JP5008540B2 - 眼科機器 - Google Patents

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本発明は、被検眼の光刺激に対する応答状態を測定する眼科機器に関する。
眼科機器の中には、光刺激を与えてその応答(反応)を自覚的もしくは他覚的に得ることにより、視機能を検査する機器が存在する。視野計やERGがその代表的な例である。
一方、人の眼には瞳孔があり、強い光が眼内に入射したときには入射するエネルギーを制限するために収縮し、入射するエネルギーが小さければより多くのエネルギーを取得するために広げるというように、光の入射を調節する役割がある。
また、眼底画像を撮影する眼科機器において、瞳孔の大きさ、従って瞳孔径を測定して、瞳孔径により撮像手段のゲインを調整し、良好な画像を得る技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2005−87300号公報
上記に例としてあげた、「光刺激を与えてその応答(反応)を自覚的もしくは他覚的に得ることにより、眼機能を検査する機器」は、装置が出力するある一定量の光エネルギーに対する被検眼の応答状態を測定結果として出力している。ところが、上述したように装置側がある一定量の光エネルギーを放出しているとしても、被検眼に入射されるエネルギーは瞳孔を通過したもののみであるため、個人による異なる瞳孔面積の大きさにより、実際に眼内に入射されたエネルギーは異なって、被検眼の網膜上の照度が変化して、照射される光エネルギー量と、被検眼が実際に反応している光エネルギー量が異なり、測定結果が不正確なものとなってしまう不都合が生じる。これは、入射される光エネルギー量に対する被検眼の応答状態を検査することが目的であることから、特許文献1で示された撮像手段のゲインを調整することで解決できる問題ではなく、何らかの有効な対策が望まれている。
通常、こうした瞳孔径の変化による網膜上の照度変化は、刺激光以外の刺激が無い場合(測定視野全体を照明するための背景光等を使用しない場合)であれば、得られた結果に対し検出した瞳孔径と標準瞳孔径の面積比のみから測定結果に対する補正量を得ることが出来る。
例えば、標準瞳孔面積をDとし、検査時の被検者Aの測定された瞳孔面積が0.5Dで、被検者Aのあるポイントにおける応答時の刺激量をTとした場合、標準瞳孔面積に対する被検者の測定時における瞳孔面積の比は2であるため、刺激量をT/2として感度を計算することで容易に補正することが出来る。
しかし、一般的な視野計のように、測定に際して、一定の背景光の元で、所定の光エネルギーを有する刺激光を照射して当該刺激光に対する被検眼の応答状態を検査しようとする場合には、絶対値としての刺激量(網膜上の照度)の他に、背景光とのコントラストという要素が加わってしまうため、標準瞳孔径に対する面積比だけで計算してしまうと問題がある。
例えば、背景光による刺激量がB、刺激光による刺激量がS、標準瞳孔面積がDである測定ポイントにおいて、検査時の被検者Aの測定された瞳孔面積が0.5Dのときに、被検者の応答のあった刺激量がTであった場合、検査時の被検者Aの瞳孔面積と標準瞳孔面積の比率は1:2であるため、被検者Aの網膜上の照度は1/2となる。これは背景光、刺激光ともに1/2となるためであり、背景光と刺激光のコントラストは変わらず、単純に瞳孔を通過する光量だけが変化することとなる。
一般に、視野計における測定結果は、刺激量がどれだけかによって感度を計算しているが、これは、「背景光による刺激量が一定値である。」という前提の下に成り立っている。よって、面積比のみで計算をしてしまった場合、補正後の刺激量をT/2とした場合には、「背景光、刺激光ともに2倍の補正をかけた」ということを表しており、背景光の刺激量が倍増してしまい、望ましい補正としての「背景光は一定で刺激光のみ2倍にしたとき」とは異なる結果となり、正確な測定結果を得ることが出来なくなり、何らかの有効な対策が望まれる。
