JP2015131921A - コークス炉の火落ち判定方法及びコークス炉の火落ち判定装置 - Google Patents

コークス炉の火落ち判定方法及びコークス炉の火落ち判定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】炭化室において石炭の乾留が完了したことを、比較的簡単に、かつ、精度良く判定することが可能なコークス炉の火落ち判定方法及びコークス炉の火落ち判定装置を提供する。【解決手段】コークス炉において石炭の乾留が完了したことを判定するコークス炉の火落ち判定方法であって、前記コークス炉の炭化室から排出される乾留ガスをサンプリングして、この乾留ガスの密度を測定し、この密度がしきい値となった時点で石炭の乾留が完了したと判定することを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、炭化室に装入された石炭を高温乾留してコークスを製造するコークス炉において、炭化室内における石炭の乾留完了(火落ち)を判定するコークス炉の火落ち判定方法及びコークス炉の火落ち判定装置に関するものである。
前述のコークス炉としては、例えば特許文献1に示すように、複数の炭化室と燃焼室とが交互に配置された構造とされたものが提供されている。このコークス炉では、炭化室内に装入された石炭を高温で乾留することでコークスを製造する。そして、炭化室内のコークスは、コークス押出機によって外部へと押し出される。
ここで、炭化室においては、石炭に含まれる揮発成分が揮発することにより、乾留ガスが発生する。炭化室において発生した乾留ガスは、各炭化室の天井部に設けられた上昇管からベンド管を介して集合管であるドライメンへ排出される。
ところで、上述のコークス炉において、品質の良いコークスを効率的に製造するためには、石炭の乾留が完了したことを精度良く判定する必要がある。なお、石炭の乾留が完了することを「火落ち」と称している。
従来、石炭の乾留完了(火落ち)の判定は、上昇管の一部から乾留ガスを放出し、この乾留ガスの燃焼状態を目視することによって実施されていた。しかしながら、目視による判定は、作業者の熟練度によって判定結果が大きくばらつくことがあり、石炭の乾留完了(火落ち)を精度良く判定することができないおそれがあった。
そこで、例えば特許文献2−4に示すように、目視以外の手段によって火落ちを判定する方法が提案されている。
特許文献2には、炭化室の上昇管における乾留ガスの温度を測定し、この乾留ガスの温度と乾留開始からの経過時間との重回帰式を用いて、火落ち時間を判定する方法が提案されている。
特許文献3には、炭化室の上昇管とドライメンとを接続するベンド管における乾留ガス中の音速を測定し、この音速がしきい値を超えた時点を火落ちと判定する方法が提案されている。
特許文献4には、炭化室の上昇管頂部に設けた光検出装置によって、炭化室内のコークスの表層部と光検出装置との間に存在する気体(乾留ガス)の光学的な透明度を測定して火落ちを判定する方法が提案されている。
特開2009−249453号公報 特開平11−241071号公報 特開平11−124584号公報 特公昭60−041109号公報
ここで、特許文献2に記載された火落ち判定方法においては、コークス炉の老朽化や稼働率の変化により、重回帰式の火落ち判定と熟練の作業者による目視判定との相関をとる必要があり、火落ち判定を精度良く行うことができないおそれがあった。
また、特許文献3に記載された火落ち判定方法においては、乾留ガス中の音速を測定する手段として超音波発信装置および受信装置をベンド管に装着する必要があり、設置コストが増大するといった問題があった。また、熱負荷が大きく粉塵等が発生する環境下で超音波発信装置および受信装置を用いることから、これら超音波発信装置および受信装置を安定して動作させることが困難であり、安定して火落ちを判定することができないおそれがあった。
さらに、特許文献4に記載された火落ち判定方法においては、乾留ガス中の粉塵が透明度に大きく影響を与えるため、火落ち判定を精度良く行うことができないおそれがあった。また、熱負荷が大きく粉塵等が発生する環境下で光検出装置を用いることから、この光検出装置を安定して動作させることが困難であり、安定して火落ちを判定することができないおそれがあった。
