JP2015124456A - 衣料用仕上げ剤組成物及び衣料の処理方法 - Google Patents

衣料用仕上げ剤組成物及び衣料の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】衣料等の繊維製品の毛羽立ちや毛玉の発生を抑制することができる衣料用仕上げ剤組成物において、投入ケース方式の全自動洗濯機の仕上げ剤保持部の使用時に繊維製品に凝集物が付着することを抑制することができる衣料用仕上げ剤組成物、及びこの衣料用仕上げ剤組成物を用いる衣料の処理方法を提供する。
【解決手段】炭素数1以上、16以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(a1)由来の構成単位を70質量%以上、100質量%以下含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満であるポリマー(A)、カチオン化澱粉(B)、下記一般式(1)で表されるカチオン化合物(C)、炭素数2以上、4以下の2価又は3価の水溶性多価アルコール(D)、及び水を含有し、(A)成分100質量部に対する(D)成分の量が100質量部以上、300質量部以下であり、(D)成分100質量部に対する(C)成分の量が0.5質量部以上、10質量部以下である衣料用仕上げ剤組成物。
123 2+・X- (1)
(式中、R1は炭素数12以上、18以下の炭化水素基を示し、R3は炭素数1以上、4以下のアルキル基、ベンジル基及び炭素数2以上、4以下のヒドロキシアルキル基を示し、R2はR1又はR3で定義される基を示し、X-は陰イオンを示す。)
前記衣料用仕上げ剤組成物を用いる工程を含む衣料の処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、衣料用仕上げ剤組成物及びこれを用いる衣料の処理方法に関する。
近年、ファッション性に優れたニット衣料が増えている。ニット衣料は、糊料組成物の対象衣料となるシーツやYシャツ等の衣布帛に比べて、しなやかな風合いが求められる。ニット衣料は布帛に比べて、単繊維を甘く撚った糸を使用し、ニット編みという編み方で構成されている。ニット編みは、撚り糸や糸を構成する単繊維が動きやすいため衣料全体にしなやかな風合いを与えている。
衣料は糸から構成され、糸は単繊維から構成されている。衣料は、着用等の使用により衣料同士が擦れたり、衣料が椅子等の衣料以外の対象物と擦れあったりすることで、その摩擦により毛羽立ちや毛玉が発生する。そして、前記毛羽立ちや毛玉が発生することで表面に凹凸が生じ、この凹凸に光が当たると影が生じるため衣料の色目がくすんで見え、美観的に好ましくない。とりわけ毛玉が生じると顕著に影が生じるため、美観上の課題が大きくなる。
ニット衣料は、単繊維を甘く撚った糸を使用しているため糸から単繊維が抜け易く毛羽立ちや毛玉が発生しやすい。よって、ニット衣料を洗濯する場合には、洗面器等の容器でニット衣料を浸漬して処理することが行われてきたが、近年、全自動洗濯機の高機能化により全自動洗濯機でも洗濯処理できるようになると共に、毛羽や毛玉の発生を抑えることができる洗浄剤が提案されている。
例えば、特許文献1には、ポリマーのガラス転移温度が−45℃〜20℃である、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体等の水系分散体を主成分とし、更に濡れ剤を含有する繊維加工用樹脂組成物が開示されている。更に、この特許文献1には濡れ剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類等の非イオン性界面活性剤が記載されている。
また、特許文献2には、低級脂肪酸ビニルエステル等と不飽和カルボン酸の乳化重合時に、メタクリル酸アルキルエステル等のモノマー等を使用し、乳化重合により得られるエマルジョンを含有する糊料組成物が開示されている。また、この特許文献2には重合時に非イオン性乳化剤を使用すること、及びカチオン化澱粉等のカチオン性ポリマーを重合時に共存させるか、重合終了後に添加してもよいことが記載されている。
特許文献3〜5には、炭素数1〜16のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを構成単位として有し、ガラス転移温度が−40℃以上0未満のポリマーとカチオン化澱粉とを含有する仕上げ剤組成物が開示されている。
特許文献6〜7には、顔料、アクリル酸エステル系エマルジョン及び高沸点水溶性有機溶剤等を含有する水性顔料組成物が開示されている。更に、特許文献8には、軟化剤と水溶性一価又は多価アルコール等を含有する乳化組成物が開示されている。
なお、特許文献1〜5には、仕上げ剤組成物を全自動洗濯機の仕上げ剤保持部を用いて使用した場合に、仕上げ剤組成物の凝集物が繊維製品に付着し、外観が悪化することについての記載はない。
また、特許文献6〜8に記載されている技術は、全自動洗濯機での処理を想定していない。
特開2008−248432号公報 特開平3−260174号公報 特開2013−151663号公報 特開2013−151775号公報 特開2013−151776号公報 特開平8−231896号公報 特開平7−145289号公報 特表2011−528731号公報
本発明者らは、衣類の毛羽立ち、毛玉の発生を抑制することができる衣料用仕上げ剤組成物において、特定の全自動洗濯機で処理した場合に新たな課題が存在することを知見した。具体的には以下のとおりである。
全自動洗濯機では、洗濯スタート時に全自動洗濯機の仕上げ剤保持部(ケース)に仕上げ剤を入れておくと、最終すすぎ時に自動的に前記仕上げ剤が洗濯槽へ投入される仕組みになっているが、その投入方法としては大きく分けて以下の2つの方式がある。第1の方式は、洗濯槽に設けられた仕上げ剤保持部(ケース)に投入された仕上げ剤が、脱水時の遠心力により前記仕上げ剤保持部の内部を移動し、最終すすぎ時に洗濯槽へ投入される「投入ケース方式」であり、第2の方式は、最終すすぎの注水時に、仕上げ剤投入用の専用給水弁から給水される水道水により、仕上げ剤を溶かし込みながら注水する「注入方式」である。本発明者らは、このうち第1の方式の自動洗濯機を用いた場合に、特有の課題が生じることに気が付いた。すなわち、第1の方式である「投入ケース方式」の全自動洗濯機を使用して仕上げ処理を行った場合、仕上げ剤組成物の凝集物が生じ易く、時には、ひも状ないし皮膜状の凝集物が繊維製品に付着するという課題が生じることに気が付いた。
本発明は、投入ケース方式の全自動洗濯機の仕上げ剤保持部(ケース)使用時に、繊維製品に仕上げ剤組成物の凝集物が付着することを抑制することができる衣料用仕上げ剤組成物、及びこの衣料用仕上げ剤組成物を用いる衣料の処理方法を提供することを課題とする。
本発明は、下記[1],[2]を提供する。
[1]炭素数1以上、16以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(a1)由来の構成単位を70質量%以上、100質量%以下含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満であるポリマー(A)、カチオン化澱粉(B)、下記一般式(1)で表されるカチオン化合物(C)、炭素数2以上、4以下の2価又は3価の水溶性多価アルコール(D)、及び水を含有し、(A)成分100質量部に対する(D)成分の量が100質量部以上、300質量部以下であり、(D)成分100質量部に対する(C)成分の量が0.5質量部以上、10質量部以下である衣料用仕上げ剤組成物。
123 2+・X- (1)
(式中、R1は炭素数12以上、18以下の炭化水素基を示し、R3は炭素数1以上、4以下のアルキル基、ベンジル基及び炭素数2以上、4以下のヒドロキシアルキル基を示し、R2はR1又はR3で定義される基を示し、X-は陰イオンを示す。)