本発明は、上記した事情に鑑み、一定の背景光の元で、所定の光エネルギーを有する刺激光を照射して当該刺激光に対する被検眼の応答状態を検査する場合でも、被検眼の瞳孔径に応じて、正確な測定結果を得ることの出来る眼科機器を提供することを目的とするものである。
請求項1の発明は、一定の背景光の下、ランプ(2)からの1種類、又は2種類以上の異なる強さの刺激光を視標(19)として所定の測定ポイントから被検眼(40)の網膜上に照射し、前記刺激光に対する被検者の応答(応答スイッチ17の操作など)を取得して、該被検眼の前記測定ポイントにおける感度値(SNX)を演算することの出来る眼科機器(50)において、
前記一定の背景光の下で前記1種類、又は2種類以上の異なる強さの刺激光を視標として用いた際に、標準瞳孔径を有する被検眼で得られる感度値(SNX)に対応する、前記測定ポイントにおける前記被検眼の感度を複数の感度段階で表示した感度データベース(例えば、TBL1など)を格納したメモリ(30)、
前記一定の背景光の下、標準瞳孔径における感度値が既知の被検眼を用いて、瞳孔径(D1)を様々に変化させて測定した際に測定される見かけ上の感度値を、多数の被検者について予め測定しておき、ある形状パラメータ比(例えば、面積比nなど)の瞳孔径で測定された見かけ上の感度値を、標準瞳孔径における感度値に補正する際に必要な補正量(y)を補正量データベース(例えば、TBL2など)として格納したメモリ(30)、
前記検査すべき被検眼の瞳孔径(D1)を測定する瞳孔径測定手段(21,33,37,42など)、
前記測定された瞳孔径の前記標準瞳孔径に対する前記形状パラメータ比を演算する形状パラメータ比演算手段(43)、
前記被検眼の形状パラメータ比から前記補正量データベースを参照して、補正量を演算する補正量演算手段(21)、
前記被検眼の測定で得られた見かけ上の感度値を、前記演算された補正量で前記標準瞳孔径における感度値に補正し、該補正された標準瞳孔径における感度値を前記感度データベースと参照して、前記被検眼の感度段階を判定する感度段階判定手段(21)、
を有することを特徴として構成される。
なお、上記のメモリに格納している標準瞳孔径は、被検者の年齢、性別、視力に対応したデータベースとして格納しておき、検査すべき被検者の年齢、性別、視力に応じて、適宜メモリから対応する標準瞳孔径を読み出し、使用するように構成することが望ましい。
請求項2の発明は、前記眼科機器は、視野計で構成される。
請求項3の発明は、前記眼科機器は、ERG(Electroretinograph・網膜電位計)で構成される。
請求項1の発明によると、補正量データベースにより、ある形状パラメータ比の瞳孔径で測定された見かけ上の感度値を、標準瞳孔径における感度値に補正する際に必要な補正量を求め、当該補正量に基づいて、被検眼の測定で得られた見かけ上の感度値を補正して、感度データベースからその感度段階を、標準瞳孔径をベースに判定することが可能となり、一定の背景光の元で、所定の光エネルギーを有する刺激光を照射して当該刺激光に対する被検眼の応答状態を検査する場合でも、被検眼の瞳孔径に応じて、正確な測定結果を得ることが出来る。
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
以下、図面に基づき、本発明の実施例を説明する。
図1は、眼科機器の一つである視野計の構造の一例を示す図、図2は、図1の視野計の瞳孔径測定部分の詳細を示す模式図、図3は、瞳孔径の測定に際して取得される被検眼画像の一例を示す図、図4は、各測定ポイントにおける年齢別正常感度分布データの一例を示す図、図5は、被検眼の見かけ上の感度値に対する補正量を求める補正関数の一例を示す図である。
