機構21の摩擦係数が大きい場合、もしくは外乱から力を受けることが無いような場合には、その分、波高値を小さくすることもできる(波高値の最小値は基準値に対して0%)。
一方、切替先の動作状態がトレース状態である場合(ステップSc1:トレース状態)、モータ制御装置8は波高値を基準値の70%に設定する(ステップSc3)。基準値の70%に相当する波高値は、ピックアップ7を直動機構21により配送するために必要な最低限のトルクが得られる電流値である。換言すれば、トレース状態では、ステッピングモータ20の定格駆動における波高値の最大値よりも小さく、かつ、直動機構21によりピックアップ7を配送できる最低限のトルクが得られる電流値が波高値に設定される。
また、切替先の動作状態がアクセス状態である場合(ステップSc1:アクセス状態)、モータ制御装置8は波高値を基準値の100%に設定する(ステップSc4)。基準値の100%の波高値は、アクセス処理において用いられるステッピングモータ20のプロファイルにおいて、ピックアップ7が脱調しないだけのトルクが得られる電流値である。換言すれば、アクセス状態では、ピックアップ7が脱調しないだけのトルクが得られる電流値が波高値に設定される。
なお、アクセス状態では、ピックアップ7の移動距離は、現在位置と目標位置に依ることから一定ではなく、また移動距離によってプロファイルも異なり、移動距離が大きくなるほど速度も大きくなる。したがって、移動距離に応じて(例えば移動距離が一定移動距離を超える場合)、そのプロファイルに合わせて、その速度で脱調しないトルクが得られるように波高値を変化させてもよい。
前掲図4に戻り、モータ制御装置8は、ステップSc4において励磁電流の波高値を設定した後、ステップSc3でワークメモリに格納しているプロファイルデータ27にしたがってステッピングモータ20に、上記波高値設定処理により設定した波高値の励磁電流を流して駆動する(ステップSc6)。
これにより、プロファイルデータ27で規定されるピックアップ7の移動距離や加速度、加速度期間(すなわち、ピックアップ7の移動態様)に変化を与えることなく、ステッピングモータ20に流れる励磁電流の波高値(すなわち、トルク)のみが変化される。
この波高値は、上述の通り、ピックアップ7の移動態様に応じて要求されるトルクが得られる必要かつ十分な電流値であるから、無駄な消費電流が十分に抑えられ、発熱も十分に抑制されることとなる。
なお、モータ制御装置8は、ステッピングモータ20に駆動電圧を印加することで励磁電流を流し、当該駆動電圧の電圧値を制御することで、励磁電流の波高値を制御している。
図6は、光ディスク2の再生時における励磁電流の変化を示す図である。
システムコントローラ4は、上述の通り、光ディスク再生時において動作処理を切り替えるごとに、切替先の動作処理に対応した動作状態をモータ制御装置8に出力し、当該モータ制御装置8が切替先の動作状態に対応したプロファイルデータ27、及び波高値で励磁電流をステッピングモータ20に流す。この結果、図6に示すように、システムコントローラ4が動作処理を切り替えるごとに、励磁電流は、その動作処理に対応した動作状態に対応した波形、及び波高値に制御される。
このモータ制御装置8は、上述の通り、マイクロステップ駆動方式でステッピングモータ20を駆動することから、励磁電流の電流値は1マイクロステップごとに段階的に変化される。
図7は、図6の(I)部の拡大図であって、システムコントローラ4が動作処理をアクセス処理からトレース処理に切り替えるときの励磁電流波形を示す図である。
システムコントローラ4が動作処理をアクセス処理からトレース処理に切り替えると、ピックアップ7の動作状態はアクセス状態からトレース状態に切り替えられる。アクセス状態とトレース状態とでは、ピックアップ7の移動速度や加速度が異なることから1マイクロステップあたりの時間幅Tsが異なり、アクセス状態ではピックアップ7を比較的高速に駆動するために時間幅Tsが短く設定されている。これら動作状態ごとの時間幅Tsは、上記プロファイルデータ27で規定されている。
そして、各マイクロステップでは、ステッピングモータ20に印加する駆動電圧Vkが段階的に可変されることで励磁電流の電流値が変化される。そして、システムコントローラ4からモータ制御装置8への割り込み処理の発生に伴い、ピックアップ7の動作状態がアクセス状態からトレース状態に切り替えられると、励磁電流の波高値を基準値の70%にするように駆動電圧Vkが下げられる。
これにより、トレース状態に必要なトルクが得られる最小限の励磁電流でステッピングモータ20が駆動されることとなる。
図8は、図6の(II)部の拡大図であって、システムコントローラ4が動作処理をトレース処理からスティル処理に切り替えるときの励磁電流波形を示す図である。
