JP2014180965A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジンに駆動され潤滑油を供給する機械式オイルポンプと、電動モータに駆動され潤滑油を供給する電動式オイルポンプとを備え、エンジンを停止して駆動用モータの駆動力により走行する電気走行モードにより走行しているときは、電動式オイルポンプを作動させる。
【選択図】図10
Description
図1は、実施例1のハイブリッド車両の駆動系およびその全体制御システムを示す概略系統図である。図1のハイブリッド車両は、エンジン1および電動モータ2を動力源として搭載し、エンジン1は、スタータモータ3により始動する。エンジン1は、Vベルト式の無段変速機4を介して駆動輪5に適宜切り離し可能に駆動結合する。
インバータ13は、バッテリ12の直流電力を交流電力に変換して電動モータ2へ供給すると共に、電動モータ2への供給電力を加減することにより、電動モータ2を駆動力制御および回転方向制御する。
なお電動モータ2は、上記のモータ駆動のほかに発電機としても機能し、後で詳述する回生制動の用にも供する。この回生制動時はインバータ13が、電動モータ2に回生制動力分の発電負荷をかけることにより、電動モータ2を発電機として作用させ、電動モータ2の発電電力をバッテリ12に蓄電する。
アウタピニオン31poutはリングギヤ31rの内周に噛合させ、キャリア31cを出力回転メンバとして作用するようファイナルギヤ組9に結合する。
キャリア31cとリングギヤ31rとをクラッチCLであるハイクラッチH/Cにより適宜結合可能となし、リングギヤ31rをクラッチCLであるリバースブレーキR/Bにより適宜固定可能となし、サンギヤ31s-2をクラッチCLであるローブレーキL/Bにより適宜固定可能となす。
プライマリプーリ圧ソレノイド37-2は、変速機コントローラ24からのCVT変速比指令に応動してライン圧PLをプライマリプーリ圧に調圧し、これをプライマリプーリ6へ供給することにより、プライマリプーリ6のV溝幅と、セカンダリプーリ7のV溝幅とを、CVT変速比が変速機コントローラ24からの指令に一致するよう制御して変速機コントローラ24からのCVT変速比指令を実現する。
ローブレーキ圧ソレノイド38は、変速機コントローラ24が副変速機31の第1速選択指令を発しているとき、ライン圧PLをローブレーキ圧としてローブレーキL/Bに供給することによりこれを締結させ、第1速選択指令を実現する。
ハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧ソレノイド39は、変速機コントローラ24が副変速機31の第2速選択指令または後退選択指令を発しているとき、ライン圧PLをハイクラッチ圧&リバースブレーキ圧としてスイッチバルブ41に供給する。
後退選択指令時はスイッチバルブ41が、ソレノイド39からのライン圧PLをリバースブレーキ圧としてリバースブレーキR/Bに向かわせ、これを締結することで副変速機31の後退選択指令を実現する。
ここで、EVモードにより電動モータ2が駆動力を出力する場合、もしくは回生制動力を発生する場合、副変速機31の全てのクラッチCLを解放し、エンジン1が停止されることから、機械式オイルポンプO/Pによる油圧が確保できず、電動モータ2により回転している回転要素が潤滑油不足となるおそれがある。そこで、EVモードにより走行する際には、電動式オイルポンプEO/Pを作動させ、電動モータ2による走行に伴って回転する副変速機31等の回転要素に対して潤滑油を供給する。言い換えると、パワートレーンにおいて、クラッチCLを含む駆動輪側の回転要素(被潤滑部に相当)に対して潤滑油を供給することで潤滑不足を解消する。
次に変速制御処理について説明する。図4は実施例1の変速機コントローラ24に格納される変速マップの一例である。変速機コントローラ24は、この変速マップを参照しながら、車両の運転状態(実施例1では車速VSP、プライマリ回転速度Npri、アクセルペダル開度APO)に応じて、無段変速機4を制御する。この変速マップでは、無段変速機4の動作点が車速VSPとプライマリ回転速度Npriとにより定義される。無段変速機4の動作点と変速マップ左下隅の零点を結ぶ線の傾きが無段変速機4の変速比(バリエータCVTの変速比に副変速機31の変速比を掛けて得られる全体の変速比、以下、「スルー変速比」という。)に対応する。
