JP6204802B2 - 衣料用仕上げ剤組成物 - Google Patents
衣料用仕上げ剤組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6204802B2 JP6204802B2 JP2013241851A JP2013241851A JP6204802B2 JP 6204802 B2 JP6204802 B2 JP 6204802B2 JP 2013241851 A JP2013241851 A JP 2013241851A JP 2013241851 A JP2013241851 A JP 2013241851A JP 6204802 B2 JP6204802 B2 JP 6204802B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- mass
- clothing
- less
- composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Description
また、特許文献2には、低級脂肪酸ビニルエステル等と不飽和カルボン酸の乳化重合時に、メタクリル酸アルキルエステル等のモノマー等を使用し、乳化重合により得られるエマルジョンを含有する糊料組成物が記載されている。また、この特許文献2には重合時に非イオン性乳化剤を使用すること、及びカチオン化澱粉等のカチオン性ポリマーを重合時に共存させるか、重合終了後に添加してもよいことが記載されている。
特許文献3〜5には、炭素数1〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを構成単位として有し、ガラス転移温度が−40℃以上0未満のポリマーとカチオン化澱粉とを含有する仕上げ剤組成物が開示されている。
すなわち、衣類の毛羽立ち、毛玉の発生を抑制することができる衣料用仕上げ剤組成物においては、洗濯機の仕上げ剤保持部の中で特定のアルカリ度を有する水と接触し、希釈されながら洗濯槽内に流入することにより、該衣料用仕上げ剤組成物の一部が凝集し、繊維製品に付着するため審美的に好ましくない外観になるという課題が生じる。
さらに、本発明者らはもう一つの原因がポリマーの物性にあることを知見した。具体的には、通常、洗濯に用いられる5〜40℃程度の水道水の温度では、ガラス転移温度0℃未満のポリマーは柔らかい物性を示し、この柔らかい物性を示すポリマーが、カチオン化澱粉と共に凝集し、凝集物が繊維製品に付着しやすくなると考えた。以上の知見から、本発明者らは本発明に至った。
[1]炭素数1以上、16以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(a1)由来の構成単位を70質量%以上、100質量%以下含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満であるポリマー(A)、カチオン化澱粉(B)、非イオン性界面活性剤(C)、及び水を含有し、(C)成分が、炭素数8以上、16以下の炭化水素基を少なくとも1つ有し、オキシアルキレン基を平均3モル以上、15モル以下付加したポリオキシアルキレン付加型非イオン性界面活性剤(c1)を含有し、(A)成分100質量部に対する(c1)成分の含有量が5.5質量部以上、15質量部以下である衣料用仕上げ剤組成物であって、下記工程I及び工程IIを有する製造方法により得られる衣料用仕上げ剤組成物。
工程I:水系溶媒に対してカチオン化澱粉(B)と非イオン性界面活性剤(C)とを添加して溶液を調製する工程
工程II:工程Iで得られた溶液に対して(A)成分を構成するモノマー及び重合開始剤を添加して乳化重合を行う工程であって、前記溶液のpHを5.5以上、8.5以下に調整して乳化重合を行う工程
工程1:前記衣料用仕上げ剤組成物を洗濯機の仕上げ剤保持部に保持させる工程。
工程2:前記衣料用仕上げ剤組成物を保持する仕上げ剤保持部に対して、炭酸塩アルカリ度が10度以上、60度以下である水を投入し、前記衣料用仕上げ剤組成物と水とを接触させる工程。
工程3:工程2の後、仕上げ剤保持部内の前記衣料用仕上げ剤組成物を洗濯槽内に投入する工程。
工程4:洗濯槽内の水浴中において、衣料用仕上げ剤組成物と衣料とを接触させる工程。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、炭素数1以上、16以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(a1)由来の構成単位を70質量%以上、100質量%以下含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満であるポリマー(A)、カチオン化澱粉(B)、非イオン性界面活性剤(C)、及び水を含有し、(C)成分が、炭素数8以上、16以下の炭化水素基を少なくとも1つ有し、オキシアルキレン基を平均3モル以上、15モル以下付加したポリオキシアルキレン付加型非イオン性界面活性剤(c1)を含有し、(A)成分100質量部に対する(c1)成分の含有量が5.5質量部以上、15質量部以下である衣料用仕上げ剤組成物であって、下記工程I及び工程IIを有する製造方法により得られる衣料用仕上げ剤組成物。
工程I:水系溶媒に対してカチオン化澱粉(B)と非イオン性界面活性剤(C)とを添加して溶液を調製する工程
工程II:工程Iで得られた溶液に対して(A)成分を構成するモノマー及び重合開始剤を添加して乳化重合を行う工程であって、前記溶液のpHを5.5以上、8.5以下に調整して乳化重合を行う工程
なお、本明細書において「(メタ)アクリル酸エステル」とは、「アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、又はこれらの混合物」をいう。
また、本明細書において「毛羽立ち」とは、摩擦によって単繊維が引っ張られ、糸から単繊維が抜けかけたり(視覚的には、糸表面から単繊維が飛び出したり)している状態、又は磨耗によって単繊維に亀裂が入り、単繊維表面から繊維片が剥離しかけたりする状態をいう。
