以下に、本発明の実施形態に係る画像形成システム及び用紙搬送装置の一例を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。なお、本発明の実施の形態は以下の順で説明する。
1.第1の実施形態:画像形成システム
1−1.画像形成システムの全体構成
1−2.自動開閉機構のロック解除動作
1−3.画像形成システムの内部構成
1−4.ジャム処理時の動作
2.第2の実施形態:画像形成システム
3.第3の実施形態:画像形成システム
《1.第1の実施形態:画像形成システム》
〈1−1.画像形成システムの全体構成〉
まず、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムの概要について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムの全体構成を示す概略図である。
図1に示すように、画像形成システム1は、用紙の搬送経路の上流側から、給紙装置10、第1画像形成装置20、用紙搬送装置30、第2画像形成装置40、後処理装置50等が直列的に連結された直列タンデム方式の構成となっている。
第1画像形成装置20と第2画像形成装置40は、連結される際に、画像形成システム1を統括的に管理するメイン機、当該メイン機の指示に従って稼動するサブ機のいずれかであるかが設定される。本実施形態では、用紙搬送方向において上流側に設けられた第1画像形成装置20がメイン機、第2画像形成装置40がサブ機として設定されているものとする。
本実施形態における画像形成システム1では、用紙の両面に画像を形成する両面モードのジョブを実行する場合、第1画像形成装置20が用紙の一方の面に画像形成を行なう第1の画像形成装置として機能し、第2画像形成装置40が用紙の他方の面に画像形成を行なう第2の画像形成装置として機能する。
両面モードのジョブを実行する場合、給紙装置10又は第1画像形成装置20内の給紙部から搬送された用紙に対して、第1画像形成装置20が表面の画像を形成する。そして、表面の画像が形成された用紙は、第1画像形成装置20内の反転部によって表裏が反転された後、用紙搬送装置30を通過して第2画像形成装置40へ搬送され、当該用紙の裏面に画像が形成され、後処理装置50へ搬送される。
また、用紙の片面に画像を形成する片面モードのジョブを実行する場合、給紙装置10又は第1画像形成装置20内の給紙部から搬送された用紙の一方の面に対して、第1画像形成装置20が画像を形成する。そして、一方の面に画像が形成された用紙は、用紙搬送装置30、第2画像形成装置40を通過して後処理装置50へ搬送される。
[給紙装置]
給紙装置10は、PFU(Paper Feed Unit)と称されるものであり、複数の給紙トレイや、給紙ローラ、分離ローラ、給紙/分離ゴム、送り出しローラ等からなる給紙手段等を備える。各給紙トレイには、用紙の種類(紙種、坪量、用紙サイズ等)毎に予め識別された用紙が格納されており、用紙の最上部から一枚ずつ給紙手段により第1画像形成装置20の用紙搬送部へ用紙が搬送される。給紙トレイ毎に格納されている用紙の種類の情報(用紙サイズ、紙種等)は、第1画像形成装置20の後述する不揮発メモリ251に記憶されている。給紙装置10は、第1画像形成装置20の給紙部として機能する。
[第1画像形成装置]
第1画像形成装置20は、原稿から画像を読み取り、読み取った画像を用紙に画像形成する。また、外部装置等からPDL(Page Description Language)形式やTiff形式等のページ記述言語形式のプリントデータ及びプリント設定データを受信し、受信したプリントデータ及びプリント設定データ等に基づいて画像を用紙上に形成したりする。第1画像形成装置20は、画像読取部21、操作表示部22、プリント部23等を備えて構成される。
画像読取部21は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿送り部と読取部とを備え、操作表示部22により受け付けられた設定情報に基づいて複数の原稿の画像を読み取る。自動原稿送り部の原稿トレイに載置された原稿は、読取個所であるコンタクトガラスに搬送される。読取部では、コンタクトガラスに搬送された原稿の画像を読み取って、画像信号を生成する。具体的には、原稿の画像が光源によって照射され、その反射光が光学系を介して後述する撮像素子211(図9参照)の受光面に結像する。撮像素子211は、入射した光を光電変換して所定の画像信号として出力する。出力された画像信号がA/D変換されることにより画像データが作成される。ここで、画像とは、図形や写真等に限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む意である。また、撮像素子211としては、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)を用いることができる。
操作表示部22は、LCD(Liquid Crystal Display)221、LCD221を覆うように設けられたタッチパネル、各種スイッチやボタン、テンキー、操作キー群等から構成される。操作表示部22は、ユーザからの指示を受け付けその操作信号を後述する制御部250(図9参照)に出力する。また、制御部250から入力される表示信号に従って、各種操作指示や設定情報を入力するための各種設定画面や各種処理結果等を表示する操作画面をLCD221上に表示する。
プリント部23は、電子写真方式の画像形成処理を行うものであり、給紙部231、用紙搬送部232、画像形成部233、定着部234等のプリント出力に係る各部を備えて構成される。なお、本実施形態のプリント部23では、電子写真方式を適用した例を説明するが、これに限らず、インクジェット方式、熱昇華方式等、他のプリント方式を適用してもよい。
給紙部231は、複数の給紙トレイと給紙トレイ毎に設けられた給紙ローラ、分離ローラ、給紙/分離ゴム、送り出しローラ等からなる給紙手段を備える。各給紙トレイには、用紙の種類(紙種、坪量、用紙サイズ等)毎に予め識別された給紙され得る用紙が格納されており、その用紙は最上部から一枚ずつ給紙手段により用紙搬送部に向けて搬送される。また、給紙トレイ毎に格納されている用紙の種類の情報(紙種、坪量、用紙サイズ等)は、不揮発メモリ251(図9参照)に記憶されている。
用紙搬送部232は、給紙装置10又は給紙部231から画像形成部233へ用紙を搬送する。そして、画像形成部233で画像形成された用紙は、用紙搬送部232によってさらに第2画像形成装置40側へ搬送される。用紙搬送部232では、用紙は、曲がり補正を行うレジストローラ233aの上流側で一旦待機し、画像形成タイミングに応じて、レジストローラ233aの下流側への搬送が再開される。
また、用紙搬送部232は、搬送路切替部232aや反転ローラ等から構成される反転部232bを備える。反転部232bは、搬送路切替部232aの切り替え動作に応じて、定着部234を通過した用紙の表裏を反転せずに下流側に連結された装置へ搬送したり、反転ローラ等によりスイッチバックして用紙の表裏を反転させた後に下流側に連結された装置へ搬送したりする。また、反転部232bは、定着部234を通過した用紙の表裏を反転させて第1画像形成装置20の画像形成部233へ再給紙する循環経路部を備えていてもよい。
画像形成部233は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置等を備え、印刷画像データに基づき、用紙面上に画像を形成する。なお、第1画像形成装置20がカラー画像を形成するものである場合には、画像形成部233が色(Y,M,C,Bk)毎に設けられる。
画像形成部233では、帯電装置により帯電された感光体ドラムの表面に、露光装置から印刷画像データに応じた光が照射され静電潜像が書き込まれる。そして、現像装置により、静電潜像が書き込まれた感光体ドラムの表面に帯電したトナーを付着させることにより静電潜像が現像される。感光体ドラム上に付着したトナー画像は、転写位置で用紙に転写される。用紙にトナー画像が転写された後、クリーニング装置により、感光体ドラム表面の残留電荷や残留トナー等が除去され、除去されたトナー等はトナー回収容器へ回収される。
