JP2015157309A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピンホール性欠陥を更に抑制する。【解決手段】鋳型11の長辺に平行な方向のローレンツ力密度成分を電磁攪拌装置13の構成要素である鉄芯コア13aが存在する範囲で平均化した値をLx( N/m3)と、鋳型11の短辺に平行な方向のローレンツ力密度成分を前記鉄芯コア13aが存在する範囲で平均化した値をLy( N/m3)とした場合、F=Lx−α・Lyによって算出される実効ローレンツ力密度F( N/m3)と電磁攪拌装置13の電流周波数(Hz)との関係を求める。実効ローレンツ力密度Fの最大値Fmax から0.9Fmax の範囲の電磁攪拌電流の周波数を用いて鋼の連続鋳造を行う。【効果】鋳片表層にArガスの気泡が寄せ集められることを可能な限り抑制できるので、ピンホール性欠陥を更に抑制することができる。【選択図】図7

Description

本発明は、鋳型に設置される電磁攪拌装置の操業を最適に行って鋼を連続鋳造する方法に関するものである。
連続鋳造により製造した鋳片表層の品質を劣化させる主な原因として、ピンホール性欠陥が挙げられる。このピンホール性欠陥は、連続鋳造時における浸漬ノズルの閉塞を抑制するために浸漬ノズルに吹き込まれるArガスが鋳型内の溶鋼中に入り込み、凝固シェルに捕捉されることによって発生する。
前記ピンホール性欠陥を抑制する方法としては、鋳型に電磁攪拌装置を設置することが有効であり、電磁攪拌装置の操業因子としては、溶鋼流速、浸漬ノズル、溶鋼スループットやローレンツ力等が挙げられる。
これらの操業因子を適切な範囲とするものとして、例えば下記の技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、鋳型内溶鋼中に入り込んだArガスの気泡が凝固シェルに捕捉されないようにするため、メニスカス位置での電磁攪拌流速を10〜60cm/s とする技術が開示されている。
また、特許文献2には、浸漬ノズルと鋳型長辺との距離、浸漬ノズルの浸漬深さ、溶鋼スループット量、凝固界面における磁束密度等のパラメータを用いて、凝固界面近傍のArガスの気泡の存在数を抑制する技術が開示されている。そして、特許文献2には、浸漬ノズルと鋳型長辺との距離の変更を、浸漬ノズルや鋳型の形状を変更することで行うことが記載されている。
また、特許文献3には、Arガスの気泡の浮上を促進して溶鋼中へのモールドパウダーの巻き込みを回避するために、鋳型長辺に平行な方向の電磁力の平均値が3000〜12000 N/m3、鋳型短辺に平行な方向の局所値が−2000〜20000 N/m3、鋳片の引き抜き方向の局所値が−1000〜1000 N/m3となるように電磁力を加える技術が開示されている。
前記特許文献1〜3で開示された技術を適用することによって、ピンホール性欠陥はある程度抑制される。しかしながら、ピンホール性欠陥が皆無となることはなく、ユーザーから求められる鋼板の表面品質は益々厳格化しているので、更にピンホール性欠陥を抑制する技術が必要となってきている。
鋼の連続鋳造において、電磁攪拌装置はピンホール性欠陥の抑制に対して最も効果がある装置であり、前記特許文献1〜3で開示された技術でも、電磁攪拌装置によって発生させる電磁力や、電磁力によって発生する溶鋼流速の適切な範囲が詳しく検討されている。
しかしながら、電磁攪拌装置は、鋳型内溶鋼中にローレンツ力を発生させて溶鋼を流動させる装置であり、このローレンツ力は、導電性を有する溶鋼にのみ発生し、Arガスの気泡等の導電率が極めて低いもの(一般的に絶縁体と呼ばれるもの)には発生しない。
従って、Arガスの気泡は鋳型内の溶鋼と相対的に反対方向に移動する。つまり、電磁攪拌装置によって発生する電磁力には、図8に示すように、Arガスの気泡を鋳片表層に寄せ集めてピンホール性欠陥を増加する負の成分も含まれている。
この溶融金属中に含まれるArガスの気泡を鋳片表層に寄せ集める電磁力の成分は、「電磁斥力」や「電磁アルキメデス力」とよばれ、非特許文献1に詳しく説明されている。なお、図8中の1は鋳型壁面、2は凝固シェル、3は凝固界面、4はArガスの気泡を示し、また、白抜き矢印はローレンツ力を、通常の矢印は電磁斥力を示す。
