JP2015128914A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気走行モードでの後退発進時に、時間遅れの発生なしに無段変速機をロー側へ変速させて、後退時のハイ発進を防止する。【解決手段】後退走行レンジへのセレクト操作が検知された時、電動モータを後退方向逆転駆動状態として車両を後退させ、後退走行中にエンジンを始動させて無段変速機を変速可能状態とし、副変速機の断接要素を解放して無段変速機の変速比を後退発進用の所定変速比に変速し、変速完了後に断接要素を締結させる。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンおよび電動モータを動力源として搭載され、電動モータのみによる電気走行モード(EVモード)と、電動モータおよびエンジンによるハイブリッド走行モード(HEVモード)とを選択可能なハイブリッド車両の制御装置に関し、特に後退走行レンジへのセレクト操作時にエンジン駆動系の無段変速機が最ロー変速比よりもハイ側の変速比となっている所謂後退ハイ発進時の駆動力不足を改善する技術に関するものである。
ハイブリッド車両としては従来、例えば特許文献1に記載のようなものが知られている。
このハイブリッド車両は、一方の動力源であるエンジンの出力を無段変速機による無段変速下にクラッチを介して適宜車輪に伝達可能となるようこれらエンジンおよび車輪間を駆動結合し、他方の動力源である電動モータを当該車輪に常時駆動結合した型式のものである。
かかるハイブリッド車両は、エンジンを停止すると共に上記クラッチを解放することで電動モータのみにより車輪を駆動・回生制動するEVモードでの電気走行(EV走行)が可能である一方、エンジンを始動させると共に上記クラッチを締結することで電動モータおよびエンジンにより車輪を駆動するHEVモードでのハイブリッド走行(HEV走行)が可能である。
なお、上記無段変速機およびクラッチの変速制御および断接制御に当たっては、エンジンにより駆動される機動ポンプからの作動媒体を用いて当該無段変速機の変速制御およびクラッチの断接制御を行う。
特開2000−199442号公報
上記ハイブリッド車両の場合、EVモードではエンジンが停止されているため、エンジン駆動される機動ポンプも停止して、作動媒体を吐出しないことから、無段変速機の変速制御およびクラッチの断接制御が不能である。
よって、EVモードでの停車中に無段変速機を例えば前進自動変速(D)レンジから後退走行(R)レンジへD→Rセレクト操作するなど、Rレンジにセレクト操作した場合、車両の後退走行用にエンジンを始動し、これにより駆動される機動ポンプからの作動媒体でクラッチを締結する。
しかして当該クラッチの締結は、無段変速機出力軸の回転を停車中故に0に拘束して、無段変速機内を回転不能にするため、無段変速機は変速不能であって、無段変速機はEVモードへの移行時における変速比に保持される。
ところでEVモードへの移行時に無段変速機が後退走行レンジ用の最ロー変速比に戻る保証はない。
例えば、HEVモードでの前進走行中に急制動を行った場合、要求駆動力がHEV走行域の正トルクからEV回生域の負トルクに切り替わるが、HEV走行域からEV回生域への移行時に無段変速機のダウンシフトが間に合わず、無段変速機が後退走行レンジ用の最ロー変速比に戻る前にエンジンが停止すると共にクラッチが解放されて、無段変速機が変速不能なEVモードとなり、無段変速機が最ロー変速比よりもハイ側の、EV回生域移行時(EVモード移行時)における変速比に保持されたまま停車に至る。
かかるEVモードの停車状態で後退走行用に無段変速機をRレンジにセレクト操作(例えばD→Rセレクト操作)した場合、従来は後退走行用のエンジン始動を行い、エンジン駆動される機動ポンプからの作動媒体でクラッチを締結するだけであるため、無段変速機が後退走行レンジ用最ロー変速比よりもハイ側の変速比のままで後退発進するのを余儀なくされる。
この後退ハイ発進時は、発進用アクセル操作を行っても最ロー変速比で得られるべき規定のトルクを車輪に向かわせることができず、駆動力不足を運転者に感じさせるという問題を生ずる。
なお、当該不足した駆動力での発進により車両が走行を開始すると、無段変速機の内部が回転するため、機動ポンプからの作動媒体による無段変速機の変速が可能となって無段変速機は後退走行レンジ用最ロー変速比に向けダウンシフトされるものの、このダウンシフトが完了するまでの間は上記の駆動力不足が続いて、後発進応答が悪くなるという問題をも生ずる。
加えて上記の後退ハイ発進は車両の登坂路後発進時に、ハイ側変速比故の駆動力不足によって当該登坂路後発進を不能にし、この発進不能により無段変速機は回転不能に陥って最ロー変速比へダウンシフトし得なくなり、結果的に車両が後発進不能のままになるという問題をも生ずる。
本発明は、上記のクラッチ(断接要素)を解放状態にしておけば、エンジンの始動により無段変速機内が回転されることから、無段変速機を後発進困難な、または後発進不能なハイ側変速比からダウンシフトさせ得るとの観点から、この着想を具体化して上記した後発進駆動力不足の問題や、後発進応答の悪化に関する問題を解消可能にすることを主旨とするが、この場合、ハイ側変速比からのダウンシフトが完了するまでの間、後退発進することができず、停車状態で待機するしかなくて、後退発進遅れ時間の発生による運転性の悪化が新たな問題となるため、当該新たな問題を生ずることなく上記した後発進駆動力不足の問題や、後発進応答の悪化に関する問題を解消し得るよにしたハイブリッド車両の制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明によるハイブリッド車両の制御装置は、これを以下のごとくに構成する。
先ず本発明の前提となるハイブリッド車両を説明するに、これは、
運転者のアクセル操作に応動する動力源としてエンジンのほかに電動モータを具え、前記エンジンにより駆動される機動ポンプからの作動媒体で制御される断接要素を介して、前記エンジンおよび無段変速機より成るエンジン駆動系が車輪に切り離し可能に駆動結合され、該断接要素を解放すると共に前記エンジンを停止させることで前記電動モータのみにより前記車輪を駆動する電気走行が可能であるほか、前記エンジンを始動させると共に前記断接要素を締結することで前記電動モータおよびエンジンにより前記車輪を駆動するハイブリッド走行が可能な車両である。
本発明は、かかるハイブリッド車両に対し以下のような後退セレクト検知手段と、電動モータ逆転駆動手段と、エンジン始動手段と、変速手段と、断接要素締結手段とを設けた構成に特徴づけられる。
後退セレクト検知手段は、前記電気走行モードでの停車中に前記無段変速機が後退走行レンジにセレクト操作されたのを検知するものである。
電動モータ逆転駆動手段は、後退セレクト検知手段により後退走行レンジへのセレクト操作が検知された後、後退発進の意志を表す操作が行われるとき、前記電動モータをアクセル操作に応じた後退方向逆転駆動状態となして車両を後退走行させるものである。
エンジン始動手段は、電動モータ逆転駆動手段による電動モータの後退方向逆転駆動での後退走行中、前記エンジンの始動により前記無段変速機を変速可能状態となすものである。
そして変速手段は、該変速可能状態の無段変速機を後退発進用の所定変速比に変速させるものであり、また、断接要素締結手段は、該変速の完了後に前記断接要素を締結させるものである。
本発明によるハイブリッド車両の制御装置においては、
