JP2014176344A - 反応経過を監視することを特徴とするアミド化合物の製造方法およびアミド化合物の製造装置 - Google Patents

反応経過を監視することを特徴とするアミド化合物の製造方法およびアミド化合物の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】工業的に非常に重要なアミド化合物の効率的な製造方法、および該方法に好適に用いられるアミド化合物の製造装置を提供する。
【解決手段】ニトリルヒドラターゼを含有する微生物菌体および/またはその菌体処理物を用いてアミド化合物を製造する方法において、反応槽における反応熱の除熱量により反応の経過を監視することを特徴とするアミド化合物の製造方法、およびアミド化合物を製造する反応槽と、反応槽おける反応熱の除熱量を算出するための温度制御装置を備えるアミド化合物の製造装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、微生物菌体および/またはその菌体処理物を触媒として用い、ニトリル化合物を水和してアミド化合物を得るアミド化合物の製造方法、ならびにアミド化合物の製造装置に関するものである。
アミド化合物の主要な製造方法の一つとして、ニトリル化合物を原料とする水和法は多くの場合に用いられており、アクリルアミド等のアミド化合物の工業的製法としては、例えば、ラネー銅等などの金属銅触媒を触媒として用い、アクリロニトリル等のニトリル化合物を水和する方法、あるいは近年ではニトリルヒドラターゼを含有する微生物菌体および/またはその菌体処理物等を触媒として用い、ニトリル化合物を水和する方法が知られている。
微生物菌体および/またはその菌体処理物を触媒として用いる方法は、アクリロニトリル等のニトリル化合物の転化率および選択率が高いことから工業的に注目を浴びている。
例えば特許文献1では、より少ない菌体量で高濃度アクリルアミド濃度を得る方法として、微生物の菌体または菌体処理物を利用したアクリルアミドの製法において、原料アクリロニトリルを、反応の開始時または反応途中のアクリロニトリル濃度が水性媒体中でのアクリロニトリルの飽和濃度以上となるように添加する方法が提案されている。また、特許文献2には、ニトリル化合物を高い転化率で水和して高濃度アミド化合物水溶液を連続的に製造する方法として、微生物の菌体またはその菌体処理物を水性媒体中でニトリル化合物と接触させた後、得られた反応液をプラグフロー性を有す二重管形式やシェル&チューブ形式の筒型反応器を用いて製造する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1および2の方法においては、効率的でかつ高品質のアミド化合物の製造方法としては不十分であり、未だ検討の余地が残されている。
特開平11/89575号パンフレット 特開2001/340091号パンフレット
微生物菌体および/またはその菌体処理物を用いたニトリル化合物の水和反応においては、より効率的なアミド化合物を製造することが求められている。
本発明の課題は、アミド化合物を効率的に製造する方法、および当該方法において好適に用いられるアミド化合物の製造装置を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、下記構成を有するアミド化合物の製造方法により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の要旨は、以下の通りである。
〔1〕ニトリルヒドラターゼを含有する微生物菌体および/またはその菌体処理物を用いてアミド化合物を製造する方法において、反応槽における反応熱の除熱量により反応の経過を監視することを特徴とするアミド化合物の製造方法
〔2〕反応槽における反応熱の除熱量の算出を、反応槽に設置した温度制御装置によって行うことを特徴とする前記〔1〕に記載のアミド化合物の製造方法
〔3〕反応槽に設置した温度制御装置が反応槽に設置したジャケット式熱交換器および/またはコイル式熱交換器である前記〔2〕に記載のアミド化合物の製造方法
〔4〕反応槽に設置した温度制御装置が反応槽に設置した外部循環ライン上に設けられた熱交換器である前記〔2〕に記載のアミド化合物の製造方法
〔5〕アミド化合物がアクリルアミドまたはメタクリルアミドである前記〔1〕に記載のアミド化合物の製造方法
〔6〕ニトリルヒドラターゼを含有する微生物菌体および/またはその菌体処理物を用いてアミド化合物を製造する反応槽と、反応槽おける反応熱の除熱量を算出するための温度制御装置を備えるアミド化合物の製造装置
本発明によれば、微生物菌体および/またはその菌体処理物を用いたニトリル化合物の水和反応において効率的にアミド化合物を製造することができる。
図1は、本発明の製造装置の一実施形態を示す模式図である。 図2は、本発明の製造装置の一実施形態を示す模式図である。
以下、本発明のアミド化合物の製造方法および製造装置について説明する。