定着部234は、定着ヒータ、定着ローラ、定着外部加熱部等から構成され、用紙に転写されたトナー画像を熱定着する。
[用紙搬送装置]
用紙搬送装置30は、用紙搬送方向において、第1画像形成装置20の下流側、かつ、第2画像形成装置40の上流側に設置されている。本実施形態では、用紙搬送装置30は、第2画像形成装置40からの指示に従って、第1画像形成装置20から搬送された用紙を、第2画像形成装置40へと搬送する。
用紙搬送装置30は、用紙搬送路31と、自動経路開放機構32と、濃度センサ319と、ニップ状態検知センサ(図示を省略する)とを備える。用紙搬送路31は、第1画像形成装置20から搬送されてきた用紙を第2画像形成装置40へ搬送する。自動経路開放機構32は、ジャム発生時に用紙搬送路31を自動的に開閉し、用紙搬送装置30及び第1画像形成装置20内にある用紙を排出(パージ)する。以下の説明では、ジャム発生時における自動経路開放機構32を用いた用紙の排出動作を、「パージ動作」とし、パージされる用紙を「パージ対象紙」として説明する。用紙搬送路31及び自動経路開放機構32の詳細な構成については、後述する。
濃度センサ319は、搬送されてくる用紙に形成された画像の濃度を測定する。ニップ状態検知センサ(本発明の検知部)は、後述する自動経路開放機構32の開閉によって変化する第5搬送ローラ対317が圧接しているか否かを検知する。
ところで、用紙が第1画像形成装置20と第2画像形成装置40との両方に架かった状態で用紙を停止させた場合には、両方の画像形成装置を待機させる等、両方の画像形成装置を同時に制御する必要があり、制御が複雑になる。そこで、用紙搬送装置30の用紙搬送路31は、用紙の搬送方向の長さよりも長くなるように構成されている。
用紙搬送路31に必要な長さを詳述すると、以下の例が挙げられる。第1に、第2画像形成装置40の用紙搬送路の途中に用紙停止位置を有する場合、用紙搬送路31の長さは、第2画像形成装置40内で停止した用紙の先端を基点として、当該用紙の後端が用紙搬送装置30内に収まるように設定されている。第2に、用紙搬送装置30の用紙搬送路31の途中に用紙停止位置を有する場合、用紙搬送路31の長さは、用紙搬送装置30内で停止した用紙の先端を基点として、当該用紙の後端が用紙搬送装置30内に収まるように設定されている。なお、例えば第1搬送ローラ対313で用紙先端が停止した場合には、第1画像形成装置20まで用紙が架かる場合があり、このように、条件によっては用紙搬送装置30内に用紙が収まらない場合も有り得る。
図2は、用紙の停止位置と用紙搬送装置30の用紙搬送路31との関係(第1例)を示す説明図である。図2の例では、第2画像形成装置40のレジストローラ433aを用紙停止位置としている。この場合、用紙搬送路31の長さは、第2画像形成装置40のレジストローラ433aのニップ部を、用紙Sの先端の基点として、当該用紙Sの後端が用紙搬送装置30内に収まるように形成されている。用紙Sの後端は、用紙搬送装置30の用紙搬送路31の途中、例えば後述する第3搬送ローラ対315の近くに位置している。
図3は、用紙の送り方向の最大長さと用紙搬送装置30の用紙搬送路31との関係(第2例)を示す説明図である。図3の例では、用紙搬送装置30の第5搬送ローラ対317を用紙停止位置としている。この場合、用紙搬送路31の長さは、用紙搬送装置30の第5搬送ローラ対317のニップ部を、用紙Sの先端の基点として、当該用紙Sの後端が用紙搬送装置30内に収まるように形成されている。用紙Sの後端は、用紙搬送装置30の用紙搬送路31の用紙搬入側にある第1搬送ローラ対313の近くに位置している。なお、用紙送り方向の最大長さと用紙搬送装置30の用紙搬送路31の関係はこれに限られるものではなく、用紙の長さによっては、第1画像形成装置20まで用紙が架かることもあり得る。
以上のように、用紙搬送路31の長さを用紙の搬送方向の長さよりも長くすることで、用紙搬送装置30内で用紙を停止させた場合にも、少なくともどちらかの画像形成装置にのみ用紙がかかる状態とすることができる。これにより、用紙を停止させたとき、第1画像形成装置20及び第2画像形成装置40のうち、内部で用紙が停止していない方の画像形成装置を待機させる必要がなく、第1画像形成装置20と第2画像形成装置40の制御を容易にすることができる。
また、本実施形態では、用紙搬送路31は、用紙搬送装置30の正面側から見ると、用紙搬入側の第1搬送ローラ対313付近から用紙排出側の最も近い位置に設けられた第6搬送ローラ対318付近まで湾曲するように構成されている。本実施形態では、用紙搬送路31の湾曲形状は、下方向に凸形状の略Uの字形状である。用紙搬送路31を湾曲させることにより、限られたスペースの中で用紙搬送路31の長さを確保できる。換言すると、用紙搬送路31を湾曲させることによって、用紙搬送路31の長さを確保した上で用紙搬送装置30を小型にすることができる。
さらに、用紙搬送装置30は、ジャム発生時に用紙搬送路31を開放し自動でパージ動作を行う自動経路開放機構32(経路開閉機構の一例)を備える。ジャムとは、画像形成システム1内で用紙が何らかの理由により異常停止することを指し、画像形成システム1内で異常に停止した用紙をジャム用紙といい、ユーザが異常停止する原因となった用紙(ジャム用紙)及び搬送中に停止されたジャム用紙以外の用紙(残留紙)を除去する行為をジャム処理と記す。また、本実施形態では、パージ動作とは、用紙搬送装置30よりも下流側でジャムが発生した際に、用紙搬送装置30内及びその上流の第1画像形成装置20内にある残留紙(パージ対象紙)を排出する動作を指す。
用紙搬送装置30では、ジャムが発生したとき、自動経路開放機構32が用紙搬送路31の一部を開放することにより、ジャム発生時に用紙搬送路31に残留した用紙を下方に設置された収容部33に収容する構成となっている。そして、パージ動作及びジャム処理を行うことにより、画像形成システム1の動作を再開することができる。
[第2画像形成装置]
第2画像形成装置40は、プリント部43等を備えて構成され、第1画像形成装置20と協働して用紙面上に画像を形成する。第1画像形成装置20から搬送された用紙は、搬送ローラ434aを経てレジストローラ433aへ搬送される。用紙は、レジストローラ433aの上流側で一旦待機し、画像形成タイミングに応じて、レジストローラ433aの下流側への搬送が再開される。なお、第2画像形成装置40が備えるプリント部43は、第1画像形成装置20が備えるプリント部23と同様に、給紙部431、反転部432bを備えた用紙搬送部、画像形成部、定着部等のプリント出力に係る各部を備える。これらの構成は、第1画像形成装置20と同様であるので説明は省略する。
[後処理装置]
後処理装置50は、用紙搬送方向において、第2画像形成装置40の下流側に設置されており、ソート部、ステイプル部、パンチ部、折り部等の各種後処理部と、排紙トレイ(大容量排紙トレイT1やサブトレイT2)等を備え、第2画像形成装置40から搬送された用紙に対して各種後処理を施し、後処理が施された用紙を大容量排紙トレイT1やサブトレイT2に排出する。大容量排紙トレイT1は、昇降移動するステージを有し、用紙をステージに積み重ねた状態で大量に収容する。サブトレイT2には、用紙が外部に露出され、目視可能な状態で排紙される。
[用紙搬送路の要部とその周辺の構成]
ここで、用紙搬送装置30の自動経路開放機構32の構成について、さらに説明する。図4は、用紙搬送装置30を正面から見た用紙搬送路31の要部(ロック状態)の構成を示している。図5は、用紙搬送装置30を正面から見た用紙搬送路31の要部(ロック解除状態)の構成を示している。また、図6は、用紙搬送装置30の用紙搬送路31の前面に設けられる固定板37を示した図である。本実施形態では、固定板37を用紙搬送路31の前面に設ける例としたが、ユーザに対する安全性の確保の為、固定板37を用紙搬送路31の背面側に設置する構成としてもよい。