また、「毛玉」とは衣料から抜け落ちた単繊維同士が絡まり、玉状になって衣料に再付着している状態、繊維上の前記毛羽同士が絡まって玉状になった状態、又は糸を構成する単繊維から剥離しかかった繊維片が繊維上で絡まって玉状となった状態をいう。
更に、本明細書において、「仕上げ剤保持部」とは、洗濯工程において仕上げ剤を投入するタイミングに水が注水される区画を指し、販売メーカーによってその名称は異なるが、「仕上げ剤投入口」ともよばれる。具体的には、洗濯機に設けられている「洗剤ケース」や「洗剤投入ケース」内にある「柔軟剤投入」、「ソフト仕上剤」と表記されている投入区画、又は洗濯機に設けられている「柔軟剤投入ケース」等と表記されている投入区画をいう。
本発明におけるポリマー(A)は、炭素数1以上、16以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(以下、「モノマー(a1)」ともいう)由来の構成単位を70質量%以上、100質量%以下含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満のポリマーである。
モノマー(a1)は、炭素数1以上、16以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであれば特に制限はなく、ポリマー(A)が前記ガラス転移温度を満すのであれば1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明において、「炭素数1以上、16以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル」とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルであって、前記アルキル基が炭素数1以上、16以下のアルキル基である化合物をいう。
また、前記アルキル基はn−体、sec−体、tert−体、iso−体を含む、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。
具体的な化合物としては、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸n−プロピルエステル、アクリル酸n−ブチルエステル、アクリル酸iso−ブチルエステル、アクリル酸tert−ブチルエステル、アクリル酸n−ペンチルエステル、アクリル酸n−ヘキシルエステル、アクリル酸n−ヘプチルエステル、アクリル酸n−オクチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステルが好ましく、アクリル酸n−ブチルエステル、アクリル酸iso−ブチルエステル、アクリル酸tert−ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステルがより好ましく、及びアクリル酸n−ブチルエステルが更に好ましい。
具体的な化合物としては、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸n−プロピルエステル、メタクリル酸n−ブチルエステル、メタクリル酸iso−ブチルエステル、メタクリル酸tert−ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステルが好ましく、メタクリル酸メチルエステル、及びメタクリル酸エチルエステルがより好ましく、メタクリル酸メチルエステルが更に好ましい。
ポリマー(A)(以下、「(A)成分」ともいう)のガラス転移温度を−40℃以上、0℃未満の範囲に調整する観点から、メタクリル酸エステルと、アクリル酸エステルとを併用することが好ましい。
メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルとを併用する場合において、メタクリル酸エステル(a1−1)とアクリル酸エステル(a1−2)との合計に対するアクリル酸エステル(a1−2)の割合は、(A)成分のガラス転移温度を前記範囲に調整する観点から、好ましくは55質量%以上、より好ましくは56質量%以上であり、そして、好ましくは99質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。
本明細書において、(A)成分が表1に記載の1種類のモノマーのみで重合されたポリマー(以下、「ホモポリマー」ともいう)である場合のガラス転移温度(Tg)は、表1に記載した値を用いた。
また、(A)成分がn種類のモノマーを重合して得られる共重合体である場合のガラス転移温度(Tg)は、各モノマー(i)のホモポリマーのガラス転移温度〔Tg(i)〕から、下記式(I)にしたがって共重合体のガラス転移温度(Tg)を算出する。ただし、小数点以下は四捨五入し、共重合体が多官能性モノマーを含む場合には、該多官能性モノマーを除いたモノマーについて計算を行う。
前記含有量は、ポリマー(A)に対するモノマー(a1)由来の構成単位の割合であり、重合時のモノマー(a1)の配合割合から求めることができる。これは後述するモノマー(a2)及びモノマー(a3)についても同様である。
モノマー(a1)と共重合してもよい他のモノマーとしては、例えば下記のモノマー(a2)及びモノマー(a3)が挙げられる。
モノマー(a2)としては、炭素数2以上、4以下のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いる。モノマー(a2)を用いることにより、衣類等に付着した(A)成分を洗濯時に衣類から容易に脱離させることができると共に、洗濯機の仕上げ剤組成物の保持部に仕上げ剤組成物が残留することを防止する(以下、「液残りを防止する」ともいう)ことができる。
本発明において、炭素数2以上、4以下のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとは、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルであって、前記ヒドロキシアルキル基の炭素数が2以上、4以下であるものをいう。