図5は実施例1のハイブリッド車両の走行モードが設定されたモードマップである。図5のモードマップでは、縦軸の0より上はアクセルペダル開度に応じて設定され、0より下についてはブレーキスイッチ26のオン・オフ状態に応じて設定されている。アクセルペダル19が踏み込まれたEV力行領域にあっては、力行車速VSPXまでEVモードによる力行領域が設定されている。尚、この力行車速VSPXの詳細については後述する。また、アクセルペダル19がほとんど踏み込まれていない状態(例えば、1/8よりも十分に小さなアクセルペダル開度)を表す領域には、力行車速VSPXよりも更に高車速の所定車速VSP1までEVモードによる力行領域が設定されている。この所定車速VSP1以下の領域はアクセルペダル19が踏み込まれた状態ではほとんど選択されることはない。
一方、HEVモードによる走行中にアクセルペダル19を解放してコースティング(惰性)走行へ移行した場合や、HEVモードによる力行状態からブレーキペダル16を踏み込んで車両を制動する場合、電動モータ2による回生制動によって車両の運動エネルギーを電力に変換し、これをバッテリ12に蓄電しておくことでエネルギー効率の向上を図る(HEV回生状態)。
そのため、HEVモードによる走行中に回生制動が開始され、所定車速VSP1を下回ると、クラッチCLの解放によりエンジン1およびバリエータCVTを駆動輪5から切り離してEVモードによる走行へと移行する。これによりEV回生状態とし、エンジン1および無段変速機4によるフリクションを低減し、その分だけエネルギー回生量を稼げるようにする。
次に、EVモードにおける変速比維持について説明する。例えば図5のモードマップ内に記載された矢印(a)に示すように、HEV回生領域からブレーキ操作によって減速し、EV回生領域に入ることでEV回生状態となると、クラッチCLを解放し、エンジン1を停止させる。その後、図5の矢印(b)に示すように、アクセルペダル19を踏み込むことで要求駆動力が所定以上となると、HEV力行領域に移行する。同様に、例えば図5の矢印(c)に示すように、アクセルペダル19が踏みこまれたHEV力行領域からブレーキ操作によってEV回生領域に入ることでEV回生状態となると、クラッチCLを解放し、エンジン1を停止させる。その後、図5の矢印(d)に示すように、アクセルペダル19を踏み込むことで要求駆動力が所定以上となると、HEV力行領域に移行する。このときは、エンジン1をスタータモータ3により再始動させると共に、クラッチCLを締結してEVモードからHEVモードへ切り替える。
よって、プライマリプーリ6内の油圧やセカンダリプーリ7内の油圧が抜け落ちると、セカンダリスプリングSEC_SPRによってセカンダリ推力Fsecが発生し、セカンダリプーリ溝幅を狭くする力が作用する。これに伴ってVベルト8に張力fsが発生し(以下、セカンダリ張力と記載する。)、Vベルト8がセカンダリプーリ7側に引っ張られることでプライマリプーリ6の溝幅が広くなる力が作用する。
ここで、HEVモードからEVモードへの切り替え時に変速比を維持する方法について説明する。図7は図6のバリエータにおける力の作用反作用の関係と、変速比維持に必要な油圧の関係とを表す特性図である。セカンダリスプリングSEC_SPRによってセカンダリ推力Fsecが発生すると、変速比に応じたセカンダリ張力fsが発生する。このとき、プライマリプーリ6に着目すると、プーリとVベルト8との摺動抵抗(以下、変速抵抗Frと記載する。)がVベルト8の移動を妨げる方向に常時作用する。
セカンダリスプリングSEC_SPRのセット荷重は、全ての変速比領域において摺動抵抗Frに打ち勝つ大きさに設定されている。このとき、プライマリプーリ6に所定の油圧を発生させて張力fpを発生させる。この張力fpの大きさは、プーリ間張力差(|fs-fp|)が変速抵抗Frよりも小さくなる値となるように所定の油圧を供給する。例えば、図7の太い実線に示すように、どの変速比領域においてもセカンダリスプリングSEC_SPRの取り得る張力範囲内となるような値を設定すると、プーリ間張力差は変速抵抗Frより小さく設定できるため、比較的低い所定油圧を供給するだけで変速比を維持することができる。
図8は実施例1のEVモードにおける変速比維持制御処理を表すフローチャートである。
