JP2015137446A - 低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法、低い表面エネルギーを有する繊維、ヤーン、及び織物 - Google Patents

低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法、低い表面エネルギーを有する繊維、ヤーン、及び織物 Download PDF

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Abstract

【課題】撥液性及び防汚効果を長時間に維持できる低い表面エネルギーを有する繊維及びその製造方法の提供。
【解決手段】紡糸原料とする熱可塑性重合体に低い表面エネルギーを有する添加剤0.1〜30wt%を添加し、溶融紡糸などの紡糸加工プロセスにより表面張力が25〜72dyne/cmの繊維を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、繊維の製造方法に関するものであり、特に、低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法に関するものである。
従来より、低い表面エネルギー(低表面張力)を有する織物は、布地に対し低い表面エネルギーを有する助剤を付与する加工工程の例えば塗布、浸漬、スキージーによる吸収等を行うことにより、低い表面エネルギーを有する助剤を布地に付着させ、更に約100℃〜210℃の加熱温度にてその助剤を布地に固着させることで製造された。
これに関し、台湾特許出願第098110619号(以下、「特許文献1」と称す)においては、処理対象となるヤーンを撥水剤の充満された薬剤タンクを通過させることで撥水剤を染み付け、更に熱処理ユニットを経て当該撥水剤をヤーンに固著させることにより、撥水性のあるヤーンを製造する製造方法が開示される。しかしながら、この方法では、処理対象となるヤーンは薬剤タンク、熱処理ユニットを順次に通過する必要があるため、加工時間が長くなると共に、コストが増加するばかりでなく、その撥水剤は熱処理ユニットからの熱を受けて熱処理ユニット上でコークスが発生してしまい、更に、その撥水剤は単にヤーン表面に付着しているため、後続の処理(例えば糸撚り合せ処理)において撥水性の望ましくない他のヤーンに移って染める可能性がある。
また、中国特許出願公開第101984154号(以下、「特許文献2」と称す)においては、撥水剤の添加された紡糸油を用い、溶融紡績の過程中で撥水剤を繊維表面に直接に付着させることにより、撥水性の有する繊維を製造する、撥水性ポリエステル繊維の製造方法が開示される。しかしながら、この方法では、加工工程の後半で繊維の表面に付着された撥水剤はホットプレートにて熱を受けることでそこに粘着し易く、洗浄や削り除きで除去しにくいコークスが発生することから、ホットプレートの関連設備に損傷を与えることだけでなく、繊維自体も不均一な熱を受けることで品質が損なわれてしまう。
尚且つ、上記従来技術では、その製造された撥水性のある繊維/ヤーンに対して数回の水洗を施すと、その繊維/ヤーンの表面に付着されていた撥水剤が洗い出され易く、具体的には、AATCC(American Association of Textile Chemists and Colorists)−135の基準で20回程度に水洗された場合、繊維自体の撥水効果は明らかに劣ることになる。
台湾特許出願第098110619号 中国特許出願公開第101984154号
上記問題点を解決するために、本発明者らによる鋭意研究の結果、従来の紡糸製造技術中に存在した欠点を改善し、低い製造コストで優れた撥液性及び防汚効果を有する繊維を製造可能な低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法及び係る繊維を提供することを課題とした。
本発明の実施の形態によれば、低い表面エネルギーを有する添加剤0.1〜30wt%を含有する熱可塑性重合体を調製するステップと、前記熱可塑性重合体を紡糸原料とし、溶融紡績、更に延伸、仮撚加工を経て、表面張力が25〜72dyne/cm範囲内の繊維を製造するステップと、を備えることを特徴とする低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法を提供する。
