JP2015126202A - 電子部品の製造方法、電子部品 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本発明による電子部品10の第1実施形態を示す斜視図である。
図2は、電子部品10を図1中のZ−Z線に沿って切断した縦断面図である。
なお、以下の説明において、理解を容易にするために上下等の文言を用いるが、この上下とは、図中における上下方向を指すものであり、本発明の構成を限定するものではない。
また、図1及び図2を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
さらに、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
また、磁性体部11は、巻線コイル12の端子部、すなわち、外部電極13に対応する両端部に突起形状11aを有している。
突起形状11aは、巻線コイル12のコイル巻回部分の磁性体部11よりも厚さ方向(上下方向)及び幅方向(図2中の紙面奥行き方向)に小さなサイズで外部電極13側へ突出して形成されている。
巻線コイル12は、平角線を2段のα巻き(外外巻き)に巻回して形成されている。また、巻線コイル12の両端部12aは、それぞれ、電子部品10の略中央に向けて曲げられた後、さらに曲げられて、電子部品10の両端へそれぞれ延在している。
図4から図8は、第1実施形態の電子部品10の製造工程を示す図である。
先ず、図3に示すように、平角線を2段のα巻き(外外巻き)に巻回して巻線コイル12を形成する。
次に、磁性体部11の素材である板状複合磁性材料111を用意して、所定の位置に巻線コイル12をセットする(図4(a))。
この状態で、板状複合磁性材料111を70℃から120℃に加温して、板状複合磁性材料111が軟化した状態で、図4(b)に示すように、巻線コイル12を板状複合磁性材料111に対してプレス金型P1によりプレスして、巻線コイル12を板状複合磁性材料111に埋め込む。
次に、図5(c)に示すように、第2工程では覆いきれずに突出して残った巻線コイル12を、軟化させた他の板状複合磁性材料111によりさらに覆うようにして配置する。そして、これをプレス金型P1によりプレスする。これにより、巻線コイル12の上面も板状複合磁性材料111により覆うことができ、図5(d)に示す形態となる。この図5(d)の状態では、まだ突起形状11aが形成されていない。
次に、図6(e)に示すように、突起形状11aを形成するための成形型P2により上下から挟み込む。そして、図6(f)に示すように成形型P2により挟み込んだ状態のまま、150℃から200℃に保ちながら全体を加圧(プレス)して成形し、硬化させる。この加圧と硬化により磁性体部11が強固に形成されることから、巻線コイル12から外径形状までの距離を、例えば、100μmから200μm程度に薄く形成しても、剥離等が生じず、歩留まりよく製造が可能である。よって、本実施形態の製造方法によれば、電子部品10は、小型化が可能である。なお、加圧と硬化は、別々に行っても良いし、150℃から200℃に保ちながら全体を加圧する際に、同時に磁性体部11を硬化させても良い。
第4工程を所定時間行った後、成形型P2を開く(図7(g))。
型抜きされた磁性体部11には、成形型P2により突起形状11aが形成されている(図8(h))。
最後に、図8(i)に示すように、銀や銅等の導電ペーストをディップにより塗布して外部電極13を両端に形成して、電子部品10が完成する。本実施形態では、突起形状11aが形成されていることから、電極材料は、この突起形状11aの周囲に形成される。よって、外部電極13が必要以上に大きくなってしまうことがなく、電子部品10を小型化にすることができる。
なお、第5工程と第6工程との間に、所定の外径形状に切断する切断工程等を適宜設けることができる。
図9は、第2実施形態の電子部品20の縦断面図である。
図10は、電子部品20を図9中のA−A線に沿って切断した横断面図である。
電子部品20は、磁性体部21と、絶縁樹脂層22と、コイルパターン層23と、外部電極24とを備えたインダクタである。
また、磁性体部21は、コイル固定体25の端子部、すなわち、外部電極24に対応する両端部に突起形状21aを有している。
突起形状21aは、コイル固定体25のコイル巻回部分(第1のコイルパターン23a及び第2のコイルパターン23d)の磁性体部21よりも厚さ方向(上下方向)及び幅方向(図2中の紙面奥行き方向)に小さなサイズで外部電極13側へ突出して形成されている。