〔アミド化合物の製造方法〕
ニトリルヒドラターゼを含有する微生物菌体および/またはその菌体処理物を用いてアミド化合物を製造する方法において、反応槽における反応熱の除熱量により反応の経過を監視する工程を有する。
<ニトリルヒドラターゼを含有する微生物菌体および/またはその菌体処理物>
本発明では、ニトリルヒドラターゼを含有する微生物菌体および/またはその菌体処理物(以下、これらを単に「菌体触媒」ともいう。)をニトリル化合物のアミド化合物への水和触媒として用いる。
ニトリルヒドラターゼとは、ニトリル化合物を加水分解して対応するアミド化合物を生成する能力(以下、「ニトリルヒドラターゼ活性」ともいう。)を有する酵素(たんぱく質)をいう。
ニトリルヒドラターゼを含有する微生物としては、ニトリルヒドラターゼを産出し、かつニトリル化合物およびアミド化合物の水溶液中でニトリルヒドラターゼ活性を保持している微生物であれば特に限定されない。
ニトリルヒドラターゼを産生する微生物としては、ノカルディア(Nocardia)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、バチルス(Bacillus)属、好熱性のバチルス属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ミクロコッカス(Micrococcus)属、ロドクロウス(rhodochrous)種に代表されるロドコッカス(Rhodococcus)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、キサントバクター(Xanthobacter)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、リゾビウム(Rhizobium)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、エルウィニア(Erwinia)属、エアロモナス(Aeromonas)属、シトロバクター(Citrobacter)属、アクロモバクター(Achromobacter)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属またはサーモフィラ(thermophila)種に代表されるシュードノカルディア(Pseudonocardia)属、バクテリジューム(Bacteridium)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属に属する微生物などが挙げられる。これらは一種で用いても二種以上を併用してもよい。
また、これら微生物よりクローニングしたニトリルヒドラターゼ遺伝子を任意の宿主で高発現させた形質転換体、および組換えDNA技術を用いて該ニトリルヒドラターゼの構成アミノ酸の一個または二個以上を他のアミノ酸で置換、欠失、削除もしくは挿入することにより、アミド化合物耐性やニトリル化合物耐性、温度耐性を更に向上させた変異型のニトリルヒドラターゼを発現させた形質転換体なども挙げられる。尚、ここでいう任意の宿主には、後述の実施例のように大腸菌(Escherichia coli)が代表例として挙げられるが、とくに大腸菌に限定されるものではなく枯草菌(Bacillus subtilis)等のバチルス属菌、酵母や放線菌等の他の微生物菌株も含まれる。その様なものの例として、MT−10822(本菌株は、1996年2月7日に茨城県つくば市東1丁目1番3号の通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(現 茨城県つくば市東1−1−1 つくばセンター 中央第6 独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター)に受託番号FERM BP−5785として、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に基づいて寄託されている。)が挙げられる。
これら微生物の中でも、高活性、高安定性のニトリルヒドラターゼを有するという点で、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属に属する微生物、および該微生物よりクローニングしたニトリルヒドラターゼ遺伝子を任意の宿主で高発現させた形質転換体、および変異型のニトリルヒドラターゼを発現させた形質転換体形質転換体が好ましい。なお、上記形質転換体は、ニトリルヒドラターゼの安定性をより高め、菌体当たりの活性がより高い点で好ましい。
また、微生物内にニトリルヒドラターゼを高発現できる、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J−1、該微生物よりクローニングしたニトリルヒドラターゼ遺伝子を任意の宿主で高発現させた形質転換体も同様に好ましい。上記ニトリルヒドラターゼを産生する微生物の菌体は、分子生物学・生物工学・遺伝子工学の分野において公知の一般的な方法により調製できる。
