JP6303783B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
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Description
図1は、実施例1のハイブリッド車両の駆動系およびその全体制御システムを示す概略系統図である。図1のハイブリッド車両は、エンジン1および電動モータ2を動力源として搭載され、エンジン1は、スタータモータ3により始動する。エンジン1は、Vベルト式の無段変速機4を介して駆動輪5に適宜切り離し可能に駆動結合する。
インバータ13は、バッテリ12の直流電力を交流電力に変換して電動モータ2へ供給すると共に、電動モータ2への供給電力を加減することにより、電動モータ2を駆動力制御および回転方向制御する。
なお電動モータ2は、上記のモータ駆動のほかに発電機としても機能し、回生制動の用にも供する。この回生制動時はインバータ13が、電動モータ2に回生制動力分の発電負荷をかけることにより、電動モータ2を発電機として作用させ、電動モータ2の発電電力をバッテリ12に蓄電する。
アウタピニオン31poutはリングギヤ31rの内周に噛合させ、キャリア31cを出力回転メンバとして作用するようファイナルギヤ組9に結合する。
キャリア31cとリングギヤ31rとをクラッチCLであるハイクラッチH/Cにより適宜結合可能となし、リングギヤ31rをクラッチCLであるリバースブレーキR/Bにより適宜固定可能となし、サンギヤ31s-2をクラッチCLであるローブレーキL/Bにより適宜固定可能となす。
セカンダリプーリ圧ソレノイド37-2は、変速機コントローラ24からのクランプ力指令に応じてライン圧PLをセカンダリプーリ圧に調圧し、これをセカンダリプーリ7に供給することにより、セカンダリプーリ7がVベルト8をスリップしないよう挟圧する。
ローブレーキ圧ソレノイド38は、変速機コントローラ24が副変速機31の第1速選択指令を発しているとき、ライン圧PLをローブレーキ圧としてローブレーキL/Bに供給することによりこれを締結させ、第1速選択指令を実現する。
ハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧ソレノイド39は、変速機コントローラ24が副変速機31の第2速選択指令または後退選択指令を発しているとき、ライン圧PLをハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧としてスイッチバルブ41に供給する。
実施例1の電動式オイルポンプEO/Pの最大吐出能力は、機械式オイルポンプO/Pに比べて小さく設定されており、電動式オイルポンプEO/Pのモータ及びポンプの小型化を図っている。
後退選択指令時はスイッチバルブ41が、ソレノイド39からのライン圧PLをリバースブレーキ圧としてリバースブレーキR/Bに向かわせ、これを締結することで副変速機31の後退選択指令を実現する。
次に変速制御処理について説明する。変速機コントローラ24は、予め設定された変速マップを参照しながら、車両の運転状態(実施例1では車速VSP、プライマリ回転速度Npri、アクセルペダル開度APO)に応じて、無段変速機4を制御する。この変速マップでは、従来のベルト式無段変速機の変速マップと同様に、アクセルペダル開度APO毎に変速線が設定されており、無段変速機4の変速はアクセルペダル開度APOに応じて選択される変速線に従って行われる。この変速マップ上には副変速機31の変速を行うモード切換変速線が設定される。そして、無段変速機4の動作点がモード切換変速線を横切った場合、変速機コントローラ24はバリエータCVTと副変速機31の両方で協調変速を行い、高速モード−低速モード間の切換えを行う。
図3は実施例1のハイブリッド車両の走行モードが設定されたモードマップである。図3のモードマップでは、縦軸の0より上はアクセルペダル開度に応じて設定され、0より下についてはブレーキスイッチ26のオン・オフ状態に応じて設定されている。アクセルペダル19が踏み込まれたEV力行領域にあっては、力行車速VSPXまでEVモードによる力行領域が設定されている。また、アクセルペダル19がほとんど踏み込まれていない状態(例えば、1/8よりも十分に小さなアクセルペダル開度)を表す領域には、力行車速VSPXよりも更に高車速の所定車速VSP1までEVモードによる力行領域が設定されている。この所定車速VSP1以下の領域はアクセルペダル19が踏み込まれた状態ではほとんど選択されることはない。
