JP2015163867A - 照明評価方法、照明評価用プログラム、照明器具の製造方法、照明評価装置、および照明器具 - Google Patents

照明評価方法、照明評価用プログラム、照明器具の製造方法、照明評価装置、および照明器具 Download PDF

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Abstract

【課題】まぶしさを数値化することにより、まぶしさの程度を評価することができる照明評価方法等を提供する。
【解決手段】照明評価方法は、照明器具101が瞳孔Eに直接光L1を当てていない非照射状態から照明器具101が瞳孔Eに直接光L1を当てている照射状態へ、照明器具101が発する光の状態を切り替えるステップと、照明器具101が発する光の状態が非照射状態から照射状態へ変化する過程において、瞳孔Eを継続して撮像するステップと、撮像された瞳孔の画像データを用いて前述の変化する過程における瞳孔径の時間変化のデータを作成するステップと、作成された前記瞳孔径の時間変化のデータに基づいて直接光L1のまぶしさ評価値Rを算出するステップと、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、照明評価方法、照明評価用プログラム、照明器具の製造方法、照明評価装置、および照明器具に関する。
グレア(眩しさ)といった外部環境に応じた眼の変化を検出する技術としては、下記の特許文献1が知られている。
この特許文献1に記載された眼の状態検出装置は、被験者の顔画像データから眼の位置を検出した後、被験者の眼の瞼の開度を計測する。それにより、眼の状態検出装置は、眼の開度に基づき、被験者が感じるまぶしさを判定している。
特開2001−225666号公報
しかしながら、上述した眼の状態検出装置は、眼の瞼の開度から被験者がまぶしさを感じているか否かを判定しているのみである。したがって、上述した眼の状態検出装置では、照明器具から発せられる光のまぶしさを数値化することはなされていない。そのため、まぶしさの程度を評価することができない。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものである。本発明の目的は、まぶしさを数値化することにより、まぶしさの程度を評価することができる照明評価方法、照明評価用プログラム、及び、照明評価装置を提供することを目的とする。また、本発明は、数値化されているまぶしさを用いて照明光の状態を調整することができる照明器具の製造方法および照明器具を提供することを目的とする。
本発明の照明評価方法は、照明器具が瞳孔に直接光を当てていない非照射状態から前記照明器具が前記瞳孔に直接光を当てている照射状態へ、前記照明器具が発する光の状態を切り替えるステップと、前記照明器具が発する光の状態が前記非照射状態から前記照射状態へ変化する過程において、前記瞳孔を継続して撮像するステップと、撮像された前記瞳孔の画像データを用いて、前記変化する過程における瞳孔径の時間変化のデータを作成するステップと、作成された前記瞳孔径の時間変化のデータに基づいて前記直接光のまぶしさ評価値を算出するステップと、を備えている。
本発明の照明評価用プログラムは、コンピュータに、照明器具が瞳孔に直接光を当てていない非照射状態から前記照明器具が前記瞳孔に直接光を当てている照射状態へ、前記照明器具が発する光の状態を切り替えるように切替部を制御するステップ、前記照明器具が発する光の状態が前記非照射状態から前記照射状態へ変化する過程において、前記瞳孔を継続して撮像するように撮像部を制御するステップ、撮像された前記瞳孔の画像データを用いて、前記変化する過程における瞳孔径の時間変化のデータを作成するように瞳孔径算出部を制御するステップ、作成された前記瞳孔径の時間変化のデータに基づいて前記直接光のまぶしさ評価値を算出するようにまぶしさ評価部を制御するステップを実行させるためものである。
本発明の照明器具の製造方法は、照明器具が発せられる光を評価する評価工程と、前記照明器具が発する光の状態を調整する調整工程と、を備え、前記評価工程が、前記照明器具が瞳孔に直接光を当てていない非照射状態から前記照明器具から前記瞳孔に直接光を当てている照射状態へ、前記照明器具が発する光の状態を切り替えるステップと、 前記照明器具が前記非照射状態から前記照射状態へ変化する過程において、前記瞳孔を継続して撮像するステップと、撮像された前記瞳孔の画像データを用いて前記変化する過程における瞳孔径の時間変化のデータを作成するステップと、作成された前記瞳孔径の時間変化のデータに基づいて前記直接光のまぶしさ評価値を算出するステップと、を含み、前記調整工程は、算出された前記まぶしさ評価値に基づいて前記照明器具が発する光の状態を調整するステップを含む。
本発明の照明評価装置は、照明器具が瞳孔に直接光を当てていない非照射状態から前記照明器具が前記瞳孔に直接光を当てている照射状態へ、前記照明器具が発する光の状態を切り替える直接光切替部と、前記照明器具が発する光の状態が前記非照射状態から前記照射状態へ変化する過程において、前記瞳孔を継続して撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像された前記瞳孔の画像データを用いて瞳孔径の時間変化のデータを作成する瞳孔径算出部と、前記瞳孔径算出部により作成された前記瞳孔径の時間変化のデータに基づいて前記直接光のまぶしさ評価値を算出するまぶしさ評価部と、を備えている。
本発明の照明器具は、照明光を発する照明部と、前記照明光のまぶしさを評価する照明評価部と、を備えた照明器具であって、前記照明評価部は、前記照明部が瞳孔に直接光を当てていない非照射状態から前記照明部が前記瞳孔に直接光を当てている照射状態へ、前記照明部が発する光の状態を切り替える直接光切替部と、前記照明器具が発する光の状態が前記非照射状態から前記照射状態へ変化する過程において、前記瞳孔を継続して撮像する撮像部と、前記撮像部により撮影された前記瞳孔の画像データを用いて瞳孔径の時間変化のデータを作成する瞳孔径算出部と、前記瞳孔径算出部により作成された前記瞳孔径の時間変化のデータに基づいて前記直接光のまぶしさ評価値を算出するまぶしさ評価部と、を含み、前記照明器具は、前記照明評価部により算出されたまぶしさ評価値に基づいて、前記照明部が発する光の状態を調整する調整部をさらに備えている。
本発明によれば、まぶしさを数値化することにより、まぶしさの程度を評価することができる。
本発明の第1実施形態の照明評価システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態の照明評価システムを使用して実行される照明評価方法を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態の照明評価システムを使用して実行される照明器具の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態の照明評価システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態の照明評価システムにおいて、瞳孔径の変化を示すグラフである。 本発明の第5実施形態の照明評価システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第6実施形態の照明評価システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第7実施形態の照明評価システムを構築するための設計において用いられる縮瞳率、輝度、および照射時間の関係を示すグラフである。 本発明の第8実施形態の照明評価システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第9実施形態の照明評価システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第10実施形態の照明評価システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第11実施形態の照明評価システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第13実施形態の照明器具の構成を示すブロック図である。 本発明の第13実施形態の照明器具の構成を示す外観図である。
以下、本発明の実施の形態の照明評価方法、照明評価用プログラム、照明器具の製造方法、照明評価装置、および照明器具を、図面を参照しながら説明する。各実施形態の照明評価システムにおいては、同一の参照符号が付された構成同士は、特に記載がないかぎり、同一の構成であってかつ同一の機能を有するものとする。また、1つの実施形態に記載された発明は、矛盾が生じないかぎり、他の実施形態に記載された発明に適用され得るものである。
[第1実施形態]
まず、図1〜図3を用いて、本発明の第1実施形態の照明評価システムを説明する。本実施形態の照明評価システムは、図1に示すように構成されている。この照明評価システムは、照明器具101(以下、「評価対象照明器具101」と呼ぶ。)から発せられる直接光L1のまぶしさの程度を評価するものである。この直接光L1は、評価対象照明器具101から発せられた照明光L4のうち、被験者の瞳孔Eに直接的に入射する光である。
本実施形態の照明評価システムは、評価対象照明器具101に加え、シーリングライトといった照明器具100およびスポットライト等の照明器具102を備えている。照明評価システムは、前述のような照明器具100,101,102を備える照明環境において、照明器具101が発する直接光L1によって被験者が感じるまぶしさの程度を評価するためのものである。
照明器具100は照明光L3を発する。照明器具102は照明光L5を発する。さらに、照明光L3、L4、L5が天井、壁、および床103で反射することにより、照明光L6が生じる。これら照明光L3、L4、L5、L6が合成された間接光L2が被験者の眼の瞳孔Eに入射する。それにより、被験者は、光を感じる。
このような空間において、照明評価システムは、制御部1、撮像部2、および直接光切替部3を含む。
撮像部2は、汎用のビデオカメラにより構成される。撮像部2は、被験者の眼のうち瞳孔Eが撮像範囲内に含まれるように設置されている。撮像部2は、撮像された画像データを制御部1に供給する。撮像部2は、制御部1の制御に従って、直接光L1が瞳孔Eに入射していない状態から直接光L1が瞳孔Eに入射している状態へ変化する過程を含む所定時間において瞳孔Eの画像データを撮像する。
