JPH07118216A - メタクリルアミドの製造方法 - Google Patents
メタクリルアミドの製造方法Info
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Abstract
アミドの第1の合成工程(A)、メタクリルアミド水溶
液からメタクリロニトリルを分離する第2の工程
(B)、メタクリルアミド水溶液を活性炭、陽イオン交
換樹脂及び陰イオン交換樹脂で精製する第3の工程
(C)からなるメタクリルアミドの製造方法。 【効果】 本発明の方法により、メタクリロニトリルを
原料として簡易なプロセスで高品質のメタクリルアミド
を製造することができる。
Description
原料としてメタクリルアミドを製造する方法の改良に関
する。
質剤、塗料用添加剤、紙用ラテックス等の分野において
広く使用されており、その中でも、感光性樹脂、防風ガ
ラス、写真フィルム、凝集剤等の分野では高品質のメタ
クリルアミドが望まれている。このメタクリルアミドを
製造する方法として工業的に行われているのは、アセト
ンシアンヒドリンと硫酸から得られるメタクリルアミド
硫酸塩をアンモニアで中和した後に、複数の晶析操作に
よって硫酸アンモニウム水溶液からメタクリルアミドを
分離する方法であり、これに関して特公昭44−260
94号公報、特公昭45−2566号公報、特公昭47
−35885号公報等が開示されている。
メタクリルアミドを製造するのが困難であるため、高品
質のメタクリルアミドを得る方法として、メタクリルア
ミド水溶液から再結晶して精製するに当たり、メタクリ
ルアミド水溶液の水素イオン濃度をpH8以上の範囲に
調整した後に晶析操作を行う方法が特公昭59−506
66号公報に、メタクリルアミド水溶液を陰イオン交換
樹脂処理した後に晶析操作を行う方法が特公昭62−5
3508号公報に開示されている。
セトンシアンヒドリンと硫酸からメタクリルアミドを得
る方法は、必然的に副成してくる硫酸アンモニウムと目
的物であるメタクリルアミドを分離するために繁雑な晶
析操作を複数回実施しなければならない。更に、高品位
のメタクリルアミドを得るためには、前記の操作に加え
てpHの調整や陰イオン交換樹脂処理等の操作を行わな
ければならない。
からメタクリルアミドを得る方法には操作が繁雑である
という問題点がある。また、このためにプロセスが複雑
になってしまうという欠点もある。従って、簡易なプロ
セスで操作が容易であり、且つ、高品質のメタクリルア
ミドを製造する方法が望まれている。即ち、本発明の目
的は、簡易なプロセスで操作が容易であり、且つ、高品
質のメタクリルアミドを製造する方法を提供することで
ある。
めに鋭意検討した結果、メタクリロニトリルを原料とし
てメタクリルアミドを製造するに際し、(A)銅系触媒
の存在下、メタクリロニトリルを水和させてメタクリル
アミドを合成する第1の工程、(B)第1の工程で得ら
れたメタクリロニトリルを含むメタクリルアミド水溶液
からメタクリロニトリルを蒸留分離する第2の工程、
(C)第2の工程で得られたメタクリルアミド水溶液を
活性炭、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂に通液
して精製する第3の工程からなるメタクリルアミドの製
造方法は、簡易なプロセスで操作が容易であり、且つ、
高品質のメタクリルアミドを製造できることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
原料としてメタクリルアミドを製造するに際し、簡易な
プロセスで操作が容易であり、且つ、高品質のメタクリ
ルアミドを製造する方法である。更に、下記の実施の態
様をも包含するものである。
クリルアミドを合成するに際し、第1の工程(A)が撹
拌機付槽型反応器中で銅系触媒としてラネ−銅を用い、
反応温度50〜150℃の範囲で行われる点にも特徴を
有する。 メタクリロニトリルを含むメタクリルアミド水溶液
からメタクリロニトリルを分離するに際し、第2の工程
(B)が蒸留操作において蒸留塔塔底温度30〜110
℃の範囲でメタクリルアミド水溶液からメタクリロニト
リルを分離する点にも特徴を有する。 メタクリルアミド水溶液を精製する第3の工程
(C)において、該メタクリルアミド水溶液を酸素含有