また、本発明のその他の実施の形態によれば、低い表面エネルギーを有する添加剤0.1〜30wt%を含有する熱可塑性重合体を調製するステップと、前記熱可塑性重合体を紡糸原料とし、溶融紡績、更に延伸、ヒートセットを経て、表面張力が25〜72dyne/cm範囲内の全延伸糸(FDY)を製造するステップと、を備えることを特徴とする低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法を提供する。
更に、本発明のその他の実施の形態によれば、低い表面エネルギーを有する添加剤0.1〜30wt%を含有する熱可塑性重合体を調製するステップと、前記熱可塑性重合体を紡糸原料とし、溶融紡績、更に多段延伸、ヒートセットを経て、表面張力が25〜72dyne/cm範囲内の高強力糸(HTY)を製造するステップと、を備えることを特徴とする低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法を提供する。
また、本発明は、低い表面エネルギーを有する繊維、低い表面エネルギーを有するヤーン、並びに織物を提供する。
本発明の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法によれば、紡糸原料用意の段階で紡糸原料に低い表面エネルギーを有する添加剤を添加することから、特許文献1のように紡糸を撥水剤含有薬剤タンク、熱処理ユニットを順次に通過させる必要がなくなり、よって加工時間の短縮、設備のコンパクト化乃至コストの低減に繋がる。また、特許文献1と違い、本発明においては紡糸原料段階で紡糸原料に低い表面エネルギーを有する添加剤を混入するから、特許文献1のような、後続の加工工程においてヤーンの表面に撥水剤を施してから、ヤーンを熱処理ユニットを通過する時にその表面に付着された撥水剤が熱を受けることによりコークスが発生するとの不具合を避けることができる。また、特許文献2のような、紡糸に対する加工工程の後半において、繊維表面に付着された撥水剤が熱を受けてホットプレート上に粘着したことによりコークスが発生するとの不具合も避けられる。更に、得られた繊維が有する表面張力は25〜72dyne/cmであるので、優れた撥液性及び防汚効果を達成できる。
織物の水接触角の測定を示す概念図である。
本発明において、紡糸原料としてはポリエステル、ポリアミド或いはポリオレフィン等の熱可塑性重合体を用いることができる。具体的には、ポリエステルとしては例えばポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、カチオン可染性ポリエステル、リサイクルPET、バイオPET及びポリ乳酸(PLA)等が挙げられ、ポリアミドとしては例えばナイロン6、ナイロン66及びナイロン46等が挙げられ、また、ポリオレフィンとしては例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。
本発明においては、後述の低い表面エネルギーを有する繊維を製造するに当たっては、熱可塑性重合体を用いた溶融紡績を行う前に、当該熱可塑性重合体に特定の低い表面エネルギーを有する添加剤を添加する。また、本発明は、溶融紡績の過程において、熱可塑性重合体に添加される低い表面エネルギーを有する添加剤が高温により変質することを防止するために、耐高温性を有するフッ素系添加剤、具体的には、例えばGOULSTON社製の品名FC−L624のフッ素系低い表面エネルギー助剤を使用した。
本発明において、熱可塑性重合体に添加された低い表面エネルギーを有する添加剤の含有量は0.1wt%〜30wt%である。その理由としては、低い表面エネルギーを有する添加剤の含有量が0.1wt%よりも低い場合、繊維の表面張力を低減する効果は不十分となり、一方、低い表面エネルギーを有する添加剤の含有量が30wt%よりも高い場合、繊維の表面張力を低減する効果は優れるものの、コスト面に不利となり且つ繊維の製造が困難になる。
本発明において、紡糸原料として低い表面エネルギーを有する添加剤0.1wt%〜30wt%を含有する熱可塑性重合体を調製するための方法としては、モノマーを用いて熱可塑性重合体を製造する過程において、モノマー全量に対して0.1wt%〜30wt%の低い表面エネルギーを有する添加剤をモノマーに添加し、重合反応を経て得られる方法、又は、混合後の低い表面エネルギーを有する添加剤の濃度が0.1〜30wt%となるように、低い表面エネルギーを有する添加剤を所定量(例えば1〜60wt%)含有の熱可塑性重合体粒子と、低い表面エネルギーを有する添加剤を含まない熱可塑性重合体粒子とを混合して得られる方法が挙げられる。
