JP2015139985A - 画像処理装置及び方法、プログラム、並びにインクジェット印刷システム - Google Patents

画像処理装置及び方法、プログラム、並びにインクジェット印刷システム Download PDF

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Abstract

【課題】不吐補正部に対するハーフトーン処理と通常部に対するハーフトーン処理とを別々の処理として扱うことを可能にする画像処理装置及び方法、プログラム、並びにインクジェット印刷システムを提供する。
【解決手段】画像処理装置(100)は、インクジェットヘッドの不吐ノズルによる画像欠陥を補正する画像補正の処理を行う不吐補正処理部(114)を備え、不吐補正の対象領域である不吐補正部に非該当、かつ、不吐部に非該当の画像領域である通常部に対して第1のハーフトーン処理を行う第1のハーフトーン処理プログラムファイル(152)と、不吐補正部に対して第2のハーフトーン処理を行う第2のハーフトーン処理プログラムファイル(154)とを別ファイルで備える。入力画像(102)の通常部に第1のハーフトーン処理プログラムファイル(152)を実行し、かつ、不吐補正部に第2のハーフトーン処理プログラムファイル(154)を実行することで不吐補正済みハーフトーン画像(104)を得る。
【選択図】図8

Description

本発明はインクジェット印刷用の画像処理技術に係り、特に、不吐ノズルによる記録不良を補正する画像補正機能としての不吐補正処理と連続調画像のデータからドットデータであるハーフトーン画像のデータに変換するハーフトーン処理とを組み合わせた画像処理装置及び方法、プログラム、並びにインクジェット印刷システムに関する。
インクジェット印刷システムは、印刷対象の画像データに基づいて、インクジェットヘッドの各ノズルのインク吐出動作を制御することにより記録媒体上に画像を形成する。インクジェットヘッドは、ノズルの目詰まりや吐出エネルギー発生素子の故障などにより、吐出不能な不吐ノズルが発生することがある。また、吐出可能なノズルであっても着弾位置誤差が許容値を超えて大きくなる吐出曲がりが発生するなどの不良ノズルについて、記録に使用しないよう強制的に不吐化処理し、不吐ノズルとして扱う場合がある。
不吐ノズルはドットを記録できないため、特に、シングルパス型のインクジェット印刷システムでは、印刷画像の不吐ノズルに対応する画像位置において用紙送り方向に沿った白いスジ状の画像欠陥となり、印刷品質上問題となる。このような不吐ノズルに起因する画像欠陥を改善するための補正技術として「不吐補正」の技術が提案されている(特許文献1〜4)。なお、不吐補正という用語は「不吐出補正」と同義であり、本明細書では「不吐補正」と表記する。
特開2004−50430号公報 特開2002−86767号公報 特開2006−240297号公報 特許第4670696号明細書
不吐補正は、不吐ノズルに近接する他の吐出可能ノズルから打滴するドットを変更することにより実現される。不吐補正の方法は大きく分けて3つの方法に分類することができる。
[1]第1の方法は、ハーフトーン処理前の連続調画像を修正する方法である。すなわち、ハーフトーン処理への入力画像となる連続調画像上において、不吐部近傍の画素の信号値を、補正前よりも大きな値に修正することにより、ハーフトーン処理の内部で不吐部近傍のノズルから吐出されるインク量を多くするという方法である。具体例による説明は後述する(図1及び図2(A)〜(C)参照)。
なお、用語に関して「不吐部」は不吐ノズルによって記録不能となる画像位置を示す。「不吐補正部」は不吐部に隣接する不吐部近傍の画像領域で補正処理が行われる部分をいう。不吐部と不吐補正部を合わせて「補正部」といい、補正部以外の画像領域である非補正部を「通常部」という。
[2]第2の方法は、ハーフトーン画像を修正する方法である。すなわち、連続調画像である入力画像について、不吐補正部と通常部の区別無く、一旦ハーフトーン処理を行い、得られたハーフトーン画像の不吐補正部についてドットデータの変換を行う(すなわち、ドット配置を変更する)という方法である。具体例による説明は後述する(図3及び図4(A)〜(C)参照)。
[3]第3の方法は、ハーフトーン画像の生成に関しては特別な画像補正の処理を行わず、不吐部近傍のノズルの吐出用駆動波形を変更することにより、吐出されるドットを大きくすることで不吐部の白スジ部分を埋めるという方法である。具体例による説明は後述する(図5及び図6(A)〜(C)参照)。
不吐補正の技術は、インクジェットヘッドのノズル列内に不吐ノズルが存在する場合であっても良好な印刷画像の出力を可能とする技術であり、高生産性や印刷品質の安定性が要求されるインクジェット印刷機にとって重要な機能である。近時、インクジェット印刷システムに対し、不吐補正の機能を搭載する要求が高まっている。
このような背景のもと、インクジェット印刷システムに組み込むことができる不吐補正の画像処理機能をモジュール化した不吐補正画像処理モジュールを販売するサービスが提供されている。したがって、例えば、印刷機メーカーは、市販の不吐補正画像処理モジュールを購入し、自社のインクジェット印刷機に搭載することによって、不吐補正の機能を具備したインクジェット印刷システムを構築することが可能となっている。
かかる市販の不吐補正画像処理モジュールの多くは、第1の方法を採用したものであり、不吐補正画像処理モジュールのパッケージ内にハーフトーン処理の機能を内包しているものとなっている。つまり、従来の不吐補正画像処理モジュールは、不吐補正機能付きハーフトーン処理のモジュールとなっている。
その一方で、印刷機メーカーは、自社開発等により、独自のハーフトーン画像処理技術を保有している場合がある。印刷用のハーフトーン画像の生成に適用するハーフトーン処理の種類によって出力物としての印刷画像の品質や仕上がりの印象が変わる。簡単な例で言えば、同じ入力画像を基に印刷出力した画像であっても、AM(Amplitude Modulation)網による画像とFM(Frequency Modulation )網による画像とでは画質や仕上がりの印象に違いがある。そのため、独自のハーフトーン画像処理技術を保有する印刷機メーカーは、自社のハーフトーン処理機能を搭載したいとの要求を持つことが多い。
しかし、既述のとおり、従来の不吐補正画像処理モジュールは、不吐補正処理とハーフトーン処理とが一体の処理、つまり単一のまとまった処理となっている。このため、不吐補正画像処理モジュールで提供される不吐補正及びハーフトーンの処理と、印刷機メーカー保有のハーフトーン処理とを組み合わせて用いることはできず、不吐補正機能を実現するには不吐補正画像処理モジュール内にあるハーフトーン処理を使わざるを得なかった。
本願発明者は、インクジェット印刷システムに不吐補正の機能を搭載するという要求と、各メーカー独自のハーフトーン処理を利用したいという要求に対し、従来、これら2つの要求に応える適当な手段が提供されていないという新たな課題に着目した。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、不吐補正部に対するハーフトーン処理と、通常部に対するハーフトーン処理とを別々の処理として扱うことを可能にする画像処理装置及び方法、プログラム、並びにインクジェット印刷システムを提供することを目的とする。
また、他の課題として、不吐補正部と通常部とを別々の処理でハーフトーン処理を行った場合、不吐補正部のドット配置の特性と通常部のドット配置の特性とが著しく異なると、画像領域同士の接続がうまくいかず、不吐補正部が目立ってしまう場合がある。このようなアーティファクトの問題に対しする解決手段についても本発明で取り扱う。
前記目的を達成するために、次の発明態様を提供する。
第1態様に係る画像処理装置は、複数のノズルを有するインクジェットヘッドにおける不吐ノズルによる画像欠陥を補正する画像補正の処理を行う不吐補正処理部と、不吐補正処理部による画像補正の対象領域である不吐補正部に非該当の画像領域であり、かつ、不吐ノズルにより記録不能となる不吐部に非該当の画像領域である通常部に対して第1のハーフトーン処理を行い第1のハーフトーン画像を生成する少なくとも1つの第1のハーフトーン処理プログラムファイルと、不吐補正部に対して第1のハーフトーン処理とは異なる第2のハーフトーン処理を行い第2のハーフトーン画像を生成する第2のハーフトーン処理プログラムファイルであって、第1のハーフトーン処理プログラムファイルとは別ファイルで構成された少なくとも1つの第2のハーフトーン処理プログラムファイルと、を具備し、入力画像の通常部に第1のハーフトーン処理プログラムファイルを実行し、かつ、入力画像の不吐補正部に第2のハーフトーン処理プログラムファイルを実行する画像処理装置である。
第1態様の画像処理装置によれば、不吐補正部に対するハーフトーン処理と、通常部に対するハーフトーン処理とを別々の処理として扱うことが可能になる。このため、例えば、各メーカーが保有する既存のハーフトーン処理と、他メーカーから供給される不吐補正用の画像処理モジュールとを組み合わせて使用できるようになる。
また、この態様によれば、メーカー毎に保有する既存のハーフトーン処理プログラムファイルはそのまま使うことができるため、不吐補正用の画像処理モジュールも低価格で提供することが可能である。
第2態様として、第1態様の画像処理装置において、不吐ノズルの位置に対応する不吐部情報を記憶しておく不吐部情報記憶部と、不吐部情報に基づき、入力画像おける通常部と不吐補正部とを判別する画像領域判別部と、画像領域判別部の判別結果に基づき、通常部に第1のハーフトーン処理プログラムファイルを実行し、かつ不吐補正部に第2のハーフトーン処理プログラムファイルを実行することにより、通常部と不吐補正部とでそれぞれに適用するハーフトーン処理を切り換えるハーフトーン処理切換部と、を備える構成とすることができる。
第3態様として、第1態様の画像処理装置において、不吐ノズルの位置に対応する不吐部情報を記憶しておく不吐部情報記憶部と、不吐部情報に基づき、入力画像を通常部と不吐補正部とに分割する画像分割処理部と、画像分割処理部により分割された通常部に対する第1のハーフトーン処理プログラムファイルの実行によって得られる第1のハーフトーン画像と、画像分割処理部により分割された不吐補正部に対する第2のハーフトーン処理プログラムファイルの実行によって得られる第2のハーフトーン画像とを統合する統合処理部と、を備える構成とすることができる。
第4態様として、第1態様から第3態様のいずれか1態様の画像処理装置において、第1のハーフトーン処理プログラムファイルによる第1のハーフトーン処理のアルゴリズムと、第2のハーフトーン処理プログラムファイルによる第2のハーフトーン処理のアルゴリズムとは互いに異なるものである構成とすることができる。
第5態様として、第4態様の画像処理装置において、第2のハーフトーン処理プログラムファイルによる第2のハーフトーン処理は、ディザマスクを用いる構成とすることができる。
かかる態様によれば、不吐補正部のドットパターンをディザマスクにしたがって確定的に決定することができ、安定して良好な不吐補正が実現される。
第6態様として、第1態様から第5態様のいずれか1態様の画像処理装置において、通常部に対する第1のハーフトーン処理の実施タイミングと不吐補正部に対する第2のハーフトーン処理の実施タイミングが異なり、通常部に対する第1のハーフトーン処理に比べて、不吐補正部に対する第2のハーフトーン処理の方が処理の実施頻度が高い、又は、通常部に対する第1のハーフトーン処理に比べて、不吐補正部に対する第2のハーフトーン処理の方が処理の実施回数が多い構成とすることができる。
かかる態様によれば、画像全域についてハーフトーン処理をやり直す場合と比較して、不吐補正部に対する部分的なハーフトーン処理を行うだけで不吐補正済みハーフトーン画像を得ることができるため、ハーフトーン処理の演算時間を短縮することができる。
第7態様として、第6態様の画像処理装置において、通常部に対する第1のハーフトーン処理を実施して得られた第1のハーフトーン画像を記憶しておく第1のハーフトーン画像記憶部を有し、インクジェットヘッドにおける不吐ノズルの状態に合わせて不吐補正部に対する第2のハーフトーン処理が実行されることによって逐次作成される不吐補正部の第2のハーフトーン画像と第1のハーフトーン画像記憶部に予め記憶されている第1のハーフトーン画像とを統合する処理が行われる構成とすることができる。
第8態様として、第1態様から第7態様のいずれか1態様の画像処理装置において、第1のハーフトーン処理によって作成されたデータが、第2のハーフトーン処理への入力として与えられる構成とすることができる。
かかる態様によれば、不吐補正部と通常部のドットパターンの違いによる接続部のアーティファクトを抑えることができる。
第9態様として、第8態様の画像処理装置において、第1のハーフトーン処理によって作成された通常部の第1のハーフトーン画像のデータが、第2のハーフトーン処理への入力として与えられ、第2のハーフトーン処理への入力として与えられた第1のハーフトーン画像に対し、ボケ関数を適用する演算処理部を有し、第1のハーフトーン画像にボケ関数を適用して得られたデータに対して第2のハーフトーン処理が実施される構成とすることができる。
第10態様として、第9態様の画像処理装置において、ボケ関数は、ドーリーの視覚伝達関数である構成とすることができる。
第11態様として、第8態様の画像処理装置において、第2のハーフトーン処理への入力として与えられる、第1のハーフトーン処理によって作成されたデータは、第1のハーフトーン処理における誤差拡散処理によって発生した蓄積誤差であり、第2のハーフトーン処理プログラムファイルは、蓄積誤差を初期誤差データとして、不吐補正部での誤差拡散処理を実施する構成とすることができる。
第12態様として、第8態様から第11態様のいずれか1態様の画像処理装置において、第2のハーフトーン処理プログラムファイルは、第1のハーフトーン処理によって作成されたデータの他、入力画像も使用して、不吐補正部に対する第2のハーフトーン処理を行う構成とすることができる。
第13態様として、第12態様の画像処理装置において、第2のハーフトーン処理では、入力画像の不吐補正部に対応する処理対象画素の信号値が特定値の場合にドットを配置しない処理、あるいは、処理対象画素の信号値が特定値以外の場合に必ずドットを配置する処理を行う構成とすることができる。
第14態様として、第1態様から第13態様のいずれか1態様の画像処理装置において、不吐補正部に対する第2のハーフトーン処理に適用できる複数の第2のハーフトーン処理プログラムファイルを備える構成とすることができる。