図11から図16は、第2実施形態の電子部品20の製造工程を示す図である。
先ず、図11(a)に示すように、支持基板101上の全面に剥離犠牲層102を形成する。
これらの内、SiO2 は、シリコン基板(支持基板101)自体の熱酸化、CVD法、スパッタリング法により成膜可能である。また、SiNは、CVD法、スパッタリング法により成膜可能である。また、Tiは、真空蒸着法、スパッタリング法により成膜可能である。
Tiは、真空蒸着法、スパッタリング法により成膜可能である。
次に、図11(b)に示すように、剥離犠牲層102上の全面に絶縁樹脂層22を形成する。この工程で形成する絶縁樹脂層22は、数μmから数10μm程度の厚さに形成される。
次に、図11(c)に示すように、第2工程により形成された絶縁樹脂層22の上に、コイルパターン層23をフレームめっき法により形成すると共に、このコイルパターン層23上に絶縁樹脂層22を形成する。この工程では、コイルパターン層23によりコイルが形成され、かつ、絶縁樹脂層22も形成されることから、絶縁樹脂によりコイルパターン層23が固定されて、コイル固定体25として強固な形態に形成される。
次に、図11(d)に示すように、第3工程により形成された絶縁樹脂層22及びコイルパターン層23の上に、さらに絶縁樹脂層22を重ねて形成する。
次に、図12(e)に示すように、第4工程により形成された絶縁樹脂層22上の全面に、マスク層103を形成する。
マスク層103は、Cuの真空蒸着又はスパッタリング又は無電解めっきにより形成される。また、マスク層103は、前述の成膜法にさらに電解めっきを重ねることにより形成されるようにしてもよい。また、マスク層103に用いる材料は、Cuに限らず、Alであってもよい。
マスク層103は、強度を確保するために、ある程度の厚みが必要である。例えば、マスク層103の厚さは、1μm以上とすることが望ましい。
次に、図12(f)に示すように、マスク層103から不要部を除去する。具体的には、フォトリソグラフィ及びエッチング処理を行うことにより、最終的にコイル固定体25として残す形状に合わせた形状となるようにマスク層103から不要部を除去する。
次に、図12(g)に示すように、ドライエッチングにより絶縁樹脂層22の不要部を除去する。ここで、不要部とは、最終的にコイル固定体25として残す形状以外の部分であり、コイル中央部のコアとなる領域と、コイル周辺の不要な領域である。本実施形態では、O2 (又は、これにCF4 を含む)ガスのプラズマエッチングにより、絶縁樹脂層22の不要部を除去する。マスク層103の材料である銅(Cu)は、上記ガスエッチングに対して耐性があるため残存するので、マスク層103によりマスクされている必要な領域の絶縁樹脂層22が残存する。
なお、CF4 を含むガスエッチングの場合、剥離犠牲層102のTiやSiO2 や基板材料がエッチングされるが、以降の工程に影響はない。
次に、図13(h)に示すように、剥離犠牲層102をウェットエッチング処理により除去してコイル固定体25を支持基板101から剥離する。SiO2 ,SiN、及び、Tiは、HF(フッ化水素酸)溶液により除去可能である。これに対して、マスク層103の材質である銅(Cu)は、HFに対してエッチング耐性があるため、コイル固定体25上に残存する。
次に、図13(i)に示すように、過硫酸アンモニウム、又は、塩化第二鉄液等を用いて銅により形成されているマスク層103をエッチングして除去する。この工程において、コイルパターン層23の銅は、絶縁樹脂層22に覆われているため、残存する。
次に、図13(j)に示すように、磁性体部21の素材である板状複合磁性材料121を70℃から120℃に加温して、板状複合磁性材料121が軟化した状態で、コイル固定体25に板状複合磁性材料121をプレスする。
上記磁性体部付着工程−1を進めると、図13(k)に示すように、不要部除去工程により絶縁樹脂層22を除去したコア開口部等に板状複合磁性材料121が圧入され、コイル固定体25が板状複合磁性材料121に埋め込まれる(圧入工程)。
次に、図14(l)に示すように、磁性体部付着工程−1とは反対側から板状複合磁性材料121が軟化した状態で、コイル固定体25に板状複合磁性材料121をプレスする。これにより、上面も板状複合磁性材料121により覆うことができる(カバー工程)。この図14(l)の状態では、まだ突起形状21aが形成されていない。