電気走行モードでの停車中に無段変速機が後退走行レンジにセレクト操作され、その後に後退発進の意志を表す操作が行われた時、電動モータをアクセル操作に応じた後退方向逆転駆動状態となして車両を後退走行させ、この後退走行中にエンジン始動により無段変速機内を回転させて無段変速機を変速可能状態となし、無段変速機を後退発進用の所定変速比に変速させ、その後に断接要素を締結させるため、以下の効果が奏し得られる。
先ず断接要素の締結による車両の後発進時は無段変速機が後退発進用の所定変速比に変速されていることとなり、これよりもハイ側変速比で車両の後発進が行われることがないことによって、駆動力不足を運転者に感じさせるという問題や、後発進応答が悪いという問題を回避することができる。
しかも、後退走行レンジへのセレクト操作後に後退発進の意志を表す操作が行われた時、先ず電動モータをアクセル操作に応じた後退方向逆転駆動状態にして車両を後退走行させ、この後退走行中に無段変速機を上記後退発進用の所定変速比に向け変速させるため、当該変速の終了まで後退発進を待つ必要がなく、後退発進の意志を表す操作が行われたら直ちに後退発進を開始させることができ、後退発進遅れ時間の発生を皆無となし得てこれによる運転性の悪化に関した問題も生ずることがない。
本発明の一実施例になる制御装置を具えたハイブリッド車両の駆動系に係わる全体制御システムを示す概略系統図である。 図1におけるハイブリッド車両の駆動系を成すVベルト式無段変速機を示し、 (a)は、当該Vベルト式無段変速機の構成およびその全体制御システムを示す概略システム図、 (b)は、当該Vベルト式無段変速機に内蔵された副変速機の変速摩擦要素(断接要素)の締結論理図である。 図1,2におけるハイブリッドコントローラが実行する後退ハイ発進防止制御プログラムを示すフローチャートである。 図1におけるハイブリッド車両の走行モード領域線図である。 図3の後退ハイ発進防止制御に際し、目標エンジントルクを設定する要領を説明するための説明図である。 図5の要領で目標エンジントルクを設定した場合における、エンジン運転点の遷移状況を説明するためのエンジン性能線図である。 図3の制御プログラムによる後退ハイ発進防止制御の動作タイムチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<実施例の構成>
図1は、本発明の一実施例になる制御装置を具えたハイブリッド車両の駆動系に係わる全体制御システムを示す概略系統図である。
ハイブリッド車両は、エンジン1および電動モータ2を動力源として搭載され、エンジン1は、スタータモータ3により始動する。
エンジン1は、Vベルト式無段変速機4を介して駆動車輪5に適宜切り離し可能に駆動結合し、Vベルト式無段変速機4は、概略を以下に説明するようなものとする。
このVベルト式無段変速機4は、プライマリプーリ6と、セカンダリプーリ7と、これらプーリ6,7間に掛け渡したVベルト8とからなる無段変速機構CVTを主たる構成要素とする。
プライマリプーリ6はトルクコンバータT/Cを介してエンジン1のクランクシャフトに結合し、セカンダリプーリ7は副変速機31およびファイナルギヤ組9を順次介して駆動車輪5に結合する。
副変速機31は、図2に基づき後述する構成になり、セカンダリプーリ7の回転をファイナルギヤ組9に伝達しない中立状態と、セカンダリプーリ7の回転を回転方向不変のまま減速下にファイナルギヤ組9へ伝達する前進第1速選択(減速)状態と、セカンダリプーリ7の回転をそのままファイナルギヤ組9へ伝達する前進第2速選択(直結)状態と、セカンダリプーリ7の回転を回転方向逆転下および減速下にファイナルギヤ組9へ伝達する後退変速段選択(逆転)状態との間で状態切り替えされるものとする。
かくして副変速機31の前進第1速選択(減速)状態、または前進第2速選択(直結)状態、或いは後退変速段選択(逆転)状態で、エンジン1からの動力はトルクコンバータT/Cを経てプライマリプーリ6へ入力され、その後Vベルト8、副変速機31およびファイナルギヤ組9を順次経て駆動車輪5に達し、ハイブリッド車両の走行に供される。
かかるエンジン動力伝達中、プライマリプーリ6のプーリV溝幅を小さくしつつ、セカンダリプーリ7のプーリV溝幅を大きくすることで、Vベルト8がプライマリプーリ6との巻き掛け円弧径を大きくされると同時にセカンダリプーリ7との巻き掛け円弧径を小さくされ、Vベルト式無段変速機4はハイ側プーリ比へのアップシフトを行う。
逆にプライマリプーリ6のプーリV溝幅を大きくしつつ、セカンダリプーリ7のプーリV溝幅を小さくすることで、Vベルト8がプライマリプーリ6との巻き掛け円弧径を小さくされると同時にセカンダリプーリ7との巻き掛け円弧径を大きくされ、Vベルト式無段変速機4はロー側プーリ比へのダウンシフトを行う。
電動モータ2はファイナルギヤ組11を介して駆動車輪5に常時結合し、この電動モータ2は、バッテリ12の電力によりインバータ13を介して駆動する。
インバータ13は、バッテリ12の直流電力を交流電力に変換して電動モータ2へ供給すると共に電動モータ2への供給電力を加減して、電動モータ2を駆動力制御および回転方向制御する。
なお電動モータ2は、上記のモータ駆動のほかに発電機としても機能し、回生制動の用にも供する。
この回生制動時はインバータ13が、電動モータ2に回生制動力分の発電負荷をかけてこれを発電機として作用させ、電動モータ2の発電電力をバッテリ12に蓄電する。
ところで本実施例における電動モータ2は、その冷却をコスト低減のため水冷式とせず、電動モータ2自身で駆動するファンからの空気により冷却する空冷式モータとするため、そしてファンが電動モータ2の前進走行用正転駆動時にモータ冷却風を発生する向きの傾斜羽根であることから、電動モータ2は、主として車両前進方向に対応する正転駆動のために用い、車両後退方向に対応する逆転駆動に際しては、上記ファンからのモータ冷却風が不足して短時間のうちにモータ過熱状態に至ることから、規定時間しか継続使用しないものとする。
図1につき上記した駆動系を具えるハイブリッド車両は、副変速機31を動力伝達不能な中立状態とし、エンジン1を停止させた状態で、電動モータ2を駆動すると、電動モータ2の駆動力のみがファイナルギヤ組11を経て駆動車輪5に達し、ハイブリッド車両は電動モータ2のみによる電気走行(EV走行)を行うことができる。
この間、副変速機31を中立状態にしていることで、停止状態のエンジン1と無段変速機構CVTとを連れ回すことがなく、EV走行中の電力消費を抑制することができる。
上記のEV走行状態においてエンジン1をスタータモータ3により始動させると共に、副変速機31を前進第1速選択(減速)状態または前進第2速選択(直結)状態、或いは後退変速段選択(逆転)状態にすると、エンジン1からの動力がトルクコンバータT/C、プライマリプーリ6、Vベルト8、セカンダリプーリ7、副変速機31およびファイナルギヤ組9を順次経て駆動車輪5に正回転状態または逆回転状態で達するようになり、ハイブリッド車両はエンジン1および電動モータ2による前進方向または後退走行のハイブリッド走行(HEV走行)を行うことができる。
ハイブリッド車両を上記の走行状態から停車させたり、この停車状態に保つに際しては、駆動車輪5と共に回転するブレーキディスク14をキャリパ15により挟圧して制動することで目的を達する。
キャリパ15は、運転者が踏み込むブレーキペダル16の踏力に応動して負圧式ブレーキブースタ17による倍力下でブレーキペダル踏力対応のブレーキ液圧を出力するマスターシリンダ18に接続し、このブレーキ液圧でキャリパ15を作動させてブレーキディスク14の制動を行う。
なお上記のブレーキ液圧は、アンチスキッド制御時に、制動力が過大にならないよう、適宜に減圧される。