本発明の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法は、0.1〜30wt%の低い表面エネルギーを有する添加剤を含有する熱可塑性重合体原料を熔融状態にて紡糸機の紡糸口から吐出し、単一糸紡績方式又は複合糸紡績方式を用い、紡績速度2500〜3500m/min(POY製造の場合)/又は紡績速度3500〜6000m/min(HOY製造の場合)で糸の巻取りを行い、その後、巻取速度100〜1300m/min、ホットプレート温度60〜400℃に基づく延伸加工糸(DTY)の加工、若しくは巻取速度100〜800m/min、ホットプレート温度60〜400℃に基づくエア加工糸(ATY)の加工により低い表面エネルギーを有する繊維を製造することができる。
更に、本発明の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法は、0.1〜30wt%の低い表面エネルギーを有する添加剤を含有する熱可塑性重合体原料を熔融状態にて紡糸機の紡糸口から吐出し、単一糸紡績方式又は複合糸紡績方式を用い、当該熱可塑性重合体に対して紡績速度1000〜6000m/min、延伸倍率1.0〜10倍、延伸温度25〜200℃、ヒートセット温度60〜260℃にて溶融紡績、延伸及びヒートセットを行い、表面張力が25〜72dyne/cm範囲内の全延伸糸(FDY)を製造することができる。
更に、本発明の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法は、0.1〜30wt%の低い表面エネルギーを有する添加剤を含有する熱可塑性重合体原料を熔融状態にて紡糸機の紡糸口から吐出し、単一糸紡績方式又は複合糸紡績方式を用い、当該熱可塑性重合体に対して紡績速度1000〜6000m/min、延伸温度25〜200℃、ヒートセット温度60〜260℃、トータル延伸倍率が1.0〜10倍に基づく多段延伸を行い、表面張力が25〜72dyne/cm範囲内の高強力糸(HTY)を製造することができる。
本発明は、低い表面エネルギーを有する繊維を製造する過程において、必要に応じてその他の機能性添加剤、例えば燃焼防止剤、蓄熱保温剤、紫外線防止剤、靜電防止剤、蛍光増白剤、抗菌剤、消光剤やカラーマスター等を添加することも可能である。
更に、本発明の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法は、必要に応じて溶融紡績により断面が円形、非円形又は複合断面の繊維を製造することができる。
更に、本発明の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法は、原液段階の染色又は後半工程段階の染色により繊維を染色することができ、その原液段階の染色及び後半工程段階の染色に関する製造条件については、従来技術に開示されたものを採用することができる。
本発明の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法によれば、必要に応じて低い表面エネルギーを有する長繊維製品や短繊維製品を製造することができる。
本発明の製造方法により製造された低い表面エネルギーを有する繊維は、繊維自体で低い表面エネルギーを有するヤーンを形成することができ、又は更にその他の種類の繊維と低い表面エネルギーを有するヤーンを複合形成することもできる。
本発明によれば、上記方法にて製造された低い表面エネルギーを有する繊維、低い表面エネルギーを有するヤーンを用いて当業者周知の紡績技術により織物を製造することができる。
周知された液体の表面張力については、例えば水の場合は72dyne/cmであり、葡萄酒の場合は45dyne/cmであり、ミルクの場合は43dyne/cmであり、落花生油の場合は40dyne/cmであり、オリーブ油の場合は32dyne/cmであり、ガソリンの場合は28dyne/cmである。本発明の低い表面エネルギーを有する繊維、低い表面エネルギーを有するヤーン及びその織物によれば、その表面張力は25〜72dyne/cmであるため、前述の液体に対して良好の撥液性を有する。
実施例1
