JP2015149346A - 半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法および半導体装置 Download PDF

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明 清井
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Abstract

【課題】高温度のもとでも欠陥準位が減少しない半導体装置の製造方法と、半導体装置とを提供する。【解決手段】シリコン基板1の表面にエピタキシャル成長膜第1層2が形成され、その表面上に、特定の金属元素の密度が高い、キャリアの再結合寿命を短縮させる領域となるエピタキシャル成長膜第2層3が積層される。金属元素は、エピタキシャル成長させる際に、所定の金属元素を含有する有機金属ガスを含む材料ガスがシリコン基板1の表面において熱分解することによって、エピタキシャル成長する膜の中に、その金属元素が取り込まれることになる。金属元素は、エピタシャル成長する膜中の熱によってシリコン原子と置換されて、エピタキシャル成長膜第2層3内には、その金属元素固有のキャリアの再結合準位が形成されることになる。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置に関し、特に、PN接合型のパワー半導体装置の製造方法と、その製造方法によって製造された半導体装置とに関するものである。
従来、PN接合型のIGBT(Insulated-Gate Bipolar Transistor)と称される絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、「IGBT」と記す。)、ダイオード、サイリスタ等のパワーデバイスを高速でスイッチングするためには、ターンオフ時に生じる蓄積キャリアをいかに早く消滅させるかが重要とされる。キャリアを早く消滅させるために、キャリアの再結合寿命を短くする手法がいくつか提案されている。
たとえば、特許文献1および特許文献2では、キャリアが再結合しやすい深い再結合準位を形成することが可能な不純物を拡散させて、再結合寿命を短縮する方法が提案されている。これは、通常、半導体基板に金属膜を成膜して加熱し、金属を基板の内部へ拡散させることによって行われる。この方法では、不純物の拡散係数が非常に大きいことを利用して、半導体基板の全体に金属を拡散させる。
また、特許文献3では、荷電粒子線を照射する方法が提案されている。この方法は、半導体基板の全面に高エネルギーの荷電粒子線を照射することによって、半導体結晶中に格子欠陥を形成し、格子欠陥による深い再結合準位によってライフタイムを短縮する方法である。
これらの方法を用いた半導体装置の高速化については、たとえば、非特許文献1等に記載されていように、公知の技術であるとともに、ディスクリート半導体デバイスでは、一般に使われている方法である。特に、IGBTをはじめ、サイリスタ、ダイオード、GTO(Gate Turn-Off thyristor)と称されるゲートターンオフサイリスタでは、これらの再結合寿命を制御する方法によって高速化が行われている。
パワー半導体装置のターンオフ動作の高速化は、上述した手法のいずれかを適用することによって、または、上述した手法を組み合わせることによって、行われる。上述した手法では、キャリアの再結合寿命が短縮される領域は半導体基板の全域である。
一方、特許文献3では、半導体基板における一部分のみの再結合寿命を短縮する手法が提案されている。この手法では、キャリアの再結合寿命を短縮する領域を形成する半導体の製造方法において、まず、再結合寿命を短縮したい領域(領域A)の不純物濃度があらかじめ高められる。次に、半導体基板の全面に電子等の荷電粒子を照射し、領域Aにおける特定の欠陥準位密度を選択的に高めることによって、領域Aが、再結合寿命が短い領域に変えられることになる。
また、不純物として、V族元素(リン)が挙げられている。この場合、荷電粒子の照射により発生する格子欠陥(原子の空孔)とV族元素とが反応することによって形成される、Eセンターと称される欠陥準位が、キャリアの再結合寿命を短縮させることになる。半導体装置(半導体基板)における特定の領域のV族元素の密度を選択的に増やす手段として、高エネルギーイオン注入法が挙げられている。