ハイブリッド車両はEVモードおよびHEVモードのいずれにおいても、運転者がブレーキペダル16を踏み込んで指令する制動力指令またはアクセルペダル19を踏み込んで指令する駆動力指令に応じた制駆動トルクで車輪5を制駆動され、運転者の要求に応じた制駆動力をもって走行される。
ハイブリッド車両の走行モード選択と、エンジン1の出力制御と、電動モータ2の出力制御と、無段変速機4の変速制御および副変速機31の状態切り替え制御と、バッテリ12の充放電制御はそれぞれ、ハイブリッドコントローラ21が、対応するエンジンコントローラ22、モータコントローラ23、変速機コントローラ24、およびバッテリコントローラ25を介して当該制御を遂行する。
そのためハイブリッドコントローラ21には、ブレーキペダル16を踏み込む制動時にその踏力Fbrを検出するブレーキペダル踏力センサ26からの信号と、アクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)APOを検出するアクセル開度センサ27からの信号と、無段変速機4のシフトレバー28が駐車(P)レンジ、後退走行(R)レンジ、中立(N)レンジ、前進走行(D)レンジのどの位置に操作されているのかを検出する選択レンジセンサ29からの信号と、路面勾配θを検出する勾配センサ30からの信号とを入力する。
ハイブリッドコントローラ21は更に、エンジンコントローラ22、モータコントローラ23、変速機コントローラ24、およびバッテリコントローラ25との間で、内部情報のやり取りを行って、本発明が狙いとする後述の後退ハイ発進防止制御に資する。
エンジンコントローラ22は、ハイブリッドコントローラ21からの指令に応答して、エンジン1を出力制御し、
モータコントローラ23は、ハイブリッドコントローラ21からの指令に応答してインバータ13を介し電動モータ2の出力制御を行う。
変速機コントローラ24は、ハイブリッドコントローラ21からの指令に応答し、エンジン駆動されるオイルポンプO/P(機動ポンプ)からのオイルを媒体として、無段変速機4(Vベルト式無段変速機構CVT)の変速制御および副変速機31の状態切り替え制御を行う。
バッテリコントローラ25は、ハイブリッドコントローラ21からの指令に応答し、バッテリ12の充放電制御を行う。
以下、図1に示すごとくVベルト式無段変速機構CVT(セカンダリプーリ7)と駆動車輪5との間を切り離し可能に結合するため無段変速機4に設けた副変速機31を、図2(a),(b)に基づき詳述する。
副変速機31は図2(a)に示すように、複合サンギヤ31s-1および31s-2と、インナピニオン31pinと、アウタピニオン31poutと、リングギヤ31rと、ピニオン31pin, 31poutを回転自在に支持したキャリア31cとからなるラビニョオ型プラネタリギヤセットで構成する。
複合サンギヤ31s-1および31s-2のうち、サンギヤ31s-1は入力回転メンバとして作用するようセカンダリプーリ7に結合し、サンギヤ31s-2はセカンダリプーリ7に対し同軸に配置するが自由に回転し得るように配置する。
サンギヤ31s-1にインナピニオン31pinを噛合させ、このインナピニオン31pinおよびサンギヤ31s-2をそれぞれアウタピニオン31poutに噛合させる。
アウタピニオン31poutはリングギヤ31rの内周に噛合させ、キャリア31cを出力回転メンバとして作用するようファイナルギヤ組9に結合する。
キャリア31cとリングギヤ31rとをハイクラッチH/C(断接要素)により適宜結合可能となし、リングギヤ31rをリバースブレーキR/B(断接要素)により適宜固定可能となし、サンギヤ31s-2をローブレーキL/B(断接要素)により適宜固定可能となす。
副変速機31は、変速摩擦要素であるこれらハイクラッチH/C、リバースブレーキR/BおよびローブレーキL/Bを、図2(b)に○印により示す組み合わせで締結させ、それ以外を図2(b)に×印で示すように解放させることにより、前進第1速選択(減速正回転出力)状態、前進第2速選択(直結正回転出力)状態、後退変速段選択(減速逆回転出力)状態にすることができる。
ハイクラッチH/C、リバースブレーキR/BおよびローブレーキL/Bを全て解放すると、副変速機31は動力伝達を行わない中立状態であり、
この状態でローブレーキL/Bを締結すると、副変速機31は前進第1速選択(減速正回転出力)状態となり、
ハイクラッチH/Cを締結すると、副変速機31は前進第2速選択(直結正回転出力)状態となり、
リバースブレーキR/Bを締結すると、副変速機31は後退変速段選択(減速逆回転出力)状態となる。
図2の無段変速機4は、全ての変速摩擦要素H/C, R/B, L/Bを解放して副変速機31を中立状態にすることで、Vベルト式無段変速機構CVT(セカンダリプーリ7)と駆動車輪5との間を切り離すことができ、これら変速摩擦要素H/C, R/B, L/Bのいずれか1つを締結して副変速機31を対応する動力伝達状態にすることができる。
従って、図2(a)の無段変速機4内における副変速機31の変速摩擦要素H/C, R/B, L/Bが本発明における断接要素に相当し、これら変速摩擦要素H/C, R/B, L/Bのいずれか1つを適宜締結することにより、Vベルト式無段変速機構CVT(セカンダリプーリ7)と駆動車輪5との間を切り離し可能に結合することができる。
図2(a)に示すように無段変速機4は、エンジン駆動されるオイルポンプO/P(機動ポンプ)からのオイルを作動媒体とし、変速機コントローラ24がライン圧ソレノイド35、ロックアップソレノイド36、プライマリプーリ圧ソレノイド37、ローブレーキ圧ソレノイド38、ハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧ソレノイド39およびスイッチバルブ41を介して、以下のように制御する。
なお変速機コントローラ24には、図1につき前述した信号に加えて、車速VSPを検出する車速センサ32からの信号、および車両加減速度Gを検出する加速度センサ33からの信号を入力する。
ライン圧ソレノイド35は、変速機コントローラ24からの指令に応動し、オイルポンプO/Pからのオイルを車両要求駆動力対応のライン圧PLに調圧し、このライン圧PLを常時セカンダリプーリ7へセカンダリプーリ圧として供給することにより、セカンダリプーリ7がライン圧PLに応じた推力でVベルト8を挟圧するようになす。
ロックアップソレノイド36は、変速機コントローラ24からのロックアップ指令に応動し、ライン圧PLを適宜トルクコンバータT/Cに向かわせることで、トルクコンバータT/Cを適宜入出力要素間が直結されたロックアップ状態にする。
プライマリプーリ圧ソレノイド37は、変速機コントローラ24からのCVT変速比指令に応動してライン圧PLをプライマリプーリ圧に調圧し、これをプライマリプーリ6へ供給することにより、プライマリプーリ6のV溝幅と、ライン圧PLを供給されているセカンダリプーリ7のV溝幅とを、CVT変速比が変速機コントローラ24からの指令に一致するよう制御して変速機コントローラ24からのCVT変速比指令を実現する。
ローブレーキ圧ソレノイド38は、変速機コントローラ24が副変速機31の第1速選択指令を発しているとき、ライン圧PLをローブレーキ圧としてローブレーキL/Bに供給することによりこれを締結させ、第1速選択指令を実現する。
ハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧ソレノイド39は、変速機コントローラ24が副変速機31の第2速選択指令または後退選択指令を発しているとき、ライン圧PLをハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧としてスイッチバルブ41に供給する。