[2]下記工程1〜工程3を有する衣料の処理方法。
工程1:前記衣料用仕上げ剤組成物を、投入ケース方式の全自動洗濯機の仕上げ剤保持部に保持させる工程。
工程2:仕上げ剤保持部内の前記衣料用仕上げ剤組成物を水と接触させずに洗濯槽内に投入する工程。
工程3:洗濯槽内の水浴中において、衣料用仕上げ剤組成物と衣料とを接触させる工程。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、投入ケース方式の全自動洗濯機の仕上げ剤保持部(ケース)使用時に、繊維製品に仕上げ剤組成物の凝集物が付着することを抑制することができる衣料用仕上げ剤組成物、及びこの衣料用仕上げ剤組成物を用いる衣料の処理方法を提供することができる。
[衣料用仕上げ剤組成物]
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、炭素数1以上、16以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(a1)由来の構成単位を70質量%以上、100質量%以下含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満であるポリマー(A)、カチオン化澱粉(B)、下記一般式(1)で表されるカチオン化合物(C)、炭素数2以上、4以下の2価又は3価の水溶性多価アルコール(D)、及び水を含有し、(A)成分100質量部に対する(D)成分の量が100質量部以上、300質量部以下であり、(D)成分100質量部に対する(C)成分の量が0.5質量部以上、10質量部以下である衣料用仕上げ剤組成物である。
123 2+・X- (1)
(式中、R1は炭素数12以上、18以下の炭化水素基を示し、R3は炭素数1以上、4以下のアルキル基、ベンジル基及び炭素数2以上、4以下のヒドロキシアルキル基を示し、R2はR1又はR3で定義される基を示し、X-は陰イオンを示す。)
本発明者らは、前記課題を解決するにあたり、前記課題が「投入ケース方式」の全自動洗濯機の仕上げ剤保持部内に組成物が残留し、水分が揮発することによりポリマー粒子が凝集しやすくなった結果、衣料用仕上げ剤組成物の凝集物が繊維製品に付着しやすくなることに起因すると考えた。さらに、本発明者らはもう一つの原因がポリマーの物性にあることを知見した。具体的には、通常、洗濯に用いられる5〜40℃程度の水道水の温度では、ガラス転移温度0℃未満のポリマーは柔らかい物性を示し、この柔らかい物性を示すポリマーが、カチオン化澱粉と共に凝集し、凝集物が繊維製品に付着しやすくなっていると考えた。
そこで、本発明者らが種々の検討を行い、特定の単位を有し、特定のガラス転移温度を示すポリマー、カチオン化澱粉、カチオン化合物、水溶性多価アルコール、及び水を特定の割合で含有させることにより、衣料等の繊維製品の毛羽立ちや毛玉の発生を抑制することができると共に、投入ケース方式の全自動洗濯機の仕上げ剤保持部(ケース)使用時に、繊維製品に衣料用仕上げ剤組成物の凝集物が付着することを抑制することができることを見出した。
なお、本明細書において「(メタ)アクリル酸エステル」とは、「アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、又はこれらの混合物」をいう。
また、本明細書において「毛羽立ち」とは、摩擦によって単繊維が引っ張られ、糸から単繊維が抜けかけたり(視覚的には、糸表面から単繊維が飛び出したり)している状態、又は摩耗によって単繊維に亀裂が入り、単繊維表面から繊維片が剥離しかけたりする状態をいう。
また、「毛玉」とは衣料から抜け落ちた単繊維同士が絡まり、玉状になって衣料に再付着している状態、繊維上の前記毛羽同士が絡まって玉状になった状態、又は糸を構成する単繊維から剥離しかかった繊維片が繊維上で絡まって玉状となった状態をいう。
更に、本明細書において、投入ケース方式での「仕上げ剤保持部」とは、洗濯槽に取り付けられた仕上げ剤を投入する区画を指し、販売メーカーによってその名称は異なるが、「仕上げ剤投入口」ともよばれる。具体的には、洗濯槽に取り付けられた「柔軟剤注入口」や「ソフト仕上剤注入口」と表記されている投入区画をいう。
<ポリマー(A)>
本発明に用いられるポリマー(A)は、炭素数1以上、16以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(以下、「モノマー(a1)」ともいう)由来の構成単位を70質量%以上、100質量%以下含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満のポリマーである。
モノマー(a1)は、炭素数1以上、16以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであれば特に制限はなく、ポリマー(A)が前記ガラス転移温度を満たすのであれば1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明において、「炭素数1以上、16以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル」とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルであって、前記アルキル基が炭素数1以上、16以下のアルキル基である化合物をいう。
また、前記アルキル基はn−体、sec−体、tert−体、iso−体を含む、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。
アクリル酸エステルを用いる場合のアルキル基の炭素数は、ガラス転移温度の調節しやすさの観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上であり、そして、好ましくは12以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは8以下である。
アクリル酸エステルの具体例としては、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸n−プロピルエステル、アクリル酸n−ブチルエステル、アクリル酸iso−ブチルエステル、アクリル酸tert−ブチルエステル、アクリル酸n−ペンチルエステル、アクリル酸n−ヘキシルエステル、アクリル酸n−ヘプチルエステル、アクリル酸n−オクチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられ、アクリル酸n−ブチルエステル、アクリル酸iso−ブチルエステル、アクリル酸tert−ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステルが好ましく、及びアクリル酸n−ブチルエステルがより好ましい。
メタクリル酸エステルを用いる場合のアルキル基の炭素数は、ガラス転移温度の調節しやすさの観点から、好ましくは1以上であり、そして、好ましくは8以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは2以下である。
メタクリル酸エステルの具体例としては、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸n−プロピルエステル、メタクリル酸n−ブチルエステル、メタクリル酸iso−ブチルエステル、メタクリル酸tert−ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル等が挙げられ、メタクリル酸メチルエステル、及びメタクリル酸エチルエステルが好ましく、メタクリル酸メチルエステルがより好ましい。