図4に示すように、用紙搬送装置30は、下方向に湾曲した用紙搬送路31と、自動経路開放機構32を備えている。用紙搬送装置30内の用紙搬送路31は、湾曲した板状の内側ガイド部31aと、内側ガイド部31aに対向するように設けられた湾曲した板状の固定ガイド部31b,31cと、下方向に回動可能な第1可動ガイド部34及び第2可動ガイド部35(本発明の可動ガイド部の一例)から構成されている。
第1可動ガイド部34は、内側ガイド部31aに対向するように設けられた板状のガイド部343を有する第1可動ガイド部本体341と、ロック機構を有する。第2可動ガイド部35は、第1可動ガイド部34よりも用紙搬送方向に対して上流側に設けられており、内側ガイド部31a対向するように設けられた板状のガイド部353を有する第2可動ガイド部本体351と、ロック機構を有する。上述した固定ガイド部31b、ガイド部353、ガイド部343、固定ガイド部31cは、この順に上流側から下流側に配置されている。
また、用紙搬送装置30は、上流側搬送部310a、中間搬送部310b、下流側搬送部310cを備え、用紙搬送方向の上流側から用紙搬送路31に沿って、この順に配置されている。上流側搬送部310aは、用紙搬送路31に沿って順に設けられた第1搬送ローラ対313、第2搬送ローラ対314を備える。また、第1搬送ローラ対313及び第2搬送ローラ対314は、第1ステッピングモータ365(図11参照)によって回転駆動される。中間搬送部310bは、上流側搬送部310aの下流側において、用紙搬送路に沿って順に設けられた第3搬送ローラ対315、第4搬送ローラ対316を備える。また、第3搬送ローラ対315及び第4搬送ローラ対316は、第2ステッピングモータ366(図11参照)によって回転駆動される。下流側搬送部310cは、中間搬送部310bの下流側において用紙搬送路31に沿って順に設けられた第5搬送ローラ対317、第6搬送ローラ対318を備える。また、第5搬送ローラ対317及び第6搬送ローラ対318は、第3ステッピングモータ367(図11参照)によって回転駆動される。
ここで、第5搬送ローラ対317が本発明の「下流側搬送ローラ対」に相当し、下流側搬送部よりも上流側に配置された第1〜第4搬送ローラ対313〜316が本発明の「上流側搬送ローラ対」に相当するものである。
なお、図4に示す複数の搬送ローラ対のうち、第2搬送ローラ対314は、カール強制ローラとして機能する。また、第4搬送ローラ対316は、用紙にループを形成するためのループ作成用ローラとして機能する。さらに、第5搬送ローラ対317は、レジストローラとして機能する。
内側ガイド部31aと、固定ガイド部31b,31cは、用紙搬送装置30の裏面30Aに直接、又は任意の部材を介して固定されている。内側ガイド部31aは、下方向に湾曲した用紙搬送路31の内側において固定されている。一方、固定ガイド部31b,31cと、第1可動ガイド部本体341のガイド部343と、第2可動ガイド部本体351のガイド部353によって、用紙搬送路31の外側のガイド部が構成される。
固定ガイド部31b,31cと、第1可動ガイド部本体341のガイド部343と、第2可動ガイド部本体351のガイド部353は、内側ガイド部31aの湾曲形状に沿って湾曲している。
第1可動ガイド部本体341は、内側ガイド部31aの湾曲形状に沿って湾曲しており、用紙搬送方向の下流側の端部に設けられた回動軸部342を有し、その回動軸部342に回動可能に軸支されている。第1可動ガイド部本体341は、不図示のガイド部駆動機構により回動軸部342より上流側の用紙搬送路31を開放するように回動駆動される。回動軸部342は、その軸方向が用紙搬送方向に直交している。各種ローラ及び回動軸部342の一方の端部は、用紙搬送装置30内部の裏面30A側に配置された固定板37に取り付けられる。また各種ローラ及び回動軸部342の他方の端部は、用紙搬送装置30内部の前面側に配置された固定板37(図6参照)に取り付けられる。
第1可動ガイド部本体341の所定の位置には、係止部材344が回動軸部345によって回動可能に軸支されている。係止部材344は、一方の端部に回動軸部345が軸通されており、他方の端部に鉤状のかぎ部344aが形成されている。係止部材344及びかぎ部344aによって第1可動ガイド部34のロック機構が構成される。
係止部材344のかぎ部344aが、図6に示す固定ピン371に掛け止められることにより、第1可動ガイド部本体341が係止され、それにより用紙のガイドが可能となる位置(案内位置)に保持される(ロック状態)。
一方、係止部材344のかぎ部344aが、固定ピン371に掛け止められていない場合、第1可動ガイド部本体341の上流側がその自重により回動軸部342を中心に時計回りに回動し(開放位置)、用紙搬送路31が開放される(ロック解除状態)(図5参照)。
また、第1可動ガイド部本体341には、下流側搬送部310cを構成する第5搬送ローラ対317の従動ローラ317bが取り付けられている。これにより、第1可動ガイド部本体341の回動に伴って従動ローラ317bが移動する。このように、第1可動ガイド部本体341の開放時に、第5搬送ローラ対317の従動ローラ317bが第1可動ガイド部本体341の回動動作と一体に退避し、第5搬送ローラ対317の圧接が解除される。これにより、用紙搬送路31において、第4搬送ローラ対316よりも下流側の下流領域が開放される。
第2可動ガイド部35は、用紙搬送路31の中間地点を境に第1可動ガイド部34とおおよそ左右対称の形状であり、第1可動ガイド部34とほぼ同じ要素から構成される。第2可動ガイド部35の第2可動ガイド部本体351は、用紙搬送方向の上流側の端部に設けられた回動軸部352を有し、その回動軸部352によって回動可能に軸支されている。第2可動ガイド部本体351は、不図示のガイド部駆動機構により下流側を下方に開放するように回動駆動される。回動軸部352は、その軸方向が用紙搬送方向に直交している。回動軸部352の一方の端部は、用紙搬送装置30内部の裏面30A側に配置された固定板37に取り付けられる。また回動軸部352の他方の端部は、用紙搬送装置30の前面側に配置された固定板37(図8参照)に取り付けられる。
第2可動ガイド部本体351の所定の位置には、係止部材354が回動軸部355によって回動可能に軸支されている。係止部材354は、一方の端部に回動軸部355が軸通されており、他方の端部に鉤状のかぎ部354aが形成されている。係止部材354及びかぎ部354aによって第2可動ガイド部35のロック機構が構成される。
係止部材354のかぎ部354aが、図6に示す固定ピン372に掛け止められることにより、第2可動ガイド部本体351が係止され、それにより用紙のガイドが可能となる位置(案内位置)に保持される(ロック状態)。
ここで、第1可動ガイド部本体341と第2可動ガイド部本体351がロックされているときは、第1可動ガイド部本体341の先端部341tと、第2可動ガイド部本体351の先端部351tが近接し、対向した状態になる。
一方、係止部材354のかぎ部354aが、固定ピン372に掛け止められていない場合、第2可動ガイド部本体351の下流側がその自重により回動軸部352を中心に半時計回りに回動し(開放位置)、用紙搬送路31が開放される(ロック解除状態)(図5参照)。
第2可動ガイド部本体351には、第4搬送ローラ対316の従動ローラ316bが取り付けられており、第2可動ガイド部本体351の回動に伴って従動ローラ316bが移動する。このように、第2可動ガイド部本体351の開放時に、第4搬送ローラ対316の従動ローラ316bが第2可動ガイド部本体351の回動動作と一体に退避し、第4搬送ローラ対316の圧接が解除される。そして、これにより、用紙搬送路31では、第1可動ガイド部34によって開放される下流領域に連続する上流領域が開放される。