第2速選択指令時はスイッチバルブ41が、ソレノイド39からのライン圧PLをハイクラッチ圧としてハイクラッチH/Cに向かわせ、これを締結することで副変速機31の第2速選択指令を実現する。
後退選択指令時はスイッチバルブ41が、ソレノイド39からのライン圧PLをリバースブレーキ圧としてリバースブレーキR/Bに向かわせ、これを締結することで副変速機31の後退選択指令を実現する。
<Rレンジ(後退)ハイ発進防止制御>
上記ハイブリッド車両を、EVモード(エンジン1を停止し、副変速機31を中立状態にしたモード)で、Rレンジへのセレクト操作により後退発進させるとき、無段変速機4(無段変速機構CVT)が後退時に本来選択されるべき最ロー変速比でない場合(所謂後退ハイ発進時)における駆動力不足および後退応答遅れの問題を解消するため、図1,2のハイブリッドコントローラ21は図3に示す後退ハイ発進防止制御を遂行する。
図3に示す後退ハイ発進防止制御を説明する前に、先ず後退ハイ発進状態が発生するシーンの一例を図4に基づき説明する。
図4は、横軸に車速VSP、縦軸に車両の駆動力を目盛ったハイブリッド車両の運転モード領域線図で、第1座標には、比較的低車速および低駆動力域にEV走行域(EVモードによる前進駆動走行域)が、また比較的高車速および大駆動力域にHEV走行域(HEVモードによる前進駆動走行域)が存在する。
また第3座標は、後退方向への駆動走行域(後退駆動走行域)であり、第4座標は、EV回生域(EVモードによる回生制動走行域)である。
運転点A1でのHEV走行中、急制動により運転点がA2に移動すると、要求駆動力がHEV走行域の正トルクからEV回生域の負トルクに切り替わるが、HEV走行域からEV回生域への移行時に無段変速機4(無段変速機構CVT)のダウンシフトが間に合わず、無段変速機4(無段変速機構CVT)が後退走行レンジ用の最ロー変速比に戻る前にEVモードの運転点A2への移行によりエンジン1が停止されると共に副変速機31が中立状態にされ、無段変速機4(無段変速機構CVT)が回転しなくなることで、それ以上ダウンシフトし得ずに、後退走行用の最ロー変速比よりもハイ側の、A1→A2移行時(EVモード移行時)における変速比に保持されたまま、EV回生により車両は減速されて、運転点A3で停車に至る。
かかるEVモードの停車状態(運転点A3)で運転者が後退走行を希望して無段変速機4をRレンジにセレクト操作(例えばD→Rセレクト操作)した時、後退走行用にエンジン1を始動し、エンジン駆動されるオイルポンプO/Pからのオイルで副変速機31を中立状態からRレンジに呼応した後退変速段選択状態にするのでは、以下の理由から後退ハイ発進になる。
副変速機31が上記の通り後退変速段選択状態にされると、運転点A3の停車(車速VSP=0)状態であるため、無段変速機4(無段変速機構CVT)内が回転不能であって、無段変速機4(無段変速機構CVT)は変速不能のままであり、上記した最ロー変速比よりもハイ側の変速比に保持される。
このため、図4の運転点A3において車両を後退発進させるべくRレンジにセレクト操作(例えばD→Rセレクト操作)した後、アクセルペダル19の踏み込みにより車両を矢A4で示すように後退発進させたとき、当初は無段変速機4が後退走行レンジ用最ロー変速比よりもハイ側の変速比のままで後退発進する後退ハイ発進を余儀なくされる。
この後退ハイ発進時は、発進用アクセル操作を行っても最ロー変速比で得られるべき規定のトルクを車輪に向かわせることができず、駆動力不足を運転者に感じさせるという問題を生ずる。
なお、当該不足した駆動力での発進により車両が走行を開始すると、無段変速機4(無段変速機構CVT)の内部が回転するため、オイルポンプO/Pからのオイルによる無段変速機4(無段変速機構CVT)の変速が可能となって無段変速機4(無段変速機構CVT)は後退走行レンジ用最ロー変速比に向けダウンシフトされるものの、このダウンシフトが完了するまでの間は上記の駆動力不足が続いて、後発進応答が悪くなるという問題をも生ずる。
後退ハイ発進によるこれら駆動力不足および後退応答遅れの問題を解消するため図1,2のハイブリッドコントローラ21が実行する図3の後退ハイ発進防止制御を以下に説明する。
ステップS10においては、シフトレバー28がRレンジへセレクト操作された状態がRレンジセレクト判定用の規定時間以上に亘って継続したか否かにより、Rレンジへセレクト操作されたか否かをチェックする。
この判定によれば、Rレンジ位置を通過するだけのセレクト操作を、Rレンジへのセレクト操作があったと誤判定するのを防止することができて、後退ハイ発進防止制御が誤って実行される不具合を回避することができる。
従ってステップS10は、本発明における後退セレクト検知手段に相当する。
ステップS10でRレンジへのセレクト操作がないと判定した時は、本発明が狙いとする後退ハイ発進防止制御が不要であることから、制御をそのまま終了する。
ステップS10でRレンジへのセレクト操作があったと判定する時は、制御をステップS11以降に進めて、本発明が狙いとする後退ハイ発進防止制御を以下のように遂行する。
ステップS11においては、電動モータ2を後退走行に使用可能か否かを以下のごとくに、後退方向路面勾配θや、バッテリ2の蓄電状態SOCや、電動モータ2の後退方向逆転駆動継続時間からチェックする。
ステップS11での判定は以下のとおりである。
(1)後退方向路面勾配θが、電動モータ2の定格出力で車両を後退させることができる規定値より急である時は、電動モータ2を後退走行に使用不能であると判定する。
(2)バッテリ2の蓄電状態SOCで決まる、電動モータ2(モータ駆動系)の出力可能な最大駆動力Tmmaxが、現在の後退方向路面勾配θのもとで車両を後退走行させ得るトルク値の下限に対応した規定値よりも小さい時、電動モータ2を後退走行に使用不能であると判定する。
(3)電動モータ2の逆回転駆動継続時間が、前記した空冷故の過熱に関する問題を生ずる規定時間以上になる時、電動モータ2を後退走行に使用不能であると判定する。
上記した(1)〜(3)の全てが「NO」であるとき、ステップS11は電動モータ2を後退走行に使用可能であると判定する。
従ってステップS11は、本発明におけるモータ駆動系使用不能検知手段に相当する。
ステップS11で電動モータ2(モータ駆動系)が後退走行に使用不能と判定する場合、エンジントルクのみによる後退走行(後退発進)になることから、制御をステップS12〜ステップS20に進めて以下のごとくに後退ハイ発進防止制御を遂行する。
ステップS12においては、エンジン1をスタータモータ3により始動させて、無段変速機4(無段変速機構CVT)の内部を回転させることにより、無段変速機4(無段変速機構CVT)を変速可能な状態にする。
従ってステップS12は、本発明においてモータ駆動系使用不能時に作用するエンジン始動手段に相当する。
ステップS13においては、変速機コントローラ24の内部情報から無段変速機4(無段変速機構CVT)のCVT実変速比Ratioを取得する。
ステップS14においては、後退方向路面勾配θから後退発進用CVT要求変速比tRatioを算出する。
この後退発進用CVT要求変速比tRatioは、発進時アクセルペダル踏み込み操作によるエンジン出力を受けて無段変速機4(無段変速機構CVT)が、Rレンジでの後退発進時に問題となる駆動力不足や発進応答遅れなく発進可能となすのに必要な後退発進時要求駆動力を出力可能な変速比領域内のできるだけハイ側における後退発進用要求変速比であり、車両後退方向路面勾配θが急であるほど最ロー変速比に近い大きな変速比に定め、車両後退方向路面勾配θが緩やかであるほど最ロー変速比から遠いハイ側の変速比に定めること、勿論である。