上述のようなニトリルヒドラターゼを生産する微生物は、公知の方法により、適宜培養し増殖させ、ニトリルヒドラターゼを生産させてもよい。この場合に使用される培地としては炭素源、窒素源、無機塩類およびその他の栄養素を適量含有する培地であれば合成培地または天然培地のいずれも使用可能である。例えば、LB培地、M9培地等の通常の液体培地に、微生物を植菌した後、適当な培養温度(一般的には20〜50℃であるが、好熱菌の場合は50℃以上でもよい。)で培養させることにより調製できる。培養は前記培養成分を含有する液体培地中で振とう培養、通気攪拌培養、連続培養、流加培養などの通常の培養方法を用いて行うことができる。形質転換体の培養温度としては、15〜37 ℃が好ましい。培養条件は、培養の種類、培養方法により適宜選択すればよく、菌株が生育しニトリルヒドラターゼを生産することが出来れば特に制限はない。
本発明では上述のニトリルヒドラターゼを生産する微生物の菌体を、ニトリル化合物と反応させるために、遠心等による集菌、破砕して菌体破砕物を作製する等、さまざまな処理を行ってもよく、これらの処理を施した菌体を菌体処理物と総称する。
破砕される微生物の菌体の形態としては、ニトリルヒドラターゼを産生する微生物の菌体を含む限り特に制限はないが、例えば、該菌体を含む培養液そのもの、その培養液を遠心分離して分離・回収された集菌体、さらにこの集菌体を生理食塩水等で洗浄したものなどが挙げられる。
上記菌体を破砕する方法は特に限定するものではなく、公知の方法を用いることができる。菌体を破砕する装置としては、菌体を破砕可能であれば特に制限はないが、例えば、超音波破砕機、フレンチプレス、ビーズショッカー、ホモゲナイザー、ダイノーミル、クールミルなどの摩砕装置などが挙げられる。これらの中でも、安価にスケールアップができるという点で、ホモゲナイザーが好ましい。なお、ホモゲナイザーとは、ピストンで送液を行うプランジャー式高圧ポンプの出口に設けられたホモバルブの隙間をネジまたは油圧で調節して、導入された流体に剪断・激突・キャビテーション等の相乗効果を瞬間的に発生させる装置である。
菌体を破砕する時の温度は特に制限はないが、好ましくは0〜50℃、より好ましくは0〜25℃である。
また、菌体を破砕する時のpHは特に制限はないが、好ましくはpH4〜pH10、より好ましくはpH6〜pH8である。
ホモゲナイザーを用いて菌体を破砕する場合の圧力は菌体が破砕される圧力であれば特には制限が無いが、好ましくは10〜300MPa、より好ましくは30〜100MPaである。
<ニトリル化合物>
ニトリル化合物としては、例えば、炭素数2〜20の脂肪族ニトリル化合物、炭素数6〜20の芳香族ニトリル化合物が挙げられ、一種で用いても二種以上を併用してもよい。
脂肪族ニトリル化合物としては、例えば、炭素数2〜6の飽和または不飽和ニトリルが挙げられ;具体的には、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、イソバレロニトリル、カプロニトリル等の脂肪族飽和モノニトリル類;マロノニトリル、サクシノニトリル、アジポニトリル等の脂肪族飽和ジニトリル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロトンニトリル等の脂肪族不飽和ニトリルが挙げられる。
芳香族ニトリル化合物としては、例えば、ベンゾニトリル、o−,m−またはp−クロロベンゾニトリル、o−,m−またはp−フルオロベンゾニトリル、o−,m−またはp−ニトロベンゾニトリル、o−,m−またはp−トルニトリルが挙げられる。
ニトリル化合物の中でも、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが好ましい。
<水(原料水)>
原料水は特に限定されず、蒸留水、イオン交換水などの精製水を用いることができる。
<反応槽>
反応槽としては、一つの反応器から構成される単段の反応槽を用いてもよく、複数の反応器から構成される多段の反応槽を用いてもよい。反応器としては、槽型反応器を用いてもよく、管型反応器を用いてもよい。槽型反応器としては、撹拌機を備える反応器が好ましい。
特に、一段目の槽型反応器と二段目の管型反応器とから構成される反応槽を用い、槽型反応器から排出される反応液を管型反応器で更に反応させると、転化率を向上できるので好ましい。
反応器は反応熱の除熱のために温度制御装置を備える。温度制御装置としては熱交換器が挙げられる。熱交換器としては、ジャケット式、コイル式など反応器に直接設置する形態のもの、あるいは多管円筒式、渦巻管式、渦巻板式、プレート式、二重管式など反応器外部に設置する形態のものが挙げられる。熱交換器を反応器外部に設置する場合には、反応器にポンプを備えた外部循環ラインを設置し、該外部循環ライン上に熱交換器を設置することは好ましい。
