JP2015127151A - ドレンホース - Google Patents

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Abstract

【課題】ドレンホースを車体パネルに組み付ける際に組み付けの完了を作業者に把握しやすくしながら、組み付け後のドレンホースが車体パネルから外れにくくし、しかも、部品点数を削減する。【解決手段】ドレンホース1は、ドレンホース本体10と、硬質部材20とを備えている。硬質部材20には、切欠部と、ツメ部21とが設けられている。ドレンホース本体10の外周面における硬質部材20が取り付けられた部分には、切欠部内に位置するように突出し、ドレンホース本体10に対して貫通孔からの抜き方向に力が作用した際に切欠部の縁部22aを硬質部材20の拡径方向に押圧する突出部14が設けられている。【選択図】図9

Description

本発明は、例えば車両用空調装置の凝縮水を排水する際に使用するドレンホースに関するものである。
従来より、例えば車両用空調装置には、ケーシング内に溜まった凝縮水を車室外に排水するためのドレンホースが設けられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されているものは、弾性体であるゴム材からなる軟質ホース部と、ポリプロピレン材等の樹脂材からなる硬質部とを有している。軟質ホース部の上流端部がケーシングの底壁部に形成された排水口に接続されている。硬質部には管部が設けられており、軟質ホースの下流端部が硬質部の管部の上流端に接続されている。硬質部は、車体パネルに対して車室側から組み付けられ、この状態で管部の下流端が車体パネルに形成された貫通孔から車室外へ臨むようになっている。
また、硬質部の管部の下流端部と車体パネルの貫通孔周縁部との間には、止水パッキンが配設されている。
特許第4882884号公報
ところで、特許文献1では、硬質部を設けることで軟質ホース部の下流端部を車体パネルに対して位置決めするようにしている。この硬質部は弾性変形しないものであるため、車体パネルの貫通孔周縁部との間に止水パッキンを設けなければならない。このため、少なくとも、軟質ホース部、硬質部、止水パッキンの3つの部材が必要になり、部品点数が多いという問題がある。
また、ドレンホースを車体へ組み付けた後、仮にドレンホースが引っ張られたとしても車体パネルから外れにくくしておかなければならない。さらに、ドレンホースを車体へ組み付ける際、作業者が組み付けの完了を明確に把握できるようにしたいという要求もある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ドレンホースを車体パネルに組み付ける際に組み付けの完了を作業者に把握しやすくしながら、組み付け後のドレンホースが車体パネルから外れにくくし、しかも、部品点数を削減することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、弾性材からなるドレンホース本体に、ツメ部を有する硬質部材を取り付け、このツメ部を車体パネルの貫通孔周縁部に係合させるようにした。
第1の発明は、
車室内に搭載される車両用空調装置のケーシング内に溜まる凝縮水を車室外へ排水するためのドレンホースにおいて、
上流側が上記ケーシングの排水口に接続され、下流側が車体パネルに形成された貫通孔から車室外に臨むように配設されて該貫通孔の周縁部に接触するように形成された弾性部材からなるドレンホース本体と、
上記ドレンホース本体の下流側の外周面を囲むように形成されて該下流側に取り付けられるとともに、上記ドレンホース本体よりも硬い材料からなる硬質部材とを備え、
上記硬質部材には、周方向の一部を切り欠いて形成された切欠部と、上記車体パネルの貫通孔の周縁部に対し車室外から係合するツメ部とが設けられ、