一方、HEVモードによる走行中にアクセルペダル19を解放してコースティング(惰性)走行へ移行した場合や、HEVモードによる力行状態からブレーキペダル16を踏み込んで車両を制動する場合、電動モータ2による回生制動によって車両の運動エネルギーを電力に変換し、これをバッテリ12に蓄電しておくことでエネルギー効率の向上を図る(HEV回生状態)。また、制動トルクが所定値b1より大きな制動トルクとなったときには、電動モータ2のみによる回生制動では制動力が不足すると判断してHEV回生制動状態とする。これにより、摩擦ブレーキも併用し、制動トルクを確保する。また、制動トルクが所定値b1未満であっても、車速が所定車速Vc以下のときには、EV回生状態から摩擦ブレーキによる制動に切り替える。電動モータ2が低回転状態で高い回生トルクを発生させることは望ましくないからである。
EVモードからHEVモードに切り替わる際、まずエンジン1を始動し、機械式オイルポンプO/Pの油圧を確保してからクラッチCLの締結を行う。よって、実際にエンジン1からのトルクを駆動輪5に伝達するまでの遅れが生じ、運転者の要求に対する応答性を確保することが困難である。特に、勾配が所定以上のときには車両のずり下がりが生じるおそれもある。また、エンジン始動後にクラッチCLを締結するとき、セカンダリプーリ7の回転数がクラッチCLの駆動輪側回転数よりも低いと、締結に伴う引きショックを発生するため、エンジン回転数を高くする必要があり、燃費悪化のおそれがある。
そこで、実施例1では、EVモードにより走行しているときに、車両が所定の路面勾配を有する登坂路での車両停止時にあっては、エンジン1を停止しつつも、クラッチCLの締結状態を維持することとした。
図4は実施例1の勾配路車両停止時制御処理を表すフローチャートである。
ステップS1では、HEVモードを選択する。
ステップS2では、HEVモードからEVモードへのモード遷移が許可されているか否かを判断し、許可されているときはステップS3へ進み、それ以外はHEVモードを継続する。具体的には、図3のモードマップにおいて車速VSPとアクセル開度APOとによって規定される運転点がEV(力行・回生)領域にあるか否かを判断し、EV領域にあり、かつ、他の条件、具体的にはバッテリ状態が所定以上であり、急制動状態ではないといった条件を満たしているときは、EVモードへのモード遷移が許可される。
ステップS3では、EVモードへのモード遷移を行う。具体的には、クラッチCLを解放し、エンジン1への燃料噴射を停止し、電動モータ2のトルクによって走行する。
ステップS4では、車速VSPが所定車速VSP1未満か否かを判断し、所定車速VSP1未満と判断されたときはステップS5へ進み、所定車速VSP1以上と判断されたときはステップS3に戻ってEVモードを継続する。ここで、所定車速VSP1とは、車両が停止していると判定可能な値である。
ステップS7では、HEVモードへの遷移要求があるか否かを判断し、HEVモードへの遷移要求があるときはステップS8に進み、それ以外はEVモードを継続する。ここで、HEVモードへの遷移要求とは、例えば車両停止状態から運転者がアクセルペダルを踏み込み、発進意図を示し、アクセルペダル開度が大きくなることで運転点がHEV領域に移動した場合である。
ステップS8では、スタータモータ3によりエンジン1を始動し、エンジン作動状態(以下、エンジンONと記載する。)とする。
ステップS9では、クラッチCLを締結(以下、クラッチONと記載する。)する。
ステップS11では、エンジンOFF及びクラッチONとする。クラッチONは電動式オイルポンプEO/Pによる油圧供給で達成する。すなわち、路面勾配がx1以上x2未満の場合、車両発進時のトルク伝達時における応答遅れによって車両ずり下がりを招くおそれがある。よって、この場合はクラッチONで待機する。これにより、エンジンON直後からエンジントルクを駆動輪5に伝達できるため、車両ずり下がりを回避し、運転者の発進要求に対する応答性を確保できる。
ステップS12では、HEVモードへの遷移要求があるか否かを判断し、HEVモードへの遷移要求があるときはステップS13に進み、それ以外はクラッチON状態のEVモードを継続する。ここで、HEVモードへの遷移要求とは、例えば車両停止状態から運転者がアクセルペダルを踏み込み、発進意図を示し、アクセルペダル開度が大きくなることで運転点がHEVモード領域に移動した場合である。
ステップS13では、スタータモータ3によりエンジン1を始動する。