眼科機器の一つである視野計50は、図1に示すように、半球状の視野ドーム18を有しており、視野ドーム18の中心位置に被検者のためのあご台(不図示)が配置される。測定時には不図示のアライメント機構を介して被検眼40が視野ドーム18の中心に位置するようにあご台の位置がアライメントされる。視野ドーム18内部には背景照明用のランプ16が、2カ所に配置されている。
被検者は、ランプ16からの背景光により一定の明るさで照明された視野ドーム18内側の投影面に投影された視標19の注視を求められ、それが視認できた場合には何らかの適当な方法(応答スイッチ17の操作、あるいは音声による応答)で検査者に応答を返す。
視標19を投影するために、図1では符号5で示す視標投影機構が配置されている。符号2は光源としての視標投影ランプ(ハロゲンランプ)で、その後方には反射鏡1が配置されている。視標投影ランプ2の光は集光レンズ3、視標板4を経てリレーレンズ8に入射する。視標板4は視標の大きさを決めるためのもので、開口が複数設けられ、後述のCPU21の制御により適当なサイズの開口が光軸上に移動されるようになっている。さらに、リレーレンズ8を通って、フォーカスレンズ9、シャッタ10(の開口)を経て、ミラー11で反射され、リレーレンズ12を経由してミラー13で反射される。なお、視標投影ランプとしては、ハロゲンランプのかわりに発光ダイオードを使用することも出来、この場合、反射鏡1は不要となる。
本実施形態では、視標19の投影位置を制御するために、2つのミラー14A、ミラー14B、が設けられ、不図示のモータなどの駆動機構を介してその回動位置がCPU21により制御される。そして最終的に視標19がプロジェクターレンズ15を介して視野ドーム18の投影面に投影される。
本実施形態の視野計は、CPU21の制御により視標の投影機構5をあらかじめ定められたプログラムにしたがって制御することにより自動視野計として用いることができる。
また、図2に示すように、被検眼40が前述のあご台により位置決めされる視野ドーム18の中央位置より、該視野ドーム18の水平方向右方の、最奥部には、モニタ穴19aが穿設されており、その図中右方には、ビームスプリッタ31が設けられている。ビームスプリッタ31の図中上方の光路35上には、1個以上のレンズ32を介して写し込み視標が記載された視標板33及び光源としてのランプ34が設けられており、またビームスプリッタ31の図中下方の光路35上には、結像レンズ36を介してCCDカメラ37が設けられている。また。ビームスプリッタ31の図中右方の光路35上には、LEDなどからなる固視用光源39が設けられている。
本実施形態の視野計の制御系は以下のように構成されている。CPU21は、I/Oポート28を介して、上記の視標の投影機構(1〜15)に含まれるモータ、ソレノイドなどを制御し、また、上記の応答スイッチ17などの情報を入力する。更に、前述のCCDカメラ37には、画像処理部42,瞳孔径演算部43を介して、前述のI/Oポート28が接続している。
また、CPU21には、LCDやCRTなどの表示装置から成るモニタ26が接続されており、このモニタ26は検査データの出力、設定時のメニュー表示などに用いられる。また、モニタ26の画面上にはタッチパネル29(座標検出方式は任意)が配置され、このタッチパネル29は指や専用の入力ペンによりメニュー選択、視標投影位置の座標入力に用いることができる。
検査者は、上記のタッチパネル29、あるいはキーボード27を用いて検査を制御することができ、検査プログラムの1つを指定し、検査開始の操作入力を行うことにより、定められた検査プログラムにしたがって視標投影位置が制御され、またその際の応答スイッチ17による応答が入力される。検査中、発生した検査結果に関するデータはRAM、ハードディスクなど任意の記憶装置から成るメモリ22、30に記憶され、また、必要に応じてモニタ26に表示し、プリンタ20で印刷、もしくは電子ファイルとして外部機器へ出力することができる。