反応器が管型反応器である場合は、反応器自体を多管円筒式あるいは二重管式の熱交換器で構成することが可能である。
反応方法としては、例えば、(1)菌体触媒および反応原料(ニトリル化合物および原料水)を反応槽に一度に全量仕込んでから反応を行う方法(回分反応)、(2)菌体触媒および反応原料(ニトリル化合物および原料水)の一部を反応槽に仕込んだ後、連続的または間欠的に残りの菌体触媒および反応原料(ニトリル化合物および原料水)を供給して反応を行う方法(半回分反応)、(3)菌体触媒および反応原料(ニトリル化合物および原料水)の連続的または間欠的な供給と、反応液(菌体触媒、未反応原料および生成したアミド化合物などを含む。)の連続的または間欠的な取出しを行いながら、反応槽内の反応液を全量取り出すことなく連続的に反応を行う方法(連続反応)が挙げられる。これらの中でも、工業的にアミド化合物を大量かつ効率的に製造しやすい点で、連続反応が好ましい。
反応槽として複数の反応器から構成される多段の反応槽を用いる場合、その構成としては、(a)菌体触媒および反応原料(ニトリル化合物および原料水)を上段の反応器入口に供給し、上段の反応器出口から排出された反応液(菌体触媒、未反応原料および生成したアミド化合物などを含む。)を、下段の反応器入口に供給する直列式態様、(b)菌体触媒および反応原料(ニトリル化合物および原料水)を二以上の反応器に(他の反応器を経由せずに)直接供給する並列式態様が挙げられる。
複数の反応器から構成される多段の反応槽を用いる場合、反応熱の除熱量を算出するための温度制御装置はそれぞれの反応器に備えられていてもよく、主に反応が行われる反応器にのみ備えていてもよい。
例えば、多段の反応槽を用いて連続反応を行う場合等において、菌体触媒および反応原料(ニトリル化合物および原料水)の供給先は、一段目の反応器(最も上流に位置する反応器)のみに限定されず、二段目以降の反応器(下流に位置する反応器)であってもよい。
反応槽内の液温である反応槽温度は、菌体触媒の耐熱性にもよるが、通常0〜50℃に設定され、好ましくは10〜40℃に設定される。反応槽温度が前記範囲にあると、菌体触媒のニトリルヒドラターゼ活性を良好に維持できる点で好ましい。
反応槽温度とは、反応槽が一つの反応器のみから構成される場合は、当該反応器内の液温を指し;反応槽が複数の反応器から構成される場合は、各々の反応器内の液温を指す。反応槽温度は、例えば、熱電対法(例:Kタイプ)により測定することができる。反応槽温度は、反応槽内の任意の場所で測定可能であり、具体的には反応槽出口(反応液取出し口)で測定可能である。
反応槽の容積は、特に限定するものではないが、工業的な生産を考慮すると、通常0.1m3以上、好ましくは1〜100m3、より好ましくは5〜50m3である。反応槽が複数の反応器から構成される場合、前記容積は各々の反応器の容積を指す。
反応は、一般的には常圧下で行われるが、ニトリル化合物の溶解度を高めるために加圧下で行うこともできる。反応槽内のpHは特に限定されないが、好ましくはpH5〜pH10の範囲にある。pHが前記範囲にあると、ニトリルヒドラターゼ活性を良好に維持できる点で好ましい。
<反応原料の供給>
ニトリル化合物および水は、ニトリル化合物および水を貯蔵する原料貯槽から、それぞれ別々のニトリル化合物の供給管および水の供給管を用いて反応槽へ供給してもよく、両者を混合した後にニトリル化合物と水の混合物として反応槽へ供給してもよい。
ニトリル化合物および水をそれぞれ別の供給管を用いて反応槽へ供給する場合、ニトリル化合物の供給管の反応槽中の反応液への供給口の設置位置には特に制限はなく、反応液の上部へ設置しても、反応液中へ設置してもよいが、ニトリル化合物の気相部への蒸発を抑制する観点から、供給口は反応液中へ設置することが好ましい。前記の供給口を反応液中へ設置する際は、供給口の設置位置はニトリル化合物の反応液中への分散の観点から、反応液の最深部の水準を0%とし、反応液の液面の水準を100%とした場合、好ましくは80%以下の位置である、より好ましくは60%以下の位置である、更に好ましくは50%以下の位置である。ニトリル化合物の供給管は、ひとつの反応槽につき一本であってもよく、複数本であってもよい。ニトリル化合物の供給管の供給口は、一本の供給管につき一つであってもよく、複数あっても良い。また、反応槽が攪拌機を備える槽型反応器である場合には、ニトリル化合物の供給管の供給口は、ニトリル化合物の反応液への分散を良好に行うために、反応槽に設置された攪拌翼の近傍に設置することが好ましい。
ニトリル化合物の供給管の供給口の形状は特に制限はなく、通常使用される形状のものであればいずれも好適に使用できる。
水の供給管の反応槽中の反応液への供給口の設置位置には特に制限はなく、反応液の上部へ設置しても、反応液中へ設置してもよい。
水の供給管は、ひとつの反応槽につき一本であってもよく、複数本であってもよい。水の混合物の供給管の供給口は、一本の供給管につき一つであってもよく、複数あっても良い。
