JP2015142051A - 電子部品及び電子部品の製造方法 - Google Patents
電子部品及び電子部品の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015142051A JP2015142051A JP2014014748A JP2014014748A JP2015142051A JP 2015142051 A JP2015142051 A JP 2015142051A JP 2014014748 A JP2014014748 A JP 2014014748A JP 2014014748 A JP2014014748 A JP 2014014748A JP 2015142051 A JP2015142051 A JP 2015142051A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductive
- adhesive layer
- wiring board
- printed wiring
- flexible printed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
【課題】本発明は、フレキシブルプリント配線板と金属板との機械的接着強度並びに電気伝導性又は熱伝導性が比較的大きい電子部品を提供することを目的とする。【解決手段】本発明にかかる電子部品は、導電パターンを有するフレキシブルプリント配線板と、このフレキシブルプリント配線板のうち少なくとも導電パターンが露出する1又は複数の伝導領域に重ね合わされる1又は複数の金属板と、上記フレキシブルプリント配線板及び金属板間に充填され、上記伝導領域及び金属板間に少なくとも厚さ方向に電気伝導性又は熱伝導性を有する伝導性接着層とを備える電子部品であって、上記伝導性接着層が、少なくとも厚さ方向に電気伝導性又は熱伝導性を有する1又は複数のバンプと、この1又は複数のバンプの周囲に充填される接着剤層とを有し、上記1又は複数のバンプが上記フレキシブルプリント配線板の伝導領域のみに存在する。【選択図】図3
Description
本発明は、電子部品及びその製造方法に関する。
近年、電子機器の高機能化、小型化、軽量化等の要求に伴い、電子機器内に収容されるフレキシブルプリント配線板も薄型化が促進されている。この薄型化による配線板の強度低下を補って電子部品を保護すべく、フレキシブルプリント配線板における部品実装面の反対側の面等に部分的に補強板が取付けられる場合がある。
上記補強板としては、一般にステンレス等の金属製のものが用いられる。そこで、この金属製補強板にプリント配線板のグランド回路を電気的に導通させることで、電磁波ノイズに対するシールド機能を補強板に持たせたフレキシブルプリント配線板が開発されている。補強板とプリント配線板のグランド回路とを電気的に導通させる方法としては、電気伝導性粒子を含む電気伝導性(導電性)接着剤を用いて補強板をプリント配線板に接着する方法が提案されている(特開2007−189091号公報)。
また、多数の素子を実装するフレキシブルプリント配線板では、各種電子デバイスの小型化により集積度を高めることで、狭い領域により多くの素子が実装されるようになってきている。このようなフレキシブルプリント配線板では、各素子の発熱による温度上昇により上記素子自身が破損するおそれがあるため、温度上昇を抑制する目的で部品実装面の反対側の面等にフィンを有するヒートシンク等の放熱用金属板が取り付けられる場合がある。
このようにプリント配線板に放熱用金属板を取り付ける方法として、熱伝導性粒子を含む熱伝導性接着剤を用いて放熱用金属板をプリント配線板に接着する方法が提案されている(特開2008−258254号公報、特開2008−214524号公報参照)。
なお、上述の電気伝導性接着剤及び熱伝導性接着剤は、プリント配線板とこれに接着される金属板(補強板又は放熱用金属板)との間で、電気エネルギー又は熱エネルギーの差が小さくなるよう、これらのエネルギーを伝導する粒子を含むものである。また、そのような伝導性の粒子としては、金属粒子又はセラミックスが好適に用いられる。従って、上述の電気伝導性接着剤及び熱伝導性接着剤についての提案は、伝導するエネルギーの種類に応じて粒子を最適化するものであって、技術分野が異なるものではない。
上述の従来の電気伝導性接着剤及び熱伝導性接着剤において、金属板とプリント配線板との電気的又は熱的接続性を向上させるためには電気又は熱を伝導する粒子の含有量を多くする必要があるが、この場合には金属板とプリント配線板との機械的接着強度が低下する。一方、金属板とプリント配線板との機械的接着強度を向上させるためには電気又は熱を伝導する粒子の含有量を少なくする必要があるが、この場合には金属板とプリント配線板との間の電気伝導性又は熱伝導性が低下する。つまり、上記電気伝導性接着剤又は熱伝導性接着剤を用いた場合、機械的接着強度と電気エネルギー又は熱エネルギーの伝導性とはトレードオフの関係となる。
本発明は、上記のような不都合に鑑みてなされたものであり、フレキシブルプリント配線板と金属板との機械的接着強度並びに電気伝導性又は熱伝導性が比較的大きい電子部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、導電パターンを有するフレキシブルプリント配線板と、このフレキシブルプリント配線板のうち少なくとも導電パターンが露出する1又は複数の伝導領域に重ね合わされる1又は複数の金属板と、上記フレキシブルプリント配線板及び金属板間に充填され、上記伝導領域及び金属板間に少なくとも厚さ方向に電気伝導性又は熱伝導性を有する伝導性接着層とを備える電子部品であって、上記伝導性接着層が、少なくとも厚さ方向に電気伝導性又は熱伝導性を有する1又は複数のバンプと、この1又は複数のバンプの周囲に充填される接着剤層とを有し、上記1又は複数のバンプが上記フレキシブルプリント配線板の伝導領域のみに存在する電子部品である。
また、上記課題を解決するためになされた別の発明は、導電パターンを有するフレキシブルプリント配線板と、このフレキシブルプリント配線板のうち少なくとも導電パターンが露出する1又は複数の伝導領域に重ね合わされる1又は複数の金属板と、上記フレキシブルプリント配線板及び金属板間に充填され、上記伝導領域及び金属板間に少なくとも厚さ方向に電気伝導性又は熱伝導性を有する伝導性接着層とを備える電子部品の製造方法であって、電気伝導性又は熱伝導性を有する伝導性スラリーを印刷により離型フィルムの表面のうち上記フレキシブルプリント配線板の伝導領域との接着予定領域内のみに積層する工程と、積層した上記伝導性スラリーを硬化し、1又は複数のバンプを形成する工程と、接着剤の充填により、上記1又は複数のバンプの周囲かつ上記離型フィルムの表面のうちの上記金属板との接着予定領域に接着剤層を形成する工程と、上記フレキシブルプリント配線板の伝導領域側に上記1又は上記複数のバンプ及び接着剤層からなる伝導性接着層を積層する工程と、上記離型フィルムを剥離する工程と、露出した上記伝導性接着層に上記金属板を積層する工程と、積層したフレキシブルプリント配線板及び金属板間を熱圧着する工程とを有する電子部品の製造方法である。
当該電子部品は、フレキシブルプリント配線板と金属板との機械的接着強度並びに電気伝導性又は熱伝導性が比較的大きい。
[本発明の実施形態の説明]
本発明は、導電パターンを有するフレキシブルプリント配線板と、このフレキシブルプリント配線板のうち少なくとも導電パターンが露出する1又は複数の伝導領域に重ね合わされる1又は複数の金属板と、上記フレキシブルプリント配線板及び金属板間に充填され、上記伝導領域及び金属板間に少なくとも厚さ方向に電気伝導性又は熱伝導性を有する伝導性接着層とを備える電子部品であって、上記伝導性接着層が、少なくとも厚さ方向に電気伝導性又は熱伝導性を有する1又は複数のバンプと、この1又は複数のバンプの周囲に充填される接着剤層とを有し、上記1又は複数のバンプが上記フレキシブルプリント配線板の伝導領域のみに存在する電子部品である。
本発明は、導電パターンを有するフレキシブルプリント配線板と、このフレキシブルプリント配線板のうち少なくとも導電パターンが露出する1又は複数の伝導領域に重ね合わされる1又は複数の金属板と、上記フレキシブルプリント配線板及び金属板間に充填され、上記伝導領域及び金属板間に少なくとも厚さ方向に電気伝導性又は熱伝導性を有する伝導性接着層とを備える電子部品であって、上記伝導性接着層が、少なくとも厚さ方向に電気伝導性又は熱伝導性を有する1又は複数のバンプと、この1又は複数のバンプの周囲に充填される接着剤層とを有し、上記1又は複数のバンプが上記フレキシブルプリント配線板の伝導領域のみに存在する電子部品である。
当該電子部品は、このようにフレキシブルプリント配線板と金属板とを接着する伝導性接着剤層の伝導領域のみに1又は複数の電気又は熱を伝導するバンプを配置することによって、伝導領域における電気伝導性又は熱伝導性を向上できると共に、伝導領域以外の領域において接着剤層の接着力が低下しないので比較的大きな機械的接着強度が得られる。
また、当該電子部品においてフレキシブルプリント配線板は、伝導領域以外の領域にカバーレイ等の絶縁層が積層され得る。従って、伝導領域との接着予定領域以外にもバンプを設ければ、伝導領域以外のバンプがカバーレイ等の表面で圧縮され、その反力によって伝導領域のバンプの導電パターン及び金属板に対する圧接力を低下させる。一方、本発明の電子部品は伝導領域以外にバンプを有しないので、伝導領域のバンプの導電パターン及び金属板に対する圧接力を低下させる要因がなく、バンプを介した導電パターンと金属板との接続の信頼性に優れる。
上記伝導領域毎に1個のバンプが配設されているとよい。このように各伝導領域に対して1個のバンプを接続するよう構成することによって、各バンプの伝導領域に対する圧接力を大きくして電気的又は熱的な接続をより確実に確保できる。また、バンプの周囲の面積が大きくなるので接着力をより大きくすることができる。
上記伝導性接着層における上記バンプの総面積率としては0.01%以上2%以下が好ましい。このようにバンプの総面積率を上記範囲とすることにより、良好な接着強度と良好な電気伝導性又は熱伝導性とが得られる。
上記伝導領域における上記バンプの総面積率としては0.1%以上80%以下が好ましい。このようにバンプの総面積率を上記範囲とすることにより、より良好な接着力とより良好な電気伝導性又は熱伝導性とが得られる。
上記伝導領域で露出する導電パターンがグランド配線であり、上記バンプが電気伝導性粒子とそのバインダーとを含有するとよく、この電気伝導性粒子の含有量としては20体積%以上70体積%以下が好ましい。このように、金属板をグランドパターンに接続して接地するにことにより、金属板が電磁ノイズを遮断できる。また、バンプが上記含有量の電気伝導性粒子とバインダーとを含有することにより、バンプのより良好な電気伝導性及び機械的強度が得られる。