特開平6−605号公報 特開2007−216288号公報 特開2010−240687号公報
鉄と鋼,Vol.83(1997) No.1, p.30〜35
本発明が解決しようとする問題点は、鋼を連続鋳造する際の鋳型内溶鋼の電磁攪拌において、従来技術の場合、電磁攪拌装置によって発生する電磁斥力に着目し、好適な電磁攪拌条件を決定する発想はなかったという点である。
本発明は、鋳型内溶鋼を電磁攪拌する際に発生する電磁斥力を可能な限り小さくできるように、電磁攪拌装置の最善な電流周波数を決定することによって、ピンホール性欠陥を更に抑制することを目的としている。
本発明は、後述する発明者の検討結果に基づいてなされたものであり、
鋳型に設置した電磁攪拌装置を用いた鋼の連続鋳造において、
鋳型長辺に平行な方向のローレンツ力密度成分を前記電磁攪拌装置の構成要素である鉄芯コアが存在する範囲で平均化した値をLx( N/m3)と、
鋳型短辺に平行な方向のローレンツ力密度成分を前記鉄芯コアが存在する範囲で平均化した値をLy( N/m3)とした場合、
下記式によって算出される実効ローレンツ力密度F( N/m3)と電磁攪拌装置の電流周波数(Hz)との関係を求め、
前記実効ローレンツ力密度Fの最大値Fmax から0.9Fmax の範囲の電磁攪拌電流の周波数を用いることを最も主要な特徴としている。
F=Lx−α・Ly
但し、α:電磁斥力の悪影響度を示す係数(=3〜7)
上記本発明では、鋳型内溶鋼を電磁攪拌する際に発生する電磁斥力を可能な限り小さくできるように、電磁攪拌装置の最善な電流周波数を決定するので、鋳片表層にArガスの気泡が寄せ集められることを可能な限り抑制することができる。
本発明によれば、鋳片表層にArガスの気泡が寄せ集められることを可能な限り抑制できるので、従来技術を用いた鋼の連続鋳造方法よりも、ピンホール性欠陥を更に抑制することができる。
本発明の鋼の連続鋳造方法に使用する鋳型と電磁攪拌装置について説明する図で、鋳型を上方向から見た図である。 数値解析シミュレーションによって得られた、鉄芯コアの鋳片引抜方向中心位置におけるローレンツ力密度の分布を示した図である。 鋳型長辺と平行な方向におけるローレンツ力密度成分を、電磁攪拌装置の鉄心コアが存在する範囲で平均化した値Lxと電流周波数の関係を示した図である。 鋳型短辺と平行な方向におけるローレンツ力密度成分を、電磁攪拌装置の鉄心コアが存在する範囲で平均化した値Lyと電流周波数の関係を示した図である。 Ly/Lxと電流周波数の関係を示した図である。 数値解析により、電流周波数による凝固界面での単位面積当たりのピンホール個数(個/m2)の変化を検討した結果を示した図である。 電磁斥力の悪影響度を示す係数αを5とした場合の実効ローレンツ力密度Fの周波数依存性を示した図である。 電磁斥力について説明する図である。
本発明は、ピンホール性欠陥を更に抑制するという目的を、鋳型内溶鋼を電磁攪拌する際に発生する電磁斥力を可能な限り小さくできるように、電磁攪拌装置の最善な電流周波数を決定することによって実現した。
発明者は、連続鋳造機の鋳型に設置された電磁攪拌装置の操業により鋳型内に発生する電磁斥力について詳細に検討した結果、電磁斥力を抑制することでピンホール性欠陥の低減が可能であることを見出した。
そして、電磁斥力を抑制して凝固界面近傍にArガス気泡を寄せ付けない電磁力印加方法について発明者がさらに検討を行った結果、電磁力を印加する際の適切な電流周波数が存在することが明らかになった。
前記検討に際して使用した鋳型と電磁攪拌装置は、鋳型を上方から見た場合に、図1に示すような一般的な形状及び極性の、特許文献3で説明されたものと同じものである。図1中の11は銅鋳型(以下、単に鋳型ともいう。)、12は浸漬ノズル、13は電磁攪拌装置、13aは電磁攪拌装置13を構成する鉄芯コア、13aaは鉄心コア13に形成したティース部、13bは鉄芯コア13aの外周に巻き付けた巻き線を示す。
図2は、数値解析シミュレーションによって得られた、鉄芯コアの鋳片引抜方向中心位置におけるローレンツ力密度の分布を示したものである。ここでは、ローレンツ力密度とは、単位溶鋼体積当りの電磁力( N/m3)を意味する。