ガスと接触させた後に、温度が0〜50℃の範囲で活性
炭、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂の順に接触さ
せる点にも特徴を有する。
言う高品質のメタクリルアミドとは、メタクリル酸等の
有機物や銅、鉄、硫酸等の無機物の不純物の含有量が小
さく、従って高い純度を有すること、着色の指標となる
ハ−ゼン数(APHA)が小さいこと、ポリマ−等の不
溶物の指標となる濁度が小さく、且つ、透視度が高いこ
と、保管による径時変化が小さいこと等の特徴を有する
メタクリルアミドを指す。
存在下、メタクリロニトリルを水和させてメタクリルア
ミドを合成する工程である。本発明の出発原料としての
メタクリロニトリルとしては、イソブテン又は3級ブタ
ノ−ルをモリブデン、ビスマス、鉄を主成分とする触媒
を用いたアンモ酸化反応により製造されたものを用いる
ことができる。
用いることができるが、このメタクリロニトリル中には
微量の不純物としてメタクリル酸、酢酸及び青酸等の酸
性物質が含まれており、これらの物質はメタクリロニト
リルの水和反応の触媒である銅系触媒の劣化の原因とな
るため、該メタクリロニトリルを陰イオン交換樹脂、ア
ルカリ金属酸化物又は水酸化物またはその水溶液、アル
カリ土類金属酸化物又は水酸化物またはその水溶液等の
塩基性物質と接触させて該酸性物質を除去した後に反応
に使用することが好ましい。
と水の中には酸素が溶存しており、この酸素は銅系触媒
の劣化の原因となる。そのため、窒素等の不活性ガスを
吹き込む等の操作によりメタクリロニトリルと水の中の
溶存酸素を実質的にゼロにした後に反応器に供給するこ
とが好ましい。反応器に供給するメタクリロニトリルの
濃度は特に制限はないが、生産性や効率の観点から5〜
80%、好ましくは10〜50%、より好ましくは15
〜40%の範囲である。
タクリルアミドに変換するための水和触媒としては銅系
触媒が用いられる。銅系触媒として具体的には、銅線や
銅粉等の金属銅、酸化銅や水酸化銅や銅塩等の銅化合物
を水素や一酸化炭素等で100〜400℃で還元して得
られる還元銅;酸化銅や水酸化銅や銅塩等の銅化合物を
液相でヒドラジン、アルカリ金属やアルカリ土類金属硼
水素化合物、ホルマリン、アセトアルデヒド等の還元剤
を用いて還元して得られる還元銅;酸化銅や水酸化銅や
銅塩等の銅化合物を液相で亜鉛、アルミニウム、鉄、錫
等の銅よりイオン化傾向の大きい金属で処理して得られ
る還元銅;アルミニウムや亜鉛やマグネシウム等と銅と
からなるラネ−合金をアルカリ水溶液で展開してなるラ
ネ−銅、蟻酸銅やシュウ酸銅等の有機化合物を100〜
400℃で熱分解して得られる金属銅等が挙げられる。
ル、コバルト、クロム等の金属を含有していても良く、
また、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、活性炭等の
担体に担持して用いることも出きる。これらの銅系触媒
の中で、好ましく用いられるのはラネ−銅である。メタ
クリロニトニルの水和反応は懸濁床または固定床により
連続または回分方式で行うことができる。好ましくは、
撹拌機付槽型反応器においてラネ−銅を懸濁させて反応
させることが良い。
〜2kg/L、好ましくは0.1〜1kg/L、より好
ましくは0.2〜0.7kg/Lである。触媒と原料で
あるメタクリロニトリルと水との接触時間または滞留時
間は0.1〜10Hr、好ましくは0.3〜5Hr、よ
り好ましくは0.5〜3Hrの範囲である。
小さいと反応の転化率が十分でなく、また、接触時間ま
たは滞留時間が10Hrより大きいと副生成物が多くな
り、また、経済的効率からも好ましくない。
0〜140℃、より好ましくは90〜130℃の範囲で
ある。反応温度が50℃より低いと反応速度が低下して
実用的でなく、また、反応温度が150℃より高いと触
媒の劣化が大きくなり、副生成物も増加するために好ま
しくない。触媒と反応液の分離は、金網、ナイロン網、
燒結金属等を用いた濾過、沈降分離、遠心分離等の分離
方法、またはこれらの方法の組み合わせにより行うこと
が出きる。
ロニトリルを含むメタクリルアミド水溶液は次の第2の
工程(B)へ送られる。本発明の第2の工程(B)は、
メタクリロニトリルを含むメタクリルアミド水溶液から