ポリマー(A)(以下、「(A)成分」ともいう)のガラス転移温度を−40℃以上、0℃未満の範囲に調整する観点から、メタクリル酸エステルと、アクリル酸エステルとを併用することが好ましい。
両者を併用する場合、炭素数1以上、6以下のアルキル基を有するメタクリル酸エステルと炭素数2以上、6以下のアルキル基を有するアクリル酸エステルとを併用することが好ましく、炭素数1以上、2以下のアルキル基を有するメタクリル酸エステルと炭素数3以上、5以下のアルキル基を有するアクリル酸エステルとを併用することがより好ましく、メタクリル酸メチルエステルとアクリル酸n−ブチルエステルとの併用が更に好ましい。
メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルとを併用する場合において、メタクリル酸エステル(a1−1)とアクリル酸エステル(a1−2)との合計に対するアクリル酸エステル(a1−2)の割合は、(A)成分のガラス転移温度を前記範囲に調整する観点から、好ましくは55質量%以上、より好ましくは56質量%以上であり、そして、好ましくは99質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。
本明細書において、(A)成分が表1に記載の1種類のモノマーのみで重合されたポリマー(以下、「ホモポリマー」ともいう)である場合のガラス転移温度(Tg)は、表1に記載した値を用いた。
Figure 2015124456
(A)成分として、表1に記載のないモノマーを用いる場合には、ガラス転移温度(Tg)は、「ポリマーハンドブック、Fourth EditionVolume1, WILEY-INTERSCIENCE, A John Wiley & Sons, Inc., Publication,1999」に記載のホモポリマーの値を用いる。
また、(A)成分がn種類のモノマーを重合して得られる共重合体である場合のガラス転移温度(Tg)は、各モノマー(i)のホモポリマーのガラス転移温度〔Tg(i)〕から、下記式(I)にしたがって共重合体のガラス転移温度(Tg)を算出する。ただし、小数点以下は四捨五入し、共重合体が多官能性モノマーを含む場合には、該多官能性モノマーを除いたモノマーについて計算を行う。
Figure 2015124456
(式(I)中、Tgは共重合体のガラス転移温度(℃)であり、Tg(i)は共重合体を構成する各モノマー(i)のホモポリマーのガラス転移温度であり、wiは共重合体を構成するモノマー(i)の質量分率である。)
(A)成分のガラス転移温度(Tg)は、−40℃以上、0℃未満である。ガラス転移温度(Tg)が−40℃未満又は0℃以上であると、着用等の際に衣類に発生する毛羽を抑制することができない。また、ガラス転移温度(Tg)が0℃以上であると、着用等の際に衣料に発生する毛羽立ちを抑制することができず、かつ衣料のしなやかな風合いが損なわれる場合がある。
毛羽の発生を抑制する観点から、ガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−30℃以上、より好ましくは−25℃以上、更に好ましくは−20℃以上であり、そして、好ましくは−5℃以下、より好ましくは−8℃以下、更に好ましくは−10℃以下である。また、全自動洗濯機の仕上げ剤保持部に衣類用仕上げ剤組成物が残留することを防止する観点から、(A)成分のガラス転移温度(Tg)は、更に好ましくは−25℃以上、−5℃以下である。
ポリマー(A)は、モノマー(a1)を70質量%以上、100質量%以下含有する。モノマー(a1)の含有量が前記範囲内であると、衣類の毛羽発生を抑制することができる。衣類の毛羽発生抑制の観点から、ポリマー(A)中のモノマー(a1)の含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、そして、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは94質量%以下である。
前記含有量は、ポリマー(A)に対するモノマー(a1)由来の構成単位の割合であり、重合時のモノマー(a1)の配合割合から求めることができる。これは後述するモノマー(a2)及びモノマー(a3)についても同様である。
モノマー(a1)と共重合してもよい他のモノマーとしては、例えば下記のモノマー(a2)及びモノマー(a3)が挙げられる。
<モノマー(a2)>
モノマー(a2)としては、炭素数2以上、4以下のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いることができる。モノマー(a2)を用いることにより、衣類等に付着した(A)成分を洗濯時に衣類から容易に脱離させることができると共に、洗濯機の仕上げ剤組成物の保持部に仕上げ剤組成物が残留することを防止する(以下、「液残りを防止する」ともいう)ことができる。
本発明において、炭素数2以上、4以下のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとは、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルであって、前記ヒドロキシアルキル基の炭素数が2以上、4以下であるものをいう。
洗浄工程における(A)成分の衣類からの脱離性((A)成分が衣類から脱離しやすい性質であることを意味する)をより向上させる観点、及び液残りを防止する観点から、炭素数2以上、3以下のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数2のヒドロキシエチル基がより好ましい。
アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの具体例としては、アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル、及びアクリル酸4−ヒドロキシブチルエステル等が挙げられる。
メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの具体例としては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル、及びメタクリル酸4−ヒドロキシブチルエステル等が挙げられる。
これらの中では、(A)成分の衣類からの脱離性の観点及び液残りを防止する観点から、アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステルが好ましい。
(A)成分中のモノマー(a2)由来の構成単位の割合は、(A)成分の衣類からの脱離性を向上させる観点、及び液残りを防止する観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、より更に好ましくは4質量%以上であり、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下、より更に好ましくは7質量%以下である。
<モノマー(a3)>
モノマー(a3)としては、エチレン性不飽和カルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも1種のモノマーを用いることができる。なお、本発明において「エチレン性不飽和カルボン酸」とは、分子内にビニル基及びカルボン酸基を有する化合物をいう。
モノマー(a3)を用いることにより、衣類に付着した(A)成分の衣類からの脱離性を向上させることができると共に、液残りを防止することができる。
エチレン性不飽和カルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、及びマレイン酸等が挙げられる。これらの中では、原料の入手性の観点から、アクリル酸、及びメタクリル酸が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
