JP2015155270A - 車両用灯具 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光を用いて、路面、障害物又は道幅等の情報を、運転者に容易に認識させる車両用灯具を提供する。【解決手段】レーザ光を走査する描画用装置(6)を有する車両用灯具(1)において、描画用装置(6)は、車両周辺にレーザ光を格子状に照射して格子描画(PG)を行う。これにより、格子の間隔、格子の歪み等で、運転者は障害物の情報を認識しやすくなる。【選択図】図3

Description

本願発明は、車両用灯具に関し、特に、レーザ光を用いて車両周辺に描画する描画用装置を備えた車両用灯具に関する。
一般に、車両用灯具は、白熱球、ハロゲンバルブ、放電球、または発光ダイオード(LED)等を光源として、走行用ビーム(ハイビーム)やすれ違いビーム(ロービーム)等の所定の配光パターンを車両周辺に照射する。一方で、近年、車両進行方向にレーザ光を走査し、道路標識等を喚起するマークを路面に描画する手段を備えた車両用の描画用装置も知られている(例えば特許文献1)。
特開2008−45870号公報
しかし、一般の車両用灯具の照射光は、照射範囲を明るくするが、運転者には、路肩の側溝などの路面凹凸、或いはトンネルや道幅の狭さ等の情報までは判りにくいという問題があった。
本発明は、前記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、レーザ光を用いて、路面、障害物又は道幅等の情報を、運転者に容易に認識させる車両用灯具を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明に係る車両用灯具では、レーザ光を走査する描画用装置を有し、前記描画用装置は、車両周辺にレーザ光を格子状に照射することを特徴とする。
好ましくは、前記描画用装置は、半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子のレーザ光を走査して車両周辺に照射する光学機構と、制御装置と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、車両周辺にレーザ光による格子が描画される。路面に対してこの格子描画を行えば、路面に側溝や陥没穴、落下物等の障害物があった場合には、これらの箇所で格子に歪みが生じるので、運転者はこれらの路面の凹凸情報を容易に認識することができる。或いは、車両進行方向に対して格子描画を行えば、狭いトンネルの通過や狭い道で他車両とすれ違いが生じる際に、格子の間隔でトンネル幅や道幅の間隔等が把握できるので、運転者は自車両と障害物との間隔が判りやすくなる。
本発明によれば、路面、障害物又は道幅等の情報を、運転者に容易に認識させる車両用灯具を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る車両用灯具の正面図 同灯具の縦断面図 格子描画を路面に対して行った図 格子描画を進行方向遠方に対して行った図 格子描画を進行方向に対して行った図 本発明の他の実施形態に係る車両用灯具の縦断面図
次に、本発明の好適な実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る車両用灯具の正面図、図2は同灯具の縦断面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)である。
本実施例に係る車両用灯具1は、車両用前照灯であり、車両前部の左右にそれぞれ設けられる。以下の構成は左右に共通である。車両用灯具1は、開口部を有する箱状のランプボディ2と、前記開口部に取り付けられた透光性のある樹脂又はガラス等で形成された前面カバー4と、で画成された灯室内に、灯具ユニット10を有する。図中、矢印F方向が灯具前方、矢印B方向が灯具後方、矢印L方向が灯具左方、矢印R方向が灯具右方である。符号のない矢印は、光線の様子を示している。図1では、描画用装置6と光源ユニット7,8以外の構成の図示を適宜省略している。
灯具ユニット10は、描画用装置6と、ロービーム用光源ユニット7と、ハイビーム用光源ユニット8と、これらの支持部材となるブラケット11と、を有する。灯具ユニット10の灯室内前方には、描画用装置6及び光源ユニット7,8から出射された光の灯具前方への進行を許容する開口部12aを有する、目隠し材のエクステンション12が設けられている。
ブラケット11は、コーナー部のうち3か所がエイミングスクリュ16によってランプボディ2に固定されている。車両用灯具1は、エイミングスクリュ16を回転させて灯具ユニット10の姿勢を調節することで、灯具ユニット10の光軸を上下左右に調整可能である。ブラケット11の前面には、上方に描画用装置6が、下方左側にハイビーム用光源ユニット8が、下方右側にロービーム用光源ユニット7が固定されている。ブラケット11は、各光源が発する熱を効率よく放熱するよう、アルミニウムなどの熱伝導率が高い金属で形成されている。