視野の測定に際しては、公知の方法で、視標板4に配置された視標が、視野ドーム18内の適宜な位置に投影され、当該投影された視標を認識した被検者は、応答スイッチ17を所定の制限時間内に操作することにより、CPU21は当該投影された視標19を被検者が認識したことを認識する。視野測定は、視野ドーム内の多数の測定点について、視標19を所定の提示時間間隔で投影提示して、被検者がそれら視標をどの程度認識したかにより、公知の手法で演算される。
なお、この視野測定に際して、検査者は、視野を測定すべき被検者に対して行う検査を、キーボード27又はタッチパネル29を介して選択入力する。視野計50のメモリ22(または30)には、当該視野計50で行うことの出来る複数の視野検査方法が、検査プログラムとして選択可能に格納されており、検査者は、モニタ26上に表示される、複数の検査方法の中から、適当な検査を選択することが出来る。
また、メモリ22(又は30)には、被検者の検査データが、各被検者のIDナンバーなどの識別情報と共に被検者測定情報PIとして格納されており、被検者測定情報には、当該被検者の症状などによって、検査すべきポイント、即ち、眼底の乳頭周辺、黄斑、上鼻側など、その症状、種類、病状の進行状態によって検査ポイントが設定され格納されている。また、被検者測定情報PIには、そのほかにも、被検者の氏名、年齢、性別、検査する際の検査方法や、検査パターン、過去の検査結果などが格納され、各被検者のIDから、任意にそれらのデータをメモリから読み出してモニタ26に表示したり、今後の検査の際のデータとして利用したりすることが出来る。
眼科機器としての視野計50は、以上のような構成を有するので、被検眼40の視野を計測する場合には、まず検査前に被検眼40が視野ドーム18の中心に位置するように、図示しないあご台を調整して位置決めする。即ち、検査者はタッチパネル29を操作して図2に示す固視用光源39を点灯させる。固視用光源39から射出された光線は光路35を介してビームスプリッタ31を通過して被検眼40方向に透過し、被検眼40により認識することが出来る。この時、被検眼40の画像が、光路35に沿って、ビームスプリッタ31から図中下方の結像レンズ36を介してCCDカメラ37に入り、図3に示すように、被検眼画像IMが画像処理部42により取得される。
また、同時に、ランプ34を点灯して、視標板33,レンズ32,ビームスプリッタ31、結像レンズ36を介して、視標板33に配置された視標TGの映像をCCDカメラ37に投影する。すると、CCDカメラ37により取得される被検眼画像IMは、図3に示すように、視標TGと被検眼40の画像が重なり合った状態の画像となる。視標TGはCCDカメラ37に取得される画像(画面)の中心に位置するように視標板33上に予め配置されている。また、視標TGは、図3に示すように、例えば4個の90度間隔で放射状に配置された棒状のセグメントSGから構成されており、これら4個のセグメントSGの延長線が交差する中央位置CTが、ドーム18の中心位置に対応するようになっている。なお、CCDカメラ37に写しこまれるセグメントSGは、上述のような光学的に写しこむ方法に代えて、電子的に写しこむ方法を用いても良い。
この状態で、検査者は、図示しないあご台の位置を調整して、被検眼40の位置を図2の上下及び紙面と直交する方向に移動させて、CCDカメラ37により補足される被検眼画像IMの瞳孔(図中黒い丸の部分)40aの中心が、視標TGの4本のセグメントSGの延長線が交差する中央位置CTに位置するように調整する。
被検眼画像IMの瞳孔40aの中心が、視標TGの4本のセグメントSGの延長線が交差する中央位置CTに位置決めされたところで、検査者がタッチパネル29を操作して、CPU21を介して瞳孔径演算部43に対して、被検眼40の瞳孔径D1を演算するように指令する。瞳孔40a部分は、被検眼画像IM上で、周囲の虹彩40b部分に比して、黒っぽく、明度が低い状態で認識されるので、画像処理により瞳孔径D1を演算することは、公知の方法を用いて容易に行うことが出来る。