第15態様として、第14態様の画像処理装置において、複数の第2のハーフトーン処理プログラムファイルの中から第2のハーフトーン処理に用いるファイルをユーザーが選択できるユーザーインターフェースを備える構成とすることができる。
第16態様として、第1態様から第15態様のいずれか1態様の画像処理装置において、インクジェットヘッドは、シングルパス方式で画像記録を行うインクジェット印刷システムに用いられたラインヘッドであり、不吐補正部は、不吐部の画素列の両側に隣接する画素列を含む画像領域である構成とすることができる。
第17態様に係る画像処理方法は、複数のノズルを有するインクジェットヘッドにおける不吐ノズルによる画像欠陥を補正する画像補正の処理を行う不吐補正処理工程と、入力画像のうち不吐補正処理工程による画像補正の対象領域である不吐補正部に非該当の画像領域であり、かつ、不吐ノズルにより記録不能となる不吐部に非該当の画像領域である通常部に対して第1のハーフトーン処理プログラムファイルを実行して第1のハーフトーン処理を行い第1のハーフトーン画像を生成する第1のハーフトーン処理工程と、入力画像の不吐補正部に対し、第1のハーフトーン処理プログラムファイルとは別ファイルで構成された第2のハーフトーン処理プログラムファイルを実行して第1のハーフトーン処理とは異なる第2のハーフトーン処理を行い第2のハーフトーン画像を生成する第2のハーフトーン処理工程と、を備える画像処理方法である。
第18態様に係るプログラムは、複数のノズルを有するインクジェットヘッドにおける不吐ノズルによる画像欠陥を補正する画像補正の処理を行う不吐補正処理機能と、入力画像のうち不吐補正処理機能による画像補正の対象領域である不吐補正部に非該当の画像領域であり、かつ、不吐ノズルにより記録不能となる不吐部に非該当の画像領域である通常部に対して第1のハーフトーン処理プログラムファイルを実行して第1のハーフトーン処理を行い第1のハーフトーン画像を生成する第1のハーフトーン処理機能と、入力画像の不吐補正部に対し、第1のハーフトーン処理プログラムファイルとは別ファイルで構成された第2のハーフトーン処理プログラムファイルを実行して第1のハーフトーン処理とは異なる第2のハーフトーン処理を行い第2のハーフトーン画像を生成する第2のハーフトーン処理機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
第19態様に係るインクジェット印刷システムは、第1態様から第16態様のいずれか1態様の画像処理装置と、インクジェットヘッドと、を備え、画像処理装置で生成されたハーフトーン画像のデータに基づいてインクジェットヘッドにより画像記録を行うインクジェット印刷システムである。
本発明によれば、不吐補正部に対するハーフトーン処理と、通常部に対するハーフトーン処理とを別々の処理として扱うことが可能になる。これにより、既存のハーフトーン処理と、不吐補正用のハーフトーン処理とを組み合わせて利用することができる。
図1は第1の方法に分類される不吐補正の例を示したフローチャートである。 図2(A)〜(C)は、第1の方法に分類される不吐補正の手順の中で扱われる画像データを説明するための模式図であり、図2(A)は入力画像の模式図、図2(B)は不吐補正画像の模式図、図2(C)は不吐補正済みハーフトーン画像の模式図である。 図3は第2の方法に分類される不吐補正の例を示したフローチャートである。 図4(A)〜(C)は、第2の方法に分類される不吐補正の手順の中で扱われる画像データを説明するための模式図であり、図4(A)は入力画像の模式図、図4(B)は補正前のハーフトーン画像の模式図、図4(C)は不吐補正済みハーフトーン画像の模式図である。 図5は第3の方法による不吐補正の手順を示したフローチャートである。 図6(A)〜(C)は、第3の方法による不吐補正の手順の中で扱われる画像データを説明するための模式図であり、図6(A)は入力画像の模式図、図6(B)はハーフトーン画像の模式図、図6(C)は不吐補正済み打滴信号の印加による吐出駆動で実現されるドット画像の模式図である。 図7は本明細書で用いる用語の説明図である。 図8は本発明の第1実施形態に係る画像処理装置の要部構成を示したブロック図である。 図9は複数種類のハーフトーン処理の中から1つのハーフトーン処理を選択操作できる構成を示したブロック図である。 図10は第2実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。 図11は第1実施形態及び第2実施形態で採用されている画像処理方法のフローチャートである。 図12は第3実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。 図13は第3実施形態による画像処理方法で採用されている画像処理方法のフローチャートである。 図14(A)〜(D)は通常部のドットパターンと不吐補正部のドットパターンとが類似している場合の例を示す図であり、図14(A)は通常部のドットパターンを示し、図14(B)は不吐補正部のドットパターンを示し、図14(C)は不吐補正済みハーフトーン画像のドットパターンを示し、図14(D)は印刷結果の視覚的な見え方を示す図である。 図15(A)〜(D)は通常部のドットパターンと不吐補正部のドットパターンとが異なっている場合の例を示す図であり、図15(A)は通常部のドットパターンを示し、図15(B)は不吐補正部のドットパターンを示し、図15(C)は不吐補正済みハーフトーン画像のドットパターンを示し、図15(D)は印刷結果の視覚的な見え方を示す図である。 図16は第4実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。 図17は図16に示した画像処理装置における補正部ハーフトーン処理部の構成例を示す要部ブロック図である。 図18は第5実施形態の要部構成を示すブロック図である。 図19は第4実施形態及び第5実施形態で採用されている画像処理方法のフローチャートである。 図20は第6実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。 図21はインクジェット印刷システムの構成例を示すブロック図である。 図22は本例のインクジェット印刷システムによって印刷を際の動作の手順を示したフローチャートである。 図23は本例のインクジェット印刷システムによって印刷を際の動作の手順を示したフローチャートである。 図24は印刷条件の設定を行うための印刷設定画面の例を示した図である。 図25は通常部と不吐補正部とでハーフトーン処理の実施タイミングを異ならせる構成の例を示したフローチャートである。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について詳細に説明する。
<不吐補正技術の概要について>
はじめに、シングルパス方式で画像記録を行うインクジェット印刷システムにおける不吐補正の技術について概説する。不吐補正の技術は、インクジェットヘッドにおける不吐ノズルの近傍のノズルに対応する画像位置のドットパターンを変更することにより、不吐ノズルに起因する記録不良部(すなわち、スジ状の画像欠陥)を不吐ノズル以外の他のノズルからの吐出によるドットの記録で補い、画像欠陥の視認性を低減させる補正技術である。
不吐補正の方法は、既述のとおり、第1の方法から第3の方法の3つの方法に大別される。図1は第1の方法に分類される不吐補正の例を示したフローチャートである。図2(A)〜(C)は、第1の方法に分類される不吐補正の手順の中で扱われる画像データを説明するための模式図である。図2(A)は入力画像の模式図、図2(B)は不吐補正画像の模式図、図2(C)は不吐補正済みハーフトーン画像の模式図である。
図2(A)〜(C)における縦方向が用紙送り方向であり、図面における横方向がライン型のインクジェットヘッドにおけるノズルの並び方向に対応している。用紙送り方向と平行な方向を副走査方向といい、y方向とする。また、y方向と直交するノズルの並び方向を「主走査方向」あるいは「紙幅方向」といい、x方向とする。図2(A)〜(C)では、x方向について7画素、y方向について5画素の画像領域を図示した。
図1に示す不吐補正の方法では、連続調の入力画像12に対し、不吐部情報14を利用して不吐補正処理(ステップS11)を行い、不吐補正画像16を生成する。
不吐部情報14は、インクジェットヘッドにおける不吐ノズルの位置を示す情報である。「不吐部情報」という用語は、「不吐ノズルの位置情報」、あるいは「不吐ノズル情報」という用語に置き換えることもできる。画像記録に使用不能な不吐ノズルの位置情報は、テストパターンの出力結果などから特定することができる。特定された不吐ノズルの位置情報は、不吐部情報14としてメモリ等の不吐部情報記憶部に記憶される。不吐部情報14は、ノズル番号の情報であってもよいし、ノズル番号に対応した画像位置の情報であってもよいし、これらの組合せであってもよい。
入力画像12は、印刷対象の画像内容を表す元画像データである。入力画像12は入力画像12のデータ形式は特に限定されないが、ここでは説明を簡単にするために、インクジェット印刷システムで使用されるインク色と同じ色種、色数並びに解像度を持った連続調画像であるとする。
図2(A)では入力画像12として一定濃度(一定階調)の均一画像、いわゆるベタ画像であるとした。
図1の不吐補正処理(ステップS11)では、不吐ノズル近傍の画像位置の画像データが修正され、補正後の連続調画像のデータである不吐補正画像16が得られる。
図2(B)に示した不吐補正画像16では、各画素の濃淡が画素の階調を表す信号値(すなわち画素値)を反映したものとなっている。図2(B)では、不吐部に対応する画素列が白抜きの画素列で表されている。不吐部の左右両側に隣接する画素列が不吐補正部であり、不吐補正部のさらに外側が非補正部としての通常部に相当する。不吐補正部の画素値は通常部の画素値よりも大きな値に変更されている。
不吐補正の際には、インク量が補正前後でおよそ近いものとなることが補正の適切な条件とされる。単純な例で説明すると、1つのノズルが不吐となり、その不吐ノズルの両脇の2ノズルで補正を行う場合には、本来、不吐ノズルとその両脇の2ノズルを合わせた3ノズルから吐出すべき予定のインク量を、両脇の2ノズルで吐出することになる。したがって、不吐ノズルの両脇の各補正ノズルから吐出されるインク量を通常部のインク量の1.5倍程度にすると、通常部と補正部の濃度差が小さくなり、印刷物において不吐補正の補正部分が目立たなくなる。なお、実際には、ノズル毎に吐出特性に違いがあるため、補正ノズルのインク量を厳密に1.5倍とせずにある程度、補正値に幅を持たせることになる。すなわち、補正ノズルの位置に応じたインク量の補正量を表す補正値を規定した不吐補正用パラメータが用意される。例えば、予めテストチャートを出力するなどしてインクジェットヘッドの吐出特性を把握し、不吐補正部の位置毎に画素値を補正する際の補正係数などの補正値を定めた不吐補正パラメータが作成され、この不吐補正パラメータを用いて画素値の修正が行われ、不吐補正画像16が生成される。
こうして得られた不吐補正画像16に対してハーフトーン処理(図1のステップS13)が行われ、ドットパターンを表す画像データである不吐補正済みハーフトーン画像18が得られる(図2(C)参照)。
ハーフトーン処理(図1のステップS13)は、一般的には、連続調画像であるM値(Mは3以上の整数)の多階調画像データを量子化し、インクジェットヘッドで記録可能なN値(Nは2以上M未満の整数)のドットデータに変換する処理である。例えば、インクジェットヘッドにおいて、小滴、中滴、大滴の3種類の滴サイズ(ドットサイズ)を打ち分けることができるものとすると、ハーフトーン処理(ステップS13)では、連続調の不吐補正画像16から、「大滴インクを吐出する」、「中滴インクを吐出する」、「小滴インクを吐出する」、「吐出しない(滴なし)」の4階調(N=4)の信号に変換する。このようなハーフトーン処理には、ディザ法や誤差拡散法などが適用される。大滴の吐出によって記録媒体上に大ドットが形成され、中滴の吐出によって中ドットが形成され、小滴の吐出によって小ドットが形成される。
ハーフトーン処理(ステップS13)を経て生成される不吐補正済みハーフトーン画像18は、不吐補正処理(ステップS11)の階調補正が反映されたドットデータとなる。つまり、第1の方法は、ハーフトーン処理前に連続階調画像のデータの段階で不吐補正を実施し、不吐ノズル近傍の画像位置に対応する信号値(階調値)を増大させた不吐補正画像16に対してハーフトーン処理(ステップS13)を行う、という手順によって不吐補正済みハーフトーン画像18を得ている。
ハーフトーン処理では、階調の高いところほど、ドットの数が多く、より大きなドットが出現するように設計されているため、図2(C)に示したように、不吐補正部に大きなドットが配置される。
こうして得られた不吐補正済みハーフトーン画像18からインクジェットヘッドの打滴を制御するための打滴信号への変換処理(図1のステップS15)を行い、打滴信号20を生成する。打滴信号20に基づいてインクジェットヘッドのインク吐出動作を制御することで、不吐ノズルに起因する白スジが補正された出力画像を得ることができる。
第1の方法は入力画像を加工する不吐補正方法として理解することができる。
図3は第2の方法に分類される不吐補正の例を示したフローチャートである。図4(A)〜(C)は、第2の方法に分類される不吐補正の手順の中で扱われる画像データを説明するための模式図である。図4(A)は入力画像の模式図、図4(B)は補正前のハーフトーン画像の模式図、図4(C)は不吐補正済みハーフトーン画像の模式図である。図3及び図4(A)〜(C)において、図1及び図2(A)〜(C)で説明した構成と同一又は類似する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図3に示す第2の方法による不吐補正方法では、連続調の入力画像12に対し、ハーフトーン処理(ステップS21)を行い、得られたハーフトーン画像22に対して、不吐補正部に対応する画像領域のドット配置を修正する変換処理を行う(ステップS23)。ステップS23で示した「不吐補正部ドットの変換処理」では、不吐部情報14を用いて、不吐部と不吐補正部に対応する画像領域を判別し、ハーフトーン画像22における不吐補正部のドットを変更する処理を行う。
不吐補正部ドットの変換処理(ステップS23)によって、不吐補正済みハーフトーン画像24が生成される。
図4(B)は、図3のステップS21によって生成されるハーフトーン画像22を表し、図4(C)は、図3のステップS23によって生成される不吐補正済みハーフトーン画像24を表している。