メタクリロニトリルを分離する工程である。メタクリロ
ニトリルを含むメタクリルアミド水溶液からメタクリロ
ニトリルを分離する方法としては、蒸留による分離、窒
素や二酸化炭素等の不活性ガスまたは空気等を用いたス
トリッピングによる分離等が挙げられるが、蒸留による
分離が好ましい。
塔の塔底温度を30〜110℃、好ましくは40〜90
℃、より好ましくは50〜80℃の範囲で行う。蒸留塔
の塔底温度が30℃より低い場合は、操作圧力が必要以
上に低くなるために装置が大型化する等の問題点があ
る。また、蒸留塔の塔底温度が110℃より高い場合は
メタクリロニトリル又はメタククリルアミドが重合して
ポリマ−が生成し、品質上の問題となる。
イ、バルブトレイ等のトレイを有する塔や、ラシヒリン
グ、レッシングリング、ベルルサドル、インタ−ロック
サドル、テラレットパッキング、ポ−ルリング、マクマ
ホンパッキング、ディクソンリング等の充填物を充填し
た塔を用いることができる。メタクリロニトリルを含む
メタクリルアミド水溶液からメタクリロニトリルを分離
するに当たっては、分離後のメタクリルアミド水溶液中
のメタクリロニトリルの濃度は1,000ppm以下、
好ましくは500ppm以下、より好ましくは100p
pm以下である。分離後のメタクリルアミド水溶液中の
メタクリロニトリルの濃度が1,000ppmより大き
い場合には、次の第3の工程におけるポリマ−発生やメ
タクリルアミドの品質低下の原因となる。
水溶液のメタクリルアミド濃度を高めるためのいわゆる
濃縮塔は必ずしも必要ではない。何故ならば、メタクリ
ロニトリルの水和反応で生成するメタクリルアミドは、
メタクリロニトリルの水和反応をほとんど阻害しないの
で、反応条件として供給するメタクリロニトリル濃度と
メタクリロニトリルの転化率を調整し、メタクリロニト
リルを反応液から分離することで反応液中のメタクリル
アミド濃度を所望する濃度にすることができるからであ
る。
アクリロニトリルの水和反応で生成するアクリルアミド
がアクリロニトリルの水和反応を阻害するため、反応液
中のアクリルアミド濃度を高めることは反応の接触時間
の増加、副生成物の増加、触媒の劣化などにより生産性
を低める結果となる。このため、アクリルアミドの製造
においては高濃度のアクリルアミドを得るために、低ア
クリルアミド濃度の反応液をアクリロニトリルの分離塔
のほかにアクリルアミドの濃縮塔を用いてアクリルアミ
ドの濃縮を行って所望の濃度にするという方法を経なけ
ればならなかった。
ではメタクリルアミドの濃縮塔は必ずしも必要ではな
く、類似するアクリルアミドの製造方法に対しても簡易
なプロセスとすることができる。この第2の工程(B)
で得られたメタクリルアミド水溶液は次の第3の工程
(C)へ送られる。
(B)で得られたメタクリルアミド水溶液を活性炭、陽
イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂に接触させて精製
する工程である。本発明における活性炭、陽イオン交換
樹脂及び陰イオン交換樹脂のそれぞれの機能は次のよう
に考えられる。活性炭は主として着色の原因となる物
質、例えばハイドロキノン、メトキノン等の芳香環を有
する化合物やポリマ−等の不純物の除去を、陽イオン交
換樹脂は主として銅イオン、鉄イオン、アンモニウムイ
オン等のカチオンの除去を、陰イオン交換樹脂は主とし
てメタクリル酸、硫酸等のアニオンの除去をその機能の
目的としているが、実際には、品質に影響する極微量の
特定できない不純物も除去していると考えられる。
イオン交換樹脂との接触により、晶析操作によらずに、
接触という簡易な操作で高品質のメタクリルアミドを得
ることができることは今まで知られていなかった。ま
た、本発明の第3の工程(C)において、活性炭、陽イ
オン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂との接触が一つでも
実施されないと、高品質のメタクリルアミドは得ること
ができることも分かった。
て植物、石炭、石油等から製造され、一般に市販されて
いる活性炭を用いることができるが、不純物の混入防止
の観点から植物を原料とした活性炭を用いることが好ま
しく、なかでも椰子殻を原料とした活性炭が良い。
用することができるが、分離の容易さや低い差圧の観点