ポリエチレンテレフタレート(A)粒子と、低い表面エネルギーを有するフッ素系添加剤(GOULSTON社製、品名FC−L624)30wt%含有のポリエチレンテレフタレート(B)粒子とを(A)/(B)=90/10の割合で混合し、溶融温度288℃、紡績速度2800m/minにて溶融紡績を行い、更に巻取速度600m/min、ホットプレート温度230℃、延伸倍率1.75に基づく延伸加工糸(DTY)工程を行うことにより、低い表面エネルギーを有する添加剤3wt%含有の繊維を製造した。得られた繊維を織物に織り成し、当該織物の表面張力、水接触角及び撥水性を測定し、その結果は表2に示す。
実施例2
ポリエチレンテレフタレート(A)粒子と、低い表面エネルギーを有するフッ素系添加剤(GOULSTON社製、品名FC−L624)30wt%含有のポリエチレンテレフタレート(B)粒子とを(A)/(B)=90/10の割合で混合し、溶融温度288℃、紡績速度2800m/minにて溶融紡績を行い、更に紡績速度4000m/min、延伸温度85℃、ヒートセット温度130℃及び延伸倍率2.1に基づく全延伸糸工程を行うことにより、低い表面エネルギーを有する添加剤3wt%含有の繊維を製造した。得られた繊維を織物に織り成し、当該織物の表面張力、水接触角及び撥水性を測定し、その結果は表2に示す。
実施例3
ポリエチレンテレフタレート(A)粒子と、低い表面エネルギーを有するフッ素系添加剤(GOULSTON社製、品名FC−L624)30wt%含有のポリエチレンテレフタレート(B)粒子とを(A)/(B)=90/10の割合で混合し、溶融温度288℃、紡績速度4500m/minに基づくHOY工程を行うことにより、低い表面エネルギーを有する添加剤3wt%含有の繊維を製造した。得られた繊維を織物に織り成し、当該織物の表面張力、水接触角及び撥水性を測定し、その結果は表2に示す。
実施例4
ポリエチレンテレフタレート(A)粒子と、低い表面エネルギーを有するフッ素系添加剤(GOULSTON社製、品名FC−L624)30wt%含有のポリエチレンテレフタレート(B)粒子とを(A)/(B)=90/10の割合で混合し、溶融温度288℃、紡績速度4500m/minに基づくHOY工程を行い、更に巻取速度200m/minのエア加工糸(ATY)の工程を行うことにより、低い表面エネルギーを有する添加剤3wt%含有の繊維を製造した。得られた繊維を織物に織り成し、当該織物の表面張力、水接触角及び撥水性を測定し、その結果は表2に示す。
実施例5
ポリエチレンテレフタレート(A)粒子と、低い表面エネルギーを有するフッ素系添加剤(GOULSTON社製、品名FC−L624)50wt%のポリエチレンテレフタレート(B)粒子とを(A)/(B)=60/40の割合で混合し、溶融温度285℃、紡績速度2600m/minに基づく溶融紡績を行い、更に巻取速度600m/min、ホットプレート温度230℃、延伸倍率1.8に基づく延伸加工糸(DTY)の工程を行うことにより、低い表面エネルギーを有する添加剤20wt%含有の繊維を製造した。得られた繊維を織物に織り成し、当該織物の表面張力、水接触角及び撥水性を測定し、その結果は表2に示す。
実施例6
コハク酸66g、ブチレン・グリコール72.6g及び低い表面エネルギーを有するフッ素系添加剤(GOULSTON社製、品名FC−L624)3.05gを混合し、重合温度245℃にて重合を行い、低い表面エネルギーを有する添加剤3wt%含有のポリブチレンサクシネート102.5gを得て、そして、溶融温度200℃、紡績速度2600m/minにて糸の巻き取りを行い、更に巻取速度600m/min、ホットプレート温度190℃、延伸倍率1.70倍に基づく延伸加工糸(DTY)の工程を行うことにより、低い表面エネルギーを有する添加剤3wt%含有の繊維を製造した。得られた繊維を織物に織り成し、当該織物の表面張力、水接触角及び撥水性を測定し、その結果は表2に示す。
比較例1
75D/72Fのポリエチレンテレフタレート製仮撚加工糸を巻取速度700m/minにて低い表面エネルギーを有するフッ素系添加剤(GOULSTON社製、品名FC−L624)が充満された薬剤タンクを通過させることにより、その糸表面に前記低い表面エネルギーを有する添加剤を染め付け、更に処理温度150℃のホットウィール処理を施すことにより、当該低い表面エネルギーを有する添加剤を仮撚加工糸上に固著させて低い表面エネルギーを有する仮撚加工糸を製造した。得られた繊維を織物に織り成し、当該織物の表面張力、水接触角及び撥水性を測定し、その結果は表2に示す。