上記ドレンホース本体における上記硬質部材が取り付けられた部分には、上記切欠部内に位置するように突出し、該ドレンホース本体に対して上記貫通孔からの抜き方向に力が作用した際に上記切欠部の縁部を上記硬質部材の拡径方向に押圧する押圧部が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、硬質部材の切欠部を拡げるようにして硬質部材の内方にドレンホース本体を挿入することで硬質部材がドレンホース本体の下流側に取り付けられる。そして、ドレンホース本体の下流側を車体パネルの貫通孔に挿入すると、硬質部材のツメ部が貫通孔の周縁部に対し車室外から係合する。このとき、ツメ部が硬質部材の一部であるため、車体パネルの貫通孔の周縁部に係合した際に音や振動が発生する。これにより、ツメ部が貫通孔の周縁部に係合したか否かを作業者が把握することが可能になる。
ツメ部が貫通孔の周縁部に係合した後、例えばドレンホース本体に対して貫通孔からの抜き方向に力が作用した際、硬質部材の切欠部内に位置する押圧部が切欠部の縁部を硬質部材の拡径方向に押圧することになるので、ツメ部が貫通孔の周縁部に押し付けられることになり、ツメ部の係合がより一層強固になる。
また、ドレンホース本体が弾性部材からなるので、ドレンホース本体の下流側が車体パネルの貫通孔の周縁部に接触した状態で貫通孔の周縁部の形状に沿うように弾性変形する。これにより、従来例のような止水パッキンを設けなくても貫通孔の周縁部のシール性が確保される。
第2の発明は、第1の発明において、
上記硬質部材の切欠部の幅は、該硬質部材における車室内側へ向けて狭くなっていることを特徴とする。
この構成によれば、硬質部材の切欠部の幅が車室内側へ行くほど狭くなっているので、ドレンホース本体に対して車室内側へ向けて抜き方向に力が作用した際に、切欠部内に位置する押圧部が切欠部の幅を広げるように該切欠部の縁部を押圧する。これにより、硬質部材が確実に拡径する。
第3の発明は、第1または2の発明において、
上記ドレンホース本体の上記押圧部の幅は、該押圧部における車室外側へ向けて広くなっていることを特徴とする。
この構成によれば、ドレンホース本体の押圧部の幅が車室外側へ行くほど広くなっているので、ドレンホース本体に対して車室内側へ向けて抜き方向に力が作用した際に、切欠部内に位置する押圧部が楔のように働いて切欠部の幅を広げる。これにより、硬質部材が確実に拡径する。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、
上記ドレンホース本体の下流側には、該ドレンホース本体の径方向外方へ延出して上記車体パネルの貫通孔の周縁部に接触するシール部が全周に亘って設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、ドレンホース本体の下流側を車体パネルの貫通孔に挿入するとシール部が貫通孔の周縁部に全周に亘って接触するので高いシール性が得られる。
第1の発明によれば、ツメ部を有する硬質部材をドレンホース本体の下流側に設けているので、ドレンホースを車体パネルに組み付ける際に組み付けの完了を作業者が把握しやすくなる。また、ドレンホース本体に対して貫通孔からの抜き方向に力が作用した際に硬質部材の切欠部の縁部を硬質部材の拡径方向に押圧するようにしたので、組み付け後のドレンホースが車体パネルから外れにくくなる。さらに、止水パッキンを設けなくても貫通孔の周縁部のシール性を確保できるので、部品点数を削減することができる。
第2の発明によれば、硬質部材の車室内側へ向けて切欠部の幅が狭くなるようにしたので、ドレンホース本体に対して車体パネルの貫通孔から車室内側へ向けて抜け方向に力が作用した際に硬質部材を確実に拡径させることができる。これにより、ツメ部を貫通孔の周縁部により一層強固に係合させることができる。
第3の発明によれば、ドレンホース本体の押圧部の幅を車室外側へ向けて広くしたので、ドレンホース本体に対して車体パネルの貫通孔から車室内側へ向けて抜け方向に力が作用した際に硬質部材を確実に拡径させることができる。これにより、ツメ部を貫通孔の周縁部により一層強固に係合させることができる。
第4の発明によれば、ドレンホース本体の下流側に、車体パネルの貫通孔の周縁部に接触するシール部を全周に亘って設けたので高いシール性を得ることができる。
