JP2015164425A - 不飽和結合を有するアミド化合物の安定化方法 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】工業的に非常に重要でありながら、極めて重合しやすく取り扱いが難しかった不飽和結合を有するアミド化合物において、化学物質添加や、特殊な装置や設計を追加することなく、不飽和結合を有するアミド化合物の安定的保存法を提供する。【解決手段】工業的に非常に重要でありながら、極めて重合しやすく取り扱いが難しかった不飽和結合を有するアミド化合物含有液の酸素濃度を制御することにより不飽和結合を有するアミド化合物の安定化方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、不飽和結合を有するアミド化合物の安定化方法に関するものである。
不飽和結合を有するアミド化合物は、様々な材料の原料モノマーとして重要な工業原料であり、中でも特に、(メタ)アクリルアミドは、高分子凝集剤、原油の二次・三次回収用薬剤、紙用薬剤等の原料モノマーとして広く使用される重要な工業原料である。しかしながら、該アミド化合物は極めて重合しやすいため、貯蔵や輸送等において大きな問題となっている。
これまで、重合防止剤の添加による安定的貯蔵法の報告がなされている(特許文献1,2)。また一方、常に撹拌し続けるなどの物理的対応方法などが考案されている。しかしながら、前者では、不飽和結合を有するアミド化合物の純度が低下するなど品質に影響を与える、後者では、専用の装置が必要となり設備費が増加する等の問題があった。
また、特許文献3には、銅含有触媒の存在下、液相でアクリロニトリルと水とを反応させて得られるアクリルアミド水溶液を精製する際に、該反応液中の未反応アクリロニトリルを実質的酸素の非存在下に留去し、次いで酸素または酸素含有ガスとを接触させて溶存酸素濃度を少なくとも4ppm以上に保持して酸素処理した後、強酸性陽イオン交換樹脂および/または強塩基性陰イオン交換樹脂処理するアクリルアミド水溶液の精製方法が開示されている。
しかしながら、触媒として用いた金属銅をイオン交換樹脂によって除去する必要があり、その際、pHが、アクリロニトリルが重合しやすいとされる3〜4にまで低下してしまうという問題がある。
そして、特許文献4には、ニトリル水和能を有する微生物を使用してアクリロニトリルからアクリルアミドを直接水和して得る方法において、アクリルアミド濃度を高めると、微生物より色素および微量の不純物が水溶液中に抽出される傾向があるため、アクリルアミド水溶液を、活性炭を用いて精製する際に、活性炭に酸素を溶解した水を接触させて、得られる接触後の水中の溶存酸素濃度を0.5ppm以上に高めたのち、該活性炭にアクリルアミド水溶液を接触させるというアクリルアミド水溶液の精製方法が開示されている。
しかしながら、特許文献4は、微生物法でのアクリルニトリルからアクリルアミドへの反応の段階や、精製後得られたアクリルアミドの保存の段階については一切記載も示唆もなく、実用上問題が生じる虞がある。
特公昭39−10109号公報 特許第2548051号公報 特公昭52−91818号公報 特公平2−9022号公報
本発明の目的は、極めて重合しやすく取り扱いが難しかった不飽和結合を有するアミド化合物において、化学物質添加や、特殊な装置や設計を追加することなく、不飽和結合を有するアミド化合物の安定的保存法を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、より重合しやすい高濃度の不飽和結合を有するアミド化合物水溶液において、酸素を1重量ppm以上含有させると、重合防止効果が増加するのみならず、不飽和結合を有するアミド化合物から得られる重合体(ポリアミド化合物)の品質が良好であることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕ニトリル化合物からアミド化合物を生成できる酵素を含む触媒を用いて、ニトリル化合物を含む水溶液から、不飽和結合を有するアミド化合物を含む反応液を製造する際、および/または、該触媒を用いて、ニトリル化合物を含む水溶液から製造した不飽和結合を有するアミド化合物を含む反応液を保存する際、該反応液中の酸素を1重量ppm以上飽和酸素濃度以下とすることを特徴とする不飽和結合を有するアミド化合物の安定化方法。
〔2〕上記反応液中のニトリル化合物が1重量%未満の場合、該反応液中に酸素を1重量ppm以上飽和酸素濃度以下で溶存させることを特徴とする〔1〕に記載の安定化方法。
〔3〕上記反応液のpHが3以上7未満の場合に、酸素を1重量ppm以上飽和酸素濃度以下で溶存させる〔1〕または〔2〕に記載の安定化方法。
〔4〕上記ニトリル化合物が、(メタ)アクリロニトリルであり、上記アミド化合物が、(メタ)アクリルアミドである〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の安定化方法。
〔5〕上記反応液に含まれるポリペプチド濃度が、0.1重量ppm以上500重量ppm以下である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の安定化方法。
〔6〕上記酵素がニトリルヒドラターゼである〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の安定化方法。
〔7〕上記ニトリルヒドラターゼが、シュードノカルディア属由来である〔6〕に記載の安定化方法。
〔8〕〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の安定化方法を経て得られることを特徴とする不飽和結合を有するアミド化合物。
〔9〕〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の安定化方法を経て得られた不飽和結合を有するアミド化合物を、重合させて得られることを特徴とするポリアミド化合物。
なお、本明細書において、ニトリル化合物からアミド化合物を生成できる酵素を含む触媒を用いた水和反応によって、ニトリル化合物を含む水溶液から不飽和結合を有するアミド化合物を含む反応液を得る工程を「反応工程」とし、得られた不飽和結合を有するアミド化合物の反応液を、活性炭等を用いて精製することによって酵素等を除去する工程を「精製工程」とし、これら2工程を経ることによって、ニトリル化合物から不飽和結合を有するアミド化合物を得ることを、「製造」という。
また、本明細書において「不飽和結合を有するアミド化合物」を単に「アミド化合物」または「不飽和アミド化合物」ともいう。ニトリル化合物からアミド化合物を生成する反応途中のアミド化合物を含む反応液;反応後のアミド化合物を含む反応液;精製後のアミド化合物を含む反応液;および、保存中・保存後のアミド化合物を含む反応液のいずれも、少なくともアミド化合物が含有されていることから「アミド化合物含有液」または「アミド化合物水溶液」ともいう。酸素濃度の単位である「重量ppm」を単に「ppm」と表記する場合があるが、特に明記しない限りすべて「重量ppm」を意味する。「アミド化合物重合体」と「ポリアミド化合物」との用語を同義で用いる。
本発明の安定化方法によれば、不飽和結合を有するアミド化合物の不純物含量を実質上増加させず、かつ、高価な設備の増設等をせずに不飽和結合を有するアミド化合物を常に安定的に製造・保存することが可能である。
さらに、このような安定化方法を用いてアミド化合物を重合して得られたポリアミド化合物は、品質が良好である。
本発明の、不飽和結合を有するアミド化合物の安定化方法は、ニトリル化合物からアミド化合物を生成できる酵素を含む触媒を用いて、下記工程を実施する際に、該アミド化合物を含む反応液中の酸素を1重量ppm以上飽和酸素濃度以下とすることを特徴とする。
反応工程:ニトリル化合物および該触媒を含む水溶液中、触媒反応によって、ニトリル化合物から該アミド化合物が生成される工程;および
精製工程:反応工程で得られた反応液から、活性炭等を用いて触媒(精製酵素・粗精製酵素、酵素を含む微生物または微生物の培養液)に由来するタンパク質やポリペプチド等を除去する工程(以上をまとめて製造工程とする。);および/または、
保存工程:製造工程で得られた反応液を保存する工程。
反応工程において、反応途中または反応後の反応液には、未反応または残存ニトリル化合物と生成されたアミド化合物と触媒とが含まれる。一方、反応前(反応0時間も含む)の水溶液には、ニトリル化合物と触媒とが含まれる。