本発明は、前述した状況に鑑みてなされたものであって、炭化室において石炭の乾留が完了したことを、比較的簡単に、かつ、精度良く判定することが可能なコークス炉の火落ち判定方法及びコークス炉の火落ち判定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るコークス炉の火落ち判定方法は、コークス炉において石炭の乾留が完了したことを判定するコークス炉の火落ち判定方法であって、前記コークス炉の炭化室から排出される乾留ガスをサンプリングして、この乾留ガスの密度を測定し、この密度がしきい値となった時点で石炭の乾留が完了したと判定することを特徴としている。
コークス炉においては、石炭の乾留が進行するにしたがい炭化室から排出される乾留ガスの組成が変化していく。具体的には、乾留の初期には炭化水素ガスの比率が高く、乾留が進行するにつれて炭化水素ガスの比率が減少して相対的に水素ガスの比率が高くなる。よって、乾留ガスの密度は、乾留が進行するにつれて低下していくことになる。
そこで、炭化室から排出される乾留ガスをサンプリングして密度を測定することにより、石炭の乾留の進行状況を把握することが可能となり、石炭の乾留が完了したこと(火落ち)を判定することができるのである。具体的には、石炭の乾留状態と乾留ガスの密度との関係を予め把握しておき、乾留ガスの密度が、所定のしきい値の範囲内となった時点で石炭の乾留が完了(火落ち)したと判定することになる。
ここで、本発明のコークス炉の火落ち判定方法においては、前記乾留ガスの密度が0.18kg/Nm以上0.31kg/Nm以下の範囲内となった時点で石炭の乾留が完了したと判定する構成としてもよい。
乾留ガスの密度が0.31kg/Nm以下となった時点で火落ちと判定することにより、炭化室において石炭の乾留を十分に進行させることができ、品質の良いコークスを得ることができる。また、炭化室からのコークスの押し出しを円滑に行うことができる。
一方、乾留ガスの密度が0.18kg/Nm以上で火落ちと判定することにより、コークス炉における消費熱量を削減することができるとともに、コークスの生産効率を向上させることができる。
また、本発明のコークス炉の火落ち判定方法においては、前記炭化室の上昇管は、ベンド管を介して集合管であるドライメンと接続され、前記ベンド管には、前記乾留ガスを前記ドライメン側へと吸引する流体噴射装置が設けられており、前記乾留ガスを、前記ベンド管からサンプリングする構成としてもよい。
上述のように、ベンド管には、炭化室からの乾留ガスをドライメン側へと回収するために、ベンド管内に向けて流体を噴射する流体噴射装置が設けられており、ベンド管内を流れる乾留ガスは流体噴射装置から噴射された流体によって冷却されることになる。よって、ベンド管から乾留ガスをサンプリングすることにより、比較的低温の乾留ガスをサンプリングすることができ、乾留ガスの密度測定を比較的容易に実施することができる。また、サンプリングされる乾留ガスの温度が安定し、密度の測定を精度良く実施することが可能となる。
さらに、本発明のコークス炉の火落ち判定方法においては、サンプリングした前記乾留ガスを液体に通過させることにより、前記乾留ガス中に含まれる粉塵を除去し、その後前記乾留ガスの密度を測定する構成としてもよい。
炭化室から排出される乾留ガスには、粉塵が多く含まれている。そこで、サンプリングした乾留ガスを液体に通過させることによって乾留ガス中の粉塵を除去し、その後に密度を測定することにより、乾留ガスの密度測定を安定して行うことができる。
本発明のコークス炉の火落ち判定装置は、コークス炉において石炭の乾留が完了したことを判定するコークス炉の火落ち判定装置であって、前記コークス炉の炭化室から排出される乾留ガスをサンプリングするサンプリング手段と、サンプリングした前記乾留ガスの密度を測定する密度測定手段と、を備えていることを特徴としている。
この構成のコークス炉の火落ち判定装置によれば、炭化室から排出される乾留ガスをサンプリングして密度を測定することにより、石炭の乾留状態を把握することができ、石炭の乾留が完了したこと(火落ち)を判定することができる。よって、目視以外の方法で精度良く火落ちの判定を行うことができ、作業者の熟練度に関わらず、コークス炉の操業を安定して実施することが可能となる。
ここで、本発明のコークス炉の火落ち判定装置においては、サンプリングした前記乾留ガス中に含まれる粉塵を除去する粉塵除去手段を備えていることが好ましい。
この場合、粉塵を除去した状態で乾留ガスの密度を測定することから、密度測定手段のメンテナンス作業を軽減することができる。また、乾留ガスの密度を安定して測定することができ、石炭の乾留が完了したこと(火落ち)を精度良く判定することができる。