なお、撮像部2は、撮像における照度が不足する場合には、可視光線ではない光、たとえば、近赤外線を発する補助照明などを有していてもよい。
直接光切替部3は、評価対象照明器具101と被験者との間に設置される。直接光切替部3は、閉じられたり、開かれたりすることにより、評価対象照明器具101からの直接光L1を遮蔽したり、通過させたりすることができるシャッタ機構である。直接光切替部3は、遮光部3aと、ヒンジ部3bとを含む。
遮光部3aは、適度な透過性及び散乱特性を持った遮蔽板である。また、直接光切替部3は、遮蔽板として拡散板などを用いて直接光L1を適切に散乱させてもよい。直接光切替部3によって直接光L1を遮蔽する程度を調整することにより、直接光L1の遮蔽が間接光L2へ与える影響を低減する。それにより、信頼性が高いまぶしさ評価値Rを得ることができる。
直接光切替部3は、制御部1から供給された制御信号に従って、遮光部3aを閉じられたり、開かれたりする。これにより、直接光切替部3は、評価対象照明器具101から発せられる直接光L1を遮蔽したり、通過させたりすることができる。
直接光切替部3が直接光L1を遮蔽している状態は、評価対象照明器具101が瞳孔Eに直接光L1を当てていない非照射状態である。直接光切替部3が直接光L1を通過させている状態は、評価対象照明器具101が瞳孔Eに直接光L1を当てている照射状態である。直接光切替部3は、直接光L1の状態を非照射状態および照射状態のいずれかに切り替えられる。
まぶしさの評価対象である光源が、視野内にある照明器具の発光面である場合には、直接光切替部3は、上述したように発光面から瞳孔Eに向かう直接光L1を遮蔽する機構となる。瞳孔Eに向かう直接光L1と間接光L2とをそれぞれ独立して調光できる調光機構を有する照明器具のまぶしさを評価する場合には、その調光機構を直接光切替部3の代替構造として用いることができる。
制御部1は、瞳孔径算出部11と、まぶしさ評価部12とを含む。制御部1は、後述する照明評価方法を実行させるための照明評価用プログラム10Aを記憶する記憶部10を有するコンピュータである。制御部1は、コンピュータによって、記憶部10から照明評価用プログラム10Aを読み出して実行する。これにより、制御部1は、瞳孔径算出部11の機能およびまぶしさ評価部12の機能を実現する。
瞳孔径算出部11は、撮像部2に接続されている。瞳孔径算出部11には、撮像部2により撮像された瞳孔Eの画像データが供給される。瞳孔径算出部11は、撮像部2により撮影された画像データを用いて演算処理を行うことによって瞳孔径を算出する。これにより、瞳孔径算出部11は、所定時間継続して撮像された瞳孔Eの画像データを用いて、瞳孔径の時間変化のデータを作成する。
まぶしさ評価部12は、瞳孔径算出部11により作成された瞳孔径の時間変化のデータに基づいて直接光L1のまぶしさ評価値Rを算出する。このとき、まぶしさ評価部12は、直接光切替部3に制御信号を供給することにより、遮光部3aを閉じたり、開いたりする。したがって、まぶしさ評価部12は、直接光切替部3が閉じられている状態であるのか、または、開かれている状態であるのかを認識している。
そのため、まぶしさ評価部12は、直接光L1がオン(通過)状態およびオフ(遮蔽)状態のいずれであるのかを示す情報を取得している。まぶしさ評価部12は、直接光L1がオン状態(通過)であるときの瞳孔径の情報、および直接光L1がオフ状態(遮蔽)であるときの瞳孔径の情報を取得している。したがって、まぶしさ評価部12は、直接光L1がオフ状態からオン状態へ変化するときの瞳孔径の時間変化のデータを作成することができる。それにより、まぶしさ評価部12は、直接光L1のオン状態とオフ状態との間の期間の全体における瞳孔径の変化量に基づいて、まぶしさ評価値Rを算出することができる。
たとえば、まぶしさ評価部12は、次のような一次関数の算出式に、瞳孔径算出部11によって算出された瞳孔径の変化量を代入することによって、まぶしさ評価値を算出する。
(算出式)まぶしさ評価値R=瞳孔径の変化量×A+B
ここで、まぶしさ評価値Rおよび瞳孔径の変化量は、変数である。また、一次関数の傾きAおよび切片Bは、同一前提条件下でのまぶしさ評価値の算出においては定数である。ただし、本明細書においては、一次関数の傾きAおよび切片Bは、まぶしさ評価部12を動作させるプログラムにパラメータとして記憶されており、まぶしさ評価値Rの算出のための前提条件が変更されると、それに伴って変更され得る値である。
ただし、瞳孔径とまぶしさ評価値との関係が、二次関数もしくは三次関数等の多次関数、または対数関数もしくは指数関数等で規定されてもよい。
上記した算出式を用いてまぶしさ評価値を算出するのではなく、瞳孔径の時間変化のデータとそれに対応するまぶしさ評価値との関係がデータテーブルに記憶されていてもよい。このデータテーブルは、予め、照明条件を変えながら計測された瞳孔径の時間変化のデータと、その際の照明条件に対応するまぶしさの主観評価値の実測値とを用いて作成される。また、このデータテーブルは、それらの実測値から近似的に求められた上記の算出式を用いて算出された数値データを用いて作成されてもよい。まぶしさ評価値Rの算出においてデータテーブルを用いる場合、瞳孔径等の変数を決定することにより、それに対応するまぶしさ評価値Rがデータテーブルから抽出される。本明細書においては、「まぶしさ評価値がデータテーブルから抽出される」場合も、演算式を用いて実際に演算を実行する場合と同様に、「まぶしさ評価値が算出される」場合に含まれているものとする。つまり、本明細書においては、「瞳孔径の時間変化のデータに基づいて直接光のまぶしさ評価値Rを算出する」ことには、算出式に瞳孔径の時間変化のデータから抽出された値を代入することが含まれる。また、本明細書においては、「瞳孔径の時間変化のデータに基づいて直接光のまぶしさ評価値Rを算出する」ことには、瞳孔径の時間変化のデータから抽出された値に対応するまぶしさ評価値Rを抽出することが含まれる。
このような照明評価システムは、図2のように動作する(照明評価方法)。先ず、ステップS1において、撮像部2は、瞳孔Eの撮像を開始する。
次に、ステップS2において、評価対象照明器具101が瞳孔Eに直接光L1を当てていない非照射状態になっている。この状態で、まぶしさ評価部12は、直接光切替部3を制御する。それにより、直接光切替部3は、その非照射状態から評価対象照明器具101が瞳孔Eに直接光L1を当てている照射状態へ、評価対象照明器具101による照明の状態を切り替える。ステップS3において、まぶしさ評価部12により、照射状態が所定時間に亘って継続したと判定される。それにより、ステップS4において、まぶしさ評価部12は、評価対象照明器具101が発する光の状態を照射状態から非照射状態へ切り替えるように直接光切替部3を制御する。撮像部2は、評価対象照明器具101が発する光の状態が非照射状態から照射状態へ変化する過程において眼の瞳孔Eを撮像する。図5に示されるように、評価対象照明器具101が発する光の状態の変化に起因した瞳孔径の変化は、光の状態の変化に対して遅れる。そのため、評価対象照明器具101が発する光の状態を照射状態から非照射状態へ戻した後においても、瞳孔径の変化が収束するまでの時間においては、瞳孔Eの撮像を継続する。
次に、ステップS5において、瞳孔径算出部11は、撮像された瞳孔Eの画像データを用いて、非照射状態から照射状態へ変化する過程における瞳孔径を算出する。次に、ステップS6において、まぶしさ評価部12は、所定時間内に連続して実行された瞳孔径の算出の結果として得られた瞳孔径の時間変化のデータに基づいて直接光L1のまぶしさ評価値Rを算出する。
具体的には、先ず、まぶしさ評価プログラムが実行されると、まぶしさ評価部12が直接光切替部3へ制御信号を供給する。これにより直接光切替部3は、評価対象照明器具101の発光面から被験者の瞳孔Eに向かう直接光L1を遮蔽状態(オフ)、通過状態(オン)、遮蔽状態の順に変化させる。
このとき、撮像部2は、瞳孔Eを撮像した後、その瞳孔Eの画像データを制御部1に供給する。瞳孔径算出部11は、瞳孔径算出プログラムを実行させることにより、直接光L1が遮蔽状態、通過状態、遮蔽状態の順に変化したときの瞳孔Eの画像データから瞳孔径を算出する。
まぶしさ評価プログラムが実行されていると、瞳孔径算出部11によって算出された瞳孔径は、随時まぶしさ評価部12に読み取られる。まぶしさ評価プログラムは、瞳孔径の時間変化から、瞳孔径の変化量を算出する。まぶしさ評価部12は、算出された瞳孔径の変化量を、まぶしさ評価値Rとして算出する。この場合、瞳孔径の変化量そのものがまぶしさ評価値Rとして算出(出力)されてもよいが、上述のように瞳孔径の変化量を関数に代入することにより、まぶしさ評価値Rが算出されてもよい。
予め、被験者が感じるまぶしさの主観評価値が既知の照明環境でまぶしさの計測を行っておいてもよい。これにより、客観的評価値としてのまぶしさ評価値Rと主観的評価値としての被験者が感じるまぶしさの程度との対応関係を把握しておくことができる。例えば、まぶしさ評価値Rと、当該まぶしさ評価値Rを得た照明環境の条件を記憶しておく。これによれば、新規の照明環境に適用した場合に被験者が感じると予測される新規のまぶしさ評価値を、まぶしさ評価値Rの補間計算によって求めることができる。
このように、照明評価システムは、間接光L2(背景光)などの周囲の照明環境の条件を変えずに、瞳孔Eに向かう直接光L1をオン/オフする機構により直接光L1の照射状態を変更する。それにより、照明評価システムは、直接光L1をオン、オフした際の瞳孔径の変化量に基づいて、評価対象照明器具101の被験者が感じるまぶしさの程度を評価する。
上述の本実施の形態の照明評価システムによれば、評価対象照明器具101が発する光に対して被験者が感じるまぶしさの程度を高い精度で把握することができる。また、照明評価システムによれば、被験者が実際に感じるまぶしさの程度を数値化することができる。そのため、数値化されたまぶしさの程度を低減するように照明器具101が発する光の状態が調整された照明器具を製造することができる。
一般に、照明器具の発光部や室内における窓面のように、周囲に比べ高輝度物体が視野内にあるとき、これが他の視対象物を見えにくくする。この光の状態は、グレアと呼ばれる。このグレアが生じると、人は不快に感じる。照明評価システムによれば、グレアの程度を評価することができる。