また、本発明の不飽和結合を有するアミド化合物は、本発明の安定化方法を経て得られることを特徴とし、さらに、本発明のポリアミド化合物は、本発明の不飽和結合を有するアミド化合物を重合させて得られることを特徴とする。
本発明に適用されるニトリル化合物は、ニトリル化合物からアミド化合物を生成できる酵素(好ましくはニトリルヒドラターゼ)の基質となり、後述する不飽和結合を有するアミド化合物を生成できるニトリル化合物であれば本発明では特に限定されないが、好ましくはアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルである。なお、本明細書において、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルを併せて「(メタ)アクリロニトリル」という。
本発明に適用される不飽和結合を有するアミド化合物は、分子内に不飽和二重結合を含むアミド化合物であれば特に限定はされない。本発明に適用される不飽和結合を有するアミド化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、クロトンアミド、チグリックアミド、2−ペンテン酸アミド、3−ペンテン酸アミド、4−ペンテン酸アミド、2−ヘキセン酸アミド、3−ヘキセン酸アミド、5−ヘキセン酸アミド等のモノアミド化合物、フマル酸ジアミド、マレイン酸ジアミド、シトラコン酸ジアミド、メサコン酸ジアミド、イタコン酸ジアミド、2−ペンテン二酸ジアミド、3−ヘキセン二酸ジアミド 等のジアミド化合物などが挙げられる。好ましくは、モノアミド化合物が挙げられ、より好ましくは、アクリルアミドまたはメタクリルアミドが挙げられる。なお、本明細書において、アクリルアミドおよびメタクリルアミドを併せて「(メタ)アクリルアミド」という。本発明に適用される不飽和結合を有するアミド化合物含有液は、特に限定するものではないが、好ましくは、該アミド化合物が対応するニトリル化合物の水和反応により得られた生成液に適用される。またより好ましくは、アクリロニトリルの水和反応により得られるアクリルアミド含有液、またはメタクリロニトリルの水和反応により得られるメタクリルアミド含有液に特に好適に適用される。
不飽和結合を有するアミド化合物を生産する方法は、特に限定されないが、例えば微生物による生産方法が好適に例示される。好適に使用されるニトリルヒドラターゼを産生する微生物としては、ノカルディア(Nocardia)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、バチルス(Bacillus)属、好熱性のバチルス属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ミクロコッカス(Micrococcus)属、ロドクロウス(rhodochrous)種に代表されるロドコッカス(Rhodococcus)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、キサントバクター(Xanthobacter)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、リゾビウム(Rhizobium)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、エルウィニア(Erwinia)属、エアロモナス(Aeromonas)属、シトロバクター(Citrobacter)属、アクロモバクター(Achromobacter)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属またはサーモフィラ(thermophila)種に代表されるシュードノカルディア(Pseudonocardia)属、バイテリジューム(Bacteridium)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属に属する微生物などが挙げられる。また、これら微生物よりクローニングしたニトリルヒドラターゼ遺伝子を任意の宿主で高発現させた形質転換体、および組換えDNA技術を用いて該ニトリルヒドラターゼの構成アミノ酸の1個または2個以上を他のアミノ酸で置換、欠失、削除もしくは挿入することにより、アミド化合物耐性やニトリル化合物耐性、温度耐性を更に向上させた変異型のニトリルヒドラターゼを発現させた形質転換体なども挙げられる。
なお、ここでいう任意の宿主には、後述の実施例のように大腸菌(Escherichia coli)が代表例として挙げられるが、とくに大腸菌に限定されるのものではなく枯草菌(Bacillus subtilis)等のバチルス属菌、酵母や放線菌等の他の微生物菌株も含まれる。その様なものの例として、MT−10822(本菌株は、1996年2月7日に茨城県つくば市東1丁目1番3号の通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(現 茨城県つくば市東1−1−1 つくばセンター 中央第6 独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター)に受託番号FERM BP−5785として、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に基づいて寄託されている。)が挙げられる。
これら微生物の中でも、高活性、高安定性のニトリルヒドラターゼを有するという点で、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属に属する微生物、および該微生物よりクローニングしたニトリルヒドラターゼ遺伝子を任意の宿主で高発現させた形質転換体、および変異型のニトリルヒドラターゼを発現させた形質転換体が好ましい。なお、上記形質転換体は、ニトリルヒドラターゼの安定性をより高め、菌体当たりの活性がより高い点で好ましい。
また、微生物内にニトリルヒドラターゼを高発現できる、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J−1、該微生物よりクローニングしたニトリルヒドラターゼ遺伝子を任意の宿主で高発現させた形質転換体も同様に好ましい。上記ニトリルヒドラターゼを産生する微生物の菌体は、分子生物学・生物工学・遺伝子工学の分野において公知の一般的な方法により調製できる。
本発明に係る組換えベクターは、ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子を含有するものであり、ベクターにニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子を連結することにより得ることができる。ベクターとしては、特に限定されるものではなく、例えばpET-21a(+)、pKK223-3、pUC19、pBluescriptKS(+)およびpBR322等に代表される市販の発現プラスミドに、ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子を組み込むことにより、該ニトリルヒドラターゼの発現プラスミドを構築することができる。また、形質転換に使用する宿主生物としては、組換えベクターが安定、かつ自己増殖可能で、さらに外来のDNAの形質が発現できるものであればよく、例えば大腸菌が好例として挙げられるが、大腸菌だけに限らず枯草菌、酵母等に導入することにより、ニトリルヒドラターゼの生産能を有する形質転換体を得ることができる。
上述のようなニトリルヒドラターゼを生産する微生物は、公知の方法により、適宜培養し増殖させ、ニトリルヒドラターゼを生産させても良い。この場合使用される培地としては炭素源、窒素源、無機塩類およびその他の栄養素を適量含有する培地であれば合成培地または天然培地のいずれも使用可能である。例えば、LB培地、M9培地等の通常の液体培地に、微生物を植菌した後、適当な培養温度(一般的には20℃〜50℃であるが、好熱菌の場合は50℃以上でもよい。)で培養させることにより調製できる。培養は前記培養成分を含有する液体培地中で振とう培養、通気攪拌培養、連続培養、流加培養などの通常の培養方法を用いて行うことができる。形質転換体の培養温度としては、15〜37℃が好ましい。培養条件は、培養の種類、培養方法により適宜選択すればよく、菌株が生育しニトリルヒドラターゼを生産することが出来れば特に制限はない。