ステップS15においては、ステップS13で取得した無段変速機4(無段変速機構CVT)のCVT実変速比Ratioと、ステップS14で算出した後退発進用CVT要求変速比tRatioとを比較し、CVT実変速比Ratioが後退発進用CVT要求変速比tRatio以上のロー側変速比か否かをチェックする。
ステップS15でCVT実変速比Ratioが後退発進用CVT要求変速比tRatio未満のハイ側変速比であると判定した場合は、後退発進時の駆動力不足およびこれによる後退発進応答不良が問題になるハイ発進であることから、ステップS16において無段変速機4(無段変速機構CVT)を、そのCVT実変速比Ratioが後退発進用CVT要求変速比tRatioに向かうようダウンシフトさせる。
ステップS17においては、上記のダウンシフト(ロー戻し変速制御)により無段変速機4(無段変速機構CVT)のCVT実変速比Ratioが後退発進用CVT要求変速比tRatioに一致したか否かをチェックし、まだ一致していない間は制御を元に戻してステップS16でのダウンシフトを継続させ、この継続的なダウンシフトによりRatio=tRatioになったとき制御をステップS18に進めて上記ダウンシフトによるロー戻し変速制御を終了する。
従ってステップS16およびステップS17は、本発明においてモータ駆動系使用不能時に作用する変速手段に相当する。
当該ロー戻し変速制御の終了時に制御をステップS15に戻すが、この時ステップS15はRatio=tRatioの判定により制御をステップS19に進める。
このステップS19では、EVモード故に中立状態であった副変速機31をRレンジに呼応した後退変速段選択状態に切り替えるのを許可する。
かかる副変速機31の後退変速段選択状態への切り替えは、ステップS16およびステップS17による上記ダウンシフト(ロー戻し変速制御)の完了まで遅延させていたものであるが、ステップS19での許可を受けて副変速機31の後退変速段選択状態への切り替えは実行されることとなる。
かかる副変速機31の中立状態から後退変速段選択状態への切り替えにより、セカンダリプーリ7が車輪5に対し駆動結合される。
従って、中立状態の副変速機31を後退変速段選択状態にするためのリバースブレーキR/Bは、本発明における断接要素の用をなし、このリバースブレーキR/Bを締結させて副変速機31を後退変速段選択状態となすステップS19は、本発明においてモータ駆動系使用不能時に作用する断接要素締結手段に相当する。
ステップS19による副変速機31の後退変速段選択状態と、前記ステップS12によるエンジン1の始動と相まって、車両はエンジン1からの動力のみにより後退発進され得る状態となる。
この後退発進時におけるアクセル操作に応じたエンジントルク制御は、ステップS20において以下のごとくに行われる。
ステップS20での後退発進時エンジントルク制御は、基本的には、現在のCVT変速比Ratio(=tRatio)と車速VSP(CVT出力回転)とからエンジン回転数Neを求め、このエンジン回転数Neと、アクセル開度APOとから、後退発進時のアクセル操作に応じた目標エンジントルクtTeを求め、この目標エンジントルクtTeをエンジンコントローラ22に指令して、エンジン1をその出力トルクが目標エンジントルクtTeに一致するよう制御する。
但し本実施例のステップS20においては、CVT変速比Ratio(=tRatio)ごとに、アクセル開度APOと、車速VSPと、目標エンジントルクtTeとの関係に係わるマップを予め用意しておき、これらマップのうち、現在のCVT変速比Ratio(=tRatio)に対応するマップを基にアクセル開度APOおよび車速VSPから目標エンジントルクtTeを求め、これをエンジンコントローラ22に指令してエンジン1のトルク制御に資することとする。
ステップS11において、後退方向路面勾配θが前記した規定値以下であり、且つ、電動モータ2(モータ駆動系)の出力可能な最大駆動力Tmmaxが前記した規定値以上であり、且つ、電動モータ2の逆回転駆動継続時間が前記した規定時間未満であると判定する時は、電動モータ2を後退走行に使用可能であることから、制御をステップS31〜ステップS41に進めて、以下のごとくに後退ハイ発進防止制御を遂行する。
ステップS31においては、後退発進の意志を表す操作、例えばブレーキペダル16から足を離す制動(停車)解除操作を受けて、アクセル開度APOおよび車速VSPに応じた後退要求駆動力相当の目標モータトルクtTmをモータコントローラ23に指令する。
モータコントローラ23は、モータ出力トルクが後退要求駆動力相当の目標モータトルクtTmとなるよう後退方向逆転駆動させて、車両をモータトルクTm=tTmで後退走行(発進)させる。
この時アクセルペダル19を踏み込まずに釈放したままであれば、後退要求駆動力相当の目標モータトルクtTmはクリープトルクであり、車両は後退方向へクリープ走行されるのは言うまでもない。
従ってステップS31は、本発明における電動モータ逆転駆動手段に相当する。
ステップS31での電動モータ2による後退走行を継続した状態で、ステップS32においては、エンジン1をスタータモータ3により始動させて、無段変速機4(無段変速機構CVT)の内部を回転させることにより、無段変速機4(無段変速機構CVT)を変速可能な状態にする。
従ってステップS32は、本発明におけるエンジン始動手段に相当する。
次のステップS33においては、変速機コントローラ24の内部情報から無段変速機4(無段変速機構CVT)のCVT実変速比Ratioを取得する。
ステップS34においては、電動モータ2を含むモータ駆動系が発生可能な最大駆動力Tmmaxおよび後退方向路面勾配θから後退発進用CVT要求変速比tRatioを算出する。
このステップS34における後退発進用CVT要求変速比tRatioは、発進時アクセルペダル踏み込み操作によるエンジン出力と、電動モータ2(モータ駆動系)が発生可能な最大逆転駆動力Tmmaxとの合計トルクを受けて無段変速機4(無段変速機構CVT)が、Rレンジでの後退発進時に問題となる駆動力不足や発進応答遅れなく発進可能となすのに必要な後退発進時要求駆動力を出力可能な変速比領域内のできるだけハイ側における後退発進用要求変速比であり、車両後退方向路面勾配θが急であるほど最ロー変速比に近い大きな変速比に定め、車両後退方向路面勾配θが緩やかであるほど最ロー変速比から遠いハイ側の変速比に定める。
ステップS35においては、ステップS33で取得した無段変速機4(無段変速機構CVT)のCVT実変速比Ratioと、ステップS34で算出した後退発進用CVT要求変速比tRatioとを比較し、CVT実変速比Ratioが後退発進用CVT要求変速比tRatio以上のロー側変速比か否かをチェックする。
ステップS35でCVT実変速比Ratioが後退発進用CVT要求変速比tRatio未満のハイ側変速比であると判定した場合は、後退発進時の駆動力不足およびこれによる後退発進応答不良が問題になるハイ発進であることから、ステップS36において無段変速機4(無段変速機構CVT)を、そのCVT実変速比Ratioが後退発進用CVT要求変速比tRatioに向かうようダウンシフトさせる。
ステップS37においては、上記のダウンシフト(ロー戻し変速制御)により無段変速機4(無段変速機構CVT)のCVT実変速比Ratioが後退発進用CVT要求変速比tRatioに一致したか否かをチェックし、まだ一致していない間は制御を元に戻してステップS36でのダウンシフトを継続させ、この継続的なダウンシフトによりRatio=tRatioになったとき制御をステップS38に進めて上記ダウンシフトによるロー戻し変速制御を終了する。