このグレアとしては、減能グレア、不快グレア、反射グレアがある。減能グレアは、光源から眼球に入射する光が眼球内で散乱したために、視対象物の見かけの明るさやコントラストが低下することに起因して視対象物が見えにくくなる状態である。不快グレアは、高輝度物体の存在によって心理的に不快感を与える状態である。反射グレアは、光源、照明器具あるいは窓などの輝度の高い物体から発せられた光が光沢のある表面(机上面・ガラス・什器備品等の表面)で反射することにより生じる状態である。
不快グレアについては、評価対象照明器具101が発する直接光L1およびその周辺に生じる間接光L2の輝度等の特性と、まぶしさの程度の主観評価値との関係が、実験に基づいて定式化されている。不快グレアは、屋内、道路、またはスポーツグランドなどの照明環境ごとに、前述の関係が定式化されている。この間接光L2を特定する要素としては、発光面の輝度、発光面の見かけの大きさ、発光面の視線中心からの配置、および背景輝度などが挙げられる。
一般に、眼が光刺激に反応することにより瞳孔径が変化(収縮)する。また、眼に与える光刺激が大きいほど瞳孔径の変化も大きい。これらのことを利用して、本実施の形態の照明評価システムは、不快グレアを数値として算出することができる。
次に、前述の照明評価システムを使用することにより照明器具を製造する方法を説明する。
まぶしさの程度が低減された照明器具は、図3に示すように、当該照明器具から発せられる直接光によって感じられるまぶしさを評価する評価工程(S12)を含んだ製造方法によって製造される。この評価工程の評価対象となる照明器具は、その前の作成工程(S11)により作成されたものである。
この評価工程においては、評価対象照明器具101が発する直接光の状態が直接光切替部3によって切り替えられる。具体的には、評価対象照明器具101が瞳孔Eに直接光を当てていない非照射状態が、評価対象照明器具101が瞳孔Eに直接光を当てている照射状態へ切り替えられる。また、この評価工程においては、非照射状態から照射状態へ直接光の状態が変化していく過程において、瞳孔Eが撮像部2によって撮像される。また、評価工程においては、撮像された瞳孔Eの画像データを用いて非照射状態から照射状態へ変化する過程における瞳孔径の時間変化のデータが瞳孔径算出部11によって作成される。さらに、評価工程においては、作成された瞳孔径の時間変化のデータに基づいて直接光のまぶしさ評価値Rがまぶしさ評価部12によって算出される。
評価工程後には、評価工程によって算出されたたまぶしさ評価値Rに応じて、まぶしさ評価値が増減されるように評価対象照明器具101が発する光の状態を調整する調整工程(S13)が行われる。
このような照明器具の製造方法によれば、評価工程においてまぶしさの程度を数値化することによって、まぶしさの程度が評価される。そのため、この照明器具の製造方法によれば、照明器具が発する光のまぶしさの程度が低減されるように、照明器具が発する光の状態を調整することができる。たとえば、評価対象照明器具101が発する光の輝度が、評価対象照明器具101のユーザがまぶしさを感じない程度の値に調整される。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の照明評価システムを説明する。本実施の形態においては、上述した照明評価システムを構成する部分と同じ部分については同一符号が付されており、その同一の部分の説明は特に必要がない限り繰り返されない。
この照明評価システムにおいて、撮像部2は、被験者の視界に入らない状態で瞳孔Eを撮影することが好ましい。そのため、この照明評価システムは、図4に示すように、ミラー4と、赤外線発光部21とを有する。
ミラー4は、可視光を透過させるが、赤外線を反射するものである。したがって、ミラー4は、瞳孔Eに向かう直接光L1および周囲の間接光L2を通過させるが、以下に述べられる補助照明光を反射するものである。
赤外線発光部21は、撮像部2の付近に設けられた補助照明である。赤外線発光部21は、撮像部2の画像撮像時に、赤外線を発する。この赤外線は、瞳孔Eを含む領域に向かって発せられる。この赤外線発光部21の動作は、瞳孔径算出部11から出力された制御信号によって制御される。
このような照明評価システムによれば、撮像部2が被験者の視界を妨げない、具体的には、撮像部2が被験者の視界に入らない。そのため、撮像部2の存在自体によってまぶしさ評価値Rが影響を受けることを防止することができる。そのため、この照明評価システムによれば、まぶしさ評価値Rの信頼性を向上させることができる。
本実施形態では、撮像部2が被験者の視界を妨げないようにする手法として、赤外線を反射するミラー及び赤外線を受光する撮像部2からなる手法が採用されている。つまり、撮像部2が被験者の視界を妨げないようにする手法として、撮像部2が被験者の視界に入らないように撮像部2を設置する手法が採用されている。しかしながら、撮像部2が被験者の視界を妨げないようにする手法として、他の手法が採用されてもよい。例えば、撮像部2が被験者の視界を妨げないようにする手法として、撮像部2のレンズ倍率を高く(望遠)した上で、瞳孔Eを撮影する撮像部2を評価者から遠く離れた位置に設置する手法が採用されてもよい。これにより、被験者の視界に対する撮像部2の見かけの大きさを小さくすることができる。つまり、撮像部2が被験者の視界に入る程度を極めて小さくすることができる。それにより、瞳孔Eを有する被験者の視界全体に対する撮像部2の大きさが瞳孔径の時間変化に影響を与えない大きさである状態で、瞳孔Eを撮像することができる。その結果、撮像部2の存在自体がまぶしさ評価値Rに影響を与えることが抑制されるため、まぶしさ評価値Rの信頼性が向上する。当然のことながら、撮像部2は、照明器具101と撮像部2とが被験者に重なって見えることがない位置に設置されていれば、撮像部2の存在自体がまぶしさ評価値Rに影響を与えることが抑制される。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態の照明評価システムを説明する。本実施の形態においては、上述した照明評価システムを構成する部分と同じ部分については同一符号が付されており、その同一の部分の説明は特に必要がない限り繰り返されない。
この照明評価システムにおいても、評価対象照明器具101が発する光の照射状態が非照射状態から照射状態へ変化しいく過程において継続して撮像された瞳孔Eの画像データが用いられる。具体的には、瞳孔径算出部11が、瞳孔径の時間変化のデータから、最大瞳孔径と最小瞳孔径とを抽出する。それにより、瞳孔径算出部11は、最大瞳孔径と最小瞳孔径を用いて縮瞳率を算出する。この縮瞳率は、次の算出式によって算出される。
(算出式) 縮瞳率=(1−最小瞳孔径/最大瞳孔径)
つまり、瞳孔径算出部11は、縮瞳率算出部としても機能する。それにより、瞳孔径算出部11によって算出された縮瞳率に基づいてまぶしさ評価値を算出する。
このような照明評価システムは、例えば図5に示すように、時刻t1からt2までの期間において直接光L1を通過(オン)させるように直接光切替部3を制御する。まぶしさ評価部12は、時刻t1からt2までの期間、並びに、当該期間の開始前及び終了後において、瞳孔径を算出する。
まぶしさ評価部12は、瞳孔径算出部11によって演算された瞳孔径の時間変化のデータから、最小瞳孔径の値及び最大瞳孔径の値を抽出する。図5の例において、まぶしさ評価部12は、時刻t1前の時間帯の瞳孔径を最大瞳孔径と認識する。また、まぶしさ評価部12は、t2後の時間帯に最小となった瞳孔径を最小瞳孔径と認識する。まぶしさ評価部12は、縮瞳率=(1−最小瞳孔径/最大瞳孔径)という算出式に最小瞳孔径および最大瞳孔径のそれぞれの値を代入することによって、縮瞳率を求めることができる。
この照明評価システムによれば、まぶしさ評価値Rとして瞳孔Eの縮瞳率が用いられる。これにより、体調等によって瞳孔径が変動したり、撮影距離がばらついていたり、瞳孔径の個人差があったりするなどのまぶしさ評価の信頼性を低下させる要因を極力排除することができる。そのため、まぶしさ評価値Rの信頼性を向上させることができる。要するに、瞳孔径の変化量そのもの、または、瞳孔径の変化量を関数に代入した結果として得られた値をまぶしさ評価値Rとするのではなく、縮瞳率をまぶしさ評価値Rとする。それによって、瞳孔径の時間変化に生じるノイズを低減することができる。その結果、まぶしさ評価値Rの信頼性を向上させることできる。また、本実施の形態においても、縮瞳率が何らかの関数に代入されることにより、まぶしさ評価値Rが算出されてもよい。
なお、直接光L1の通過(オン)時間(t1〜t2)を1秒程度と短くしてもよい。これにより、充分な瞳孔の感度を維持することによって、瞳孔径のゆらぎを低減できる。また、1秒程度の通過(オン)時間における直接光L1による瞳孔径への影響は、10秒程度で収束する。このため、30秒程度の間隔をあけて、数回に亘り瞳孔径の計測を繰り返す。それにより、複数の縮瞳率の平均値をまぶしさ評価値Rとして用いてもよい。これによれば、まぶしさ評価値Rの信頼性をさらに向上させることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態の示す照明評価システムにおいて用いられる照明評価方法について説明する。本実施の形態においては、上述した照明評価システムを構成する部分と同じ部分については同一符号が付されており、その同一の部分の説明は特に必要がない限り繰り返されない。
本実施の形態の照明評価方法において、上述した実施の形態の照明評価システムと同一の構成において、直接光切替部3が、非照射状態から照射状態へ評価対象照明器具101が発する光の状態を変化させる。それにより、瞳孔径算出部11が、瞳孔径の時間変化のデータに基づいて、瞳孔Eの縦方向の縮瞳率および横方向の縮瞳率を算出する。その後、まぶしさ評価部12が、縦方向の縮瞳率と横方向の縮瞳率との差が所定の範囲以内の値であるか否かを判定する。それにより、まぶしさ評価部12は、算出される予定のまぶしさ評価値Rが評価値として適切な値であるのか否かを判定する。その判定の結果、算出される予定のまぶしさ評価値Rが適切でないと判定された場合には、まぶしさ評価部12は、まぶしさ評価値Rを算出しない。この場合には、適切なまぶしさ評価値Rが得られるであろうと判定されるまで、直接光切替部3による切り替え、瞳孔径算出部11による算出、およびまぶしさ評価部12による判定が繰り返される。具体的には、縦方向の縮瞳率と横方向の縮瞳率との差が所定の範囲以内の値になるまで、直接光切替部3による切り替え、瞳孔径算出部11による算出、およびまぶしさ評価部12による判定が繰り返される。これにより、まぶしさ評価値Rの信頼性が向上する。このような方法を用いる理由は、次のようなものである。