本発明では上述のニトリルヒドラターゼを生産する微生物の菌体を、ニトリル化合物と反応させるために、遠心分離等により集菌したり、破砕して菌体破砕物を作製する等、さまざまな処理を行ってもよく、これらのなんらかの処理を施した菌体を菌体処理物と総称する。
破砕される微生物の菌体の形態としては、ニトリルヒドラターゼを産生する微生物の菌体を含む限り特に制限はないが、例えば、該菌体を含む培養液そのもの、その培養液を遠心分離して分離・回収された集菌体、さらにこの集菌体を生理食塩水等で洗浄したものなどが挙げられる。
上記菌体を破砕する装置としては、菌体を破砕可能であれば特に制限はないが、例えば、超音波破砕機、フレンチプレス、ビーズショッカー、ホモゲナイザー、ダイノーミル、クールミルなどの摩砕装置などが挙げられる。これらの中でも、安価にスケールアップができるという点で、ホモゲナイザーが好ましい。なお、ホモゲナイザーとは、ピストンで送液を行うプランジャー式高圧ポンプの出口に設けられたホモバルブの隙間をネジまたは油圧で調節して、導入された流体に剪断・激突・キャビテーション等の相乗効果を瞬間的に発生させる装置である。このホモゲナイザーは、株式会社三和機械、株式会社イズミフードマシナリなどが市販している。
菌体を破砕する時の温度は特に制限はないが、好ましくは0℃以上50℃以下、より好ましくは0℃以上25℃以下である。
また、菌体を破砕する時のpHは特に制限はないが、好ましくはpH4以上10以下、より好ましくはpH6以上8以下である。
ホモゲナイザーを用いて菌体を破砕する場合の圧力は菌体が破砕される圧力であれば特には制限が無いが、好ましくは10MPa以上300MPa以下、より好ましくは30MPa以上100MPa以下である。
驚くべきことに、ニトリルヒドラターゼは不飽和アミド化合物に対して重合促進効果を有することが、本発明者らによって初めて明らかにされた。
不飽和アミド化合物含有液の酸素濃度は、1重量ppmから飽和溶解度の間であれば特に制限はないが、より好ましくは1.2重量ppmから飽和溶解度、さらに好ましくは2重量ppmから飽和溶解度が、重合防止の観点から好ましい。特に、不飽和アミド化合物含有液中のニトリル化合物が1重量%未満の場合に、不飽和アミド化合物含有液の酸素濃度を上記範囲内にすることが好ましい。
また、不飽和アミド化合物含有液のpHが7未満、特にpHが3以上7未満の場合、不飽和アミド化合物の重合が促進されるため、不飽和アミド化合物含有液の酸素濃度を1重量ppmから飽和溶解度の間にすることが好ましく、2重量ppmから飽和溶解度の間がより好ましい。
不飽和アミド化合物含有液へ酸素を供給する方法は、不飽和アミド化合物含有液の酸素濃度が1重量ppmから飽和溶解度に保たれれば特に制限は無く公知の方法で良い。例えば、不飽和アミド化合物含有液を、酸素を含有する気体の存在下で撹拌することによる供給方法、不飽和アミド化合物含有液に酸素を含有する気体を吹き込むことによる供給方法等が例示できる。特に均一に酸素を供給する観点から撹拌による供給方法が好ましい。
また、酸素供給に用いる気体は、酸素を含むものであれば特に制限はなく、酸素、空気等が好適に用いられる。
不飽和アミド化合物の保存温度は特に制限はないが、好ましくは−10℃〜50℃、より好ましくは10℃〜30℃が、安定性の観点から好ましい。
精製工程前の不飽和アミド化合物含有液に含まれるポリペプチド濃度は、通常、約10ppm〜500ppm程度であり、好ましくは約10ppm〜100ppm程度である。
また、触媒として酵素を含む微生物を用いた場合、濾紙等により微生物を取り除いた後、活性炭等を用いて精製した不飽和アミド化合物含有液に含まれる残存ポリペプチド濃度は、好ましくは、約0.1ppm〜3ppm程度であり、通常は約0.5ppm〜1.5ppmである。
なお、ポリペプチド濃度分析として、実施例にその方法を詳述しているが、Bradford法を用いている。
次に本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例(1-1)]
<ニトリルヒドラターゼを含む微生物触媒の調製>
特開2001−340091号公報の実施例1に記載の方法に従い、No.3クローン菌体を取得し、同じく、同実施例1の方法、すなわち下記の方法で培養してニトリルヒドラターゼを含む湿菌体を得た。
500mLのバッフル付三角フラスコに下記の組成の培地100mLを調製し、121℃・20分間のオートクレーブにより滅菌した。この培地に終濃度が50μg/mLとなるようにアンピシリンを添加した後、上記のNo.3クローン菌体を一白金耳で植菌し、37℃・130rpmにて20時間培養した。遠心分離(15000G×15分間)により菌体のみを培養液より分離し、続いて、50mLの生理食塩水に該菌体を再懸濁した後に、再度遠心分離を行って湿菌体を得た。
培地組成 酵母エキストラクト 5.0 g/L
ポリペプトン 10.0 g/L
NaCl 5.0 g/L
塩化コバルト・六水和物 10.0mg/L
硫酸第二鉄・七水和物 40.0mg/L
pH7.5
最終製品として、水溶液中のアクリルアミド濃度が50重量%の製品を得るため、以下の条件で反応を行った。
<アクリロニトリルからアクリルアミドへの反応工程>
(第一反応器を用いた第一反応工程)
第一反応器として用いた、撹拌器を備えた1Lガラス製フラスコに、予め400gの水を仕込んだ。この第一反応器には、その気相部に空気を1L/minの流量にて通気した。
上記の培養方法で得られた湿菌体を純水に懸濁した。
第一反応器内を撹拌しながら、この懸濁液を、11g/hの速度で連続的にフィードした。アクリロニトリルは、32g/hの速度で、また、純水は37g/hの速度で連続的にフィードした。さらに反応pHが7.5〜8.5となるように、0.1M−NaOH水溶液をフィードした。これらの原料は、各々の貯槽から単独のラインで供給され、反応器内にフィードされるまで、他の原料に接触することはなかった。
さらに、第一反応器の液面レベルを一定に保つように、反応液を第一反応器から80g/hの速度で連続的に抜き出し、第二反応器に連続的にフィードして、第二反応器内でさらに反応を進行させた。
なお、湿菌体の添加量は、第一反応器のアクリロニトリル転化率が97%となるように調整を行った。
(第二反応器を用いた第二反応工程)
第二反応器としては、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブ20mを用いた。
第二反応工程は、第一反応器から連続的に抜き出された反応液を、第二反応器に連続的にフィードし、さらに反応を進行させるものである。
なお、第一反応器および第二反応器ともに10〜20℃の温度の水浴中に浸漬し、各反応器内部の液温が15℃となるように温度制御を行った。
(HPLC分析)
反応工程を開始してから30日目に各反応器の反応液をサンプリングし、HPLC分析を行ったところ、第一反応器出口でのアクリルアミドへの転化率が97%、第一反応器出口でのアクリロニトリル濃度は1重量%であり、かつ第二反応器出口でのアクリルニトリル濃度が検出限界以下(100重量ppm以下)、アクリルアミド濃度が53.5重量%となった。このとき、第一反応器出口の反応液における溶存酸素濃度は8ppmであり、第二反応器出口の反応液における溶存酸素濃度は7ppmであった。
(メタノールテスト)
メタノールテストは、反応液等10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した結果、透過率が99.9%以上であった場合、アクリルアミドの重合物の存在は認めないとするテストである。
第一反応器から抜き取った反応液を濾紙にて濾過を行い、菌体を除去した。
得られた濾液に対してメタノールテストを実施した結果、透過率が99.9%以上であったことから、アクリルアミド重合物は存在しないことがわかった。
なお、表1中、メタノールテストを実施した結果、アクリルアミドの重合体が存在した場合を「×」、アクリルアミドの重合物が存在しなかった場合を「○」と表記している。
ここで分析条件は以下のとおりであった。
アクリルアミド分析条件:
高速液体クロマトグラフ装置:LC−10Aシステム(株式会社島津製作所製)
(UV検出器波長250nm、カラム温度40℃)
分離カラム:SCR-101H (株式会社島津製作所製)
溶離液:0.05 %(容積基準)−リン酸水溶液
アクリロニトリル分析条件:
高速液体クロマトグラフ装置:LC−10Aシステム(株式会社島津製作所製)
(UV検出器波長200nm、カラム温度40℃)