上記導電パターンと金属板との間の電気抵抗としては1Ω以下が好ましい。このように導電パターンと金属板との間の電気抵抗を上記上限以下にすることにより、電磁波ノイズに対する有効なシールド効果が得られる。
上記バンプが熱伝導性粒子とそのバインダーとを含有するとよく、この熱伝導性粒子の含有量としては30体積%以上90体積%以下が好ましい。このように、バンプが上記含有量の熱伝導性粒子とバインダーとを含有することにより、バンプのより良好な熱伝導性及び機械的強度が得られる。
上記バンプの中央縦断面形状が台形状であるとよい。このようにバンプの中央縦断面形状が台形状であることによって、台形の傾斜した側辺を接着剤が被覆するため、製造過程における伝導性接着層からのバンプの脱落を防止できる。また、伝導性接着層を被接着部材に圧着するとき、バンプの幅が小さい側(台形の頂辺側)の圧力が高くなるため、密着性が低い被接着部材にバンプの幅が小さい側の面を貼り付けることで、フレキシブルプリント配線板と金属板との間の電気又は熱の伝達の信頼性を高められる。
また、本願発明は、導電パターンを有するフレキシブルプリント配線板と、このフレキシブルプリント配線板のうち少なくとも導電パターンが露出する1又は複数の伝導領域に重ね合わされる1又は複数の金属板と、上記フレキシブルプリント配線板及び金属板間に充填され、上記伝導領域及び金属板間に少なくとも厚さ方向に電気伝導性又は熱伝導性を有する伝導性接着層とを備える電子部品の製造方法であって、電気伝導性又は熱伝導性を有する伝導性スラリーを印刷により離型フィルムの表面のうち上記フレキシブルプリント配線板の伝導領域との接着予定領域内のみに積層する工程と、積層した上記伝導性スラリーを硬化し、1又は複数のバンプを形成する工程と、接着剤の充填により、上記1又は複数のバンプの周囲かつ上記離型フィルムの表面のうちの上記金属板との接着予定領域に接着剤層を形成する工程と、上記フレキシブルプリント配線板の伝導領域側に上記1又は上記複数のバンプ及び接着剤層からなる伝導性接着層を積層する工程と、上記離型フィルムを剥離する工程と、露出した上記伝導性接着層に上記金属板を積層する工程と、積層したフレキシブルプリント配線板及び金属板間を熱圧着する工程とを有する電子部品の製造方法を含む。
当該電子部品の製造方法は、このように、伝導領域との接着予定領域のみに電気伝導性又は熱伝導性を有するバンプを配置した伝導性接着剤層によってフレキシブルプリント配線板と金属板とを接着するので、バンプが配置される接着予定領域では電気伝導性又は熱伝導性を向上できると共に、バンプが配置されない接着予定領域以外の領域では比較的大きな機械的接着強度が得られる。
ここで、「金属板」とは、フレキシブルプリント配線板に積層される板状の金属体を意味し、フレキシブルプリント配線板を補強するための補強板やフレキシブルプリント配線板の放熱性を高めるためのヒートシンクを含む概念である。「バンプ」とは、隆起又は突起を形成するものをいう。「バンプの総面積率」とは、伝導性接着層を厚さ方向の略中央で切断した面におけるバンプの表出面積の総和の比率をいう。「台形状」とは、底辺とこの底辺に対向する頂辺を有し、底辺から頂辺に向かって幅が小さくなる形状を意味し、頂辺又は側辺が曲線であるものも含む概念である。「バンプの中央縦断面形状」とは、バンプの重心を通り、伝導性接着層に垂直な面での断面形状を意味する。「スラリー」とは、固形分が流体に混合され、印刷可能な流動性を有するものをいい、接着剤、ペースト、インキ、塗料等を含む。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係る電子部品の実施形態について、図面を参照しつつ詳説する。なお、本発明に係る電子部品の実施形態の説明において、「表」及び「裏」は、当該電子部品のフレキシブルプリント配線板の厚さ方向のうち、導電パターンが形成される側を裏、その反対側を表とする方向を意味し、当該電子部品の使用状態における表裏を意味するものではない。
以下、本発明に係る電子部品の実施形態について、図面を参照しつつ詳説する。なお、本発明に係る電子部品の実施形態の説明において、「表」及び「裏」は、当該電子部品のフレキシブルプリント配線板の厚さ方向のうち、導電パターンが形成される側を裏、その反対側を表とする方向を意味し、当該電子部品の使用状態における表裏を意味するものではない。
[第一実施形態]
図1の電子部品1は、フレキシブルプリント配線板2と、このフレキシブルプリント配線板2の表面側に実装される素子3と、フレキシブルプリント配線板2の裏面側に重ね合わされる複数の金属板4と、フレキシブルプリント配線板2及び金属板4間に充填される伝導性接着層5とを備える。
図1の電子部品1は、フレキシブルプリント配線板2と、このフレキシブルプリント配線板2の表面側に実装される素子3と、フレキシブルプリント配線板2の裏面側に重ね合わされる複数の金属板4と、フレキシブルプリント配線板2及び金属板4間に充填される伝導性接着層5とを備える。
<フレキシブルプリント配線板>
フレキシブルプリント配線板2は、平面視で略方形に形成され、表面に素子3が実装され、かつ裏面に伝導性接着層5を介して金属板4が積層される2つの実装部6と、これらの実装部6を接続する配線部7と、各実装部6から延出する位置決め部8とを有する。位置決め部8にはそれぞれ位置決め穴9が形成されている。
フレキシブルプリント配線板2は、平面視で略方形に形成され、表面に素子3が実装され、かつ裏面に伝導性接着層5を介して金属板4が積層される2つの実装部6と、これらの実装部6を接続する配線部7と、各実装部6から延出する位置決め部8とを有する。位置決め部8にはそれぞれ位置決め穴9が形成されている。
図2及び図3に部分的に拡大して示すように、フレキシブルプリント配線板2は、ベースフィルム10と、このベースフィルム10の裏面に積層される導電パターン11と、この導電パターン11の裏面に積層されるカバーレイ12とを有する。このフレキシブルプリント配線板2は、カバーレイ12が開口することにより導電パターン11が露出する伝導領域13を有する。なお、図2及び図3は、フレキシブルプリント配線板2の素子3が実装されていない領域を図示するが、図外の素子3が実装されている領域において、フレキシブルプリント配線板2は、その表面側に設けられ、素子3が接続されるランドと、このランドを裏面側の導電パターン11に接続するスルーホールとを備える。
ベースフィルム10は、可撓性及び電気絶縁性を有するシート状部材で構成されている。このベースフィルム10としては、具体的には樹脂フィルムを採用可能である。この樹脂フィルムの材料としては、例えばポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が好適に用いられる。
ベースフィルム10の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、ベースフィルム10の平均厚さの上限としては、150μmが好ましく、50μmがより好ましい。ベースフィルム10の平均厚さが上記下限未満であるとベースフィルム10の強度が不十分となるおそれがあり、また上記上限を超えると当該電子部品1が不要に厚くなるおそれがある。
上記導電パターン11は、ベースフィルム10に積層された金属層をエッチングすることによって所望の平面形状(パターン)に形成されている。この導電パターン11は、導電性を有する材料で形成可能であるが、一般的には例えば銅によって形成されている。
上記金属層をベースフィルム10に積層する方法としては特に限定されず、例えば金属箔を接着剤で貼り合わせる接着法、金属箔上にベースフィルム10の材料である樹脂組成物を塗布するキャスト法、スパッタリングや蒸着法でベースフィルム10上に形成した厚さ数nmの薄い導電層(シード層)の上に電解メッキで金属層を形成するスパッタ/メッキ法、金属箔を熱プレスで貼り付けるラミネート法等を用いることができる。
上記導電パターン11の平均厚さの下限としては、2μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、導電パターン11の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、20μmがより好ましい。導電パターン11の平均厚さが上記下限未満であると電気伝導性が不十分となるおそれがあり、また上記上限を超えると当該電子部品1が不要に厚くなるおそれがある。
カバーレイ12は、絶縁機能と接着機能とを有し、上記導電パターン11及びベースフィルム10の裏面に積層されるフィルムである。このカバーレイ12としては、例えば絶縁層と接着層とを有する2層フィルムを用いることができる。カバーレイ12を絶縁層と接着層との2層構造とする場合、絶縁層の材質としては特に限定されるものではないが、ベースフィルム10を構成する樹脂フィルムと同様のものを使用することができる。カバーレイ12の絶縁層の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、カバーレイ12の絶縁層の平均厚さの上限としては、60μmが好ましく、40μmがより好ましい。カバーレイ12の絶縁層の平均厚さが上記下限未満であると絶縁性が不十分となるおそれがあり、またカバーレイ12の絶縁層の平均厚さが上記上限を超えるとフレキシブルプリント配線板2のフレキシブル性が不十分となるおそれがある。
また、カバーレイ12を絶縁層と接着層との2層構造とする場合、接着層を構成する接着剤としては、特に限定されるものではないが、柔軟性や耐熱性に優れたものが好ましく、かかる接着剤としては、例えばナイロン樹脂系、エポキシ樹脂系、ブチラール樹脂系、アクリル樹脂系などの、各種の樹脂系の接着剤が挙げられる。カバーレイ12の接着層の平均厚さとしては、特に限定されるものではないが、20μm以上30μm以下が好ましい。カバーレイ12の接着層の平均厚さが上記下限未満であると接着性が不十分となるおそれがあり、また上記上限を超えるとフレキシブルプリント配線板2の可撓性が不十分となるおそれがある。
上記伝導領域13は、1つの金属板4に対向する領域内に複数形成される。この伝導領域13で露出する導電パターン11は、グランド配線であることが好ましい。これによって金属板4を接地し、金属板4の電磁波ノイズに対するシールド機能を高めることができる。上記開口は、カバーレイ12を導電パターン11及びベースフィルム10に積層する前に形成してもよく、カバーレイ12を導電パターン11及びベースフィルム10に積層した後にレーザー等によって開口を形成してもよい。また、伝導領域13を画定する開口の平面形状及び大きさは、特に限定されず、後述するように伝導性接着層5によって機械的及び電気的に接続できればよく、例えば円形や矩形とすることができる。
なお、フレキシブルプリント配線板2は、上述したもの以外の層やシート等を有していてもよく、例えばベースフィルム10の表面側に導電パターン11やカバーレイ12が積層されていてもよく、複数のベースフィルム10を有する多層フレキシブルプリント配線板2であってもよい。また、フレキシブルプリント配線板2は、ベースフィルム10及び導電パターン11を備えるものであれば特に限定されず、カバーレイ12を備えていなくてもよい。