図2に示したローレンツ力密度の分布は、幅1200mm×厚さ250mmの鋳片サイズで、鋳型を形成する銅板の厚みが25mm、鋳型の導電率を1.9×107 S/m として数値解析シミュレーションを行った結果である。
図2に示したローレンツ力密度分布は、鋳型内の溶鋼を反時計まわり方向に攪拌する分布となっており、鋳型11の壁面近傍で鋳型11の長辺方向に沿った大きなローレンツ力が発生している。
図2より明らかなように、前記鋳型の壁面に沿ったローレンツ力は、鋳型の内部を向いた成分も多く有している。このような鋳型の内部を向いたローレンツ力は、Arガスの気泡に対しては鋳型の壁面に向かう電磁斥力として作用する。すなわち、Arガスの気泡は、電磁斥力により凝固シェル界面近傍に輸送され、ピンホール性欠陥が増加する。
ローレンツ力密度の分布は、EMS(電磁攪拌:Electro-Magnetic Stirrer)電流値を増加させても変化しない。すなわち、電磁攪拌装置の電流値を増加させて流速を増加させた場合、凝固シェル界面に捕捉されるピンホールの洗浄効果によってピンホール性欠陥の抑制効果は得られるが、電磁斥力による凝固シェル界面へ向かうArガス気泡の増加によるピンホール性欠陥も増加する。
発明者が検討を行った結果、以下に説明するように、ローレンツ力の鋳型内部を向いた成分を低減させるためには、電磁攪拌装置の電流周波数を変更することが非常に効果的であった。
図3は、鋳型長辺に平行な方向のローレンツ力密度成分を電磁攪拌装置の鉄芯コアが存在する範囲で平均化した値Lx( N/m3)と電流周波数(Hz)の関係を示した図である。鋳型長辺に平行な方向の前記値Lxは、電磁攪拌による溶鋼の旋回方向と同じ方向のローレンツ力を正、反対方向のローレンツ力を負として算出した。
具体的には、図2において、鋳型の短辺中心よりも紙面上方の領域では、紙面左方向のローレンツ力密度を正、紙面右方向のローレンツ力密度を負とし、鋳型の短辺中心よりも紙面下方の領域では、紙面右方向のローレンツ力密度を正、紙面左方向のローレンツ力密度を負として算出した。
図3より、鋳型の長辺に平行な方向の前記値Lxの最大値は、電流周波数が2.3〜2.5Hzの範囲に存在し、攪拌流速を最大限とするためには、この2.3〜2.5Hzの電流周波数を選定すべきであることになる。
図4は、鋳型短辺に平行な方向のローレンツ力密度成分を前記鉄芯コアが存在する範囲で平均化した値Ly( N/m3)と電流周波数(Hz)の関係を示した図である。鋳型短辺に平行な方向の前記値Lyは、鋳型の内側に向くローレンツ力密度を正とし、鋳型の外側に向くローレンツ力密度を負として算出した。
具体的には、図2において、鋳型の短辺中心よりも紙面上方の領域では、鋳型の長辺側の壁面から離れる下向きのローレンツ力密度を正とし、鋳型の短辺中心よりも紙面下方の領域では、鋳型の長辺側の壁面から離れる上向きのローレンツ力密度を正として算出した。
すなわち、鋳型短辺に平行な方向の前記値Lyは、鋳型内の溶鋼が鋳型の長辺側の壁面から短辺中心へ向かうローレンツ力密度成分であり、Arガスの気泡が鋳型の壁面に向かう電磁斥力を表す。図4より、鋳型短辺に平行な方向の前記値Lyは電磁攪拌装置の電流周波数が高いほど大きくなることが明らかとなった。
図5は、鋳型短辺に平行な方向の前記値Lyの、鋳型長辺に平行な方向の前記値Lxに対する比率を示している。この図5より、Ly/Lxの値が小さいほど鋳型内の溶鋼中に発生するローレンツ力密度の電磁斥力成分が小さいことがわかる。
図4及び図5から、電磁斥力を小さくするためには電流周波数を低下させることが有効であるがわかる。また、図3から、電磁攪拌による攪拌流速を確保するためには、鋳型長辺に平行な方向の前記値Lxをある程度以上とする必要があることがわかる。後述する流体解析シミュレーションを検討した結果、電流周波数が0.4Hz以下の場合には、ローレンツ力が不足することが確認された。
以上から、鋳型長辺に平行な方向の前記値Lxが最大となる電流周波数から、電磁攪拌が不適となる電流周波数の間に、最も適切な電流周波数が存在するはずであり、この最適な電流周波数を電磁場と流体の数値解析シミュレーションから検討を行った。