第1可動ガイド部本体341の回動軸部345に軸支された操作部346と、第2可動ガイド部本体351の回動軸部355に軸支された操作部356は、第1可動ガイド部本体341と第2可動ガイド部本体351をそれぞれロック位置に戻すために利用される。例えば、ユーザが、第1可動ガイド部本体341と第2可動ガイド部本体351をそれぞれロック位置に戻して操作部346と操作部356を操作すると、係止部材344,354がそれぞれ固定ピン371,372に掛止され、ロック状態となる。第5搬送ローラ対317の従動ローラ317bは、操作部346よりも下流側にある回動軸部342に近い位置に配置されている。
上述したように、本実施形態に係る自動経路開放機構32は、用紙搬送路31を開放する第1可動ガイド部34及び第2可動ガイド部35を有する。第1可動ガイド部34及び第2可動ガイド部35は、それぞれの回動軸部342,352を中心に回動し、用紙を案内するガイド部343,353を備えた第1及び第2可動ガイド部本体341,351と、用紙の案内が可能となる位置に第1及び第2可動ガイド部本体341,351を保持するためのロック機構を備える。ロック機構は、後述するロック解除機構38(図6参照)によりロックが解除される。
そして、ジャム発生時に、第1可動ガイド部本体341を開放し、この開放動作と一体に第5搬送ローラ対317の従動ローラ317bが用紙搬送路31から離れる方向に移動することにより、第5搬送ローラ対317の圧接が解除される。これと同時に、第2可動ガイド部本体351を開放し、この開放動作と一体に第4搬送ローラ対316の従動ローラ316bが用紙搬送路31から離れる方向に移動することにより、第4搬送ローラ対316の圧接が解除される。このような構成とすることにより、用紙搬送路31では、第4搬送ローラ対316と第5搬送ローラ対317との間の領域を含む領域が開放され、用紙搬送路31の用紙が収容部33に収容される。そして、ユーザは収容部33に収容された用紙を集約して除去することができる。
なお、用紙搬送路31に配置された第3搬送ローラ対315の上流側に、カール矯正ローラとなる第2搬送ローラ対314(カール矯正部の一例)が設けられている。さらに、第2搬送ローラ対314の上流側には、用紙のカールの方向及びカールの程度を検出するカール検出部(不図示)が設置されている。カール矯正ローラとなる第2搬送ローラ対314は、カール検出部による検出結果に基づき、例えば硬度の異なるローラ対を使用して用紙のカールを矯正する。本実施形態では、第2搬送ローラ対314をカール矯正部として用いる例を説明したが、その他の例としてコロとベルトを用いてカール強制部を構成してもよい。
〈1−2.自動経路開放機構のロック解除動作〉
次に、図6〜図8を用いて自動経路開放機構32のロック解除動作を説明する。図7は、自動経路開放機構32のロック解除動作の第1の説明図である。図8は、自動経路開放機構32のロック解除動作の第2の説明図である。
用紙搬送装置30の前面側に配置された固定板37の前面側の表面に、固定ピン371,372が立設されている。図6に示すように、自動経路開放機構32が開放されていない、すなわち第1可動ガイド部34がロック状態であるとき、第1可動ガイド部34が備える係止部材344のかぎ部344aが固定ピン371に掛止されている。同様に、第2可動ガイド部35が備える係止部材354のかぎ部354aが固定ピン372に掛止されている。
ロック解除機構38は、揺動カム381と偏芯カム384を備える。揺動カム381は、略扇形であり、扇のかなめ部分に相当する位置にある回動軸382に軸支され、回動軸382を中心に変位する。揺動カム381は、所定位置に偏芯カム384を案内するガイド孔383と、ガイドピン387,388を案内するガイド孔385,386が形成されている。ガイドピン387,388は、固定板37の前面側の表面に立設されている。回動軸382に近い側からガイドピン387、ガイドピン388の順に配置されている。
偏芯カム384は、揺動カム駆動制御部471の制御の下、不図示の偏芯カム駆動部によって回転軸384aを中心に回転駆動する。偏芯カム駆動部としては、モータと各種の機構を組み合わせたものや、各種のアクチュエータを採用することができる。偏芯カム384が回転すると、回転軸384aからガイド孔383の縁までの距離が変化して、ガイド孔383の縁に当接する。それにより、揺動カム381が回動軸382を中心に左右に揺動する。図6に示す揺動カム381の位置は、第1可動ガイド部34及び第2可動ガイド部35のいずれのロック状態も解除していないホームポジション(図4参照)である。
揺動カム381の外周部の、レジストローラである第5搬送ローラ対317の駆動ローラ317aと対向する部分には、駆動ローラ317aの曲面に合わせて凹形状とされた逃げ部381cが形成されている。また、揺動カム381の外周部の、第4搬送ローラ対316の駆動ローラ316aと対向する部分には、駆動ローラ316aの曲面に合わせて凹形状とされた逃げ部381dが形成されている。これらの逃げ部381c,381dにより、揺動カム381が左右に揺動しても、揺動カム381の外周部が各駆動ローラに接触しない。このような形状とすることにより、揺動カム381の小型化につながる。
図7に示すように、偏芯カム384が回転して回転軸384aの左側の径が長くなると、揺動カム381が左方向に変位する。それにより、揺動カム381の突部381aが、第1可動ガイド部34が備える係止部材344のかぎ部344aを押し出す。係止部材344のかぎ部344aが押し出されることにより、第1可動ガイド部34のロック状態が解除され、第1可動ガイド部本体341は自重で開放される(図5参照)。
図8に示すように、偏芯カム384が図7に示した状態からさらに回転を続け、偏芯カム384の回転軸384aの右側の径が長くなると、揺動カム381が右方向に変位する。それにより、揺動カム381の突部381aが、第2可動ガイド部35が備える係止部材354のかぎ部354aを押し出す。係止部材354のかぎ部344aが押し出されることにより、第2可動ガイド部35のロック状態が解除され、第2可動ガイド部本体351は自重で開放される(図5参照)。
揺動カム381が右方向への変位により第2可動ガイド部35が備える係止部材354のかぎ部354aを押し出した後、図示しない偏芯カム駆動軸上の位相アクチュエータにより、偏芯カム384はホームポジション(図6参照)まで回転して停止する。
以上、図6〜図8を参照して、用紙搬送装置30の前面側に配置された揺動カム381を用いた自動経路開放機構32のロック解除動作について説明したが、揺動カム381を含む自動経路開放機構32は用紙搬送装置30内部の裏面30A側にも配置されている。ただし、揺動カム381を含む自動経路開放機構32は、少なくとも裏面30A側又は前面側のいずれかに配置されていればよい。
〈1−3.画像形成システムの内部構成〉
次に、画像形成システム1の内部構成について説明する。
[第1画像形成装置の内部構成]
図9は、画像形成システム1の第1画像形成装置20の内部構成を示すブロック図である。図9に示すように、第1画像形成装置20は、画像読取部21、操作表示部22、プリント部23、コントローラ24、画像制御基板25、通信部26等を備えて構成されている。第1画像形成装置20は、コントローラ24のLANIF(Local Area Network InterFace)244を介してネットワーク3上の外部装置2と相互にデータが送受信可能に接続されている。
画像読取部21は、上述した自動原稿送り部及び読取部と、画像読取制御部210とを備える。画像読取制御部210は、制御部250からの指示に基づいて自動原稿送り部及び読取部等を制御して、複数の原稿の画像を読み取るスキャナ機能を実現させる。画像読取部21により読み取られたアナログ画像データは、読取処理部253に出力され、読取処理部253においてA/D変換され各種画像処理が施される。
操作表示部22は、上述したLCD221やタッチパネル等と、操作表示制御部220とを備える。操作表示制御部220は、制御部250から入力される表示信号に従って、各種設定条件を入力するための各種画面や各種処理結果等を表示する操作画面をLCDに表示させる。また、操作表示制御部220は、各種スイッチやボタン、テンキー、操作キー群又はタッチパネル等から入力される操作信号を制御部250に出力する。
