JP2015134892A - 液状樹脂組成物、電気部品及びその製造方法 - Google Patents

液状樹脂組成物、電気部品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属との高い接着力を有し、樹脂タレを防止して作業性を高めた樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)液状エポキシ樹脂と、(B)酸無水物硬化剤と、(C)セルロースパウダーと、(D)無機充填材と、を含有する液状樹脂組成物であって、前記(C)成分のセルロースパウダーが、平均繊維長が1μm以上100μm以下であって、かつ、その含有量が前記液状樹脂組成物中に0.1質量%〜10質量%である液状樹脂組成物、それを用いて封止した電子部品及びその電子部品の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、高チキソトロピー指数、高接着性を付与した液状樹脂組成物、それを用いて封止した電気部品及びその電気部品の製造方法に関するものである。
エポキシ樹脂は、接着性、機械特性、電気特性、熱特性、耐化学性において優れた特性を有しているため多様な分野で利用されている。特に、その絶縁性、機械特性、耐熱性に優れているためトランスやコンデンサ、半導体チップの封止材として多く利用されている。
しかしながら、近年の電気・電子部品の小型化及び高集積化により封止材と基材の接着面積の低下、多様な部品の搭載による個々の基材と封止材との接着不良、狭ギャップヘの充填性不良が生じている。特に多様な部品の集積化では、エポキシ樹脂と有機物の基材との接着だけでなく、同時にアルミニウムや銅といった多様な金属との接着も要求される。エポキシ樹脂は金属との接着力が優れているが、封止成形後には熱履歴や経時変化などによって樹脂と金属との剥離が生じ、そこを起点としてクラックの発生、内部配線の断線等が生じることがあった。
これらを解決するために、樹脂組成物にチオール基を有する化合物(例えば、特許文献1参照)や特定の可とう剤(例えば、特許文献2参照)、その他添加剤を加える手法が試みられている。
特開2007−224167号公報 特開2012−219134号公報
しかしながら、接着性を向上する官能基の導入では、樹脂骨格の大幅な変更が必要であったり、新規化合物のためコストが上がったりする等の懸念があった。また、接着性を付与するためにアクリル−ニトリルゴムのような可とう剤等の添加をする場合、添加量を多くする必要が有るため、耐熱性、耐湿性の低下が生じる等の懸念があった。
また、昨今の部品の複雑化、小型化に伴う狭ギャップヘの充填を確実に行うため、低粘度化が検討されているが、この場合、その粘度の低さ故に樹脂がたれやすくなり作業性の悪化や射出成形時に射出成型機又は金型から樹脂のタレが生じ、バリの発生や作業環境周囲への樹脂の汚染を招いていた。
本発明は、上記の課題を解決するように、金属との高い接着力を有し、樹脂タレを防止して作業性を高めた樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、所定のセルロースパウダーを添加することで、高接着性及び高チキソトロピー指数を有する液状樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の液状樹脂組成物は、(A)液状エポキシ樹脂と、(B)酸無水物硬化剤と、(C)セルロースパウダーと、(D)無機充填材と、を含有する液状樹脂組成物であって、前記(C)成分のセルロースパウダーが、平均繊維長が1μm以上100μm以下であって、かつ、その含有量が前記液状樹脂組成物中に0.1質量%〜10質量%であることを特徴とする。
本発明の電気部品は、電気部品材料が上記本発明の液状樹脂組成物で封止されてなることを特徴とする。
本発明の電気部品の製造方法は、電気部品材料を、上記本発明の液状樹脂組成物を用いて射出成形により封止したことを特徴とする。
本発明によれば、高接着性、高チキソトロピー指数を持つ樹脂組成物及びその樹脂組成物を用いて製造された信頼性の優れた電気部品を提供することができる。
本発明のフィルムコンデンサの製造方法を説明する図である。 本発明のフィルムコンデンサの断面図である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の記載は本発明の実施態様の一例であり本発明の要旨を超えない限り、種々の変更、置換等が可能で、以下の記載に限定されるものではない。本発明の射出成形用液状樹脂組成物は、上記したように液状エポキシ樹脂、酸無水物硬化剤、セルロース繊維、無機充填材を必須成分として含有する液状樹脂組成物である。