こうして得られた不吐補正済みハーフトーン画像24(ステップS23)からインクジェットヘッドの打滴を制御するための打滴信号への変換処理(図3のステップS25)を行い、打滴信号26を生成する。打滴信号26に基づいてインクジェットヘッドのインク吐出動作を制御することで、不吐ノズルに起因する白スジが補正された出力画像を得ることができる。
第2の方法はハーフトーン画像を加工する不吐補正方法として理解することができ、不吐補正部のドットを変換する処理(ステップS23)を広義のハーフトーン処理と見なせば、2段階のハーフトーン処理を行っているものと理解することができる。
図5は第3の方法による不吐補正の手順を示したフローチャートである。図6(A)〜(C)は、第3の方法による不吐補正の手順の中で扱われる画像データを説明するための模式図である。図6(A)は入力画像の模式図、図6(B)はハーフトーン画像の模式図、図6(C)は不吐補正済み打滴信号の印加による吐出駆動で実現されるドット画像の模式図である。図5及び図6(A)〜(C)において、図1及び図2(A)〜(C)並びに図3及び図4(A)〜(C)で説明した構成と同一又は類似する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図5に示したように、第3の方法による不吐補正方法では、連続調の入力画像12に対し、ハーフトーン処理(ステップS21)を行い、得られたハーフトーン画像22からインクジェットヘッドの打滴を制御するための打滴信号への変換処理(ステップS33)を行い、打滴信号34を生成する。
そして、不吐部情報14に基づいて、不吐補正部に対応するノズルの吐出用駆動波形を変更する処理を行う(ステップS35)。ステップS35で示した「不吐補正部波形の変更処理」によって生成された打滴信号36に基づいてインクジェットヘッドのインク吐出動作を制御することで、不吐ノズルに起因する白スジが補正された出力画像を得ることができる。第3の方法は最終信号である駆動信号を加工する方法として理解することができる。
第1の方法から第3の方法に分類される3種類の不吐補正の方法のうち、第1の方法と第2の方法は、印刷用のハーフトーン画像を生成する画像処理の段階で画像補正を行うものであり、第3の方法は吐出のための駆動信号の波形を補正するものである。
本発明の実施形態で説明する技術は、第1の方法と第2の方法に属する不吐補正の処理に関連するものである。
<用語の説明>
図7は、本明細書で用いる「不吐部」、「不吐補正部」、「通常部」等の用語の説明図である。図7において符号40は、シングルパス方式のインクジェット印刷システムに用いられたライン型のインクジェットヘッドを表している。インクジェットヘッド40は、インク滴を吐出するための複数のノズル42を備えている。
図7に示したインクジェットヘッド40のノズル列44を構成する複数のノズル42のうち、左から4番目のノズルが不吐ノズル46であるとする。他のノズルは吐出が可能な正常ノズルであるとする。
不吐ノズル46として特定されるものには、ノズルの目詰まりや吐出エネルギー発生素子の故障などによって吐出不能となる場合の他、着弾位置誤差が許容値を超えて大きくなるなどの不良ノズルについて記録に使用しないよう強制的に不吐化処理したものが含まれる。
ノズル列44の中に不吐ノズル46が存在すると、その不吐ノズル46の位置(ノズル番号kとする。)に対応するx方向画素位置は、ドットを記録できないため、当該不吐ノズル46に対応する位置(矢印Aで示した位置)のy方向に沿った画素列について印刷画像上で白スジ(記録不良部)が発生するスジ発生部となる。この不吐ノズル46に対応した位置の画素列が「不吐部」である。
かかる不吐部による白スジの画像欠陥を目立たなくするために、不吐補正の技術が適用される。すなわち、不吐ノズル46を挟んで左右に隣接する左側の補正ノズル47(ノズル番号k-1)と右側の補正ノズル48(ノズル番号k+1)に対応する画素位置を「不吐補正部」とし、入力画像(連続階調画像)における不吐補正部に対応する画素の階調値を増大させる補正処理を行う。
図7では、不吐補正による補正ノズルの範囲は、不吐ノズル46に対して、左右にそれぞれ1ノズルずつとしているが、補正ノズルの範囲として、不吐ノズル46の左右にそれぞれ複数ノズルずつとすることができる。例えば、2以上の自然数Nとして、不吐ノズル46の左右にそれぞれNノズルずつ、左右合わせて2×Nノズルを補正ノズルと設定することができる。Nの数は適宜設計可能であり、Nは2から3の数であることが好ましい。
不吐補正部は、不吐補正による画像補正の対象となる画像領域であり、少なくとも不吐部に隣接する左右それぞれ1画素分の画素列の画像領域を含む。不吐部を中心にして、これに隣接する片側N画素、左右合わせて2×N画素の範囲が不吐補正部として特定される。また、不吐部と不吐補正部とを合わせた画像領域をまとめて「補正部」という。そして、画像内における補正部以外の部分、つまり、非補正部を「通常部」という。つまり、不吐補正処理による画像補正の対象領域である不吐補正部に非該当の画像領域であり、かつ、不吐ノズルにより記録不能となる不吐部に非該当の画像領域を「通常部」という、
図7に示した画素格子の各セルの明度表示(濃淡による表示)は階調値の大きさを反映しており、階調値が高い画素ほど濃い色で表示してある。不吐補正部の左側の補正ノズル47と右側の補正ノズル48にそれぞれ対応する画素位置の階調値は通常部の階調値よりも高い値に変更されている。
<インクジェットヘッドのノズル列について>
図7では図示の簡略化のために、7つのノズル42がx方向に沿って一列に並んだノズル列44を示したが、ノズル列44を構成するノズルの総数は、記録解像度と描画可能幅に応じて適宜設計される。また、実際のインクジェットヘッドでは、必ずしもノズルが一列に並んでいるとは限らない。ノズル数やノズル密度、ノズルの配列形態は特に限定されず、様々な形態があり得る。
例えば、主走査方向について所定の記録解像度を実現できるように、多数のノズルが一定の間隔で直線上に(一列に)並ぶ1次元ノズル配列であってもよいし、2本のノズル列を互いにそれぞれのノズル列内におけるノズル間隔(ノズル間ピッチ)の1/2ピッチだけノズル列方向にずらして配置した、いわゆる千鳥状配列であってもよい。また、更なる高記録解像度を実現するために、3本以上のノズル列を並べたマトリクス配列など、インク吐出面(ノズル面)に多数のノズルを二次元的に配列させる構成とすることができる。
二次元ノズル配列を有する記録ヘッドの場合、当該二次元ノズル配列における各ノズルを用紙幅方向(主走査方向に相当)に沿って並ぶように投影(正射影)した投影ノズル列は、主走査方向について、記録解像度を達成するノズル密度でノズルが概ね等間隔で並ぶ一列のノズル列と等価なものと考えることができる。ここでいう「等間隔」とは、インクジェット印刷システムで記録可能な打滴点として実質的に等間隔であることを意味している。例えば、製造上の誤差や着弾干渉による媒体上での液滴の移動を考慮して僅かに間隔を異ならせたものなどが含まれている場合も「等間隔」の概念に含まれる。投影ノズル列(「実質的なノズル列」ともいう。)を考慮すると、主走査方向に沿って並ぶ投影ノズルの並び順に、ノズル位置(ノズル番号)を対応付けることができる。「ノズル位置」という場合、この実質的なノズル列におけるノズルの位置を指す。また、「隣接するノズル」などのように、ノズル同士の位置関係を表現する場合、上記の実質的なノズル列における位置関係を表している。ノズル位置はx座標として表すことができるため、ノズル位置はx方向の位置(x座標)に対応付けることができる。
図7のノズル列44の場合、例えば、左端からノズル番号i=1,2,…,7を付与することができる。
<第1実施形態>
図8は、本発明の第1実施形態に係る画像処理装置の要部構成を示したブロック図である。第1実施形態に係る画像処理装置100は、連続調画像である入力画像102から不吐補正済みハーフトーン画像104を生成する装置である。画像処理装置100における不吐補正の方法は第1の方法に分類されるものである。
画像処理装置100は、画像データ取得部112、不吐補正処理部114、不吐部情報記憶部120、ハーフトーン処理切換部122、通常部ハーフトーン処理部124、補正部ハーフトーン処理部136、ハーフトーン画像記憶部140を備える。これら各部の機能は、コンピュータのハードウエアとソフトウェア(プログラム)によって実現される。
通常部ハーフトーン処理部124は「第1のハーフトーン処理部」の一形態に相当し、補正部ハーフトーン処理部136は「第2のハーフトーン処理部」の一形態に相当する。
通常部ハーフトーン処理部124によるハーフトーン処理は「第1のハーフトーン処理」の一形態に相当し、補正部ハーフトーン処理部136によるハーフトーン処理は「第2のハーフトーン処理」の一形態に相当する。
画像処理装置100は、不吐補正処理プログラムファイル150と、通常部用ハーフトーン処理プログラムファイル152と、不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154と、を備えている。不吐補正処理プログラムファイル150と、通常部用ハーフトーン処理プログラムファイル152と、不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154とのそれぞれは個別のファイルで構成されている。通常部用ハーフトーン処理プログラムファイル152は「第1のハーフトーン処理プログラムファイル」の一形態に相当し、不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154は「第2のハーフトーン処理プログラムファイル」の一形態に相当する。通常部用ハーフトーン処理プログラムファイル152と不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154とでは、互いにプログラムコード自体が異なっている。
それぞれのプログラムファイル(150,152,154)のファイル形式は特に限定されない。例えば、それぞれのプログラムファイル(150,152,154)は、ダイナミックリンクライブラリ(DLL: Dynamic Link Library)のファイルとして構成される。DLLファイルの拡張子は「.DLL」である。もちろん、DLLファイルに限らず、プログラムファイル(150,152,154)のそれぞれを、実行形式ファイルであるEXEファイル(execution file)として構成することも可能である。EXEファイルの拡張子は「.exe」である。また、不吐補正処理プログラムファイル150をEXEファイルで構成し、通常部用ハーフトーン処理プログラムファイル152と不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154とをDLLファイルで構成するなどの組合せも可能である。
これらプログラムファイル(150,152,154)の供給形態の一例として、例えば、不吐補正処理プログラムファイル150と不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154については、不吐補正用の画像処理モジュールを供給するメーカーFから提供されるものとすることができ、通常部用ハーフトーン処理プログラムファイルは、印刷機メーカーHが開発したハーフトーン処理を行うプログラムのファイルとすることができる。
不吐補正処理プログラムファイル150を実行することによって不吐補正処理部114の機能が実現される。通常部ハーフトーン処理部124の機能は通常部用ハーフトーン処理プログラムファイル152を実行することによって通常部ハーフトーン処理部124の機能が実現される。また、不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154を実行することによって補正部ハーフトーン処理部136の機能が実現される。
画像データ取得部112は、入力画像102を取り込むための画像入力部として機能する。入力画像102は、インクジェット印刷システムによって印刷しようとする画像内容を表す連続調の画像データである。画像データ取得部112は、外部又は装置内の他の信号処理部から画像データを取り込むデータ入力端子で構成することができる。また、画像データ取得部112には、有線又は無線の通信インターフェース部を採用してもよいし、メモリカードなどの外部記憶媒体(リムーバブルディスク)の読み書きを行うメディアインターフェース部を採用してもよく、若しくは、これら態様の適宜の組み合わせであってもよい。
入力画像102のデータの形式は種々のものがあり得る。ここでは、ここでは説明を簡単にするために、インクジェット印刷システムで使用されるインク色と同じ色種、色数並びに解像度を持った階調画像であるとする。例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4色インクを用いて出力解像度1200dpiを実現するインクジェット印刷システムの場合、入力画像12はCMYKの各色それぞれ8bit (256階調)を持った連続調画像のデータである。
インクジェット印刷システムで使用するインク色の種類や解像度と異なる色の組み合わせや解像度の形式で特定される画像データを印刷する場合には、画像データ取得部112の前段、又は、不吐補正処理部114の前段において、図示しない前処理部により、色変換や解像度変などの処理を行い、インクジェット印刷システムで使用するインク色及び解像度の画像データに変換すればよい。
一例として、元の画像データが赤(R)、緑(G)、青(B)の色信号で表されたRGBの画像データである場合に、前処理部に相当するRIP(Raster Image Processor)装置などにて、RGB→CMYKの色変換処理や解像度変換処理を行い、RGB画像データからインクジェット印刷システムに適合したCMYKの画像データに変換してから画像データ取得部112に入力する。
不吐補正処理部114は、不吐部情報記憶部120に記憶されている不吐部情報を用いて、画像データを修正する補正処理を行う。すなわち、不吐補正処理部114は、不吐部情報から不吐部の画像位置を把握し、不吐補正部の画素値を不吐補正パラメータに従って変更する補正処理を行う。不吐補正処理部114では、例えば、補正前の各色8ビット(256階調)の入力画像102から、不吐補正部の画素値を補正前の値よりも増大させて、各色12ビット(4096階調)の補正後連続調画像である不吐補正画像を生成する階調変換の処理を行う。不吐補正処理部114で生成された不吐補正画像は不吐補正画像記憶部116に記憶される。