ロービーム用光源ユニット7は、いわゆるプロジェクタ型の光源ユニットであり、光源モジュール71と、リフレクタ72と、シェード73と、投影レンズ74と、を有する。光源モジュール71は、発光ダイオード(LED)であり、光軸は灯具上方に向けられている。リフレクタ72は、略半ドーム形状で、回転楕円面を基本形状として形成された反射面を有する光学部材であり、反射面には、第1焦点と、第1焦点よりも灯具前方側に位置する第2焦点とを有する。リフレクタ72は、光源モジュール71の上方に配置され、かつ、第1焦点が光源モジュール71の発光部と略一致するように配置され、シェード73の基端部に固定されている。シェード73は、ブラケット11の前面に固定されている。シェード73は、平面部と、平面部よりも灯具前方側に、下方に湾曲した湾曲部とを有し、平面部は光源モジュール71を支持し、湾曲部の先端は投影レンズ74を支持する。また、平面部と湾曲部とが成す稜線がリフレクタ72の第2焦点と略一致するように配置されている。投影レンズ74は、光源ユニット7の光軸上に、かつ後方焦点がリフレクタ72の第2焦点と略一致する位置に配置され、シェード73の先端に固定されている。光源モジュール71から出射した光は、リフレクタ72で反射され、投影レンズ74に入射し、投影レンズ74から略平行な光として車両前方に照射され、また、光源光の一部がシェード73の上記稜線によって選択的にカットされ、斜め及び水平のカットオフラインを有するロービーム用配光パターンPLが形成される。
ハイビーム用光源ユニット8も、プロジェクタ型であり、光源モジュール81と、リフレクタ82と、支持部83(図示せず)と、投影レンズ84と、を有する。ハイビーム用光源ユニット8の支持部83は、カットオフラインを形成する構成を備えていないが、それ以外の構成についてはロービーム用光源ユニット7と同様である。ハイビーム用光源ユニット8からは、ロービーム用配光パターンPLよりも広範かつ遠方を照射するハイビーム用配光パターンPHが形成される。ロービーム用配光パターンPL、ハイビーム用配光パターンPHについては周知であるので、説明を省略する。
なお、光源ユニット7,8に用いられる光源は、白熱球、ハロゲンバルブ、放電球等であってもよい。また、以降、ロービーム用配光パターンPL、ハイビーム用配光パターンPHのことを、ヘッドランプ配光パターンとも称する。
描画用装置6は、複数の半導体レーザ素子を備えるレーザ光源ユニット61と、半導体レーザ素子の出射光を車両周辺に走査する光学機構62と、これらレーザ光源ユニット61及び光学機構62を制御する制御装置63と、を有する。
レーザ光源ユニット61は、いわゆるRGBレーザユニットであり、赤レーザ光を出射するレーザダイオード610R、緑レーザ光を出射するレーザダイオード610G、青レーザ光を出射するレーザダイオード610Bと、これらの支持台614と、各レーザダイオードの出射光を平行光にして各ダイクロイックミラー612R,612G,612Bへ集光する集光レンズ611R,611G,611Bと、集光レンズ611R,611G,611Bからの光を、レーザ光源ユニット61の筐体に設けられた集光レンズ613方向に反射させるダイクロイックミラー612R,612G,612Bと、各ダイクロイックミラー612R,612G,612Bからの反射光を集合して、出射させる集光レンズ613と、を有する。なお、図2では、レーザ光源ユニット61の内部を透視して示している。レーザ光源ユニット61は、この他に、レーザダイオード610R,610G,610Bの出力を制御する監視装置615を有しており、各レーザ光の照射強度、及び集合光の照射強度を監視する。レーザ光源ユニット61は、筐体の下方に集光レンズ613が位置するようにブラケット11に固定される。
光学機構62は、多数の微細なミラー角度を電気信号によって個別に制御することができる、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーであり、第1回動体620aと、第2回動体620bと、ベース部621と、端子部622等を有する。
ベース部621は、レーザ光源ユニット61の下方に、灯具前方下側から灯具後方上側に向けて傾斜した状態で、ブラケット11に垂直に固定された保持プレート11u,11dにより固定される。