から粒状の活性炭を用いるのが好ましく、粒径としては
1〜500メッシュ、好ましくは5〜100メッシュ、
より好ましくは10〜60メッシュの範囲の活性炭を用
いることが良い。また、活性炭は煮沸、スチ−ム吹き込
み、熱水との接触等の処理によって吸着物を除去してか
ら用いることが好ましく、使用後の再生処理についても
同様に実施することができる。
は、一般に市販されているポ−ラス型又はゲル型で強酸
性又は弱酸性の陽イオン交換樹脂を用いることができる
が、好ましくはポ−ラス型で強酸性又は弱酸性の陽イオ
ン交換樹脂が良い。例えば、ダイヤイオンPK−208
やダイヤイオンWK−10(三菱化成社製)、レバチッ
トSP−112やレバチットCNP−80(バイエル社
製)、アンバ−ライトIR−120Bやアンバ−ライト
IRC−50(ロ−ムアンドハ−ス社製)等が挙げられ
る。これらの陽イオン交換樹脂は交換基をH型にしてか
ら用いることが良い。
は、一般に市販されているポ−ラス型又はゲル型で強塩
基性又は弱塩基性の陰イオン交換樹脂を用いることがで
きるが、好ましくはポ−ラス型で強塩基性又は弱塩基性
の陰イオン交換樹脂が良い。例えば、ダイヤイオンPA
−306やダイヤイオンWA−30(三菱化成社製)、
レバチットMP−500やレバチットMP−62(バイ
エル社製)、アンバ−ライトIRA−400やアンバ−
ライトIRA−958(ロ−ムアンドハ−ス社製)等が
挙げられる。これらの陰イオン交換樹脂は交換基または
遊離基をOH型にしてから用いることが良い。
ド水溶液と活性炭、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換
樹脂との接触はこれらをどのような順で接触させても良
いが、好ましくは活性炭→陽イオン交換樹脂→陰イオン
交換樹脂、または、陽イオン交換樹脂→陰イオン交換樹
脂→活性炭の順が、より好ましくは活性炭→陽イオン交
換樹脂→陰イオン交換樹脂の順である。
法または回分法等で行うことができるが、好ましくは連
続法である。連続法においては、空間速度(SV)は1
〜60Hr-1、好ましくは3〜20Hr-1の範囲が良
く、線速度(LV)は0.1〜20m/Hr、好ましく
は0.5〜10m/Hrの範囲が良い。メタクリルアミ
ド水溶液と活性炭、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換
樹脂との接触は、温度が0〜50℃で、好ましくは5〜
45℃、より好ましくは10〜40℃の範囲で行うのが
良い。
溶解度が小さいために生産性が低くなり、また、結晶の
析出による装置の閉塞等の問題点がある。また、温度が
50℃より高いとメタクリルアミドの加水分解等の副反
応によりメタクリル酸等の不純物が増加し、メタクリル
アミドの品質低下の原因となる。また、メタクリルアミ
ド水溶液と活性炭、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換
樹脂との接触にさいしては、メタクリルアミドの重合防
止のために該メタクリルアミド水溶液を空気等の酸素を
含有するガスと接触させた後に活性炭、陽イオン交換樹
脂及び陰イオン交換樹脂と接触させることが好ましい。
メタクリルアミド水溶液中の酸素濃度は2ppm以上、
好ましくは4ppm以上である。
は、要約すると、図1に示すように(A) メタクリロ
ニトリルの水和工程、(B) メタクリルアミド水溶液
からのメタクリロニトリルの分離工程、(C) メタク
リルアミド水溶液の精製工程、の3つの工程からなり、
製品としてメタクリルアミド水溶液を得ることができる
簡易で、且つ、操作の容易なプロセスである。また、場
合によっては(D) 晶析工程を追加してメタクリルア
ミド結晶粒体を製品として得ることもできる。
酸から製造する従来の方法(図2参照)では、特公昭6
2−53508号公報等に開示されているように、要約
すると、(a) アセトンシアンヒドリンと硫酸からメ
タクリルアミド硫酸塩の合成工程、(b) アンモニア
によるメタクリルアミド硫酸塩の中和工程、(c)メタ
クリルアミドの晶析工程、(d) メタクリルアミド溶
解工程、(e) メタクリルアミド水溶液の精製工程、
(f) 晶析の6つの工程からなり、晶析、溶解等の操
作を複数回行わなければならず、複雑で、且つ、操作が
繁雑なプロセスである。