水の供給管の供給口の形状は特に制限はなく、通常使用される形状のものであればいずれも好適に使用できる。
ニトリル化合物および水を反応槽へ供給する方法は、特に限定するものではなく、公知の方法を用いることができる。ニトリル化合物および水を反応槽へ供給する方法としては、液体輸送機能を有する機器を使用することができ、例えば、遠心ポンプ、斜流ポンプあるいは軸流ポンプなどのターボ型ポンプや、往復ポンプや回転ポンプなどの容積型ポンプなどのポンプ類、スクリューコンベアなどのコンベア類を用いることができる。ニトリル化合物および水を反応槽へ供給する方法として、上記の液体輸送機能を有する機器を使用しないで供給することもできる。液体輸送機能を有する機器を使用しない場合には、例えば、ニトリル化合物および水を貯蔵する原料貯槽を反応槽の上部へ設置し、原料貯槽と反応槽を原料供給管により接続し、重力を用いた落下により供給する方法が挙げられる。あるいは、原料貯槽を加圧するか、反応槽を減圧することにより生じる原料貯槽と反応槽の圧力差を用いて供給する方法が挙げられる。
ニトリル化合物および水を混合した後に混合液として反応槽へ供給する場合、ニトリル化合物と水とを混合する方法としては、既知の技術を用いることができ、例えば、混合槽を用いて混合する方法、ニトリル化合物と水を配管中で混合する方法などが挙げられる。
混合槽を用いる場合には、混合槽の形状は特に限定されるものではないが、一般的に円筒形の混合槽が用いられ、縦型円筒形、横型円筒形、いずれの場合も用いることができる。混合槽を用いる場合には、混合槽には攪拌機を備えていてもよく、攪拌機を用いる場合の、攪拌翼は任意の形状のものを選択でき、例えば、プロペラ翼、フラットパドル翼、ピッチドパドル翼、フラットタービン翼、ピッチドタービン翼、リボン翼、アンカー翼、フルゾーン翼などが挙げられる。攪拌翼は、一枚であってもよく、複数枚備えていてもよい。混合槽には邪魔板を供えていてもよく、邪魔板を供えていなくてもよい。混合槽には、ニトリル化合物と水を効率的に混合する観点から、攪拌機を備えていることが好ましい。
ニトリル化合物と水の混合物を混合槽から反応槽へ供給する方法は、特に限定するものではなく、公知の方法を用いることができ、具体的には、上記のニトリル化合物および水を反応槽へ供給する方法で例示した方法を用いることができる。
ニトリル化合物と水を配管中で混合させるには、ニトリル化合物の供給管と水の供給管を結合することによりニトリル化合物と水を直接混合させることができ、さらには配管中にスタティックミキサーなどのラインミキサーを設置することにより積極的に混合する方法などが挙げられる。
ニトリル化合物および水の供給割合は、ニトリル化合物に対して水が当モル以上あればよく、ニトリル化合物と水とのモル比(ニトリル化合物:水)で通常1:1〜1:50、好ましくは1:1〜1:20である。
反応時間(反応液の滞留時間)は、通常0.5〜50時間、好ましくは2〜25時間である。多段の反応槽を用いる場合、反応時間とは、全反応器における合計の反応時間(反応液の滞留時間)を指す。
<菌体触媒の供給>
菌体触媒の供給は、特に限定するものではなく、公知の方法を用いることができる。菌体触媒を反応槽へ供給する方法としては、液体輸送機能を有する機器を使用することができ、例えば、遠心ポンプ、斜流ポンプあるいは軸流ポンプなどのターボ型ポンプや、往復ポンプや回転ポンプなどの容積型ポンプなどのポンプ類、スクリューコンベアなどのコンベア類を用いることができる。菌体触媒を供給する方法として、上記の液体輸送機能を有する機器を使用しないで供給することもできる。液体輸送機能を有する機器を使用しない場合には、例えば、菌体触媒を貯蔵する菌体貯槽を反応槽の上部へ設置し、菌体貯槽と反応槽を菌体触媒供給管により接続し、重力を用いた落下により供給する方法が挙げられる。あるいは、菌体貯槽を加圧するか、反応槽を減圧することにより生じる菌体貯槽と反応槽の圧力差を用いて供給する方法が挙げられる。
菌体触媒の使用量は、反応条件や触媒の種類およびその形態により変化するが、上記微生物の乾燥菌体重量換算で、反応液に対して、通常10〜50,000重量ppm、好ましくは50〜30,000重量ppmである。
<反応槽における反応熱の除熱>
反応槽における反応熱の除熱量は反応槽に設置した温度制御装置により算出することができる。温度制御装置を熱交換器とした場合には、熱交換器には、除熱量を算出できるように熱交換器に流通する冷却水の配管に温度計および流量計を設置する。例えば、冷却水配管の熱交換器の入口および出口に温度計を設置し、熱交換器入口の冷却水の液温と出口の冷却水の液温の温度差に、冷却水の流量および冷却水の比熱を乗ずることにより交換熱量を算出することができ、反応槽における反応熱の除熱量を算出することができる。