ステップS1では、EVモード中で、かつ、電動式オイルポンプEO/Pが作動中か否かを判断し、EVモードではない(HEVモードである)、もしくは電動式オイルポンプEO/Pが非作動状態と判断した場合はステップS10に進み、それ以外の場合はステップS2に進む。
ステップS2では、EVモードを継続的に選択する要求が有るか否かを判断し、継続的にEVモードを選択する場合はステップS3に進み、それ以外の場合はステップS15に進む。
上記フローチャートに基づく作用について説明する。
(比較例に基づく作用)
比較例として電動式オイルポンプEO/Pを常時非作動の場合、もしくは電動式オイルポンプEO/Pを備えていないユニットの場合に、HEVモードからEVモードに遷移した後、チェンジマインドによりHEVモードに遷移した場合の問題について説明する。図9は比較例のハイブリッド車両においてEVモード時に油圧が発生しない場合におけるタイムチャートである。最初の走行状態は、アクセルペダル19を解放し、ブレーキペダル16を踏み込んだHEVモードにおける減速状態である。
次に、実施例1について説明する。図10は実施例1のハイブリッド車両においてEVモード時に電動式オイルポンプEO/Pを作動させて油圧を発生させる場合におけるタイムチャートである。最初の走行状態は、アクセルペダル19を解放し、ブレーキペダル16を踏み込んだHEVモードにおける減速状態である。
(1−1)エンジン1と、エンジン1の出力軸に結合されたクラッチCLと、クラッチCLの出力軸に結合された駆動輪5と、駆動輪5に結合された電動モータ2(駆動用モータ)と、エンジン1に駆動され被潤滑部に潤滑油を供給する機械式オイルポンプO/Pと、ポンプ用モータ(電動モータ)に駆動され被潤滑部に潤滑油を供給する電動式オイルポンプEO/Pと、運転状態に応じて、エンジン1及び電動モータ2の出力状態と、クラッチCLの締結・解放と、電動式オイルポンプEO/Pの作動状態とを制御するハイブリッドコントローラ24(制御手段:以下、コントローラと記載する。)と、を備え、コントローラは、エンジン1を停止して電動モータ2の駆動力により走行するEVモード(電気走行モード)により走行しているときは、電動式オイルポンプEO/Pを作動させることとした。
よって、EVモード中に機械式オイルポンプO/Pが停止したとしても、電動式オイルポンプEO/Pによって潤滑油の供給を行うことができ、EVモードによる走行中に回転する回転要素の潤滑が不足するといった事態を解消できる。また、電動式オイルポンプEO/Pはポンプ用モータにより駆動されるため、油圧を要求した場合のみ吐出できる。すなわち、HEVモードによって機械式オイルポンプO/Pによる油圧が確保されているときには、非作動とすることで、負荷となることがなく、燃費の悪化を回避できる。
よって、EVモードにおいてエンジン1やバリエータCVTの回転が停止しても、電動モータ2の駆動により継続して回転する回転要素に対して十分な潤滑油を供給できる。
よって、掻き揚げ潤滑では遠心力ではじかれてしまい、潤滑できないクラッチパック内部の回転要素に対しても、軸心潤滑を行うことで遠心力により確実に潤滑油を供給できる。
よって、各クラッチCLやギヤ等に対して十分な潤滑油を供給できる。
すなわち、車両停車中であれば、回転要素が回転することもなく、また再発進時のことを考えると、最Low変速比に設定されても何ら問題ない。よって、EVモードとしつつも電動式オイルポンプEO/Pを非作動とし、できなりの変速比(時間経過に応じてLow側に変化していく変速比)とすることで、電動式オイルポンプEO/Pの作動時間を抑制することによる耐久性の向上を図りつつ、無駄なエネルギー消費を抑制できる。
よって、HEVモードからEVモードに素早く切り替えることができ、燃費の改善を図ることができる。また、EVモードからHEVモードに切り替える際にも、変速比が最Low側に変速していないため、過度のエンジン回転数上昇を招くことがなく、運転者に与える違和感を抑制できる。また、クラッチCLの入力側回転数が出力側回転数よりも高い状態を維持できるため、クラッチCLの締結による引きショック等を回避しつつ素早いモード切り替えを達成できる。また、必要な油圧を最小限に抑えることができ、安価で小型な電動式オイルポンプEO/Pを採用できる。尚、「HEVモードからEVモードに切り替えたとき」とは、HEVモードからEVモードへの切り替え指令タイミングとクラッチCLの解放タイミングとが同じ場合は切り替え指令タイミングでよい。切り替え指令タイミングより後にクラッチCLが解放される場合には、どちらかのタイミングの変速比を維持することとすればよい。例えば、切り替え指令タイミングからある程度変速比をHigh側に変速したい場合には、クラッチ解放タイミングにおける変速比を維持することが好ましい場合がある。