は従来の方法に比べて簡易なプロセスであり、晶析、溶
解等の粉体の取り扱いがないので操作が容易である。ま
た、本発明の方法により製造したメタクリルアミドは、
特公昭62−53508号公報で開示されている高品質
で透明性の高いメタクリルアミドと同等以上の物性を有
していることが確認された。
以下の方法による。 純度は、臭素価滴定法で二重結合値を求め、ガスク
ロマトグラフィ−でメタクリルアミド、メタクリル酸を
分析し、これらの値を二重結合値から差し引くことで算
出した。 ハ−ゼン数(APHA)は、ASTM D−120
9−88に記載されている方法によって10wt%メタ
クリルアミド水溶液をヘキサクロロ白金酸カリウム(K
2 PtCl6 )−塩化コバルト(CoCl2 ・ 6H
2 O)の水溶液の色を標準色度として比色法により求め
た値である。
工業用水試験方法の14頁9.2透過光濁度の項に従
い、10wt%メタクリルアミド水溶液について測定
し、濁度として表示した。 透視度はJIS K0101−1979工業用水試
験方法の17頁〔参考〕透視度の項に従い、10gのメ
タクリルアミドに対して40mlのメタノ−ルの比率で
溶解した溶液について測定し、透視度として表示した。
で、透視度計の上部から透視し、底部に置いた標識板の
幅0.5mmの黒線の二重文字が初めて明らかに識別で
きるときの水層の高さをはかり、10mmを1度として
表示したものである。なお、透視度計の表示が50cm
までしかないために50度以上の測定は不可能である
が、溶液の吸光値を光電光度計を用いて測定し、吸光値
(−logT)と透視度の相関から外挿法でその値を求
めた。
(C)から得られたメタクリルアミド水溶液の晶析操作
(D)を行い、得られたメタクリルアミド結晶を用い
た。 無機塩についてはイオンクロマトグラフィ−で硫酸
根について分析した。
るが、これらは本発明の範囲を制限するものでない。 (実施例1)メタクリロニトリルを水和させてメタクリ
ルアミドを合成する第1の工程として、SUS304製
の300mlオ−トクレ−ブに日興リカ社製ラネ−銅1
00gを仕込み、予め窒素を吹き込んで溶存する酸素を
除去したメタクリロニトリルと水をそれぞれ84g/H
r、198g/Hrで供給し、回転数350rpm、温
度110℃で反応させた。メタクリロニトリルのメタク
リルアミドへの転化率は約50%で、メタクリルアミド
への選択率はほぼ100%であった。反応液は2μの燒
結金属フィルタ−を通してオ−トクレ−ブから抜き出
た。
リルを含むメタクリルアミド水溶液からメタクリロニト
リルを分離する第2の工程として、内径30mm、長さ
400mmのガラス製二重管にSUS316製で3mm
φのディクソンパッキンを充填した充填塔の塔底に30
0mlの丸底フラスコを取り付けた装置を用い、第1の
工程で得られた反応液を塔頂から供給した。充填塔の圧
力を130〜140mmHgとし、塔底の丸底フラスコ
を約115℃のオイルバスに浸漬して加熱したところ、
塔底の液温度は58〜61℃、塔頂の気相温度は42〜
52℃であった。
抜き出し、コンデンサ−で凝縮させた。この凝縮させた
液は第1の工程に戻して使用することができる。また、
塔底から塔底の液面が一定になるようにポンプでメタク
リルアミド水溶液を抜き出したが、このメタクリルアミ
ド水溶液のメタクリロニトリルは10ppmであった。
このメタクリルアミド水溶液をタンクに入れ、空気を吹
き込んで酸素を溶存させた。
ド水溶液を精製する第3の工程として、内径15mm、
長さ550mmのガラス製二重管を3本用意し、活性炭
としてクラレケミカル社製クラレコ−ルGL(10〜3
2メッシュ)70ml、陽イオン交換樹脂として三菱化
成社製ダイヤイオンPK208を70ml、陰イオン交
換樹脂として三菱化成社製ダイヤイオンWA30を70
ml充填した。
生操作を、陽イオン交換樹脂は交換基をH型に、陰イオ
ン交換樹脂は交換基をOH型にしてから精製に用いた。
メタクリルアミド水溶液は温度30℃、530ml/H
rで供給し、活性炭、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換
樹脂の順で通液した。空間速度(SV)は7.6H
r-1、線速度(LV)は3.0m/Hrである。最終的
に約22wt%のメタクリルアミド水溶液が得られ、分