エチレン性不飽和カルボン酸塩としては、前記エチレン性不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩、及びアルカリ土類金属塩等を挙げることができる。また、エチレン性不飽和カルボン酸塩は、アンモニウム塩、及びアルカノールアミン塩であってもよい。エチレン性不飽和カルボン酸塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのエチレン性不飽和カルボン酸及びその塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分中のモノマー(a3)由来の構成単位の割合は、衣類からの脱離性を向上させる観点、及び液残りを防止する観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.4質量%以上、より更に好ましくは0.5質量%以上であり、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、より更に好ましくは1.5質量%以下である。
(A)成分は、毛羽及び毛玉の発生を抑制する観点から、前記モノマー(a1)、モノマー(a2)及びモノマー(a3)を含む共重合体が好ましい。
なお、(A)成分としては、(A)成分の効果に影響を及ぼさない範囲で、前記モノマー(a1)〜(a3)以外のモノマーを使用してもよい。
(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5万以上、より好ましくは10万以上、更に好ましくは20万以上、より更に好ましくは30万以上であり、そして、好ましくは50万以下、より好ましくは45万以下、更に好ましくは40万以下である。
なお、(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定による値をいう。より具体的には、溶離液としてクロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン及びこれらの溶媒を組み合わせた液のいずれか、好ましくはジメチルホルムアミドを使用して測定したポリスチレン換算の分子量をいう。
(A)成分は溶液重合や乳化重合等の方法で製造することができるが、取り扱いの容易性の観点から、乳化重合で製造することが好ましい。乳化重合の方法としては、例えば特開2008−88414号公報に記載の方法を挙げることができる。
<カチオン化澱粉(B)>
本発明においては、(A)成分の衣料への吸着性を高めることを目的として、また、(A)成分を乳化重合等で製造する際の乳化安定化剤として、カチオン化澱粉(B)(以下、「(B)成分」ともいう。)を用いる。
カチオン化澱粉の主骨格を形成する澱粉類としては、特開2010−180320号公報に記載の澱粉等を用いることができる。具体的には、コーンスターチ、小麦スターチ、ポテトスターチ、タピオカスターチ等の澱粉が挙げられる。
前記澱粉にカチオン基を導入してカチオン化澱粉とする方法は特に限定されず、例えば、澱粉類と四級アンモニウムアルキル化試薬とを反応させる方法が挙げられる。
四級アンモニウムアルキル化試薬としては、例えば、特開2010−180320号公報に記載のグリシジル基を有する4級アンモニウム化合物を挙げることができ、化合物の入手の容易性の観点から、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
四級アンモニウムアルキル化試薬の具体的な製造方法としては、例えば特開昭56−36501号公報、特開平6−100603号公報、特開2010−180320号公報、及び特開平8−198901号公報等に記載の方法が挙げられる。
(B)成分であるカチオン化澱粉の窒素原子の含有量(以下、「N質量%」ともいう)は、0.01質量%以上、1.5質量%以下が一般的であるが、(A)成分の衣料への吸着性をより高める観点から、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.4質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、そして、好ましくは1.3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.9質量%以下、より更に好ましくは0.8質量%以下である。
本明細書において、N質量%は(B)成分の全質量に対して第4級アンモニウム基由来の窒素原子の含有量(質量%)をいう。N質量%は、「第十二改正日本薬局方」(財団法人日本公定書協会・第一法規出版株式会社発行)の第43〜44頁に記載された窒素定量法(セミミクロケルダール法)に基づいて行うことができる。
(B)成分であるカチオン化澱粉の重量平均分子量は、毛羽立ち、毛玉の発生を抑制する観点から、好ましくは10万以上、より好ましくは30万以上、更に好ましくは50万以上、より更に好ましくは80万以上であり、そして、好ましくは190万以下、より好ましくは170万以下、更に好ましくは150万以下、より更に好ましくは130万以下、より更に好ましくは110万以下、より更に好ましくは100万以下である。
<カチオン化合物(C)>
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、下記一般式(1)で表されるカチオン化合物(C)(以下、「(C)成分」ともいう)を含有する。
123 2+・X- (1)
(式中、R1は炭素数12以上、18以下の炭化水素基を示し、R3は炭素数1以上、4以下のアルキル基、ベンジル基及び炭素数2以上、4以下のヒドロキシアルキル基を示し、R2はR1又はR3で定義される基を示し、X-は陰イオンを示す。)
本発明においては、カチオン化合物(C)を用いることにより、衣料の毛羽立ちや、毛玉を抑制することができ、また、仕上げ剤保持部への液残りを抑制することができる。
1は、炭素数12以上、18以下の炭化水素基を示す。R1の炭素数が12以上、18以下であると、水中の炭酸イオン(CO3 2-)や炭酸水素イオン(HCO3 -)等の陰イオンをトラップする効果が高く、衣料用仕上げ剤組成物を構成するポリマー粒子の表面の表面電荷の低下を抑制する。炭素数が12未満であるとポリマー粒子の表面電荷の低下を抑制しにくくなる。また、炭素数が18を超えると毛羽や毛玉の抑制効果が低下する。
1が示す炭化水素基の炭素数は、ポリマー粒子の表面電荷の低下を抑制する観点から、12以上、好ましくは14以上であり、そして、毛羽や毛玉の発生を抑制する観点から、18以下、好ましくは16以下である。炭化水素基としては、アルキル基又はアルケニル基が好ましい。
3は、炭素数1以上、4以下のアルキル基、ベンジル基及び炭素数2以上、4以下のヒドロキシアルキル基を示す。R3の具体例としては、メチル基、エチル基、ヒドロキエチル基、ベンジル基が挙げられる。
3としては、(A)成分の衣料への吸着性を向上させる観点から、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基が好ましい。
2は、R1又はR3で定義される基を示すが、(A)成分の衣料への吸着性を向上させる観点から、R3であることが好ましい。
-は陰イオンであり、具体的には塩素イオン、臭素イオン等のハロゲンイオン、メチル硫酸エステルイオン、エチル硫酸エステルイオンが挙げられる。これらの中でも、塩素イオンが好ましい。
(C)成分の具体例としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロリド、パルミチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