人間の場合、瞳孔Eは、光に反応するとき、同心円状に収縮するかまたは散大する。そのため、瞳孔Eが光に正常に反応すると、横方向の瞳孔径の変化と縦方向の瞳孔径の変化とが比例する。したがって、縦方向の縮瞳率と横方向の縮瞳率とはほぼ同一になるはずである。しかしながら、次のようにノイズが生じる場合には、縦方向の縮瞳率と横方向の縮瞳率とは大きく異なることがある。
瞼の形状から分かるように、眼自体の開口部分が横方向に長い。また、両眼が横方向に並んでいるとともに、眼球は主に横方向に移動する。したがって、眼球に映り込む照明光の反射像は、横方向において多くなり、撮像された瞳孔Eの画像データに重なって外乱となり易い。そのため、横方向の縮瞳率は眼球への光の映り込みによるノイズを含み易い。また、人間が瞬きするときには、瞼が瞳孔Eの縦方向を遮蔽するように移動する。そのため、縦方向の縮瞳率は、瞬きまたは上瞼の下垂によるノイズを含み易い。
上記のノイズが少なければ、横方向の瞳孔径と縦方向の瞳孔径との時間変化はほぼ同一であるため、縦方向の縮瞳率と横方向の縮瞳率とは、ほぼ同一になる。横方向の縮瞳率と縦方向の縮瞳率とは、撮像された瞳孔Eの同一の画像データから得られる。この横方向の縮瞳率と縦方向の縮瞳率との差が、たとえば、20%というように、かなり大きい場合がある。この場合には、縦方向の縮瞳率および横方向の縮瞳率のうちの少なくともいずれか一方の計測値が、ノイズに起因して適正ではない値になっていると考えられる。
そのため、縦方向の縮瞳率と横方向の縮瞳率との差が所定の範囲内の値ではない場合には、まぶしさ評価のための各ステップを最初からやり直す。それにより、上記のノイズによる悪影響を受けていない瞳孔径の時間変化のデータのみに基づいてまぶしさ評価値が算出される。その結果、まぶしさ評価値Rの信頼性を高めることができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態の照明評価システムを説明する。本実施の形態においては、上述した照明評価システムを構成する部分と同じ部分については同一符号が付されており、その同一の部分の説明は特に必要がない限り繰り返されない。
この照明評価システムは、図6に示すように、複数の箇所から発せられる直接光L1a、L1bのそれぞれの状態を、非照射状態から照射状態へ変化させてもよい。このために、照明評価システムは、複数の直接光切替部3A、3Bを備える。
直接光切替部3Aは、評価対象照明器具101と瞳孔Eとの間に設けられる。直接光切替部3Bは、照明器具102と瞳孔Eとの間に設けられる。
直接光切替部3A、3Bは、それぞれ、まぶしさ評価部12から制御信号を受け取る。これにより、直接光切替部3Aは、評価対象照明器具101の発光面から瞳孔Eに向かう直接光L1aを通過(オン)させたり、遮蔽(オフ)したりすることができる。また、直接光切替部3Bは、照明器具102の発光面から瞳孔Eに向かう直接光L1bを通過(オン)させたり、遮蔽(オフ)したりすることができる。
この照明評価システムにおいては、まぶしさ評価部12がそれぞれの直接光切替部3A、3Bに制御信号を供給する。まぶしさ評価部12は、複数の照明器具の発光面からそれぞれ瞳孔Eに向かう直接光L1aおよび直接光L1bを個別に遮蔽状態(オフ)、通過状態(オン)、遮蔽状態(オフ)の順に変化させる。また、まぶしさ評価部12は、複数の照明器具の発光面からそれぞれ瞳孔Eに向かう直接光L1aおよび直接光L1bを一斉に遮蔽状態(オフ)、通過状態(オン)、遮蔽状態(オフ)の順に変化させる。
これにより、瞳孔径算出部11は、複数の直接光L1a、L1bが一斉に通過(オン)させられた際の瞳孔径の変化量を演算する。また、瞳孔径算出部11は、直接光L1aのみがオンとされた際の瞳孔径の変化量を演算する。さらに、瞳孔径算出部11は、直接光L1bのみがオンとされた際の瞳孔径の変化量を演算する。
まぶしさ評価部12は、複数の直接光L1a、L1bが一斉に通過(オン)させられた際の瞳孔径の変化量に基づいてまぶしさ評価値Rを算出する。また、まぶしさ評価部12は、直接光L1aのみが通過(オン)させられた際
の瞳孔径の変化量に基づいてまぶしさ評価値Rを算出する。さらに、まぶしさ評価部12は、直接光L1bのみが通過(オン)させられた際の瞳孔径の変化量に基づいてまぶしさ評価値Rを算出する。
上記のように、照明評価システムは、複数の照明器具が存在する環境において、複数の照明器具のそれぞれの発光面から発せられた直接光を個別に通過させたり、遮蔽したり(オン、オフ)することができる。これにより、照明評価システムは、複数の発光面のそれぞれから発せられた直接光がまぶしさ評価値Rに与える影響を個別に評価することができる。また、照明評価システムによれば、照明器具群のうちの個々の照明器具のまぶしさ評価値Rに加えて、照明器具群の全体のまぶしさ評価値Rを算出することができる。
[第6実施形態]
次に、本発明を適用した第6実施形態の照明評価システムを説明する。本実施の形態においては、上述した照明評価システムを構成する部分と同じ部分については同一符号が付されており、その同一の部分の説明は特に必要がない限り繰り返されない。
上述した照明評価システムは、まぶしさ評価値Rを算出するときの照明環境および算出パラメータ等の条件を設定することが望ましい。この照明評価システムは、図7に示すように、上述した照明評価システムに加えて制御部1にキャリブレーション処理部13を有する。また、照明評価システムは、基準となる直接光L1bを発する照明器具110を有する。
この照明評価システムにおいては、まぶしさ評価値Rを算出する前に、基準となる照明器具110が基準となる直接光L1b及び基準となる背景光を発する。このとき、直接光切替部3Bは、オフ(遮蔽状態)に制御されている。また、照明器具110が発する基準となる背景光は、照明器具100および評価対象照明器具101を点灯させることにより生じる光とともに、間接光L2として瞳孔Eに向かう。
次に照明評価システムは、基準となる直接光L1bの状態を非照射状態から照射状態に切り替えた時の瞳孔径の時間変化を計測する。このとき、まぶしさ評価部12は、直接光切替部3Bをオン(通過状態)に制御することにより、直接光L1bを瞳孔Eに到達させる。
本実施の形態の照明評価システムにおいては、キャリブレーション処理部13が、瞳孔径算出部11によって算出された瞳孔径に基づいて、まぶしさ評価値Rを算出するときの算出パラメータを変更する。以下、それを詳細に説明する。
まぶしさ評価値Rの算出のための瞳孔の撮像の開始時、複数回に亘るまぶしさ評価の実行期間、またはまぶしさ評価同士の間等において、被験者の身体の状態(体調、ここでいう体調には姿勢や心的状態も含む)が変化する場合がある。この場合、同一の輝度の光を受けたときに感じる被験者のまぶしさの程度が異なってしまうことがある。これに対処するため、本実施の形態においては、次のような方法を実行する。
まず、評価対象となる照明器具が発する光のまぶしさ評価値を算出する前に、基準となる照明器具110を準備する。基準となる照明器具110が発する直接光Lb1の状態を、非照射状態(オフ)から照射状態(オン)へ変化させたときの瞳孔径の時間変化のデータに基づいて、基準となるまぶしさ評価値を算出する。この照明器具110と基準となるまぶしさ評価値とを用いて、評価対象照明器具101のまぶしさ評価値Rを算出する前に、まぶしさ評価部12の算出式のパラメータを調整(キャリブレーション)する。
キャリブレーション処理部13は、まぶしさ評価部12がまぶしさ評価値Rを算出するときに用いる算出式のパラメータを変更する。具体的には、基準となる直接光L1bが瞳孔Eに照射されたときに被験者が感じるまぶしさ評価値Rがいずれのまぶしさ評価のときにも同一になるように、算出式のパラメータが変更される。たとえば、実施の形態1で説明した算出式「まぶしさ評価値R=瞳孔径の変化量×A+B」におけるパラメータとしての傾きAおよび切片Bが変更される。これによれば、被験者がいかなる体調であっても、基準となる照明器具110が発する基準となる直接光Lb1および基準となる背景光に対応するまぶしさ評価値Rが、常に同一の基準となるまぶしさ評価値になる。
まとめると、本実施の形態のまぶしさ評価システムにおいては、まぶしさ評価部12が、図7に示される状況において、被験者が基準となる直接光L1bによって感じる基準まぶしさ評価値を算出する。それにより、キャリブレーション処理部13は、前述の基準まぶしさ評価値と照明器具110が発する基準となる直接光L1bとを用いて、評価対象照明器具101のまぶしさ評価値Rを実際に算出する前に、まぶしさ評価値の算出式のパラメータを決定する。
このような照明評価システムによれば、被験者の体調変化などに起因して同一の輝度の光に対するまぶしさ評価値がまぶしさ評価を行うごとに異なってしまうことを抑制することができる。したがって、まぶしさ評価値Rの信頼性をさらに向上させることができる。
なお、キャリブレーション処理部13が、瞳孔径算出部11によって算出した瞳孔径に基づいて、まぶしさ評価値Rを算出するときの照明環境を変更してもよい。つまり、まぶしさ評価値を算出する前に、照明器具110に代えて設置される周囲の照明器具100の明るさおよび照明器具102の明るさが調整されてもよい。
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態の照明評価システムを用いて実行される照明評価方法を説明する。本実施の形態の照明評価方法は、上述した照明評価システムを用いて実行される照明評価方法の一例である。まず、本実施の形態の照明評価方法が必要となる背景事情を説明する。
一般に、眼に照射される光の刺激が強いほど、瞳孔の収縮は大きくなる。これにより、瞳孔を通じて眼内に入る光の量を減らす作用が生じる。しかしながら、眼の通常の機能では、瞳孔を完全に閉じることができない。そのため、縮瞳率を1にすることはできない。また、眼に対する光の刺激が強くなることによって、被験者がまぶしさを耐え難く感じると、被験者は、無意識的に視線を逸らすことにより、眼に対する光の刺激を減らそうという動きが生じる。実際に、照射する光の輝度を増加させながら、縮瞳率を計測し続けると、縮瞳率は増加する。しかしながら、ある輝度を境として縮瞳率が飽和状態に達することにより、縮瞳率と輝度との関係を示すグラフの線が変曲する。つまり、照明環境および計測方法(照射時間など)が適切に設定されていると、輝度がある値に達するまでは、縮瞳率は輝度の増加に伴って比例的に増加する。しかしながら、図8のグラフから読み取られるように、輝度がある値以上の値になると、輝度が増加しても縮瞳率は、比例関係を維持しながら増加するのではなく、飽和状態になる。図8には、縮瞳率と輝度との関係を示すグラフにおける線の変曲点での輝度、すなわち、縮瞳率が飽和状態になる輝度K、K、およびKが示されている。