洗浄工程における(A)成分の衣類からの脱離性((A)成分が衣類から脱離しやすい性質であることを意味する)をより向上させる観点、及び液残りを防止する観点から、炭素数2以上、3以下のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数2のヒドロキシエチル基がより好ましい。
メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの具体例としては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル、及びメタクリル酸4−ヒドロキシブチルエステルが挙げられる。
これらの中では、(A)成分の衣類からの脱離性の観点及び液残りを防止する観点から、アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステルが好ましい。
モノマー(a3)としては、エチレン性不飽和カルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも1種のモノマーを用いる。なお、本発明において「エチレン性不飽和カルボン酸」とは、分子内にビニル基及びカルボン酸基を有する化合物をいう。
モノマー(a3)を用いることにより、衣類に付着した(A)成分の衣類からの脱離性を向上させることができると共に、液残りを防止することができる。
エチレン性不飽和カルボン酸塩としては、前記エチレン性不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩、及びアルカリ土類金属塩を挙げることができる。また、エチレン性不飽和カルボン酸塩は、アンモニウム塩、及びアルカノールアミン塩であってもよい。エチレン性不飽和カルボン酸塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのエチレン性不飽和カルボン酸及びその塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分は、毛羽及び毛玉の発生を抑制する観点から、前記モノマー(a1)、モノマー(a2)及びモノマー(a3)を含む共重合体が好ましい。
なお、(A)成分としては、(A)成分の効果に影響を及ぼさない範囲で、前記モノマー(a1)〜(a3)以外のモノマーを使用してもよい。
なお、(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定による値をいう。より具体的には、溶離液としてクロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン及びこれらの溶媒を組み合わせた液のいずれか、好ましくはジメチルホルムアミドを使用して測定したポリスチレン換算の分子量をいう。
本発明においては、(A)成分の衣料への吸着性を高めることを目的として、また、(A)成分を乳化重合等で製造する際の乳化安定化剤として、カチオン化澱粉(B)(以下、「(B)成分」ともいう。)を用いる。
カチオン化澱粉の主骨格を形成する澱粉類としては、特開2010−180320号公報に記載の澱粉等を用いることができる。具体的には、コーンスターチ、小麦スターチ、ポテトスターチ、タピオカスターチ等の澱粉が挙げられる。
前記澱粉にカチオン基を導入してカチオン化澱粉とする方法は特に限定されず、例えば、澱粉類と四級アンモニウムアルキル化試薬とを反応させる方法が挙げられる。
四級アンモニウムアルキル化試薬としては、例えば、特開2010−180320号公報に記載のグリシジル基を有する4級アンモニウム化合物を挙げることができ、化合物の入手の容易性の観点から、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
四級アンモニウムアルキル化試薬の具体的な製造方法としては、例えば特開昭56−36501号公報、特開平6−100603号公報、特開2010−180320号公報、及び特開平8−198901号公報等に記載の方法が挙げられる。
本明細書において、N質量%は(B)成分の全質量に対して第4級アンモニウム基由来の窒素原子の含有量(質量%)をいう。N質量%は、「第十二改正日本薬局方」(財団法人日本公定書協会・第一法規出版株式会社発行)の第43〜44頁に記載された窒素定量法(セミミクロケルダール法)に基づいて行うことができる。
(非イオン性界面活性剤(c1))
本発明においては、(A)成分の希釈時の分散安定性を向上させる観点から、非イオン性界面活性剤(C)(以下、「(C)成分」ともいう)として、炭素数8以上、16以下の炭化水素基を少なくとも1つ有し、オキシアルキレン基を平均3モル以上、15モル以下付加したポリオキシアルキレン付加型非イオン性界面活性剤(c1)を使用する。
界面活性剤(c1)としては、(A)成分の希釈時の分散安定性の観点から、炭素数8以上、16以下の脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有し、オキシアルキレン基を平均3モル以上、15モル以下付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
(A)成分の希釈時の分散安定性を向上させる観点から、(c1)成分の炭化水素基の炭素数は、好ましくは10以上、より好ましくは11以上であり、そして、好ましくは15以下、より好ましくは14以下であり、オキシアルキレン基の平均付加モル数は、好ましくは4以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは6以上であり、そして、好ましくは14以下、より好ましくは13以下、更に好ましくは12以下である。