<素子>
素子3は、フレキシブルプリント配線板2の導電パターン11に接続されて電気回路の構成要素となる部品である。素子3としては、特に限定されないが、例えばLED等の半導体素子、IC、スイッチなどが用いられる。
素子3は、フレキシブルプリント配線板2の導電パターン11に接続されて電気回路の構成要素となる部品である。素子3としては、特に限定されないが、例えばLED等の半導体素子、IC、スイッチなどが用いられる。
<金属板>
金属板4は、金属製の板状部材である。金属板4を形成する金属としては、特に限定されず、例えばステンレス鋼、アルミニウム等を用いることができる。
金属板4は、金属製の板状部材である。金属板4を形成する金属としては、特に限定されず、例えばステンレス鋼、アルミニウム等を用いることができる。
<伝導性接着層>
伝導性接着層5は、表面側及び裏面側に対向するフレキシブルプリント配線板2及び金属板4を互いに接着すると共に、このフレキシブルプリント配線板2のうち導電パターン11が対向面に露出する伝導領域13及び金属板4間に少なくとも厚さ方向に電気伝導性を発現させる目的で形成された層である。
伝導性接着層5は、表面側及び裏面側に対向するフレキシブルプリント配線板2及び金属板4を互いに接着すると共に、このフレキシブルプリント配線板2のうち導電パターン11が対向面に露出する伝導領域13及び金属板4間に少なくとも厚さ方向に電気伝導性を発現させる目的で形成された層である。
この目的ために、伝導性接着層5は、少なくとも厚さ方向に電気伝導性を有する複数のバンプ14と、このバンプ14の周囲に充填される接着剤層15とを有している。これにより、伝導性接着層5は、上記バンプ14によって少なくとも表面と垂直な方向(厚さ方向)に電気エネルギーを伝導可能であると共に、上記接着剤層15によって接着性を有する。
〔バンプ〕
バンプ14は、電気伝導性粒子とそのバインダーとを含有する。このバンプ14は、伝導性接着層5において、フレキシブルプリント配線板2の伝導領域13のみに存在するよう配設されている。
バンプ14は、電気伝導性粒子とそのバインダーとを含有する。このバンプ14は、伝導性接着層5において、フレキシブルプリント配線板2の伝導領域13のみに存在するよう配設されている。
バンプ14の平面視形状は特に限定されず、円形状の他に、多角形状、十字状、星形状等とすることができる。また、バンプ14の平面視の配設パターンは、伝導領域13の面積や形状等に合わせて適宜設計することができ、例えば図4Aに示す複数の線状のバンプ14が並置されたストライプ状、図4Bに示す複数の線状のバンプ14が交差した格子状、図4Cに示す複数の円環にした線状のバンプ14からなる同心円状、図4Dに示す散点状のバンプ14を格子状に配置したもの、図示しないが散点状のバンプ14を千鳥状に配置したもの等とすることができ、またこれらを組み合わせてもよい。上記各形状は、平面視で伝導領域13内にバンプ14が形成されない領域を有する。
伝導性接着層5におけるバンプ14の総面積率は特に限定されるものではないが、伝導性接着層5の面積に対するバンプ14の総面積率の下限としては、0.01%が好ましく、0.05%がより好ましい。一方、伝導性接着層5の面積に対するバンプ14の総面積率の上限としては、2%が好ましく、1.5%がより好ましい。伝導性接着層5の面積に対するバンプ14の総面積率が上記下限未満の場合、伝導性接着層5の電気伝導性が不十分となるおそれがある。伝導性接着層5の面積に対するバンプ14の総面積率が上記上限を超える場合、接着剤層15の割合が少なくなって伝導性接着層5の機械的接着強度が低下するおそれがある。なお、伝導領域13におけるバンプ14の総面積率とは、1つの伝導領域13内の伝導性接着層5を厚さ方向の略中央で切断した面におけるバンプ14の表出面積の総和を、その伝導領域13の平面視面積(バンプ14を含む)で除した数値である。
また、伝導領域13におけるバンプ14の総面積率は特に限定されるものではないが、伝導領域13の面積に対するバンプ14の総面積率の下限としては、0.1%が好ましく、1%がより好ましい。一方、伝導領域13の面積に対するバンプ14の総面積率の上限としては、80%が好ましく、60%がより好ましい。伝導領域13の面積に対するバンプ14の総面積率が上記下限未満の場合、伝導性接着層5の電気伝導性が不十分となるおそれがある。伝導領域13の面積に対するバンプ14の総面積率が上記上限を超える場合、接着剤層15の割合が少なくなって伝導性接着層5の機械的接着強度が低下するおそれがある。なお、伝導性接着層5の面積に対するバンプ14の総面積率とは、伝導性接着層5を厚さ方向の略中央で切断した面におけるバンプ14の表出面積の総和を伝導性接着層5の平面視面積(バンプ14を含む)で除した数値である。
上記複数のバンプ14は、接着剤層15によって平面視で周囲を囲繞される状態で配設される。つまり、図2のように伝導領域13の周縁においてはバンプ14が存在せずに接着剤層15が存在するよう配設されている。
上記バンプ14は、伝導性接着層5に垂直な台形状の中央縦断面形状を有する。具体的には、バンプ14の中央縦断面形状は、金属板4に当接する底辺と、伝導性接着層5の表面に表出する頂辺とを有し、底辺から頂辺に向かって幅が小さくなっている。つまり、頂辺は底辺よりも長さが小さく、頂辺と底辺とを結ぶ側辺は傾斜している。この傾斜した側辺上には接着剤層15が積層される。バンプ14は、この台形状の頂辺がフレキシブルプリント配線板2側に位置するように配置されてもよく、また台形状の頂辺が金属板4側に位置するように配置されてもよい。バンプ14の台形状の頂辺側の当接面積は底辺側の当接面積に対し相対的に小さくなるため、接着圧力を高めたい部材側に頂辺が位置するようにバンプ14を配置することで、この部材との密着性を高めることができる。
上記中央縦断面形状において、バンプ14の底辺の平均長さw1に対する頂辺の平均長さw2の比(w2/w1)の上限としては、0.95が好ましく、0.8がより好ましい。底辺の平均長さw1に対する頂辺の平均長さw2の比が上記上限を超える場合、バンプ14の脱落防止効果が十分得られないおそれがある。一方、バンプ14の底辺の平均長さw1に対する頂辺の平均長さw2の比(w2/w1)の下限としては、0.2が好ましく、0.4がより好ましい。底辺の平均長さw1に対する頂辺の平均長さw2の比が上記下限未満の場合、底辺の平均長さw1が大きくなり過ぎバンプ14の周辺に充填される接着剤の充填量が減少して機械的な接着強度が低下するおそれや、頂辺の平均長さw2が小さくなり過ぎ被接着部材間の電気伝導性が低下するおそれがある。
上記中央縦断面形状において、バンプ14の底辺の平均長さw1としては、フレキシブルプリント配線板2及び金属板4の接着面積等に合わせて適宜設計することができ、例えば50μm以上2000μm以下とすることができる。同様に、バンプ14の頂辺の平均長さw2としては、例えば10μm以上1900μm以下とすることができる。また、バンプ14同士の平均間隔(底辺間の距離)dとしては、例えば50μm以上2000μm以下とすることができる。なお、バンプ14の底辺及び頂辺の平均長さとは、各バンプ14の底辺長さが最小となる中央縦断面形状における底辺長さ及び頂辺長さの平均値を意味し、バンプ14の平均間隔とは、隣接するバンプ14の最小距離の平均値を意味する。
バンプ14の平均高さhの下限としては、10μmが好ましく、15μmがより好ましい。一方、バンプ14の平均高さhの上限としては、50μmが好ましく、45μmがより好ましい。バンプ14の平均高さhが上記下限未満の場合、バンプ14の形成が困難になるおそれがある。また、例えばフレキシブルプリント配線板2に伝導性接着層5を用いて金属板4を接着する際に、導電パターン11の裏面に積層されるカバーレイ12の厚さよりもバンプ14の平均高さhが小さくなって導電パターン11と金属板4とを電気的に接続できなくなるおそれがある。バンプ14の平均高さhが上記上限を超える場合、伝導性接着層5の厚さが必要以上に大きくなるおそれがある。
(電気伝導性粒子)
上記バンプ14に含有される電気伝導性粒子の材質としては、例えば銀、白金、金、銅、ニッケル、パラジウム、ハンダ等を挙げることができ、これらを単体で又は2種以上混合して用いることができる。これらの中でも優れた電気伝導性を示す銀粉末、銀コート銅粉末、ハンダ粉末等が好ましい。
上記バンプ14に含有される電気伝導性粒子の材質としては、例えば銀、白金、金、銅、ニッケル、パラジウム、ハンダ等を挙げることができ、これらを単体で又は2種以上混合して用いることができる。これらの中でも優れた電気伝導性を示す銀粉末、銀コート銅粉末、ハンダ粉末等が好ましい。
バンプ14における電気伝導性粒子の含有率の下限としては、20体積%が好ましく、30体積%がより好ましい。一方、バンプ14における伝導性粒子の含有率の上限としては、70体積%が好ましく、60体積%がより好ましい。電気伝導性粒子の含有率が上記下限未満の場合、フレキシブルプリント配線板2と金属板4との間における電気伝導性が不十分となるおそれがある。バンプ14における電気伝導性粒子の含有率が上記上限を超える場合、バインダーが少なくなるので、バンプ14の形成が困難になるおそれや、使用時にバンプ14が破断して電気伝導性を損なうおそれがある。
(バインダー)
上記バインダーとしては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を挙げることができ、これらの中から1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でもバンプ14の耐熱性を向上できる熱硬化性樹脂が好ましく、エポキシ樹脂が特に好ましい。
上記バインダーとしては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を挙げることができ、これらの中から1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でもバンプ14の耐熱性を向上できる熱硬化性樹脂が好ましく、エポキシ樹脂が特に好ましい。
上記バインダーとして用いるエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型、F型、S型、AD型、ビスフェノールA型とビスフェノールF型との共重合型、ナフタレン型、ノボラック型、ビフェニル型、ジシクロペンタジエン型等のエポキシ樹脂や、高分子エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂を挙げることができる。
また、上記バインダーは溶剤に溶解して使用することができる。この溶剤としては、例えばエステル系、エーテル系、ケトン系、エーテルエステル系、アルコール系、炭化水素系、アミン系等の有機溶剤を挙げることができ、これらの中から1種又は2種以上を用いることができる。なお、後述するようにバンプ14が電気伝導性を有する伝導性スラリーの印刷によって形成される場合、印刷性に優れた高沸点溶剤を用いることが好ましく、具体的にはカルビトールアセテートやブチルカルビトールアセテート等を用いることが好ましい。