析した結果を下記表1に示す。
褐色ビンに入れて暗所に保管しておいたが、30日後に
おいてもハ−ゼン数は5以下であった。また、同じ液を
褐色ビンに入れて60℃で300Hrの加温テストを行
ったが、濁度は0.2で初期値と同じであった。
タクリロニトリルと水をそれぞれ42g/Hr、94g
/Hrに変えて反応させた。メタクリロニトリルのメタ
クリルアミドへの転化率は約75%で、メタクリルアミ
ドへの選択率は99.5%で、メタクリル酸の選択率は
0.5%であった。得られた反応液を実施例1の第2の
工程に供給して未反応のメタクリロニトリルを塔頂から
抜き出した。塔底からメタクリルアミド水溶液を抜き出
したが、この中のメタクリロニトリルは3ppmであっ
た。
して、実施例1の陽イオン交換樹脂をバイエル社製レバ
チットSP112に、陰イオン交換樹脂をロ−ム・アン
ド・ハ−ス社製IRA900に、温度を40℃に変えた
以外は同様の操作を行った。最終的に約32wt%のメ
タクリルアミド水溶液が得られ、分析した結果を下記表
1に示す。
褐色ビンに入れて暗所に保管しておいたが、30日後に
おいてもハ−ゼン数は5以下であった。また、同じ液を
褐色ビンに入れて60℃で300Hrの加温テストを行
ったが、濁度は0.4で初期値とほぼ同じであった。
タクリロニトリルと水をそれぞれ60g/Hr、90g
/Hrに、反応温度を120℃に変えて反応させた。メ
タクリロニトリルのメタクリルアミドへの転化率は約7
5%で、メタクリルアミドへの選択率は99.0%で、
メタクリル酸の選択率は1.0%であった。得られた反
応液を実施例1の第2の工程に供給し、塔底の液温度を
45〜50℃になるようにして未反応のメタクリロニト
リルを塔頂から抜き出した。塔頂の気相温度は32〜4
0℃であった。塔底からメタクリルアミド水溶液を抜き
出したが、この中のメタクリロニトリルは2ppmであ
った。
して、実施例1において陽イオン交換樹脂、陰イオン交
換樹脂、活性炭の順の通液にし、温度を47℃に変えた
以外は同様の操作を行った。最終的に約40wt%のメ
タクリルアミド水溶液が得られ、分析した結果を下記表
1に示す。また、得られたメタクリルアミド水溶液を褐
色ビンに入れて暗所に保管しておいたが、30日後にお
いてもハ−ゼン数は5以下であった。また、同じ液を褐
色ビンに入れて60℃で300Hrの加温テストを行っ
たが、濁度は0.6で初期値とほぼ同じであった。
程の充填塔をSUS304製とし、塔底温度を120℃
にして操作したところ、塔底抜き出し液の濁度が経時的
に上昇して20度になったので操作を中止した。
程の温度を60℃にして操作したところ、活性炭及び陽
イオン交換樹脂においてメタクリルアミドの加水分解に
よるメタクリル酸の生成が増加し、且つ、陰イオン交換
樹脂の劣化がみられたため操作を中止した。
ルアミド水溶液を活性炭に通液しなかった以外は同じ操
作を行った。得られたメタクリルアミド水溶液を褐色ビ
ンに入れて暗所に保管しておいたところ、30日後にハ
−ゼン数は20に増加し、また、60℃で300Hrの
加温テストではハ−ゼン数は30に増加し、メタクリル
アミドの品質が低下することが判った。
ルアミド水溶液を陽イオン交換樹脂に通液しなかった以
外は同じ操作を行った。得られたメタクリルアミド水溶
液中には銅が20ppm含まれており、得られたメタク
リルアミド水溶液を褐色ビンに入れ、60℃で300H
rの加温テストを行ったところ、濁度が初期値の0.2
に対して1.8に増加し、メタクリルアミドの品質が低
下することが判った。
ルアミド水溶液を陰イオン交換樹脂に通液しなかった以
外は同じ操作を行った。得られたメタクリルアミド水溶
液中にはメタクリル酸が200ppm含まれており、得
られたメタクリルアミド水溶液を褐色ビンに入れ、60
℃で300Hrの加温テストを行ったところ、ポリマ−
の発生が見られ、メタクリルアミドの品質が低下するこ
とが判った。
ドの分析値として、特公昭62−53508号公報の実
施例1及び実施例6の値をそれぞれ参考例1及び2とし
て下記表1に示す。
るメタクリルアミドの第1の合成工程(A)、メタクリ
ルアミド水溶液からメタクリロニトリルを分離する第2
の工程(B)、メタクリルアミド水溶液を活性炭、陽イ
オン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂で精製する第3の工