不吐部情報記憶部120は、インクジェット印刷システムのインクジェットヘッドにおける不吐ノズルの位置情報を示す不吐部情報を記憶する記憶部である。印刷ジョブの開始前、あるいは、印刷ジョブの実行中など、適宜のタイミングでインクジェット印刷システムによってテストパターンを出力し、テストパターンの読取結果を基に不吐部情報の更新が行われる。
画像領域判別部118は、不吐部情報記憶部120に記憶されている不吐部情報を基に、画像データにおける不吐部、不吐補正部、通常部のそれぞれに対応する画像領域の判別を行う。
ハーフトーン処理切換部122は、画像領域判別部118で判別された画像領域に応じて、ハーフトーン処理の種類を切り換える制御を行う。ハーフトーン処理切換部122は、画像データの通常部に対して通常部用ハーフトーン処理プログラムファイル152に基づく通常部ハーフトーン処理部124のハーフトーン処理を適用し、かつ、不吐補正部に対して不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154に基づく補正部ハーフトーン処理部136のハーフトーン処理を適用するように、ハーフトーン処理の切り換えを行う。
不吐補正画像における通常部の画像データは通常部ハーフトーン処理部124に送られる。通常部ハーフトーン処理部124は、与えられた連続調の画像データについて、2値又は多値の量子化を行い、2値又は多値のドットデータに変換するハーフトーン処理を行う。通常部ハーフトーン処理部124で生成されるドットデータが通常部ハーフトーン画像164である。通常部ハーフトーン画像164は「第1のハーフトーン画像」の一形態に相当する。ハーフトーン画像記憶部140は、通常部ハーフトーン画像164を記憶する記憶領域を有する。通常部ハーフトーン処理部124によって生成された通常部ハーフトーン画像164のデータはハーフトーン画像記憶部140に記憶される。ハーフトーン画像記憶部140は「第1のハーフトーン画像記憶部」の一形態に相当する。
一方、不吐補正画像における不吐補正部の画像データは補正部ハーフトーン処理部136に送られる。補正部ハーフトーン処理部136は、与えられた連続調の画像データについて、2値又は多値の量子化を行い、2値又は多値のドットデータに変換するハーフトーン処理を行う。
補正部ハーフトーン処理部136におけるハーフトーン処理は、通常部ハーフトーン処理部124におけるハーフトーン処理とは異なる種類のハーフトーン処理である。
補正部ハーフトーン処理部136で生成されるドットデータが補正部ハーフトーン画像166である。ハーフトーン画像記憶部140は、補正部ハーフトーン画像166を記憶する記憶領域を有する。補正部ハーフトーン処理部136によって生成された補正部ハーフトーン画像166のデータはハーフトーン画像記憶部140に記憶される。補正部ハーフトーン画像166は「第2のハーフトーン画像」の一形態に相当する。こうして通常部ハーフトーン画像164と補正部ハーフトーン画像166とが組み合わされた不吐補正済みハーフトーン画像104が得られる。ハーフトーン画像記憶部140は、通常部ハーフトーン画像164と補正部ハーフトーン画像166とを統合する統合処理部として機能し得る。
なお、通常部ハーフトーン処理部124に与える画像データは、通常部の画像データのみに限定する必要はなく、通常部以外の画像データを含んでいてもよい。すなわち、通常部ハーフトーン処理部124に与える画像データは、通常部の画像データのみであるとする構成であってもよいし、通常部以外の画像データを含む構成であってもよい。例えば、通常部と補正部とを含む画像データを通常部ハーフトーン処理部124に与えることができる。この場合、通常部ハーフトーン画像164が補正部のデータを含むものとなるが、補正部ハーフトーン画像166と統合する段階で置き換えを行えばよい。
また、補正部ハーフトーン処理部136に与える画像データは、不吐補正部の画像データのみに限定する必要はなく、不吐補正部以外の画像データを含んでいてもよい。例えば、不吐部の画像データを含むことができる。
上述した画像処理装置100においては、不吐補正処理プログラムファイル150と、通常部用ハーフトーン処理プログラムファイル152と、不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154とを活用して、画像処理の全体を制御するメインプログラムのファイル(図示せず)があり、このメインプログラムにしたがって、不吐補正処理プログラムファイル150、通常部用ハーフトーン処理プログラムファイル152、不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154が実行される構成となっている。
本実施形態の画像処理装置100に適用できる不吐補正用の画像処理モジュールを供給するメーカーは、例えば、不吐補正処理プログラムファイル150と、不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154と、これらを活用するためのインターフェース仕様の情報とを1つのまとまりとした画像処理モジュールを単位として、各メーカーに供給することが可能である。
<ハーフトーンのアルゴリズムについて>
通常部ハーフトーン処理部124におけるハーフトーン処理のアルゴリズムと、補正部ハーフトーン処理部136におけるハーフトーン処理のアルゴリズムとは異なるものとすることができる。例えば、通常部ハーフトーン処理部124については誤差拡散法を採用し、補正部ハーフトーン処理部136についてはディザマスクを用いるディザ法を採用する構成とすることができる。良好な不吐補正を実現するために、不吐補正部のドットパターンを固定したいという場合がある。このような要求に応える観点から、補正部ハーフトーン処理部136についてはディザマスクを用いるアルゴリズムを採用することが好ましい。ディザマスクを用いるハーフトーンアルゴリズムを「ディザマスク型」のアルゴリズムという。
なお、通常部ハーフトーン処理部124と、補正部ハーフトーン処理部136とについてそれぞれ「誤差拡散法」によるハーフトーン処理が採用される場合であっても、例えば、12ビットの連続調の画像データについて、階調域を2段階に分け、画素値が0から2047の範囲の値であれば通常部用のドットパターンを発生し、画素値が2048から4059の範囲の値であれば不吐補正部用のドットパターンを発生する、という具合にハーフトーン処理の内容を異ならせることができる。
<ハーフトーン処理のプログラムファイルを複数用意する形態について>
図8に示した画像処理装置100において、通常部用ハーフトーン処理プログラムファイル152を複数種類用意しておく構成とすることができる。また、不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154についても複数種類用意しておく構成とすることができる。様々な印刷要求に対応するために、画像処理装置100において、異なる種類の複数の通常部用ハーフトーン処理プログラムファイルと、異なる種類の複数の不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイルとを備える構成とし、ユーザーがハーフトーン処理の種類を適宜選択できる構成とすることが好ましい。
図9は、複数種類のハーフトーン処理の中から1つのハーフトーン処理を選択操作できる構成を示したブロック図である。図9において図8で説明した構成と同一の構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。なお、図9では、補正部ハーフトーン処理部136におけるハーフトーン処理の種類を選択できる構成を例示するが、図8で説明した通常部ハーフトーン処理部124におけるハーフトーン処理の選択に関しても、同様の構成を採用することができる。
図8で説明した画像処理装置100において、図9に示すプログラムファイル格納部170とハーフトーン選択操作部172の構成を追加した構成とすることができる。ハーフトーン選択操作部172は「ユーザーインターフェース」の一形態に相当する。
プログラムファイル格納部170には、複数の不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154−1、154−2、・・・、154−Qが格納されている。2以上の自然数Q、1以上Q以下の自然数qとして、符号154−qで表記される不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154−q(q=1,2,・・・Q)のそれぞれは、ハーフトーン処理の内容が異なるプログラムファイルである。
これら複数の不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154−q(q=1,2,・・・Q)は、例えば、同じフォルダに格納されている。
ハーフトーン選択操作部172は、複数の不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154−q(q=1,2,・・・Q)として用意された複数種類のハーフトーン処理の中からユーザーが1つのハーフトーン処理を選択する操作を行うためのユーザーインターフェースである。ハーフトーン選択操作部172は、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)によって実現される構成が好ましい。
<第2実施形態>
図10は第2実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。図10において、図8で説明した構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図8で説明した第1実施形態は、入力画像102から不吐補正処理部114によって不吐補正画像を生成し、この不吐補正画像について通常部と補正部とに分けてハーフトーン処理を切り換える構成を説明した。
これに対し、図10に示す第2実施形態の画像処理装置200は、入力画像102に対して、まず、画像領域判別部118によって不吐部、不吐補正部、通常部のそれぞれの画像領域を判別し、通常部と補正部とに分ける。そして、ハーフトーン処理切換部122により、通常部に対するハーフトーン処理と、補正部に対する不吐補正処理を含むハーフトーン処理とに処理を切り換える構成となっている。すなわち、不吐補正部の画像データに対して不吐補正処理部114による画素値の修正が行われ、不吐補正処理部114で生成された補正後画像データが補正部ハーフトーン処理部136に入力される。こうして、補正部ハーフトーン処理部136にて補正部ハーフトーン画像166が得られる。
図10に示した第2実施形態の構成においても、図8で説明した第1実施形態と同様の不吐補正済みハーフトーン画像104を得ることができる。
<第1実施形態及び第2実施形態による画像処理方法>
図11は第1実施形態及び第2実施形態で採用されている画像処理方法のフローチャートである。図11に示すフローチャートは、入力画像102の画素毎に逐次処理として行うことができる。図11に示したように、入力画像102の画像データに対して、不吐部情報14を利用して、不吐補正部と通常部とを判別し、それぞれの画像領域に適用すべきハーフトーン処理を判断する「ハーフトーン処理判断」を行う(ステップS118)。
このハーフトーン処理判断(ステップS118)の判別結果にしたがい、通常部の画像データに対して、通常部用ハーフトーン処理プログラムファイル152に基づく通常部ハーフトーン処理(ステップS124)行われる。通常部ハーフトーン処理の工程は「第1のハーフトーン処理工程」の一形態に相当する。
また、不吐補正部の画像データに対して、不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154に基づく補正部ハーフトーン処理(ステップS136)が行われる。補正部ハーフトーン処理の工程は「第2のハーフトーン処理工程」の一形態に相当する。
なお、図9で説明したように、複数種類の不吐補正部用ハーフトーン処理が用意されている場合には、ユーザーによる不吐補正部用ハーフトーンの選択の操作が行われる。このようなハーフトーン選択の手段が提供されている場合には、図11のステップS172として示したように、不吐補正部用ハーフトーンの選択の工程が追加され、ユーザーの選択に係る不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154が適用される。
なお、図には示さないが、通常部用ハーフトーン処理プログラムファイル152についても、複数種類の通常部用ハーフトーン処理が用意されている場合には、ユーザーによる通常部用ハーフトーンの選択の操作が行われる。
不吐補正部用ハーフトーンの選択(ステップS172)の工程や通常部用ハーフトーンの選択(図示せず)の工程は、複数種類のハーフトーン処理が用意される場合に追加される工程であるため、ハーフトーンの選択機能を具備していない装置構成の場合、不吐補正部用ハーフトーンの選択(ステップS172)の工程や通常部用ハーフトーンの選択(図示せず)の工程は省略される。
通常部ハーフトーン処理(ステップS124)によって生成された通常部ハーフトーン画像164(図8、図10参照)と、補正部ハーフトーン処理(図11のステップS136)によって生成された補正部ハーフトーン画像166(図8,図10参照)とが組み合わされて不吐補正済みハーフトーン画像104が生成される。
図11には示されていないが、第1実施形態(図8)の画像処理装置100の場合、ハーフトーン処理判断(ステップS118)の前段に、不吐補正処理部114で実施される不吐補正処理の工程が入る。この不吐補正処理の工程は「不吐補正処理工程」の一形態に相当する。
また、第2実施形態(図10)の画像処理装置200の場合、図11のハーフトーン処理判断(ステップS118)の後段で、かつ、補正部ハーフトーン処理(ステップS136)の前段に、不吐補正処理部114で実施される不吐補正処理の工程が入る。
<第3実施形態>
図12は第3実施形態に係る画像処理装置300の構成を示すブロック図である。図12において、図8で説明した構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図12の画像処理装置300は、図8の画像処理装置100における画像領域判別部118とハーフトーン処理切換部122の構成に代えて、画像領域分割部318を備えている。画像領域分割部318は、与えられた画像データについて、不吐部情報を基に、通常部、不吐部、不吐補正部の各画像領域を把握し、通常部の画像データと、補正部の画像データとに分ける画像分割処理を行う。画像領域分割部318は「画像分割処理部」の一形態に相当する。通常部の画像データを「通常部画像」、補正部の画像データを「補正部画像」という。不吐部が複数ある場合には、複数の補正部画像が得られる。