〔接着剤層〕
上記接着剤層15を形成する接着剤としては、接着性を有するものであれば特に限定されず、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を挙げることができ、耐熱性の観点から熱硬化性樹脂が好ましく、フレキシブルプリント配線板2との接着性の観点からはエポキシ樹脂又はアクリル樹脂が特に好ましく、上記バンプ14を形成する伝導性スラリーと同種の接着剤を用いることがさらに好ましい。
上記接着剤層15を形成する接着剤としては、接着性を有するものであれば特に限定されず、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を挙げることができ、耐熱性の観点から熱硬化性樹脂が好ましく、フレキシブルプリント配線板2との接着性の観点からはエポキシ樹脂又はアクリル樹脂が特に好ましく、上記バンプ14を形成する伝導性スラリーと同種の接着剤を用いることがさらに好ましい。
接着剤層15には、上述した溶剤、硬化剤、助剤等を適宜添加することができる。また、接着剤層15には、伝導性接着層5の電気伝導性向上のために電気伝導性粒子を添加することができる。
接着剤層15への電気伝導性粒子の添加量の上限としては、20体積%が好ましく、10体積%がより好ましく、5体積%がさらに好ましい。接着剤層15の伝導性粒子の添加量が上記上限を超える場合、接着剤層15内の不純物の増加によって接着剤層15の接着性が低下するおそれがある。
接着剤層15の平均厚さの下限としては、10μmが好ましく、15μmがより好ましい。一方、接着剤層15の平均厚さの上限としては、40μmが好ましく、35μmがより好ましく、30μmがさらに好ましい。接着剤層15の平均厚さが上記下限未満の場合、伝導性接着層5が十分な機械的接着強度や電気的接続性を発揮できないおそれがある。接着剤層15の平均厚さが上記上限を超える場合、伝導性接着層5を用いてフレキシブルプリント配線板2と金属板4とを接着して構成される電子部品の厚さが必要以上に大きくなるおそれがある。なお、接着剤層15の平均厚さとは、厚さ方向にバンプ14が存在しない領域における接着剤層15の平均厚さを意味する。また、バンプ14の平均高さhは、接着剤層15の平均厚さよりも大きくてもよい。バンプ14の平均高さhを伝導性接着層5の平均厚さよりも大きくしてバンプ14を接着剤層15の表面から突出させることで、伝導性接着層5の電気導電性を向上できる。ただし、バンプ14の突出長さが大き過ぎると、接着剤層15とフレキシブルプリント配線板2及び金属板4との接着面積が低下して機械的接着強度が低下するおそれがあるため、バンプ14の突出長さ(バンプ14の平均高さhから接着剤層15の平均厚さを引いたもの)の上限としては、20μmが好ましく、10μmがより好ましい。
当該電子部品1において、フレキシブルプリント配線板2の導電パターン11と金属板4との間の電気抵抗としては1Ω以下が好ましい。このように導電パターン11と金属板4との間の電気抵抗を上記上限以下にすることにより、例えば電磁波ノイズに対するシールド機能を大きくすることができる。
<電子部品の製造方法>
次に、当該電子部品1を製造する方法について図面を参酌しつつ説明する。当該電子部品1の製造方法は以下の工程を有する。
(1)電気伝導性を有する伝導性スラリーを印刷により離型フィルムの表面のうちフレキシブルプリント配線板2の伝導領域13との接着予定領域内のみに積層する工程(以下、「伝導性スラリー積層工程」ともいう)
(2)積層した伝導性スラリーを硬化し、複数のバンプ14を形成する工程(以下、「バンプ形成工程」ともいう)
(3)接着剤の充填により、複数のバンプ14の周囲かつ離型フィルムの表面のうちの金属板4との接着予定領域に接着剤層15を形成する工程(以下、「接着剤充填工程」ともいう)
(4)フレキシブルプリント配線板2の伝導領域13側に複数のバンプ14及び接着剤層15からなる伝導性接着層5を積層する工程(以下、「フレキシブルプリント配線板積層工程」ともいう)
(5)離型フィルムを剥離する工程(以下、「離型フィルム剥離工程」ともいう)
(6)露出した伝導性接着層5に金属板4を積層する工程(以下、「金属板積層工程」ともいう)
(7)積層したフレキシブルプリント配線板2及び金属板4間を熱圧着する工程(以下、「熱圧着工程」ともいう)
次に、当該電子部品1を製造する方法について図面を参酌しつつ説明する。当該電子部品1の製造方法は以下の工程を有する。
(1)電気伝導性を有する伝導性スラリーを印刷により離型フィルムの表面のうちフレキシブルプリント配線板2の伝導領域13との接着予定領域内のみに積層する工程(以下、「伝導性スラリー積層工程」ともいう)
(2)積層した伝導性スラリーを硬化し、複数のバンプ14を形成する工程(以下、「バンプ形成工程」ともいう)
(3)接着剤の充填により、複数のバンプ14の周囲かつ離型フィルムの表面のうちの金属板4との接着予定領域に接着剤層15を形成する工程(以下、「接着剤充填工程」ともいう)
(4)フレキシブルプリント配線板2の伝導領域13側に複数のバンプ14及び接着剤層15からなる伝導性接着層5を積層する工程(以下、「フレキシブルプリント配線板積層工程」ともいう)
(5)離型フィルムを剥離する工程(以下、「離型フィルム剥離工程」ともいう)
(6)露出した伝導性接着層5に金属板4を積層する工程(以下、「金属板積層工程」ともいう)
(7)積層したフレキシブルプリント配線板2及び金属板4間を熱圧着する工程(以下、「熱圧着工程」ともいう)
〔(1)伝導性スラリー積層工程〕
伝導性スラリー積層工程において、図5Aに示すように離型フィルム16の表面のうち、フレキシブルプリント配線板2の伝導領域13との接着予定領域内のみに、電気伝導性粒子とそのバインダーとを含む伝導性スラリーを、印刷により所望の立体形状となるよう積層する。この伝導性スラリーの印刷方法としては特に限定されず、例えばスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサー印刷等を用いることができる。
伝導性スラリー積層工程において、図5Aに示すように離型フィルム16の表面のうち、フレキシブルプリント配線板2の伝導領域13との接着予定領域内のみに、電気伝導性粒子とそのバインダーとを含む伝導性スラリーを、印刷により所望の立体形状となるよう積層する。この伝導性スラリーの印刷方法としては特に限定されず、例えばスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサー印刷等を用いることができる。
(離型フィルム)
離型フィルム16は、図6に二点鎖線で示すように、フレキシブルプリント配線板2に対する複数の対向予定領域Apが設定される。離型フィルム16は、各対向予定領域Apにフレキシブルプリント配線板2をそれぞれ正確に配置するために、フレキシブルプリント配線板2の位置決め穴9に対応する位置に位置決め穴17が形成されている。具体的な位置決め方法としては、フレキシブルプリント配線板2の位置決め穴9と離型フィルム16の位置決め穴17とが離型フィルム16の厚さ方向に並ぶ状態をレーザー光等の光学的手段により検出する方法、フレキシブルプリント配線板2の位置決め穴9及び離型フィルム16の位置決め穴17にピンを挿入する方法等が挙げられる。
離型フィルム16は、図6に二点鎖線で示すように、フレキシブルプリント配線板2に対する複数の対向予定領域Apが設定される。離型フィルム16は、各対向予定領域Apにフレキシブルプリント配線板2をそれぞれ正確に配置するために、フレキシブルプリント配線板2の位置決め穴9に対応する位置に位置決め穴17が形成されている。具体的な位置決め方法としては、フレキシブルプリント配線板2の位置決め穴9と離型フィルム16の位置決め穴17とが離型フィルム16の厚さ方向に並ぶ状態をレーザー光等の光学的手段により検出する方法、フレキシブルプリント配線板2の位置決め穴9及び離型フィルム16の位置決め穴17にピンを挿入する方法等が挙げられる。
また、離型フィルム16には、図6に示すように、各対向予定領域Ap内にそれぞれ金属板4に対する複数の接着予定領域Amが設定され、これら金属板4との接着予定領域Am内に、フレキシブルプリント配線板2の伝導領域13との接着予定領域Acが複数設定される。
離型フィルム16を構成する材料としては、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の合成樹脂フィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シート、金属箔、これらのラミネート体等からなる適当なフィルム状体を用いることができる。また、離型フィルム16の表面には、剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理を施すことが好ましい。離型フィルム16の剥離性は、剥離処理に用いる薬剤の種類又はその塗工量等を調節することにより制御することができる。
また、離型フィルム16は、不透明であることが好ましい。このように離型フィルム16が不透明であることにより、レーザー光等を用いて光学的に位置決め穴17の位置を確認できるため、フレキシブルプリント配線板2又は後述する金属板4に対する位置決めが容易となる。離型フィルム16を不透明にするために、離型フィルム16を構成する材料に顔料を配合してもよく、少なくとも一方の面に塗工層を形成してもよい。
(伝導性スラリー)
離型フィルム16に積層される伝導性スラリーは、バンプ14を構成する電気伝導性粒子とバインダーとを含むことにより電気伝導性を有する組成物であって、バインダーが硬化しておらず、印刷技術によってパターンを形成できる適度な流動性を有し、後述する硬化工程において硬化させられるものであればよい。従って、電気伝導性を有する伝導性スラリーとしては、例えば導電性ペースト、導電性インク、導電性塗料、導電性接着剤等の名称で市販されているものを使用してもよい。
離型フィルム16に積層される伝導性スラリーは、バンプ14を構成する電気伝導性粒子とバインダーとを含むことにより電気伝導性を有する組成物であって、バインダーが硬化しておらず、印刷技術によってパターンを形成できる適度な流動性を有し、後述する硬化工程において硬化させられるものであればよい。従って、電気伝導性を有する伝導性スラリーとしては、例えば導電性ペースト、導電性インク、導電性塗料、導電性接着剤等の名称で市販されているものを使用してもよい。
また、伝導性スラリーには硬化剤を添加することができる。この硬化剤としては、例えばアミン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬化剤、酸及び酸無水物系硬化剤、塩基性活性水素化合物、第三アミノ類、イミダゾール類等を挙げることができる。