システムコントローラ4が動作処理をトレース処理からスティル処理に切り替えると、ピックアップ7の動作状態はトレース状態からスティル状態に切り替えられる。スティル状態では、ピックアップ7は間欠的に非常にゆっくりと駆動されることから、トレース状態よりもマイクロステップの時間幅Tsが長く設定される。
そして、ピックアップ7の動作状態がトレース状態からスティル状態に切り替えられると、システムコントローラ4からスティル状態遷移通知が入力された時点で、励磁電流の波高値を基準値の50%にするように駆動電圧Vkが下げられる。これにより、スティル状態に必要なトルク、すなわち外乱の力等に抗してピックアップ7を保持するためのトルクが得られる最小限の励磁電流でステッピングモータ20が駆動される。
図9は、図6の(III)部の拡大図であって、システムコントローラ4が動作処理をスティル処理からトレース処理に切り替えるときの励磁電流波形を示す図である。
システムコントローラ4が動作処理をスティル処理からトレース処理に切り替えると、ピックアップ7の動作状態はスティル状態からトレース状態に切り替えられる。動作状態がトレース状態に切り替えられると、励磁電流の波高値を基準値の70%にするように駆動電圧Vkが可変される。これにより、トレース状態に必要なトルクが得られる最小限の励磁電流でステッピングモータ20が駆動されることとなる。
図10は、図6の(IV)部の拡大図であって、システムコントローラ4が動作処理をスティル処理からアクセス処理に切り替えるときの励磁電流波形を示す図である。
システムコントローラ4が動作処理をスティル処理からアクセス処理に切り替えると、ピックアップ7の動作状態はスティル状態からアクセス状態に切り替えられる。動作状態がアクセス状態に切り替えられると、励磁電流の波高値を基準値の100%(最大電流)にするように駆動電圧Vkが可変される。これにより、頻繁、かつ高速にピックアップ7が移動するアクセス状態に必要なトルクが得られるように最大の励磁電流でステッピングモータ20が駆動されることとなる。
以上説明したように、本実施形態によれば、モータ制御装置8は、ピックアップ7の動作状態の切り替えに合わせて、ステッピングモータ20に流す励磁電流の波高値を、切替先のピックアップ7の動作状態に必要なトルクが得られる値に合わせて変更する構成とした。
これにより、ピックアップ7の動作状態ごとに、動作に支障を来たすような過不足のない範囲で適切な波高値の励磁電流がステッピングモータ20に流され、消費電力を削減することができる。このため、より小さなステッピングモータ20を使用した場合でも、過度な波高値の励磁電流が流され続けることがないため、焼損等を効果的に防止できる。
また本実施形態によれば、モータ制御装置8は、ステッピングモータ20に流す励磁電流の波高値を、最小値から最大値の間で少なくとも3段階以上に変更する構成とした。
これにより、最小値と最大値の間の段階の波高値の励磁電流でステッピングモータ20を制御できるため、ピックアップ7の動作状態に必要十分なトルクを少なくとも3段階以上に分けて制御することが可能となり、細かな制御により省電力効果を高めることができる。
また本実施形態によれば、モータ制御装置8は、ステッピングモータ20の制御を規定したプロファイルデータ27をピックアップ7の動作状態ごとに備え、励磁電流の波高値をピックアップ7の動作状態に必要なトルクが得られる値に合わせながら、ピックアップ7の動作状態に対応するプロファイルデータ27に基づき励磁電流を流す構成とした。
これにより、プロファイルデータ27に規定されたピックアップ7の加速等の移動態様を変えることなく、励磁電流の波高値すなわち、トルクのみを適切に変化させることができる。このため、光ディスク2の再生時の動作パフォーマンスへの影響を及ぼすことなく消費電力を抑制できる。
また本実施形態によれば、ステッピングモータ20の制御を含む制御処理を実行するフロントエンド部として機能するシステムコントローラ4と、光ディスク2から読み取られたデータに基づく処理を実行するバックエンド部と、を備え、システムコントローラ4が、ピックアップ7の動作状態の切り替えに合わせて、ステッピングモータ20に流す励磁電流の波高値を、切替先のピックアップ7の動作状態に必要なトルクが得られる値に合わせて変更する構成とした。
これにより、バックエンド部が、光ディスク2の再生処理時の自身が行う動作の切り替えに基づいて、ステッピングモータ20に流す励磁電流の波高値を指示する場合に比べ、ピックアップ7の現実の動作状態、及び切り替えのタイミングに即して励磁電流を制御できるので、より高い省電力効果を得ることができる。
また本実施形態によれば、システムコントローラ4は、バッファメモリ4Aを備え、このバッファメモリ4Aの空き容量の不足に伴いデータの一時記憶を停止し、モータ制御装置8は、当該停止に対応してピックアップ7の動作状態をスティル状態に切り替える構成とした。