被検眼40の瞳孔径D1が演算測定されたところで、CPU21は、所定の測定プログラムに従って、被検眼40の測定時の瞳孔径D1の標準瞳孔径DSに対する形状比を、形状パラメータ比として演算して求める。即ち、CPU21は被検眼40の瞳孔面積S1を算出し、当該被検眼40の瞳孔面積S1と、予めメモリ30に格納されている標準瞳孔径DSの標準瞳孔面積SSの面積比nを、
n=S1/SS …………(1)
で演算して求める。
また、標準瞳孔面積SSは、多くの被検者の被検眼40の瞳孔径D1の実測データから求めた平均的な瞳孔面積であり、予め統計的に測定されメモリ30に格納されている。
次に、CPU27は、ランプ2を駆動して、ランプ2を、メモリ30から読み出した所定の出力で駆動する。ランプ2は、駆動出力に応じた輝度で駆動され、ランプ2からは、当該輝度に対応する光エネルギーが被検眼40に向けて照射される。
即ち、CPU21は、一定の背景光の下、ランプ2の輝度(刺激値)を、1種類以上の異なる強さに段階的に変化させて、その際の被検者の応答から、被検眼40の感度SNを、ランプ2の輝度と対応させた形で測定する。いま、被検者が視野ドーム18の内面の固視点を固視している状態で視野計を起動すると、CPU21は視標投影機構5を介して視野ドーム18の様々な位置に視標19を順次表示して行く。被検者は、視標19を認識した場合に応答スイッチ17を操作し、視標19を認識できなかった場合には応答スイッチ17を操作しないが、視標19の表示位置に基づき、被検者の視野および当該表示位置での被検眼40の感度SNを測定することができる。
即ち、所定の輝度(刺激値)を有する視標が提示されても被検者からの応答が無かった場合には、視標の表示位置はそのままで視標表示輝度を上げ、再度、被検者からの応答を待つ。例えば、3段階の視標表示輝度の視標を表示するようにした視野計の場合は、各測定ポイントにおける被検者の感度SNを次の4段階に分類できる。すなわち、
(1) 最も暗い視標(例えば、ランプ2の輝度K1)を最初に提示し、それに対して被検者から“見えた”との応答があった段階(「段階A」と称する)。なお、この場合、当該測定ポイントにおける被検眼40の感度SNの値は、例えば、K1となる。
(2) (1)の応答は無く、少し明るい(例えば、ランプ2の輝度K2>K1)視標19を提示し、それに対して被検者から“見えた”との応答があった段階(「段階B」と称する)。なお、この場合、当該測定ポイントにおける被検眼40の感度SNの値は、例えば、K2となる。
(3) (2)の応答は無く、さらに明るい(例えば、ランプ2の輝度K3>K2)視標19を提示し、それに対して被検者から“見えた”との応答があった段階(「段階C」と称する)。なお、この場合、当該測定ポイントにおける被検眼40の感度SNの値は、例えば、K3となる。
(4) 被検者がいずれの視標も視認できず、被検者から(1)(2)(3)の応答も無かった段階(「段階D」と称する)。この場合、当該測定ポイントにおける被検眼40の感度SNの値は、例えば、“0”となる。
こうして、被検眼40の応答状態から、各測定ポイントにおける被検眼40の感度SNを4段階に設定して、段階A〜Dからなる被検眼40の感度分布図を作成したり、各段階を測定した際の感度SNの感度値、K1〜K3及び0を、各測定ポイントに対応する形で記録した形の感度分布図を作成したりすることができる。
一方、ランプ16による背景光の下、ランプ2が所定の出力(刺激値)で駆動されると、背景光及びランプ2からの刺激光が、瞳孔径D1の被検眼40を通過して、検査すべき被検眼40の網膜上に照射される。この際、背景光及び刺激光共に、被検眼40の瞳孔40aを通過し、その光エネルギーは共に、標準瞳孔径DSの標準瞳孔面積SSの面積比nだけ減少される形となる。この状態で、被検眼40の応答を取得測定して、被検眼40の感度SNを得ようとすると、本来、一定の背景光の下で、所定の刺激値を有する刺激光に対する被検眼40の応答を取得するはずの検査が、標準瞳孔径DSに対して変化した瞳孔径D1によりその応答状態が変化し、本来の刺激値に対する反応に基づく感度SNとは異なった、従って、面積比nにより共に減少された背景光と刺激光下での被検眼の応答という、見かけ上の感度SNが得られることとなる。