次に、図14(m)に示すように、突起形状21aを形成するための成形型P3により上下から挟み込む。そして、図14(n)に示すように成形型P3により挟み込んだ状態のまま、150℃から200℃に保ちながら全体を加圧(プレス)して成形し、硬化させる。この加圧と硬化により磁性体部21が強固に形成されることから、コイルパターン層23から外径形状までの距離を、例えば、100μmから200μm程度に薄く形成しても、剥離等が生じず、歩留まりよく製造が可能である。よって、本実施形態の製造方法によれば、電子部品20は、小型化が可能である。なお、加圧と硬化は、別々に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
第13工程を所定時間行った後、成形型P3を開く(図15(o))。
型抜きされた磁性体部21には、成形型P3により突起形状21aが形成されている(図16(p))。
次に、図16(p)に示すように、所定の外径形状に切断して、必要な大きさに形状を整える。
最後に、図16(q)に示すように、銀や銅等の導電ペーストをディップにより塗布して外部電極24を両端に形成して、電子部品20が完成する。本実施形態では、突起形状21aが形成されていることから、電極材料は、この突起形状21aの周囲に形成される。よって、外部電極24が必要以上に大きくなってしまうことがなく、電子部品20を小型化にすることができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
は、1層であってもよいし、3層以上の構成であってもよい。
11 磁性体部
11a 突起形状
12 巻線コイル
12a 両端部
13 外部電極
20 電子部品
21 磁性体部
21a 突起形状
22 絶縁樹脂層
23 コイルパターン層
23a 第1のコイルパターン
23b 端子パターン
23c ビアパターン
23d 第2のコイルパターン
24 外部電極
25 コイル固定体
101 支持基板
102 剥離犠牲層
103 マスク層
111 板状複合磁性材料
121 板状複合磁性材料
P1 プレス金型
P2 成形型
P3 成形型
Claims (5)
- 導体により形成されるコイル、又は、コイルを絶縁樹脂により固定したコイル固定体を形成するコイル形成工程と、
磁性体粒子と樹脂とを混合した複合磁性材料により前記コイル又は前記コイル固定体の全体を覆うように磁性体部を形成する磁性体部付着工程と、
前記コイル又は前記コイル固定体の端子部の前記磁性体部を前記コイル又は前記コイル固定体のコイル巻回部分の前記磁性体部よりも小さく突出した突起形状に形成する成形型を用いて、全体を加圧して成形する磁性体部成形工程と、
前記突起形状の周辺に電子部品の外部電極となる導電ペーストをディップ塗布する電極形成工程と、
を備える電子部品の製造方法。 - 請求項1に記載の電子部品の製造方法において、
前記磁性体部付着工程は、
板状に形成された前記複合磁性材料である板状複合磁性材料を軟化させた状態で前記コイル又は前記コイル固定体を前記板状複合磁性材料に埋め込む圧入工程と、
前記圧入工程では覆いきれない前記コイル又は前記コイル固定体を、軟化させた他の板状複合磁性材料によりさらに覆うカバー工程と、
を備えること、
を特徴とする電子部品の製造方法。 - 請求項2に記載の電子部品の製造方法において、
少なくとも前記圧入工程以降の工程は、複数のコイル又はコイル固定体を並べて配置可能な大きさの前記板状複合磁性材料を用いて、複数のコイル又はコイル固定体に対して同時に行われること、
を特徴とする電子部品の製造方法。 - 線状の導体により形成されているコイル又はコイルを絶縁樹脂により固定したコイル固定体と、
端子部の先端を除いて前記コイル又は前記コイル固定体を覆うように磁性体粒子と樹脂とを混合して硬化させた複合磁性材料により形成された磁性体部と、
外部電極と、
を有し、
前記コイル又は前記コイル固定体の端子部の前記磁性体部は、前記コイル又は前記コイル固定体のコイル巻回部分の前記磁性体部よりも小さく突出した突起形状に形成されており、
前記外部電極は、前記突起形状の周囲に形成されていること、
を特徴とする電子部品。 - 請求項4に記載の電子部品において、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電子部品の製造方法により製造されていること、
を特徴とする電子部品。
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