反応器に備えた外部循環ライン上に熱交換器を設置する場合には、反応器に熱交換器を設置する場合と同様に、熱交換器に流通する冷却水の配管に温度計および流量計を設置して、前述と同様の計算にて反応器における反応熱を算出することができる。あるいは、外部循環ライン上に熱交換器を設置する場合には、循環ライン上に流量計および熱交換器の入口および出口に温度計を設置し、熱交換器入口の反応液の液温と出口の反応液の液温の温度差に、反応液の流量および反応液の比熱を乗ずることにより交換熱量を算出することができ、反応槽における反応熱の除熱量を算出することができる。
<反応の経過の監視>
本発明では、反応槽における反応熱の除熱量により反応の経過を監視する。反応の経過を監視する方法としては、反応槽へ供給されるニトリル化合物の供給量から算出される理論反応熱と反応槽における除熱量を比較することにより、反応槽に供給されるニトリル化合物の反応転化率を監視する方法が好ましい。
反応転化率の監視は、例えば、以下の方法により実施することができる。理論反応熱は、例えば、反応槽へ供給されるニトリル化合物の供給量から、供給されたニトリル化合物の物質量を算出し、ニトリル化合物の水和反応における物質量あたりの反応熱を乗じることにより算出することができる。このように算出された理論反応熱を前述の方法にて算出される反応槽における除熱量にて除することにより、反応槽に供給されたニトリル化合物の反応転化率が算出される。
本発明の実施形態として好ましくは、前記監視された反応転化率は、ニトリル化合物をアミド化合物への転化率を調節するために、反応原料であるニトリル化合物および水の供給量や、菌体触媒の供給量を制御するために用いられる。すなわち、前記の方法にて監視された反応転化率が所望の反応転化率と異なっていた場合、ニトリル化合物および水の供給量や、菌体触媒の供給量を調節することにより所望の反応転化率に近づけることができる。例えば、反応槽における反応転化率が低い場合には、未反応のニトリル化合物が最終製品に混入することにより製品の品質悪化の原因となる。このため、監視された反応転化率が所望の反応転化率より低い場合には、ニトリル化合物および水の供給量を減らす方法や、菌体触媒の供給量を増やす方法により反応転化率を高め所望の反応転化率に近づけることにより、未反応のニトリル化合物を減少させることにより製品の品質を向上することができる。あるいは、例えば、反応槽における反応転化率が高い場合には、未反応のニトリル化合物が最終製品に混入することは無いが、高価な菌体触媒を過剰に使用することになり経済的に不利である。このため、監視された反応転化率が所望の反応転化率より高い場合には、ニトリル化合物および水の供給量を増やす方法や、菌体触媒の供給量を減らす方法により反応転化率を低め所望の反応転化率に近づけることにより、菌体触媒を効率的に使用することができる。
本発明のアミド化合物の製造方法において、得られたアミド化合物の回収および精製は、例えば、濃縮操作(例:蒸発濃縮)、活性炭処理、イオン交換処理、ろ過処理、晶析操作により行うことができる。
以上のようにして、反応原料であるニトリル化合物に対応するアミド化合物、例えば(メタ)アクリロニトリルであれば(メタ)アクリルアミドを得ることができる。
〔アミド化合物の製造装置〕
本発明のアミド化合物の製造装置は、ニトリルヒドラターゼを含有する微生物菌体および/またはその菌体処理物を用いてアミド化合物を製造する反応槽と、反応槽における反応熱の除熱量を算出するための温度制御装置を備える。
反応槽および温度制御装置の構成についは、上述したとおりである。
以下、本発明のアミド化合物の製造装置の具体例を、図面を参照して説明する。
図1の製造装置は、撹拌機2を備える反応槽1と、反応槽1にはジャケット式熱交換器3を備える。反応槽にはニトリル化合物供給管6、原料水供給管7および菌体供給管8を備える。
図2の製造装置は、撹拌機2を備える反応槽1と、反応槽1には外部循環ライン9を備える。外部循環ライン上には循環ポンプ10と熱交換器3を備える。反応槽にはニトリル化合物供給管6、原料水供給管7および菌体供給管8を備える。
以下、実施例および比較例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら
実施例に限定されない。
[実施例1]
〔ニトリルヒドラターゼを含有する微生物菌体の調製〕
特開2001−340091号公報の実施例1に記載の方法に従いNo.3クローン菌体を取得し、同じく、同実施例1の方法で培養してニトロリルヒドラターゼを含有する湿菌体を得た。
〔アクリルアミドの製造〕
最終製品として、水溶液中のアクリルアミド濃度が50重量%の製品を得るため、以下の条件で反応を行った。
菌体貯槽として攪拌機を備えた容積0.1mのSUS製ジャケット冷却器付攪拌槽、第1反応器として攪拌機を備えた容積1mのSUS製ジャケット冷却器付槽型反応器、第2反応器として容積0.5mのSUS製二重管型反応器を準備した。第1反応器には、予め400kgの水を仕込んだ。