そこで、各測定ポイントの被検眼40の感度SNの測定に際して、CPU21は、得られた被検眼40の見かけ上の感度SNを補正する処理を行う。
ところで、メモリ30には、図4に示すように、視野ドーム18の各測定点について設定された、標準瞳孔径DSに対する年齢別の正常感度分布が、被検者測定情報PIに示された被検者の年齢及びp値に応じた形で格納されている。図4に示す正常感度分布表TBL1の各欄に記載された「……」部分には、具体的な被検眼40の感度SNの値SNXが格納されているが、図4ではその表示を省略している。標準瞳孔径DSに対する年齢別の正常感度分布は、必ずしも図4に示すような表の形でなくても良く、適宜な関数、アルゴリズムなどで表示される形でも良い。
なお、図4において、p値とは、健常眼の視野検査データベースから統計的に算出される値であって、例えば、「p値が5%」とは、「被検者が正常者で有る場合、その視標提示位置の視標輝度を視認できる被検者が95%(つまり、100−p値)だけ存在する」ということを意味する。「p値が5%」となるための被検眼40の感度SNは、年齢、視標提示位置などにより変化するが、視標を視認できれば、必ず95%の中にその被検者が入っているということを意味する。従って、図4の場合、p値が、例えば、(1)p≧5%、(2)2%≦p<5%、(3)1%≦p<2%、(4)0.5%≦p<1%、(5)p<0.5%となる5段階の感度範囲に、被検者が反応した際のランプ2の輝度(被検眼40の感度の値(以下、単に「感度値」と称する)SNX)に基づいて測定結果を分類演算して、被検者の年齢に応じて被検眼40の当該測定点における感度を5段階で判定することが出来る。なお、この感度段階の区切りとなる感度値SNXの設定は、検査目的に応じて任意に行うことが出来、また感度段階の数も任意である。
この判定に際して、CPU21は、まず測定に際して演算取得された、標準瞳孔径DSの標準瞳孔面積SSの面積比nに基づいて、図4に当てはめるべき感度値SNXを演算して求める。
メモリ30には、例えば図5に示すように、一定の背景光の下、標準瞳孔径DSにおける感度値SNXが既知である被検眼40を用いて、瞳孔径D1(面積比n)を様々に変化させて測定した際に、測定される見かけ上の感度値SNXを、多数の被検者について予め測定しておき、ある面積比n(形状パラメータ比)の状態の被検眼40で測定された見かけ上の感度値SNXを、標準瞳孔DSにおける感度値SNXに補正する際に必要な補正量yをデータベース化したものを、関数、数値、アルゴリズムなどの形で、補正表(補正量データベース)TBL2として格納している。なお、補正量yは、標準瞳孔径に対する測定された被検眼40の瞳孔40aの大きさを示す形状パラメータ比に対するものであれは、どのようなものでも良く、面積比nに対応する形で表現する他に、標準瞳孔径DSと測定された瞳孔径D1の長さの比に対応する形で表現しても良い。
図5の補正表TBL2の場合、補正量yを、被検者の年齢別(必ずしも、年齢別である必要はなく、測定精度に応じて、全年齢一律の補正量yでも可)にデータベース化した形で補正表TBL2として格納している。これにより、被検者の年齢と測定時の被検眼瞳孔40aの標準瞳孔径DSに対する形状パラメータ比である面積比nが分かれば、見かけ上の感度値SNXに対する補正量yは、直ちに演算される。
従って、CPU21は、被検者の反応から得られた、見かけ上の被検眼の感度値SNXを、演算された補正値yで補正して標準瞳孔径DSに対する感度値SNXに変換し、当該変換補正された感度値SNXを、正常感度分布表TBL1に当てはめて、対応する感度段階に分類する。