上述のように、本発明によれば、炭化室において石炭の乾留が完了したことを、比較的簡単に、かつ、精度良く判定することが可能なコークス炉の火落ち判定方法及びコークス炉の火落ち判定装置を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態であるコークス炉の火落ち判定方法及びコークス炉の火落ち判定装置が適用されるコークス炉の概略説明図である。 図1に示すコークス炉における炭化室の断面説明図である。 図1に示すコークス炉に設けられた本発明の一実施形態であるコークス炉の火落ち判定装置の概略説明図である。 図3に示すコークス炉の火落ち判定装置の拡大説明図である。 本発明の一実施形態であるコークス炉の火落ち判定方法のフロー図である。 本発明の実施例における乾留ガス(COGガス)の密度の変化を示すグラフである。
以下に、本発明の一実施形態であるコークス炉の火落ち判定方法及びコークス炉の火落ち判定装置50について、添付した図面を参照して説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態であるコークス炉の火落ち判定方法及びコークス炉の火落ち判定装置50は、コークス炉1の炭化室10において石炭の乾留が完了したこと(火落ち)を判定するものである。
まず、本実施形態であるコークス炉の火落ち判定方法及びコークス炉の火落ち判定装置50が適用されるコークス炉1について、図1から図3を参照して説明する。
コークス炉1は、図1に示すように、並列された複数の炭化室10を備えており、隣接する2つの炭化室10の間には、図示しない燃焼室が配置されている。
炭化室10は、図1に示すように、上面視して、一方向(図1において左右方向)に延在しており、一端に上昇管11が配設され、他端にスタンドパイプ15が配設されている。また、上昇管11とスタンドパイプ15との間には、複数の装入孔16が形成されている。
並列された複数の炭化室10の上部には、レール19が炭化室10の並列方向に向けて延在するように配設されている。このレール19の上には、石炭装入車20が載置されている。石炭装入車20は、上述のレール19に沿って各炭化室10上に移動する構成とされている。
石炭装入車20には、炭化室10のスタンドパイプ15に接続されるジャンパパイプ22が設けられている。このジャンパパイプ22は、図1に示すように、石炭を装入する炭化室10(装入窯10a)と、装入窯10aに隣接する炭化室10(隣接窯10b)とを連結する構成とされている。
なお、炭化室10のスタンドパイプ15及び石炭装入車20のジャンパパイプ22を備えていないコークス炉においても、本発明は有効である。
図2に示すように、複数の炭化室10に設けられた上昇管11は、ベンド管30を介して、集合管であるドライメン40に接続されている。また、図1に示すように、各炭化室10と接続されたドライメン40には、オフテークメン42を介して、ガス処理施設(図示なし)に連結されたサクションメン45に接続されている。
ここで、図3に示すように、ベンド管30には、安水噴射装置32が配設されており、ベンド管30内に向けて安水を高圧で噴射した際のエジェクタ効果によって炭化室10内の乾留ガスがドライメン40に向けて吸引される構成とされている。
そして、図3に示すように、ベンド管30には、本実施形態であるコークス炉の火落ち判定装置50が接続されている。このコークス炉の火落ち判定装置50は、炭化室10内で発生する乾留ガスをサンプリングし、その密度を測定することによって、石炭の乾留完了(火落ち)を判定するものである。
本実施形態であるコークス炉の火落ち判定装置50は、図3及び図4に示すように、炭化室10から排出される乾留ガスを導入するサンプリング管51と、このサンプリング管51に対して不活性ガスを導入する不活性ガス導入部53と、サンプリングされた乾留ガス中に含まれる粉塵を除去する粉塵除去部60と、粉塵が除去された乾留ガスの密度を測定する密度測定部70と、測定された乾留ガスの密度から、石炭の乾留完了時(火落ち時)を判定する火落ち判定部55と、を備えている。
ここで、サンプリング管51は、図3に示すように、ベンド管30に接続されており、ベンド管30内を流れる乾留ガスをサンプリングする構成とされている。
