JP5655686B2 - コークス炉の操業方法、コークス炉の制御システム及びコークス炉 - Google Patents
コークス炉の操業方法、コークス炉の制御システム及びコークス炉 Download PDFInfo
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Description
炭化室には、石炭を装入するための複数の装入孔が設けられている。石炭の装入は、石炭装入車の装入スリーブを炭化室の装入孔に接続した状態で実施される。ここで、炭化室からは、装入された石炭に含まれる揮発成分が揮発することによって、コークス炉ガスが発生することになる。
ドライメンは、オフテークメンを介してサクションメンに接続されており、前述のコークス炉ガスは、オフテークメン及びサクションメンを介して、ガス処理施設へと移送される。
まず、石炭の装入(S´01)が終了した後に、装入孔から装入スリーブを取り外し、装入孔を閉止する(S´02)。このとき、一時的に開放された装入孔を通じて外気が炭化室(装入窯)内に混入する。これにより、図5に示すように、ドライメンへのガスの吸引量が大幅に増加(例えば、ベースに対して、約11000Nm3/h増加)することになる。なお、作業効率の観点から、複数の装入スリーブを一度に取り外す。
次に、ジャンパパイプを取り外すとともに接続口を閉止する(S´03)。このとき、一時的に開放された接続口を通じて外気が炭化室内に混入し、やはり、ドライメンへのガスの吸引量が増加(例えば、ベースに対して、約9000Nm3/h増加)することになる。ちなみに、上記ベースとは、石炭の装入や、装入スリーブ等の取り外し作業が行われていない際の発生ガス量を意味している。
その後、安水噴射装置からの安水の噴射を停止する(S´04)。これにより、ドライメンへのガスの吸引量が大きく低減される。
このように、装入スリーブ及びジャンパパイプを取り外した後、石炭装入車が、次の石炭室(装入窯)へと移動される。
さらに、装入スリーブを取り外す際には、炭化室(装入窯及び隣接窯)から大量のガスがドライメン側へと吸引されるため、上述した制御ダンパの制御範囲を超えてしまい、ドライメンや炭化室の内部圧力を調整することができなくなるといった問題があった。
このように、ドライメンへのガス吸引量が低減されていることから、ドライメンの圧力制御を安定して行うことができる。
炭化室10は、図1に示すように、上面視して、一方向(図1において左右方向)に延在しており、一端に上昇管11が配設され、他端にスタンドパイプ15が配設されている。また、上昇管11とスタンドパイプ15との間には、複数の装入孔16が形成されている。本実施形態では、5つの装入孔16(16a,16b,16c、16d,16e)が形成されている。
オフテークメン32には、ドライメン30側の内部圧力及び温度を測定するセンサ33と、オフテークメン32の開度を調整する制御ダンパ34と、が配設されている。ここで、制御ダンパ34は、センサ33によって測定された圧力値が一定となるように、オフテークメン32の制御ダンパ34の開度を調整する構成とされている。
石炭装入車20は、炭化室10のスタンドパイプ15に接続されるジャンパパイプ22を備えている。このジャンパパイプ22は、図1に示すように、石炭を装入する炭化室10(以下、装入窯10a)と、装入窯10aに隣接する炭化室10(以下、隣接窯10b)とを連結する構成とされている。
なお、図3に示すように、石炭の装入を行わない炭化室10(隣接窯10b)においては、装入孔16が蓋17によって閉止されている。
また、石炭装入車20には、装入スリーブ21及びジャンパパイプ22の動作を制御する制御部25が設けられている。
まず、装入窯10aに石炭を装入する(石炭装入工程S01)。石炭の乾留時間を短縮してコークスの生産効率を向上させるために、コークス炉へ装入する石炭の温度を100℃以上、好ましくは150℃以上、さらに好ましくは250℃以上とすることがある。但し、石炭の温度が高すぎると石炭が溶融するため、上限は300℃以下とすることが好ましい。この石炭装入工程S01においては、石炭装入車20を、装入窯10aの上にまで移動する。そして、装入窯10a及び隣接窯10bのスタンドパイプ15の蓋を開放し、ジャンパパイプ22を接続する。また、装入窯10aの各装入孔16の蓋17を開放し、それぞれの装入孔16(16a,16b,16c、16d,16e)に装入スリーブ21(21a,21b,21c、21d,21e)を接続する。
これにより、装入窯10aで発生するコークス炉ガスは、装入窯10a及び隣接窯10bを介してドライメン30へと吸引される。吸引されたコークス炉ガスは、オフテークメン32を介してサクションメン35へと排出される。このとき、センサ33によって測定される圧力が設定値となるように、オフテークメン32の制御ダンパ34の開度が調整される。
その後、隣接窯10bの安水噴射装置13を停止する(S03)。これにより、隣接窯10bからドライメン30へのガスの吸引量が低減する。