分離カラム:Wakosil-II 5C18HG (和光純薬製)
溶離液:7%(容積基準)−アセトニトリル、0.1mM−酢酸、0.2mM−酢酸ナトリウムを各濃度で含有する水溶液
アクリルアミド濃度は以下のようにして求めた。市販のアクリルアミドを、純水に溶解して、濃度既知のアクリルアミド水溶液を調製し、HPLCにおけるアクリルアミド濃度分析用検量線を作成した。これを用いて、被験液のHPLC分析時の面積値を、アクリルアミド濃度に換算した(絶対検量線法)。また、HPLC測定に用いる反応液の量は5μLであった。なお、各反応液の密度の影響はほとんどないため、このようにしてアクリルアミド濃度(重量%)が得られた。
<アクリルアミドの精製工程>
この反応を30日目に分析を実施して以降さらに約4日間継続した。この約4日間で約7500gの反応液が得られた。
得られた反応液約7500gに対し、活性炭(クラレケミカル(株)製の粉状活性炭PM−SX)を30g添加し、0.5重量%−アクリル酸水溶液160gを加えた後、1M−NaOH水溶液でpHを5に調整した。空気を1L/minの流量にて通気した環境下にて、これを25℃で24時間撹拌した。24時間攪拌した後の処理液の溶存酸素濃度は8ppmであった。
その後、濾紙にて濾過を行い、活性炭を除去した。活性炭に付着したアクリルアミドを回収するため、300gの純水で活性炭を洗浄し、先の活性炭処理液と混合して、1M−NaOH水溶液で中和し、pHを7として約7900gの製品を得た。この活性炭処理後の製品中の最終アクリルアミド濃度は、50.5重量%であった。
また、下記の分析法を用いて残存ポリペプチド濃度を測定したところ、0.7ppmであった。
なお、実施例および比較例において、精製工程後の残存ポリペプチド濃度はすべて0.1ppmから1.5ppmの範囲であった。本明細書において「ポリペプチド」とは、タンパク質、タンパク質を構成する1以上のポリペプチドおよび該ポリペプチドの断片を包含する用語である。
(ポリペプチド濃度分析法)
精製工程後の製品をサンプリングし、透析膜を用いてアクリルアミドを除去し、発色試薬を用いてポリペプチドの発色を行わせ、分光光度計により595nmの吸光度を測定した。
分析条件:
分光光度計 :U-2000(日立製)
透析膜 :Spectra/Por CE(日本ジェネティックス製)
発色試薬 :DYE試薬(バイオラッド製)
(メタノールテスト)
得られた製品に対してメタノールテストを実施した。すなわち、得られた製品10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した。透過率は99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。
(アクリルアミド重合体の製造)
上記のようにして得られたアクリルアミド水溶液に、水を加え濃度20重量%のアクリルアミド水溶液とした。この20重量%アクリルアミド水溶液500gを1Lポリエチレン容器に入れ、18℃に保ちながら、窒素を通じて液中の溶存酸素を除き、直ちに、発泡スチロール製の保温用ブロックの中に入れた。
ついで、200×10-6 mpm(アクリルアミドに対するモル比)の4,4'−アゾビス(4−シアノバレリアン酸ナトリウム)、200×10-6 mpmのジメチルアミノプロピオニトリル、および80×10-6 mpmの過硫酸アンモニウムを各々小量の水に溶解して、この順序に1Lポリエチレン容器中に素早く注入した。これらの試薬には、予め窒素ガスを通じておき、また、注入およびその前後には、上記ポリエチレン容器にも少量の窒素ガスを通じ、酸素ガスの混入を防止した。
試薬を注入すると、数分間の誘導期の後、ポリエチレン容器の内部の温度が上昇するのが認められたので窒素ガスの供給を止めた。約100分間、保温用ブロック中で、そのままの状態でポリエチレン容器を保持したところ、ポリエチレン容器の内部の温度が約70℃に達した。そこで、ポリエチレン容器を保温用ブロックから取り出し、97℃の水に2時間浸漬しさらに重合反応を進めた。その後冷水に浸漬して冷却し、重合反応を停止した。
このようにして得られたアクリルアミド重合体の含水ゲルをポリエチレン容器から取り出し、小塊に分け、肉挽器ですり潰した。このすり潰したアクリルアミド重合体の含水ゲルを、100℃の熱風で2時間乾燥し、さらに、高速回転刃粉砕器で粉砕して乾燥粉末状のアクリルアミド重合体を得た。
(アクリルアミド重合体の水溶性テスト)
水溶性テストとは、1Lビーカーに水600mLを入れ、定められた形状の撹拌羽根を用いて25℃で撹拌しながらアクリルアミド重合体0.6gを添加し、不溶解分を濾別し、その乾燥重量より不溶解分の含有率を求めたものである。
なお、表1中、水溶性テストを実施した結果、不溶解分の含有率が1%を超えた場合を「×」、不溶解分の含有率が1%以下であった場合を「○」と表記している。
得られた乾燥粉末状のアクリルアミド重合体を篩に掛け、32〜42メッシュの重合体を分取した。この分取したアクリルアミド重合体を水溶性テストにより評価したところ、不溶解分の含有率は0.3%であり、良好な水溶性を示した。
<アクリルアミドの保存工程>
精製工程で得られた活性炭処理後の製品(アクリルアミド濃度50.6%)500gに対し、20℃の恒温槽中にて、空気を1m3/hの流量にて10日間連続して通気処理を行い、保存処理液を得た。
10日後に通気を停止し溶存酸素濃度を測定したところ、8ppmであった。得られた保存処理液10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した(メタノールテスト)。いずれも透過率は99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。
(アクリルアミド重合体の製造)
精製工程の後に得られたアクリルアミドに対する重合体の製造方法と同様にして、乾燥粉末状のアクリルアミドの重合体を得た。
(アクリルアミド重合体の水溶性テスト)
得られた乾燥粉末状のアクリルアミド重合体を篩にかけ、32〜42メッシュの重合体を分取した。この分取したアクリルアミド重合体を水溶性テストにより評価したところ、いずれも不溶解分の含有率は0.7%であり、良好な水溶性を示した。得られた結果を表1に示す。
[実施例(1-2)〜(1-4)]
実施例(1-1)において、第一反応工程の溶存酸素濃度を8ppmから4ppm(実施例(1-2)),2ppm(実施例(1-3))または1.2ppm(実施例(1-4))に変更した以外は実施例(1-1)と同様にしてアクリルアミドを製造し、種々のテストに供した。得られた結果を表1に示す。
すなわち、実施例(1-1)の反応工程において、第一反応器へ通気する気体を空気の代わりに窒素と空気との混合気とした以外は実施例(1-1)と同様の操作を行った。この混合気中の空気の割合をそれぞれ50%、25%、15%とした。このときの第一反応器出口の反応液における溶存酸素濃度はそれぞれ4ppm、2ppm、1.2ppmであり、第二反応器出口の反応液における溶存酸素濃度はそれぞれ3.5ppm、1.8ppm、1.0ppmであった。
第一反応器の反応液を濾紙にて濾過を行い、菌体を除去した。得られた濾液10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した(メタノールテスト)。透過率はいずれの場合も99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。
精製工程において、実施例(1-1)と同様の操作により活性炭処理を行い約7900gの製品を得た。得られた製品10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した(メタノールテスト)。いずれの場合も透過率は99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。
さらに、得られたアクリルアミド水溶液から製造したアクリルアミド重合体を水溶性テストにより評価したところ、いずれも不溶解分の含有率は0.3%であり、良好な水溶性を示した。