ステップS15では、HEVモードへの遷移要求があるか否かを判断し、HEVモードへの遷移要求があるときは本制御フローを終了してHEVモードで発進する。一方、HEVモードへの遷移要求がない場合は、ステップS14を繰り返す。
次に、上記勾配路車両停止時制御処理に基づく作用について説明する。図5は実施例1の勾配路車両停止時制御作用を表すタイムチャートである。尚、BSはブレーキスイッチ26のON・OFF状態を表し、路面勾配はステップS5及びS10にて判断される勾配を表し、Tmは電動モータ2のモータトルクを表し、Neはエンジン回転数、Nmotは電動モータ2のモータ回転数、Npriはプライマリプーリ回転数(二点鎖線)、Nsecはセカンダリプーリ回転数(一点鎖線)を表す。また、初期の走行状態はHEVモードでアクセルペダルを離し始めている状態である。
時刻t2において、ブレーキペダルが踏み込まれると、回生制動を行うための準備としてクラッチCLを解放し、その後、モータトルクTmは回生トルクを発生する。
時刻t3において、HEVモードからEVモードへのモード遷移許可がなされると、エンジン1の燃料噴射を停止する。尚、電動モータ2による回生制動が所定車速Vcまで行われると、それ以後の低車速領域では摩擦ブレーキによる制動に切り替えられるため、回生トルクは0となる。
時刻t5においてブレーキペダルが離され、時刻t6においてアクセルペダルへの踏み替えなされると、EVモードよる発進に伴い、モータトルクTmが上昇することで車両は緩やかに発進を開始する。このとき、クラッチCLが締結されているため、セカンダリプーリ回転数Nsec、プライマリプーリ回転数Npriの回転数も上昇し、また、トルクコンバータTCを介してエンジン回転数Neも僅かに上昇し始める。
時刻t7において、アクセルペダルAPOが踏み込まれた結果、EVモードからHEVモードへのモード遷移許可がなされると、スタータモータ3によりエンジン1を始動する。このとき、既にクラッチCLが締結しているため、クラッチCLの締結完了までエンジントルクを伝達できないといった問題がない。そして、エンジン1も連れまわされた状態でのエンジン始動であるため、スムーズにエンジン完爆状態を確保でき、素早くエンジントルクを駆動輪5に伝達できる。その結果、モータトルクTmのみによる走行時よりも十分なトルクが得られるため、加速性能が向上し、十分な発進性能が早期に確保される。
図6(a)に示すように、エンジン始動後にクラッチ圧を供給する場合、エンジン回転数が上昇して機械式オイルポンプO/Pの油圧が確保され、その後クラッチCLが締結される。よって、時刻t7からt8の間はモータトルクTmのみによってしか走行できず、車両が運転者の要求に応じて加速し始めるタイミングは時刻t8となり、十分な発進性能が確保できない。加えて、長い区間においてモータトルクTmを発生する必要があり、電力消費量が増大するおそれがある。また、エンジン始動直後の回転数がNe1程度の場合、セカンダリプーリ回転数NsecがクラッチCLの駆動輪側回転数Noutよりも低い状態からクラッチCLを締結しなければならない。そうすると、クラッチ締結圧の上昇に伴って駆動輪側回転数Noutを引き下げながら締結することとなり、引きショックを発生するという問題がある。これは、HEVモードからEVモードへの遷移時にバリエータCVTの変速比がHigh側であった場合に特に顕著となる。
一方、図6(b)に示すように、エンジン始動直後の回転数をNe1より高いNe2とし、セカンダリプーリ回転数Nsecが駆動輪側回転数Noutよりも高くなるように制御することで、引きショックを改善できる。しかし、エンジン回転数Neを高くしなければならず、燃費の悪化を招くおそれがある。
これに対し、図6(c)に示すように、実施例1にあっては既にクラッチCLが締結した状態でエンジン始動を行うため、エンジン回転数Neを特段高くする必要はなく、また、クラッチCLが締結しているため、締結に伴う引きショックの発生も抑制できる。
(1)エンジン1と、エンジン1の出力軸に結合されたバリエータCVT(無段変速機4)と、バリエータCVTの出力軸に結合されたクラッチCLと、クラッチの出力軸に結合された駆動輪5と、駆動輪5に結合された電動モータ2と、運転状態に応じてエンジン1及び電動モータ2の出力と、クラッチCLの締結及び解放と、無段変速機4の変速比とを制御するハイブリッドコントローラ21(制御手段)と、車両の走行路の路面勾配を検出するステップS5(路面勾配検出手段)と、を備え、ハイブリッドコントローラ21は、クラッチCLを解放し、エンジン1を停止して、電動モータ2の駆動力により走行可能なEVモード(電気自動車モード)のときに、路面勾配が所定値x1以上と判定されたときは、クラッチCLを締結することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