不活性ガス導入部53は、サンプリング管51を介してベンド管30側に向けて不活性ガスを導入するように構成されており、サンプリング管51内に残存している乾留ガスをベンド管30側へと排出する際に使用される。すなわち、不活性ガス導入部53は、サンプリング管51の逆洗を行うものである。なお、本実施形態では不活性ガスとして窒素ガスを用いている。
粉塵除去部60は、図4に示すように、洗浄油が貯留された油槽61と、洗浄水が貯留された第1水槽63及び第2水槽65と、乾留ガス中の液体成分を排出するドレイン部67と、を備えている。
この粉塵除去部60においては、油槽61、第1水槽63及び第2水槽65に、サンプリングした乾留ガスを通過させることにより、乾留ガス中に含まれる粉塵を除去する。そして、ドレイン部67において、油槽61、第1水槽63及び第2水槽65を通過する際に乾留ガス中に含有された液体成分を排出する。
密度測定部70は、導入された乾留ガスの除湿を行う除湿機71と、通過する乾留ガス中の不純物を除去するフィルター73と、乾留ガス中の水分を吸水する吸水剤(例えば、シリカゲル等)を有する乾燥層75と、乾留ガスの密度を測定する密度測定器77と、を備えている。
この密度測定部70においては、除湿機71、フィルター73、乾燥層75を通過させることによって、乾留ガス中に残存している不純物及び水分を除去した後、乾留ガスが密度測定器77に導入され、乾留ガスの密度が測定される。
火落ち判定部55は、密度測定器77から測定データを受信し、乾留ガスの密度がしきい値の範囲内となったか否かを判断し、石炭の乾留完了(火落ち)の判定を行う。
なお、本実施形態では、図3に示すように、ベンド管30内の乾留ガスの温度を測定する温度測定部57が設けられている。
ここで、本実施形態においては、火落ち判定部55において、乾留ガスの密度が0.18kg/Nm以上0.31kg/Nm以下の範囲内となったときに、石炭の乾留が完了(火落ち)したと判定する構成としている。すなわち、乾留ガスの密度のしきい値を0.18kg/Nm以上0.31kg/Nm以下の範囲内としているのである。
乾留ガスの密度が0.31kg/Nmを超える場合には、石炭の乾留が不十分であって、低品質のコークスが製造されるおそれがある。また、炭化室10からコークスを安定して押し出すことができないおそれがある。一方、乾留ガスの密度が0.18kg/Nmを下回る場合には、熱エネルギーが過剰に消費されてしまうおそれがある。また、コークスの生産効率が低下することになる。
以上のことから、本実施形態においては、乾留ガスの密度のしきい値を0.18kg/Nm以上0.31kg/Nm以下の範囲内に設定している。ここで、石炭の乾留をさらに徹底するためには、乾留ガスの密度のしきい値を0.29kg/Nm以下とすることが好ましく、0.285kg/Nm以下とすることがさらに好ましい。一方、消費熱量をさらに削減するとともにコークスの製造効率をさらに向上させるためには、乾留ガスの密度のしきい値を0.20kg/Nm以上とすることが好ましく、0.205kg/Nm以上とすることがさらに好ましい。
次に、上述のような構成とされたコークス炉1の操業方法の一形態について説明する。
まず、コークス炉1の炭化室10(装入窯10a)に石炭を装入する。石炭装入車20を、装入窯10aの上にまで移動し、装入窯10a及び隣接窯10bのスタンドパイプ15の蓋を開放してジャンパパイプ22を接続するとともに、装入窯10aの各装入孔16の蓋を開放して、装入窯10aの内部に石炭を装入する。
石炭の装入が終了した後、炭化室10において石炭の乾留が実施される。このとき、石炭の揮発成分が揮発することにより乾留ガスが発生する。
炭化室10で発生した乾留ガスは、ベンド管30に設置された安水噴射装置32によるエジェクタ効果により、上昇管11からベンド管30を介してドライメン40へと移送される。なお、ベンド管30内を流れる乾留ガスは、安水噴射装置32から噴射された安水によって冷却される。
ここで、乾留ガスの組成は、石炭の乾留の進行にしたがって変化することになる。乾留の初期段階では揮発成分である炭化水素ガスの含有量が多く、乾留が進行すると炭化水素ガスが減少して水素ガスの比率が上昇する。これにより、乾留ガスの密度が徐々に低くなっているのである。
そこで、本実施形態であるにおいては、上述のように乾留ガスの密度を測定することで、石炭の乾留完了(火落ち)を判定する。
本実施形態であるコークス炉の火落ち判定方法について図5のフロー図を参照して説明する。
まず、ベンド管30に接続されたサンプリング管51より、ベンド管30内を流れる乾留ガスをサンプリングする(S01)。