<水溶性多価アルコール(D)>
本発明においては、全自動洗濯機の仕上げ剤保持部内での(A)成分の皮膜化を抑制する観点から、炭素数2以上、4以下の2価又は3価の水溶性多価アルコール(D)(以下、「(D)成分」ともいう。)を用いる。
前記(D)成分としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられる。これらの(D)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、(D)成分としてグリセリンを用いることが好ましく、グリセリンを(D)成分の主成分として用いることがより好ましく、(D)成分としてグリセリンのみを用いることがより更に好ましい。
(D)成分の分子量は、(A)成分との相溶性を高める観点から、好ましくは50以上、より好ましくは60以上、更に好ましくは70以上、より更に好ましくは80以上であり、そして、好ましくは300以下、より好ましくは200以下、更に好ましくは150以下、より更に好ましくは120以下である。
(D)成分の融点は、(A)成分との相溶性を高める観点から、好ましくは30℃以下、より好ましくは25℃以下、更に好ましくは20℃以下である。
(D)成分の沸点は、(A)成分の皮膜化抑制の観点から、好ましくは150℃以上、より好ましくは200℃以上、更に好ましくは250℃以上である。
(D)成分のlogP値は、(A)成分の皮膜化抑制の観点から、好ましくは−1以下、より好ましくは−1.2以下、更に好ましくは−1.5以下である。
ここで、「logP値」とは、化合物の1−オクタノール/水の分配係数の対数値であり、1−オクタノールと水の2液相の溶媒系に化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡において、それぞれの溶媒中での溶質の平衡濃度の比を意味し、底10に対する対数「logP」の形で一般的に示される。すなわち、logP値は親油性(疎水性)の指標であり、この値が大きいほど疎水的であり、値が小さいほど親水的である。
logP値については、例えば、Daylight Chemical Information Systems, Inc.(Daylight CIS)等から入手し得るデータベースに多くの化合物のlogP値が掲載されていて参照することができる。また、実測のlogP値がない場合には、プログラム“CLOGP”(Daylight CIS)等で計算することができ、中でも、プログラム“CLOGP”により計算することが、信頼性も高く好適である。
プログラム“CLOGP”においては、Hansch, Leoのフラグメントアプローチにより算出される「計算logP(ClogP)」の値が、logPの実測値がある場合にはそれと共に出力される。フラグメントアプローチは化合物の化学構造に基づいており、原子の数及び化学結合のタイプを考慮している(A.Leo, Comprehensive Medicinal Chemistry, Vol.4, C.Hansch, P.G.Sammens, J.B.Taylor and C.A.Ramsden, Eds., p.295, Pergamon Press, 1990)。このClogP値は現在最も一般的で信頼できる推定値であるため、化合物の選択に際してlogPの実測値がない場合に、ClogP値を代わりに用いることが好適である。本発明においては、logPの実測値、又はプログラム“CLOGP”により計算したClogP値のいずれを用いてもよい。
<多価有機酸(E)>
本発明においては、多価有機酸(以下、「(E)成分」ともいう)を用いてもよい。(D)成分と多価有機酸(E)とを併用することにより、全自動洗濯機の仕上げ剤保持部内での(A)成分の皮膜化抑制効果を更に高めることができる。
本発明に用いられる多価有機酸(E)としては、有機二塩基酸、有機三塩基酸、その他の有機多塩基酸が挙げられる。
有機二塩基酸としては、例えば、マレイン酸、マロン酸、2−メチルマロン酸、コハク酸、テトラメチルコハク酸等が挙げられる。また、有機三塩基酸としては、クエン酸等が挙げられる。
これらの中でも、(A)成分の皮膜化抑制の観点から、有機二塩基酸、有機三塩基酸が好ましく、有機三塩基酸がより好ましく、有機三塩基酸の中では、クエン酸が好ましい。
<非イオン性界面活性剤(F)>
本発明においては、(A)成分の乳化安定性を向上させる観点から、非イオン性界面活性剤(以下、「(F)成分」ともいう)を用いてもよく、非イオン性界面活性剤としては、炭素数8以上、18以下の炭化水素基を少なくとも1つ有し、オキシアルキレン基を平均20モル以上、100モル以下付加したポリオキシアルキレン付加型非イオン性界面活性剤が挙げられる。(F)成分としては、(A)成分の乳化安定性の観点から、炭素数8以上、18以下の炭化水素基を少なくとも1つ有し、オキシアルキレン基を平均20モル以上、100モル以下付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテルが好ましく、更に炭素数8以上、18以下のアルキル基を1つ有し、オキシエチレン基を平均20モル以上、100モル以下付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテルがより好ましい。
前記炭化水素基の炭素数は、乳化安定性の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは11以上であり、そして、好ましくは16以下、より好ましくは14以下であり、オキシアルキレン基の平均付加モル数は、好ましくは30以上、より好ましくは35以上、更に好ましくは40以上であり、そして、好ましくは80以下、より好ましくは70以下、更に好ましくは60以下であり、前記オキシアルキレン基は、オキシエチレン基であることが好ましい。
本発明の(F)成分は、前記(A)成分の製造時に使用してもよく、(A)成分とは別に衣料用仕上げ剤組成物に用いてもよい。
<各成分の含有量>
衣料用仕上げ剤組成物中の(A)成分の含有量は、好ましくは1質量%以上、50質量%以下であり、洗濯1回当たりの前記衣料用仕上げ剤組成物の使用量を低減させる点から、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは12質量%以上であり、仕上げ剤保持部への付着性を低減する観点から、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは25質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは17質量%以下である。
(A)成分100質量部に対する(B)成分の量は、(A)成分の乳化安定性と希釈分散性の観点から、好ましくは2質量部以上、より好ましくは2.5質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは4質量部以上、より更に好ましくは5質量部以上であり、そして、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは15質量部以下、より更に好ましくは10質量部以下である。
(A)成分100質量部に対する(C)成分の量は、(A)成分の仕上げ剤保持部への付着性を低減する観点から、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.8質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは2質量部以上、より更に好ましくは3質量%以上であり、そして、毛羽立ち、毛玉の発生を抑制する観点から、好ましくは25質量部以下、より好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは8質量部以下、より更に好ましくは6.5質量部以下、より更に好ましくは5.5質量部以下である。