さらに、特許文献3では、再結合寿命を低下させる再結合準位のバンドギャップ中の位置についても言及されている。Eセンターは、伝導帯から0.4eVの位置(Ec−0.4eV)にあり、バンドギャップ中央付近(Siのバンドギャップ=1.14eV)に再結合準位をつくるため、キャリアの再結合寿命を短縮するのに有効であるとされている。なお、特許文献3では、再結合準位の熱安定性については言及されていない。
特開平02−051235号公報 特開昭62−113432号公報 特開平06−244191号公報(特許第3185445号)
三菱電機技報Vol.41,No.11,1967
従来の手法は、低電力容量の横型パワー半導体装置(半導体基板)における特定の領域のみの再結合寿命を短縮する手法として有効とされる。しかしながら、従来の手法を、電流密度が比較的高いパワー半導体装置に適用した場合には、動作時にEセンターが減少してしまう問題があることがわかった。
縦型のパワー半導体装置では電流密度が高く、このため、通電によって素子(パワー半導体装置)の温度が上昇する。欠陥準位として、従来の手法で導入されるEセンターは耐熱性が弱く、約150℃程度の高温化で減少することが判明した。欠陥準位としてのEセンターが減少することで再結合寿命が変化し、パワー半導体装置のスイッチング損失が変化することが問題になる。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、一つの目的は、高温度のもとでも欠陥準位が減少しない半導体装置の製造方法を提供することであり、他の目的は、高温度のもとでも欠陥準位が減少しない半導体装置を提供することである。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、以下の工程を備えている。半導体基板を用意する。半導体基板の表面上に、それぞれエピタキシャル成長によって複数のエピタキシャル層を形成する。複数のエピタキシャル層を形成する工程は、有機金属ガスを含む材料ガスによって金属元素を含有するエピタキシャル層を形成する工程を備えている。金属元素として、半導体基板の温度を175℃とした場合の拡散係数が2.8×10-21cm2/sよりも低い金属元素が適用される。
本発明に係る半導体装置は、半導体基板に対して、互いに対向する第1表面の側と第2表面の側との間で電流の導通が図られる半導体装置であって、半導体基板と複数のエピタキシャル層とを有している。半導体基板は、互いに対向する第1表面および第2表面を有する。複数のエピタキシャル層は、半導体基板における少なくとも第1表面の側に形成されている。複数のエピタキシャル層は、半導体基板の第1表面の側の全面において、第1深さから第1深さよりも深い第2深さにわたり形成された、金属元素を含有するエピタキシャル層を備えている。金属元素として、半導体基板の温度を175℃とした場合の拡散係数が2.8×10-21cm2/sよりも低い金属元素が適用されている。
本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、複数のエピタキシャル層を形成する工程が、金属元素を含有するエピタキシャル層を形成する工程を備え、その金属元素として、半導体基板の温度を175℃とした場合の拡散係数が2.8×10-21cm2/sよりも低い金属元素が適用されることで、複数のエピタキシャル層における特定のエピタキシャル層に、比較的高温度のもとでも減少しない再結合準位を選択的に形成することができ、キャリアの再結合寿命を短縮させることができる。
本発明に係る半導体装置によれば、複数のエピタキシャル層は、第1深さから第1深さよりも深い第2深さにわたり形成された、金属元素を含有するエピタキシャル層を備え、その金属元素として、半導体基板の温度を175℃とした場合の拡散係数が2.8×10-21cm2/sよりも低い金属元素が適用されていることで、半導体装置の動作に伴って、半導体装置が比較的高温度になった場合でも、再結合準位が減少するのを抑制することができ、キャリアの再結合寿命を短縮させることができる。
本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図1に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図2に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、半導体基板の構造とライフタイムのプロファイルとを示す図である。 