乾留ガスをサンプリングした後、サンプリング管51内に残存した乾留ガスを不活性ガス導入部53によって除去し、サンプリング管51の逆洗を行う(S02)。
サンプリングされた乾留ガスは、粉塵除去部60に導入され、油槽61、第1水槽63及び第2水槽65を通過することによって乾留ガス中の粉塵が除去される(S03)。
その後、ドレイン部67において、油槽61、第1水槽63及び第2水槽65を通過した際に乾留ガスに含有された液体成分を排出する(S04)。
粉塵及び液体成分が除去された乾留ガスは、密度測定部70に導入される。密度測定部70では、まず、除湿機71によって乾留ガスの除湿が実施される(S05)。
次に、フィルター73を通過させることによって乾留ガス中に残存した不純物を除去する(S06)。
さらに、シリカゲル等の吸水剤を有する乾燥層75を通過させることにより、乾留ガス中に残存した水分を除去する(S07)。
そして、密度測定器77により、乾留ガスの密度を測定する(S08)。
密度測定器77の測定データは火落ち判定部55へと送信される。火落ち判定部55では、乾留ガスの密度がしきい値の範囲内(0.18kg/Nm以上0.31kg/Nm以下の範囲内)となっていた場合に、石炭の乾留完了(火落ち)と判定する(S09)。
このようにして、コークス炉1の炭化室10において石炭の乾留が完了(火落ち)したことを判定する。
炭化室10における石炭の乾留が完了したら、コークス押出機(図示無し)を用いて炭化室10内のコークスを外部へと押し出す。
本実施形態においては、以上のような工程によりコークスが製造される。
以上のような構成とされた本実施形態であるコークス炉の火落ち判定方法及びコークス炉の火落ち判定装置50においては、炭化室10から排出される乾留ガスをサンプリングして密度を測定し、この乾留ガスがしきい値の範囲内となった時点で石炭の乾留が完了(火落ち)したと判定する構成としているので、目視による判定を行うことなく、石炭の乾留完了(火落ち)を判定することが可能となる。よって、作業者によるばらつきがなく、石炭の乾留完了(火落ち)の判定を精度良く実施することができる。
また、本実施形態では、火落ち判定部55において、乾留ガスのしきい値を0.18kg/Nm以上0.31kg/Nm以下の範囲内としており、上述のしきい値の範囲になった時点で、石炭の乾留が完了(火落ち)したと判定する構成としているので、品質の良いコークスを得ることができる。また、コークス炉における消費熱量を削減することができるとともに、コークスの生産効率を向上させることができる。
また、本実施形態においては、サンプリング管51がベンド管30に接続されており、ベンド管30内を流れる乾留ガスをサンプリングする構成としているので、安水噴射装置32によって冷却された乾留ガスをサンプリングすることになり、乾留ガスの密度測定を比較的容易に実施することができる。また、サンプリングされる乾留ガスの温度が安定し、密度の測定を精度良く行うことが可能となる。
さらに、本実施形態においては、粉塵除去部60において乾留ガスを油槽61、第1水槽63及び第2水槽65に通過させる構成としているので、乾留ガス中の粉塵を除去でき、乾留ガスの密度測定を円滑に実施することができる。また、本実施形態では、乾留ガスを油槽61に通過させているので、油溶性の粉塵を効率的に除去することができる。また、乾留ガスを第1水槽63及び第2水槽65に通過させているので、水溶性の粉塵を効率的に除去することができる。
また、本実施形態においては、サンプリング管51の逆洗を実施する不活性ガス導入部53を備えており、サンプリング管51に残存した乾留ガスをベンド管30側へと排出する構成としているので、サンプリング時においてベンド管30内を流れる乾留ガスを確実にサンプリングすることができ、密度の経時変化を把握することが可能となり、石炭の乾留完了(火落ち)を精度良く判定することができる。
以上、本発明の実施形態であるコークス炉の火落ち判定方法及びコークス炉の火落ち判定装置について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、炭化室の配置や石炭装入車の構造等については、本実施形態に例示されたものに限定されることはない。
また、本実施形態では、粉塵除去部として油層、第1水槽及び第2水槽を備えたものとして説明したが、これに限定されることは無く、他の構成の粉塵除去手段を適用してもよい。