保存工程において、精製工程で得られた活性炭処理後の製品(アクリルアミド濃度50.6%)500gに対し、20℃の恒温槽中にて、空気を1m3/hの流量にて10日間連続して通気処理を行い、保存処理液を得た。10日後に通気を停止し溶存酸素濃度を測定したところ、8ppmであった。得られた保存処理液10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した(メタノールテスト)。いずれも透過率は99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。また、実施例(1-1)と同様にアクリルアミド重合体を製造し、得られたアクリルアミド重合体の水溶性テストを行ったところ、いずれも不溶解分の含有率は0.7%であり、良好な水溶性を示した。
[実施例(2-1)〜(2-3)]
実施例(1-1)において、精製工程の溶存酸素濃度を8ppmから4ppm(実施例(2-1)),2ppm(実施例(2-2))または1ppm(実施例(2-3))に変更した以外は実施例(1-1)と同様にしてアクリルアミドを製造し、種々のテストに供した。得られた結果を表1に示す。
すなわち、実施例(1-1)の精製工程において、pH5での活性炭処理時の通気を、空気の代わりに空気と窒素との混合気とした以外は、実施例(1-1)と同様の操作を行った。この混合気中の空気の割合をそれぞれ50%、25%、12%とした。その結果、24時間撹拌した後の処理液の溶存酸素濃度はそれぞれ4ppm、2ppm、1.0ppmであった。得られた製品10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した(メタノールテスト)。いずれの場合も透過率は99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。
また、この精製工程において、得られたアクリルアミド水溶液から製造したアクリルアミド重合体を水溶性テストにより評価したところ、いずれも不溶解分の含有率は0.3%であり、良好な水溶性を示した。
保存工程において、精製工程で得られた活性炭処理後の製品(アクリルアミド濃度50.6%)500gに対し、20℃の恒温槽中にて、空気を1m3/hの流量にて10日間連続して通気処理を行い、保存処理液を得た。10日後に通気を停止し溶存酸素濃度を測定したところ、8ppmであった。得られた保存処理液10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した(メタノールテスト)。いずれも透過率は99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。また、実施例(1-1)と同様にアクリルアミド重合体を製造し、得られたアクリルアミド重合体の水溶性テストを行ったところ、いずれも不溶解分の含有率は0.7%であり、良好な水溶性を示した。
[実施例(3-1)]
実施例(1-1)において、第一反応工程のアクリロニトリル濃度が0.4重量%になった時点で酸素を溶存させた点および湿菌体の添加量を第一反応器のアクリロニトリル転化率が99%となるように調整を行った点以外は実施例(1-1)と同様にしてアクリルアミドを製造し、種々のテストに供した。得られた結果を表1に示す。
すなわち、反応工程において、第一反応器として攪拌器を備えた1Lガラス製フラスコ、第二反応器として内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブ20mを準備した。第一反応器には、予め400gの水を仕込んだ。第一反応器の気相部には空気を1L/minの流量にて通気した。
実施例(1-1)に記載の方法と同様の方法で得られた湿菌体を純水に懸濁した。第一反応器内を撹拌しながら、この懸濁液を、16g/hの速度で連続的にフィードした。アクリロニトリルは、32g/hの速度で、また、純水は32g/hの速度で連続的にフィードした。さらに反応pHが7.5〜8.5となるように、0.1M−NaOH水溶液をフィードした。これらの原料は、各々の貯槽から単独のラインで供給され、反応器内にフィードされるまで、他の原料に接触することはなかった。さらに、第一反応器の液面レベルを一定に保つように、反応液を第一反応器から80g/hの速度で連続的に抜き出し、第二反応器に連続的にフィードして、第二反応器内でさらに反応を進行させた。なお、湿菌体の添加量は、第一反応器のアクリロニトリル転化率が99%となるように調整を行った。
第一反応器および第二反応器ともに10〜20℃の温度の水浴中に浸漬し、各反応器内部の液温が15℃となるように温度制御を行った。
運転を開始してから30日目に各反応器の反応液をサンプリングし、HPLC分析を行ったところ、第一反応器出口でのアクリルアミドへの転化率が99%、第一反応器出口でのアクリロニトリル濃度は0.4重量%であり、かつ第二反応器出口でのアクリルニトリル濃度が検出限界以下(100重量ppm以下)、アクリルアミド濃度が53.3重量%となった。このとき第一反応器出口の反応液における溶存酸素濃度は8ppmであり、第二反応器出口の反応液における溶存酸素濃度は7ppmであった。
第一反応器の反応液を濾紙にて濾過を行い、菌体を除去した。得られた濾液10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した。透過率は99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。
この反応を30日目に分析を実施して以降さらに約4日間継続した。この約4日間で約7500gの反応液が得られた。精製工程において、得られた反応液約7500gに対し、活性炭(クラレケミカル(株)製の粉状活性炭PM−SX)を30g添加し、0.5重量%−アクリル酸水溶液160gを加えた後、1M−NaOH水溶液でpHを5に調整した。空気を1L/minの流量にて通気した環境下にて、これを25℃で24時間撹拌した。24時間攪拌した後の処理液の溶存酸素濃度は8ppmであった。
その後、濾紙にて濾過を行い、活性炭を除去した。その後、活性炭に付着したアクリルアミドを回収するため、300gの純水で活性炭を洗浄し、先の活性炭処理液と混合して、1M−NaOH水溶液で中和し、pHを7として約7900gの製品を得た。この活性炭処理後の製品中の最終アクリルアミド濃度は、50.4重量%であった。得られた製品10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した。透過率は99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。
得られたアクリルアミド水溶液から、上記と同様の製造方法を用いて、乾燥粉末状のアクリルアミド重合体を製造した。このアクリルアミド重合体を篩にかけ、32〜42メッシュのポリマーを分取した。この分取したアクリルアミド重合体を水溶性テストにより評価したところ、不溶解分の含有率は0.5%であり、良好な水溶性を示した。
保存工程において、精製工程で得られた活性炭処理後の製品(アクリルアミド濃度50.6%)500gに対し、20℃の恒温槽中にて、空気を1m3/hの流量にて10日間連続して通気処理を行い、保存処理液を得た。10日後に通気を停止し溶存酸素濃度を測定したところ、8ppmであった。得られた保存処理液10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した(メタノールテスト)。いずれも透過率は99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。また、実施例(1-1)と同様にアクリルアミド重合体を製造し、得られたアクリルアミド重合体の水溶性テストを行ったところ、不溶解分の含有率は0.7%であり、良好な水溶性を示した。
[実施例(3-2)〜(3-4)]実施例(1-2)〜(1-4)それぞれにおいて、第一反応工程のアクリロニトリル濃度が0.4重量%になった時点で酸素を溶存させた点および湿菌体の添加量を第一反応器のアクリロニトリル転化率が99%となるように調整を行った点以外は実施例(1-2)〜(1-4)と同様にしてアクリルアミドを製造し、種々のテストに供した(実施例(3-2)〜(3-4))。得られた結果を表1に示す。
あるいは、実施例(3-1)において第一反応器へ通気する気体を空気の代わりに窒素と空気との混合気とした以外は実施例(3-1)と同様の操作を行ったとも言える。この混合気中の空気の割合を50%、25%、15%とした。このとき第1反応器出口の反応液における溶存酸素濃度はそれぞれ4ppm、2ppm、1.2ppmであり、第二反応器出口の反応液の溶存酸素濃度は3.5ppm、1.8ppm、1.0ppmであった。