プリント部23は、上述した給紙部231、用紙搬送部232、画像形成部233、定着部234(図1参照)等のプリント出力に係る各部と、プリント制御部230とを備える。プリント制御部230は、制御部250からの指示に従って画像形成部233等のプリント部23の各部の動作を制御し、書込処理部258から入力された印刷画像データに基づいて画像形成を行わせる。
コントローラ24は、ネットワーク3に接続される外部装置2から画像形成システム1に入力されるデータの管理及び制御を行うものである。コントローラ24は、外部装置2からプリント対象のデータ(プリントデータ及びプリント設定データ)を受信し、当該プリントデータを展開して生成した画像データとプリント設定データとを画像制御基板25へ送信する。コントローラ24は、コントローラ制御部241、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC242、画像メモリ243、LANIF244等から構成される。
コントローラ制御部241は、コントローラ24各部の動作を統括的に制御し、LANIF244を介して外部装置2から入力されるプリントデータを展開してビットマップ形式の画像データの生成を行う。
DRAM制御IC242は、LANIF244により受信されたプリントデータのコントローラ制御部241への転送や、画像メモリ243に対する画像データ及びプリント設定データの書き込み/読み出しを制御する。また、DRAM制御IC242は、画像制御基板25のDRAM制御IC255とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されている。DRAM制御IC242は、コントローラ制御部241からの指示に従って、プリント対象の画像データ及びプリント設定データを画像メモリ243から読み出してDRAM制御IC255に出力する。
画像メモリ243は、DRAM等の揮発性メモリから構成され、画像データ及びプリント設定データを一時的に記憶する。
LANIF244は、NIC(Network Interface Card)やモデム等のLAN等のネットワーク3に接続するための通信インターフェイスであり、外部装置2からプリントデータやプリント設定データを受信する。受信されたプリントデータやプリント設定データは、DRAM制御IC242に出力される。
画像制御基板25は、制御部250、不揮発メモリ251、RAM(Random Access Memory)252、読取処理部253、圧縮IC254、DRAM制御IC255、画像メモリ256、伸長IC257、書込処理部258等を備える。
制御部250は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、不揮発メモリ251に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM252に展開する。そして、制御部250は、RAM252に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、第1画像形成装置20の各部を集中制御する。
また、第1画像形成装置20がメイン機に設定されていることから、制御部250は、画像形成システム1を構成する各装置から、各装置の状態を示す信号を通信部26を介して受信する。そして、制御部250は、当該各装置の状態を示す信号に基づいて画像形成システム1全体を統括的に制御する。例えば、第2画像形成装置40内でのエラー(JAM発生、用紙切れ、トナー不足等)を示す信号を受信した場合には、当該エラーに応じた表示信号や動作指示信号を生成し、当該生成した信号を操作表示部22や第2画像形成装置等へ送信する。
また、制御部250は、外部装置2からコントローラ24を介して入力された画像データ及びプリント設定データ、又は、画像読取部21から入力された画像データ及び操作表示部22により設定された設定情報、に基づいてジョブデータ及び圧縮画像データを生成する。そして、制御部250は、生成したジョブデータ及び圧縮画像データに基づいて、第2画像形成装置40と協働してジョブを実行する。
ジョブとは、画像形成に関する一連の動作であり、例えば、所定ページの原稿からなる複写物を作成する場合には、所定ページの原稿の画像形成に関する一連の動作が1ジョブである。このジョブの動作を実行するためのデータがジョブデータである。
ジョブデータは、ジョブ情報とページ情報とを含む。ジョブ情報は、全ページに共通する情報である。例えば、ジョブ情報は、ジョブの設定部数、排紙トレイ、応用機能(集約、リピート等)、カラー/モノクロ等を含む。ページ情報は、各ページの圧縮画像データと関連付けられており、関連付けられた圧縮画像データに係る情報である。例えば、ページ情報は、ページ番号、画像サイズ(縦、横)、画像の向き、画像の幅、画像の回転角度、画像が形成される用紙の種類、当該用紙が格納されている給紙トレイ、プリントモード(両面モード/片面モード)、圧縮画像データの格納アドレス等を含む。
不揮発メモリ251は、画像形成に係る各種処理プログラム及び各種データ等を記憶する。また、不揮発メモリ251は、給紙装置10、第1画像形成装置20の給紙部、第2画像形成装置40の給紙部が、それぞれ備える給紙トレイ毎に格納されている用紙の種類の情報を記憶している。
RAM252は、制御部250により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係る各種データ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。また、RAM252は、コントローラ24から入力された画像データ及びプリント設定データ、又は、画像読取部21から入力された画像データ及び当該画像データが取得される際に操作表示部22により設定された設定情報、に基づいて制御部250により生成されたジョブデータを一時的に記憶する。
読取処理部253は、画像読取部21から入力されるアナログ画像データに、アナログ処理、A/D変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施した後、デジタル画像データを生成する。生成された画像データは、圧縮IC254に出力される。
圧縮IC254は、入力されたデジタル画像データに圧縮処理を施してDRAM制御IC255に出力する。
DRAM制御IC255は、制御部250からの指示に従って、圧縮IC254による画像データの圧縮処理及び伸長IC257による圧縮画像データの伸長処理を制御するとともに、画像メモリ256への画像データの入出力制御を行う。
例えば、DRAM制御IC255は、画像読取部21により読み取られた画像データの保存指示が制御部250から入力されると、読取処理部253に入力された画像データの圧縮処理を圧縮IC254により実行させて、圧縮画像データを画像メモリ256の圧縮メモリ256aに記憶させる。また、DRAM制御IC255は、コントローラ24のDRAM制御IC242から画像データが入力されると、当該画像データの圧縮処理を圧縮IC254により実行させ、圧縮画像データを画像メモリ256の圧縮メモリ256aに記憶させる。
更に、DRAM制御IC255は、圧縮メモリ256aに記憶された圧縮画像データのプリント出力指示が制御部250から入力されると、圧縮メモリ256aから圧縮画像データを読み出し、伸長IC257により伸長処理を施してページメモリ256bに記憶させる。さらに、ページメモリ256bに記憶された画像データのプリント出力指示が入力されると、ページメモリ256bから画像データを読み出して書込処理部258に出力する。
画像メモリ256は、DRAM(Dynamic RAM)から構成される圧縮メモリ256aと、ページメモリ256bとを備える。圧縮メモリ256aは、圧縮画像データを記憶するためのメモリであり、ページメモリ256bは、プリント出力用の画像データを一時的に記憶、又は、コントローラから受信した画像データを圧縮前に一時的に記憶するためのメモリである。