本発明の実施形態に係るドレンホースの右側面図である。 ドレンホースの左側面図である。 ドレンホースの背面図である。 ドレンホースの平面図である。 ドレンホースの底面図である。 図1におけるVI−VI線断面図である。 図3におけるVII−VII線断面図である。 図3におけるVIII−VIII線断面図である。 ドレンホース下部の斜視図である。 ドレンホース下部の分解斜視図である。 硬質部材の斜視図である。 図1におけるVI−VI線に相当する断面図であり、(a)は車体へ組み付ける前の状態を示し、(b)は車体へ組み付けた状態を示す。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は本発明の実施形態に係るドレンホース1の右側面図であり、図2は左側面図である。ドレンホース1は、例えば自動車等の車室内に搭載される車両用空調装置のケーシング100(図3に仮想線で示す)内に溜まる凝縮水を車室外へ排水するためのものである。ケーシング100内には、図示しないが空調用空気を冷却するための冷却用熱交換器が収容されている。ケーシング100の底壁部100には、最も低くなった部位から下方へ突出するドレン管102が設けられている。従って、冷却用熱交換器の表面で凝縮した凝縮水はケーシング100の底壁部101に流下してドレン管102に向かって流れ、図示しないがドレン管102の下流端部に開口する排水口(図示せず)からケーシング100外へ流出するようになっている。
尚、この実施形態の説明では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車両左側を単に「左」といい、車両右側を単に「右」というものとする。
ドレンホース1は、例えばゴム等の弾性部材からなるドレンホース本体10と、例えばナイロン等の硬い材料からなる硬質部材20とを備えている。硬質部材20の材料としては、ドレンホース本体10よりも硬ければよく、ナイロンに限られるものではないが、後述するように、ある程度の弾性を持っており、弾性変形領域で拡径することが可能な材料が好ましい。
ドレンホース本体10は、略上下方向に延びており、上側が上流側とされ、下側が下流側とされている。ドレンホース本体10の上流側には、ケーシング101のドレン管102の排水口に接続される上流側接続部11が設けられている。上流側接続部11は、ドレンホース本体10の中間部分よりも大径に形成されており、斜め上方へ延びている。ドレン管102の先端部が上流側接続部11に嵌入された状態でドレン管102の外周面と上流側接続部11の内周面とが密着してシール性が確保されるようになっている。
ドレンホース本体10における上流側接続部11よりも下流側には背面視(図3に示す)で略直角に屈曲する第1屈曲部10aが設けられている。ドレンホース本体10における第1屈曲部10aよりも下流側は図1に示すように斜め下方へ直線状に延びている。ドレンホース本体10の上下方向中央部近傍には、第2屈曲部10bが設けられている。さらに、ドレンホース本体10における第2屈曲部10bよりも下流側は図1〜3に示すように略鉛直に延びている。ドレンホース本体10の下流側には、第3屈曲部10cが設けられており、ドレンホース本体10の下流側は右側へ突出している。
ドレンホース本体10の下流側は、図12(b)に示す車体パネルPに形成された貫通孔P1から車室外に臨むように配設される。この実施形態では、車体パネルPが車両のフロアトンネルの側壁部を構成する場合を示しており、従って車体パネルPは上下方向に延びている。車体パネルPの貫通孔P1は略円形である。尚、車体パネルPの延びる方向は、上下方向に限られるものではなく、例えばフロアパネル等のように略水平方向であってもよい。この場合、車体パネルPと直交する方向に延びるようにドレンホース本体10の下流側を形成すればよい。