電磁場シミュレーションは、前述したとおりの方法で電磁攪拌装置により溶鋼中に発生するローレンツ力密度の分布を算出することによって行った。得られたローレンツ力密度を用いて流体シミュレーションを実施し、凝固シェルに捕捉されるArガス気泡の個数の評価を行った。流体シミュレーションは、K.Takatani:ISIJ International ,Vol.43 ,2003 ,No.6 ,p.915-922(以下、公知文献という。)に記載された方法で行い、溶鋼流動、伝熱、凝固およびArガス気泡の計算を行った。
前記公知文献に記載された流体シミュレーション方法によって、連続鋳造機の溶鋼中における流速、凝固速度、Arガス気泡の分布などの情報は既に得られている。従って、凝固シェルに捕捉されるArガス気泡をどのように評価するのかが問題となる。
Arガス気泡は、特許文献1に記載されているように、凝固界面に10〜60cm/s の溶鋼流速があれば凝固シェルに捕捉されないことが知られている。すなわち、凝固界面における溶鋼流速が、Arガス気泡が捕捉される流速(以後、捕捉流速という。)以下である場合には、当該位置に存在するArガス気泡が捕捉されるとする計算を行えばよい。
前記捕捉流速の閾値は、一般的に20cm/s と言われているが、正確な値は不明である。また、溶鋼流速が19.9cm/s では捕捉されず、20.1cm/s ではArガス気泡が凝固シェルに捕捉されるという計算を行うのは不自然と考えられる。
そこで、発明者は、Arガス気泡が凝固シェルに捕捉される確率を、下記数式1に示すような連続的な関数として評価する方法を考案した。ここで、Pg(−)はArガス気泡が凝固シェルに捕捉される確率であり、C0は定数、U( m/s )は凝固界面における溶鋼流速である。
下記数式1における定数C0を100とした場合、溶鋼流速が20cm/s の場合の捕捉確率Pgは10-8以下となる。これは、100万個のArガス気泡のうちの1個が凝固シェルに捕捉される確率であり、数値解析シミュレーション上で零とみなされる値である。なお、数値解析シミュレーションに用いるC0の値は、10〜1000が適切である。
Figure 2015157309
Arガス気泡が凝固シェルに捕捉される速度ηg(個/m3・s )は、凝固界面におけるArガス気泡の個数密度ng(個/m3)、凝固速度Rs(1/s )と捕捉確率Pg(−)を用いて下記数式2として表わされる。
Figure 2015157309
凝固シェル中のArガス気泡の個数密度Sg(個/m3)は、下記数式3から算出される。ここで、Usは凝固シェルのスラブ引き抜き方向の移動速度( m/s )である。
Figure 2015157309
前記数式3から得られる凝固シェル中のArガス気泡の個数密度Sg(個/m3)を時間平均化してArガス気泡の個数を評価した。その際、Arガスの気泡径によって捕捉流速は当然変化すると考えられるが、その関係は不明であるため、連続鋳造機の鋳型内に存在する主なArガス気泡の直径を1mmとして検討を行った。また、直径が1mmのArガス気泡が鋳片表面に影響を及ぼす範囲として、鋳片表層から2mmの範囲を評価した。
数値解析により、電流周波数による凝固界面での単位面積当たりのピンホール個数(個/m2)の変化を検討した結果を図6に示す。
図6から、ローレンツ力密度が最大となる2.3Hzの電流周波数よりも、1.2Hzの電流周波数の場合にピンホール個数が少なくなり、電流周波数が0.8Hz以下となるとピンホール個数が大きく増加していくことが明らかとなった。
電流周波数が1.2Hzの場合に凝固界面での単位面積当たりのピンホール個数が最小の43(個/m2)となるのは、電磁攪拌のためのローレンツ力密度が低下するが、電磁斥力が低下することにより、鋳型壁面付近のArガス気泡が減少する効果が大きいからである。しかしながら、電流周波数を1.2Hzよりも低下させると、鋳型内溶鋼を攪拌するためのローレンツ力密度が不足するためにピンホールが増加する。
一般的には、電磁攪拌装置の電流周波数はローレンツ力密度が最大となる電流周波数が選定され、図1に示した電磁攪拌装置では、ローレンツ力密度が最大となる電流周波数は、図3から2.3Hzである。従来技術によって選定される2.3Hzの電流周波数の場合、図6からピンホール個数は57(個/m2)である。よって、従来技術よりもピンホール性欠陥を抑制できるのは、電流周波数が0.9Hzから2.3Hzの範囲であることがわかる。