また、図8から分かるように、瞳孔Eに対する直接光L1aの照射時間が異なると、縮瞳率と輝度との関係における変曲点の位置も異なる。図8においては、この変曲点は、輝度K、K、およびKに対応している。この図8のグラフから読み取られる一般的な輝度と縮瞳率との関係を利用して、次のように、被験者の体調あるいは個人差を反映させたまぶしさ評価値を算出することができる。
まず、評価対象である照明器具101が直接光La1を発する。このとき、被験者が基準となるまぶしさを感じる輝度で縮瞳率が飽和状態になるグラフが描かれるように計測方法、たとえば、照射時間などが決定される。言い換えると、被験者が基準となるまぶしさを感じる輝度を境界として、輝度の増加に伴って縮瞳率が比例的に増加する状態から輝度が増加しても縮瞳率が比例的には増加しなくなる状態へ変化するグラフが描かれる。このときの照射時間が記録される。
この記録のためには、図8に示されるように、上記した実施形態のいうちのいずれかのまぶしさ評価システムを用いて、基準となる直接光の照射が多数回繰り返して行われている。つまり、いくつかの異なった照射時間ごとに、輝度と縮瞳率との関係を示すグラフが描かれている。それにより、基準となるまぶしさを感じる輝度で、縮瞳率が増加状態から飽和状態に変化したときの照射時間が選択される。
その後、1回の直接光の照射においては所定照射時間だけ一定輝度の直接光La1を照射するという条件が設定される。この設定された条件の下で、瞳孔径算出部11は、被験者に対して評価対象である照明器具101が発する光の輝度を変化させながら、縮瞳率を複数回計測する。それにより、まぶしさ評価部12は、計測された縮瞳率とその縮瞳率に対応する輝度との関係を示すグラフに対応するデータを作成する。次に、まぶしさ評価部12は、作成されたグラフに対応するデータから縮瞳率が飽和状態になる輝度、たとえば、Kを抽出する。
その後、まぶしさ評価部12は、縮瞳率が飽和状態になる輝度に基づいて、算出式のパラメータを調整(キャリブレーション)する。具体的には、評価対象である照明器具101が縮瞳率が飽和状態になる輝度の光を発するときに、被験者が基準となるまぶしさを感じるように、まぶしさ評価値Rの算出式のパラメータが決定される。
つまり、縮瞳率が飽和状態になる輝度の直接光La1を照明器具101が所定照射時間だけ発する場合に、被験者が基準となるまぶしさを感じていると仮定する。この仮定の場合に、被験者が基準となるまぶしさを感じるという算出結果が得られるように、まぶしさ評価値Rの算出式のパラメータが決定される。
上記の方法によれば、まぶしさを感じる被験者の体調に相違があっても、被験者が感じるまぶしさ評価値Rがほぼ一定になるように、まぶしさ評価値Rを算出するための算出式のパラメータを決定することができる。
なお、単に、実際に製造される照明器具の輝度等を、基準となるまぶしさ評価値以下のまぶしさを感じる輝度に設定したいだけの場合がある。この場合には、縮瞳率と輝度との関係を示すグラフから縮瞳率が飽和状態になる輝度が抽出される。それにより、縮瞳率が飽和状態になる輝度が実際に製造される照明器具が発する直接光の輝度の上限値として規定される。
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態の照明評価システムを説明する。本実施形態においては、上述した照明評価システムを構成する部分と同じ部分については同一符号が付されており、その同一の部分の説明は特に必要がない限り繰り返されない。
この照明評価システムは、眼の色を撮影し、撮像された眼の色に応じてまぶしさ評価値Rを算出するときの算出式のパラメータを変更する。このような照明評価システムは、図9に示すように、色の要素も含むカラー画像を取得できる撮像部2’を備える。また、照明評価システムは、撮像部2’によって撮像されたカラー画像データから瞳孔径を算出することができる瞳孔径算出部11’を備える。なお、瞳孔径を計測するための撮影にはモノクロカメラ、たとえば、近赤外線カメラを用いる一方で、虹彩の色を計測するためにはカラーカメラを用いるというように複数のカメラを用いてもよい。
このような照明評価システムは、被験者の眼における虹彩を含む領域を撮像部2’によって撮像する。この撮像部2’によって撮像されたカラー画像データは、瞳孔径算出部11’に供給される。
瞳孔径算出部11’は、カラー画像データから虹彩の色を判定する。まぶしさ評価部12は、瞳孔径算出部11’によって得られた虹彩の色に基づいて、まぶしさ評価値Rを算出する際の算出式のパラメータを変更する。
人間の虹彩の色は、ブラウン(濃褐色)、ヘーゼル(淡褐色)、アンバー(琥珀色)、グリーン(緑色)、グレー(灰色)、ブルー(青色)、バイオレット(青紫色)、およびレッド(赤色)に分けられている。たとえば、虹彩の色がブラウンである場合、まぶしさを感じにくい。また、たとえば、虹彩の色がブルーとなると、まぶしさを感じやすい。
そのため、照明評価システムは、まぶしさ評価部12によってまぶしさ評価値Rを算出し、当該まぶしさ評価値Rに対応させて虹彩の色を記録しておく。これにより、照明評価システムは、虹彩の色がブラウンである場合、まぶしさ評価値Rに対応した実際に被験者が感じるまぶしさの程度が低くなる算出式のパラメータを選択する。これに対し、照明評価システムは、虹彩の色が青色である場合、まぶしさ評価値Rに対応した実際に被験者が感じるまぶしさの程度が高くなる算出式のパラメータを選択する。たとえば、第1実施形態において説明された「まぶしさ評価値R=瞳孔径の変化量×A+B」という算出式または他の算出式における傾きAおよび切片Bを、虹彩の色に応じて異ならせる。この傾きAおよび切片Bは、虹彩の色が異なる被験者ごとに、基準となるまぶしさが感じられる輝度の直接光が被験者の瞳孔Eに照射されたときに基準となるまぶしさ評価値が算出されるように予め選択された値である。
上述のように、照明評価システムは、虹彩の色に基づいてまぶしさ評価値Rを算出するための算出式のパラメータを変更することによって、まぶしさ評価の信頼性をより向上させることができる。
[第9実施形態]
次に、本発明の第9実施形態の照明評価システムを説明する。本実施の形態においては、上述した照明評価システムを構成する部分と同じ部分については同一符号が付されており、その同一の部分の説明は特に必要がない限り繰り返されない。
この照明評価システムは、図10に示すように、両眼の瞳孔EL、ERを撮像し、両眼の瞳孔径の時間変化を用いてまぶしさ評価値Rを算出してもよい。このような照明評価システムは、右眼の瞳孔ERを撮像する撮像部2Rと、左眼の瞳孔ELを撮像する撮像部2Lとを備える。
瞳孔径算出部11は、右の撮像部2Rにより撮像された右眼の画像データ及び左の撮像部2Lにより撮像された左眼の画像データを取得する。瞳孔径算出部11は、それぞれの画像データを用いて、右眼の瞳孔ERの瞳孔径の時間変化のデータ及び左眼の瞳孔ELの瞳孔径の時間変化のデータを作成する。
まぶしさ評価部12は、両眼の瞳孔径の各々の時間変化のデータを用いて、まぶしさ評価値Rを算出する。このとき、まぶしさ評価部12は、瞳孔径のデータの欠落または異常値を除去する。このデータの欠落または異常値は、例えば、睫毛によって瞳孔Eが撮像できない場合などに発生する。
たとえば、まぶしさ評価部12は、右眼の瞳孔ERの瞳孔径の変化量と左眼の瞳孔ELの瞳孔径の変化量との平均値を求めることにより、計測ノイズを低減させる。これにより、まぶしさ評価部12は、まぶしさ評価値Rの信頼性を向上させることができる。
また、視機能が正常な被験者の場合、右眼の瞳孔ERの瞳孔径の変化率と左眼の瞳孔ELの瞳孔径の変化率とが概ね一致する。本実施形態のまぶしさ評価方法においては、このことを利用する。それは次のようなものである。
一般に、右眼と左眼の瞳孔径に差がある場合がある。その場合でも、右眼と左眼の各々の瞳孔径の変化は同期しており、右眼と左眼の各々の瞳孔径の変化率は、右眼と左眼の瞳孔径に差があっても、大きく異なることは少ない。そのため、右眼の瞳孔径の変化率と左眼の瞳孔径の変化率との平均値を算出した上で、瞳孔径の変化率の平均値が代入されるまぶしさ評価値Rの算出式を用いる。これによれば、左右の眼の瞳孔径に差がある場合においても、まぶしさ評価値Rの信頼性を向上させることができる。
[第10実施形態]
次に、本発明の第10実施形態の照明評価システムを説明する。本実施の形態においては、上述した照明評価システムを構成する部分と同じ部分については同一符号が付されており、その同一の部分の説明は特に必要がない限り繰り返されない。
この照明評価システムは、図11に示すように、背景輝度計測部5を備えていてもよい。背景輝度計測部5は、評価対象照明器具101の背景の輝度を計測する。本実施形態において、背景輝度計測部5は、例えば、天井、壁、および床103の輝度を計測する。計測した背景輝度は、まぶしさ評価部12によって読み取られる。
まぶしさ評価部12は、計測された背景の明るさに応じてまぶしさ評価値Rを算出するときの算出式のパラメータを変更する。たとえば、第1実施形態において説明された「まぶしさ評価値R=瞳孔径の変化量×A+B」という算出式のパラメータである傾きAおよび切片Bを、背景輝度に応じて異ならせる。本実施の形態においては、この傾きAおよび切片Bは、異なる輝度の背景光が発せられている照明環境ごとに、基準となるまぶしさが感じられる輝度の直接光が被験者の瞳孔Eに照射されたときに基準となるまぶしさ評価値が算出されるように予め選択された値である。このために、照明評価システムは、予めまぶしさの主観評価値の分かっている照明環境(空間)の下で、背景輝度及び瞳孔径の変化量を計測することにより、まぶしさ評価値Rを求める。これにより、照明評価システムは、まぶしさ評価値Rと背景輝度との対応関係を記憶しておく。次に、まぶしさ評価部12は、新たな照明器具が発する光によって感じられるまぶしさ評価値Rを、新たに計測された背景輝度と、まぶしさ評価値Rと背景輝度との既知の対応関係とを用いて、補間計算により算出する。