そして、まず、上昇管11から最も離れた第1装入孔16aに装着されている第1装入スリーブ21aを取り外し、第1装入孔16aを蓋17で閉止する(S011)。このとき、図4に示すように、第1装入孔16aが開放されている間は、外気が装入窯10a内に混入することからガスの吸引量が一時的に増加(例えば、ベースに対して、約6000Nm3/h増加)する。
そして、装入窯10aの安水噴射装置13を停止(S05)し、装入窯10aからのガスの吸引を抑える。
このように、ドライメン30へのガスの吸引量が低減されていることから、ドライメン30の圧力のピーク値を低減できるため、ドライメン30の圧力制御を安定して行うことができる。
例えば、装入孔が5つ設けられた炭化室を例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、装入孔の数はいくつあってもよい。
また、石炭装入車の構造は、本実施形態で例示したものに限定されることはない。
また、本実施形態では、上昇管から最も離れた装入孔16aに装着された装入スリーブ21aから順に装入スリーブ21の取り外しを行うものとして説明したが、装入スリーブを取り外す順序に特に限定はない。
10 炭化室
11 上昇管
13 安水噴射装置
15 スタンドパイプ(接続口)
16 装入孔
17 蓋
20 石炭装入車
21 装入スリーブ
22 ジャンパパイプ
25 制御部
30 ドライメン
32 オフテークメン
34 制御ダンパ
Claims (3)
- 並列する複数の炭化室と、これら複数の炭化室に接続されたドライメンと、炭化室に石炭を装入する石炭装入車と、石炭を装入する炭化室である装入窯とこの装入窯に隣接する炭化室である隣接窯とを連結するジャンパパイプと、を有するコークス炉の操業方法であって、
前記炭化室には、複数の装入孔と、前記ジャンパパイプに接続される接続口と、が設けられ、
前記石炭装入車には、前記装入窯のそれぞれの装入孔に接続される複数の装入スリーブが設けられており、
前記ジャンパパイプを前記装入窯及び前記隣接窯の接続口に接続するとともに、前記装入窯の前記装入孔に前記装入スリーブを装着した状態で前記石炭の装入を実施する石炭装入工程と、
この石炭装入工程の後に、前記ジャンパパイプを取り外して前記装入窯及び前記隣接窯の前記接続口を閉止するジャンパパイプ取り外し工程と、
前記ジャンパパイプ取り外し工程の後に、前記装入孔から前記装入スリーブを取り外し、前記装入孔を閉止する装入スリーブ取り外し工程と、を有し、
この装入スリーブ取り外し工程では、複数の装入スリーブを2以上のグループに分割し、一のグループの装入スリーブを前記装入孔から取り外して当該装入孔を閉止した後に、他のグループの装入スリーブを前記装入孔から取り外して当該装入孔を閉止し、分割したグループ毎に、順次、前記装入スリーブの取り外しを実施することを特徴とするコークス炉の操業方法。 - 並列する複数の炭化室と、これら複数の炭化室に接続されたドライメンと、炭化室に石炭を装入する石炭装入車と、石炭を装入する炭化室である装入窯とこの装入窯に隣接する炭化室である隣接窯とを連結するジャンパパイプと、を有するコークス炉の制御システムであって、
前記炭化室には、複数の装入孔と、前記ジャンパパイプに接続される接続口と、が設けられ、
前記石炭装入車には、前記装入窯のそれぞれの装入孔に接続される複数の装入スリーブが設けられており、
前記装入窯への石炭装入作業の終了後、前記ジャンパパイプの取り外し及び前記接続口が閉止されたことを確認し、
その後、複数の装入スリーブを2以上のグループに分割し、一のグループの装入スリーブを前記装入孔から取り外して当該装入孔が閉止されたことを確認した後に、他のグループの装入スリーブの取り外し動作を開始し、分割したグループ毎に、順次、前記装入スリーブの取り外しを行うように、前記装入スリーブの動作を制御することを特徴とするコークス炉の制御システム。 - 並列する複数の炭化室と、これら複数の炭化室に接続されたドライメンと、炭化室に石炭を装入する石炭装入車と、石炭を装入する炭化室である装入窯とこの装入窯に隣接する炭化室である隣接窯とを連結するジャンパパイプと、を有するコークス炉であって、
前記炭化室には、複数の装入孔と、前記ジャンパパイプに接続される接続口と、が設けられ、
前記石炭装入車には、前記装入窯のそれぞれの装入孔に接続される複数の装入スリーブと、前記装入スリーブの動作を制御する制御部と、が設けられており、
前記制御部は、前記装入窯への石炭装入作業の終了後、前記ジャンパパイプの取り外し及び前記接続口が閉止されたことを確認し、その後、複数の装入スリーブを2以上のグループに分割し、一のグループの装入スリーブを前記装入孔から取り外して当該装入孔が閉止されたことを確認した後に、他のグループの装入スリーブの取り外し動作を開始し、分割したグループ毎に、順次、前記装入スリーブの取り外しを行うように、前記装入スリーブの動作を制御することを特徴とするコークス炉。
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