本発明に用いる(A)成分の液状エポキシ樹脂は、常温(25℃)で液状のエポキシ樹脂であれば、分子構造などに特に制限されること無く使用することができる。具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールAF、レゾルシノール、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどのフェノール類をエピクロルヒドリンを用いてエポキシ化したフェノール系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのアルコール類をエピクロルヒドリンを用いてエポキシ化したアルコール系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸などの多塩基酸をエピクロルヒドリンを用いてエポキシ化したグリシジルエステル型エポキシ樹脂、p−アミノフェノール、ジアミンジフェニルメタン、イソシアヌル酸などのアミン化合物をエピクロルヒドリンを用いてエポキシ化したグリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの液状エポキシ樹脂は、単独で使用しても2種以上を混合して用いてもよい。(A)液状エポキシ樹脂としては、中でもビスフェノール型エポキシ樹脂及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂が好ましく、特に、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。
本発明においては、発明の効果を阻害しない範囲であれば、上記液状エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂、すなわち固形のエポキシ樹脂を併用することができる。固形のエポキシ樹脂は、射出成型を行う都合上、25℃超150℃以下で液状になるものが好ましい。液状化するのに150℃より高い温度を要すものは、硬化剤との配合において、硬化剤が昇華したり、硬化時間が短くなったりして作業性を悪化させるおそれがある。
本発明に用いる(B)成分の酸無水物硬化剤は、常温で液状のエポキシ樹脂用の硬化剤であれば、分子構造など特に制限されることなく使用することができる。具体例としては、ドデセニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、テトラブロモ無水フタル酸、無水ヘッド酸などの酸無水物が挙げられる。
本発明においては、発明の効果を阻害しない範囲であれば、上記酸無水物硬化剤以外の硬化剤、すなわち固形の硬化剤を併用することができる。固形の硬化剤は、25℃超150℃以下で液状になるものが好ましい。液状化するのに150℃より高い温度を要するものは、硬化剤として用いる酸無水物が昇華等するおそれがあるため都合が悪い。
この(B)成分の硬化剤の配合量は、硬化剤の種類にもよるが、一般には、上記(A)成分のエポキシ樹脂が有するエポキシ基数(a)に対する(B)成分の硬化剤が有する反応性基数(b)の比(b)/(a)が0.5〜1.6となる範囲が好ましく、0.7〜1.3となる範囲がより好ましい。
本発明に用いる(C)セルロースパウダーは、精製パルプを原料としてパウダー形状としたものであり、そのアスペクト比は1〜25であり、好ましくは、1.1〜20、さらに好ましくは1.2〜15である。アスペクト比が1未満では、チキソ性が生じにくく、また25より大きいと樹脂の流動性の悪化を招き作業性が低下する。なお、アスペクト比はSEM(走査型電子顕微鏡)等を用いて測定することができ、本明細書におけるアスペクト比は、50個以上のセルロースパウダーについて算出した個々のアスペクト比の平均値として表される。また、セルロースパウダーの好ましい平均繊維長は1μm以上100μm以下、さらに好ましくは5μm以上60μm以下である。1μm未満の場合、粘度上昇が大きくなり作業性の悪化や機械特性の低下を招き、100μmより大きい場合、接着強度やチキソトロピー指数の低下を招くおそれがある。本明細書において、この平均繊維長は、アスペクト比と同様に、SEM等により50個以上のセルロースパウダーについて測定された個々の繊維長の平均値として表される。また、セルロースパウダーの含有量は、樹脂組成物の総質量に対して0.1質量%〜10質量%である。0.1質量%未満ではチキソ性が生じにくく、10質量%を超えるとセルロースパウダーの給油量が高いため液化しなかったり、また、添加による粘度上昇が大きくなったりして、作業性を損なうことになる。
なお、このようなセルロースパウダーとしては、市販のセルロースパウダーを用いることができ、例えば、KCフロック W−50、KCフロック W−200、KCフロック W−400、NPファイバー W−06MG(いずれも日本製紙(株)製、商品名)等の粉砕セルロースパウダーが挙げられる。