次に、実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図11は実施例2のハイブリッド車両の駆動系およびその全体制御システムを示す概略系統図である。実施例1では、バリエータCVTと駆動輪との間に副変速機31を有し、EVモードでは、副変速機31内のクラッチCLを解放することとした。
これに対し、実施例2では、トルクコンバータT/CとバリエータCVTとの間に、前進クラッチ及びリバースクラッチといった二つのクラッチCLを備えた前後進切り替え機構310を備えたものである。前進クラッチ及びリバースクラッチには必要な締結圧がそれぞれ供給可能に構成され、また、これらクラッチパック内部の軸心潤滑を行う軸心潤滑油路40aを備え、EVモードのときには電動式オイルポンプEO/Pを駆動することで潤滑油を常時供給可能としている。
(7−5)前進クラッチもしくはリバースクラッチといったクラッチCLと駆動輪5との間に、二つのプーリと該プーリに架け渡されたベルトにより変速比を無段階に変更可能なバリエータCVT(無段変速機)を有し、電動式オイルポンプEO/Pは、湿式多板プレートを収装するクラッチパックの軸心部に設けられた軸心潤滑油路40aと、バリエータCVTのベルト内側に設けられたスプレーバー401(潤滑油噴射部)とに潤滑油を供給する。
よって、EVモード中に機械式オイルポンプO/Pが停止したとしても、電動式オイルポンプEO/Pによって潤滑油の供給を行うことができ、EVモードによる走行中に回転する回転要素の潤滑が不足するといった事態を解消できる。
次に、実施例3について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図12は実施例3のハイブリッド車両の駆動系及びその全体制御システムを示す概略系統図である。
実施例1では、トルクコンバータT/C,バリエータCVT及び副変速機31を備えていた。これに対し、実施例3では、トルクコンバータT/Cに代えて乾式の発進クラッチ500を備え、発進クラッチ500と駆動輪5との間に、平行な2軸上に配置された複数の常時噛み合歯車組を有し、この常時噛み合い歯車組の中からシフトアクチュエータにより所望の変速段に対応する歯車組を選択することで変速する自動マニュアルトランスミッション600を有する。発進クラッチ500及びシフトフォークはそれぞれ油圧作動するアクチュエータであり、また、自動マニュアルトランスミッション600の歯車組には、変速機潤滑機構402が設けられている。変速機潤滑機構402は、駆動輪5の回転に伴って回転する歯車組の噛み合いや軸受け部分に潤滑油を供給する。
EVモードにおいて、電動式オイルポンプEO/Pが作動されると、発進クラッチ500よりも駆動輪側の回転要素である自動マニュアルトランスミッション600に対して変速機潤滑機構402から潤滑油が供給される。
(8−6)発進クラッチ500と駆動輪5との間に、平行な2軸上に配置された複数の常時噛み合歯車組の中からシフトアクチュエータにより所望の変速段に対応する歯車組を選択することで変速する自動マニュアルトランスミッション600を有し、電動式オイルポンプEO/Pは、発進クラッチ500よりも駆動輪側の回転要素と、自動マニュアルトランスミッション600とに潤滑油を供給する。
よって、EVモード中に機械式オイルポンプO/Pが停止したとしても、電動式オイルポンプEO/Pによって潤滑油の供給を行うことができ、EVモードによる走行中に回転する回転要素の潤滑が不足するといった事態を解消できる。尚、実施例3では発進クラッチとして乾式クラッチを採用した例を示したが、湿式多板クラッチを採用してもよい。この場合には、湿式多板クラッチに対して確実に潤滑できるよう、軸心潤滑を行うことが望ましい。