同実施の形態において、欠陥準位の存在量と温度との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図6に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図7に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図8に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図9に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図10に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図11に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図12に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図13に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、半導体装置のオン動作を説明するための断面図である。 同実施の形態において、半導体装置のターンオフ動作を説明するための断面図である。 同実施の形態において、図16に示す枠A内の、電子と正孔の挙動を模式的に示す部分拡大断面図である。
実施の形態1
実施の形態1に係る半導体装置の製造方法について説明する。ここでは、エピタキシャル成長層を複数回に分けて成膜し、特定のエピタキシャル成長層を成膜する際にのみ、選択的に所定の金属元素を含有した有機金属ガスの濃度を高くした原料ガスを使用して、半導体基板を製造するフローについて説明する。
まず、図1に示すように、半導体基板としてシリコン基板1の一方の表面に、エピタキシャル成長膜第1層2が形成される。シリコン基板1は、CZ法(Czochralski法)やFZ法(Floating-Zone法)によって成長させた単結晶シリコン基板である。シリコン基板1の表面は、研磨処理によって平坦化されている。
エピタキシャル成長膜第1層2は、シリコン基板1をエピタキシャル炉の中において高温度のもとで加熱し、エピタキシャル炉内に送り込まれた、気化した四塩化珪素(SiCl4)、三塩化シラン(トリクロルシラン、SiHCl3)等の原料ガスがシリコン基板1の表面において加熱分解し、シリコン基板1の表面上に気相成長(エピタキシャル成長)することによって成膜される。
次に、図2に示すように、エピタシャル成長膜第1層2の表面上に、エピタキシャル成長膜第2層3が積層(成膜)される。ここでは、エピタキシャル成長膜第2層3が、キャリアの再結合寿命を短縮させる領域となる。エピタキシャル成長膜第2層3の内部では、特定の金属元素の密度が高い。
金属元素は、エピタキシャル成長させる際に、所定の金属元素を含有する有機金属ガスを含む材料ガスがシリコン基板1の表面において熱分解することによって、エピタキシャル成長する膜(層)の中に、その金属元素が取り込まれることになる。このとき、金属元素は、エピタシャル成長する膜中の熱によってシリコン原子と置換されて、エピタキシャル成長膜第2層3内には、その金属元素固有のキャリアの再結合準位が形成されることになる。そのような金属元素については、後で詳しく説明する。
次に、図3に示すように、エピタキシャル成長膜第2層3の表面上に、エピタキシャル成長膜第3層4が積層(成膜)される。エピタシャル成長膜第3層4は、有機金属ガスを含まない材料ガスによって成膜される。これにより、エピタキシャル成長膜第3層4は、エピタシャル成長膜第1層2と同様に、金属を含有しない純度の高いシリコンによって構成されることになる。こうして、再結合寿命を短縮させる領域となるエピタキシャル成長膜第2層3を備えた半導体基板が形成される。
上述した半導体装置の製造方法では、エピタキシャル成長膜第2層3を形成する際に、エピタキシャル成長中に導入された金属元素がシリコン原子と置換されることで、エピタキシャル成長膜中のシリコン内にキャリアの再結合準位が形成される。これにより、図4に示すように、エピタキシャル成長膜第2層3におけるキャリアの再結合寿命を低下させることができる。
上述した半導体装置の製造方法では、金属元素を含有するエピタキシャル成長膜を、2層目のエピタキシャル成長膜第2層3として形成する場合を例に挙げて説明した。金属元素を含有するエピタキシャル成長膜を何層目(領域)に形成するかは、エピタキシャル成長膜を備えた半導体基板を用いて製造されるパワー半導体装置の構造や仕様等に応じて決定されるものであり、2層目に限られるものではない。
また、半導体基板全体の再結合寿命を短縮したい場合には、エピタキシャル成長膜全体の金属元素密度を高く設定してもよい。選択的に金属元素の密度が高いエピタキシャル成長膜を形成することで、半導体基板の厚み方向について、選択的にキャリアの再結合寿命を短縮させることができる。