本発明に用いる(D)成分の無機充填材は、この種の樹脂組成物に一般に使用されているものであれば、特に制限されることなく使用することができる。その具体例としては、例えば、溶融シリカ、球状シリカ、結晶シリカ、破砕シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウムなどの酸化物粉末、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物粉末、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物粉末などが挙げられる。これらの無機充填材は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この(D)成分の無機充填材の平均粒子径は0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.5μm以上30μm以下であることがより好ましい。平均粒子径が0.1μm未満では、樹脂組成物の粘度が上昇し、操作性が悪化するおそれがあり、50μmより大きい場合、接着強度やチキソトロピー指数の低下を招くおそれがある。なお、無機充填材の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置などを用いて測定することができる。本明細書において、平均粒子径はレーザー回折式粒度分布測定装置LA−500((株)堀場製作所製、商品名)により測定された粒度分布において積算体積が50%になる粒径(50%粒径D50)をいう。
この(D)成分の無機充填材の配合量は、組成物の全量に対して40質量%以上85質量%以下が好ましい。40質量%未満では、熱膨張係数が大きくなり、また強度が低下するため好ましくない。逆に、85質量%を超えると流動性が低下したり、チキソトロピー指数が大きくなりすぎて射出成型が困難になるおそれがある。充填性を高め、また耐熱性、強度などを向上させる観点から、無機充填材の配合量は、組成物の全量に対して55質量%以上80質量%以下がより好ましい。
本発明の液状樹脂組成物には、以上の各成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される、硬化促進剤、カップリング剤、離型剤(例えば、合成ワックス、天然ワックス、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩など)、低応力付与剤(例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム)、分散剤、イオン捕捉剤、希釈剤などを必要に応じて配合することができる。
硬化促進剤の具体例としては、イミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール塩酸塩、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1´)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2´−エチル−4´−メチルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジン、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾリンなどのイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7などのジアザビシクロ化合物及びこれらの塩、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン類、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィン化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィントリフェニルボランなどのテトラ又はトリフェニルボロン塩などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種を混合して使用してもよい。
カップリング剤としては、エポキシシラン系、アミノシラン系、ウレイドシラン系、ビニルシラン系、有機チタネート系、アルミニウムアルコレート系などのカップリング剤が使用される。
本発明の液状樹脂組成物を調製するに当たっては、(A)液状エポキシ樹脂、(B)酸無水物硬化剤、(C)セルロースパウダー、(D)無機充填材、及び上記した必要に応じて配合される各種成分を、プラネタリーミキサー、三本ロール、二本ロールなどの装置を用いて混合、混練し、必要に応じて脱泡処理する。脱泡処理は、真空下で行うことが好ましい。
本発明の液状樹脂組成物の30℃における粘度は、充填性の観点から、100Pa・s以下であることが好ましく、0.1Pa・s以上50Pa・s以下であることがより好ましい。液状樹脂組成物の30℃における粘度は、E型粘度計、又はレオメーターを用いて角周波数0.1〜100rad/sで測定することができる。
本発明の電気部品は、上記の液状樹脂組成物を用いてポッティング又は射出成型によりフィルムコンデンサやコイル、トランス、イグニッションコイル等の素子を封止することにより製造することができる。電気部品を製造する際に、樹脂のタレを防止し作業性を改善させるため、ずり速度が0.1[s−1]における粘度η0.1と、ずり速度100[s−1]における粘度η100との比から、求められる液状樹脂組成物のチキソトロピー指数(η0.1/η100)が3〜15であることが好ましい。ここでチキソトロピー指数が3より小さい場合、樹脂のタレが生じ作業性を悪化させてしまうおそれがあり、15を超えるような組成では、樹脂粘度が高く作業性の悪化を招くおそれがある。