また、照明評価システムは、背景輝度が均一でない場合は、まぶしさの程度へ与える影響の大きさの相違を考慮して、視野の中央部分の背景輝度の割合が大きくなるように加重平均することが望ましい。
ここで、まぶしさの程度には、評価対象照明器具101の発光面からの直接光L1だけでなく背景光も影響する。つまり、直接光L1及び間接光L2が総合的に瞳孔径の時間変化に影響を与える。したがって、この照明評価システムは、計測された背景光の輝度に応じて、まぶしさ評価値Rの算出パラメータを変更する。これにより、背景光が大きく変わった場合であっても、まぶしさ評価値Rの信頼性を向上させることができる。
[第11実施形態]
次に、本発明の第11実施形態の照明評価システムを説明する。本実施の形態においては、上述した照明評価システムを構成する部分と同じ部分については同一符号が付されており、その同一の部分の説明は特に必要がない限り繰り返されない。
この照明評価システムは、図12に示すように、制御部1に視線方向計測部14を備えていてもよい。この照明評価システムは、視線方向を計測し、計測された視線方向と評価対象照明器具101との相対位置を、算出されたまぶしさ評価値Rに対応づけて記録する。
視線方向計測部14は、撮像部2により撮像された画像データを入力する。視線方向計測部14は、瞳孔Eの位置の変化から被験者の視線方向を算出する。例えば、画像データ内における瞳孔の位置と視線方向とが対応付けられたデータテーブルを予め作成しておき、そのデータテーブルを用いてまぶしさ評価値Rを計測するときの視線方向を算出する。
なお、視線方向の検出には、既知の手法を用いればよい。例えば、取得された瞳孔Eの画像データにおける瞳孔Eの中心位置の変化から視線方向を算出してもよい。また、角膜の反射像(プルキンエ像)を用いて視線方向を算出してもよい。
被験者が感じるまぶしさの程度は、評価対象照明器具101の発光面が、視線中心からどの程度外れているかによって大きく影響される。このため、まぶしさ評価値Rの計測時には、被験者に視線を固定させるよう指示する。
これに対し、照明評価システムは、視線方向計測部14により視線方向を計測して、視線方向と発光面の相対位置を記録する。これにより、瞳孔径の計測時に視線方向がどの程度固定されているかを記録する。それにより、視線方向の固定の程度が小さいと、すなわち、視線方向の動きの程度が大き過ぎると、まぶしさ評価値Rを算出するための一連のプロセスを最初のステップからやり直す。これによれば、視線方向の固定度が所定の程度よりも高い場合のまぶしさ評価値のみを用いて、最終まぶしさ評価値を決定することができる。これにより、まぶしさ評価値Rの信頼性を向上させることができる。なお、まぶしさ評価部12は、視線方向が変わった場合に、補完計算によって、まぶしさ評価値Rの算出を行ってもよい。
このような照明評価システムは、視線方向と発光面との相対位置を、まぶしさ評価値Rと共に記録しておく。これにより、視線方向と発光面の相対位置に応じたまぶしさ評価値Rを知ることができる。また、視線方向と発光面との相対位置の関係に基づいて、まぶしさ評価値Rを補間計算によって修正すれば、まぶしさ評価値Rの信頼性を向上させることができる。
[第12実施形態]
次に、本発明の第12実施形態の照明評価システムを説明する。本実施の形態においては、上述した照明評価システムを構成する部分と同じ部分については同一符号が付されており、その同一の部分の説明は特に必要がない限り繰り返されない。
本実施の形態の照明評価方法においては、瞳孔径を計測するときに同時に撮像される虹彩の画像データが、被験者(個人)を識別するために利用される。瞳孔径を計測するときには、瞳孔の周囲の虹彩を含む被験者の眼全体を撮像しているため、瞳孔の画像データのみならず虹彩の画像データも取得されている。また、一般に、虹彩の画像データが個人を識別するために一般的に利用されている。そのため、瞳孔の画像データに基づいて瞳孔径を算出するのと同時に、虹彩の画像データに基づいて被験者を識別することができる。
具体的には、予め撮像された被験者の虹彩の画像データとその虹彩を有する被験者とを対応つけて記憶しておく。このとき、被験者の虹彩の画像データとともに、まぶしさ評価値を算出したときの算出式のパラメータを記憶しておく。たとえば、まぶしさ評価部12は、実施の形態1において説明された式「まぶしさ評価値R=瞳孔径の変化量×A+B」のパラメータと虹彩の画像データとが対応付けられた状態で、記憶している。その上で、まぶしさ評価部12は、まぶしさ評価の対象となっている被験者の瞳孔径を計測するときに撮像された虹彩の画像データを読み出す。その読み出された画像データに基づいて、以前に撮像された複数の被験者の虹彩の画像データから、その虹彩を有する被験者が特定される。それにより、まぶしさ評価部12は、虹彩の画像データに基づいて特定された被験者のまぶしさ評価値を算出するときの算出式のパラメータを自動的に読み出す。つまり、まぶしさ評価部12が、以前にまぶしさ評価値Rを算出したときの算出パラメータ、たとえば、式「まぶしさ評価値R=瞳孔径の変化量×A+B」の定数AおよびBを読み出す。この自動的に読み出された前提算出パラメータを用いて、まぶしさ評価部12は、被験者のまぶしさ評価値Rを算出する。これにより、まぶしさ評価値Rを算出するときの算出式のパラメータを被験者ごとに一定(同一)にすることができる。そのため、まぶしさ評価値の信頼性を向上させることができる。
[第13実施形態]
次に、本発明の第13実施形態の照明評価システムを説明する。本実施の形態においては、上述した照明評価システムを構成する部分と同じ部分については同一符号が付されており、その同一の部分の説明は特に必要がない限り繰り返されない。
この照明器具200は、図13に示すように、上述した照明評価システムが有する機能としての瞳孔径算出部11及びまぶしさ評価部12を備える。さらに、照明器具200は、撮像部2と同じ機能を有する撮像部15を備える。さらに、照明器具200は、直接光切替部3と同じ機能を有するシャッタ部17を備える。
なお、シャッタ部17は、上述した直接光切替部3と同じ機能を有するが、照明部16の全体又は一部の照明光Lを通過させたり、遮蔽したり(オン、オフ)するように構成されている点で、上述した直接光切替部3と異なる。また、シャッタ部17は、直接光切替部3のように機械的なシャッタ機構であってもよく、電子的に制御されることにより光を通過させる状態と光を遮光する状態とに変化する液晶パネルで構成されていてもよい。
さらに、この照明器具200は、照明光を発する照明部16を備える。この照明器具200は、算出されたまぶしさ評価値Rに基づいて、照明部16から発する照明光を調整する。この照明器具200は、瞳孔径算出部11、まぶしさ評価部12、撮像部15、照明部16、及び、シャッタ部17が単一の筐体に収容されている。
この照明器具200は、シャッタ部17を制御することによって、照明部16から使用者に向かう直接光の状態を照射状態(オン)および非照射状態(オフ)のそれぞれに変更する。この直接光の状態が非照射状態から照射状態へ変化する過程において、照明器具200の撮像部15は瞳孔Eを撮像する。これにより、照明器具200の瞳孔径算出部11は、撮像部15によって撮像された瞳孔Eの画像データに基づいて、瞳孔径の時間変化のデータを作成する。また、照明器具200のまぶしさ評価部12は、瞳孔径の時間変化のデータに基づいて、まぶしさ評価値Rを算出する。
照明器具200は、照明評価部により算出されたまぶしさ評価値Rに基づいて、照明部16が発する光の状態を調整する調整部18を備えている。照明器具200の調整部18は、使用者が感じるまぶしさの程度(まぶしさ評価値R)が高い場合には、照明部16の輝度を低下させる。一方、照明器具200の調整部18は、使用者が感じるまぶしさの程度(まぶしさ評価値R)が低い場合には、照明部16の輝度を上昇させる。つまり、照明器具200の調整部18は、算出されたまぶしさ評価値Rに応じて、当該使用者が感じるまぶしさの程度が高過ぎることなくかつ明るさの程度が低過ぎることがない範囲内の状態に照明光の明るさを調整する。
このような照明器具200によれば、照明部16から発する照明光に対する使用者が感じるまぶしさの程度を計測することができる。これにより、照明器具200は、照明環境の条件としての輝度、配光、色温度などを調整する。それにより、使用者がまぶしく感じない程度の範囲で十分に明るい照明環境を構築することができる。
この照明器具200は、例えば図14に示すようなデスクライトに適用されもよい。この照明器具200は、本体201の上部に設けられた照明部16が照明光Lを発する。また、照明器具200は、本体201の下部に、撮像方向が上方に向けられた撮像部15を設置する。
このような照明器具200によれば、瞳孔Eを撮像部15により撮像しながら使用者が感じるまぶしさ評価値を算出する。これにより、照明器具200は、照明部16が発する照明光Lをまぶしくないように調整できる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
上述した実施形態においては、評価対象照明器具101から発せられる直接光L1のまぶしさ評価値を算出したが、他の対象についてまぶしさ評価値を算出してもよい。例えば、紙面での反射光またはディスプレイへの映り込み光のまぶしさ評価値を算出することができる。また、表示装置のバックライトの輝度設定の際にバックライトが発する光のまぶしさ評価値を算出することもできる。
この表示装置は、スマートフォンのように使用者を撮像するカメラを備え、カメラによって撮像された瞳孔の画像データに基づいて、まぶしさの程度を算出するものであってよい。これによれば、表示装置の画面が発する光の明るさを調節することができる。このような表示装置の場合、上述した実施形態の照明評価用プログラムは、アプリケーションソフトとしてスマートフォンの通信機能によってダウンロードされ得る。
照明器具に照らされた紙面で反射した光のまぶしさを評価する場合には、紙面で反射して瞳孔Eに向かう光が遮蔽対象の直接光となる。ディスプレイへの映り込み光のまぶしさを評価する場合には、ディスプレイ面で反射して瞳孔Eに向かう光が遮蔽対象の直接光となる。
以下、実施の形態の照明評価方法の特徴およびそれにより得られる効果を説明する。
(1) 照明評価方法は、次のステップ(i)〜(iv)を備えている。
(i) 照明器具101が瞳孔Eに直接光を当てていない非照射状態から照明器具101が瞳孔Eに直接光を当てている照射状態へ、照明器具101が発する光の状態を切り替えるステップ