次に、上述した半導体基板を製造する際に用いる有機金属ガスが含有する金属元素の種類について説明する。一般的に、再結合寿命を低下させる再結合準位は、高温の環境下で減少する。これは、再結合準位の起源となる格子欠陥が分解したり、金属元素が拡散するためであると考えられる。
たとえば、特許文献3に開示されているEセンターと称される欠陥準位の場合、図5に示す点線のグラフのように、基板の温度が150℃付近になると、欠陥準位(Eセンタ)の密度が減少していくことが判明した。電流密度が高いパワー半導体装置では、半導体基板が約150℃まで上昇する可能性があり、そのようなパワー半導体装置を長期間にわたり通電動作させることによって、半導体基板の再結合寿命が変化してしまう。その結果、パワー半導体装置のスイッチング損失が増加することになる。
このような再結合寿命の変化を抑制してスイッチング損失を抑えるには、エピタキシャル成長膜に導入する金属元素として、高い温度のもとでもできるだけ拡散しない金属元素がよい。上述した半導体装置の製造方法では、金属元素として、拡散係数DがD<2.8×10-21cm2/sを満たす金属元素が適用される。これにより、図5に示す実線のグラフのように、基板の温度が150℃を超えても、金属の欠陥準位密度が減少するのを抑制することができる。
このような拡散係数に設定する理由としては、基板の温度を仮に175℃として、1000時間(3.6×106s)通電させた場合に、拡散係数と時間との積の平方根で求められる金属元素の拡散距離が約1nm以下となるためである。この条件によれば、金属元素は、パワー半導体装置の動作環境においてほとんど拡散しないと考えられる。一方、拡散係数Dが2.8×10-21cm2/s以上になると、金属元素の拡散距離(拡散係数と時間との積の平方根)が約1nmを上回るようになり、再結合寿命を短くする効果が得られにくくなる。
また、金属元素が有する再結合準位のエネルギーの位置も、再結合寿命を短縮するのに重要となる。キャリアの注入レベルが低いターンオフ動作時において、キャリアの寿命を短縮させる効果が十分に得られるように、できるだけシリコンのエネルギーギャップ(室温:1.1eV)の中央付近に再結合準位を有する金属元素がよい。
拡散とキャリア寿命を短縮させる効果の両面において有効な金属元素の例として、チタン(Ti)がある。チタン(Ti)の175℃における拡散係数DTiは、DTi=1.71×10-25cm2/sである。なお、拡散係数DTiは、関係式、DTi(T)=0.12exp(−2.05(eV)/kT)を用いて求めた。また、チタン(Ti)のシリコン(Si)に対する再結合準位は、Ec−0.28eV(Ec:伝導帯のエネルギー)である。これにより、キャリアの寿命を短縮させる効果を得ることができる。
なお、このような金属元素としては、チタン(Ti)の他に、たとえば、金(Au)と白金(Pt)がある。金(Au)の175℃における拡散係数DAuは、DAu=3.6×10-22cm2/sである。白金(Pt)の175℃における拡散係数DPtは、DPt=1.6×10-30cm2/sである。金(Au)または白金(Pt)を含有するエピタキシャル成長膜を形成することによっても、チタン(Ti)の場合と同様に、キャリアの再結合寿命を低下させて、パワー半導体装置のスイッチング損失を抑えることができる。
また、上述した半導体装置の製造方法では、シリコン基板1を例に挙げて説明した。基板としては、シリコン基板1に限られるものではなく、たとえば、炭化シリコン(SiC:Silicon Carbide)基板や、窒化ガリウム(GaN:Gallium Nitride)基板を適用してもよい。なお、炭化シリコンの室温におけるバンドギャップは3.26eVであり、窒化ガリウムの室温におけるバンドギャップは3.39eVである。このような、炭化シリコン基板または窒化ガリウム基板を適用した半導体装置においても、シリコン基板の場合と同様に、キャリアの再結合寿命を低下させて、パワー半導体装置のスイッチング損失を抑えることができる。
実施の形態2
ここでは、縦型のパワー半導体装置の一例として、IGBTの製造方法について説明する。
まず、図6に示すように、半導体基板としてN型(N−)のシリコン基板1が用意される。次に、図1において説明した方法と同様の方法により、図7に示すように、シリコン基板1の一方の表面にエピタキシャル成長層1aが形成される。