さらに、伝導性スラリーは、上述した成分に加えて、増粘剤、レベリング剤等の助剤を添加することができる。また、伝導性スラリーは、上記各成分を例えば三本ロールや回転攪拌脱泡機等により混合することで得ることができる。
〔(2)バンプ形成工程〕
バンプ形成工程において、離型フィルム16の表面に積層した伝導性スラリーのバインダーの種類に応じた適切な方法により、例えばバインダーが熱硬化性樹脂である場合には加熱により、伝導性スラリーを硬化させてバンプ14を形成する。また、伝導性スラリーが溶剤を含む場合には、このバンプ形成工程において溶剤を蒸発させる。
バンプ形成工程において、離型フィルム16の表面に積層した伝導性スラリーのバインダーの種類に応じた適切な方法により、例えばバインダーが熱硬化性樹脂である場合には加熱により、伝導性スラリーを硬化させてバンプ14を形成する。また、伝導性スラリーが溶剤を含む場合には、このバンプ形成工程において溶剤を蒸発させる。
〔(3)接着剤充填工程〕
接着剤充填工程において、図5Bに示すように、離型フィルム16の表面の上記複数のバンプ14の周囲に接着剤を充填し、接着剤層15を形成する。この接着剤の充填は、金属板4の接着予定領域Am(図6参照)のみに行われる。これにより、バンプ14と接着剤層15とが、伝導性接着層5を構成する。この工程における接着剤の充填方法としては、印刷による方法又は塗工による方法を用いることができる。上記印刷方法としては特に限定されず、例えばスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサー印刷等を用いることができる。また上記塗工方法としては特に限定されず、例えばナイフコート、ダイコート、ロールコート等を用いることができる。
接着剤充填工程において、図5Bに示すように、離型フィルム16の表面の上記複数のバンプ14の周囲に接着剤を充填し、接着剤層15を形成する。この接着剤の充填は、金属板4の接着予定領域Am(図6参照)のみに行われる。これにより、バンプ14と接着剤層15とが、伝導性接着層5を構成する。この工程における接着剤の充填方法としては、印刷による方法又は塗工による方法を用いることができる。上記印刷方法としては特に限定されず、例えばスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサー印刷等を用いることができる。また上記塗工方法としては特に限定されず、例えばナイフコート、ダイコート、ロールコート等を用いることができる。
〔(4)フレキシブルプリント配線板積層工程〕
フレキシブルプリント配線板積層工程において、図5Cに示すように、フレキシブルプリント配線板2の伝導領域13を有する裏面に、離形シート16に積層して形成した伝導性接着層5を接着する。伝導性接着層5のバンプ14を伝導領域13で露出する導電パターン11に当接させることによって、導電パターン11とバンプ14とを電気的に接続する。
フレキシブルプリント配線板積層工程において、図5Cに示すように、フレキシブルプリント配線板2の伝導領域13を有する裏面に、離形シート16に積層して形成した伝導性接着層5を接着する。伝導性接着層5のバンプ14を伝導領域13で露出する導電パターン11に当接させることによって、導電パターン11とバンプ14とを電気的に接続する。
〔(5)離型フィルム剥離工程〕
離型フィルム剥離工程において、図5Dに示すように、伝導性接着層5から剥離フィルム16を剥離する。これにより、伝導性接着層5の裏面が露出する。
離型フィルム剥離工程において、図5Dに示すように、伝導性接着層5から剥離フィルム16を剥離する。これにより、伝導性接着層5の裏面が露出する。
〔(6)金属板積層工程〕
金属板積層工程では、露出した伝導性接着層5の裏面に金属板4を積層する。これにより、バンプ14と金属板4とが接触し、バンプ14がフレキシブルプリント配線板2の導電パターン11と金属板4との間で電気を伝導することが可能となる。
金属板積層工程では、露出した伝導性接着層5の裏面に金属板4を積層する。これにより、バンプ14と金属板4とが接触し、バンプ14がフレキシブルプリント配線板2の導電パターン11と金属板4との間で電気を伝導することが可能となる。
〔(7)熱圧着工程〕
熱圧着工程では、フレキシブルプリント配線板2、伝導性接着層5及び金属板4からなる積層体を熱プレスすることによって一体化する。この加熱温度としては、120℃以上200℃以下が好ましく、加熱時間としては5秒以上60分以下が好ましい。加熱温度及び加熱時間を上記範囲とすることで、接着性を効果的に発揮できると共にベースフィルム10等の変質を抑制することができる。加熱方法としては特に限定されず、例えばオーブンやホットプレート等の加熱手段を用いて加熱することができる。また、導電パターン11と金属板4との接着性を向上させると共にこれらをバンプ14により確実に当接させるため、加熱の際に、バンプ14及び接着剤層15をフレキシブルプリント配線板2及び金属板4によりプレスすることが好ましい。
熱圧着工程では、フレキシブルプリント配線板2、伝導性接着層5及び金属板4からなる積層体を熱プレスすることによって一体化する。この加熱温度としては、120℃以上200℃以下が好ましく、加熱時間としては5秒以上60分以下が好ましい。加熱温度及び加熱時間を上記範囲とすることで、接着性を効果的に発揮できると共にベースフィルム10等の変質を抑制することができる。加熱方法としては特に限定されず、例えばオーブンやホットプレート等の加熱手段を用いて加熱することができる。また、導電パターン11と金属板4との接着性を向上させると共にこれらをバンプ14により確実に当接させるため、加熱の際に、バンプ14及び接着剤層15をフレキシブルプリント配線板2及び金属板4によりプレスすることが好ましい。
<利点>
当該電子部品1は、伝導性接着層5が、フレキシブルプリント配線板2に形成された電気伝導性を有する複数のバンプ14と、これらのバンプ14の周囲に充填される接着剤からなる接着剤層15とを備えるため、伝導性接着層5によりフレキシブルプリント配線板2と金属板4とを接着すると、伝導性接着層5がフレキシブルプリント配線板2の伝導領域13で対向面に露出している導電パターン11と金属板4との間に厚さ方向に電気伝導性を発現する。また、接着剤層15は、電気伝導性が要求されないので、比較的大きな接着力を発現する。つまり、当該電子部品1は、フレキシブルプリント配線板2と金属板4との機械的接着強度並びに電気伝導性が比較的大きい。
当該電子部品1は、伝導性接着層5が、フレキシブルプリント配線板2に形成された電気伝導性を有する複数のバンプ14と、これらのバンプ14の周囲に充填される接着剤からなる接着剤層15とを備えるため、伝導性接着層5によりフレキシブルプリント配線板2と金属板4とを接着すると、伝導性接着層5がフレキシブルプリント配線板2の伝導領域13で対向面に露出している導電パターン11と金属板4との間に厚さ方向に電気伝導性を発現する。また、接着剤層15は、電気伝導性が要求されないので、比較的大きな接着力を発現する。つまり、当該電子部品1は、フレキシブルプリント配線板2と金属板4との機械的接着強度並びに電気伝導性が比較的大きい。
また、当該電子部品1は、バンプ14がフレキシブルプリント配線板2の導電パターン11と金属板4とに同時に接触することで確実にこれらを電気的に接続するため、複数の伝導性粒子の接触によって導通を確保する従来の電気伝導性接着剤に比べて、抵抗値のバラツキを抑えることができる。
また、従来の電気伝導性を有する粒子を分散した接着剤では、電気伝導に寄与しない(導電パターン11と金属板4とを電気的に接続しない)電気伝導経路が電気伝導性粒子によって複数構成されるが、当該電子部品1ではこれが防止され、電気的接続の信頼性を高めることができる。
また、当該電子部品1では、バンプ14が台形状の中央縦断面形状を有しているため、台形の傾斜した側辺を接着剤層15で被覆し、製造過程におけるバンプ14の伝導性接着層5からの脱落を防止することができる。
さらに、当該電子部品1では、伝導領域13内に複数のバンプ14を形成するため、1個のバンプ14がフレキシブルプリント配線板2の導電パターン11又は金属板4から離間しても、他のバンプ14によりフレキシブルプリント配線板2の導電パターン11と金属板4との電気伝導性を維持できる。
[第二実施形態]
図7の電子部品1aは、フレキシブルプリント配線板2aと、このフレキシブルプリント配線板2aの表面側に実装される素子3aと、フレキシブルプリント配線板2aの裏面側に重ね合わされる複数の金属板4aと、フレキシブルプリント配線板2a及び金属板4a間に充填される伝導性接着層5aとを備える。図7の電子部品1aの素子3a及び金属板4aは、図1の電子部品1の素子3及び金属板4と同じであるため、重複する説明は省略する。
図7の電子部品1aは、フレキシブルプリント配線板2aと、このフレキシブルプリント配線板2aの表面側に実装される素子3aと、フレキシブルプリント配線板2aの裏面側に重ね合わされる複数の金属板4aと、フレキシブルプリント配線板2a及び金属板4a間に充填される伝導性接着層5aとを備える。図7の電子部品1aの素子3a及び金属板4aは、図1の電子部品1の素子3及び金属板4と同じであるため、重複する説明は省略する。
<フレキシブルプリント配線板>
フレキシブルプリント配線板2aは、図8に部分的に拡大して示すように、ベースフィルム10aと、導電パターン11aと、カバーレイ12aとを有し、カバーレイ12aが開口して導電パターン11aが露出する伝導領域13aが画定されている。このフレキシブルプリント配線板2aにおいて、ベースフィルム10a、導電パターン11a及びカバーレイ12aの材質や厚みは、図1のフレキシブルプリント配線板2のベースフィルム10、導電パターン11及びカバーレイ12と同様であるため、重複する説明を省略する。
フレキシブルプリント配線板2aは、図8に部分的に拡大して示すように、ベースフィルム10aと、導電パターン11aと、カバーレイ12aとを有し、カバーレイ12aが開口して導電パターン11aが露出する伝導領域13aが画定されている。このフレキシブルプリント配線板2aにおいて、ベースフィルム10a、導電パターン11a及びカバーレイ12aの材質や厚みは、図1のフレキシブルプリント配線板2のベースフィルム10、導電パターン11及びカバーレイ12と同様であるため、重複する説明を省略する。
<伝導性接着層>
伝導性接着層5aは、図8に示すように、表面側及び裏面側に対向するフレキシブルプリント配線板2a及び金属板4aを互いに接着すると共に、このフレキシブルプリント配線板2aの導電パターン11aが対向面に露出する伝導領域13a及び金属板4a間に少なくとも厚さ方向に電気伝導性を発現させる目的で形成された層である。
伝導性接着層5aは、図8に示すように、表面側及び裏面側に対向するフレキシブルプリント配線板2a及び金属板4aを互いに接着すると共に、このフレキシブルプリント配線板2aの導電パターン11aが対向面に露出する伝導領域13a及び金属板4a間に少なくとも厚さ方向に電気伝導性を発現させる目的で形成された層である。