次に、実施例4について説明する。基本的な構成は実施例3と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図13は実施例4のハイブリッド車両の駆動系及びその全体制御システムを示す概略系統図である。実施例3では、1つの発進クラッチ500と1つの自動マニュアルトランスミッション600によって構成された駆動系を示した。これに対し、実施例4では、偶数段クラッチ501及び奇数段クラッチ502からなる二つの発進クラッチCLと、偶数変速段を担う自動マニュアルトランスミッション601及び奇数変速段を担う自動マニュアルトランスミッション602とを備えたものである。そして、二つの自動マニュアルトランスミッション601,602に対して潤滑油を供給可能な変速機潤滑機構403を備えたものである。作用効果は実施例3と同じであるため説明は省略する。尚、実施例3でも説明したように、偶数段クラッチ501,奇数段502として乾式クラッチを採用したが、湿式多板クラッチを採用してもよい。この場合には、湿式多板クラッチに対して確実に潤滑できるよう、軸心潤滑を行うことが望ましい。
次に、実施例5について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。実施例1では、EVモードに切り替えられた時は、バリエータCVTの変速比を維持すると共に、潤滑油の供給を行うものであるため、比較的吐出能力の小さな電動式オイルポンプEO/Pを搭載した。これに対し、実施例5では、バリエータCVTの変速が可能な吐出能力を有する大型の電動式オイルポンプEO/Pを搭載した点が異なる。
(9−9)エンジン1とクラッチCLとの間に、二つのプーリと該プーリに架け渡されたベルトにより変速比を無段階に変更可能なバリエータCVTを有し、コントローラは、EVモードにより走行しているときは、クラッチCLをスリップ締結させて、電動式オイルポンプEO/Pによりプーリに油圧を供給することでバリエータCVTの変速比を運転状態に応じて制御する。
よって、EVモードからHEVモードへの切り替えにあたり、エンジン再始動直後に、クラッチCLをスリップ締結状態から完全締結状態に切り替える際、クラッチCLの相対回転を小さくすることができ、締結完了までの時間を短縮できる。
また、クラッチCLの入出力回転を同期させることで、締結ショックを抑制することができ、良好な運転性を実現できる。
以上、本願発明を各実施例に基づいて説明したが、上記構成に限られず、他の構成であっても本願発明に含まれる。
実施例ではスタータモータ3によりエンジン再始動を行う構成を示したが、他の構成であっても構わない。具体的には、近年、アイドリングストップ機能付き車両であって、オルタネータをモータ・ジェネレータに置き換え、このモータ・ジェネレータにオルタネータ機能を加えてエンジン始動機能を付加することにより、アイドリングストップからのエンジン再始動時に、スタータモータではなく、このモータ・ジェネレータによりエンジン再始動を行う技術が実用化されている。本願発明も上記のようなモータ・ジェネレータによりエンジン再始動を行う構成としてもよい。
この場合、図8のステップS5にて変速比を維持する際、プライマリプーリ6内に油圧を供給することに伴いセカンダリプーリ7内にも油圧が供給されることになるが、一般的にセカンダリプーリの受圧面積<プライマリプーリの受圧面積として設定されるため、電動式オイルポンプEO/Pの吐出圧が極端に大きくない限り、図7に示した張力の関係は成立し(張力の大小関係が変わることはない)、プライマリプーリ6内にのみ油圧を供給する場合と同様に変速比を維持することができる。
2 電動モータ(動力源)
3 スタータモータ
4 Vベルト式無段変速機
5 駆動輪
6 プライマリプーリ
7 セカンダリプーリ
8 Vベルト
CVT バリエータ(無段変速機構)
T/C トルクコンバータ
CL 締結要素
9,11 ファイナルギヤ組
12 バッテリ
13 インバータ
14 ブレーキディスク
15 キャリパ
16 ブレーキペダル
17 負圧式ブレーキブースタ
18 マスタシリンダ
19 アクセルペダル
21 ハイブリッドコントローラ
22 エンジンコントローラ
23 モータコントローラ
24 変速機コントローラ
25 バッテリコントローラ
26 ブレーキスイッチ
27 アクセル開度センサ
O/P オイルポンプ
31 副変速機
H/C ハイクラッチ
R/B リバースブレーキ
L/B ローブレーキ
32 車速センサ
Claims (9)
- エンジンと、
前記エンジンの出力軸に結合されたクラッチと、