次に、そのエピタキシャル成長層1aの表面に、不純物としてボロン(B)を含有したボロンガラス膜21(図8参照)が形成される。次に、図8に示すように、所定の温度のもとで熱処理を施し、ボロンガラス膜21中に含まれるボロン(B)をエピタキシャル成長層1aへ拡散させることにより、P+チャネル層8が形成される。その後、ボロンガラス膜21が除去される。
次に、図9に示すように、所定の金属元素を含有する有機金属ガスとして、チタン(Ti)を含有するテトラキスジメチルアミノチタン(C8244Ti:Tetrakis(dimethylamino) titanium)と、n型の不純物を含有したガスとを含む原料ガスを使用することにより、シリコン基板1の他方の表面に、金属元素としてチタン(Ti)を含有するN−ドリフト領域6が形成される。
次に、図1において説明した方法と同様の方法により、図10に示すように、N−ドリフト領域6の表面にエピタキシャル成長層1bが形成される。次に、不純物としてボロン(B)を含有したボロンガラス膜22(図11参照)が形成される。次に、図11に示すように、所定の温度のもとで熱処理を施し、ボロンガラス膜22中に含まれるボロン(B)をエピタキシャル成長層1bへ拡散させることにより、P+コレクタ領域5が形成される。その後、図12に示すように、ボロンガラス膜22が除去される。当初のシリコン基板1は、チタンを含有したN−ドリフト領域6とP+チャネル層8との間に位置するN−ドリフト領域7となる。
次に、P+チャネル層8の表面に、トレンチ溝を形成するためのレジストマスク(図示せず)が形成される。次に、そのレジストマスクをエッチングマスクとして、ドライエッチング処理を施すことにより、P+チャネル層8を貫通してN−ドリフト領域7へ達するトレンチ溝9(図13参照)が形成される。その後、レジストマスクが除去される。
次に、所定の拡散処理を施すことにより、トレンチ溝の周囲にN+エミッタ領域10(またはN+エミッタ領域)(図13参照)が形成される。次に、図13に示すように、トレンチ溝9内を選択的に酸化することにより、ゲート酸化膜11が形成される。次に、そのゲート酸化膜11を覆うようにゲート電極12が形成される。
次に、図14に示すように、たとえば、スパッタ法等により、N+エミッタ領域10の表面に接するようにエミッタ電極13が形成される。次に、エミッタ電極13を覆うように絶縁膜14が形成される。次に、P+アノード領域に接するようにコレクタ電極15が形成される。こうして、IGBTの主要部分が形成される。
次に、上述したIGBTの動作について説明する。まず、オン動作について説明する。ゲート電極12に、しきい値電圧以上の所定の電圧を印加することにより、ゲート電極12の近傍に位置するP+チャネル層8の部分にnチャネルが形成される。nチャネルが形成されることで、図15に示すように、N+エミッタ領域10からnチャネルを経てN−ドリフト領域7へ電子が注入される。一方、P+コレクタ領域5からN−ドリフト領域7へ正孔が注入される。こうして、N−ドリフト領域7には電子と正孔が注入されて導電率変調が起こり、エミッタ電極13とコレクタ電極15とが導通するオン状態になる。
次に、ターンオフ動作について説明する。ゲート電極12に印加する電圧をしきい値電圧以下にすることで、P+チャネル層8に形成されていたnチャネルが消滅する。nチャネルが消滅することで、電子と正孔のN−ドリフト領域7への注入が止まる。この後、図16に示すように、N−ドリフト領域7に蓄積された電子と正孔は、エミッタ電極13とコレクタ電極15へ排出されるとともに、電子と正孔が再結合することによって消滅し、N−ドリフト領域7が空乏化する。空乏化した部分が耐圧を保持することができるようになって時点でオフ状態になる。
上述した半導体装置としてのIGBTでは、金属元素としてチタン(Ti)を含有したN−ドリフト領域6が形成されている。これにより、N−ドリフト領域6では、チタン(Ti)による欠陥準位が形成される。チタン(Ti)は、半導体装置が動作している約150℃程度の高い温度条件のもとでも、拡散係数が比較的低く、チタンの拡散長は1nm程度である。
このため、高温度のもとでも、チタン(Ti)による欠陥準位はほとんど減少せず、図17に示すように、この欠陥準位が、再結合準位として、電子と正孔の再結合寿命を短縮させることができ、電子と正孔とを短い時間で消滅させることができる。その結果、オン状態からオフ状態に至るターンオフ時の過渡状態の時間を短くすることでき、半導体装置の電力損失を低減させることができる。