従ってステップS36およびステップS37は、本発明における変速手段に相当する。
当該ロー戻し変速制御の終了時に制御をステップS35に戻すが、この時ステップ35はRatio=tRatioの判定により制御をステップS39に進める。
このステップS39では、EVモード故に中立状態であった副変速機31をRレンジに呼応した後退変速段選択状態に切り替えるのを許可する。
かかる副変速機31の後退変速段選択状態への切り替えは、ステップS36およびステップS37による上記ダウンシフト(ロー戻し変速制御)の完了まで遅延させていたものであるが、ステップS39での許可を受けて副変速機31の後退変速段選択状態への切り替えは実行されることとなる。
かかる副変速機31の中立状態から後退変速段選択状態への切り替えにより、セカンダリプーリ7が車輪5に対し駆動結合される。
従って、中立状態の副変速機31を後退変速段選択状態にするためのリバースブレーキR/Bは、本発明における断接要素の用をなし、このリバースブレーキR/Bを締結させて副変速機31を後退変速段選択状態となすステップS39は、本発明における断接要素締結手段に相当する。
ステップS39による副変速機31の後退変速段選択状態と、前記ステップS32によるエンジン1の始動と相まって、エンジン1からの動力により後退発進させ得る状態となり、この後退発進に際しては、先ずステップS40において、電動モータ2(モータ駆動系)の最大逆転駆動力Tmmaxで後退方向の駆動力アシストを行うべく、電動モータ2の最大逆転駆動力Tmmaxをモータコントローラ23に指令する。
これにより電動モータ2(モータ駆動系)は、最大逆転駆動力Tmmaxを発生するよう逆転駆動され、この最大逆転駆動力Tmmaxで車両の後退発進を助勢する。
他方で後退発進時におけるアクセル操作に応じたエンジントルク制御は、ステップS41において以下のごとくに行われる。
ステップS41での後退発進時エンジントルク制御は、基本的には、現在のCVT変速比Ratio(=tRatio)と車速VSP(CVT出力回転)とからエンジン回転数Neを求め、このエンジン回転数Neと、アクセル開度APOとから、後退発進時のアクセル操作に応じた要求駆動力tTdを求める。
或るエンジン回転数Ne(CVT変速比Ratioと車速VSPとの組み合わせ)について、アクセル開度APOと後退発進時要求駆動力tTdとの関係を示した図5を基に説明すると、アクセル開度APOが「APO_1」である場合における後退発進時要求駆動力tTdは「tTd_1」である。
なお図5のエンジンアイドル分Teiは、エンジン1が自立運転するのに必要なトルク分であるため、後退発進時のアシストトルクには使えない。
次に、この後退発進時要求駆動力tTd(=tTd_1)から電動モータ2(モータ駆動系)の最大逆転駆動力Tmmaxを差し引いて目標エンジントルクtTeを求め、この目標エンジントルクtTeをエンジンコントローラ22に指令して、エンジン1をその出力トルクが目標エンジントルクtTeに一致するよう制御する。
かくして当該エンジン出力トルク(tTe)は、電動モータ2(モータ駆動系)からの最大逆転駆動力Tmmaxとで、後退発進時要求駆動力tTd(=tTd_1)を実現し、車両をアクセル開度APOごとに、問題となる駆動力不足および後退発進応答遅れなしに後退発進させることができる。
従ってステップS41は、本発明におけるエンジントルク制御手段に相当する。
ただし本実施例のステップS41においては、CVT変速比Ratio(=tRatio)ごとに、アクセル開度APOと、車速VSPと、目標エンジントルクtTeとの関係に係わるマップを予め用意しておき、これらマップのうち、現在のCVT変速比Ratio(=tRatio)に対応するマップを基にアクセル開度APOおよび車速VSPから目標エンジントルクtTeを求め、これをエンジンコントローラ22に指令してエンジン1のトルク制御に資することとする。
上記した通り、電動モータ2(モータ駆動系)の最大逆転駆動力Tmmaxによるアシスト下に行われる後退時エンジントルク制御によれば、
図6のエンジン性能線図において、HP_2等馬力線上の運転点B1を、電動モータ2(モータ駆動系)の最大逆転駆動力Tmmaxによるアシスト分だけ小さなHP_1等馬力線上の運転点B2に移動でき、更に、電動モータ2(モータ駆動系)の最大逆転駆動力Tmmaxによるアシスト分だけ後退発進用CVT要求変速比tRatioをハイ側の変速比に設定し得ることから、エンジン回転数Neがその分(ΔNe)だけ低下して運転点をB2からB3へと移動させることができる。
本実施例では、これらエンジン出力の低下(HP_2→HP_1)およびエンジン回転数Neの低下(ΔNe)により、エンジンの燃費を向上させることができる。
<実施例の効果>
上記した本実施例の後退ハイ発進防止制御によれば、エンジン1を停止させ、副変速機31を中立状態にしたEVモードでの停車中、Rレンジへのセレクト操作(ステップS10)があり、その後に後退発進の意志を表す例えばブレーキペダル釈放操作がなされた時、電動モータ2をアクセル操作に応じた後退方向逆転駆動状態となして車両を後退走行(発進)させ(ステップS31)、この後退走行(発進)状態でエンジン始動(ステップS32)を行うが、当初はステップS39による副変速機31の中立状態から後退変速段選択状態への切り替えを行わせないことで無段変速機4(無段変速機構CVT)をエンジン1により回転された状態(変速可能状態)となし、この状態でステップS36およびステップS37において無段変速機4(無段変速機構CVT)を、そのCVT実変速比RatioがステップS34で求めた後退発進用CVT要求変速比tRatioとなるようダウンシフトさせた後に、ステップS39による副変速機31の中立状態から後退変速段選択状態への切り替えを行い、その後ステップS40で電動モータ2(モータ駆動系)から最大逆転駆動力Tmmaxが出力されるようにすると共に、ステップS41において当該最大逆転駆動力Tmmaxによるアシスト下で、後退発進時アクセル操作に応じた後退発進時要求駆動力tTdが実現されるようエンジン1をトルク制御(エンジントルクを目標エンジントルクtTeとなす制御)する構成としたため、以下の効果を得ることができる。
先ず、ステップS39において行われる副変速機31の中立状態から後退変速段選択状態への切り替え(リバースブレーキR/Bの締結)と、ステップS40による電動モータ2(モータ駆動系)の最大逆転駆動力(Tmmax)出力制御、およびステップS41によるエンジン1のトルク制御(目標エンジントルクtTeを実現する制御)とで、車両を電動モータ2(モータ駆動系)およびエンジン1からの動力により後退発進させる時は既に、ステップS36およびステップS37で無段変速機4(無段変速機構CVT)がステップS34における後退発進用CVT要求変速比tRatioへダウンシフト(ロー戻し変速)され終えていることとなり、後退発進用CVT要求変速比tRatioよりもハイ側変速比で車両の後発進が行われることがない後退ハイ発進防止作用によって、駆動力不足を運転者に感じさせるという問題や、後発進応答が悪いという問題を回避することができる。
しかも、Rレンジへのセレクト操作(ステップS10)後に後退発進の意志を表す例えばブレーキペダル釈放操作が行われた時、ステップS31で先ず電動モータ2をアクセル操作に応じた後退方向逆転駆動状態にして車両を後退走行(発進)させ、この電動モータ2による後退走行中に無段変速機4(無段変速機構CVT)をステップS36およびステップS37で上記後退発進用の所定変速比tRatioに向け変速させるため、当該変速の終了まで後退発進を待つ必要がなく、後退発進の意志を表す操作が行われたら直ちに後退発進を開始させることができ、後退発進遅れ時間の発生を皆無となし得てこれによる運転性の悪化に関した問題を生ずることなく、上記の駆動力不足や後発進応答に係わる問題解決を実現することができる。