ベース部621は、中央に矩形の開口部を有する枠体であり、該開口部には、電磁コイルが配線されたトーションバーを介して、第1回動体620aが回動可能に支持されている。第1回動体620aの中央開口部には、電磁コイルが配線されたトーションバーを介して、第2回動体620bが回動可能に支持されている。第2回動体620bの表面は、反射処理がなされ、ミラーとなっている。ベース部621の開口部には、各辺に一対の図示しない永久磁石が設けられており、電気信号の印加により発生するローレンツ力で、第1回動体620aは左右方向(車幅方向)、第2回動体620bは上下方向(鉛直方向)に回動可能である。ベース部621には、所定位置に端子部622が設けられる。前記の電磁コイルは、端子部622を介して制御装置63に接続されており、第1回動体620a,第2回動体620bは、制御装置63からの信号に応じて、独立に回動を制御される。
制御装置63は、描画用装置6を制御するもので、例えばランプボディ2に固定される。制御装置63は、各種演算処理を実行するCPUと、各種制御プログラムを格納するROMと、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM等(全て図示せず)を有する。制御装置63は、光学機構62の第1回動体620a,第2回動体620bの回動を制御し、レーザ光源ユニット61から出射されたレーザ光を車両前方に走査する。また、制御装置63は、レーザ光源ユニット61のレーザダイオード610R,610G,610Bの照射強度を、ゼロから所定照射強度まで増大させることを、それぞれ独立に制御する。また、監視装置615と連携して、レーザダイオード610R,610G,610Bの照射強度に異常がないかも監視する。
なお、上記のレーザ光源ユニット61は一例であって、光源に利用されるレーザは、半導体レーザ以外のレーザであってもよいし、単数であってもよい。
なお、光学機構62は、例えば、ポリゴンミラー、ガルバノミラー等の他のスキャンデバイスであってもよい。
以上の構成による描画用装置6により、レーザ光源ユニット61は、白色光、或いはRGB色のいずれか一色、或いはRGB色を選択的混色したレーザ光を任意に出射可能であり、レーザ光源ユニット61から出射されたレーザ光は、光学機構62で灯具前方に反射される。光学機構62は、第2回動体620bの上下左右方向への往復回動により、レーザ光を二次元走査して、車両前方に任意の図形を描くことが可能である。
このとき、本実施例の車両用灯具1では、描画用装置6は、レーザ光を格子状に照射し、レーザ光で路面又は車両進行方向に格子を描く。以降、このグリッドパターンを格子描画PGと称する。
例えば格子描画PGは、車両に設けられたライトスイッチが運転者に操作されることで開始される。
格子描画PGの格子は、正方形を基本とする。例えば、基本は1m四方の正方形とし、運転シーンに応じてこの間隔を変えるようなプログラムを制御装置63に格納してもよい。なお、格子は、遠方に向けて格子描画PGを行う際には、車両進行方向を長辺とした長方形としてもよい。これにより、進行方向への格子間隔が伸び、格子が不要に多く描かれるのを回避できる。
格子描画PGは、白色に限定するものではなく、運転者にとって視認性の高い色を選択可能としておくのが好ましい。すなわち、RGBのうちの青、又は緑色のレーザ光や、或いはRGBを適宜混色したレーザ光で描画されてもよい。これは、運転シーンに応じたプログラムを制御装置63に格納してもよいし、運転者に選択させるのもよい。
格子描画PGは、ヘッドランプ点灯時の運転者の認識向上を目的に、照射範囲をヘッドランプ配光パターンに合わせ、ロービーム用光源ユニット7点灯時にはロービーム用配光パターンPLの照射範囲内に、ハイビーム用光源ユニット8点灯時にはハイビーム用配光パターンPHの照射範囲内に行われるよう制御されてもよい。但し、格子描画PGは、光源ユニット7,8の非点灯時にも行われてよい。また、格子描画PGは、ヘッドランプ配光パターンよりも照射範囲が拡張されてもよいし、或いは任意の必要箇所への点消灯(いわゆるスプリット照射等)が行われてもよい。
格子描画PGは、格子の視認性を確保するために、ロービーム用光源ユニット7点灯時には、ロービーム用配光輝度よりも高い輝度に、ハイビーム用光源ユニット8点灯時には、ハイビーム用配光輝度よりも高い輝度になるよう制御されるのが好ましい。また、後述の実施例2で詳述する、暗線部PDが形成されるのも好ましい。
格子描画PGは、運転者に障害物との間隔をより認識させるために、一部エリアに対して、基本色とは異ならせた色のレーザ光を走査させ、例えば自車幅内と自車幅外とで色彩を変えるよう制御されてもよい。
以下、格子描画PGの例を、図を参照しながら説明する。
図3は、格子描画PGを路面に対して行った図である。図3は、ロービーム用配光パターンPLの照射範囲内において、ロービーム光よりも輝度を高めた白色レーザ光を走査して格子が描画されたものである。これにより、側溝B1、陥没穴B2、落下物B3のそれぞれの箇所で、格子に歪みが生じ、路面の凹凸が浮き上がるので、運転者はこれらの障害物を容易に認識することができる。