また、(c1)成分は、(A)成分の希釈時の分散安定性を向上させる観点から、異なる2種以上を併用することが好ましく、組成物の減粘効果の観点から、分岐状のアルキル基と直鎖状のアルキル基とを有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルを併用することが好ましい。なお、本明細書において、前記分岐状のアルキル基は第2級アルコール由来のアルキル基も含む。
具体例としては、炭素数12の直鎖アルキル基を有し、オキシエチレン基の平均付加モル数が8以上、12以下のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、炭素数が12以上、14以下の第2級アルキル基を有し、オキシエチレン基の平均付加モル数が5以上、7以下のポリオキシエチレンアルキルエーテルを併用することが好ましい。
本発明においては、(A)成分の乳化安定性を向上させる観点から、炭素数8以上、16以下の炭化水素基を少なくとも1つ有し、オキシアルキレン基を平均30モル以上、70モル以下付加したポリオキシアルキレン付加型非イオン性界面活性剤(以下、「(c2)成分」ともいう)を(c1)成分と共に使用してもよい。非イオン性界面活性剤(c2)を使用することにより、(A)成分の希釈時の分散安定性が向上し、重合時の乳化安定性及び保管後の分散安定性も向上する。
非イオン性界面活性剤(c2)としては、(A)成分の乳化安定性の観点から、炭素数8以上、16以下の炭化水素基を少なくとも1つ有し、オキシアルキレン基を平均30モル以上、70モル以下付加したポリオキシアルキレン付加型非イオン性界面活性剤であるポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
(A)成分の乳化安定性の観点から、(C)成分のHLBは、好ましくは14.5以下、より好ましくは14以下である。また、(A)成分の希釈分散性の観点から、(C)成分のHLBは、好ましくは12.5以上、より好ましくは13以上である。なお、HLBの値はグリフィン法で得ることができる。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、下記工程I及び工程IIを有する製造方法により製造する。この方法によって製造することにより、希釈安定性に優れた組成物を得ることができる。
工程Iは、水系溶媒に対してカチオン化澱粉(B)と非イオン性界面活性剤(C)とを添加して溶液を調製する工程である。
水系溶媒としては、水が好ましい。水は、例えば、蒸留水、イオン交換水、及び超純水等が挙げられる。
また、工程IIにおける乳化重合時の乳化状態を壊さない範囲で、水と相溶性のある有機溶媒を加えてもよい。有機溶媒としてはメタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコール等の炭素数2又は3のアルコール、アセトン、及びメチルエチルケトン等の炭素数3又は4のケトンが挙げられる。
有機溶媒の添加量としては、特に限定されないが、水100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
カチオン化澱粉(B)及び非イオン性界面活性剤(C)は、それぞれ一括で添加してもよいし、分割又は滴下等によって添加してもよい。カチオン化澱粉(B)及び非イオン性界面活性剤(C)の添加時には、系を撹拌しながら添加することが好ましい。撹拌は、カチオン化澱粉(B)のせん断によるせん断凝集を起こさない速度で行うことが好ましい。
工程IIは、工程Iで得られた溶液に対して(A)成分を構成するモノマー及び重合開始剤を添加して乳化重合を行う工程であって、前記溶液のpHを5.5以上、8.5以下に調整して、(A)成分を構成するモノマーの乳化重合を行う工程である。
本発明において、工程Iで得られた溶液のpHを調整することにより、(A)成分と(B)成分の相互作用を高めることができ、得られるポリマーの希釈安定性を高めることができる。
工程IIにおいては、pHが制御された溶液中で乳化重合を行うことが好ましく、溶液のpHは、工程IIの乳化重合開始前にpH調整剤を用いて制御することが好ましい。
すなわち、工程IIにおいては、前記溶液に対して前記重合開始剤を添加する前に、前記溶液のpHを5.5以上、8.5以下に調整することが好ましい。
工程IIの乳化重合を行う際のpHは、得られるポリマーの希釈安定性を高める観点から、好ましくは5.5以上、より好ましくは6.0以上、更に好ましくは6.5以上であり、そして、好ましくは8.5以下、より好ましくは8.0以下、更に好ましくは7.5以下である。
pH調整剤を用いる場合、その添加時期は、工程IIの乳化重合開始前であれば特に限定されない。なお、本発明における溶液のpHとは、(A)成分を構成するモノマーの添加前の溶液を、20℃においてpHメーターを使用して測定した値をいう。
重合開始剤の使用量は、(A)成分を構成するモノマーの合計使用量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上であり、そして、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。
(A)成分を構成するモノマー及び重合開始剤の添加順序も特に限定されず、重合開始剤の添加は(A)成分を構成するモノマーの添加前であっても、後であっても、又は同時であってもよい。
乳化重合は、撹拌しながら行うことが好ましい。撹拌速度は速いほど、より小粒径のポリマーを得ることができるが、過度に撹拌速度を上げるとせん断凝集が発生する。乳化重合はせん断凝集を起こさない速度で撹拌しながら行うことが好ましい。
乳化重合終了後、更に重合開始剤を加えることが残存モノマー量低減の観点から好ましい。
衣料用仕上げ剤組成物中の(A)成分の含有量は、好ましくは1質量%以上、50質量%以下であり、洗濯1回当たりの前記衣料用仕上げ剤組成物の使用量を低減させる点から、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上である。また衣料用仕上げ剤組成物中の(A)成分の含有量は、仕上げ剤投入口への付着性を低減する観点から、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは25質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下である。