画像領域分割部318による画像分割処理は、通常部画像と補正部画像とを区別可能に分離できればよく、通常部画像と補正部画像とをそれぞれファイルとして分けてもよいし、プログラム内で出力メモリアドレスを指定するように分けてもよい。
こうして、画像領域分割部318によって通常部画像と補正部画像とに分離され、通常部画像は通常部ハーフトーン処理部124に送られ、補正部画像は補正部ハーフトーン処理部136に送られる。
通常部ハーフトーン処理部124で生成される通常部ハーフトーン画像の出力先はファイルであってもよいし、メモリ上の指定された領域であってもよい。補正部ハーフトーン処理部136で生成される補正部ハーフトーン画像の出力先についても同様に、補正部ハーフトーン画像はファイルとして出力されてもよいし、メモリ上の指定された領域に出力されてもよい。
図12の画像処理装置300は、通常部ハーフトーン画像記憶部340と、補正部ハーフトーン画像記憶部342と、画像統合部344とを備える。通常部ハーフトーン画像記憶部340は、通常部ハーフトーン処理部124で生成された通常部ハーフトーン画像164を記憶する手段である。通常部ハーフトーン画像記憶部340は「第1のハーフトーン画像記憶部」の一形態に相当する。補正部ハーフトーン画像記憶部342は、補正部ハーフトーン処理部136で生成された補正部ハーフトーン画像166を記憶する手段である。画像統合部344は、通常部ハーフトーン画像164と補正部ハーフトーン画像166とを統合して不吐補正済みハーフトーン画像104を生成する画像統合の処理を担う部分である。画像統合部344は「統合処理部」の一形態に相当する。
通常部ハーフトーン画像記憶部340と補正部ハーフトーン画像記憶部342は、図8で説明したハーフトーン画像記憶部140の記憶領域の一部として構成することができる。
また、通常部ハーフトーン処理部124で生成した通常部ハーフトーン画像164と補正部ハーフトーン処理部136で生成した補正部ハーフトーン画像166とをそれぞれメモリ上の指定アドレスに出力することにより、同メモリ上で両者が統合されて不吐補正済みハーフトーン画像104が得られる構成の場合、通常部ハーフトーン画像164と補正部ハーフトーン画像166とが記憶される記憶部としてのメモリが画像統合部344として機能する。すなわち、ハーフトーン画像の記憶部として用いる1つのメモリを通常部ハーフトーン画像記憶部340、補正部ハーフトーン画像記憶部342及び画像統合部344として機能させることができる。
なお、図12で説明した第3実施形態についても図10で説明した第2実施形態と同様の変形構成が可能である。図示は省略するが、図12に示した不吐補正処理部114を画像領域分割部318の後段で、かつ、補正部ハーフトーン処理部136の前段に配置する構成とすることができる。
<第3実施形態による画像処理方法>
図13は第3実施形態による画像処理方法で採用されている画像処理方法のフローチャートである。図13中、図11で説明したフローチャートの構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図13に示したように、入力画像102の画像データに対して、不吐部情報14を利用して、通常部と不吐補正部とに分ける画像領域分割処理を行う(ステップS318)。この画像領域分割処理(ステップS318)により、通常部に対応する画像データとしての通常部画像324と、不吐補正部を含む補正部に対応する画像データとしての補正部画像326とに分けられる。
通常部画像324に対して通常部ハーフトーン処理(ステップS124)が行われ、通常部ハーフトーン画像164が得られる。
また、補正部画像326に対して補正部ハーフトーン処理(ステップS136)が行われ、補正部ハーフトーン画像166が生成される。
こうして生成された通常部ハーフトーン画像164と補正部ハーフトーン画像166とを統合する画像の統合が行われ(ステップS344)、その結果として、不吐補正済みハーフトーン画像104が得られる。
図13には示されていないが、第3実施形態(図12)の画像処理装置300の場合、ステップS318の画像領域分割処理の前段に、不吐補正処理部114で実施される不吐補正処理の工程が入る。
なお、第3実施形態の変形例として、図13の画像領域分割処理(ステップS318)の後段で、かつ、補正部ハーフトーン処理(ステップS136)の前段に、不吐補正部の画素値を修正する不吐補正処理の工程を実施する構成とすることも可能である。
<不吐補正部と通常部のドット配置の違いによるアーティファクトの課題>
ここで、不吐補正部のドット配置と通常部のドット配置の違いによって発生するアーティファクトの課題について説明する。
不吐補正の技術によって補正ノズルのインク量が適切に調整された場合であっても、通常部のドットパターンと不吐補正部のドッとパターンの特性が異なると、不吐部のスジをきれいに消すことができない場合が起こりうる。例えば、印刷業において、印刷物におけるスジ状の画像欠陥は、観察者が印刷物に近づいて注意深く目視観察して評価される場合が多い。そのため、マクロに見て通常部と補正部との濃度が同等であったとしても、両者のドット配置の構造が異なり、ミクロなパターン形態が異なっていると、空間周波数の違いから、粒状の違いが観察され、不自然なテクスチャ(アーティファクト)として問題となることがある。
図14及び図15を参照し、不吐補正部と通常部のドット配置の違いによって発生するアーティファクトの課題を具体的に説明する。図14(A)〜(D)は通常部のドットパターンと不吐補正部のドットパターンとが類似している場合の例を示している。
図14(A)は通常部のドットパターンを示し、図14(B)は不吐補正部のドットパターンを示している。両者ともにy方向に並ぶ画素列に沿ってドットon(ドット有り)と、ドットoff(ドット無し)とが交互に繰り返されるパターンとなっている。また、不吐ノズル46に対応する不吐部と、不吐ノズル46に隣接する2つの補正ノズル47、48に対応する不吐補正部とを合わせた補正部分の平均インク量と、非補正部である通常部の平均インク量とは同等である。
図14(C)は、図14(A)に示した通常部のドットパターンと図14(B)に示した不吐補正部のドットパターンとを組み合わせたパターンであり、不吐補正処理を経て得られる不吐補正済みハーフトーン画像のドットパターンを示している。
図14(D)は、図14(C)のドットパターンによる印刷結果の視覚的な見え方を示している。図14(D)は、図14(C)のドットパターンに対して人間の目の視覚特性に対応した視覚伝達関数(VTF:visual transfer function)を適用するフィルタ処理を行うことによって得ることができる。
図14(C)のようなドットパターン(不吐補正済みハーフトーン画像)による印刷物を観察すると、図14(D)のように、不吐補正の効果により、スジが目立たないようにきれいに補正された画像となっている。
一方、図15(A)〜(D)は通常部のドットパターンと不吐補正部のドットパターンとが異なっている場合の例である。
図15(A)は通常部のドットパターンを示し、図15(B)は不吐補正部のドットパターンを示している。図15(A)は、図14(A)と同等である。図15(B)は、図4(B)と比較して、不吐補正部におけるドットの配置構造が相違している。すなわち、図15(B)の不吐補正部のドットパターンは、y方向に3画素連続してドットon、3画素連続してドットoff、が周期的に繰り返されるパターンとなっている。
これに対し、通常部のドットパターンは、y方向に1画素単位でドットon、ドットoffが交互に繰り返されるパターンであり、両者のパターンは大きく異なる。ただし、不吐ノズル46に対応する不吐部と、不吐ノズル46に隣接する2つの補正ノズル47、48に対応する不吐補正部とを合わせた補正部分の平均インク量と、非補正部である通常部の平均インク量とは同等である。
図15(C)は、図15(A)に示した通常部のドットパターンと図15(B)に示した不吐補正部のドットパターンとを組み合わせたパターンであり、不吐補正処理を経て得られる不吐補正済みハーフトーン画像のドット配置を示している。
図15(D)は、図15(C)のドットパターンによる印刷結果の視覚的な見え方を示している。図15(D)は、図15(C)のドットパターンに対して視覚特性に対応した視覚伝達関数(VTF:visual transfer function)を適用するフィルタ処理を行うことによって得ることができる。
図15(C)のような不吐補正処理後のハーフトーン画像による印刷物を観察すると、図15(D)のように、補正前後でy方向に並ぶ画素列ごとの平均インク量としては同じでも、不自然なテクスチャとして不吐補正部のパターン(濃淡模様)が見えてしまう。
つまり、不吐補正に際して、通常部のドットパターンの構造を考慮せずに、不吐補正部のドット配置を決定すると、両者のドット配置構造の違いによる濃淡のむらが見えてしまうことが起こりうる。
これは、不吐補正部のドットパターンが通常部のドットパターンの空間周波数特性と異なる場合に発生するアーティファクト(テクスチャ)であり、このようなアーティファクトを抑制することが望まれる。
上述した不吐補正部と通常部のドット配置の違いによるアーティファクトの課題を解決する手段として、通常部に対する通常部ハーフトーン処理の結果を不吐補正部に対する補正部ハーフトーン処理の入力として利用する構成を採用することが好ましい。
第4実施形態及び第5実施形態として具体例を説明する。
<第4実施形態>
図16は第4実施形態に係る画像処理装置400の構成を示すブロック図である。図16の構成において、図8で説明した構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図16に示した画像処理装置400における不吐補正の方法は第2の方法に分類されるものである。画像処理装置400は、入力画像102の画像データについて、画像領域判別部118によって通常部と不吐補正部とを判別し、その判別結果を基にハーフトーン処理切換部122にてハーフトーン処理を切り換えて、2段階のハーフトーン処理を行う。
すなわち、第1段階のハーフトーン処理として通常部ハーフトーン処理部124によるハーフトーン処理が行われ、その後、第2段階のハーフトーン処理として補正部ハーフトーン処理部436によるハーフトーン処理が行われる。
補正部ハーフトーン処理部436には、通常部ハーフトーン処理部124で作成されたデータが入力として与えられる。補正部ハーフトーン処理部436への入力として与える、通常部ハーフトーン処理部124で作成されたデータの一例として、通常部ハーフトーン処理部124で生成された通常部ハーフトーン画像164のデータとすることができる。
また、補正部ハーフトーン処理部436への入力として与える、通常部ハーフトーン処理部124で作成されたデータの他の例として、通常部ハーフトーン処理部124にて誤差拡散処理を実施した場合の蓄積誤差のデータとすることができる。
図16では、通常部ハーフトーン処理部124で生成された通常部ハーフトーン画像164のデータを補正部ハーフトーン処理部436への入力とする例を示している。この場合、第1段階の通常部ハーフトーン処理部124に対して、通常部と補正部とを含む画像データを入力し、通常部ハーフトーン処理部124の出力として、通常部と補正部とを含んだ通常部ハーフトーン画像164を得る。通常部ハーフトーン画像164は不吐補正前のハーフトーン画像に相当する。こうして得られた通常部ハーフトーン画像164を補正部ハーフトーン処理部436に入力し、補正部ハーフトーン処理部436にて不吐補正部のドットパターンを変更する処理が行われる。
補正部ハーフトーン処理部436は、入力された通常部ハーフトーン画像164における不吐補正部の画像領域に対して、不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154に基づいてドットパターンを変更するハーフトーン処理を行い、補正部ハーフトーン画像166を得る。
こうして、通常部ハーフトーン画像164の一部である不吐補正部のドットパターンが補正部ハーフトーン画像166のドットパターンに変更された不吐補正済みハーフトーン画像104が生成される。
図17は図16で説明した画像処理装置400における補正部ハーフトーン処理部436の構成例を示す要部ブロック図である。図17において、図16に示した構成と同一の要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図17に示した補正部ハーフトーン処理部436は、ボケ関数演算部442と量子化演算部444とを備える。ボケ関数演算部442は、補正部ハーフトーン処理部436に入力された通常部ハーフトーン画像164の不吐補正部に対し、ボケ関数をかけて連続調の画像データに変換する処理を行う。ボケ関数演算部442は「ボケ関数を適用する演算処理部」の一形態に相当する。
ボケ関数としては、例えば、ドーリー(Dooley)の視覚伝達関数(VTF関数)を用いることができる。また、他のボケ関数として、ガウシアン関数を用いることも可能である。また、ボケ関数は、点拡がり関数(PSF;Point spread function)として定義してもよい。ボケ関数は、補正前のハーフトーン画像におけるドットパターンを反映した連続調の画像データが得られればよく、関数形態は特に限定されない。
量子化演算部444は、ボケ関数演算部442で生成された画像データを量子化して2値又は多値の離散的なドットデータに変換する演算部である。量子化演算部444により生成される補正部ハーフトーン画像166は、元の通常部ハーフトーン画像164の周波数特性をある程度保存したものとなる。これにより、通常部ハーフトーン画像164と類似した周波数特性の補正部ハーフトーン画像166を得ることができ、通常部と不吐補正部とのつながりのよい不吐補正済みハーフトーン画像104が得られる。
第4実施形態に係る画像処理装置400の場合、補正部ハーフトーン処理部436が不吐補正処理部としての役割を担う。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態を説明する。図18は第5実施形態の要部構成を示すブロック図である。第5実施形態に係る画像処理装置500の全体的な構成は図8と同様であるため、図示を省略する。図18では、第5実施形態に係る画像処理装置500における図1との相違部分に関して要部として図示した。図18において、図8で説明した構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第5実施形態に係る画像処理装置500では、通常部ハーフトーン処理部124のハーフトーン処理において誤差拡散処理が採用されている。そして、通常部ハーフトーン処理部124の誤差拡散処理にて発生した量子化誤差のうち不吐補正部の画素位置に拡散された蓄積誤差510のデータが補正部ハーフトーン処理部536への入力として与えられる。