(A)成分100質量部に対する(D)成分の量は、(A)成分の仕上げ剤保持部への付着性を低減する観点から、100質量部以上、好ましくは120質量部以上、より好ましくは150質量部以上、更に好ましくは200質量部以上であり、そして、300質量部以下、好ましくは280質量部以下、より好ましくは250質量部以下である。
(D)成分100質量部に対する(C)成分の量は、(A)成分の仕上げ剤保持部への付着性を低減する観点から、0.5質量部以上、好ましくは0.8質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは1.2質量部以上であり、そして、10質量部以下、好ましくは8質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは4質量部以下である。
(D)成分100質量部に対する(E)成分の量は、(A)成分の仕上げ剤保持部への付着性を低減する観点から、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは25質量部以上であり、そして、好ましくは100質量部以下、より好ましくは90質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは70質量部以下である。
(A)成分100質量部に対する(F)成分の量は、(A)成分の乳化安定性の観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、より更に好ましくは6質量部以上、より更に好ましくは8質量部以上であり、そして、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは12質量部以下である。
また、本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、香料、染料、消泡剤、抗菌剤、殺菌剤、酸化防止剤、キレート剤、防腐剤及びpH調整剤等の任意の成分必要に応じて用いることができる。
前記のとおり、本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、衣料等の繊維製品の毛羽立ちや毛玉の発生を抑制することができると共に、洗濯機の仕上げ剤保持部使用時に繊維製品に凝集物が付着することがないため、ニット衣料の仕上げに好適に用いることができる。
なお、本明細書において「ニット衣料」とは、ニット(編物)で構成されて衣料をいい、「ニット(編物)」とは糸のループを連結して構成された布をいう。
[衣料の処理方法]
本発明の衣料の処理方法は、下記工程1〜工程3を有するものである。
工程1:前記衣料用仕上げ剤組成物を、投入ケース方式の全自動洗濯機の仕上げ剤保持部に保持させる工程。
工程2:仕上げ剤保持部内の前記衣料用仕上げ剤組成物を水と接触させずに洗濯槽内に投入する工程。
工程3:洗濯槽内の水浴中において、衣料用仕上げ剤組成物と衣料とを接触させる工程。
工程1は、前記衣料用仕上げ剤組成物を、投入ケース方式の全自動洗濯機の仕上げ剤保持部に保持させる工程である。
仕上げ剤保持部に投入される本発明の衣料用仕上げ剤組成物の量は、2g以上、80g以下が一般的であるが、本発明の効果を実感し易くする観点から、好ましくは5g以上、より好ましくは10g以上であり、好ましくは60g以下、より好ましくは50g以下である。
工程2は、仕上げ剤保持部内の前記衣料用仕上げ剤組成物を水と接触させずに洗濯槽内に投入する工程である。仕上げ剤保持部内の前記衣料用仕上げ剤組成物は、脱水時の遠心力で仕上げ剤保持部内を移動し、最終すすぎ時に洗濯槽内に投入される。
工程3は、工程2の後、洗濯槽内の水浴中において、衣料用仕上げ剤組成物と衣料とを接触させる工程である。
工程2の後とは、工程2において仕上げ剤保持部内の前記衣料用仕上げ剤組成物を水と接触させずに洗濯槽内に投入した後を意味する。
洗濯槽内の水の量は、一般的に浴比で決めることができる。なお、本明細書における「浴比」とは、衣類の質量と水の容量との比、〔水の容量(リットル)〕/〔衣類の質量(kg)〕で表す値をいう。
浴比が小さいと衣類同士の擦れによって、毛羽や毛玉が発生しやすくなる。よって、浴比は、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、更に好ましくは30以上であり、そして、好ましくは90以下、より好ましくは80以下、更に好ましくは60以下である。
衣料用仕上げ剤組成物の使用量は、衣類の質量に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.12質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上であり、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、更に好ましくは0.6質量%以下である。
また、前記衣料の処理方法で衣料を処理する場合において、前記衣料用仕上げ剤組成物の(A)成分の衣料に対する付着量は、毛羽立ち、毛玉の発生を効果的に抑制する観点から、衣料の質量に対して、好ましくは0.05質量%以上、0.4質量%以下であり、しなやかな風合いの付与と、毛羽や毛玉抑制効果を衣料に付与する観点から、より好ましくは0.08質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、そして、より好ましくは0.3質量%以下、更に好ましくは0.2質量%以下である。
前記のとおり、本発明の衣料の処理方法は、本発明の衣料用仕上げ剤組成物を用いるものであるため、衣料等の繊維製品の毛羽立ちや毛玉の発生を抑制することができると共に、洗濯機の仕上げ剤保持部使用時に繊維製品に対して凝集物が付着することを抑制することができる。したがって、本発明の衣料の処理方法は、ニット衣料を処理するのに適している。
まず、以下の調製例及び合成例にしたがって各成分の調製及び合成を行った。なお、(A)成分及び(A)成分の比較化合物である(A’)成分のモノマー組成を表2に示す。
[各成分の調製例]
<(A)成分を含む仕上げ剤原液の調製例>
前記ポリマー(A)[(A)成分]は、カチオン化澱粉(B)及び非イオン性界面活性剤(F)の少なくとも一部を含む溶液中で(A)成分を構成するモノマーを重合することにより得られる。したがって、本発明の仕上げ剤組成物は、重合後の(A)成分含有溶液をベースにして調製され、本発明では、重合後の(A)成分含有溶液を仕上げ剤原液という場合がある。
調製例1:(a−1)成分含有仕上げ剤原液の調製
窒素雰囲気下、反応容器に下記合成例1で得られたカチオン化澱粉1.1質量部、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製、GL−05)0.2質量部、及びイオン交換水48.7質量部を90℃にて均一溶解したのち60℃まで冷却した。これに、アクリル酸n−ブチル0.3質量部、メタクリル酸メチル0.2質量部、炭素数12の直鎖第1級アルコールにEOを平均47モル付加させた非イオン性界面活性剤(以下、「(f−1)成分」ともいう)1.68質量部、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.03質量部、及びイオン交換水19.4質量部を加え、75℃に加熱して重合を開始した。重合開始後、5時間かけてメタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸の最終比が(質量比19/75/5/1)になるように予め混合しておいたもの16.2質量部、及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.05質量部をイオン交換水11.9質量部に溶解した水溶液を反応溶液中に滴下した。滴下終了後、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.004質量部を加え、1時間そのまま撹拌を続けた。冷却後、255メッシュにて反応溶液を濾過し、(A)成分の重合体[以下(a−1)成分という]を約20質量%含む仕上げ剤原液を500g得た。