伸長IC257は、圧縮画像データに伸長処理を施す。
書込処理部258は、DRAM制御IC255から入力された画像データに基づいて、画像形成のための印刷画像データを生成し、プリント部23に出力する。
通信部26は、画像形成システム1を構成する各装置が接続されたネットワークに接続するための通信インターフェイスである。例えば、通信部26は、NIC(Network Interface Card)等を用いて第2画像形成装置40と通信を行い、また、給紙装置10及び用紙搬送装置30とシリアル通信を行なう。
[第2画像形成装置の内部構成]
図10は、画像形成システム1の第2画像形成装置40の内部構成を示すブロック図である。図10に示すように、第2画像形成装置40は、プリント部43、画像制御基板45、通信部46等を備えて構成されている。
プリント部43は、第1画像形成装置20のプリント部23と同様の構成であるため、説明は省略する。
画像制御基板45は、制御部450、不揮発メモリ451、RAM452、DRAM制御IC455、画像メモリ456、伸長IC457、書込処理部458等を備える。
制御部450は、CPU等から構成され、不揮発メモリ451に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM452に展開する。そして、制御部250は、RAM452に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、第2画像形成装置40及び用紙搬送装置30の各部を集中制御する。
不揮発メモリ451は、画像形成に係る各種処理プログラム及び各種データ等を記憶する。また、不揮発メモリ451は、給紙装置10、第2画像形成装置40の給紙部、第1画像形成装置20の給紙部、それぞれが備える給紙トレイ毎に格納されている用紙の種類の情報を記憶している。
RAM452は、制御部450により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係る各種データ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。また、RAM452には、通信部46を介して第1画像形成装置20から入力されたデータが一時的に記憶される。
DRAM制御IC455は、制御部450からの指示に従って、伸長IC457による圧縮画像データの伸長処理を制御するとともに、画像メモリ456への画像データの入出力制御を行う。
例えば、DRAM制御IC455は、通信部46からジョブデータ及び圧縮画像データが入力されると、ジョブデータをRAM452に、圧縮画像データを画像メモリ456の圧縮メモリ456aにそれぞれ記憶させる。また、DRAM制御IC455は、圧縮メモリ456aに記憶された圧縮画像データのプリント出力指示が制御部450から入力されると、圧縮メモリ456aから圧縮画像データを読み出し、伸長IC457により伸長処理を施してページメモリ456bに記憶させる。さらに、ページメモリ456bに記憶された画像データのプリント出力指示が入力されると、ページメモリ456bから画像データを読み出して書込処理部458に出力する。
画像メモリ456は、DRAMから構成される圧縮メモリ456aとページメモリ456bとを備える。圧縮メモリ456aは、圧縮画像データを記憶するためのメモリであり、ページメモリ456bは、プリント出力用の画像データを一時的に記憶するためのメモリである。
伸長IC457は、圧縮画像データに伸長処理を施す。
書込処理部458は、DRAM制御IC455から入力された画像データに基づいて、画像形成のための印刷画像データを生成し、プリント部43に出力する。
通信部46は、画像形成システム1を構成する各装置が接続されたネットワークに接続するための通信インターフェイスである。例えば、通信部46は、NIC等を用いて第1画像形成装置20と通信を行い、また、用紙搬送装置30及び後処理装置50とシリアル通信を行なう。
[用紙搬送装置の内部構成]
図11は、画像形成システム1の用紙搬送装置30の内部構成を示すブロック図である。図11に示すように、用紙搬送装置30は、制御部360、信号処理部380、駆動部370、電源部361を備える。
制御部360は、CPU等から構成され、信号処理部380から送られてくる信号や、図示を省略する通信部を介して受信する第1画像形成装置20及び第2画像形成装置40の制御信号に基づき、駆動部370の各部を制御する。
信号処理部380は、濃度センサ信号処理部362、ニップ状態検知センサ信号処理部369を有する。濃度センサ信号処理部362は、制御部360の制御の下、濃度センサ319から出力されたセンサ信号に対して所定の信号処理を行い、処理後の信号を通信部46(図10参照)を介して第2画像形成装置40の制御部450に送る。なお、第2画像形成装置40では、制御部450は、濃度センサ信号処理部362から送られた信号を受信し、濃度センサ319の測定結果に基づいて、第2画像形成装置40で形成する画像の濃度を調整する。一例としてテストパターン画像のガンマカーブの補正を行う。
ニップ状態検知センサ信号処理部369は、制御部360の制御の下、ニップ状態検知センサ(図示せず)から出力されたセンサ信号に対して所定の信号処理を行い、処理後の信号を制御部360に送信する。制御部360は、ニップ状態検知センサ信号処理部369から受信した信号に基づき、駆動部370の各部を制御する。
駆動部370は、揺動カム駆動制御部363、偏芯カム駆動部364、第1ステッピングモータ365、第2ステッピングモータ366、第3ステッピングモータ367を備える。
揺動カム駆動制御部363は、制御部360の制御の下、揺動カム381(図6)を揺動させる偏芯カム384の駆動を制御するための制御信号を生成し、該制御信号を偏芯カム駆動部364へ送る。
第1ステッピングモータ365は、制御部360の制御の下、上流側搬送部310aを構成する第1搬送ローラ対313及び第2搬送ローラ対314を回転駆動する。また、第2ステッピングモータ366は、制御部360の制御の下、中間搬送部310bを構成する第3搬送ローラ対315及び第4搬送ローラ対316を回転駆動する。また、第3ステッピングモータ367は、制御部360の制御の下、下流側搬送部310cを構成する第5搬送ローラ対317及び第6搬送ローラ対318を回転駆動する。
電源部361は、偏芯カム駆動部364、第1ステッピングモータ365、第2ステッピングモータ366及び第3ステッピングモータ367のそれぞれに必要な電力(電流)を供給する。ここで、偏芯カム駆動部364、第1ステッピングモータ365、第2ステッピングモータ366及び第3ステッピングモータ367のそれぞれに必要な電力(電流)、及び、駆動のタイミングは、制御部360によって制御される。
また、図示を省略するが、用紙搬送装置30にも通信部が設けられており、第1画像形成装置20、第2画像形成装置40及び後処理装置50とシリアル通信を行なう。
〈1−3.ジャム発生時の動作〉
次に、画像形成システム1においてジャムが発生した場合に行う用紙搬送装置30の動作を説明する。図12は、ジャム発生時における用紙搬送装置30のパージ動作及びジャム処理を示すフローチャートである。また、本実施形態では、パージ対象紙は、その搬送方向の長さが第4搬送ローラ対316及び第5搬送ローラ対317に同時にニップされる長さであるものとする。
まず、用紙搬送装置30の制御部360は、ジャム信号の有無により画像形成システム1でジャムが発生したか否かを判定し、ジャムが発生していない場合はこの判定処理を継続する(ステップS1)。