補正部ハーフトーン処理部536は、不吐補正部に対応する画像データをドットデータに変換するにあたり、通常部ハーフトーン処理部124とは異なる誤差拡散処理によって量子化の処理を行うものである。補正部ハーフトーン処理部536は、通常部ハーフトーン処理部124から与えられた蓄積誤差510を初期誤差データとして用い、不吐補正部での誤差拡散処理を実行することにより、補正部ハーフトーン画像166を生成する。
すなわち、通常部の誤差拡散処理で発生した不吐補正部に対する拡散誤差データを画素毎に蓄積して蓄積誤差510として保存しておき、この保存しておいた蓄積誤差510を参照して、これを初期誤差データとして、不吐補正部での誤差拡散処理を実行する。
このような構成により、通常部の量子化で発生した誤差を隣接する不吐補正部に反映させることができ、通常部と不吐補正部との境界部分のつながりが滑らかなものとなる。
なお、図18で説明した構成は、図10で説明した画像処理装置200や図12で説明した画像処理装置300に組み合わせることも可能である。
<第4実施形態及び第5実施形態による画像処理方法>
図19は第4実施形態及び第5実施形態で採用されている画像処理方法のフローチャートである。図19中、図11で説明したフローチャートの構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図19に示す画像処理方法では、通常部ハーフトーン処理(ステップS124)によって作成されたデータが補正部ハーフトーン処理(ステップS126)への入力として与えられる。補正部ハーフトーン処理(ステップS126)に入力されるデータとしては、通常部ハーフトーン画像164(図16及び図17参照)であってもよいし、蓄積誤差510(図18参照)であってもよい。
また、補正部ハーフトーン処理(ステップS126)に入力する他のデータとして、入力画像102のデータを追加してもよい。図19中の波線矢印は補正部ハーフトーン処理(ステップS126)に対して入力画像102のデータが与えられることを示している。
補正部ハーフトーン処理(ステップS126)において、入力画像102のデータも使用してハーフトーン処理を行う構成とすることができる。補正部ハーフトーン処理(ステップS126)の中で入力画像102のデータを使用する一例として、入力画像102の不吐補正対象部分における処理対象画素の信号値が特定値の場合に、ドットを配置しない、あるいは、必ずドットを配置するという処理を行う構成とすることができる。あるいは、処理対象画素の信号値が特定値以外の場合に必ずドットを配置する処理を行うという構成とすることができる。
具体的には、例えば、入力画像102における不吐補正部に対応する画素の値が「0」の場合、その不吐補正部の画素位置でドットを発生させないという対処を行うことが考えられる。この場合、「0」という値が「特定値」に該当する。
また、例えば、8ビット階調で表される入力画像102における不吐補正部に対応する画素の値が「255」の場合、その不吐補正部の画素位置で必ずドットを出すという処理を行うことも考えられる。この場合、「255」という値が「特定値」に該当する。
このように、補正部ハーフトーン処理(ステップS126)にて、入力画像102のデータを参照しつつ、不吐補正部のドットパターンを決定する構成とすることができる。
また、補正部ハーフトーン処理(ステップS126)に関する他の処理例として、入力画像102と、不吐補正部のドットパターンの類似度を評価して、類似度が予め定めた基準値よりも高くなるように、不吐補正部のドットパターンを再配置するという最適化の処理を行う構成も可能である。
類似度の評価値としては、例えば、単純差分和、差の2乗和(SSD:Sum of Squared Difference)、正規化相互相関(NCC:Normalized Cross-Correlation)などを用いることができる。類似度の評価に際しては、画像の実空間で定義してもよいし、ウィナースペクトルで定義してもよい。
<第6実施形態>
図20は第6実施形態に係る画像処理装置600の構成を示すブロック図である。図20において、図8で説明した構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。第6実施形態は第4実施形態(図16)の変形例である。第6実施形態の画像処理装置600による画像処理方法は第2の方法に分類される。
図20の画像処理装置600では、入力画像102に対して、通常部ハーフトーン処理部124によるハーフトーン処理を実施し、補正前ハーフトーン画像としての通常部ハーフトーン画像164を得る。この通常部ハーフトーン画像164は、通常部と補正部とを含んだハーフトーン画像である。
こうして得られた通常部ハーフトーン画像164について、画像領域判別部118で不吐補正部の画像領域を判別し、通常部ハーフトーン画像164における不吐補正部の画像データを補正部ハーフトーン処理部636に入力する。
補正部ハーフトーン処理部636は、不吐補正部のドット配置を変更し、補正部ハーフトーン画像166を生成する。補正部ハーフトーン処理部636は、不吐補正処理部としての役割を果たす。すなわち、図20において二点鎖線で囲んだ範囲は「不吐補正処理部」として機能し、かつ「第2のハーフトーン処理部」として機能する。
<インクジェット印刷システムの構成例>
図21はインクジェット印刷システム700の構成例を示すブロック図である。ここでは、図8で説明した第1実施形態の画像処理装置100の構成を例示したが、他の実施形態(第2実施形態から第6実施形態)で説明した各々の画像処理装置の構成と組み合わせることができる。
図21において図8で説明した構成と同一又は類似の要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図21に示したインクジェット印刷システム700は、シングルパス方式で画像記録を行うシステムであり、画像処理装置100と、ヘッドドライバ722と、記録ヘッド724を備える。記録ヘッド724はインクジェットヘッドであり、図7の符号40に相当するものである、また、インクジェット印刷システム700は、記録媒体(図21に図示せず)を搬送する媒体搬送部726と、記録ヘッド724によって記録媒体上に記録された画像を読み取る画像読取部728と、画像読取部728から取得した読取画像を解析する画像解析部730を備える。画像解析部730には、不良ノズル検出部732と、不吐補正パラメータ演算部734と、が含まれる。
不良ノズル検出部732は、不良ノズル検出用テストチャートの読取画像を基に、不吐ノズルの位置を検出する処理を行う。また、不良ノズル検出部732は、不良ノズル検出用テストチャートの読取画像を基に、各ノズルの着弾位置誤差を計算し、着弾位置誤差が許容値を超えるものについて、強制的に不吐化させる不吐化処理ノズルに指定する。不良ノズル検出部732によって検知された不吐出のノズル及び不吐化処理ノズルは不吐ノズルとして扱われる。不吐ノズルの位置情報(すなわち、不吐部情報)は不吐部情報記憶部120に格納される。
不吐補正パラメータ演算部734は、不吐補正パラメータ取得用テストチャートの読取画像から、不吐ノズルの位置に対する近接ノズルの画像階調補正値(不吐補正パラメータ)を決定する演算処理を行う。不吐補正パラメータ演算部734により、ノズルごとの不吐補正用の補正値(不吐補正階調)を規定した不吐補正LUT(不吐補正パラメータに相当)が生成される。不吐補正パラメータ演算部734により生成された不吐補正パラメータは不吐補正パラメータ格納部742に格納される。
さらに、インクジェット印刷システム700は、不良ノズル検出用テストチャートを含む各種テストチャートのデータを生成するテストチャート生成部750と、印刷ジョブの実行に必要な印刷条件を管理する印刷条件管理部752と、システム全体の制御を司る制御部762とを備える。制御部762には、表示部764と入力装置766とが接続されている。
表示部764と入力装置766はユーザーインターフェース(UI)として機能する。入力装置766は、キーボード、マウス、タッチパネル、トラックボールなど、各種の手段を採用することができ、これらの適宜の組み合わせであってもよい。なお、タッチパネルを表示部764の画面上に配置した構成のように、表示部764と入力装置766とが一体的に構成されている形態も可能である。
ユーザーは、表示部764の画面に表示される内容を見ながら入力装置766を使って印刷条件の入力、画質モードの選択、付属情報の入力/編集、情報の検索など各種情報の入力を行うことができ、インクジェット印刷システム700を操作することができる。また、表示部764の表示を通じて、入力内容その他の各種情報やシステムの状態等を確認することができる。表示部764及び入力装置766は、図9で説明したハーフトーン選択操作部172として機能する。
図21に示した画像解析部730、不吐補正パラメータ格納部742、テストチャート生成部750、印刷条件管理部752、制御部762、表示部764、及び入力装置766の各部は、インクジェット印刷システム700の制御装置として用いるコンピュータのハードウエア及びソフトウェアの組み合わせによって実現することができる。
また、画像処理装置100における画像データ取得部112、階調変換部113、不吐補正処理部114、不吐補正画像記憶部116、画像領域判別部118、不吐部情報記憶部120、ハーフトーン処理切換部122、通常部ハーフトーン処理部124、補正部ハーフトーン処理部136、ハーフトーン画像記憶部140の各部、並びに、ヘッドドライバ722は、インクジェット記録装置(プリンタ)側の画像処理機能として搭載することも可能であるし、画像処理装置100の構成の全部又は一部を制御装置側に搭載することも可能である。
なお、画像処理装置100の中に、ヘッドドライバ722、画像解析部730、不吐補正パラメータ格納部742、テストチャート生成部750、印刷条件管理部752、制御部762を搭載する構成とすることができる。
<<インクジェットヘッドについて>>
記録ヘッド724は、記録媒体の搬送方向と直交する媒体幅方向の描画領域の全幅(画像形成領域の最大幅)に対応する長さにわたって複数のノズルが配列されたノズル列を有するラインヘッドである。媒体搬送部726による媒体搬送方向が副走査方向(y方向)であり、媒体搬送方向に直交する媒体幅方向が主走査方向(x方向)である。
図21では、説明を簡単にするために、記録ヘッド724として1つのブロックのみを示しているが、カラー画像の形成を行うシステムの場合、複数のインク色の各色にそれぞれ対応した複数の記録ヘッドを備える。本例では、CMKY4色のインクを用い、それぞれの色のインクを吐出するための記録ヘッドを色毎に備える。ただし、インクの色数やその組み合わせはこの例に限らない。例えば、CMYK4色の他に、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)などの淡色インクを加える態様や、赤、緑などの特別色のインクを用いる態様なども可能である。
記録ヘッド724の詳細な構造は図示しないが、インクジェット方式の記録ヘッド724は、各ノズルに対応してインク吐出に必要な吐出エネルギーを発生させる吐出エネルギー発生素子(例えば、圧電素子や発熱素子)を備えている。記録ヘッド724はヘッドドライバ722から与えられる駆動信号及び吐出制御信号に従い、オンデマンドでインク液滴を吐出する。
<<階調変換部について>>
階調変換部113は、インクジェット印刷システム700で規定された発色特性になるように画像データを変換する。例えば、階調変換部113は、印刷条件管理部752から指定される階調変換LUTに従い、入力CMYK信号(濃度変換前CMYK信号)を濃度変換後CMYK信号に変換する。あるいはまた、入力CMYK信号(濃度変換前CMYK信号)を濃度変換後C信号、濃度変換後M信号、濃度変換後Y信号、濃度変換後K信号に変換してもよい。なお、本明細書中の「LUT」の表記はルックアップテーブルを表す。
階調変換LUTは、入力信号値に対する出力信号値の関係(変換関係)を記述したテーブルである。階調変換LUTは、プリントに使用する記録媒体の種類毎に規定されている。用紙種に応じて複数の階調変換LUTが用意され、使用する用紙に合わせて適切なLUTが参照される。このような階調変換LUTは、インクの色毎に用意されている。本例の場合、CMYKの各色について、それぞれ階調変換LUTが設けられる。
画像データ取得部112から取り込まれた入力画像102は、階調変換部113にて所望の階調が得られるように階調変換処理がなされる。
また、階調変換部113は、記録ヘッド724の各ノズルの位置(x方向位置)に依存する記録特性に応じて画像データを補正する濃度ムラ補正処理機能を有している。すなわち、階調変換部113は、記録ヘッド724におけるノズルの吐出特性のばらつき等に起因して発生する記録媒体上の印刷画像の濃度ムラを抑止するための画像信号補正を行う。本実施形態では、記録ヘッド724のノズル毎に、入力信号値と出力信号値の変換関係を記述した濃度ムラ補正用の1次元ルックアップテーブルである濃度ムラ補正LUTが準備され、この濃度ムラ補正LUTを用いて信号値の変換がなされる。
<<不吐補正処理部について>>
不吐補正処理部114は、不吐部情報記憶部120に格納されている不吐部情報と、不吐補正パラメータ格納部742に格納されている不吐補正パラメータとを用いて、画像データを修正する補正処理を行う。
なお、階調変換部113の階調変換処理と、不吐補正処理部114による補正処理とを統合した階調変換部、あるいは不吐補正処理部として構成することも可能である。
画像処理装置100における処理の内容については既に説明したとおりである。
画像処理装置100によって生成された不吐補正済みハーフトーン画像のデータは、ノズル配列に応じた変換がなされ、ヘッドドライバ722へと出力される。ヘッドドライバ722を介して記録ヘッド724に駆動信号(マーキング信号)が供給され、記録ヘッド724のインク吐出動作が制御される。
<<媒体搬送部について>>