程(C)からなる簡易なプロセスであり、且つ、高品質
のメタクリルアミドが製造できる。
−シ−トを示す。
ックフロ−シ−トを示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 メタクリロニトリルを原料としてメタク
リルアミドを製造するに際し、(A)銅系触媒の存在
下、メタクリロニトリルを水和させてメタクリルアミド
を合成する第1の工程、(B)第1の工程で得られたメ
タクリロニトリルを含むメタクリルアミド水溶液からメ
タクリロニトリルを分離する第2の工程、(C)第2の
工程で得られたメタクリルアミド水溶液を活性炭、陽イ
オン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂に接触させて精製す
る第3の工程からなることを特徴とする、メタクリルア
ミドの製造方法。 - 【請求項2】 メタクリロニトリルを水和させてメタク
リルアミドを合成するに際し、第1の工程(A)が撹拌
機付槽型反応器中で銅系触媒としてラネ−銅を用い、反
応温度50〜150℃の範囲で行われることを特徴とす
る、請求項1記載のメタクリルアミドの製造方法。 - 【請求項3】 メタクリロニトリルを含むメタクリルア
ミド水溶液からメタクリロニトリルを分離するに際し、
第2の工程(B)が蒸留操作において蒸留塔塔底温度3
0〜110℃の範囲でメタクリルアミド水溶液からメタ
クリロニトリルを分離することを特徴とする、請求項1
記載のメタクリルアミドの製造方法。 - 【請求項4】 メタクリルアミド水溶液を精製する第3
の工程(C)において、該メタクリルアミド水溶液を酸
素含有ガスと接触させた後に、温度が0〜50℃の範囲
で活性炭、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂の順に
接触させることを特徴とする、請求項1記載のメタクリ
ルアミドの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28885693A JP3476227B2 (ja) | 1993-10-26 | 1993-10-26 | メタクリルアミドの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07118216A true JPH07118216A (ja) | 1995-05-09 |
JP3476227B2 JP3476227B2 (ja) | 2003-12-10 |
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JP28885693A Expired - Fee Related JP3476227B2 (ja) | 1993-10-26 | 1993-10-26 | メタクリルアミドの製造方法 |
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JP (1) | JP3476227B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011145687A1 (ja) * | 2010-05-21 | 2011-11-24 | 三井化学株式会社 | 不飽和結合を有するアミド化合物の安定化方法 |
-
1993
- 1993-10-26 JP JP28885693A patent/JP3476227B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2011145687A1 (ja) * | 2010-05-21 | 2011-11-24 | 三井化学株式会社 | 不飽和結合を有するアミド化合物の安定化方法 |
JPWO2011145687A1 (ja) * | 2010-05-21 | 2013-07-22 | 三井化学株式会社 | 不飽和結合を有するアミド化合物の安定化方法 |
JP2015164425A (ja) * | 2010-05-21 | 2015-09-17 | 三井化学株式会社 | 不飽和結合を有するアミド化合物の安定化方法 |
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