なお、上述した半導体装置では、キャリアの再結合寿命を低下させる金属元素として、チタン(Ti)を例に挙げて説明した。このような金属元素としては、チタン(Ti)の他に、実施の形態1において説明したように、たとえば、金(Au)と白金(Pt)がある。金(Au)または白金(Pt)を含有するエピタキシャル成長膜を形成することによっても、チタン(Ti)の場合と同様に、キャリアの再結合寿命を低下させて、パワー半導体装置のスイッチング損失を抑えることができる。
また、上述した半導体装置ではIGBTを例に挙げて説明した。半導体装置としては、IGBTに限られるものではなく、たとえば、ダイオードやサイリスタ等のパワー半導体装置にも適用することができる。
さらに、上述した半導体装置の製造方法では、シリコン基板1を例に挙げて説明した。基板としては、シリコン基板1に限られるものではなく、実施の形態1において説明したように、たとえば、炭化シリコン(SiC)基板や、窒化ガリウム(GaN)基板を適用してもよい。
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、IGBTをはじめ、ダイオードやサイリスタ等のパワー半導体装置に有効に利用される。
1 シリコン基板、2 エピタキシャル成長膜第1層、3 エピタキシャル成長膜第2層、4 エピタキシャル成長膜第3層、5 P+コレクタ領域、6 N−ドリフト領域、7 N−ドリフト領域、8 P+チャネル層、9 トレンチ溝、10 N+エミッタ領域、11 ゲート酸化膜、12 ゲート電極、13 エミッタ電極、14 絶縁膜、15 コレクタ電極、21、22 ボロンガラス膜。

Claims (8)

  1. 半導体基板を用意する工程と、
    前記半導体基板の表面上に、それぞれエピタキシャル成長によって複数のエピタキシャル層を形成する工程と
    を有し、
    前記複数のエピタキシャル層を形成する工程は、有機金属ガスを含む材料ガスによって金属元素を含有するエピタキシャル層を形成する工程を備え、
    前記金属元素として、前記半導体基板の温度を175℃とした場合の拡散係数が2.8×10-21cm2/sよりも低い金属元素が適用される、半導体装置の製造方法。
  2. 前記複数のエピタキシャル層を形成する工程は、
    前記金属元素を含有する前記エピタキシャル層として、第1導電型の第1エピタキシャル層を形成する工程と、
    第2導電型の第2エピタキシャル層を形成する工程と
    を含む、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記金属元素として、チタン(Ti)、白金(Pt)および金(Au)からなる群から選ばれる、少なくともいずれかの金属元素が適用される、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記半導体基板を用意する工程では、前記半導体基板として、シリコン、炭化シリコン(SiC)および窒化ガリウム(GaN)からなる群から選ばれるいずれかの基板が用意される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 半導体基板に対して、互いに対向する第1表面の側と第2表面の側との間で電流の導通が図られる半導体装置であって、
    互いに対向する前記第1表面および前記第2表面を有する前記半導体基板と、
    前記半導体基板における少なくとも前記第1表面の側に形成された複数のエピタキシャル層と、
    を有し、
    前記複数のエピタキシャル層は、前記半導体基板の前記第1表面の側の全面において、第1深さから前記第1深さよりも深い第2深さにわたり形成された、金属元素を含有するエピタキシャル層を備え、
    前記金属元素として、前記半導体基板の温度を175℃とした場合の拡散係数が2.8×10-21cm2/sよりも低い金属元素が適用された、半導体装置。
  6. 前記複数のエピタキシャル層は、
    前記エピタキシャル層として、第1導電型の第1エピタキシャル層と、
    第2導電型の第2エピタキシャル層と
    を含む、請求項5記載の半導体装置。
  7. 前記金属元素として、チタン(Ti)、白金(Pt)および金(Au)からなる群から選ばれる、少なくともいずれかの金属元素が適用された、請求項5または6に記載の半導体装置。
  8. 前記半導体基板として、シリコン、炭化シリコン(SiC)および窒化ガリウム(GaN)からなる群から選ばれるいずれかの基板が適用される、請求項5〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
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