上記した本実施例の効果を図7の動作タイムチャートにより付言するに、この図7は、EVモード(エンジン1が停止され、副変速機31がリバースブレーキ圧Prb=プリロード相当圧により中立状態)でのブレーキ操作による停車中、運転者が後退走行を希望して無段変速機4(無段変速機構CVT)の選択レンジを現在のDレンジからNレンジを経てRレンジにセレクト操作した後、後退発進意志を表すブレーキペダル16の釈放操作を行ったのを受けて、当該ブレーキペダル釈放瞬時t1にエンジン始動指令が発せられた場合の動作タイムチャートである。
本実施例によれば、EVモード(エンジン1が停止され、副変速機31が中立状態)でのブレーキ操作による停車中、運転者が後退走行を希望してRレンジにセレクト操作した後、ブレーキペダル16を釈放したのに呼応し、先ず瞬時t1より電動モータ2をそのトルクTmがアクセル操作に応じた後退要求トルク相当の目標モータトルクtTmとなるよう逆回転駆動制御し(ステップS31)、更に瞬時t1〜t2においてエンジン1を始動させて運転状態となし(ステップS32)、オイルポンプO/Pからの吐出オイルで副変速機31および無段変速機構CVTを制御可能にする。
瞬時t1より電動モータ2をそのトルクTmがアクセル操作に応じた後退要求トルク相当の目標モータトルクtTmになるよう逆回転駆動制御することで(ステップS31)、車両は、運転者が後退走行を希望してRレンジへのセレクト操作後、ブレーキペダル16を釈放した瞬時t1の直後から車速VSP>0によって示すごとくに後退走行を開始し、後退発進を行うことができる。
よって、後退発進の応答遅れを理論上は無くすことができ、電動モータ2のトルク立ち上がり性能がエンジン1のそれよりも優れていることもあり、後退発進時の運転性を向上させることができる。
そして当初は、リバースブレーキ圧Prb=プリロード相当圧により示すごとく副変速機31の中立状態から後退変速段選択状態への切り替え(リバースブレーキR/Bの締結)を行わせないことで、無段変速機4(無段変速機構CVT)をエンジン1により回転された状態(変速可能状態)となす。
この状態で瞬時t3〜t4において無段変速機4(無段変速機構CVT)を、そのCVT実変速比Ratioが後退発進用CVT要求変速比tRatioとなるようダウンシフト(ロー戻し変速)させた後(ステップS36およびステップS37)、瞬時t5〜t6において副変速機31のリバースブレーキR/Bを図7に示したリバースブレーキ圧Prbの上昇により締結進行させ、中立状態の副変速機31を後退変速段選択状態に切り替える(ステップS39)。
瞬時t3〜t4における無段変速機4(無段変速機構CVT)のダウンシフト(ロー戻し変速)によりCVT実変速比Ratioが図7に示した時系列変化をもって後退発進用CVT要求変速比tRatioに向かうことで、図7に実線で示したエンジン回転数Neに対しプライマリプーリ回転数Npri、セカンダリプーリ回転数Nsecおよび副変速機出力回転数Noはそれぞれ、図7に一点鎖線、二点鎖線および破線で示したように時系列変化する。
ところで本実施例においては、副変速機31が後退変速段選択状態になって、エンジン出力を後退走行に供するようになる瞬時t6の前に無段変速機4(無段変速機構CVT)のロー戻し変速が終了しているため、エンジン出力が後退発進用CVT要求変速比tRatioで変速されて車輪5へ向かうのを保証され、エンジン1による後退発進が後退ハイ発進になるのを防止することができる。
よって、当初から大きな駆動力でのエンジン駆動による後退発進が可能となり、駆動力の不足および後退発進応答の悪化に関する問題を回避することができる。
しかも、この作用効果を達成するための無段変速機4(無段変速機構CVT)のダウンシフト(ロー戻し変速)が、後退発進意志を表すブレーキペダル釈放瞬時t1に開始された、電動モータ2による後退発進状態下で行われるため、ロー戻し変速の完了まで後退発進が行われ得ないということがなくて、後退発進遅れ時間の発生なしに上記の問題解決を実現することができる。
また本実施例では、図3のステップS10でRレンジへのセレクト操作を検知するに際し、シフトレバー28がRレンジへセレクト操作された状態がRレンジセレクト判定用の規定時間以上に亘って継続した時をもって、Rレンジへのセレクト操作があったと判定するため、
シフトレバー28がRレンジ位置を通過するだけのセレクト操作を、Rレンジへのセレクト操作があったと誤判定するのを防止することができて、図3の後退ハイ発進防止制御が誤って実行される不具合を回避することができる。
更に本実施例では、上記の後退発進用CVT要求変速比tRatioを前記したように定めるため、
つまり発進時アクセルペダル踏み込み操作によるエンジン出力と、電動モータ2(モータ駆動系)が発生可能な最大逆転駆動力Tmmaxとの合計トルクを受けて無段変速機4(無段変速機構CVT)が、Rレンジでの後退発進時に問題となる駆動力不足や発進応答遅れなく発進可能となすのに必要な後退発進時要求駆動力を出力可能な変速比領域内のできるだけハイ側における後退発進用要求変速比を後退発進用CVT要求変速比tRatioと定めるため、
この後退発進用CVT要求変速比tRatioが、電動モータ2(モータ駆動系)の最大逆転駆動力Tmmaxによる後退アシストトルク分だけハイ側の変速比となる。
このため、ステップS36およびステップS37による本実施例の無段変速機4(無段変速機構CVT)のロー戻し変速量が、電動モータ2(モータ駆動系)の最大逆転駆動力Tmmaxによる後退アシストトルク分だけ少なくなって、ステップS36およびステップS37による無段変速機4(無段変速機構CVT)のロー戻し変速時間を短縮することができ、ロー戻し変速後に開始されるエンジントルクをも用いた後退発進の開始タイミングが早まり、その分だけ後退発進応答を改善することができる。
加えて、上記の後退発進用CVT要求変速比tRatioを、車両後退方向路面勾配θが急であるほど最ロー変速比に近い大きな変速比に定め、車両後退方向路面勾配θが緩やかであるほど最ロー変速比から遠いハイ側の変速比に定めたことで、上記後退発進応答の改善効果を如何なる車両後退方向路面勾配θのもとでも享受することができる。
上記した諸々の効果は、図3のステップS11において電動モータ2が後退発進用に使用可能であると判定した場合のものであるが、電動モータ2が使用不能な場合は、モータトルクを後退発進に用いないステップS12〜ステップS20の後退ハイ発進防止制御を行って、以下のような効果を得ることができる。
つまり、先ずステップS12でエンジン始動を行うが、当初はステップS19による副変速機31の中立状態から後退変速段選択状態への切り替えを行わせないことで無段変速機4(無段変速機構CVT)をエンジン1により回転される状態(変速可能状態)となし、この状態でステップS16およびステップS17において無段変速機4(無段変速機構CVT)を、問題となる駆動力不足や後退発進応答の悪化なしにエンジントルクのみによる後退発進が可能な後退発進用CVT要求変速比tRatioへダウンシフトさせた後に、ステップS19による副変速機31の中立状態から後退変速段選択状態への切り替えを行うよう構成したため、
後退発進時は既に無段変速機4(無段変速機構CVT)が後退発進用CVT要求変速比tRatioへダウンシフト(ロー戻し変速)され終えていることとなり、後退発進用CVT要求変速比tRatioよりもハイ側変速比で車両の後発進が行われることがない後退ハイ発進防止作用によって、駆動力不足を運転者に感じさせるという問題や、後発進応答が悪いという問題を回避することができる。