この場合、被検眼40の見かけ上の感度値SNXの測定は、背景光及び刺激光の光エネルギーが面積比nの瞳孔40aにより、均等に減少された形で行われるが、面積比nに応じた補正量yが補正表TBL2から求められ、標準瞳孔径DSでの測定結果に変換されるので、一定の背景光を用いた状態で、被検眼瞳孔40aが標準瞳孔径DSよりも収縮した状態で測定された場合においても、正確な感度段階の取得が可能となる。
こうして視野ドーム18の各測定点で、視野計50による被検眼40の視野の測定を行うが、当該測定方法は公知の手法であることから、ここでは、その詳細な説明は省略する。
上述の実施例は、眼科機器としての視野計50に本発明を適用した場合について述べたが、本発明は、一定の強さの背景光の下、所定の光エネルギーを有する刺激光を照射して当該刺激光に対する被検眼の応答状態を検査する必要のある眼科機器であればどのような機器にでも適用が可能であり、例えば、網膜の黄班部の機能を検査するERG(Electroretinograph)、VEP(Visual Evoked Potential)、VER(Visual Evoked Response)などの眼科機器にも適用が可能である。
図1は、眼科機器の一つである視野計の構造の一例を示す図。 図2は、図1の視野計の瞳孔径測定部分の詳細を示す模式図。 図3は、瞳孔径の測定に際して取得される被検眼画像の一例を示す図。 図4は、各測定ポイントにおける年齢別正常感度分布データの一例を示す図。 図5は、被検眼の見かけ上の感度値に対する補正量を求める補正関数の一例を示す図である。
符号の説明
2……ランプ
19……視標
21……瞳孔面積演算手段、形状パラメータ比演算手段、補正量演算手段、感度段階判定手段(CPU)
30……メモリ
33……瞳孔径測定手段(視標版)
37……瞳孔径測定手段(CCDカメラ)
40……被検眼
42……瞳孔径測定手段(画像処理部)
43……瞳孔径測定手段(瞳孔径演算部)
50……眼科機器(視野計)
D1……瞳孔径
SNX……感度値
TBL1……感度データベース(正常感度分布表)
TBL2……補正量データベース

Claims (3)

  1. 一定の背景光の下、ランプからの1種類、又は2種類以上の異なる強さの刺激光を視標として所定の測定ポイントから被検眼の網膜上に照射し、前記刺激光に対する被検者の応答を取得して、該被検眼の前記測定ポイントにおける感度値を演算することの出来る眼科機器において、
    前記一定の背景光の下で前記1種類、又は2種類以上の異なる強さの刺激光を視標として用いた際に、標準瞳孔径を有する被検眼で得られる感度値に対応する、前記測定ポイントにおける前記被検眼の感度を複数の感度段階で表示した感度データベースを格納したメモリ、
    前記一定の背景光の下、標準瞳孔径における感度値が既知の被検眼を用いて、瞳孔径を様々に変化させて測定した際に測定される見かけ上の感度値を、多数の被検者について予め測定しておき、ある形状パラメータ比の瞳孔径で測定された見かけ上の感度値を、標準瞳孔径における感度値に補正する際に必要な補正量を補正量データベースとして格納したメモリ、
    前記検査すべき被検眼の瞳孔径を測定する瞳孔径測定手段、
    前記測定された瞳孔径の前記標準瞳孔径に対する形状パラメータ比を演算する形状パラメータ比演算手段、
    前記被検眼の形状パラメータ比から前記補正量データベースを参照して、補正量を演算する補正量演算手段、
    前記被検眼の測定で得られた見かけ上の感度値を、前記演算された補正量で前記標準瞳孔径における感度値に補正し、該補正された標準瞳孔径における感度値を前記感度データベースと参照して、前記被検眼の感度段階を判定する感度段階判定手段、
    を有することを特徴とする眼科機器。
  2. 前記眼科機器は、視野計である、請求項1記載の眼科機器。
  3. 前記眼科機器は、ERG(Electroretinograph・網膜電位計)である、請求項1記載の眼科機器。
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