次に本発明の電子部品の製造方法について説明する。図1は、フィルムコンデンサを例に、射出成形による電子部品の製造方法を説明する図である。ここで、フィルムコンデンサの製造に用いる金型は下金型1と上金型2とから構成され、この金型には下金型1及び上金型2にそれぞれ凹部が形成されており、この凹部がキャビティとなっている。このキャビティに溶融した樹脂組成物を用いて射出成型を行い、フィルムコンデンサを製造する。
まず、図1(a)に示したように、所定形状の凹部を有し温度制御がなされた下金型1の凹部内にフィルムコンデンサ素子3を配置し、その上に液状エポキシ樹脂組成物4の射出ノズル5を有する上金型2を被せ、下金型1との接合部を気密にシールするとともに、下金型1と上金型2とで形成されるキャビティ内を真空ポンプ等(図示を省略)により減圧吸引し、10Torrまで達せしめる。ここで、射出ノズル5は、先端部5cが上金型2に設けられた樹脂をキャビティへ導入するためのスプルーに接続されており、ノズル全体が上下に昇降可能に構成されている。また、ノズル本管5a内に同心的に配設されたプランジャ5bを上昇及び下降させることで、ノズル先端部5cを開放及び閉塞することができるようになっている。
そして、図1(b)に示したように、キャビティ内が一定の減圧度に保たれたら、射出ノズル5の先端部5cを開き、液状のエポキシ樹脂組成物4を、下金型1と上金型2との間のキャビティ内に射出する。射出によりキャビティ内を液状のエポキシ樹脂組成物4で充填した後、下金型1及び上金型2を適当な温度に加熱して硬化させると共にフィルムコンデンサ素子3の電極端子3aは、上金型2と下金型1との間で隙間なく挟持される。
硬化が完了したら、下金型1と上金型2を型開きして、成形品であるフィルムコンデンサを取り出す。ここで得られるフィルムコンデンサ11は、例えば、図2に示したように、フィルムコンデンサ素子3が液状のエポキシ樹脂組成物の硬化物12で覆われて保護された構成となっており、電極3aは、その端部が硬化物12の外に突出して、他の機器等と接続できるようになっている。
ここで、フィルムコンデンサ素子3は、フィルムと電極箔を巻回して形成されたコンデンサであり、金属製の電極3aをその上下面から平行に、コンデンサ本体に対して逆方向に延びるように突出している。図示したフィルムコンデンサ素子3は、一例であり、本発明におけるフィルムコンデンサ素子3としては、公知のフィルムコンデンサ素子であれば、特に限定せずに用いることができる。
このように射出成型を用いた本発明の製造方法においては、フィルムコンデンサ3への液状エポキシ樹脂組成物4の供給と封止成形とを続けて効率的に行うことができ、未充填部やボイドがなく、かつ、外観が良好な封止成形体を得ることができる。
上記のように、熱硬化性樹脂を用いる場合、射出温度を低温に設定した後、高温の金型へ充填して硬化させることが好ましい。
射出充填の条件としては、射出温度は50〜70℃が好ましい。50℃未満であると流動性が悪くなる。一方、70℃より大きいと、射出ノズル内で一部硬化反応が進行する点で好ましくない。充填速度は0.2〜5.0L/minであることが好ましい。0.2L/min未満であると生産性の観点から好ましくない。一方、5.0L/minを超えると封止成形体に樹脂巻き込みボイドが発生する可能性があり好ましくない。
加圧条件としては、0.2〜10MPaであることが好ましい。0.2MPa未満であると、未充填部分やボイドが生じる。一方、10MPaより大きいと、フィルムコンデンサ素子の破損が生じる。
なお、射出ノズル等は樹脂を維持する所望の温度まで樹脂を加温できるヒータ等の加温手段を装着していてもよい。
樹脂組成物の加熱硬化は90〜110℃で5〜25分程度行うのが好ましい。この範囲内であると硬化反応が緩慢に進行し、フィルムコンデンサ素子の空隙に樹脂組成物が均一に含浸充填される。
金型の温度としては90〜120℃が好ましい。90℃未満では硬化不足が生じる。一方、120℃より大きいとフィルムコンデンサ素子が熱により破損してしまう。下金型1と上金型2は、ステンレス鋼等の耐熱性及び耐食性を有する金属からなるものが好ましい。さらに成形型から取り出して必要に応じて後硬化させることが好ましく、例えば、100℃、2時間の条件下で行われる。
なお、上記の実施態様は図2に示したフィルムコンデンサ素子3を例示して説明したが、これは一例であり、フィルムコンデンサ素子としては、公知のフィルムコンデンサ素子であれば、特に限定せずに用いることができ、また、フィルムコンデンサ素子をコイル部品や抵抗器等の電気部品材料に替えて、他の電気部品を製造することもできる。
次に、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜3)