従って、発明者は、鋳片サイズを幅1200mm×厚さ250mmとし、銅鋳型の厚みを25mm、銅鋳型の導電率を1.9×107 S/m とした場合に、ピンホール個数が最小となる適切な周波数範囲は0.9〜2.3Hzである知見を得た。
このようなピンホールを評価するための流体解析は、電磁場解析と比べて比較的長時間必要である。そこで、発明者は、電磁場解析の結果から最適な周波数を選定する方法を検討した。
ピンホール個数に対して、電磁攪拌に必要なローレンツ力Lx( N/m3)は正、電磁斥力Ly( N/m3)は負の因子として作用するため、実効ローレンツ力密度F( N/m3)を下記数式4で示すように定義する。ここで、αは電磁斥力の悪影響度を示す係数である。
Figure 2015157309
前記αは鋳型短辺に平行な方向の悪影響度を示す係数であるため、鋳型短辺の長さによってその影響度は変化する。発明者は、一般的な連続鋳造機として、200mmから300mmの鋳型短辺長さに関して、前記数式4による評価が図6に示した評価と同等になるαについて検討を行った結果、αを3〜7の範囲とすることが適切であることを知見した。
図7は、電磁斥力の悪影響度を示す係数αを5とした場合の実効ローレンツ力密度F( N/m3)の周波数依存性を示した図で、図7より実効ローレンツ力密度F( N/m3)が最大値となるのは電流周波数が1.2Hzのときであることがわかる。
従来技術よりもピンホール性欠陥を抑制できるのは、図3及び図6から、電流周波数が0.9Hz〜2.3Hzの範囲であり、この範囲は実効ローレンツ力密度Fの最大値Fmax から0.9Fmax の範囲(電流周波数が0.9〜2.0Hz)に相当する。このように、前記数式4を用いることにより、電磁場解析のみの結果から最善な電磁攪拌装置の周波数を決定することができる。
本発明は、発明者による上記検討結果に基づいてなされたものであり、
鋳型に設置した電磁攪拌装置を用いた鋼の連続鋳造において、
鋳型長辺に平行な方向のローレンツ力密度成分を前記電磁攪拌装置の構成要素である鉄芯コアが存在する範囲で平均化した値をLx( N/m3)と、
鋳型短辺に平行な方向のローレンツ力密度成分を前記鉄芯コアが存在する範囲で平均化した値をLy( N/m3)とした場合、
前記数式4によって算出される実効ローレンツ力密度F( N/m3)と電磁攪拌装置の電流周波数(Hz)との関係を求め、
前記実効ローレンツ力密度Fの最大値Fmax から0.9Fmax の範囲の電磁攪拌電流の周波数を用いる鋼の連続鋳造方法である。
上記本発明によれば、鋳型内溶鋼を電磁攪拌する際に発生する電磁斥力を可能な限り小さくできる電磁攪拌装置の最善の電流周波数を電磁場解析のみの結果から決定することができる。従って、鋳片表層にArガスの気泡が寄せ集められることを可能な限り抑制でき、ピンホール性欠陥を更に抑制することができる。
本発明は上記した例に限らないことは勿論であり、請求項に記載の技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
発明者は、前記公知文献に記載された方法で流体シミュレーションを行ったが、流体シミュレーションを行うのは、公知文献に記載された方法に限らないことは言うまでもない。
11 鋳型
13 電磁攪拌装置
13a 鉄芯コア

Claims (1)

  1. 鋳型に設置した電磁攪拌装置を用いた鋼の連続鋳造において、
    鋳型長辺に平行な方向のローレンツ力密度成分を前記電磁攪拌装置の構成要素である鉄芯コアが存在する範囲で平均化した値をLx( N/m3)と、
    鋳型短辺に平行な方向のローレンツ力密度成分を前記鉄芯コアが存在する範囲で平均化した値をLy( N/m3)とした場合、
    下記式によって算出される実効ローレンツ力密度F( N/m3)と電磁攪拌装置の電流周波数(Hz)との関係を求め、
    前記実効ローレンツ力密度Fの最大値Fmax から0.9Fmax の範囲の電磁攪拌電流の周波数を用いることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
    F=Lx−α・Ly
    但し、α:電磁斥力の悪影響度を示す係数(=3〜7)
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