比較例2
紡糸原料とするポリエチレンテレフタレートに対し溶融温度288℃、紡績速度3000m/minに基づく溶融紡績を行い、その得られた紡糸に対し低い表面エネルギーを有するフッ素系添加剤(GOULSTON社製、品名FC−L624)を含有する紡糸油にて給油し(給油率0.6%)、更に巻取速度600m/min、ホットプレート温度230℃、延伸倍率1.67倍に基づく延伸加工糸(DTY)の工程を行うことにより、撥水性を有する繊維を製造した。得られた繊維を織物に織り成し、当該織物の表面張力、水接触角及び撥水性を測定し、その結果は表2に示す。
各実施例及び各比較例の織物に対し、下記の方法にてその物理特性を測定し、評価を行った。
1.水接触角の測定について
各実施例及び各比較例の織物表面に0.5ccの水滴を滴下し、水滴と織物との間の接触角(θ)を測定した。図1は織物の水接触角の測定を示す概念図である。
2.表面張力の測定について
夫々表面張力が異なるインクを充填した市販のダインペンを用い、各実施例及び各比較例の織物上に約10cmのインク痕を書き出し、書き出されたインク痕の90%以上が2秒間に収縮してインク滴になるか否かことを観察した。インク滴になった場合、表面張力が一段低いインクを充填したダインペンに置き換えて織物に再度インク痕を書き出しそのインク痕の収縮状態を觀察した。前記ダインペンの置き換え及びインク痕の書き出しを繰り返して行い、インク痕の収縮によるインク滴の発生がなくなった場合に用いたインクの有する表面張力は、その織物の表面張力とみなす。
3.撥水性テストについて
各実施例及び各比較例の織物を寸法180mm×180mmのものに裁断し、その撥水性テスト面が上向きになるように裁断後の織物を基座上に設けられた傾斜角45度のフープに固定し、前記織物の撥水性テスト面に250ccの水を30秒かけて流れ通し、その後、基座からフープを取り外して軽く叩き、FTTS−FA−011に基づいて下記のように評価を行った。
Figure 2015137446
4.ホットプレートでのコークス発生量の測定について
各実施例及び各比較例で使用した加熱用ユニット(ホットプレート又はホットウィール)が1日に稼動した後のコークス発生量について下記のように評價を行った。
多量のコークスが発生:×
少量のコークスが発生、又はコークスの発生が見当たらない:○
Figure 2015137446
以上、各実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではなく、当業者であれば特許請求の範囲の要旨を逸脱しない範囲内に種々の変形、変更をすることができ、それらも本発明に包含されることは当然である。

Claims (18)

  1. 低い表面エネルギーを有する添加剤0.1〜30wt%を含有する熱可塑性重合体を調製するステップと、
    前記熱可塑性重合体を紡糸原料とし、溶融紡績、更に延伸、仮撚加工を経て、表面張力が25〜72dyne/cm範囲内の繊維を製造するステップと、を備えることを特徴とする低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法。
  2. 低い表面エネルギーを有する添加剤0.1〜30wt%を含有する熱可塑性重合体を調製するステップと、
    前記熱可塑性重合体を紡糸原料とし、溶融紡績、更に延伸、ヒートセットを経て、表面張力が25〜72dyne/cm範囲内の全延伸糸(FDY)を製造するステップと、を備えることを特徴とする低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法。
  3. 低い表面エネルギーを有する添加剤0.1〜30wt%を含有する熱可塑性重合体を調製するステップと、
    前記熱可塑性重合体を紡糸原料とし、溶融紡績、更に多段延伸、ヒートセットを経て、表面張力が25〜72dyne/cm範囲内の高強力糸(HTY)を製造するステップと、を備えることを特徴とする低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法。
  4. 前記低い表面エネルギーを有する添加剤0.1〜30wt%を含有する熱可塑性重合体は、モノマーを用いて前記熱可塑性重合体を製造する過程において、モノマー全量に対して0.1wt%〜30wt%の低い表面エネルギーを有する添加剤をモノマーに添加し、重合反応を経て得られることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法。