よって、電動モータ2のモータトルクTmにより発進後、HEVモードに遷移し、エンジン始動がなされた際、即座にエンジントルクを駆動輪5に伝達することができ、運転性が向上する。また、エンジン1も駆動輪5の回転に伴って回転している状態でエンジン始動を行うため、より素早くエンジン始動を達成できる。また、クラッチ締結時にエンジン回転数不足による引きショックを発生するような事態を回避することが可能となり、安定して走行できる。
言い換えると、平坦路であれば、通常のEVモードのままで車両停止することで、EVモードによる発進時にバリエータCVTやエンジン1が連れまわることがなく、燃費の向上を図ることができる。
よって、路面勾配が大きいときは、車両のずり下がりのおそれが強いため、このような場合はEVモードであってもエンジン作動状態を継続し、クラッチCLを締結しておけば、通常のエンジン車両と同様にクリープトルクを作用させることができる。また、発進直後からエンジントルクを用いることが可能となり、車両のずり下がりを防止できる。
以上、本願発明を各実施例に基づいて説明したが、上記構成に限られず、他の構成であっても本願発明に含まれる。実施例ではスタータモータ3によりエンジン再始動を行う構成を示したが、他の構成であっても構わない。具体的には、近年、アイドリングストップ機能付き車両であって、オルタネータをモータ・ジェネレータに置き換え、このモータ・ジェネレータにオルタネータ機能を加えてエンジン始動機能を付加することにより、アイドリングストップからのエンジン再始動時に、スタータモータではなく、このモータ・ジェネレータによりエンジン再始動を行う技術が実用化されている。本願発明も上記のようなモータ・ジェネレータによりエンジン再始動を行う構成としてもよい。
2 電動モータ(動力源)
3 スタータモータ
4 Vベルト式無段変速機
5 駆動輪
6 プライマリプーリ
7 セカンダリプーリ
8 Vベルト
CVT バリエータ(無段変速機構)
T/C トルクコンバータ
9,11 ファイナルギヤ組
12 バッテリ
13 インバータ
14 ブレーキディスク
15 キャリパ
16 ブレーキペダル
19 アクセルペダル
21 ハイブリッドコントローラ
22 エンジンコントローラ
23 モータコントローラ
24 変速機コントローラ
25 バッテリコントローラ
26 ブレーキスイッチ
27 アクセルペダル開度センサ
O/P オイルポンプ
31 副変速機
CL クラッチ
H/C ハイクラッチ
R/B リバースブレーキ
L/B ローブレーキ
32 車速センサ
Claims (3)
- エンジンと、
前記エンジンの出力軸に結合された無段変速機と、
前記無段変速機の出力軸に結合されたクラッチと、
前記クラッチの出力軸に結合された駆動輪と、
前記駆動輪に結合されたモータと、
運転状態に応じて前記エンジン及び前記モータの出力と、前記クラッチの締結及び解放と、前記無段変速機の変速比とを制御する制御手段と、
車両の走行路の路面勾配を検出する路面勾配検出手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記クラッチを解放し、前記エンジンを停止して、前記モータの駆動力により走行可能な電気自動車モードで車両停止したときに、前記路面勾配が所定値以上と判定されたときは、前記クラッチを締結することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記制御手段は、前記路面勾配が前記所定値未満と判定されたときは、前記クラッチを解放し、前記エンジンを停止することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1または2に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記制御手段は、前記路面勾配が前記所定値より大きな第2の所定値以上と判定されたときは、前記クラッチを締結し、前記エンジンを始動することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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