(A)成分100質量部に対する(B)成分の量は、(A)成分の乳化安定性と希釈分散性の観点から、好ましくは2質量部以上、より好ましくは2.5質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは4質量部以上、より更に好ましくは5質量部以上であり、そして、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは15質量部以下、より更に好ましくは10質量部以下である。
(A)成分100質量部に対する(c1)を含む(C)成分の量は、(A)成分の乳化安定性と希釈分散性の観点から、好ましくは5.5質量部以上、より好ましくは8質量部以上、更に好ましくは10質量部以上であり、そして、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは15質量部以下である。
さらに、香料、染料、消泡剤、抗菌剤、殺菌剤、酸化防止剤、キレート剤、及び防腐剤等の任意の成分必要に応じて用いることができる。
前記のとおり、本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、衣料等の繊維製品の毛羽立ちや毛玉の発生を抑制することができると共に、洗濯機の仕上げ剤投入口使用時に繊維製品に凝集物が付着することがないため、ニット衣料の仕上げに好適に用いることができる。
なお、本明細書において「ニット衣料」とは、ニット(編物)で構成されて衣料をいい、「ニット(編物)」とは糸のループを連結して構成された布をいう。
本発明の衣料の処理方法は、下記工程1〜工程4を有するものである。
工程1:前記衣料用仕上げ剤組成物を洗濯機の仕上げ剤保持部に保持させる工程。
工程2:前記衣料用仕上げ剤組成物を保持する仕上げ剤保持部に対して、炭酸塩アルカリ度が10度以上、60度以下である水を投入し、前記衣料用仕上げ剤組成物と水とを接触させる工程。
工程3:工程2の後、仕上げ剤保持部内の前記衣料用仕上げ剤組成物を洗濯槽内に投入する工程。
工程4:洗濯槽内の水浴中において、衣料用仕上げ剤組成物と衣料とを接触させる工程。
仕上げ剤保持部に投入される本発明の衣料用仕上げ剤組成物の量は、2g以上、80g以下が一般的であるが、本発明の効果を実感し易くする観点から、好ましくは5g以上、より好ましくは10g以上であり、好ましくは60g以下、より好ましくは50g以下である。
工程2においては、仕上げ剤保持部内に存在する衣料用仕上げ剤組成物と水とが均一になるように接触させてもよく、衣料用仕上げ剤組成物の一部と水の一部とを接触させるようにしてもよい。仕上げ剤投入口に投入する水の流速は、0.5L/min以上、4L/min以下が好ましい。
また、水の炭酸塩アルカリ度が10度以上、60度以下であれば、本発明の効果を享受できる。なお、本明細書における炭酸塩アルカリ度とは、下記の方法に従って測定された値をいう。
検水100mlを200mlビーカーにとり、指示薬としてブロモクレゾールグリーン−メチルレッド・エタノール溶液(和光純薬工業(株)製)を0.15ml加える。この溶液をマグネットスターラーと回転子(長さ30mm、直径8mm)で撹拌しながら(回転数200rpm)、10mmol/l硫酸で、溶液の色が青から赤紫色になるまで滴定する。次式によって炭酸塩アルカリ度を算出する。
炭酸塩アルカリ度(度)=a×10
(aは、滴定に要した10mmol/lの硫酸の量(ml)である。上記の式において、1度は1CaCO3mg/lを意味する。)
工程2の後とは、工程2において仕上げ剤保持部内に存在する衣料用仕上げ剤組成物と水とが最初に接触した後を意味する。
この工程3においては、衣料用仕上げ剤組成物が存在する仕上げ剤保持部に更に水を投入することで衣料用仕上げ剤組成物を洗濯槽内に流し出すことが好ましい。
洗濯槽内の水の量は、一般的に浴比で決めることができる。なお、本明細書における「浴比」とは、衣類の質量と水の容量との比、〔水の容量(リットル)〕/〔衣類の質量(kg)〕で表す値をいう。
浴比が小さいと衣類同士の擦れによって、毛羽や毛玉が発生しやすくなる。よって、浴比は、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、更に好ましくは30以上であり、
好ましくは90以下、より好ましくは80以下、更に好ましくは60以下である。
衣料用仕上げ剤組成物の使用量は、衣類の質量に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.12質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上であり、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、更に好ましくは0.6質量%以下である。
前記のとおり、本発明の衣料の処理方法は、前記本発明の衣料用仕上げ剤組成物を使用していることから、毛羽立ちや毛玉の発生を抑制することができると共に、洗濯機の仕上げ剤投入口使用時に繊維製品に凝集物が付着することがないため、ニット衣料の仕上げに好適に用いることができる。
[各成分の合成例]
<(A)成分を含む仕上げ剤原液の調製例>
前記ポリマー(A)[(A)成分]は、カチオン化澱粉(B)及び非イオン界面活性剤(C)の少なくとも一部を含む溶液中で(A)成分を構成するモノマーを重合することで得られる。したがって、本発明の仕上げ剤組成物は、重合後の(A)成分含有溶液をベースにして調製され、本発明では、重合後の(A)成分含有溶液を仕上げ剤原液という場合がある。
調製例1:(a−1)成分含有仕上げ剤原液の調製
〔工程I〕