ドレンホース本体10の下流側にはシール部12が設けられている。このシール部12は、図12(b)に示すように車体パネルPの貫通孔P1の周縁部に接触することによって貫通孔P1の周縁部とドレンホース本体10の下流側との間をシールするためのものである。シール部12は、ドレンホース本体10の下流側の外周面から径方向外方へ延出し、該ドレンホース本体10の全周に亘って形成されたフランジ状をなしている。このシール部12は、その形状がフランジ状であることから該シール部12の厚み方向に容易に弾性変形するようになるので、貫通孔P1の周縁部に接触した際、周縁部の形状に沿うようになる。
シール部12における延出方向先端部には、車体パネルP側へ突出して環状に連続して延びる突条部12aが形成されている。この突条部12aが車体パネルPに接触する。また、シール部12における車体パネルPと反対側の面には、ドレンホース本体10の外周面に連なる複数のリブ12bが周方向に互いに間隔をあけて設けられている。
ドレンホース本体10のシール部12よりも下流側には、硬質部材20が取り付けられる硬質部材取付部13が設けられている。硬質部材取付部13は、左右方向に延びる中心線を有する略円環状に形成されている。図10等に示すように、硬質部材取付部13の外周面の下部には、下方へ突出する突出部(押圧部)14が形成されている。この突出部14は、後述する硬質部材20の切欠部22内に位置するように突出したものである。
また、硬質部材取付部13の外周面には、3つの平坦面13b(図7、図10に示す)が周方向に互いに間隔をあけて形成されている。平坦面13bは、硬質部材取付部13の外周面の上部、前側、後側にそれぞれ配置されている。
突出部14におけるドレンホース本体10の周方向両側面14a、14a(図5、図9及び図10に示す)は略上下方向に延びている。また、図5に示すように下方から見たとき、突出部14の両側面14a、14aは、硬質部材取付部13の中心線に対して傾斜しており、その傾斜方向は、突出部14における車室外側へ行くほど互いに離れる方向となっている。従って、突出部14の幅は、突出部14における車室外側へ向けて広くなっている。
また、図6等に示すように、ドレンホース本体10の硬質部材取付部13よりも下流側の端面には、下流端開口10dが形成されている。図9等に示すように、ドレンホース本体10の下流端開口10dの周縁部には、径方向に延出する延出部15が設けられている。延出部15の周縁部は、硬質部材取付部13の外周面よりも外方に位置している。延出部15の下部15aは、上部や側部に比べて大きく延出している。図6に示すように、延出部15の下部15aの端部と、シール部12の下端部とは、略同じ高さに位置している。延出部15の下部15aは、幅方向(前後方向)の中央部が最も車体パネルPの外面に接近するように湾曲している。
図9〜図11に示すように、硬質部材20は、ドレンホース本体10の硬質部材取付部13(下流側)を囲むように形成されている。硬質部材20の周方向の一部には、切欠部22が設けられており、この切欠部22の形成によって硬質部材20はその一部が非連続状態となり、外力による拡径及び縮径が可能になる。この実施形態では、硬質部材20は略C字状をなしており、切欠部22が下に位置するように硬質部材取付部13に取り付けられる。また、切欠部22の幅は、ドレンホース本体10の硬質部材取付部13の外径よりも十分に狭く設定されている。
切欠部22の周方向両縁部22a、22a(図5、図11に示す)は、下方から見たとき、硬質部材20における車室内側へ行くほど互いに接近する方向に傾斜している。従って、切欠部22の幅は、硬質部材20における車室内側へ向けて狭くなっている。
また、硬質部材20の周縁部には図10及び図11に示すように面取り部20cが設けられている。この面取り部20cは、硬質部材20を車体パネルPの貫通孔P1に挿入する際に硬質部材20の縁部が貫通孔P1の周縁部に引っかからないようにするためのものである。
硬質部材20には、図12に示すように車体パネルPの貫通孔P1の周縁部に対し車室外から係合する3つのツメ部21が設けられている。ツメ部21は、硬質部材取付部13の外周面に形成されている平坦面13bと一致するように周方向に互いに間隔をあけて形成されている。つまり、ツメ部21は、硬質部材20の上部、前側、後側にそれぞれ配置されている。