(ii) 照明器具101が発する光の状態が非照射状態から照射状態へ変化する過程において、瞳孔Eを継続して撮像するステップ
(iii) 撮像された瞳孔Eの画像データを用いて、前述の変化する過程における瞳孔径の時間変化のデータを作成するステップ
(iv) 瞳孔径の時間変化のデータに基づいて直接光のまぶしさ評価値を算出するステップ
上記の方法によれば、光のまぶしさを数値化することにより、まぶしさの程度を評価することができる。
(2) 瞳孔Eを撮像するステップにおいては、瞳孔Eを撮像する撮像部2は、瞳孔Eを有する被験者の視界に入らないように設置されていることが好ましい。また、瞳孔Eを撮像する撮像部2は、照明器具101と撮像部2とが被験者に重なって見えることがない位置に設置されていることが好ましい。
上記の方法によれば、撮像部2の存在自体がまぶしさ評価値の信頼性を低下させることを防止することができる。
(3) 照明評価方法は、瞳孔径の時間変化のデータから最大瞳孔径および最小瞳孔径を抽出するステップを備えていてもよい。また、照明評価方法は、抽出された最大瞳孔径と最小瞳孔径とを用いて縮瞳率を算出するステップを備えていてもよい。この場合、まぶしさ評価値を算出するステップにおいては、瞳孔径の時間変化に基づいて算出された縮瞳率を用いてまぶしさ評価値を算出することが好ましい。
上記の方法によれば、体調の変化に起因して瞳孔径が変動したり、撮影距離がばらついていたり、瞳孔径の個人差があったりするなどのまぶしさ評価の精度を低下させる要因を極力排除することができる。そのため、まぶしさ評価値の信頼性を向上させることができる。
(4) 照明評価方法は、撮像するステップにおいて撮像された瞳孔Eの画像データを用いて、瞳孔Eの縦方向の縮瞳率と瞳孔Eの横方向の縮瞳率とを算出するステップを備えていてもよい。縦方向の縮瞳率と横方向の縮瞳率との差の値が所定の範囲内の値であるのか否かを判定するステップを備えていてもよい。この場合、判定するステップにおいて縦方向の縮瞳率と横方向の縮瞳率との差の値が所定の範囲内の値であると判定された場合に、まぶしさ評価値を算出するステップを実行することが好ましい。
上記の方法によれば、縦方向の縮瞳率と横方向の縮瞳率との差の値が所定値よりも大きい状態では、まぶしさ評価値を算出しない。そのため、まぶしさ評価値の信頼性を向上させることができる。
(5) 照明器具が発する光の状態を切り替えるステップにおいては、複数の照明器具101,102のそれぞれが発する光の状態を個別に非照射状態から照射状態へ変化させることが好ましい。
上記の方法によれば、複数の照明器具101,102のそれぞれから発せられた直接光L1a,L1bがまぶしさ評価値に与える影響を個別に評価することができる。
(6) 照明評価方法は、まぶしさ評価値を算出する前に、次のステップ(i)〜(iv)を有していることが好ましい。
(i) 基準となる直接光L1bを発するステップ
(ii) 基準となる直接光L1bの状態を非照射状態から照射状態へ切り替えた時の基準瞳孔径の時間変化のデータを作成するステップ
(iii) 作成された基準瞳孔径の時間変化のデータに基づいて、基準となるまぶしさ評価値を算出するステップ
(iv) 基準となる照明器具110と基準となるまぶしさ評価値とを用いて、まぶしさ評価部120がまぶしさ評価値を算出するときの算出式のパラメータを調整するステップ
上記の方法によれば、基準となる直接光L1bを用いて、まぶしさ評価値Rを算出するための算出式のキャリブレーションを行うことができる。
(7) 照明評価方法は、まぶしさ評価値を算出する前に、次のステップ(i)〜(v)を備えていることが好ましい。
(i) 被験者が直接光La1によって基準となるまぶしさを感じる輝度で縮瞳率が飽和状態になるグラフが描かれるように、直接光L1の所定照射時間を決定するステップ
(ii) 1回の直接光La1の照射においては所定照射時間だけ一定輝度の直接光La1を照射するという条件の下で、被験者に対して照明器具101が発する光の輝度を変化させながら、縮瞳率を複数回計測するステップ
(iii) 計測された複数の縮瞳率とその複数の縮瞳率にそれぞれ対応する複数の輝度との関係を示すグラフを作成するステップ
(iv) 作成されたグラフから縮瞳率が飽和状態になる輝度を抽出するステップ
(v) 縮瞳率が飽和状態になる輝度の直接光を照明器具101が所定照射時間だけ発するときに被験者が基準となるまぶしさを感じるという算出結果が得られるように、まぶしさ評価値Rの算出式のパラメータを決定するステップ
上記の方法によれば、被験者の体調または個人差に起因する影響が加味されたまぶしさ評価値を算出することができる。
(8) 照明評価方法は、瞳孔Eを含む眼の色のデータを取得するステップと、取得された眼の色のデータに応じてまぶしさ評価値を算出するときの算出式のパラメータを変更するステップと、を備えていることが好ましい。
上記の方法によれば、眼の色の相違に起因する影響が加味されたまぶしさ評価値を算出することができる。
(9) 照明評価方法は、撮像するステップにおいては、両眼のそれぞれの瞳孔EL,ERを撮像することが好ましい。照明評価方法は、まぶしさ評価値を算出するステップにおいては、両眼のそれぞれの瞳孔径の時間変化のデータに基づいて、まぶしさ評価値を算出することが好ましい。
上記の方法によれば、両眼のうちの一方の眼のみの瞳孔径の時間変化に基づいてまぶしさ評価値を算出する場合に比較して、まぶしさ評価値の信頼性が向上する。
(10) 照明評価方法は、背景の明るさを計測するステップと、計測された背景の明るさに応じてまぶしさ評価値を算出するときの算出式のパラメータを変更するステップと、を備えていることが好ましい。
上記の方法によれば、背景の明るさがまぶしさに与える影響が加味されたまぶしさ評価値を算出することができる。
(11)照明評価方法は、次のステップ(i)〜(ii)を備えていることが好ましい。
(i) 瞳孔Eの視線方向を計測するステップ
(ii) 計測された視線方向と前記照明器具との相対位置の関係を、算出されたまぶしさ評価値に対応するように記録するステップ
(iii) 視線方向の固定度が所定の程度よりも高い場合のまぶしさ評価値のみを用いて、最終まぶしさ評価値を決定するステップ
上記の方法によれば、視線方向とまぶしさ評価値との関係を知ることができる。また、まぶしさ評価値の信頼性を向上させることができる。
(12) 照明評価方法は、瞳孔
Eを撮像するステップにおいて、瞳孔とともに瞳孔の周囲の虹彩を撮像することが好ましい。照明評価方法は、次のステップ(i)〜(iii)を備えることが好ましい。
(i) 瞳孔Eを撮像するステップにおいて、瞳孔Eとともに瞳孔Eの周囲の虹彩を撮像するステップ
(ii) 予め撮像された複数の虹彩の画像データと瞳孔Eを撮像するステップにおいて撮像された虹彩の画像データを用いて、瞳孔Eを有する被験者を識別するステップと、
(iii) 識別するステップにおいて識別された被験者に応じてまぶしさ評価値Rを算出するときの算出式のパラメータを変更するステップ
上記の方法によれば、被験者ごとに固有の算出式を用いて、まぶしさ評価を行うことができる。そのため、まぶしさ評価の算出式を被験者ごとに一定にすることができるため、まぶしさ評価の信頼性を向上させることができる。
(13) 照明評価用プログラムは、コンピュータに、次のステップ(i)〜(iv)を実行させるためのものである。
(i) 照明器具101が瞳孔Eに直接光を当てていない非照射状態から照明器具101が瞳孔Eに直接光を当てている照射状態へ、照明器具101が発する光の状態を切り替えるように切替部3Aを制御するステップ
(ii) 照明器具101が発する光の状態が非照射状態から照射状態へ変化する過程において、瞳孔Eを継続して撮像するように撮像部2を制御するステップ
(iii) 撮像された瞳孔Eの画像データを用いて、前述の変化する過程における瞳孔径の時間変化のデータを作成するように瞳孔径算出部11を制御するステップ
(iv)算出された瞳孔径の時間変化のデータに基づいて直接光L1aのまぶしさ評価値を算出するようにまぶしさ評価部12を制御するステップ
(14) 照明器具101の製造方法は、照明器具101が発せられる光を評価する評価工程S12と、照明器具101が発する光の状態を調整する調整工程S13と、を備えている。評価工程S12が、次のステップ(i)〜(iii)を含んでいる。
(i) 照明器具101が瞳孔Eに直接光を当てていない非照射状態から照明器具101から瞳孔Eに直接光を当てている照射状態へ、照明器具101が発する光の状態を切り替えるステップ
(ii) 照明器具101が発する光の状態が非照射状態から照射状態へ変化する過程において、瞳孔Eを継続して撮像するステップ
(iii) 撮像された瞳孔Eの画像データを用いて、前述の変化する過程における瞳孔径の時間変化のデータを作成するステップ
作成された瞳孔径の時間変化のデータに基づいて直接光のまぶしさ評価値Rを算出するステップ
調整工程S13は、算出されたまぶしさ評価値Rに基づいて照明器具101が発する光の状態を調整するステップを含んでいる。
(15) 照明評価装置は、直接光切替部(シャッタ部17)、撮像部15、瞳孔径算出部11、およびまぶしさ評価部12を含んでいる。直接光切替部は、照明器具200が瞳孔に直接光を当てていない非照射状態から照明器具200が瞳孔に直接光を当てている照射状態へ、照明器具200が発する光の状態を切り替える。撮像部15は、照明器具200が発する光の状態が非照射状態から照射状態へ変化する過程において、瞳孔Eを継続して撮像する。瞳孔径算出部11は、撮像部15により撮影された瞳孔の画像データを用いて瞳孔径の時間変化のデータを作成する。まぶしさ評価部12は、瞳孔径算出部11により作成され瞳孔径の時間変化のデータに基づいて直接光のまぶしさ評価値を算出する。
(16) 照明器具200は、照明光を発する照明部16と、照明光のまぶしさを評価する照明評価部と、を備えている。照明評価部は、直接光切替部(シャッタ部17)、撮像部15、瞳孔径算出部11、およびまぶしさ評価部12を含んでいる。直接光切替部は、照明部16が瞳孔に直接光を当てていない非照射状態から照明部16が瞳孔に直接光を当てている照射状態へ、照明部16が発する光の状態を切り替える。撮像部15は、照明部16が発する光の状態が非照射状態から照射状態へ変化する過程において、瞳孔を継続して撮影する。瞳孔径算出部11は、撮像部15により撮影された瞳孔の画像データを用いて瞳孔径の時間変化のデータを作成する。まぶしさ評価部12は、瞳孔径算出部11により算出された瞳孔径の時間変化のデータに基づいて直接光のまぶしさ評価値を算出する。照明器具200は、照明評価部により算出されたまぶしさ評価値に基づいて、照明部16が発する光の状態を調整する調整部18をさらに備えている。