窒素雰囲気下、反応容器に下記合成例Bで得られたカチオン化澱粉1.1質量部、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製、GL−05)0.2質量部、及びイオン交換水48.7質量部を90℃にて均一溶解したのち60℃まで冷却した。これに、炭素数12の直鎖第1級アルコールにEOを平均12モル付加させた非イオン性界面活性剤(以下、「(c1−1)成分」ともいう)/炭素数12の直鎖第1級アルコールにEOを平均9モル付加させた非イオン性界面活性剤(以下、「(c1−2)」成分ともいう)/炭素数12〜14の第2級アルコールにEOを平均7モル付加させた非イオン性界面活性剤(以下、「(c1−3)成分」ともいう)/炭素数12の直鎖第1級アルコールにEOを平均47モル付加させた非イオン性界面活性剤(以下、「(c2−1)成分」ともいう)の質量比が(31.5/0/65/3.5)になるように予め混合しておいたもの1.68質量部、及びイオン交換水19.4質量部を加え撹拌した。
続いて、撹拌しながら、pH調整剤としてリン酸バッファーを用い、pHを7.0に調整した後、アクリル酸n−ブチル0.3質量部、メタクリル酸メチル0.2質量部、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.03質量部を加え、75℃に加熱して重合を開始した。重合開始後、5時間かけてメタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸の最終比が(質量比19/75/5/1)になるように予め混合しておいたもの16.2質量部、及び2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.05質量部をイオン交換水11.9質量部に溶解した水溶液を反応溶液中に滴下した。滴下終了後、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.004質量部を加え、1時間そのまま撹拌を続けた。冷却後、255メッシュにて反応溶液を濾過し、(A)成分の重合体[以下(a−1)成分という]を約20質量%含む仕上げ剤原液を得た。
カラム :α−M+α−M(アニオン)(α−Mを2本連結したもの)
溶離液 :H3PO4(60mmol/L)/LiBr(50mmol/
L)/DMF
流速 :1.0mL/min
カラム温度 :40℃
検出器 :RI
サンプル濃度:5mg/mL
サンプル量 :100μL
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸の最終比が(質量比30/64/5/1)になるように、調製例1と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a−2)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は34万であった。
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸の最終比が(質量比38/56/5/1)になるように、調製例1と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a−3)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は35万であった。
工程IIでのpHを6.0に調整し、調製例2と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a−4)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は33万であった。
工程IIでのpHを6.5に調整し、調製例2と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a−5)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は32万であった。
工程IIでのpHを7.5に調整し、調製例2と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a−6)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は33万であった。
工程IIでのpHを8.0に調整し、調製例2と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a−7)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は35万であった。
界面活性剤(c1−1)成分/(c1−2)成分/(c1−3)成分/(c2−1)成分の質量比が(質量比0/100/0/0)になるように予め混合しておいたものを用いて、調製例2と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a−8)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は33万であった。
界面活性剤(c1−1)成分/(c1−2)成分/(c1−3)成分/(c2−1)成分の質量比が(質量比0/0/75/25)になるように予め混合しておいたものを用いて、調製例2と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a−9)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は32万であった。
界面活性剤(c1−1)成分/(c1−2)成分/(c1−3)成分/(c2−1)成分の質量比が(質量比0/0/83/17)になるように予め混合しておいたもの2.08質量部を用いて、調製例2と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a−10)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は32万であった。