  5. 前記低い表面エネルギーを有する添加剤0.1〜30wt%を含有する熱可塑性重合体は、混合後の低い表面エネルギーを有する添加剤の濃度が0.1〜30wt%となるように、低い表面エネルギーを有する添加剤1〜60wt%を含有する熱可塑性重合体粒子と、低い表面エネルギーを有する添加剤を含まない熱可塑性重合体粒子とを混合して得られることを特徴とする
    請求項1〜3の何れか一項に記載の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法。
  6. 前記低い表面エネルギーを有する添加剤はフッ素系添加剤であることを特徴とする
    請求項1〜3の何れか一項に記載の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法。
  7. 前記溶融紡績により断面が円形、非円形又は複合断面の繊維を製造したことを特徴とする
    請求項1〜3の何れか一項に記載の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法。
  8. 前記溶融紡績は、単一糸溶融紡績又は複合糸溶融紡績であることを特徴とする
    請求項1〜3の何れか一項に記載の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法。
  9. 原液段階の染色又は工程後半段階の染色により染色された繊維を製造することを特徴とする
    請求項1〜3の何れか一項に記載の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法。
  10. 前記熱可塑性重合体はポリエステル、ポリアミド又はポリオレフィンであることを特徴とする
    請求項1〜3の何れか一項に記載の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法。
  11. 前記ポリエステルは、ポリブチレンサクシネート(PBS) 、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、カチオン可染性ポリエステル、リサイクルPET、バイオPET及びポリ乳酸(PLA)からなる群から選ばれる1種であることを特徴とする
    請求項9に記載の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法。
  12. 前記ポリアミドは、ナイロン6、ナイロン66及びナイロン46からなる群から選ばれる1種であることを特徴とする
    請求項10に記載の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法。
  13. 前記ポリオレフィンは、PE及びPPからなる群から選ばれる1種であることを特徴とする
    請求項10に記載の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法。
  14. 前記延伸により得られた繊維は部分延伸糸(POY)又は高度延伸糸(HOY)であることを特徴とする
    請求項1に記載の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法。
  15. 前記仮撚加工は、延伸加工糸(DTY)の仮撚加工又はエア加工糸(ATY)の仮撚加工であることを特徴とする
    請求項1に記載の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法。
  16. 請求項1〜15の何れか一項に記載の低い表面エネルギーを有する繊維の製造方法により製造されたことを特徴とする低い表面エネルギーを有する繊維。
  17. 請求項16に記載の低い表面エネルギーを有する繊維自体から形成されてなり、若しくは前記低い表面エネルギーを有する繊維とその他の繊維と複合して形成されてなる、低い表面エネルギーを有するヤーン。
  18. 請求項16に記載の低い表面エネルギーを有する繊維、又は請求項17に記載の低い表面エネルギーを有するヤーンからなる織物。

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