これによれば、照明評価部は、照明器具200の使用者が感じるまぶしさの程度を把握することにより、そのまぶしさの程度を自動的にかつ適切に調整することができる。
1 制御部
2、15 撮像部
3 直接光切替部
4 ミラー
5 背景輝度計測部
10 記憶部
10A 照明評価用プログラム
11 瞳孔径算出部
12 まぶしさ評価部
13 キャリブレーション処理部
14 視線方向計測部
16 照明部
17 シャッタ部
21 赤外線発光部
200 照明器具

Claims (16)

  1. 照明器具が瞳孔に直接光を当てていない非照射状態から前記照明器具が前記瞳孔に直接光を当てている照射状態へ、前記照明器具が発する光の状態を切り替えるステップと、
    前記照明器具が発する光の状態が前記非照射状態から前記照射状態へ変化する過程において、前記瞳孔を継続して撮像するステップと、
    撮像された前記瞳孔の画像データを用いて、前記変化する過程における瞳孔径の時間変化のデータを作成するステップと、
    作成された前記瞳孔径の時間変化のデータに基づいて前記直接光のまぶしさ評価値を算出するステップと、を備えた、照明評価方法。
  2. 前記瞳孔を撮像するステップにおいては、前記瞳孔を撮像する撮像部は、前記瞳孔を有する被験者の視界に入らないように設置されているか、または、前記照明器具と前記撮像部とが前記被験者に重なって見えることがない位置に設置されている、請求項1に記載の照明評価方法。
  3. 前記瞳孔径の時間変化のデータから最大瞳孔径および最小瞳孔径を抽出するステップと、
    抽出された前記最大瞳孔径と前記最小瞳孔径とを用いて縮瞳率を算出するステップと、をさらに備え、
    前記まぶしさ評価値を算出するステップにおいては、前記縮瞳率を用いてまぶしさ評価値を算出する、請求項1または請求項2に記載の照明評価方法。
  4. 前記撮像するステップにおいて撮像された前記瞳孔の画像データを用いて、前記瞳孔の縦方向の縮瞳率と前記瞳孔の横方向の縮瞳率とを算出するステップと、
    前記縦方向の縮瞳率と前記横方向の縮瞳率との差の値が所定の範囲内の値であるのか否かを判定するステップと、をさらに備え、
    前記判定するステップにおいて前記縦方向の縮瞳率と前記横方向の縮瞳率との差の値が所定の範囲内の値であると判定された場合に、前記まぶしさ評価値を算出するステップを実行する、請求項1〜3のいずれかに記載の照明評価方法。
  5. 前記照明器具が発する光の状態を切り替えるステップにおいては、複数の前記照明器具のそれぞれが発する光の状態を個別に前記非照射状態から前記照射状態へ変化させる、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の照明評価方法。
  6. 前記まぶしさ評価値を算出する前に、
    基準となる照明器具が基準となる直接光を発するステップと、
    前記基準となる直接光の状態を前記非照射状態から前記照射状態へ切り替えた時の基準瞳孔径の時間変化のデータを作成するステップと、
    作成された前記基準瞳孔径の時間変化のデータに基づいて、基準となるまぶしさ評価値を算出するステップと、
    前記基準となる照明器具と前記基準となるまぶしさ評価値とを用いて、前記まぶしさ評価部がまぶしさ評価値を算出するときの算出式のパラメータを調整するステップとを、備えた、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の照明評価方法。
  7. 前記まぶしさ評価値を算出する前に、
    被験者が前記直接光によって基準となるまぶしさを感じる輝度で縮瞳率が飽和状態になるグラフが描かれるように、前記直接光の所定照射時間を決定するステップと、
    1回の前記直接光の照射においては前記所定照射時間だけ一定輝度の前記直接光を照射するという条件の下で、前記被験者に対して前記照明器具が発する光の輝度を変化させながら、前記縮瞳率を複数回計測するステップと、
    計測された複数の前記縮瞳率と複数の前記縮瞳率にそれぞれ対応する複数の前記輝度との関係を示すグラフを作成するステップと、
    作成された前記グラフから前記縮瞳率が飽和状態になる輝度を抽出するステップと、
    前記縮瞳率が飽和状態になる輝度の前記直接光を前記照明器具が前記所定照射時間だけ発するときに前記被験者が前記基準となるまぶしさを感じるという算出結果が得られるように、前記まぶしさ評価値の算出式のパラメータを決定するステップと、を備えた、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の照明評価方法。
  8. 前記瞳孔を含む眼の色のデータを取得するステップと、
    取得された前記眼の色のデータに応じて前記まぶしさ評価値を算出するときの算出式のパラメータを変更するステップと、を備えた、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の照明評価方法。
  9. 前記撮像するステップにおいては、両眼のそれぞれの前記瞳孔を撮像し、
    前記まぶしさ評価値を算出するステップにおいては、前記両眼のそれぞれの前記瞳孔径の時間変化のデータに基づいて、前記まぶしさ評価値を算出する、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の照明評価方法。
  10. 背景の明るさを計測するステップと、
    計測された前記背景の明るさに応じて前記まぶしさ評価値を算出するときの算出式のパラメータを変更するステップと、を備えた、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の照明評価方法。
  11. 前記瞳孔の視線方向を計測するステップと、
    計測された前記視線方向と前記照明器具との相対位置の関係を、算出された前記まぶしさ評価値に対応するように記録するステップと、
    前記視線方向の固定度が所定の程度よりも高い場合の前記まぶしさ評価値のみを用いて、最終まぶしさ評価値を決定するステップと、をさらに備えた、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の照明評価方法。
  12. 前記瞳孔を撮像するステップにおいて、前記瞳孔とともに前記瞳孔の周囲の虹彩を撮像し、
    予め撮像された複数の虹彩の画像データと前記瞳孔を撮像するステップにおいて撮像された前記虹彩の画像データとを用いて、前記瞳孔を有する被験者を識別するステップと、
    前記識別するステップにおいて識別された前記被験者に応じてまぶしさ評価値を算出するときの算出式のパラメータを変更するステップと、をさらに備えた、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の照明評価方法。
  13. コンピュータに、
    照明器具が瞳孔に直接光を当てていない非照射状態から前記照明器具が前記瞳孔に直接光を当てている照射状態へ、前記照明器具が発する光の状態を切り替えるように切替部を制御するステップ、
    前記照明器具が発する光の状態が前記非照射状態から前記照射状態へ変化する過程において、前記瞳孔を継続して撮像するように撮像部を制御するステップ、
    撮像された前記瞳孔の画像データを用いて、前記変化する過程における瞳孔径の時間変化のデータを作成するように瞳孔径算出部を制御するステップ、
    作成された前記瞳孔径の時間変化のデータに基づいて前記直接光のまぶしさ評価値を算出するようにまぶしさ評価部を制御するステップ
    を実行させるための照明評価用プログラム。
  14. 照明器具が発せられる光を評価する評価工程と、
    前記照明器具が発する光の状態を調整する調整工程と、を備え、
    前記評価工程が、
    前記照明器具が瞳孔に直接光を当てていない非照射状態から前記照明器具から前記瞳孔に直接光を当てている照射状態へ、前記照明器具が発する光の状態を切り替えるステップと、
    前記照明器具が前記非照射状態から前記照射状態へ変化する過程において、前記瞳孔を継続して撮像するステップと、
    撮像された前記瞳孔の画像データを用いて前記変化する過程における瞳孔径の時間変化のデータを作成するステップと、
    作成された前記瞳孔径の時間変化のデータに基づいて前記直接光のまぶしさ評価値を算出するステップと、を含み、
    前記調整工程は、算出された前記まぶしさ評価値に基づいて前記照明器具が発する光の状態を調整するステップを含む、照明器具の製造方法。
  15. 照明器具が瞳孔に直接光を当てていない非照射状態から前記照明器具が前記瞳孔に直接光を当てている照射状態へ、前記照明器具が発する光の状態を切り替える直接光切替部と、
    前記照明器具が発する光の状態が前記非照射状態から前記照射状態へ変化する過程において、前記瞳孔を継続して撮像する撮像部と、
    前記撮像部により撮像された前記瞳孔の画像データを用いて瞳孔径の時間変化のデータを作成する瞳孔径算出部と、
    前記瞳孔径算出部により作成された前記瞳孔径の時間変化のデータに基づいて前記直接光のまぶしさ評価値を算出するまぶしさ評価部と、を備えた、照明評価装置。
  16. 照明光を発する照明部と、
    前記照明光のまぶしさを評価する照明評価部と、を備えた照明器具であって、
    前記照明評価部は、
    前記照明部が瞳孔に直接光を当てていない非照射状態から前記照明部が前記瞳孔に直接光を当てている照射状態へ、前記照明部が発する光の状態を切り替える直接光切替部と、
    前記照明器具が発する光の状態が前記非照射状態から前記照射状態へ変化する過程において、前記瞳孔を継続して撮像する撮像部と、
    前記撮像部により撮影された前記瞳孔の画像データを用いて瞳孔径の時間変化のデータを作成する瞳孔径算出部と、
    前記瞳孔径算出部により作成された前記瞳孔径の時間変化のデータに基づいて前記直接光のまぶしさ評価値を算出するまぶしさ評価部と、を含み、
    前記照明器具は、前記照明評価部により算出されたまぶしさ評価値に基づいて、前記照明部が発する光の状態を調整する調整部をさらに備えた、照明器具。
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