工程Iにおいて、下記合成例Bで得られたカチオン化澱粉0.83質量部を用いて、調製例2と同様の方法で合成し、(A)成分の重合体[以下(a−11)成分という]を約20質量%含む仕上げ剤原液を得た。
得られた(a−11)成分を約20質量%含む仕上げ剤原液をエバポレーターにて減圧濃縮し、最終的に(a−11)成分の重量が約30質量%の仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は38万であった。
工程Iにおいて、下記合成例Bで得られたカチオン化澱粉0.83質量部、界面活性剤(c1−1)成分/(c1−2)成分/(c1−3)成分/(c2−1)成分の質量比が(質量比31.5/0/65/3.5)になるように予め混合しておいたもの1.12質量部を用いて、調製例2と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a−12)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は32万であった。
比較調製例1:(a’−1)成分含有仕上げ剤原液の調製
工程IIでのpHを5.0に調整し、調製例2と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a’−1)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は34万であった。
工程IIでのpHを5.0に調整し、調製例3と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a’−2)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は35万であった。
工程IIでのpHを9.0に調整し、調製例2と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a’−3)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は35万であった。
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリル酸の最終比が(質量比46/48/5/1)になるように、調製例1と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a’−4)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は35万であった。
界面活性剤(c1−1)成分/(c1−2)成分/(c1−3)成分/(c2−1)成分の質量比が(質量比0/0/50/50)になるように予め混合しておいたものを用いて、合成例2と同様の方法で合成し(A)成分の重合体[以下(a’−5)成分という]を含む仕上げ剤原液を得た。調製例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重量平均分子量は34万であった。
合成例B:(b−1)成分の合成
プロペラ型撹拌羽根、冷却管、温度計がついた500mL容量の4つ口フラスコに苛性ソーダ0.9g、イオン交換水45g、イソプロピルアルコール100gを入れ、25℃に調温した。以下の操作は撹拌条件下で行った。コーンスターチ(三和澱粉工業(株)製)100gを30分かけて投入した。更に苛性ソーダの20質量%水溶液9.7gと3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド150gとの混合物を4つ口フラスコ内に投入した。投入後50℃まで昇温し、10時間撹拌した。次に36質量%塩酸水溶液で反応液のpHを7に調製した後、25℃まで冷却した。更に36質量%塩酸水溶液2.3gを加えた後、40℃まで昇温し、反応液の粘度が50〜100mPa・sになるまで撹拌した。次いで5質量%苛性ソーダ水溶液で反応液のpHを5.0に調整した。この反応物をイソプロピルアルコール/水(質量比50/50)で2回洗浄し、乾燥させカチオン化澱粉[以下(b−1)成分という]を得た。(b−1)成分を標準プルランを標準物質として用い、GPCにて分子量を測定したところ、重量平均分子量は97.2万であった。また、N質量%は0.67質量%であった。
前記調製例1〜12及び比較調製例1〜5で得られた、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び水を含有する仕上げ剤原液をベースに、表3〜4に示す配合量にしたがって衣料用仕上げ剤組成物を調製した。表3〜4の各組成物は、合計で100質量%となる。得られた組成物について、後述の評価方法に沿って、毛羽立ち及び毛玉抑制効果、希釈分散性を評価した。結果を表3〜4に示す。
(a−1)〜(a−12):上記調製例1〜12で得られたポリマー
(a'−1)〜(a'−5):上記比較調製例1〜5で得られたポリマー
<(B)成分>
(b−1):上記合成例Bで得られたカチオン化澱粉
(N質量%は0.67質量%、重量平均分子量97.2万)
(c1−1):炭素数12の直鎖第1級アルコールにEOを平均12モル付加させた非イオン性界面活性剤
(c1−2):炭素数12の直鎖第1級アルコールにEOを平均9モル付加させた非イオン性界面活性剤
(c1−3):炭素数12〜14の第2級アルコールにEOを平均7モル付加させた非イオン性界面活性剤
(c2−1):炭素数12の直鎖第1級アルコールにEOを平均47モル付加させた非イオン性界面活性剤
(d−1):ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド
(e−1):プロピレングリコール
300mLビーカーに衣料用仕上げ剤組成物の全量が200gになる量のイオン交換水(温度:25℃)を入れた。このビーカーに(D)成分を投入して均一に溶解させた後10分間撹拌した。さらに2cmの羽根が3枚ついたタービン型の撹拌羽根で撹拌(300rpm)しながら上記合成例にて得られた仕上げ剤原液((A)成分と(B)成分と(C)成分)を投入して10分間撹拌した。更に(E)成分と香料を投入して10分間撹拌した。