上記培養方法で得られた湿菌体を菌体貯槽中で純水に懸濁した。菌体貯槽のジャケットには5℃の冷却水を流通した。第1反応器内を撹拌しながら、この懸濁液を11.0kg/hの速度で連続的に供給した。また、アクリロニトリルは32.0kg/hの速度で、純水は37.0kg/hの速度で連続的に供給した。反応中の反応液の温度は20℃となるように、第1反応器のジャケット及び第2反応器の二重管に5℃の冷却水を流通して温度制御を行った。さらに反応pHが7.5〜8.5となるように、0.1M−NaOH水溶液を供給した。反応中の反応液の液面は槽底面から1mの高さとなるように、反応液を第1反応器から80.0kg/hの速度で連続的に抜き出し、第2反応器に連続的に供給して、第2反応器内でさらに反応を進行させた。
反応を開始してから24時間後に、第1反応器のジャケットに流通している冷却水の温度ならびに流量を測定し、第1反応器における反応熱の除熱量を以下の方法により算出した。
第1反応器ジャケット入口温度は5.0℃であり、出口温度は10.0℃であった。このときの冷却水の流量は1980kg/hであった。ジャケットに流通する冷却水の出口温度と入り口温度の温度差5.0℃に冷却水の流量1980kg/hおよび冷却水の比熱1kcal/kg/℃を乗じて得られる9900kcal/hが除熱量と算出された。
第1反応器へのアクリロニトリルの供給量から第1反応器における理論反応熱を以下の方法により算出した。アクリロニトリルの供給量32.0kg/hであり、アクリロニトリルの分子量53.06より、第1反応器へ供給されたアクリロニトリルの物質量は603.09mol/hである。また、アクリロニトリルの水和反応における反応熱は17kcal/molであり、第1反応器での理論反応熱量は物質量に反応熱を乗じ、10252.5kcal/hである。
上記でそれぞれ得られた除熱量を理論反応熱量で除ずることにより、第1反応器での反応転化率が算出でき、反応転化率は96.5%であった。
反応を開始してから24時間後にHPLC条件にて分析を行ったところ、第1反応器出口でのアクリルアミドへの転化率が96.6%、かつ第2反応器出口でのアクリロニトリル濃度が検出限界以下(10重量ppm以下)となった。
上記より、第1反応器での除熱量による反応転化率の監視が可能であることが判った。第1反応器での反応転化率が十分高く、第2反応器でアクリロニトリルの反応が完結し、製品へのアクリロニトリル混入の可能性が無いことより、第1反応器へのアクリロニトリルの供給速度は変化させずに、触媒懸濁液の供給を11.0kg/hの速度から9.0kg/hへ、純水の供給を37.0kg/hの速度から39.0kg/hへそれぞれ変更した。触媒供給速度を変更してから8時間後に、第1反応器のジャケットに流通している冷却水の温度ならびに流量を測定した。
第1反応器ジャケット入口温度は5.0℃であり、出口温度は10.0℃であった。このときの冷却水の流量は1940kg/hであった。上記と同様の方法により9700kcal/hが除熱量と算出された。上記でそれぞれ得られた除熱量を理論反応熱量で除ずることにより、第1反応器での反応転化率が算出でき、反応転化率は94.6%であった。
HPLC条件にて分析を行ったところ、第1反応器出口でのアクリルアミドへの転化率が94.7%、かつ第2反応器出口でのアクリロニトリル濃度が検出限界以下(10重量ppm以下)となった。
上記より、第1反応器での反応転化率が十分高く、第2反応器でアクリロニトリルの反応が完結し、製品へのアクリロニトリル混入の可能性が無いことより、第1反応器へのアクリロニトリルの供給速度は変化させずに、触媒懸濁液の供給を9.0kg/hの速度から7.0kg/hへ、純水の供給を39.0kg/hの速度から41.0kg/hへそれぞれ変更した。触媒供給速度を変更してから8時間後に、第1反応器のジャケットに流通している冷却水の温度ならびに流量を測定した。
第1反応器ジャケット入口温度は5.0℃であり、出口温度は10.0℃であった。このときの冷却水の流量は1800kg/hであった。上記と同様の方法により9000kcal/hが除熱量と算出された。上記でそれぞれ得られた除熱量を理論反応熱量で除ずることにより、第1反応器での反応転化率が算出でき、反応転化率は87.8%であった。
HPLC条件にて分析を行ったところ、第1反応器出口でのアクリルアミドへの転化率が87.9%、かつ第2反応器出口でのアクリロニトリル濃度が11重量ppmであった。
上記より、第1反応器での反応転化率が下がり、第2反応器でアクリロニトリルの反応が完結しなくなったことが判った。製品へのアクリロニトリル混入が発生するため、第1反応器へのアクリロニトリルと純水の供給速度変化させずに、触媒懸濁液の供給を7.0kg/hの速度から8.0kg/hへ、純水の供給を41.0kg/hの速度から40.0kg/hへそれぞれ変更した。触媒供給速度を変更してから8時間後に、第1反応器のジャケットに流通している冷却水の温度ならびに流量を測定した。