前記クラッチの出力軸に結合された駆動輪と、
前記駆動輪に結合された駆動用モータと、
前記エンジンに駆動され被潤滑部に潤滑油を供給する機械式オイルポンプと、
電動モータに駆動され被潤滑部に潤滑油を供給する電動式オイルポンプと、
運転状態に応じて、前記エンジン及び前記駆動用モータの出力状態と、前記クラッチの締結・解放と、前記電動式オイルポンプの作動状態とを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記エンジンを停止して前記駆動用モータの駆動力により走行する電気走行モードにより走行しているときは、前記電動式オイルポンプを作動させることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記電動式オイルポンプは、前記クラッチよりも駆動輪側の回転要素に潤滑油を供給することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記電動式オイルポンプは、前記クラッチの湿式の多板プレートを収装するクラッチパックの軸心部に設けられた軸心潤滑油路に潤滑油を供給することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記クラッチは、遊星歯車と複数のクラッチとを有する副変速機内のクラッチであることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記クラッチと前記駆動輪との間に、二つのプーリと該プーリに架け渡されたベルトにより変速比を無段階に変更可能な無段変速機を有し、
前記電動式オイルポンプは、前記クラッチを収装するクラッチパックの軸心部に設けられた軸心潤滑油路と、前記無段変速機のベルト内側に設けられた潤滑油噴射部とに潤滑油を供給することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記クラッチと前記駆動輪との間に、平行な2軸上に配置された複数の常時噛み合歯車組の中からシフトアクチュエータにより所望の変速段に対応する歯車組を選択することで変速する自動マニュアルトランスミッションを有し、
前記電動式オイルポンプは、前記クラッチよりも駆動輪側の回転要素と、前記自動マニュアルトランスミッションとに潤滑油を供給することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1ないし6いずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記制御手段は、前記電気走行モードで停車しているときは、前記電動式オイルポンプを停止させることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1ないし7いずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記エンジンと前記クラッチとの間に、二つのプーリと該プーリに架け渡されたベルトにより変速比を無段階に変更可能な無段変速機を有し、
前記制御手段は、前記電気自動車モードにより走行しているときは、前記クラッチを解放し、前記電動式オイルポンプにより前記プーリに油圧を供給することで、前記エンジンと前記駆動用モータとを併用して走行するハイブリッド走行モードから前記電気走行モードに切り替えたときの前記無段変速機の変速比を維持することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1ないし7いずれか1つに記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記エンジンと前記クラッチとの間に、二つのプーリと該プーリに架け渡されたベルトにより変速比を無段階に変更可能な無段変速機を有し、
前記制御手段は、前記電気走行モードにより走行しているときは、前記クラッチをスリップ締結させて、前記電動式オイルポンプにより前記プーリに油圧を供給することで前記無段変速機の変速比を運転状態に応じて制御することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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