得られた仕上げ剤原液5gを20mLのメスフラスコに入れ、アセトンでメスアップした後、0.5μmのPTFEメンブランフィルターでろ過した。ろ液を用い、GPCにて分子量を測定したところ、重量平均分子量は33万であった。GPC測定条件を下記に示す。
カラム :α−M+α−M(アニオン)(α−Mを2本連結したもの)
溶離液 :H3PO4(60mmol/L)/LiBr(50mmol/
L)/DMF
流速 :1.0mL/min
カラム温度 :40℃
検出器 :RI
サンプル濃度:5mg/mL
サンプル量 :100μL
調製例2:(a−2)成分含有仕上げ剤原液の調製
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸の最終比が(質量比30/64/5/1)になるように、調製例1と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a−2)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は34万であった。
調製例3:(a−3)成分含有仕上げ剤原液の調製
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸の最終比が(質量比38/56/5/1)になるように、調製例1と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a−3)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は35万であった。
調製例4:(a−4)成分含有仕上げ剤原液の調製
下記合成例1で得られたカチオン化澱粉の添加量を2.2質量部に変え、調製例2と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a−4)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は35万であった。
調製例5:(a−5)成分含有仕上げ剤原液の調製
下記合成例1で得られたカチオン化澱粉の添加量を1.7質量部に変え、調製例2と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a−5)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は32万であった。
<(A’)成分((A)成分の比較化合物)を含む仕上げ剤原液の調製例>
比較調製例1:(a’−1)成分含有仕上げ剤原液の調製
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリル酸の最終比が(質量比46/48/5/1)になるように、調製例2と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a’−1)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は35万であった。
比較調製例2:(a’−2)成分含有仕上げ剤原液の調製
下記合成例1で得られたカチオン化澱粉を添加せず、調製例2と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a’−2)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は33万であった。
Figure 2015124456
<(B)成分の合成例>
合成例1:(b−1)成分の合成
プロペラ型撹拌羽根、冷却管、温度計がついた500mL容量の4つ口フラスコに苛性ソーダ0.9g、イオン交換水45g、イソプロピルアルコール100gを入れ、25℃に調温した。以下の操作は撹拌条件下で行った。コーンスターチ(三和澱粉工業(株)製)100gを30分かけて投入した。更に苛性ソーダの20質量%水溶液9.7gと3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド150gとの混合物を4つ口フラスコ内に投入した。投入後50℃まで昇温し、10時間撹拌した。次に36質量%塩酸水溶液で反応液のpHを7に調製した後、25℃まで冷却した。更に36質量%塩酸水溶液2.3gを加えた後、40℃まで昇温し、反応液の粘度が50〜100mPa・sになるまで撹拌した。次いで5質量%苛性ソーダ水溶液で反応液のpHを5.0に調整した。この反応物をイソプロピルアルコール/水(質量比50/50)で2回洗浄し、乾燥させカチオン化澱粉[以下(b−1)成分という]を得た。標準プルランを標準物質として用い、GPCにて(b−1)成分の分子量を測定したところ、重量平均分子量は97.2万であった。また、N質量%は0.67質量%であった。
[実施例1〜14、比較例1〜9]
前記調製例1〜5及び比較調製例1,2で得られた、(A)成分、(B)成分、(F)成分及び水を含有する仕上げ剤原液をベースに、表3〜4に示す配合量にしたがって衣料用仕上げ剤組成物を調製した。表3〜4の各組成物は、合計で100質量%となる。得られた組成物について、後述の評価方法に沿って、毛羽立ち及び毛玉抑制効果、皮膜化抑制効果を評価した。結果を表3〜4に示す。
<(A)成分、(A’)成分>
(a−1)〜(a−5):上記調製例1〜5で得られたポリマー
(a’−1),(a’−2):上記比較調製例1,2で得られたポリマー
<(B)成分>
(b−1):上記合成例1で得られたカチオン化澱粉
(N質量%は0.67質量%、重量平均分子量97.2万)
<(C)成分>
(c−1):ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド
(式(1)におけるR1=ラウリル基、R2=メチル基、R3=メチル基)
(c−2):パルミチルトリメチルアンモニウムクロリド
(式(1)におけるR1=パルミチル基、R2=メチル基、R3=メチル基)
<(D)成分>
(d−1):グリセリン(分子量:92、融点:18℃、沸点:290℃、ClogP値:−1.8)
(d−2):プロピレングリコール(分子量:76、融点:−59℃以下、沸点:188℃、ClogP値:−0.9)
(d−3):エチレングリコール(分子量:62、融点:−12℃、沸点:198℃、ClogP値:−1.4)
(d−4):ジエチレングリコール(分子量:106、融点:−10℃、沸点:244℃、ClogP値:−1.3)
<(D')成分>
(d'−1):エタノール(分子量:46、融点:−114℃、沸点:78℃、ClogP値:−0.3)
(d'−2):ジプロピレングリコール(分子量:134、融点:−40℃、沸点:232℃、ClogP値:−0.7)
(d'−3):ソルビトール(分子量:182、融点:95℃、沸点:296℃、ClogP値:−3.1)
<(E)成分>
(e−1):クエン酸
<(F)成分>
(f−1):炭素数12の直鎖第1級アルコールにEOを平均47モル付加させた非イオン性界面活性剤
<衣料用仕上げ剤組成物の調製方法>
300mLビーカーに衣料用仕上げ剤組成物の全量が200gになる量のイオン交換水(温度:25℃)を入れた。このビーカーに(C)成分を投入して均一に溶解させた後10分間撹拌した。さらに2cmの羽根が3枚ついたタービン型の撹拌羽根で撹拌(300rpm)しながら上記調製例にて得られた仕上げ剤原液((A)成分、(B)成分及び(F)成分)を投入して10分間撹拌した。更に(D)成分、(E)成分及び香料を投入して10分間撹拌した。