さらに、本実施形態では、ベンド管から乾留ガスをサンプリングする構成として説明したが、これに限定されることはなく、上昇管等から乾留ガスをサンプリングする構成としてもよい。
また、本実施形態では、不活性ガス導入部によってサンプリング管の逆洗を行うものとして説明したが、これに限定されることはなく、サンプリング管の逆洗を実施しなくてもよい。
さらに、本実施形態では、密度測定部として、除湿機、フィルター、乾燥層を備えたものとして説明したが、これに限定されることはなく、他の構成のものを採用してもよい。
また、本実施形態では、乾留ガスの密度のしきい値を0.18kg/Nm以上0.31kg/Nm以下の範囲内とするものとして説明したが、これに限定されることはなく、他のしきい値を適用してもよい。
以下に本発明の効果を確認すべく実施した確認実験の結果について説明する。
実施形態に例示したコークス炉、コークス炉の火落ち判定装置を用いて、石炭の乾留完了(火落ち)の判定を実施した。
炭化室への石炭の装入量を25.24t、石炭中の水分量を9.5質量%、隣接する燃焼室の温度を1135℃とし、石炭の乾留を実施した。
ベンド管から乾留ガスを適時サンプリングし、乾留ガスの密度を測定した。また、熟練の作業者による目視により石炭の乾留完了(火落ち)の判定を実施した。乾留ガスの密度の経時変化及び石炭の乾留完了(火落ち)の判定の状況を図6に示す。
石炭の乾留が進行するにしたがい、乾留ガスの密度が徐々に低下していくことが確認された。特に、乾留の後半では密度の低下が顕著であった。そして、熟練の作業者が目視によって石炭の乾留完了(火落ち)と判定した時点においては、乾留ガスの密度が0.234kg/Nmとされていた。
以上のことから、本発明のコークス炉の火落ち判定方法およびコークス炉の火落ち判定装置によれば、乾留ガスの密度を測定することにより、熟練の作業者による目視判定と同等の精度で石炭の乾留完了(火落ち)を判定可能であることが確認された。
1 コークス炉
10 炭化室
11 上昇管
30 ベンド管
32 安水噴射装置(流体噴射装置)
40 ドライメン
50 コークス炉の火落ち判定装置
51 サンプリング管(サンプリング手段)
60 粉塵除去部(粉塵除去手段)
70 密度測定部(密度測定手段)

Claims (6)

  1. コークス炉において石炭の乾留が完了したことを判定するコークス炉の火落ち判定方法であって、
    前記コークス炉の炭化室から排出される乾留ガスをサンプリングして、この乾留ガスの密度を測定し、この密度がしきい値となった時点で石炭の乾留が完了したと判定することを特徴とするコークス炉の火落ち判定方法。
  2. 前記乾留ガスの密度が0.18kg/Nm以上0.31kg/Nm以下の範囲内となった時点で石炭の乾留が完了したと判定することを特徴とする請求項1に記載のコークス炉の火落ち判定方法。
  3. 前記炭化室の上昇管は、ベンド管を介して集合管であるドライメンと接続され、前記ベンド管には、前記乾留ガスを前記ドライメン側へと吸引する流体噴射装置が設けられており、
    前記乾留ガスを、前記ベンド管からサンプリングすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコークス炉の火落ち判定方法。
  4. サンプリングした前記乾留ガスを液体に通過させることにより、前記乾留ガス中に含まれる粉塵を除去し、その後前記乾留ガスの密度を測定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコークス炉の火落ち判定方法。
  5. コークス炉において石炭の乾留が完了したことを判定するコークス炉の火落ち判定装置であって、
    前記コークス炉の炭化室から排出される乾留ガスをサンプリングするサンプリング手段と、サンプリングした前記乾留ガスの密度を測定する密度測定手段と、を備えていることを特徴とするコークス炉の火落ち判定装置。
  6. サンプリングした前記乾留ガス中に含まれる粉塵を除去する粉塵除去手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載のコークス炉の火落ち判定装置。
JP2014004927A 2014-01-15 2014-01-15 コークス炉の火落ち判定方法及びコークス炉の火落ち判定装置 Active JP6273848B2 (ja)

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