各ツメ部21は同じ構成であり、可撓片21aと、可撓片21aから突出する突部21bとを有している。すなわち、硬質部材20には、可撓片21aを硬質部材20の本体部分に対して該硬質部材20の内外方向に撓ませることができるようにコ字状に延びるスリット23が形成されている。可撓片21aは、硬質部材20における車室外側の縁部と一体化している。従って、可撓片21aは、可撓片21aの車室内側が硬質部材20の内外方向に変位するように撓む。
突部21bは、可撓片21aの車室内側から硬質部材20の径方向外方へ突出するように設けられている。突部21bの可撓片21aからの突出高さは、突部21bの先端が硬質部材20の本体部分の外周面よりも径方向外方に位置するように設定されている。突部21bは、車体パネルPの貫通孔P1の周縁部に係合する部位である。
次に、上記のように構成された硬質部材20をドレンホース本体10に取り付ける要領について説明する。まず、硬質部材20の切欠部22の幅が広がるように硬質部材20を拡径する。一方、ドレンホース本体10の硬質部材取付部13は、硬質部材20の切欠部22内に入るように弾性変形させ、硬質部材取付部13を切欠部22から硬質部材20に完全に挿入した後、ドレンホース本体10及び硬質部材20に対する外力を除く。すると、図9に示すようにドレンホース本体10及び硬質部材20の形状が復元して硬質部材20がドレンホース本体10の硬質部材取付部13を囲むようにして取り付けられる。この状態で、ドレンホース本体10の突出部14が切欠部22内に位置することになる。つまり、ドレンホース本体10の外周面における硬質部材20が取り付けられた部分には、切欠部22内に位置するように突出する突出部14が設けられている。これにより、硬質部材20の回転が防止される。
次に、ドレンホース1を車体に組み付ける場合について説明する。まず、硬質部材20を取り付けたドレンホース本体10の上流側接続部11をケーシング101のドレン管102に接続する。
その後、ドレンホース本体10の下流側を車体パネルPに固定する。すなわち、始めに、図12(a)に示すように、ドレンホース本体10の下流側を車体パネルPの貫通孔P1に対して車室内側から対向するように配置する。そして、ドレンホース本体10の延出部15の下部15aを上部よりも先に貫通孔P1に挿入する。延出部15の下部15aを貫通孔P1に挿入した後、ドレンホース本体10の下流側を車室内側から貫通孔P1の周縁部に押し付けると、延出部15が貫通孔P1に押し込まれるとともに、硬質部材20のツメ部21が貫通孔P1の周縁部に接触して硬質部材20の径方向内側に変位するように撓み、貫通孔P1を乗り越える。硬質部材20のツメ部21が貫通孔P1を乗り越えて車室外側に達すると、図12(b)に示すようにツメ部21の形状が復元して貫通孔P1の周縁部に車室外側から係合してドレンホース本体10の下流側が車体パネルPに固定された状態になる。ツメ部21が貫通孔P1の周縁部に係合する際、ツメ部21が硬質部材20の一部であるため、音や振動を発する。これにより、ツメ部21が車体パネルPの貫通孔P1の周縁部に係合したか否かを作業者が音や振動等によって把握することが可能になる。
この状態では、ドレンホース本体10のシール部12が車体パネルPの貫通孔P1の周縁部に接触し、該貫通孔P1の周縁部の形状に沿うように変形する。これにより、従来例のような止水パッキンを設けなくても、ドレンホース本体10と貫通孔P1の周縁部との間のシール性が高まる。
ツメ部21が貫通孔P1の周縁部に係合した後、例えばドレンホース本体10が車室内側から引っ張られ、ドレンホース本体10に対して貫通孔P1からの抜き方向に力が作用することがある。このとき、硬質部材20の切欠部22内には、ドレンホース本体10の突出部14が位置しており、この突出部14の幅が車室外側へ行くほど広くなっているので、ドレンホース本体10が車室内側へ向けて引っ張られると、切欠部22内に位置する突出部14が楔のように働いて切欠部14の幅を広げるように切欠部22の縁部22a、22aを突出部14の両側面14a、14aが押圧する。これにより、硬質部材20が確実に拡径してツメ部21が貫通孔P1の周縁部に押し付けられることになり、ツメ部21の係合がより一層強固になる。