よって、電動モータ2が後退発進用に使用できない場合においても、駆動力不足や後発進応答の悪化に係わる問題を回避し得る。
但し、電動モータ2のトルクを後退発進用に使用できないため、発進意志を表すブレーキペダル釈放時に後退発進を開始させることができないのは言うまでもないし、モータトルクによるアシスト分に依って得られる前記した諸々の効果を奏し得なくなるのは勿論である。
<その他の実施例>
なお、ステップS36およびステップS37でのロー戻し変速に際し、無段変速機4(無段変速機構CVT)を後退発進用CVT要求変速比tRatioへダウンシフトさせることとしたが、後退発進用CVT要求変速比tRatioに代えて、Rレンジでの後退走行用の最ロー変速比へダウンシフトさせることでも上記の効果を達成することができる。
ただし後退発進用CVT要求変速比tRatioを前記した通り、Rレンジでの後退発進時に問題となる駆動力不足や発進応答遅れなく発進可能となすのに必要な変速比領域内のできるだけハイ側における後退発進用要求変速比と定めた場合、これが最ロー変速比よりもハイ側であることによってロー戻し変速量が少なく、ロー戻し変速を速やかに完遂させることができて後発進応答の向上を期待できる。
他方、後退発進用CVT要求変速比tRatioに代えて、Rレンジでの後退走行用の最ロー変速比へダウンシフトさせるロー戻し変速では、ロー戻し変速量が大きくて上記後発進応答の向上を期待できないが、後退発進用CVT要求変速比tRatioを演算する必要がなくてハイブリッドコントローラ21の演算負荷を軽減し得るという効果を得ることができる。
1 エンジン(動力源)
2 電動モータ(動力源)
3 スタータモータ
4 Vベルト式無段変速機
5 駆動車輪
6 プライマリプーリ
7 セカンダリプーリ
8 Vベルト
CVT 無段変速機構
T/C トルクコンバータ
9,11 ファイナルギヤ組
12 バッテリ
13 インバータ
14 ブレーキディスク
15 キャリパ
16 ブレーキペダル
17 負圧式ブレーキブースタ
18 マスターシリンダ
19 アクセルペダル
21 ハイブリッドコントローラ
22 エンジンコントローラ
23 モータコントローラ
24 変速機コントローラ
25 バッテリコントローラ
26 ブレーキペダル踏力センサ
27 アクセル開度センサ
29 選択レンジセンサ
O/P オイルポンプ(機動ポンプ)
30 路面勾配センサ
31 副変速機
H/C ハイクラッチ(断接要素)
R/B リバースブレーキ(断接要素)
L/B ローブレーキ(断接要素)
32 車速センサ
33 車両加速度センサ
35 ライン圧ソレノイド
36 ロックアップソレノイド
37 プライマリプーリ圧ソレノイド
38 ローブレーキ圧ソレノイド
39 ハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧ソレノイド
41 スイッチバルブ

Claims (7)

  1. 運転者のアクセル操作に応動する動力源としてエンジンのほかに電動モータを具え、前記エンジンにより駆動される機動ポンプからの作動媒体で制御される断接要素を介して、前記エンジンおよび無段変速機より成るエンジン駆動系が車輪に切り離し可能に駆動結合され、該断接要素を解放すると共に前記エンジンを停止させることで前記電動モータのみにより前記車輪を駆動する電気走行が可能であるほか、前記エンジンを始動させると共に前記断接要素を締結することで前記電動モータおよびエンジンにより前記車輪を駆動するハイブリッド走行が可能なハイブリッド車両において、
    前記電気走行モードでの停車中に前記無段変速機が後退走行レンジにセレクト操作されたのを検知する後退セレクト検知手段と、
    該手段による後退走行レンジへのセレクト操作が検知された後、後退発進の意志を表す操作が行われるとき、前記電動モータをアクセル操作に応じた後退方向逆転駆動状態となして車両を後退走行させる電動モータ逆転駆動手段と、
    該手段による電動モータの後退方向逆転駆動での後退走行中、前記エンジンの始動により前記無段変速機を変速可能状態となすエンジン始動手段と、
    該変速可能状態の無段変速機を後退発進用の所定変速比に変速させる変速手段と、
    該変速の完了後に前記断接要素を締結させる断接要素締結手段と
    を具備して成ることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載された、ハイブリッド車両の制御装置において、
    前記後退セレクト検知手段は、前記後退走行レンジにセレクト操作された状態が規定時間継続するときをもって、前記後退走行レンジにセレクト操作されたと判定するものであることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載された、ハイブリッド車両の制御装置において、
    前記後退発進用の所定変速比は、前記電動モータ逆転駆動手段により駆動された電動モータの駆動力によりアシストされて前記エンジンが、前記後退走行レンジでの発進時に必要な後退発進時要求駆動力を実現可能な後退発進用要求変速比であることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項3に記載された、ハイブリッド車両の制御装置において、
    前記電動モータからのアシスト力は、該電動モータの電源を含むモータ駆動系が出力可能な最大駆動力であることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  5. 請求項3または4に記載された、ハイブリッド車両の制御装置において、
    前記後退発進用要求変速比は、車両後退方向路面勾配が緩やかであるほどハイ側の変速比であることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  6. 請求項4または5に記載された、ハイブリッド車両の制御装置において、
    前記断接要素締結手段による断接要素の締結後、前記電動モータの発生可能最大駆動力を前記アシスト力とし、該アシスト力との協働により前記エンジンが後退走行時の前記アクセル操作に応じた要求駆動力を実現し得るよう、該エンジンをトルク制御するエンジントルク制御手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載された、ハイブリッド車両の制御装置において、
    前記電動モータの電源を含むモータ駆動系が使用不能な状態であるのを検知するモータ駆動系使用不能検知手段を設け、
    該手段によりモータ駆動系が使用不能な状態である場合、前記電動モータ逆転駆動手段による電動モータの後退方向逆転駆動を禁止して停車状態のまま、前記エンジン始動手段によるエンジン始動で前記無段変速機を変速可能状態となし、前記エンジンのトルクのみを入力される該無段変速機が後退発進時に必要な後退発進時要求駆動力を出力可能なモータアシスト不能時後退発進用要求変速比を前記後退発進用の所定変速比と定め、前記変速手段により無段変速機を該モータアシスト不能時後退発進用要求変速比に向けて変速させ、該変速の完了後に前記断接要素締結手段により前記断接要素を締結させるよう構成したことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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