表1に示す液状樹脂、酸無水物硬化剤、表面処理剤、球状シリカ、セルロースパウダーを表1に示す組成となるように配合し、プラネタリーミキサーにより混合撹拌を行い脱泡して、樹脂組成物を調製した。
なお、ここで使用した原材料は、以下の通りであり、セルロースパウダーはいずれもアスペクト比が1〜25の範囲のものである。
液状エポキシ樹脂:三菱化学(株)製、jER 828(商品名)
酸無水物硬化剤:日立化成(株)製、HN−2000(商品名)
アミン硬化剤:三菱化学(株)製、jER W(商品名)
シランカップリング剤:信越化学(株)、KBM−403(商品名)
無機充填材:球状溶融シリカ、平均粒径18μm
硬化促進剤:トリフェニルホスフィン
粉砕セルロースパウダー1:日本製紙(株)製、KCフロック W−50(商品名;平均繊維長45μm)
粉砕セルロースパウダー2:日本製紙(株)製、KCフロック W−200(商品名;平均繊維長32μm)
粉砕セルロースパウダー3:日本製紙(株)製、KCフロック W−400(商品名;平均繊維長24μm)
粉砕セルロースパウダー4:日本製紙(株)製、NPファイバー W−06MG(商品名;平均繊維長6μm)
次いで、得られた樹脂組成物により、フィルムコンデンサ、コイルの各封止を行った。ここで用いたコイルは直径6mmのフェライト製ボビンにワイヤ径0.3mmの導線を50回巻いて得られたモデルコイルを用いた。一方、ここで用いたフィルムコンデンサ素子は、フィルムと電極箔を巻回して形成されたコンデンサであり、図2に示したように金属製の電極をその上下面から平行に、コンデンサ本体に対して逆方向に伸びるように突出しているものである。フィルムコンデンサ素子の封止は、液状樹脂を射出成型し、120℃で2時間、後硬化させてフィルムコンデンサを得た。
上記実施例及び比較例で得られた樹脂組成物、電気部品について、粘度、チキソトロピー指数、せん断接着強度、樹脂のタレ、接着性について、下記に示す方法で各種特性を評価し、その結果を表1に併せて示した。
Figure 2015134892
(1)粘度、チキソトロピー指数
粘弾性測定装置 ARES−G2(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用い、温度30℃、ずり速度0.1〜500s−1で粘度の測定を行った。また、ここで得られたずり速度0.1s−1と100s−1における各粘度から算出される粘度比(η0.1/η100)をチキソトロピー指数とした。
(2)せん断接着強度
φ4mm×5mmのアルミニウム製の円柱の端面に樹脂組成物を塗布し、この円柱をアルミニウム製の板30mm×20mmに接着させ、これを120℃、2時間加熱し樹脂組成物を硬化させテストピースを得た。このテストピースについて、西進商事(株)製のダイシェア強度測定装置を用いて25℃でせん断強度を測定し、せん断接着強度とした。
(3)樹脂のタレ
射出成型終了後の、金型と射出機を分離する際の射出機のノズルから漏れる樹脂の確認を目視にて行い、ノズルから樹脂が漏れている場合を有り、ノズルから樹脂が漏れていない場合を無し、として樹脂のタレの有無を判定した。
(4)接着性(界面はがれ)
得られた電気部品を透過X線検査と切断し目視にて、巻き線又はコンデンサ素子と樹脂組成物の界面の確認を行い、これを接着性として評価した。評価は、巻き線又は素子と樹脂の界面にはがれが確認されなかった場合は○、はがれが確認された場合は×とした。
上記の結果から、実施例1〜6では、比較例1と比較してチキソトロピー指数、せん断接着性が向上し、また成形物から界面の剥離が確認されず良好な結果が得られた。一方でアミン硬化剤を用いた比較例2,3では、接着性の改善が見られず、また、チキソトロピー指数の良化もなされず作業性が悪いままであった。このことから、酸無水物硬化系への粉砕セルロースパウダーの添加により、チキソトロピー指数の改良、基材への接着性の改善が可能であることがわかった。
1…下金型、2…上金型、3…フィルムコンデンサ素子、4…液状樹脂組成物、5…射出ノズル、11…フィルムコンデンサ、12…硬化物

Claims (4)

  1. (A)液状エポキシ樹脂と、(B)酸無水物硬化剤と、(C)セルロースパウダーと、(D)無機充填材と、を含有する液状樹脂組成物であって、
    前記(C)成分のセルロースパウダーが、平均繊維長が1μm以上100μm以下であって、かつ、その含有量が前記液状樹脂組成物中に0.1質量%〜10質量%であることを特徴とする液状樹脂組成物。
  2. ずり速度が0.1[s−1]における粘度η0.1と、ずり速度100[s−1]における粘度η100との比から求められるチキソトロピー指数(η0.1/η100)が、3〜15であることを特徴とする請求項1に記載の液状樹脂組成物。
  3. 電気部品材料が請求項1又は2に記載の液状樹脂組成物で封止されてなることを特徴とする電気部品。
  4. 電気部品材料を、請求項1又は2に記載の液状樹脂組成物を用いて射出成形により封止したことを特徴とする電気部品の製造方法。
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