第一反応器の反応液を濾紙にて濾過を行い、菌体を除去した。得られた濾液10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した。透過率はいずれの場合も99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。
精製工程において、実施例(3-1)と通気条件も含めて同様の操作により活性炭処理を行い約7900gの製品を得た。得られた製品10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した。いずれの場合も透過率は99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。
また得られたアクリルアミド水溶液から製造したアクリルアミド重合体を水溶性テストにより評価したところ、いずれも不溶解分の含有率は0.3%であり、良好な水溶性を示した。
保存工程において、精製工程で得られた活性炭処理後の製品(アクリルアミド濃度50.6%)500gに対し、20℃の恒温槽中にて、空気を1m3/hの流量にて10日間連続して通気処理を行い、保存処理液を得た。10日後に通気を停止し溶存酸素濃度を測定したところ、8ppmであった。得られた保存処理液10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した(メタノールテスト)。いずれも透過率は99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。また、実施例(1-1)と同様にアクリルアミド重合体を製造し、得られたアクリルアミド重合体の水溶性テストを行ったところ、いずれも不溶解分の含有率は0.7%であり、良好な水溶性を示した。
[実施例(4-1)〜(4-3)]
実施例(3-1)において、精製工程の溶存酸素濃度を8ppmから4ppm(実施例(4-1)),2ppm(実施例(4-2))または1ppm(実施例(4-3))に変更した以外は実施例(3-1)と同様にしてアクリルアミドを製造した。得られた結果を表1に示す。
あるいは、実施例(3-1)の精製工程において、pH5での活性炭処理時の通気を空気の代わりに窒素と空気との混合気とした以外は実施例(3-1)と同様の操作を行ったとも言える。この混合気中の空気の割合を50%、25%、12%とした。24時間攪拌した後の処理液の溶存酸素濃度はそれぞれ4ppm、2ppm、1.0ppmであった。得られた製品10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した。いずれの場合も透過率は99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。
また得られたアクリルアミド水溶液から製造したアクリルアミド重合体を水溶性テストにより評価したところ、いずれも不溶解分の含有率は0.3%であり、良好な水溶性を示した。
保存工程において、精製工程で得られた活性炭処理後の製品(アクリルアミド濃度50.6%)500gに対し、20℃の恒温槽中にて、空気を1m3/hの流量にて10日間連続して通気処理を行い、保存処理液を得た。10日後に通気を停止し溶存酸素濃度を測定したところ、8ppmであった。得られた保存処理液10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した(メタノールテスト)。いずれも透過率は99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。また、実施例(1-1)と同様にアクリルアミド重合体を製造し、得られたアクリルアミド重合体の水溶性テストを行ったところ、いずれも不溶解分の含有率は0.7%であり、良好な水溶性を示した。
[比較例1]
実施例(1-1)において、第一反応工程の溶存酸素濃度を8ppmから1ppm未満に変更した以外は実施例(1-1)と同様にしてアクリルアミドを製造し、種々のテストに供した。得られた結果を表1に示す。
すなわち、実施例(1-1)の反応工程において、第一反応器へ通気する気体を空気の代わりに窒素と空気との混合気とした以外は実施例(1-1)と同様の操作を行った。窒素と空気の割合を調整し、第一反応器出口の反応液における溶存酸素濃度が1.0ppm未満、第二反応器出口の反応液における溶存酸素濃度は1.0ppm未満となるようにした。なお、この操作を複数回繰り返し実施した。
第一反応器および第二反応器の反応液を濾紙にて濾過を行い、菌体を除去した。得られた濾液10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した(メタノールテスト)。第一反応器からの反応液の透過率は99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。一方、第二反応器からの反応液の透過率は、通常は99.9%以上だったが、10回に1回程度の割合で98.5%となり、重合物の存在が認められることがあった。
さらに実施例(1-1)と同様の操作により活性炭処理を行い約7900gの製品を得た。得られた製品10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した(メタノールテスト)。第二反応器で重合物が認められなかったアクリルアミド溶液では透過率は99.9%であり重合物は認められなかったが、第二反応器で重合物の存在が認められたアクリルアミド溶液を活性炭処理した場合では、透過率は98.0%であり、重合物の存在が認められた。
精製工程において、得られたアクリルアミド水溶液から製造したアクリルアミド重合体を水溶性テストにより評価したところ、第二反応器で重合物が認められなかったアクリルアミド溶液では不溶解分の含有率は0.3%だったが、第二反応器で重合物の存在が認められた場合のアクリルアミド水溶液からの重合体の場合では、不溶解分の含有率は5%であった。
保存工程において、精製工程で得られた活性炭処理後の製品(アクリルアミド濃度50.6%)500gに対し、20℃の恒温槽中にて、空気を1m3/hの流量にて10日間連続して通気処理を行い、保存処理液を得た。10日後に通気を停止し溶存酸素濃度を測定したところ、8ppmであった。得られた保存処理液10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した(メタノールテスト)。第二反応器で重合物の存在が認められなかった場合のアクリルアミド水溶液からのアクリルアミドでは、透過率は99.9%であり、重合物は認められなかった。一方、第二反応器で重合物の存在が認められた場合のアクリルアミド水溶液からのアクリルアミドでは、透過率は98%であり、重合物の存在が認められた。またこのときのアクリルアミド水溶液から製造したアクリルアミド重合体を水溶性テストにより評価したところ、不溶解分の含有率は4%であり、品質に問題が生じた。
[比較例2]
実施例(3-1)において、第一反応工程の溶存酸素濃度を8ppmから1ppm未満に変更した点および湿菌体の添加量を第一反応器のアクリロニトリル転化率が99%となるように調整を行った点以外は実施例(3-1)と同様にしてアクリルアミドを精製した。なお、この操作を複数回繰り返し実施した。得られた結果を表1に示す。
すなわち、反応工程において、第一反応器として撹拌器を備えた1Lガラス製フラスコ、第二反応器として内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブ20mを準備した。第一反応器には、予め400gの水を仕込んだ。第一反応器には窒素を1L/minの流量にて通気した。
実施例(1-1)に記載の方法と同様の方法で得られた湿菌体を純水に懸濁した。第一反応器内を撹拌しながら、この懸濁液を、16g/hの速度で連続的にフィードした。アクリロニトリルは、32g/hの速度で、また、純水は32g/hの速度で連続的にフィードした。さらに反応pHが7.5〜8.5となるように、0.1M−NaOH水溶液をフィードした。これらの原料は、各々の貯槽から単独のラインで供給され、反応器内にフィードされるまで、他の原料に接触することはなかった。
さらに、第一反応器の液面レベルを一定に保つように、反応液を第一反応器から80g/hの速度で連続的に抜き出し、第二反応器に連続的にフィードして、第二反応器内でさらに反応を進行させた。なお、湿菌体の添加量は、第一反応器のアクリロニトリル転化率が99%となるように調整を行った。