[衣料用仕上げ剤組成物の処理方法]
<試験布の準備>
T/Cニット布(ポリエステル65質量%、綿35質量%、エアーフライスF401−F11、茶色、マスダ株式会社製)2kgを市販の液体洗剤(花王(株)のアタックバイオジェル(登録商標)、2012年製)を用いて全自動洗濯機(日立アプライアンス(株)、NW−7FT)で5回繰り返し洗濯した(洗剤濃度0.083質量%、水道水(20℃)40L使用、標準コース、洗濯9分−すすぎ2回−脱水6分、浴比1/20)。
洗濯したT/Cニット布を25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させて10×10cm角に裁断し、試験布(X1)とした。
次いで、500mlガラスビーカーに水道水300g、及び表3〜4に示す実施例1〜14、比較例1〜9の衣料用仕上げ剤組成物0.30gをそれぞれ加えてマグネットスターラーと回転子(クロスヘッド回転子ダブル、型番001.1140、高さ14mm、直径40mm、アズワン製)を使用して10分間撹拌した(回転速度400rpm)。撹拌後、この溶液に試験布(X1)を4枚(10g)入れ、5分間撹拌した(回転速度400rpm)。その後、二層式洗濯機(TOSHIBA VH−52G(H))を用い、試験布(X1)を脱水槽の内壁に貼りつけ2分間脱水し、25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させ、これを試験布(X2)とした。
<毛羽立ち及び毛玉抑制効果の評価法>
表3〜4に示す実施例1〜14、比較例1〜9の衣料用仕上げ剤組成物で処理した各試験布(X2)をアピアランス・リテンションテスター((株)大栄科学精器製作所製、型番「ARP−1」)を用いて荷重3.2Nにて2回転摩擦した。
摩擦した各試験布(X2)の毛羽立ちレベルを以下の基準サンプル1〜4と比較して下記判定基準にて得点をつけて平均点を求めることにより評価した。なお、評価は布帛の外観の評価に5年以上従事した判定者5人により行った。
毛羽立ち抑制効果としては3.5以下が合格であり、好ましくは3.3以下、より好ましくは3.0未満である。
基準サンプル1:未処理の前記T/Cニット布(評価点:0)
基準サンプル2:試験布(X1)(評価点:2.0)
基準サンプル3:実施例2の衣料用仕上げ剤組成物0.2gで処理した試験布
(X2)(評価点:3.5)
基準サンプル4:比較例1の試験布(X2)(評価点:5.0)
〔判定基準〕
0 :基準サンプル1の試験布と同等の外観で、毛羽も毛玉もない。
1.0:基準サンプル1と2の試験布の中間の外観で、極わずかに毛羽立ちが
あるが、毛玉はない。
2.0:基準サンプル2の試験布と同等の外観で、僅かに毛羽立ちがあるが、
毛玉はない。
2.5:基準サンプル2と3の試験布の間の外観であるが、どちらかというと
基準サンプル2の外観に近く、基準サンプル2よりも毛羽立ちは多い
が、毛玉はない。
3.0:基準サンプル2と3の試験布の間の外観であるが、どちらかというと
基準サンプル3の外観に近く、毛羽立ちがあるが、毛玉はない。
3.5:基準サンプル3の試験布と同等の外観で、毛羽立ちはあるが、毛玉は
ない。
4.0:基準サンプル3と4の試験布の間の外観であるが、どちらかというと
基準サンプル3の外観に近く、毛羽立ちがあり、やや毛玉がある。
4.5:基準サンプル3と4の試験布の外観の間であるが、どちらかというと
基準サンプル4の外観に近く、毛羽立ちがあり、毛玉がある。
5.0:基準サンプル4の試験布と同等の外観で、毛羽立ちも毛玉もある。
<皮膜化抑制効果の評価法>
5mLのプラカップ(ネオミニカップNo.5、直径25mm、高さ20mm、株式会社マルエム製)の中にPP板(標準試験板、1×10×70mm、日本テストパネル株式会社)を立てかけた。表3〜4に示す実施例1〜14、比較例1〜9の衣料用仕上げ剤組成物(0.1g)をPP(ポリプロピレン)板の上端に滴下し、25℃/50%RHの環境下で24時間乾燥させ、これを試験片(Y1)とした。乾燥させた試験片(Y1)をプラカップに立てかけたまま、試験片の上端に水道水(2mL)を滴下し、これを試験片(Y2)とした。試験片(Y2)上のポリマー皮膜の流動性や分散性を観察し、下記の判定基準に従って皮膜化抑制効果を評価した。皮膜化抑制効果としては、3.0以下が合格であり、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.5以下である。
〔判定基準〕
1.0:試験片からポリマーが全て流れ落ち、白濁分散した(凝集物なし)
2.0:試験片からポリマーが全て流れ落ち、白濁分散した(わずかに凝集物あり)
3.0:試験片からポリマーが全て流れ落ち、白濁分散した(凝集物あり)
4.0:試験片からポリマーが全てはがれ落ちるが、塊のまま浮遊している
5.0:試験片からポリマーが全くはがれ落ちない
Figure 2015124456
Figure 2015124456
以上の結果から明らかなように、本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、衣料等の繊維製品の毛羽立ちや毛玉の発生を抑制することができると共に、投入ケース方式の全自動洗濯機の仕上げ剤保持部の使用時に繊維製品に凝集物が付着することを抑制できる。

Claims (6)

  1. 炭素数1以上、16以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(a1)由来の構成単位を70質量%以上、100質量%以下含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満であるポリマー(A)、カチオン化澱粉(B)、下記一般式(1)で表されるカチオン化合物(C)、炭素数2以上、4以下の2価又は3価の水溶性多価アルコール(D)、及び水を含有し、(A)成分100質量部に対する(D)成分の量が100質量部以上、300質量部以下であり、(D)成分100質量部に対する(C)成分の量が0.5質量部以上、10質量部以下である、衣料用仕上げ剤組成物。
    123 2+・X- (1)
    (式中、R1は炭素数12以上、18以下の炭化水素基を示し、R3は炭素数1以上、4以下のアルキル基、ベンジル基及び炭素数2以上、4以下のヒドロキシアルキル基を示し、R2はR1又はR3で定義される基を示し、X-は陰イオンを示す。)
  2. (D)成分がグリセリンである、請求項1に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  3. 更に、多価有機酸(E)を含有する、請求項1又は2に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  4. 前記(D)成分100質量部に対する前記(E)成分の含有量が、10質量部以上、100質量部以下である、請求項3に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  5. 下記工程1〜工程3を有する衣料の処理方法。
    工程1:請求項1〜4のいずれかに記載の衣料用仕上げ剤組成物を、投入ケース方式の全自動洗濯機の仕上げ剤保持部に保持させる工程。
    工程2:仕上げ剤保持部内の前記衣料用仕上げ剤組成物を水と接触させずに洗濯槽内に投入する工程。
    工程3:洗濯槽内の水浴中において、衣料用仕上げ剤組成物と衣料とを接触させる工程。
  6. 前記衣料がニット衣料である、請求項5に記載の衣料の処理方法。
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