伝導性接着層5aは、各伝導領域13aにそれぞれ1個配設されたバンプ14aと、バンプの周囲の領域に充填された接着剤層15aとを有する。この伝導性接着層5aは、各伝導領域13aにバンプ14aが1個だけしか配設されていない点を除いて、図1の電子部品1の伝導性接着層5と同様であるため、重複する説明は省略する。なお、この電子部品1aでは、面積の小さい伝導領域13aが多数形成されているため、伝導性接着層5aにおけるバンプ14aの総面積率、及び伝導領域13aにおけるバンプ14aの総面積率についても、図1の電子部品1における総面積率と同様である。
<利点>
当該電子部品1aは、各伝導領域13aに1個のバンプ14aを有し、このバンプ14aに接着剤層15aの接着力による圧力が集中するので、バンプ14aとフレキシブルプリント配線板2aの導電パターン11aとの間の電気伝導を可能にする電気的接続が確実になる。また、バンプ14aは当接位置においてフレキシブルプリント配線板2aと金属板4aとの距離を定めるが、各伝導領域13aにバンプ14aが1個だけであることにより、バンプ14aの周囲ではフレキシブルプリント配線板2aの可撓性によりフレキシブルプリント配線板2aと金属板4aとの距離が小さくなる。これによって、接着剤層15aがフレキシブルプリント配線板2a及び金属板4aに対してより確実に当接するので、より大きい接着力が得られる。
当該電子部品1aは、各伝導領域13aに1個のバンプ14aを有し、このバンプ14aに接着剤層15aの接着力による圧力が集中するので、バンプ14aとフレキシブルプリント配線板2aの導電パターン11aとの間の電気伝導を可能にする電気的接続が確実になる。また、バンプ14aは当接位置においてフレキシブルプリント配線板2aと金属板4aとの距離を定めるが、各伝導領域13aにバンプ14aが1個だけであることにより、バンプ14aの周囲ではフレキシブルプリント配線板2aの可撓性によりフレキシブルプリント配線板2aと金属板4aとの距離が小さくなる。これによって、接着剤層15aがフレキシブルプリント配線板2a及び金属板4aに対してより確実に当接するので、より大きい接着力が得られる。
また、図7のフレキシブルプリント配線板2aは、各伝導領域13a内にバンプ14aが1個だけ配設されるため、それぞれの伝導領域13aの面積を小さくできる。これにより、導電パターン11aの配線間隔を小さくし、フレキシブルプリント配線板2aひいては当該電子部品1aを小型化できる。また、フレキシブルプリント配線板2aの導電パターン11aと金属板4aとを接続する伝導領域13aを数多く配置することもでき、金属板4aのシールド効果をより一層高めることもできる。
[第三実施形態]
図9の電子部品1bは、フレキシブルプリント配線板2bと、このフレキシブルプリント配線板2bの裏面側(図9における上側)に実装される素子3bと、フレキシブルプリント配線板2bの裏面側に素子3bと並んで重ね合わされる金属板4bと、フレキシブルプリント配線板2b及び金属板4b間に充填される伝導性接着層5bとを備える。
図9の電子部品1bは、フレキシブルプリント配線板2bと、このフレキシブルプリント配線板2bの裏面側(図9における上側)に実装される素子3bと、フレキシブルプリント配線板2bの裏面側に素子3bと並んで重ね合わされる金属板4bと、フレキシブルプリント配線板2b及び金属板4b間に充填される伝導性接着層5bとを備える。
<フレキシブルプリント配線板>
フレキシブルプリント配線板2bは、ベースフィルム10b、導電パターン11b及びカバーレイ12bを有する。導電パターン11bは、素子3bが実装される領域と金属板4bが接着される領域とに跨るよう形成されている。カバーレイ12bは、素子3bが配置される領域及び金属板4bが配置される領域においてそれぞれ開口している。これにより、フレキシブルプリント配線板2bには、導電パターン11bが金属板4に向かって露出する伝導領域13bが画定されている。なお、図9の電子部品1bのベースフィルム10b、導電パターン11b及びカバーレイ12bの材質及び厚みは、図1の電子部品のベースフィルム10、導電パターン11及びカバーレイ12と同様であるため、重複する説明を省略する。
フレキシブルプリント配線板2bは、ベースフィルム10b、導電パターン11b及びカバーレイ12bを有する。導電パターン11bは、素子3bが実装される領域と金属板4bが接着される領域とに跨るよう形成されている。カバーレイ12bは、素子3bが配置される領域及び金属板4bが配置される領域においてそれぞれ開口している。これにより、フレキシブルプリント配線板2bには、導電パターン11bが金属板4に向かって露出する伝導領域13bが画定されている。なお、図9の電子部品1bのベースフィルム10b、導電パターン11b及びカバーレイ12bの材質及び厚みは、図1の電子部品のベースフィルム10、導電パターン11及びカバーレイ12と同様であるため、重複する説明を省略する。
<素子>
素子3bは、フレキシブルプリント配線板2bの導電パターン11bに接続されて電気回路の構成要素となる部品である。この素子3bは、導電パターン11bに熱伝達可能に実装される。
素子3bは、フレキシブルプリント配線板2bの導電パターン11bに接続されて電気回路の構成要素となる部品である。この素子3bは、導電パターン11bに熱伝達可能に実装される。
<金属板>
金属板4bは、フレキシブルプリント配線板2bに積層される板状の本体部18bからフレキシブルプリント配線板2bと反対側に延出する複数のフィン19bを有する放熱部材である。金属板4bを形成する金属としては、特に限定されないが、アルミニウムが好適である。
金属板4bは、フレキシブルプリント配線板2bに積層される板状の本体部18bからフレキシブルプリント配線板2bと反対側に延出する複数のフィン19bを有する放熱部材である。金属板4bを形成する金属としては、特に限定されないが、アルミニウムが好適である。
<伝導性接着層>
伝導性接着層5bは、表面側及び裏面側に対向するフレキシブルプリント配線板2b及び金属板4bを互いに接着すると共に、このフレキシブルプリント配線板2bのうち導電パターン11bが金属板4bに向かって露出する伝導領域13b及び金属板4b間に少なくとも厚さ方向に熱伝導性を発現させる目的で形成された層である。
伝導性接着層5bは、表面側及び裏面側に対向するフレキシブルプリント配線板2b及び金属板4bを互いに接着すると共に、このフレキシブルプリント配線板2bのうち導電パターン11bが金属板4bに向かって露出する伝導領域13b及び金属板4b間に少なくとも厚さ方向に熱伝導性を発現させる目的で形成された層である。
この目的ために、伝導性接着層5bは、少なくとも厚さ方向に熱伝導性を有する複数のバンプ14bと、このバンプ14bの周囲に充填される接着剤層15bとを有している。これにより、伝導性接着層5bは、上記バンプ14bによって少なくとも表面と垂直な方向(厚さ方向)に熱エネルギーを伝導可能であると共に、上記接着剤層15bによって接着性を有する。この伝導性接着層5bにおいて、接着剤層15bは図1の電子部品1の伝導性接着層5における接着剤層15と同様であるため、重複する説明を省略する。
〔バンプ〕
バンプ14bは、熱伝導性粒子とそのバインダーとを含有する。このバンプ14bは、図1の電子部品1の伝導性接着層5におけるバンプ14とその熱伝導性粒子を除いては同様であるため、その形状や配置、バインダーの材質等の重複する説明を省略する。
バンプ14bは、熱伝導性粒子とそのバインダーとを含有する。このバンプ14bは、図1の電子部品1の伝導性接着層5におけるバンプ14とその熱伝導性粒子を除いては同様であるため、その形状や配置、バインダーの材質等の重複する説明を省略する。
(熱伝導性粒子)
上記バンプ14bに含有される熱伝導性粒子の材質としては、例えば窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si3N4)、アルミナ(Al2O3)、窒化ホウ素(BN)、酸化ベリリウム(BeO)等が挙げられる。これらの中で、熱伝導性の観点から、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素が好ましい。なお、上記熱伝導性粒子は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記バンプ14bに含有される熱伝導性粒子の材質としては、例えば窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si3N4)、アルミナ(Al2O3)、窒化ホウ素(BN)、酸化ベリリウム(BeO)等が挙げられる。これらの中で、熱伝導性の観点から、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素が好ましい。なお、上記熱伝導性粒子は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記熱伝導性粒子の平均粒径の下限としては、伝導性接着剤層5の厚さにもよるが、2μmが好ましく、3μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。一方、熱伝導性粒子の平均粒径の上限としては、30μmが好ましく、20μmがより好ましく、15μmがさらに好ましい。熱伝導性粒子の平均粒径が上記下限未満の場合、熱伝導性粒子の成形が困難になるおそれがある。熱伝導性粒子の平均粒径が上記上限を超える場合、バンプ14bの表面が粗くなって被接着部材との接着性が損なわれるおそれがある。なお、「平均粒径」とは、粒子群に対し、篩分法により得た各粒度の篩い下の全粒子質量から得られる積算分布より、積算量が50質量%となる粒径値を意味する。
バンプ14bの熱伝導性粒子の含有率の下限としては、30体積%が好ましく、50体積%がより好ましい。一方、バンプ14bの熱伝導性粒子の含有率の上限としては、90体積%が好ましく、70体積%がより好ましい。熱伝導性粒子の含有率が上記下限未満の場合、被接着部材間の熱伝導性が低下するおそれがある。バンプ14bの熱伝導性粒子の含有率が上記上限を超える場合、バインダーが少なくなるので、バンプ14bの形成が困難になるおそれや、使用時にバンプ14bが破断して熱伝導性を損なうおそれがある。
<電子部品の製造方法>
次に、当該電子部品1bを製造する方法について図面を参酌しつつ説明する。当該電子部品1bの製造方法は以下の工程を有する。
(1)熱伝導性を有する伝導性スラリーを印刷により離型フィルムの表面のうちフレキシブルプリント配線板2bの伝導領域13bとの接着予定領域内のみに積層する工程(以下、「伝導性スラリー積層工程」ともいう)
(2)積層した伝導性スラリーを硬化し、複数のバンプ14bを形成する工程(以下、「バンプ形成工程」ともいう)
(3)接着剤の充填により、複数のバンプ14bの周囲かつ離型フィルムの表面のうちの金属板4bとの接着予定領域に接着剤層15bを形成する工程(以下、「接着剤充填工程」ともいう)