第1反応器ジャケット入口温度は5.0℃であり、出口温度は10.0℃であった。このときの冷却水の流量は1850kg/hであった。上記と同様の方法により9250kcal/hが除熱量と算出された。上記でそれぞれ得られた除熱量を理論反応熱量で除ずることにより、第1反応器での反応転化率が算出でき、反応転化率は90.2%であった。
HPLC条件にて分析を行ったところ、第1反応器出口でのアクリルアミドへの転化率が90.3%、かつ第2反応器出口でのアクリロニトリル濃度が検出限界以下(10重量ppm以下)となった。
以降、8時間毎に第1反応器における除熱量を算出し、除熱量から算出した反応転化率が90%前後になるように触媒懸濁液の供給速度を調節しつつ160時間反応を継続した。
160時間反応を継続することにより反応液を12800kg得た。得られた反応液をHPLC条件にて分析を行ったところ、アクリロニトリル濃度が検出限界以下(10重量ppm以下)となった。160時間の反応において使用した触媒懸濁液の量は1285kgであった。
ここで分析条件は以下のとおりであった。
・アクリルアミド分析条件:
高速液体クロマトグラフ装置:LC−10Aシステム(株式会社島津製作所製)
(UV検出器波長250nm、カラム温度40℃)
分離カラム :SCR-101H (株式会社島津製作所製)
溶離液 :0.05%(容積基準)−リン酸水溶液
・アクリロニトリル分析条件:
高速液体クロマトグラフ装置:LC−10Aシステム(株式会社島津製作所製)
(UV検出器波長200nm、カラム温度40℃)
分離カラム :Wakosil-II 5C18HG (和光純薬製)
溶離液 :7%(容積基準)−アセトニトリル、0.1mM−酢酸、
0.2mM−酢酸ナトリウムを各濃度で含有する水溶液
[実施例2]
実施例1のアクリルアミドの製造において、第1反応器として攪拌機を備えた容積1mのSUS製ジャケット冷却器付槽型反応器を用いる代わりに、ジャケット冷却器を備えていない容積1mのSUS製付槽型反応器を用い、第1反応器にはポンプを備えた外部循環ラインを設置し、該外部循環ライン上に多管円筒式熱交換器を設置した以外は実施例1と同様にして反応を行った。
実施例1と同様に、第1反応器における除熱量を算出し、除熱量から算出した反応転化率が90%前後になるように触媒懸濁液の供給速度を調節しつつ160時間反応を継続した。
160時間反応を継続することにより反応液を12800kg得た。得られた反応液をHPLC条件にて分析を行ったところ、アクリロニトリル濃度が検出限界以下(10重量ppm以下)となった。160時間の反応において使用した触媒懸濁液の量は1278kgであった。
[実施例3]
実施例1のアクリルアミドの製造において、第1反応器として攪拌機を備えた容積1mのSUS製ジャケット冷却器付槽型反応器を用いる代わりに、ジャケット冷却器を備えていない容積1mのSUS製付槽型反応器を用い、第1反応器にはポンプを備えた外部循環ラインを設置し・BR>A該外部循環ライン上に渦巻板式熱交換器を設置した以外は実施例1と同様にして反応を行った。
実施例1と同様に、第1反応器における除熱量を算出し、除熱量から算出した反応転化率が90%前後になるように触媒懸濁液の供給速度を調節しつつ160時間反応を継続した。
160時間反応を継続することにより反応液を12800kg得た。得られた反応液をHPLC条件にて分析を行ったところ、アクリロニトリル濃度が検出限界以下(10重量ppm以下)となった。160時間の反応において使用した触媒懸濁液の量は1283kgであった。
1:反応槽
2:攪拌機
3:ジャケット式熱交換器
3’:熱交換器
4:冷却水入口
5:冷却水出口
6:ニトリル化合物供給管
7:原料水の供給管
8:菌体触媒供給管
9:外部循環ライン
10:循環ポンプ

Claims (6)

  1. ニトリルヒドラターゼを含有する微生物菌体および/またはその菌体処理物を用いてアミド化合物を製造する方法において、反応槽における反応熱の除熱量により反応の経過を監視することを特徴とするアミド化合物の製造方法。
  2. 反応槽における反応熱の除熱量の算出を、反応槽に設置した温度制御装置によって行うことを特徴とする請求項1に記載のアミド化合物の製造方法。
  3. 反応槽に設置した温度制御装置が反応槽に設置したジャケット式熱交換器および/またはコイル式熱交換器である請求項2に記載のアミド化合物の製造方法。
  4. 反応槽に設置した温度制御装置が反応槽に設置した外部循環ライン上に設けられた熱交換器である請求項2に記載のアミド化合物の製造方法。
  5. アミド化合物がアクリルアミドまたはメタクリルアミドである請求項1に記載のアミド化合物の製造方法。
  6. ニトリルヒドラターゼを含有する微生物菌体および/またはその菌体処理物を用いてアミド化合物を製造する反応槽と、反応槽おける反応熱の除熱量を算出するための温度制御装置を備えるアミド化合物の製造装置。
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