また、硬質部材20の切欠部22の幅が車室内側へ行くほど狭くなっているので、ドレンホース本体10が車室内側へ向けて引っ張られると、切欠部22内に位置する突出部14が切欠部22の幅を広げるように該切欠部22の縁部22a、22aを押圧する。このことによっても、硬質部材20が確実に拡径する。
以上説明したように、この実施形態に係るドレンホース1によれば、ツメ部21を有する硬質部材20を設けているので、ドレンホース1を車体パネルPに組み付ける際に組み付けの完了を作業者が把握しやすくなる。また、ドレンホース本体10に対して貫通孔P1からの抜き方向に力が作用した際に硬質部材20の切欠部22の縁部22a、22aを硬質部材20の拡径方向に押圧するようにしたので、組み付け後のドレンホース1が車体パネルPから外れにくくなる。さらに、止水パッキンを設けなくても貫通孔P1の周縁部のシール性を確保できるので、部品点数を削減することができる。
また、硬質部材20の車室内側へ向けて切欠部22の幅が狭くなるようにしたので、ドレンホース本体10に対して車室内側へ向けて引張力が作用した際に硬質部材20を確実に拡径させることができる。これにより、ツメ部21を貫通孔P1の周縁部により一層強固に係合させることができる。
また、ドレンホース本体10の突出部14の幅を車室外側へ向けて広くしたので、ドレンホース本体10に対して車室内側へ向けて引張力が作用した際に硬質部材20を確実に拡径させることができる。このことによってもツメ部21を貫通孔P1の周縁部により一層強固に係合させることができる。
また、ドレンホース本体10の下流側に、車体パネルPの貫通孔P1の周縁部に接触するシール部12を全周に亘って設けたので高いシール性を得ることができる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係るドレンホースは、例えば車両用空調装置に使用することができる。
1 ドレンホース
10 ドレンホース本体
12 シール部
14 突出部
20 硬質部材
21 ツメ部
22 切欠部
100 ケーシング
P 車体パネル
P1 貫通孔

Claims (4)

  1. 車室内に搭載される車両用空調装置のケーシング内に溜まる凝縮水を車室外へ排水するためのドレンホースにおいて、
    上流側が上記ケーシングの排水口に接続され、下流側が車体パネルに形成された貫通孔から車室外に臨むように配設されて該貫通孔の周縁部に接触するように形成された弾性部材からなるドレンホース本体と、
    上記ドレンホース本体の下流側の外周面を囲むように形成されて該下流側に取り付けられるとともに、上記ドレンホース本体よりも硬い材料からなる硬質部材とを備え、
    上記硬質部材には、周方向の一部を切り欠いて形成された切欠部と、上記車体パネルの貫通孔の周縁部に対し車室外から係合するツメ部とが設けられ、
    上記ドレンホース本体における上記硬質部材が取り付けられた部分には、上記切欠部内に位置するように突出し、該ドレンホース本体に対して上記貫通孔からの抜き方向に力が作用した際に上記切欠部の縁部を上記硬質部材の拡径方向に押圧する押圧部が設けられていることを特徴とするドレンホース。
  2. 請求項1に記載のドレンホースにおいて、
    上記硬質部材の切欠部の幅は、該硬質部材における車室内側へ向けて狭くなっていることを特徴とするドレンホース。
  3. 請求項1または2に記載のドレンホースにおいて、
    上記ドレンホース本体の上記押圧部の幅は、該押圧部における車室外側へ向けて広くなっていることを特徴とするドレンホース。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載のドレンホースにおいて、
    上記ドレンホース本体の下流側には、該ドレンホース本体の径方向外方へ延出して上記車体パネルの貫通孔の周縁部に接触するシール部が全周に亘って設けられていることを特徴とするドレンホース。
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