(4)フレキシブルプリント配線板2bの伝導領域13b側に複数のバンプ14b及び接着剤層15bからなる伝導性接着層5bを積層する工程(以下、「フレキシブルプリント配線板積層工程」ともいう)
(5)離型フィルムを剥離する工程(以下、「離型フィルム剥離工程」ともいう)
(6)露出した伝導性接着層5bに金属板4bを積層する工程(以下、「金属板積層工程」ともいう)
(7)積層したフレキシブルプリント配線板2b及び金属板4b間を熱圧着する工程(以下、「熱圧着工程」ともいう)
次に、当該電子部品1bを製造する方法について図面を参酌しつつ説明する。当該電子部品1bの製造方法は以下の工程を有する。
(1)熱伝導性を有する伝導性スラリーを印刷により離型フィルムの表面のうちフレキシブルプリント配線板2bの伝導領域13bとの接着予定領域内のみに積層する工程(以下、「伝導性スラリー積層工程」ともいう)
(2)積層した伝導性スラリーを硬化し、複数のバンプ14bを形成する工程(以下、「バンプ形成工程」ともいう)
(3)接着剤の充填により、複数のバンプ14bの周囲かつ離型フィルムの表面のうちの金属板4bとの接着予定領域に接着剤層15bを形成する工程(以下、「接着剤充填工程」ともいう)
(4)フレキシブルプリント配線板2bの伝導領域13b側に複数のバンプ14b及び接着剤層15bからなる伝導性接着層5bを積層する工程(以下、「フレキシブルプリント配線板積層工程」ともいう)
(5)離型フィルムを剥離する工程(以下、「離型フィルム剥離工程」ともいう)
(6)露出した伝導性接着層5bに金属板4bを積層する工程(以下、「金属板積層工程」ともいう)
(7)積層したフレキシブルプリント配線板2b及び金属板4b間を熱圧着する工程(以下、「熱圧着工程」ともいう)
当該電子部品1bの製造方法は、上述の図1の電子部品1の製造方法と伝導性スラリーが異なる以外は同様であるため、重複する説明は省略する。
(伝導性スラリー)
バンプ14bを形成する伝導性スラリーは、バンプ14bを構成する熱伝導性粒子とバインダーとを含むことにより熱伝導性を有する組成物であって、バインダーが硬化しておらず、印刷技術によってパターンを形成できる適度な流動性を有し、硬化工程において硬化させられるものであればよい。
バンプ14bを形成する伝導性スラリーは、バンプ14bを構成する熱伝導性粒子とバインダーとを含むことにより熱伝導性を有する組成物であって、バインダーが硬化しておらず、印刷技術によってパターンを形成できる適度な流動性を有し、硬化工程において硬化させられるものであればよい。
<利点>
当該電子部品1bでは、素子3bが発生した熱が、導電パターン11b及び伝導性接着層5bを介して金属板4bに伝導する。金属板4bは周囲の空気により容易に冷却されるため、素子3bの熱は、導電パターン11b、伝導性接着層5b及び金属板4bを介して効率よく周囲の空気中に放散される。
当該電子部品1bでは、素子3bが発生した熱が、導電パターン11b及び伝導性接着層5bを介して金属板4bに伝導する。金属板4bは周囲の空気により容易に冷却されるため、素子3bの熱は、導電パターン11b、伝導性接着層5b及び金属板4bを介して効率よく周囲の空気中に放散される。
当該電子部品1bでは、伝導性接着層5bが、伝導領域13bのみに配置された熱伝導性を有する複数のバンプ14bと、これらのバンプ14bの周囲に充填される接着剤からなる接着剤層15bとを備える。このため、伝導性接着層5bは、伝導領域13bにおいてフレキシブルプリント配線板2bの導電パターン11bと金属板4bとの間に厚さ方向に良好な熱伝導性を有する。また、接着剤層15bには熱伝導性が要求されず、伝導領域13b以外にはバンプ14bが存在していないので、伝導性接着層5bは伝導領域13b以外の領域において比較的大きな接着力を有する。つまり、当該電子部品1bは、フレキシブルプリント配線板2bと金属板4bとの機械的接着強度並びに熱伝導性が比較的大きい。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
当該電子部品におけるフレキシブルプリント配線板、伝導性接着層及び金属板の平面形状は、上記実施形態のものに限定されず、電子部品に要求される仕様等に応じて任意の形状とできる。
当該電子部品において、バンプは、電気伝導性及び熱伝導性の両方を有してもよい。つまり、バンプを形成する伝導性スラリーは、電気伝導性粒子と熱伝導性粒子とを含むことができる。この場合、バンプの熱伝導性粒子及び熱伝導性粒子の含有率の下限及び上限は、熱伝導性粒子及び熱伝導性粒子の体積比に応じて、上述の熱伝導性粒子の下限及び上限と上述の熱伝導性粒子の下限及び上限とを比例配分した値とすればよい。
また、当該電子部品において、電気伝導性粒子を含むことにより電気伝導性を有するバンプと熱伝導性粒子とを含むことにより熱伝導性を有するバンプとが別々に形成されてもよい。この場合、フレキシブルプリント配線板の設計に応じて、電気伝導性を有する1又は複数のバンプと熱伝導性を有する1又は複数のバンプとを同一の接着予定領域に配設してもよく、電気伝導性を有する1又は複数のバンプと熱伝導性を有する1又は複数のバンプとを別々の接着予定領域に配設してもよい。
また、当該電子部品は、最初に金属板に伝導性接着層を積層し、伝導性接着層の反対側の面にフレキシブルプリント配線板を接着してもよい。
また、本発明のバンプの伝導性接着層に垂直な断面の形状は上記実施形態のような厳密な台形に限定されず、例えば台形の頂辺が円弧である台形状や、底辺と頂辺とが非平行である台形状であってもよい。またさらに台形以外の半円形、三角形、長方形、高さ方向の中央部分に向かって幅が減少するくびれ形状、高さ方向の中央部分に向かって幅が増大する樽形状等を採用することも可能である。
さらに、当該電子部品の製造方法において、バンプが離型フィルム上では伝導性接着層の表面側及び裏面側の一方又は両方に表出しなくてもよい。つまり、フレキシブルプリンント配線板や金属板に接着される前の伝導性接着層においてバンプの表面や裏面に接着剤層が存在しても、伝導性接着層をフレキシブルプリント配線板や金属板に接着する際の圧接力により、バンプの表面や裏面の接着剤が外側に押し出され、バンプをフレキシブルプリント配線板の導電パターンや金属板に接触させることができる。
また、当該電子部品において、フレキシブルプリント配線板、伝導性接着層及び金属板位置決めのためのマーキングは、上記実施形態のような貫通孔の他、切欠きや突起、あるいは離型フィルムに印刷した目印等であってもよい。
本発明の電子部品は、例えば小型の装置に組み込む電子部品として特に好適である。
1、1a、1b 電子部品
2、2a、2b フレキシブルプリント配線板
3、3a、3b 素子
4、4a、4b 金属板
5、5a、5b 伝導性接着層
6 実装部
7 配線部
8 位置決め部
9 位置決め穴
10、10a、10b ベースフィルム
11、11a、11b 導電パターン
12、12a、12b カバーレイ
13、13a、13b 伝導領域
14、14a、14b バンプ
15、15a、15b 接着剤層
16 離型フィルム
17 位置決め穴
18b 本体部
19b フィン
Ap フレキシブルプリント配線板対向予定領域
Am 金属板との接着予定領域
Ac 伝導領域との接着予定領域
2、2a、2b フレキシブルプリント配線板
3、3a、3b 素子
4、4a、4b 金属板
5、5a、5b 伝導性接着層
6 実装部
7 配線部
8 位置決め部
9 位置決め穴
10、10a、10b ベースフィルム
11、11a、11b 導電パターン
12、12a、12b カバーレイ
13、13a、13b 伝導領域
14、14a、14b バンプ
15、15a、15b 接着剤層
16 離型フィルム
17 位置決め穴
18b 本体部
19b フィン
Ap フレキシブルプリント配線板対向予定領域
Am 金属板との接着予定領域
Ac 伝導領域との接着予定領域
当該電子部品は、このようにフレキシブルプリント配線板と金属板とを接着する伝導性接着層の伝導領域のみに1又は複数の電気又は熱を伝導するバンプを配置することによって、伝導領域における電気伝導性又は熱伝導性を向上できると共に、伝導領域以外の領域において接着剤層の接着力が低下しないので比較的大きな機械的接着強度が得られる。
上記伝導領域で露出する導電パターンがグランド配線であり、上記バンプが電気伝導性粒子とそのバインダーとを含有するとよく、この電気伝導性粒子の含有量としては20体積%以上70体積%以下が好ましい。このように、金属板をグランド回路に接続して接地するにことにより、金属板が電磁ノイズを遮断できる。また、バンプが上記含有量の電気伝導性粒子とバインダーとを含有することにより、バンプのより良好な電気伝導性及び機械的強度が得られる。
当該電子部品の製造方法は、このように、伝導領域との接着予定領域のみに電気伝導性又は熱伝導性を有するバンプを配置した伝導性接着層によってフレキシブルプリント配線板と金属板とを接着するので、バンプが配置される接着予定領域では電気伝導性又は熱伝導性を向上できると共に、バンプが配置されない接着予定領域以外の領域では比較的大きな機械的接着強度が得られる。
この目的のために、伝導性接着層5は、少なくとも厚さ方向に電気伝導性を有する複数のバンプ14と、このバンプ14の周囲に充填される接着剤層15とを有している。これにより、伝導性接着層5は、上記バンプ14によって少なくとも表面と垂直な方向(厚さ方向)に電気エネルギーを伝導可能であると共に、上記接着剤層15によって接着性を有する。
バンプ14の平面形状は特に限定されず、円形状の他に、多角形状、十字状、星形状等とすることができる。また、バンプ14の平面視の配設パターンは、伝導領域13の面積や形状等に合わせて適宜設計することができ、例えば図4Aに示す複数の線状のバンプ14が並置されたストライプ状、図4Bに示す複数の線状のバンプ14が交差した格子状、図4Cに示す複数の円環にした線状のバンプ14からなる同心円状、図4Dに示す散点状のバンプ14を格子状に配置したもの、図示しないが散点状のバンプ14を千鳥状に配置したもの等とすることができ、またこれらを組み合わせてもよい。上記各形状は、平面視で伝導領域13内にバンプ14が形成されない領域を有する。
伝導性接着層5におけるバンプ14の総面積率は特に限定されるものではないが、伝導性接着層5の面積に対するバンプ14の総面積率の下限としては、0.01%が好ましく、0.05%がより好ましい。一方、伝導性接着層5の面積に対するバンプ14の総面積率の上限としては、2%が好ましく、1.5%がより好ましい。伝導性接着層5の面積に対するバンプ14の総面積率が上記下限未満の場合、伝導性接着層5の電気伝導性が不十分となるおそれがある。伝導性接着層5の面積に対するバンプ14の総面積率が上記上限を超える場合、接着剤層15の割合が少なくなって伝導性接着層5の機械的接着強度が低下するおそれがある。なお、伝導性接着層5の面積に対するバンプ14の総面積率とは、伝導性接着層5を厚さ方向の略中央で切断した面におけるバンプ14の表出面積の総和を伝導性接着層5の平面視面積(バンプ14を含む)で除した数値である。