第一反応器および第二反応器ともに10〜20℃の温度の水浴中に浸漬し、各反応器内部の液温が15℃となるように温度制御を行った。
運転を開始してから30日目に各反応器の反応液をサンプリングし、HPLC分析を行ったところ、第一反応器出口でのアクリルアミドへの転化率が99%、第一反応器出口でのアクリロニトリル濃度は0.4重量%であり、かつ第二反応器出口でのアクリルニトリル濃度が検出限界以下(100重量ppm以下)、アクリルアミド濃度が53.3重量%となった。このときの第一反応器出口および第2反応器出口の反応液の溶存酸素濃度はともに1ppm未満であった。
第1反応器の反応液を濾紙にて濾過を行い、菌体を除去した。得られた濾液10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した。通常は99.9%以上だったが、10回に1回程度の割合で98.5%となり、重合物の存在が認められることがあった。
この反応を30日目に分析を実施して以降さらに約4日間継続した。この約4日間で約7500gの反応液が得られた。精製工程において、得られた反応液約7500gに対し、活性炭(クラレケミカル(株)製の粉状活性炭PM−SX)を30g添加し、0.5重量%−アクリル酸水溶液160gを加えた後、1M−NaOH水溶液でpHを5に調整した。空気を1L/minの流量にて通気した環境下にて、これを25℃で24時間撹拌した。24時間攪拌した後の処理液の溶存酸素濃度は8ppmであった。
その後、濾紙にて濾過を行い、活性炭を除去した。その後、活性炭に付着したアクリルアミドを回収するため、300gの純水で活性炭を洗浄し、先の活性炭処理液と混合して、1M−NaOH水溶液で中和し、pHを7として約7900gの製品を得た。この活性炭処理後の製品中の最終アクリルアミド濃度は、50.5重量%であった。得られた製品10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した。第一反応器で重合物の存在が認められなかった場合のアクリルアミド水溶液からのアクリルアミドでは透過率は99.9%以上だったが、第一反応器で重合物の存在が認められた場合のアクリルアミド水溶液からのアクリルアミドでは、透過率は98%であり、重合物の存在が認められた。
また得られたアクリルアミド水溶液から製造したアクリルアミド重合体を水溶性テストにより評価したところ、第一反応器で重合物の存在が認められなかった場合のアクリルアミド水溶液からのアクリルアミド重合体では、不溶解分の含有率は0.3%だったが、第一反応器で重合物の存在が認められた場合のアクリルアミド水溶液からのアクリルアミド重合体では、不溶解分の含有率は5%であった。
[比較例3]
実施例(3-1)において、精製工程の溶存酸素濃度を8ppmから1ppm未満に変更した点および湿菌体の添加量を第一反応器のアクリロニトリル転化率が99%となるように調整を行った点以外は実施例(3-1)と同様にしてアクリルアミドを精製した。得られた結果を表1に示す。
すなわち、反応工程において、第一反応器として撹拌器を備えた1Lガラス製フラスコ、第二反応器として内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブ20mを準備した。第一反応器には、予め400gの水を仕込んだ。第一反応器には空気を1L/minの流量にて通気した。
実施例(1-1)に記載の方法と同様の方法で得られた湿菌体を純水に懸濁した。第一反応器内を撹拌しながら、この懸濁液を、16g/hの速度で連続的にフィードした。アクリロニトリルは、32g/hの速度で、また、純水は32g/hの速度で連続的にフィードした。さらに反応pHが7.5〜8.5となるように、0.1M−NaOH水溶液をフィードした。これらの原料は、各々の貯槽から単独のラインで供給され、反応器内にフィードされるまで、他の原料に接触することはなかった。さらに、第一反応器の液面レベルを一定に保つように、反応液を第一反応器から80g/hの速度で連続的に抜き出し、第二反応器に連続的にフィードして、第二反応器内でさらに反応を進行させた。なお、湿菌体の添加量は、第一反応器のアクリロニトリル転化率が99%となるように調整を行った。
第一反応器および第二反応器ともに10〜20℃の温度の水浴中に浸漬し、各反応器内部の液温が15℃となるように温度制御を行った。
運転を開始してから30日目に各反応器の反応液をサンプリングし、上記HPLC条件にて分析を行ったところ、第一反応器出口でのアクリルアミドへの転化率が99%、第一反応器出口でのアクリロニトリル濃度は0.4重量%であり、かつ第二反応器出口でのアクリルニトリル濃度が検出限界以下(100重量ppm以下)、アクリルアミド濃度が53.3重量%となった。このとき第一反応器出口の反応液における溶存酸素濃度は8ppmであり、第二反応器出口の反応液の溶存酸素濃度は7ppmであった。
第一反応器の反応液を濾紙にて濾過を行い、菌体を除去した。得られた濾液10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した。透過率は99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。
この反応を30日目に分析を実施して以降さらに約4日間継続した。この約4日間で約7500gの反応液が得られた。精製工程において、得られた反応液約7500gに対し、活性炭(クラレケミカル(株)製の粉状活性炭PM−SX)を30g添加し、0.5重量%−アクリル酸水溶液160gを加えた後、1M−NaOH水溶液でpHを5に調整した。窒素を1L/minの流量にて通気した環境下にて、これを25℃で12時間撹拌したところ、白色の不溶解性の重合物の生成が認められ、これ以上の作業の継続は困難であった。12時間攪拌した後の処理液の溶存酸素濃度は1ppm未満であった。
[比較例4]
実施例(3-1)において、保存工程の溶存酸素濃度を8ppmから1ppm未満に変更した以外は実施例(3-1)と同様にしてアクリルアミドを製造した。得られた結果を表1に示す。
すなわち、実施例(3-1)で得られた活性炭処理後の製品(アクリルアミド濃度50.6%)500gに対し、20℃の恒温槽中にて、窒素を1m3/hの流量にて10日間連続して通気処理を行い、保存処理液を得た。10日後に通気を停止し溶存酸素濃度を測定したところ、1ppm未満であった。得られた保存処理液10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した。透過率は95%であり、重合物の存在が認められた。
[実施例5]
実施例(1-1)の第一反応工程において、湿菌体の添加量を、第一反応器のアクリロニトリル転化率が97%となるように調整を行った代わりに、該転化率が90%となるように調整を行った以外は実施例(1-1)と同様にしてアクリルアミドを製造し、種々のテストに供した。得られた結果を表1に示す。
すなわち、実施例5の反応工程として、第一反応器として撹拌器を備えた1Lガラス製フラスコ、第二反応器として内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブ20mを準備した。第一反応器には、予め400gの水を仕込んだ。この第一反応器には、その気相部に空気を1L/minの流量にて通気した。
実施例(1-1)に記載の方法と同様の方法で得られた湿菌体を純水に懸濁した。第一反応器内を撹拌しながら、この懸濁液を、11g/hの速度で連続的にフィードした。アクリロニトリルは、32g/hの速度で、また、純水は37g/hの速度で連続的にフィードした。さらに反応pHが7.5〜8.5となるように、0.1M−NaOH水溶液をフィードした。これらの原料は、各々の貯槽から単独のラインで供給され、反応器内にフィードされるまで、他の原料に接触することはなかった。さらに、第一反応器の液面レベルを一定に保つように、反応液を第一反応器から80g/hの速度で連続的に抜き出し、第二反応器に連続的にフィードして、第二反応器内でさらに反応を進行させた。なお、湿菌体の添加量は、第一反応器のアクリロニトリル転化率が90%となるように調整を行った。
第一反応器および第二反応器ともに10〜20℃の温度の水浴中に浸漬し、各反応器内部の液温が15℃となるように温度制御を行った。