これにより、システムコントローラ4がバッファメモリ4Aの空き容量に合わせたスティル処理を行う場合でも、これに合わせて、ピックアップ7の動作状態をスティル状態に切り替えられ、また励磁電流の波高値も制御されるので、より正確に励磁電流を制御し、消費電力の抑制効果を高めることができる。
上述した実施形態はあくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、上述した実施形態において、システムコントローラ4とモータ制御装置8は一体に構成し、システムコントローラ4がモータ制御装置8の機能を兼ねても良い。
また、システムコントローラ4がフロントエンド部の機能に加え、バックエンド部の機能を備えても良い。
さらに、バックエンド部が動作処理(図2)の切り替えに合わせて、ピックアップ7の動作状態の切り替えをモータ制御装置8に指示しても良い。
また例えば、本発明は、多関節ロボットの関節のアクチュエータといったステッピングモータを制御する場合にも本発明を応用できる。
すなわち、複数の動作状態を有する駆動対象物と、この駆動対象物を駆動するステッピングモータと、を有し、前記駆動対象物の動作状態を選択的に切り替えるアクチュエータシステムにおいて、駆動対象物の動作状態の切り替えに合わせて、前記ステッピングモータに流す励磁電流の波高値を、切替先の前記駆動対象の動作状態に必要なトルクが得られる値に合わせて変更するアクチュエータシステムも実施できる。
このアクチュエータシステムには、駆動対象物を関節した上記多関節ロボットなどが挙げられる。
1 光ディスク装置
2 光ディスク
4 システムコントローラ(フロントエンド部)
4A バッファメモリ
5 サーボ制御装置
6 ピックアップ駆動装置
7 ピックアップ
8 モータ制御装置
10 レーザ照射装置
20 ステッピングモータ
25 記憶部
26 動作状態別電流データ
27 プロファイルデータ
Ts 時間幅
Va、Vk 駆動電圧

Claims (6)

  1. 光ディスクに光線を照射するピックアップと、
    前記ピックアップを移動するステッピングモータと、を有し、
    前記光ディスクの再生の間、前記ピックアップの動作状態を切り替える光ディスク装置において、
    前記ピックアップの動作状態の切り替えに合わせて、前記ステッピングモータに流す励磁電流の波高値を、切替先の前記ピックアップの動作状態に必要なトルクが得られる値に合わせて変更することを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記ステッピングモータに流す励磁電流の波高値を、最小値から最大値の間で少なくとも3段階以上に変更することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記ステッピングモータの制御を規定したプロファイルデータを前記ピックアップの動作状態ごとに備え、
    前記励磁電流の波高値を前記ピックアップの動作状態に必要なトルクが得られる値に合わせながら、前記ピックアップの動作状態に対応するプロファイルデータに基づき励磁電流を流すことを特徴とする請求項1または2に記載の光ディスク装置。
  4. 前記ステッピングモータの制御を含む制御処理を実行するフロントエンド部と、
    前記光ディスクから読み取られたデータに基づく処理を実行するバックエンド部と、を備え、
    前記フロントエンド部が、
    前記ピックアップの動作状態の切り替えに合わせて、前記ステッピングモータに流す励磁電流の波高値を、切替先の前記ピックアップの動作状態に必要なトルクが得られる値に合わせて変更することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光ディスク装置。
  5. 前記フロントエンド部は、
    前記光ディスクから読み取ったデータを一時的に記憶するバッファメモリを備え、
    前記バックエンド部に出力するデータを前記バッファメモリから読み出すとともに、当該バッファメモリの空き容量の不足に伴い前記データの一時記憶を停止し、
    前記フロントエンド部による一時記憶の停止に対応して前記ピックアップの動作状態が切り替えられることを特徴とする請求項4に記載の光ディスク装置。
  6. 光ディスクに光線を照射するピックアップと、
    前記ピックアップを移動するステッピングモータと、を有し、
    前記光ディスクの再生の間、前記ピックアップの動作状態を切り替える光ディスク装置の制御方法において、
    前記ピックアップの動作状態の切り替えに合わせて、前記ステッピングモータに流す励磁電流の波高値を、切替先の前記ピックアップの動作状態に必要なトルクが得られる値に合わせて変更することを特徴とする制御方法。
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