また、伝導領域13におけるバンプ14の総面積率は特に限定されるものではないが、伝導領域13の面積に対するバンプ14の総面積率の下限としては、0.1%が好ましく、1%がより好ましい。一方、伝導領域13の面積に対するバンプ14の総面積率の上限としては、80%が好ましく、60%がより好ましい。伝導領域13の面積に対するバンプ14の総面積率が上記下限未満の場合、伝導性接着層5の電気伝導性が不十分となるおそれがある。伝導領域13の面積に対するバンプ14の総面積率が上記上限を超える場合、接着剤層15の割合が少なくなって伝導性接着層5の機械的接着強度が低下するおそれがある。なお、伝導領域13におけるバンプ14の総面積率とは、1つの伝導領域13内の伝導性接着層5を厚さ方向の略中央で切断した面におけるバンプ14の表出面積の総和を、その伝導領域13の平面視面積(バンプ14を含む)で除した数値である。
上記熱伝導性粒子の平均粒径の下限としては、伝導性接着層5の厚さにもよるが、2μmが好ましく、3μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。一方、熱伝導性粒子の平均粒径の上限としては、30μmが好ましく、20μmがより好ましく、15μmがさらに好ましい。熱伝導性粒子の平均粒径が上記下限未満の場合、熱伝導性粒子の成形が困難になるおそれがある。熱伝導性粒子の平均粒径が上記上限を超える場合、バンプ14bの表面が粗くなって被接着部材との接着性が損なわれるおそれがある。なお、「平均粒径」とは、粒子群に対し、篩分法により得た各粒度の篩い下の全粒子質量から得られる積算分布より、積算量が50質量%となる粒径値を意味する。
さらに、当該電子部品の製造方法において、バンプが離型フィルム上では伝導性接着層の表面側及び裏面側の一方又は両方に表出しなくてもよい。つまり、フレキシブルプリント配線板や金属板に接着される前の伝導性接着層においてバンプの表面や裏面に接着剤層が存在しても、伝導性接着層をフレキシブルプリント配線板や金属板に接着する際の圧接力により、バンプの表面や裏面の接着剤が外側に押し出され、バンプをフレキシブルプリント配線板の導電パターンや金属板に接触させることができる。
Claims (9)
- 導電パターンを有するフレキシブルプリント配線板と、
このフレキシブルプリント配線板のうち少なくとも導電パターンが露出する1又は複数の伝導領域に重ね合わされる1又は複数の金属板と、
上記フレキシブルプリント配線板及び金属板間に充填され、上記伝導領域及び金属板間に少なくとも厚さ方向に電気伝導性又は熱伝導性を有する伝導性接着層と
を備える電子部品であって、
上記伝導性接着層が、少なくとも厚さ方向に電気伝導性又は熱伝導性を有する1又は複数のバンプと、この1又は複数のバンプの周囲に充填される接着剤層とを有し、
上記1又は複数のバンプが上記フレキシブルプリント配線板の伝導領域のみに存在する電子部品。 - 上記伝導領域毎に1個のバンプが配設されている請求項1に記載の電子部品。
- 上記伝導性接着層における上記バンプの総面積率が0.01%以上2%以下である請求項1又は請求項2に記載の電子部品。
- 上記伝導領域における上記バンプの総面積率が0.1%以上80%以下である請求項3に記載の電子部品。
- 上記伝導領域で露出する導電パターンがグランド配線であり、
上記バンプが、電気伝導性粒子とそのバインダーとを含有し、この電気伝導性粒子の含有量が20体積%以上70体積%以下である請求項3又は請求項4に記載の電子部品。 - 上記グランド配線と金属板との間の電気抵抗が1Ω以下である請求項5に記載の電子部品。
- 上記バンプが、熱伝導性粒子とそのバインダーとを含有し、この熱伝導性粒子の含有量が30体積%以上90体積%以下である請求項3又は請求項4に記載の電子部品。
- 上記バンプの中央縦断面形状が台形状である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電子部品。
- 導電パターンを有するフレキシブルプリント配線板と、
このフレキシブルプリント配線板のうち少なくとも導電パターンが露出する1又は複数の伝導領域に重ね合わされる1又は複数の金属板と、
上記フレキシブルプリント配線板及び金属板間に充填され、上記伝導領域及び金属板間に少なくとも厚さ方向に電気伝導性又は熱伝導性を有する伝導性接着層と
を備える電子部品の製造方法であって、
電気伝導性又は熱伝導性を有する伝導性スラリーを印刷により離型フィルムの表面のうち上記フレキシブルプリント配線板の伝導領域との接着予定領域内のみに積層する工程と、
積層した上記伝導性スラリーを硬化し、1又は複数のバンプを形成する工程と、
接着剤の充填により、上記1又は複数のバンプの周囲かつ上記離型フィルムの表面のうちの上記金属板との接着予定領域に接着剤層を形成する工程と、
上記フレキシブルプリント配線板の伝導領域側に上記1又は上記複数のバンプ及び接着剤層からなる伝導性接着層を積層する工程と、
上記離型フィルムを剥離する工程と、
露出した上記伝導性接着層に上記金属板を積層する工程と、
積層したフレキシブルプリント配線板及び金属板間を熱圧着する工程と
を有する電子部品の製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014014748A JP2015142051A (ja) | 2014-01-29 | 2014-01-29 | 電子部品及び電子部品の製造方法 |
CN201480040475.1A CN105379431A (zh) | 2013-07-16 | 2014-07-09 | 电子部件以及电子部件的制造方法 |
PCT/JP2014/068257 WO2015008671A1 (ja) | 2013-07-16 | 2014-07-09 | 電子部品及び電子部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014014748A JP2015142051A (ja) | 2014-01-29 | 2014-01-29 | 電子部品及び電子部品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015142051A true JP2015142051A (ja) | 2015-08-03 |
Family
ID=53772214
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014014748A Pending JP2015142051A (ja) | 2013-07-16 | 2014-01-29 | 電子部品及び電子部品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015142051A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0163136U (ja) * | 1987-10-15 | 1989-04-24 | ||
JP2006073994A (ja) * | 2004-08-05 | 2006-03-16 | Seiko Epson Corp | 接続用基板、接続構造、接続方法並びに電子機器 |
JP2013026322A (ja) * | 2011-07-19 | 2013-02-04 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | プリント配線板 |
-
2014
- 2014-01-29 JP JP2014014748A patent/JP2015142051A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0163136U (ja) * | 1987-10-15 | 1989-04-24 | ||
JP2006073994A (ja) * | 2004-08-05 | 2006-03-16 | Seiko Epson Corp | 接続用基板、接続構造、接続方法並びに電子機器 |
JP2013026322A (ja) * | 2011-07-19 | 2013-02-04 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | プリント配線板 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5167516B1 (ja) | 部品内蔵基板及びその製造方法並びに部品内蔵基板実装体 | |
JP7207382B2 (ja) | 多層基板 | |
JP6449111B2 (ja) | シールド材、電子部品及び接着シート | |
TWI463928B (zh) | 晶片封裝基板和結構及其製作方法 | |
JP6320694B2 (ja) | 電気部品及びその製造方法 | |
JP6691137B2 (ja) | 放熱性回路基板 | |
WO2014136606A1 (ja) | 接着シート及び接着シートの製造方法 | |
JP2014524671A (ja) | 回路基板 | |
JP6237732B2 (ja) | 電子部品モジュールの製造方法 | |
JP2013211480A (ja) | 部品内蔵基板 | |
TW201803427A (zh) | 配線基板或配線基板材料之製造方法 | |
JP2016207990A (ja) | プリント配線板及び回路基板 | |
WO2020071356A1 (ja) | 電磁波シールドシート、および電子部品搭載基板 | |
JP2011210877A (ja) | フレキシブルプリント配線板及びフレキシブルプリント配線板の製造方法 | |
JP6239884B2 (ja) | 電子部品及びその製造方法 | |
JP6088292B2 (ja) | 接着シート及びその製造方法 | |
JP2014175323A (ja) | 接着シート及びその製造方法 | |
JP6568436B2 (ja) | 電子部品、接着シート及び電子部品の製造方法 | |
WO2016185827A1 (ja) | 電子部品、接着シート及び電子部品の製造方法 | |
WO2015008671A1 (ja) | 電子部品及び電子部品の製造方法 | |
JP6377905B2 (ja) | 接着シート及び接着シートの製造方法 | |
JP7225302B2 (ja) | 回路基板の製造方法 | |
JP2015142051A (ja) | 電子部品及び電子部品の製造方法 | |
JP6262552B2 (ja) | 電子部品の製造方法 | |
JP2011210948A (ja) | 金属ベース回路基板及び金属ベース回路基板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170126 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20171031 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20180424 |