ジャムが発生した場合は、制御部360は、受信したジャム信号に基づき、ジャムが用紙搬送装置30内、又はその上流側の装置(例えば第1画像形成装置20)を起因に発生したか否かを判定する(ステップS2)。ジャムが用紙搬送装置30内、又はその上流側の装置を起因に発生した場合(ステップS2でYESの判定の場合)は、制御部360は、即座に用紙の搬送を停止する。そして、制御部360は、通信部26を介してユーザに対しジャム用紙及び残留紙の処理を指示するメッセージを第1画像形成装置20の操作表示部22のLCD221に表示する制御を行う(ステップS5)。その後、ユーザがジャム用紙及び残留紙を除去するジャム処理を行う(ステップS6)。これにより、ジャム発生時の処理が終了する。
ジャムが用紙搬送装置30内、又はその上流側の装置を起因に発生したものではない場合(ステップS2でNOの判定の場合)は、制御部360は、用紙搬送装置30内、又はその上流側の装置内にパージ対象紙があるか否かを判定する(ステップS3)。パージ対象紙が用紙搬送装置30内、又はその上流側の装置内に無いと判定された場合(ステップS3でNOの場合)、制御部360は、即座に用紙の搬送を停止する。そして、制御部360は、ユーザに対しジャム用紙及び残留紙の処理を指示するメッセージを通信部26を介して第1画像形成装置20の操作表示部22のLCD221に表示する制御を行う(ステップS5)。その後、ユーザがジャム用紙及び残留紙を除去するジャム処理を行う(ステップS6)。これにより、ジャム発生時の処理が終了する。
一方、パージ対象紙が用紙搬送装置30内、又はその上流側の装置内にあると判定された場合(ステップS2でYESの判定の場合)は、制御部360は、パージ動作を開始する(ステップS4)。ここでは、偏芯カム駆動部364の駆動の開始を、パージ動作の開始とする。
次に、第1可動ガイド部34が開放したか否かを判定する(ステップS5)。第1可動ガイド部34が開放したか否かは、ニップ状態検知センサにより第5搬送ローラ対317のニップ状態を検知することで判定する。第1可動ガイド部34が開放していない場合(ステップS5でNOの判定の場合)は、第3ステッピングモータ367を継続して回転駆動する(ステップS9)。これにより、第5及び第6搬送ローラ対317,318は回転し続ける。そして、第3ステッピングモータ367を継続して回転駆動した場合には、さらに、第1可動ガイド部34が開放したか否かの判定を続ける(ステップS5)。
なお、図12のフローでは示されていないが、自動経路開放機構32では、偏芯カム駆動部364が駆動され、第1可動ガイド部34が開放された後、引き続き第2可動ガイド部35が開放される。これにより、用紙搬送路31は開放される。
第1可動ガイド部34が開放した場合(ステップS5でYESの判定の場合)は、第3ステッピングモータ367の駆動を停止する(ステップS6)。これにより、第5及び第6搬送ローラ対317,318の回転が停止する。そして、前段で第1可動ガイド部34が開放され、かつ第1〜第4搬送ローラ対313〜316は回転し続けているので、第1画像形成装置20側から用紙搬送路31に搬送されてくるパージ対象紙は、第5搬送ローラ対317よりも下流側には搬送されず、用紙搬送路31外に排出される。したがって、ジャム発生時に用紙搬送装置30内及び第1画像形成装置20内にあったパージ対象紙が用紙搬送路31外に排出される。
次に、制御部360は、第3ステッピングモータ367を、用紙搬送時の回転方向に対して逆転するように駆動する(ステップS7)。ここで、第1可動ガイド部34及び第2可動ガイド部36によって用紙搬送路31が開放された時点で、パージ対象紙が、第5搬送ローラ対317の下流側にある搬送ローラ対(本実施形態では第6搬送ローラ対318)にニップされている場合には、そのパージ対象紙は用紙搬送路31から排出されない。そのため、第3ステッピングモータ367を逆転させ、第5及び第6搬送ローラ対317,318を用紙搬送時と反対方向に回転する。これにより、ステップS6の段階で排出されなかったパージ対象紙を上流側に戻し、用紙搬送路31から排出することができる。
ここで、パージ対象紙の搬送方向の先端が既に第2画像形成装置40側に入ってしまった状態でパージ対象紙が第6搬送ローラ対318でニップされている場合、そのパージ対象紙を上流側に戻すには第2画像形成装置40の搬送ローラ対も逆転させる必要がある。そうすると制御が複雑になる。そこで、本実施形態では、第5及び第6搬送ローラ対317,318の逆転は、パージ対象紙の搬送方向の先端が第2画像形成装置40に入っていない場合に、そのパージ対象紙を上流側に戻して用紙搬送路31から排出できる程度の期間に行うのが好ましい。その他、用紙先端が第6搬送ローラ対318のニップを抜けるまでの期間、第5及び第6搬送ローラ対317,318の逆転を行う構成としても良い。
[パージ動作]
図13に、図12のステップS4からステップS6で行われるパージ動作時におけるタイミングチャートを示す。まず、ジャムが発生すると同時に、制御部360は、揺動カム駆動制御部363を駆動制御し、揺動カム駆動制御部363は、偏芯カム駆動部364を制御する制御信号をオンする。このとき、第1〜第3ステッピングモータ365,366,367はジャム発生前と同様にオン状態とする。
偏芯カム駆動部364の駆動信号がオンされることにより、偏芯カム384及び揺動カム381が動作する。ところで、偏芯カム駆動部364を制御する制御信号がオンされた場合、偏芯カム駆動部364を構成するモータ等が完全に動きだして偏芯カム384を動作させるまでには時間がかかる。このため、偏芯カム384は偏芯カム駆動部364の制御信号がオンした後、少し遅れて動作を開始し、さらに、揺動カム381は偏芯カム384が動作を開始した後に動作を開始する。
揺動カム381は、まず、下流側に揺動することにより、第1可動ガイド部34のロック状態を解除する。そして、第1可動ガイド部34が用紙搬送路31から離れる方向に回動し始めることにより、第5搬送ローラ対317におけるニップ部のニップ解除動作が開始される。その後、第5搬送ローラ対317を構成する従動ローラ317bと駆動ローラ317aとの圧接が解除されることにより、第1可動ガイド部34におけるニップ解除が完了する。ジャム発生からニップ解除が完了するまでをt2とする。
そして、第1可動ガイド部34におけるニップ解除の完了がニップ状態検知センサによって検知されたら、制御部360は、第3ステッピングモータ367を制御する制御信号をオフする。これにより、第3ステッピングモータ367はオフ(停止)され、第5及び第6搬送ローラ対317,318の回転が停止する。ここで、ジャム発生から第5及び第6搬送ローラ対317,318の回転が停止するまでをt1とする。
第3ステッピングモータ367を制御する制御信号がオフされた場合においても、モータの特性により、完全にモータの回転が停止するまで時間がかかる。このため、図12に示すように、第3ステッピングモータ367の回転は、その制御信号がオフした後、時間Δtだけ遅れて停止する。
ところで、自動経路開放機構32の構造上、ジャム発生時において偏芯カム駆動部364がオンされてから第1可動ガイド部34におけるニップ解除が完了するまでに時間(図12のt2で示す)がかかってしまう。
一方、パージ動作のため、用紙が第5搬送ローラ対317と第4搬送ローラ対316とで同時にニップされた状態で第5及び第6搬送ローラ対317,318のみを停止させ、第1〜第4搬送ローラ対313〜316を回転し続ける。そうすると、第5及び第6搬送ローラ対317,318の回転を停止したことに起因して用紙には用紙の搬送方向と反対方向に急激な負荷が加わる。これにより、第1〜第4搬送ローラ対313〜316を駆動している第1及び第2ステッピングモータ365,366に急激な負荷がかかり、第1及び第2ステッピングモータ365,366が脱調するおそれがある。そして、この脱調は、ジャム発生時から第5搬送ローラ対317のニップ解除が完了する前に第3ステッピングモータ367が停止する場合、すなわち、t2<t1の場合に起こり得る。