図4は、格子描画PGを進行方向遠方に対して行った図である。図4は、ハイビーム用配光パターンPHの照射範囲内において、ハイビーム光よりも輝度を高めた白色レーザ光を走査して格子が描画されたものである。これにより、進行方向のトンネル前壁B4に格子が映り、格子の間隔又は格子の切れ目によって、トンネル入口幅の間隔が把握できる。
図5は、格子描画PGを進行方向に対して行った図である。図5は、狭い道で障害物とすれ違うシチュエーションで、進行方向に対し、自車幅内に例えば緑色(太線で図示)、自車幅外に例えば赤色(細線で図示)のレーザ光を走査して格子が描画されたものである。これにより、運転者は格子によって、自車両と、他車両B5及び障害壁B6との間隔が判りやすくなり、かつ色彩の別で自車両が通行可能かが容易に認識できる。
図6は本発明の他の実施形態に係る車両用灯具の縦断面図である。
実施例2に係る車両用灯具1は、実施例1のヘッドランプ用光源ユニット7,8が配置されず、描画用装置6のみが配置されて、描画用装置6が、ヘッドランプ配光パターンも形成し、ヘッドランプ機能を兼用するものである。すなわち、実施例2の灯具ユニット10は、レーザ光源ユニット61と、光学機構62と、制御装置63とを有する描画用装置6の一灯で構成されている。実施例1と同一の構成については、同一の符号を用いて、その説明は適宜省略する。
実施例2の灯具ユニット10では、描画用装置6により、ロービーム用配光パターンPL、ハイビーム用配光パターンPH及び格子描画PGが形成される。すなわち、描画用装置6は、ロービーム用配光パターンPL、或いはハイビーム用配光パターンPHの照射箇所には白色レーザ光を走査し、同時に、格子描画PGが形成される箇所では、前記の白色よりも照射強度の高い白色レーザ光、或いは白色以外の視認性の高い色のレーザ光を走査するよう制御される。これにより、この構成においても、実施例1と同様の効果が得られ、かつ灯具の小型化が図れる。
なお、実施例2において、ヘッドランプ配光パターンと格子描画PGを同時に照射する際には、格子描画PGの格子線の周囲に暗線部PDを形成し、暗線部PDの中に格子描画PGが描画されるように照射するのも好ましい。
具体的に、例えば赤色で格子描画PGを行いたい場合は、ヘッドランプ配光パターンの照射箇所に対応する時間では、レーザダイオード610R,610G,610Bの照射強度を同一にして走査するが、格子を描きたい箇所に対応する時間では、赤色レーザダイオード610Rの出力を他色よりも強め、他色レーザダイオード610G,610Bの出力は、その前後時間は出力を停止或いは輝度を減光するよう制御する。なお、暗線部PDの時間域では、赤色レーザダイオード610Rの出力も停止してよい。これにより、格子が暗線部PDで縁取りされ、格子描画PGがより際立つため、運転者の認識をより高めることができる。
なお、実施例1、2では、車両用灯具1は前照灯として説明したが、車両後部に設けられる標識灯において格子描画PGを行う構成としてもよい。
また、実施例1において、ヘッドランプ用光源ユニット7,8は、単数のLED光源71,81で構成された例で説明したが、光源を複数で構成してもよい。或いは、実施例1、2において、車両用灯具1には、例えば複数の光源をライン状に配置して構成されたDRL(Daytime Running Lamps)用光源ユニットを配置してもよい。このように、車両用灯具1に複数の光源を有する光源ユニットが配置された場合には、描画用装置6の発光部(第2回動体620b)は、この光源ユニットに複数ある光源と光源の間に配置するのがよい。これにより、描画用装置6からレーザ光を出射しても、描画用装置6のレーザ光は、多光源を有する光源ユニットの大光量でかき消され、対向車/前方車の運転者、及び歩行者にはロービーム光のみが見え、安全であるとともに、赤色のレーザ光を発しても前方車からは視認されないという効果が得られる。
1…車両用灯具、 6…描画用装置、 7…ロービーム用光源ユニット、 8…ハイビーム用光源ユニット、 61…半導体レーザ素子を備えるレーザ光源ユニット、 62…光学機構、 63…制御装置、 PG…格子描画

Claims (2)

  1. レーザ光を走査する描画用装置を有する車両用灯具において、前記描画用装置は、車両周辺にレーザ光を格子状に照射することを特徴とする車両用灯具。
  2. 前記描画用装置は、半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子のレーザ光を走査して車両周辺に照射する光学機構と、制御装置と、を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
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