媒体搬送部726による記録媒体の搬送と記録ヘッド724からのインクの吐出を制御することにより、記録媒体上に画像が形成される。媒体搬送部726は、記録媒体を搬送する手段である。ここでは、記録ヘッド724の長手方向(x方向)に対して、これと直交する副走査方向(y方向)に記録媒体を一定速度で搬送するものである。媒体搬送部726は、ドラム搬送方式、ベルト搬送方式、ニップ搬送方式など各種の方式を採用することができる。媒体搬送部726の詳細な構造は図示しないが、給紙ローラ、搬送モータ、モータ駆動回路などを含む。また、記録媒体に対する記録ヘッド724の記録タイミングの同期をとるために、記録媒体の位置を検知するセンサ(例えば、エンコーダ)が設けられる。媒体搬送部726によって記録媒体を一定の方向に搬送することで記録ヘッド724と記録媒体とが相対移動することになる。媒体搬送部726は、記録ヘッド724に対して記録媒体を相対移動させる相対移動手段に相当する。
<<画像読取部について>>
画像読取部728は、記録ヘッド724によって記録媒体上に記録された画像を読み取り、電子画像データ(読取画像データ)に変換する。画像読取部728としては、例えば、CCDラインセンサを用いることができる。本例の画像読取部728は、媒体搬送路の途中に設置されるインラインセンサであり、記録ヘッド724によって記録された画像を排紙前の搬送中に読み取る。画像読取部728は、後述する濃度測定用テストチャートその他のテストチャートの出力結果を読み取ることができる。また、画像読取部728は、印刷ジョブで指定されている印刷対象の画像データに基づいて記録した印刷画像を読み取ることができる。
なお、記録ヘッド724と媒体搬送部726及び画像読取部728は「インクジェット印刷機」を構成する要素である。
<<テストチャート生成部について>>
テストチャート生成部750は、不良ノズルを検出するための不良ノズル検出用テストチャートや、不吐出補正パラメータを算出するための不吐補正パラメータ取得用テストチャートのデータを生成する機能を有する。また、テストチャート生成部750は、濃度ムラ補正パラメータの計算に必要な濃度測定データを得るための濃度測定用テストチャートのデータなど、各種のテストチャートのデータを生成し得る。テストチャート生成部750は、制御部762の指示に従い、該当するテストチャートのデータを画像データ取得部112に供給する。
不良ノズル検出用テストチャートとしては、例えば、いわゆる「1オンnオフ」型のテストチャートを用いることができる。「1オンnオフ」型のテストチャートは、1つのラインヘッドにおいて、実質的にx方向に1列に並ぶノズル列を構成するノズルの並びについて、その主走査方向の端から順番にノズル番号を付与したとき、ノズル番号を2以上の整数「A」で除算したときの剰余数「B」(B=0,1・・A−1)によって同時吐出するノズル群をグループ分けし、AN+0、AN+1、・・・AN+Bのノズル番号のグループごとに打滴タイミングを変えて(ただし、Nは0以上の整数)、それぞれ各ノズルからの連続打滴によるライン群を形成する。
このような不良ノズル検知用テストチャートを用いることで互いに隣接する隣接ノズル同士のラインパターンが重なり合わず、ノズルごとに独立した(ノズル別の)ラインパターンが形成される。
不良ノズル検出用テストチャートの出力結果から、各ノズルの吐出の有無(自然不吐)を把握することができる。また、各ノズルの着弾位置を計測することにより、着弾位置誤差が許容値を越えて大きいものについて、吐出曲がりノズルであると判断することができる。
不吐部情報を更新するタイミングは特に限定されないが、例えば、印刷ジョブの開始前や、印刷ジョブの途中の規定枚数の印刷毎に不吐部情報の更新が行われる。本実施形態では、印刷中に1枚ずつ記録媒体の余白部分に不良ノズル検出用テストチャートが記録され、これを画像読取部728で読み取り、不良ノズルの発生を早期に検知して、不吐化処理による不吐補正処理を適用している。
不吐補正パラメータ取得用テストチャートは、不吐ノズルの存在を模擬した(意図的に不吐化した)ノズルに隣接する両側のノズル位置に、不吐補正パラメータ(補正係数)を適用した濃度パターンのパッチを含んでいる。不吐補正パラメータの値を異ならせた描画結果から、最適な不吐補正パラメータを特定することができる。不吐出を模擬するノズルの位置を変えたパッチを作成することにより、ノズル毎に適切な補正値(補正係数)を決定することが可能である。
<<印刷条件管理部>>
印刷条件管理部752は、印刷対象の画像データと印刷条件の情報とを関連付けた印刷ジョブの情報を管理する。ユーザーは、印刷対象の画像データを入力する際、又は、画像データの入力後に、印刷条件の設定情報を入力することができる。印刷条件管理部752は、印刷対象の画像データに印刷条件の設定情報を関連付けた印刷ジョブの情報を生成し、印刷ジョブ単位で情報の保存と管理を行う。印刷ジョブ毎に、出力画像データ名、記録媒体の種類名(用紙種)、媒体サイズ、画像処理に用いる各種パラメータ情報が関連付けられて保存されている。
印刷条件管理部752は、印刷対象の印刷ジョブが選択されると、その選択に係る印刷ジョブで指定された各種パラメータやデータを該当する処理部にセットする。
<<記録媒体について>>
「記録媒体」には、印字媒体、被記録媒体、被画像形成媒体、受像媒体、被吐出媒体など様々な用語で呼ばれるものが含まれる。本発明の実施に際して、記録媒体の材質や形状等は、特に限定されず、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フィルム、布、不織布、配線パターン等が形成されるプリント基板、ゴムシート、その他材質や形状を問わず、様々なシート体を用いることができる。
<インクジェット印刷システム700の動作の説明>
図22及び図23は本例のインクジェット印刷システム700によって印刷を際の動作の手順を示したフローチャートである。
印刷オペレーターであるユーザーは、まず、印刷しようとする画像データの画像ファイルをシステムに登録する(ステップS702)。そして、印刷条件の設定を行う(ステップS704)。印刷条件の設定には、通常部に適用するハーフトーン処理の選択(ステップS706)と、不吐補正部に適用するハーフトーン処理の選択(ステップS708)とが含まれる。また、印刷条件の設定には、上記の他、印刷枚数の指定、用紙種の指定などが含まれる。
本例のインクジェット印刷システム700では、画像処理装置100における不吐補正部用ハーフトーンDLLフォルダ(図21に図示せず)に、種類の異なる不吐補正部用のハーフトーン処理のDLLファイルが複数用意されている。
また、画像処理装置100における通常部用ハーフトーンDLLフォルダ(図21に図示せず)には、少なくとも一つの、好ましくは複数の通常部用ハーフトーン処理のDLLファイルが用意されている。
印刷オペレーターであるユーザーは、不吐補正部のハーフトーン処理に関して、予め用意されている複数種類の不吐補正部用ハーフトーン処理の中から、所望の1つを選択することができる。また、通常部のハーフトーン処理に関しても、予め用意されている複数種類の通常部用ハーフトーン処理の中から、所望の1つを選択することができる。
このようなハーフトーン処理の選択操作は、インクジェット印刷システム700に付属するユーザーインターフェースを通じて行われる。
図24は印刷条件の設定を行うためのGUI画面の例を示したものである。印刷設定画面770には、印刷枚数を指定する印刷枚数指定部772と、用紙種を指定する用紙種指定部774と、通常部に適用するハーフトーン処理の種類を指定するハーフトーン種指定部776と、不吐補正部に適用するハーフトーン処理の種類を指定する不吐補正方式指定部778と、印刷実行ボタン780と、キャンセルボタン782と、が設けられている。
なお、用紙種指定部774、ハーフトーン種指定部776、不吐補正方式指定部778の各欄は、ドロップダウンメニュー方式で選択可能な候補の一覧が表示されるがドロップボックス型UIとなっている。
ユーザーは、不吐補正部と通常部のそれぞれに適用するハーフトーン処理の種類を選択し、かつ、印刷枚数や、用紙種など、必要な条件を指定して、印刷ジョブを登録する。
印刷実行ボタン780は、印刷ジョブを確定させて、印刷の実行を指令するGUIボタンである。キャンセルボタン782は、印刷条件の設定を取り消す指令を行うGUIボタンである。
図24の印刷設定画面770にて必要な設定項目を入力し、印刷実行ボタン780を押すと、印刷が実行される。
なお、ハーフトーン処理の種類を選択する手段は、追加機能としてのオプションとすることができるため、このような選択操作の手段は省略することができる。
例えば、予め用意されている不吐補正部用ハーフトーン処理の種類が1種類のみであり、かつ、通常部用ハーフトーン処理の種類も1種類のみである場合など、予め不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイルが1つだけシステムに入っているように構成されている場合には、不吐補正部のハーフトーン処理の選択操作を省略できる。
図22のフローチャートの説明に戻り、図22のステップS710では、印刷実行ボタン780の押下の有無が判断される。印刷実行ボタン780が押されていなければ、ステップS710でNO判定となり、ステップS712にてキャンセルボタン782の押下の有無が判断される。キャンセルボタン782が押された場合は、印刷条件の設定を取り消して処理を終了する。
その一方、ステップS712でキャンセルボタン782が押されていなければ、ステップS704に戻り、設定の変更を受け付ける。
印刷実行ボタン780が押され、ステップS710でYES判定となると、ステップS714に進む。ステップS714では、ユーザーが設定した印刷条件に従い、選択に係る不吐補正部用ハーフトーンDLLと通常部用ハーフトーンDLLを読み込む。ここで読み込まれる不吐補正部用ハーフトーンDLLが図8で説明した「不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル154」に相当し、通常部用ハーフトーンDLLが「通常部用ハーフトーン処理プログラムファイル152」に相当する。
その後、画像処理装置100は、印刷対象として登録されている画像ファイルを読み込む(ステップS716)。
その一方で、インクジェット印刷システム700は、描画部であるインクジェット印刷機の印刷状態をチェックし、不吐部情報を更新する(ステップS718)。具体的には、テストチャートを出力し、その出力結果の読取画像を解析して不吐部情報を得る。
そして、画像処理装置100は、ステップS718で更新された最新の不吐部情報を読み込む(ステップS720)。この不吐部情報を用いて、画像データにおける不吐補正部の画素値を補正し、不吐補正部画像のデータを生成する不吐補正処理が行われる(ステップS724)。
その後、図23のステップS730に進む。ステップS730では、不吐部情報を利用して画像データにおける不吐補正部と通常部の画像領域を判別し、画像データを不吐補正部と、通常部とに分割する処理が行われる。
そして、通常部の画像データを通常部用ハーフトーンDLLに送り(ステップS732)、通常部用ハーフトーンDLLの実行によって通常部ハーフトーン画像のデータを生成する(ステップS734)。通常部ハーフトーン画像のデータの出力先はファイルであってもよいし、メモリ上の特定アドレスの領域であってもよい。なお、通常部ハーフトーン画像のデータに加え、必要に応じて、通常部ハーフトーン処理で生成された中間データを出力してもよい。
また、ステップS730にて分割された不吐補正部の画像データを不吐補正部用ハーフトーンDLLに送り(ステップS736)、不吐補正部用ハーフトーンDLLの実行によって補正部ハーフトーン画像のデータを生成する(ステップS738)。補正部ハーフトーン画像のデータの出力先はファイルであってもよいし、メモリ上の特定アドレスの領域であってもよい。なお、このとき、補正部ハーフトーン画像のデータに加え、ステップS734で説明した中間データも一緒に送ってもよい。
なお、通常部の処理(ステップS732〜ステップS734)と、不吐補正部の処理(ステップS736〜ステップS738)の処理順序は入れ替えてもよく、また、並列に処理することも可能である。
ステップS734で生成された通常部ハーフトーン画像のデータと、ステップS738で生成された補正部ハーフトーン画像のデータとが統合され(ステップS740)、不吐補正済みハーフトーン画像のデータが得られる。
こうして統合された不吐補正済みハーフトーン画像のデータをインクジェット印刷機に送り(ステップS742)、各ノズルの吐出を制御して印刷を行う(ステップS744)。
複数枚の印刷を行う場合には、予めステップS732からステップS734の処理を実施しておき、一定時間おきに、ステップS718からステップS730及びステップS736からステップS744の処理を繰り返す構成とする。
なお、不吐補正の機能に関して、第2の方法に分類される不吐補正の方法が採用された画像処理装置を用いたインクジェット印刷システムの場合には、図22のステップS724で説明した不吐補正の処理工程は省略され、不吐補正部に対するハーフトーン処理の工程(ステップS736〜ステップS738)によって実質的に不吐補正の処理が行われる。
<ハーフトーン処理の実施タイミング、頻度、回数について>
本実施形態に係るインクジェット印刷システム700において、通常部に対するハーフトーン処理と、不吐補正部に対するハーフトーン処理とは、必ずしも同じタイミングで実施する必要はない。通常部に対するハーフトーン処理の実施タイミングと、不吐補正部に対するハーフトーン処理の実施タイミングとは異ならせることができる。
例えば、不吐補正部に対するハーフトーン処理については、不吐部情報の更新によって新たな不吐部が発生したことが確認された場合に、不吐部と不吐補正部とを含む補正部の範囲について、部分的にハーフトーン処理を行い、他の通常部の部分については、改めてハーフトーン処理を行うことなく、元の通常部ハーフトーン画像のデータを活用して、不吐補正済みハーフトーン画像を生成する構成とすることができる。
このように、不吐部の発生に応じて不吐補正部のハーフトーン処理を部分的に実施して、通常部ハーフトーン画像のデータと組み合わせる構成とすることにより、ハーフトーン処理の演算処理の時間を大幅に短縮でき、生産性低下を回避することができる。
上記に例示した構成の場合、通常部に対するハーフトーン処理に比べて、不吐補正部に対するハーフトーン処理の実施頻度が高くなる。また、全体的な実施回数で言えば、通常部に対するハーフトーン処理に比べて、不吐補正部に対するハーフトーン処理の方が処理の実施回数が多くなる。
図25は通常部と不吐補正部とでハーフトーン処理の実施タイミングを異ならせる構成の例を示したフローチャートである。図25に示すフローチャートは、第1実施形態から第6実施形態で説明したそれぞれの画像処理装置について適用可能である。なお、図25において、図11のフローチャートで説明した要素と同一又は類似の要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図25に示したように、印刷ジョブが開始されると(ステップS802)、印刷の対象となる入力画像102について、通常部と不吐補正部の画像領域の判別が行われ、通常部の画像データに対して通常部ハーフトーン処理(ステップS124)が行われる。通常部ハーフトーン処理で生成された通常部ハーフトーン画像164のデータは、ハーフトーン画像記憶部140(図8参照)などに保持される。