そこで、本実施形態では、第3ステッピングモータ367の制御信号を、第5搬送ローラ対317のニップが解除された後にオフする。これにより、第3ステッピングモータ367は第5搬送ローラ対317のニップが解除された後に停止されるので、第3ステッピングモータ367を停止することによってパージ対象紙から第1及び第2ステッピングモータ365,366側にかかる負荷が低減される。この結果、パージ動作時における第1及び第2ステッピングモータ365,366の脱調を防ぐことができる。
本実施形態では、パージ動作時において第1可動ガイド部34におけるニップ解除が完了するタイミングをニップ状態検知センサで検知する構成としたが、第1可動ガイド部34の位置を検出する位置検出部で検知する構成としてもよい。位置検出部は、例えば第1可動ガイド部34の近傍に設けられた位置検出スイッチで構成し、第1可動ガイド部34が位置検出スイッチに当接したこと、又は、離れたことを検出し、第1可動ガイド部34のニップ状態を検知することができる。その他、位置検出部には、回転検出センサを用いてもよい。回転検出センサが操作部346等の回転角度を検出することで、第1可動ガイド部34のニップ状態を検知することができる。さらに、タイマを用いて、ジャム発生から第1可動ガイド部34のニップが解除した後に第5及び第6搬送ローラ対317,318を停止する構成としてもよい。
本実施形態では、パージ対象紙の搬送方向の長さが第4搬送ローラ対316及び第5搬送ローラ対317に同時にニップされる長さである場合について記載したが、これに限られるものではない。例えば、パージ対象紙の搬送方向の長さが第4搬送ローラ対316及び第5搬送ローラ対317に同時にニップされない長さである場合についても本実施形態は適用できる。
《2.第2の実施形態:画像形成システム》
次に、本発明の第2の実施形態にかかる画像形成システムについて説明する。本実施形態の画像形成システムは、ジャム発生時におけるパージ動作及びジャム処理が第1の実施形態と異なる例である。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるから重複説明を省略する。
図14は、本実施形態におけるジャム発生時のフローチャートである。本実施形態において、図14のステップS11〜S14、S23は、図12で説明したステップS1〜S4、S10と同じであるから説明を省略し、ステップS14の後から説明する。
ステップS14においてパージ動作を開始したら、次に、制御部360は、パージ対象紙の剛度が、基準値以上であるか否かで判断する。ここで、剛度の基準値は、機器の仕様で設定される。また、搬送される用紙の長さの情報は、制御部360が不揮発メモリ251(図9参照)に記憶されている情報を通信部26(図9参照)を介して読み取ることで得ることができる。
パージ対象紙の剛度が基準値よりも小さいと判定された場合(ステップS15でNOの判定の場合)は、制御部360は、第1可動ガイド部34が開放したか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16、S17,S18〜S20は、図12のステップS5〜S9と同様であるから説明を省略する。
パージ対象紙の剛度が基準値よりも大きいと判定された場合(ステップS15でYESの判定の場合)は、制御部360は、第1及び第2可動ガイド部34,35が開放したか否かを判定する(ステップS21)。その後、ステップS17〜ステップS20と同様にしてパージ動作を終了し、ジャム処理を終了する。
第1可動ガイド部34及び第2可動ガイド部35によって用紙搬送路31が完全に開放されていないと、第5及び第6搬送ローラ対317,318の停止後、パージ対象紙が排出されにくい。パージ対象紙の剛度が小さく、挫屈しやすい場合には、用紙搬送路31が完全に開放されていなくても、第4搬送ローラ対316側に負荷を与えることなく用紙搬送路31の外側に排出される。しかし、パージ対象紙の剛度が大きく、挫屈しにくい場合には、用紙搬送路31の開放部分が少ないと、第5及び第6搬送ローラ対317,318が停止したときにパージ対象紙が挫屈せずに、第4搬送ローラ対316側に大きな負荷がかかってしまう。これにより、第1及び第2ステッピングモータ365,366が脱調してしまう可能性がある。
本実施形態では、パージ対象紙の剛度が基準値よりも大きい場合には、第1及び第2可動ガイド部34、35が開放した後に第5及び第6搬送ローラ対317,318を停止する。このように、用紙搬送路31が広く開放された後にパージ対象紙の搬送が停止されるので、パージ対象紙は第2可動ガイド部35に遮られることなく用紙搬送路31外に排出される。これにより、パージ対象紙から第4搬送ローラ対316側にかかる負荷を低減することができ、パージ対象紙の剛度が大きい場合でも、第1及び第2ステッピングモータ365,366の脱調を防ぐことができる。
本実施形態では、ステップS14において、パージ対象紙の剛度について判定したが、パージ対象紙の坪量が基準値以上であるか否かを判定するような構成としてもよい。用紙の坪量が高いと用紙が座屈しにくい。このため、坪量が基準値以上である場合は、第2の実施形態と同様に、第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35とが両方とも開放した後に第5及び第6搬送ローラ対317,318を停止する。これにより、第1及び第2ステッピングモータ365,366の脱調を防ぐことができる。
《3.第3の実施形態:画像形成装置》
図15は、本発明の第3の実施形態に係る画像形成システム100の全体構成を示す概略図である。図15において、図1に対応する部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
図15に示す画像形成システム100は、第1画像形成装置20と用紙搬送装置30との間に、中間装置60が配置されている。すなわち、中間装置60は、用紙搬送方向において、第1画像形成装置20の下流側、かつ、用紙搬送装置30の上流側に設置されている。本実施形態では、中間装置60は、第1画像形成装置20からの指示に従って、第1画像形成装置20から搬送された用紙を用紙搬送装置30へと搬送する。
中間装置60は、搬送路切替部61aや反転ローラ等を有する反転部61、画像形成済みの用紙を格納(スタック)するスタック部62等を備えている。
用紙搬送装置30へ搬送する用紙の表裏を反転させる必要がある場合には、搬送路切替部61aの切替動作によって、第1画像形成装置20から搬送された用紙が反転部61に搬送され、反転部61の反転ローラよって当該用紙はスイッチバックされることにより表裏反転され、用紙搬送装置30へと搬送される。
用紙の表裏を反転させる必要がない場合には、搬送路切替部61aの切替動作によって、第1画像形成装置20から搬送された用紙は反転部61へ搬送されず、表裏が反転されずに用紙搬送装置30へ搬送される。
また、第1画像形成装置20から搬送された用紙を一時的に格納させる必要がある場合には、第1画像形成装置20から搬送された用紙がスタック部62に一時的に格納される。なお、中間装置60は、第1画像形成装置20から搬送された用紙を排出する排紙トレイを備えていてもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明した。しかしながら、上記実施の形態による発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
上述した実施の形態では、第1及び第2画像形成装置20,40から構成された直列タンデム方式の画像形成システム1を説明したが、3台以上の画像形成装置を用いて直列タンデム方式の画像形成システムを構成してもよい。この場合、画像形成システムを構成する複数の画像形成装置のうち、用紙搬送方向において最上流側に設けられた画像形成装置がメイン機、メイン機を除く画像形成装置がサブ機として設定されるものとする。
上述した実施の形態では、自動経路開放機構32が第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35を備える構成を説明したが、第1可動ガイド部34と第2可動ガイド部35を一体に構成してもよい。