運転を開始してから2日目に各反応器の反応液をサンプリングし、上記HPLC条件にて分析を行ったところ、第一反応器出口でのアクリルアミドへの転化率が90%、かつ第二反応器出口でのアクリルニトリル濃度が検出限界以下(100重量ppm以下)、アクリルアミド濃度が53.5重量%となった。このとき、第一反応器出口の反応液における溶存酸素濃度は8ppmであり、第二反応器出口の反応液における溶存酸素濃度は7ppmであった。
精製工程において、この反応を2日目に分析を実施して以降さらに約4日間継続した。この約4日間で約7500gの反応液が得られた。これに対し、活性炭(クラレケミカル(株)製 粉状活性炭PM−SX)を30g添加し、0.5重量%−アクリル酸水溶液160gを加えた後、1M−NaOH水溶液でpHを5に調整した。空気を1L/minの流量にて通気した環境下にて、これを25℃で5時間撹拌したあと、濾紙にて濾過を行い、活性炭を除去した。5時間撹拌した後の処理液の溶存酸素濃度は8ppmであった。その後、活性炭に付着したアクリルアミドを回収するため、300gの純水で活性炭を洗浄し、先の活性炭処理液と混合して、1M−NaOH水溶液で中和し、pHを7として約7900gの製品を得た。この活性炭処理後の製品中の最終アクリルアミド濃度は、50.6重量%であった。
得られたアクリルアミド水溶液10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した。いずれの場合も透過率は99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかった。
また得られたアクリルアミド水溶液から製造したアクリルアミド重合体を水溶性テストにより評価したところ、いずれも不溶解分の含有率は0.3%であり、良好な水溶性を示した。
保存工程において、このアクリルアミド水溶液100gに対し、20℃の恒温槽中にて、空気を1m3/hの流量にて30日間連続して通気処理を行った。30日後に通気を停止し溶存酸素濃度を測定したところ、8ppmであった。得られた処理液10mLにメタノール90mLを加えても白濁せず、重合物の存在は認められなかった。得られた結果を表1に示す。また、実施例(1-1)と同様にアクリルアミド重合体を製造し、得られたアクリルアミド重合体の水溶性テストを行ったところ、不溶解分の含有率は0.7%であり、良好な水溶性を示した。
[比較例5]
実施例5の保存工程において、空気を使用する代わりに、純度99.9%の窒素を使用した以外は、実施例5と同様の処理を行い、処理液を得た。この処理液の溶存酸素濃度は0.08ppmであった。得られた処理液10mLにメタノール90mLを加えたところ白濁し、重合物の存在が認められた。
[実施例6]
実施例(1-1)において、第一反応工程のアクリロニトリル濃度が0.8重量%になった時点で酸素を溶存させた点および溶存酸素濃度を8ppmから1.2ppmに変更した点以外は実施例(1-1)と同様にしてアクリルアミドを製造した。このとき第二反応工程での溶存酸素濃度は1.0ppmだった。さらに実施例6を複数回実施した。
[比較例6]
実施例(1-1)において、第一反応工程のアクリロニトリル濃度が0.8重量%になった時点で酸素を溶存させた点および溶存酸素濃度を8ppmから1ppm未満に変更した点以外は実施例(1-1)と同様にしてアクリルアミドを製造した。このとき第二反応工程での溶存酸素濃度は1.0ppm未満だった。さらに比較例6を複数回実施した。
このような実施例6および比較例6は、すなわち、実施例(1-1)の第一反応工程において、第一反応器出口でのアクリルアミドへの転化率を98%、第一反応器出口でのアクリロニトリル濃度を0.8重量%とした点および第一反応器へ通気する気体を空気の代わりに窒素と空気との混合気とした点以外は実施例(1-1)と同様の操作を行った。この混合気中の空気の割合をそれぞれ15%および5%とした。このとき第一反応器出口の反応液における溶存酸素濃度はそれぞれ1.2ppmおよび1.0ppm未満であった。
ここで、第一反応器の反応液を濾紙にて濾過を行い、菌体を除去した。得られた濾液10mLにメタノール90mLを加え、360nmにおける透過率を測定した(メタノールテスト)。透過率は溶存酸素濃度が1.2ppmの場合(実施例6)は99.9%以上であり、重合物の存在は認められなかったが、溶存酸素濃度が1.0ppm未満だった場合(比較例6)は通常は99.9%以上だったが、10回に1回程度の割合で98.5%となり、重合物の存在が認められることがあった。
また、第二反応工程および精製工程を実施例(1-1)と同様に操作して得られたアクリルアミド水溶液から製造したアクリルアミド重合体を水溶性テストにより評価したところ、透過率は、第一反応工程において溶存酸素濃度が1.2ppmの場合(実施例6)は不溶解分の含有率は0.3%であり、良好な水溶性を示した。一方、第一反応工程において溶存酸素濃度が1.0ppm未満だった場合(比較例6)は10回に1回程度の割合で不溶解分の含有率は4%となり、品質に問題が生じた。得られた結果を表1に示す。
Figure 2015164425

Claims (11)

  1. ニトリル化合物からアミド化合物を生成できる酵素を含む触媒を用いて、ニトリル化合物を含む水溶液から、不飽和結合を有するアミド化合物を含む反応液を製造する反応工程および精製工程の際、
    前記反応液中のニトリル化合物が1重量%未満の場合、該反応液中の酸素を1重量ppm以上飽和酸素濃度以下とすることを特徴とする不飽和結合を有するアミド化合物の安定化方法。
  2. ニトリル化合物からアミド化合物を生成できる酵素を含む触媒を用いて、ニトリル化合物を含む水溶液から、不飽和結合を有するアミド化合物を含む反応液を製造する反応工程および精製工程の際、
    該反応液中に酸素を1重量ppm以上飽和酸素濃度以下で溶存させることを特徴とする不飽和結合を有するアミド化合物の安定化方法。
  3. 前記触媒を用いて、ニトリル化合物を含む水溶液から製造した不飽和結合を有するアミド化合物を含む反応液を保存する際にも、該反応液中の酸素を1重量ppm以上飽和酸素濃度以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載の不飽和結合を有するアミド化合物の安定化方法。
  4. 上記ニトリル化合物が、(メタ)アクリロニトリルであり、上記アミド化合物が、(メタ)アクリルアミドである請求項1〜3のいずれか一項に記載の安定化方法。
  5. 上記反応液に含まれるポリペプチド濃度が、0.1重量ppm以上500重量ppm以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の安定化方法。
  6. 上記酵素がニトリルヒドラターゼである請求項1〜5のいずれか一項に記載の安定化方法。
  7. 上記ニトリルヒドラターゼが、シュードノカルディア属由来である請求項6に記載の安定化方法。
  8. ニトリル化合物からアミド化合物を生成できる酵素を含む触媒を用いて、ニトリル化合物を含む水溶液から、不飽和結合を有するアミド化合物を含む反応液を製造する反応工程および精製工程の際、前記反応液中のニトリル化合物が1重量%未満の場合、該反応液中の酸素を1重量ppm以上飽和酸素濃度以下とすることを特徴とする不飽和結合を有するアミド化合物の製造方法。
  9. ニトリル化合物からアミド化合物を生成できる酵素を含む触媒を用いて、ニトリル化合物を含む水溶液から、不飽和結合を有するアミド化合物を含む反応液を製造する反応工程および精製工程の際、該反応液中の酸素を1重量ppm以上飽和酸素濃度以下とすることを特徴とする不飽和結合を有するアミド化合物の製造方法。
  10. ニトリル化合物からアミド化合物を生成できる酵素を含む触媒を用いて、ニトリル化合物を含む水溶液から、不飽和結合を有するアミド化合物を含む反応液を製造する反応工程および精製工程の際、前記反応液中のニトリル化合物が1重量%未満の場合、該反応液中の酸素を1重量ppm以上飽和酸素濃度以下として不飽和結合を有するアミド化合物を製造し、
    該アミド化合物を、重合させることを特徴とするポリアミド化合物の製造方法。
  11. ニトリル化合物からアミド化合物を生成できる酵素を含む触媒を用いて、ニトリル化合物を含む水溶液から、不飽和結合を有するアミド化合物を含む反応液を製造する反応工程および精製工程の際、該反応液中の酸素を1重量ppm以上飽和酸素濃度以下として不飽和結合を有するアミド化合物を製造し、
    該アミド化合物を、重合させることを特徴とするポリアミド化合物の製造方法。
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