一方、設定枚数の印刷の開始が指令されると(ステップS804)、テストパターンの出力及び読み取りの処理に基づき不吐部情報の更新が行われる(ステップS806)。そして、不吐部情報を基に不吐補正部の画像データについて補正部ハーフトーン処理(ステップS808)が行われ、補正部ハーフトーン画像166が生成される。そして、通常部ハーフトーン画像164のデータと補正部ハーフトーン画像166のデータとを組み合わせて生成された不吐補正済みハーフトーン画像に基づいて印刷が行われる(ステップS810)。
印刷枚数をカウントし、設定枚数の印刷を完了したか否かの判断を行う(ステップS812)。設定枚数の印刷が未完了であれば、ステップS806に戻る。1枚の印刷を行う毎に不吐部情報を更新してもよいし、ある規定枚数の印刷を行ったタイミングで不吐部情報を更新してもよい。ステップS806の不吐部情報の更新に合わせて、ステップS808で不吐補正部に対する部分的なハーフトーン処理が実施され、新たな不吐補正済みハーフトーン画像が生成される。
こうして、設定枚数の印刷が完了すると、ステップS812でYES判定となり、処理を完了する。
図25で説明したように、通常部ハーフトーン画像164のデータについては予め作成しておき、不吐補正部の補正部ハーフトーン画像166のデータは、印刷ジョブの印刷実行中に適宜更新される不吐部情報にしたがい、逐次作成される。
このような構成によれば、不吐補正部の際に画像全域のハーフトーン処理を行う必要が無いため、連続印刷中に不吐ノズルによるスジが発生した際に、ハーフトーン処理にかける時間を短縮することができる。
<コンピュータを画像処理装置として機能させるプログラムについて>
上述の実施形態で説明した不吐補正機能を実現するハーフトーン処理や不吐補正処理を行う画像処理装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムをCD−ROMや磁気ディスクその他のコンピュータ可読媒体(有体物たる非一時的な情報記憶媒体)に記録し、該情報記憶媒体を通じて当該プログラムを提供することが可能である。このような情報記憶媒体にプログラムを記憶させて提供する態様に代えて、インターネットなどの通信ネットワークを利用してプログラム信号をダウンロードサービスとして提供することも可能である。
このプログラムをコンピュータに組み込むことにより、コンピュータに不吐部情報を記憶する機能(不吐部情報記憶機能)と、ハーフトーン処理を行う機能(ハーフトーン処理機能)と、不良ノズルによる記録不良部の画像欠陥の視認性を低減させる画像の補正処理を行う機能(不吐補正処理機能)とを実現させることができ、上述の実施形態で説明した不吐補正を行うことができる。
また、本実施形態で説明した不吐補正機能を実現するハーフトーン処理や不吐補正処理を行う画像処理機能を含む印刷制御を実現するためのプログラムの一部または全部をホストコンピュータなどの上位制御装置に組み込む態様や、画像出力装置としてのプリンタ(インクジェット記録装置)側の中央演算処理装置(CPU)の動作プログラムとして適用することも可能である。
図8で説明した不吐補正処理部114による不吐補正処理の機能や、図16から図18で説明した補正部ハーフトーン処理部436、536による処理の機能は「不吐補正処理機能」の一形態に相当する。また、通常部ハーフトーン処理部124によるハーフトーン処理の機能は「第1のハーフトーン処理機能」の一形態に相当し、補正部ハーフトーン処理部136によるハーフトーン処理機能は「第2のハーフトーン処理機能」の一形態に相当する。
以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有するものにより、多くの変形が可能である。
12…入力画像、14…不吐部情報、16…不吐補正画像、18…不吐補正済みハーフトーン画像、40…インクジェットヘッド、42…ノズル、46…不吐ノズル、47,48…補正ノズル、100…画像処理装置、102…入力画像、104…不吐補正部済みハーフトーン画像、114…不吐補正処理部、118…画像領域判別部、120…不吐部情報記憶部、122…ハーフトーン処理切換部、124…通常部ハーフトーン処理部、136…補正部ハーフトーン処理部、140…ハーフトーン画像記憶部、150…不吐補正処理プログラムファイル、152…通常部用ハーフトーン処理プログラムファイル、154…不吐補正部用ハーフトーン処理プログラムファイル、164…通常部ハーフトーン画像、166…補正部ハーフトーン画像部、172…ハーフトーン選択操作部、200,300,400,500,600…画像処理装置、318…画像領域分割部、344…画像統合部、700…インクジェット印刷システム

Claims (19)

  1. 複数のノズルを有するインクジェットヘッドにおける不吐ノズルによる画像欠陥を補正する画像補正の処理を行う不吐補正処理部と、
    前記不吐補正処理部による前記画像補正の対象領域である不吐補正部に非該当の画像領域であり、かつ、前記不吐ノズルにより記録不能となる不吐部に非該当の画像領域である通常部に対して第1のハーフトーン処理を行い第1のハーフトーン画像を生成する少なくとも1つの第1のハーフトーン処理プログラムファイルと、
    前記不吐補正部に対して前記第1のハーフトーン処理とは異なる第2のハーフトーン処理を行い第2のハーフトーン画像を生成する第2のハーフトーン処理プログラムファイルであって、前記第1のハーフトーン処理プログラムファイルとは別ファイルで構成された少なくとも1つの第2のハーフトーン処理プログラムファイルと、を具備し、
    入力画像の前記通常部に前記第1のハーフトーン処理プログラムファイルを実行し、かつ、前記入力画像の前記不吐補正部に前記第2のハーフトーン処理プログラムファイルを実行する画像処理装置。
  2. 前記不吐ノズルの位置に対応する不吐部情報を記憶しておく不吐部情報記憶部と、
    前記不吐部情報に基づき、前記入力画像おける前記通常部と前記不吐補正部とを判別する画像領域判別部と、
    前記画像領域判別部の判別結果に基づき、前記通常部に前記第1のハーフトーン処理プログラムファイルを実行し、かつ前記不吐補正部に前記第2のハーフトーン処理プログラムファイルを実行することにより、前記通常部と前記不吐補正部とでそれぞれに適用するハーフトーン処理を切り換えるハーフトーン処理切換部と、
    を備える請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記不吐ノズルの位置に対応する不吐部情報を記憶しておく不吐部情報記憶部と、
    前記不吐部情報に基づき、前記入力画像を前記通常部と前記不吐補正部とに分割する画像分割処理部と、
    前記画像分割処理部により分割された前記通常部に対する前記第1のハーフトーン処理プログラムファイルの実行によって得られる前記第1のハーフトーン画像と、前記画像分割処理部により分割された前記不吐補正部に対する前記第2のハーフトーン処理プログラムファイルの実行によって得られる前記第2のハーフトーン画像とを統合する統合処理部と、
    を備える請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記第1のハーフトーン処理プログラムファイルによる前記第1のハーフトーン処理のアルゴリズムと、前記第2のハーフトーン処理プログラムファイルによる前記第2のハーフトーン処理のアルゴリズムとは互いに異なるものである請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記第2のハーフトーン処理プログラムファイルによる前記第2のハーフトーン処理は、ディザマスクを用いる請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記通常部に対する前記第1のハーフトーン処理の実施タイミングと前記不吐補正部に対する前記第2のハーフトーン処理の実施タイミングが異なり、前記通常部に対する前記第1のハーフトーン処理に比べて、前記不吐補正部に対する前記第2のハーフトーン処理の方が処理の実施頻度が高い、又は、前記通常部に対する前記第1のハーフトーン処理に比べて、前記不吐補正部に対する前記第2のハーフトーン処理の方が処理の実施回数が多い請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記通常部に対する前記第1のハーフトーン処理を実施して得られた前記第1のハーフトーン画像を記憶しておく第1のハーフトーン画像記憶部を有し、
    前記インクジェットヘッドにおける前記不吐ノズルの状態に合わせて前記不吐補正部に対する前記第2のハーフトーン処理が実行されることによって逐次作成される前記不吐補正部の前記第2のハーフトーン画像と前記第1のハーフトーン画像記憶部に予め記憶されている前記第1のハーフトーン画像とを統合する処理が行われる請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記第1のハーフトーン処理によって作成されたデータが、前記第2のハーフトーン処理への入力として与えられる請求項1から7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記第1のハーフトーン処理によって作成された前記通常部の前記第1のハーフトーン画像のデータが、前記第2のハーフトーン処理への入力として与えられ、
    前記第2のハーフトーン処理への入力として与えられた前記第1のハーフトーン画像に対し、ボケ関数を適用する演算処理部を有し、
    前記第1のハーフトーン画像に前記ボケ関数を適用して得られたデータに対して前記第2のハーフトーン処理が実施される請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 前記ボケ関数は、ドーリーの視覚伝達関数である請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記第2のハーフトーン処理への入力として与えられる、前記第1のハーフトーン処理によって作成された前記データは、前記第1のハーフトーン処理における誤差拡散処理によって発生した蓄積誤差であり、
    前記第2のハーフトーン処理プログラムファイルは、前記蓄積誤差を初期誤差データとして、前記不吐補正部での誤差拡散処理を実施する請求項8に記載の画像処理装置。
  12. 前記第2のハーフトーン処理プログラムファイルは、前記第1のハーフトーン処理によって作成された前記データの他、前記入力画像も使用して、前記不吐補正部に対する前記第2のハーフトーン処理を行う請求項8から11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  13. 前記第2のハーフトーン処理では、前記入力画像の前記不吐補正部に対応する処理対象画素の信号値が特定値の場合にドットを配置しない処理、あるいは、前記処理対象画素の信号値が特定値以外の場合に必ずドットを配置する処理を行う請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記不吐補正部に対する前記第2のハーフトーン処理に適用できる複数の前記第2のハーフトーン処理プログラムファイルを備える請求項1から13のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  15. 前記複数の前記第2のハーフトーン処理プログラムファイルの中から前記第2のハーフトーン処理に用いるファイルをユーザーが選択できるユーザーインターフェースを備える請求項14に記載の画像処理装置。
  16. 前記インクジェットヘッドは、シングルパス方式で画像記録を行うインクジェット印刷システムに用いられたラインヘッドであり、
    前記不吐補正部は、前記不吐部の画素列の両側に隣接する画素列を含む画像領域である請求項1から15のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  17. 複数のノズルを有するインクジェットヘッドにおける不吐ノズルによる画像欠陥を補正する画像補正の処理を行う不吐補正処理工程と、
    入力画像のうち前記不吐補正処理工程による前記画像補正の対象領域である不吐補正部に非該当の画像領域であり、かつ、前記不吐ノズルにより記録不能となる不吐部に非該当の画像領域である通常部に対して第1のハーフトーン処理プログラムファイルを実行して第1のハーフトーン処理を行い第1のハーフトーン画像を生成する第1のハーフトーン処理工程と、
    前記入力画像の前記不吐補正部に対し、前記第1のハーフトーン処理プログラムファイルとは別ファイルで構成された第2のハーフトーン処理プログラムファイルを実行して前記第1のハーフトーン処理とは異なる第2のハーフトーン処理を行い第2のハーフトーン画像を生成する第2のハーフトーン処理工程と、
    を備える画像処理方法。
  18. 複数のノズルを有するインクジェットヘッドにおける不吐ノズルによる画像欠陥を補正する画像補正の処理を行う不吐補正処理機能と、
    入力画像のうち前記不吐補正処理機能による前記画像補正の対象領域である不吐補正部に非該当の画像領域であり、かつ、前記不吐ノズルにより記録不能となる不吐部に非該当の画像領域である通常部に対して第1のハーフトーン処理プログラムファイルを実行して第1のハーフトーン処理を行い第1のハーフトーン画像を生成する第1のハーフトーン処理機能と、
    前記入力画像の前記不吐補正部に対し、前記第1のハーフトーン処理プログラムファイルとは別ファイルで構成された第2のハーフトーン処理プログラムファイルを実行して前記第1のハーフトーン処理とは異なる第2のハーフトーン処理を行い第2のハーフトーン画像を生成する第2のハーフトーン処理機能と、
    をコンピュータに実現させるためのプログラム。
  19. 請求項1から16のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
    前記インクジェットヘッドと、
    を備え、
    前記画像処理装置で生成されたハーフトーン画像のデータに基づいて前記インクジェットヘッドにより画像記録を行うインクジェット印刷システム。
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