<試験布の準備>
T/Cニット布(ポリエステル65質量%、綿35質量%、エアーフライスF401−F11、茶色、マスダ株式会社製)2kgを市販の液体洗剤(花王(株)のアタックバイオジェル(登録商標)、2012年製)を用いて全自動洗濯機(日立アプライアンス(株)、NW−7FT)で5回繰り返し洗濯した(洗剤濃度0.083質量%、水道水(20℃)40L使用、標準コース、洗濯9分−すすぎ2回−脱水6分、浴比1/20)。
洗濯したT/Cニット布を25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させて10×10cm角に裁断し、試験布(X1)とした。
次いで、500mlガラスビーカーに水道水(炭酸塩アルカリ度:37mg/lCaCO3)300g、及び表3〜4に示す実施例1〜12、比較例1〜6の衣料用仕上げ剤組成物0.30gをそれぞれ加えてマグネットスターラーと回転子(クロスヘッド回転子ダブル、型番001.1140、高さ14mm、直径40mm、アズワン製)を使用して10分間撹拌した(回転速度400rpm)。撹拌後、この溶液に試験布(X1)を4枚(10g)入れ、5分間撹拌した(回転速度400rpm)。その後、二層式洗濯機(TOSHIBA VH−52G(H))を用い、試験布(X1)を脱水槽の内壁に貼りつけ2分間脱水し、25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させ、これを試験布(X2)とした。
表3〜4に示す実施例1〜12、比較例1〜6の衣料用仕上げ剤組成物で処理した各試験布(X2)をアピアランス・リテンションテスター((株)大栄科学精器製作所製、型番「ARP−1」)を用いて荷重3.2Nにて2回転摩擦した。
摩擦した各試験布(X2)の毛羽立ちレベルを以下の基準サンプル1〜4と比較して下記判定基準にて得点をつけて平均点を求めることにより評価した。なお、評価は布帛の外観の評価に5年以上従事した判定者10人(30歳代)により行った。
毛羽立ち抑制効果としては3.5以下が合格であり、好ましくは3.0以下、より好ましくは3.0未満である。
基準サンプル2:試験布(X1)(評価点:2.0)
基準サンプル3:実施例2の衣料用仕上げ剤組成物0.2gで処理した試験布
(X2)(評価点:3.5)
基準サンプル4:比較例1の試験布(X2)(評価点:5.0)
0 :基準サンプル1の試験布と同等の外観で、毛羽も毛玉もない。
1.0:基準サンプル1と2の試験布の中間の外観で、極わずかに毛羽立ちが
あるが、毛玉はない。
2.0:基準サンプル2の試験布と同等の外観で、僅かに毛羽立ちがあるが、
毛玉はない。
2.5:基準サンプル2と3の試験布の間の外観であるが、どちらかというと
基準サンプル2の外観に近く、基準サンプル2よりも毛羽立ちは多い
が、毛玉はない。
3.0:基準サンプル2と3の試験布の間の外観であるが、どちらかというと
基準サンプル3の外観に近く、毛羽立ちがあるが、毛玉はない。
3.5:基準サンプル3の試験布と同等の外観で、毛羽立ちはあるが、毛玉は
ない。
4.0:基準サンプル3と4の試験布の間の外観であるが、どちらかというと
基準サンプル3の外観に近く、毛羽立ちがあり、やや毛玉がある。
4.5:基準サンプル3と4の試験布の外観の間であるが、どちらかというと
基準サンプル4の外観に近く、毛羽立ちがあり、毛玉がある。
5.0:基準サンプル4の試験布と同等の外観で、毛羽立ちも毛玉もある。
準備として、表3〜4に示す衣料用仕上げ剤組成物5gを5mLのプラカップ(ポリプロピレン製、ネオミニカップ、(株)マルエム)に入れたもの(以下、「サンプルカップ」と記載する。)と、200mLプラカップ(ポリプロピレン製、サンプラカップ、(株)サンプラテック)の底部分に直径5mmの穴を4箇所開けたもの(以下、穴あきカップと記載する)を用意した。
希釈分散性としては、凝集物量0.3%以下が合格であり、好ましくは0.2%以下である。
T/Cニット布(ポリエステル65質量%、綿35質量%、エアーフライスF401−F7、黒色、マスダ株式会社製)を幅45cmの筒状のまま長さ60cmに裁断し、試験布(Y1)とした。
全自動洗濯機(TOSHIBA、AW−70DE)に試験布(Y1)を7枚(約1kg)を入れ、柔軟仕上剤の投入口に表3〜4に示す衣料用仕上げ剤組成物を28g投入した後、市販の液体洗剤(花王(株)のエマール(登録商標)、2012年製)を用いて洗濯した(洗剤濃度0.13質量%、水道水(20℃)28L使用、ドライコース、洗濯6分−すすぎ2回−脱水6分、浴比1/30)。洗濯した試験布(Y1)を25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させ、試験布(Y2)とした。
乾燥した試験布(Y2)の表面を観察し、白色の凝集物の付着状態を評価した。洗濯機での希釈分散性は、白色の凝集物が付着した試験布(Y2)の枚数で表し、1枚以下が合格であり、0枚が最も優れている。
Claims (6)
- 炭素数1以上、16以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(a1)由来の構成単位を70質量%以上、100質量%以下含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満であるポリマー(A)、カチオン化澱粉(B)、非イオン性界面活性剤(C)、及び水を含有し、(C)成分が、炭素数8以上、16以下の炭化水素基を少なくとも1つ有し、オキシアルキレン基を平均3モル以上、15モル以下付加したポリオキシアルキレン付加型非イオン性界面活性剤(c1)を含有し、(A)成分100質量部に対する(c1)成分の含有量が5.5質量部以上、15質量部以下である衣料用仕上げ剤組成物の製造方法であって、下記工程I及び工程IIを有する衣料用仕上げ剤組成物の製造方法。
工程I:水系溶媒に対してカチオン化澱粉(B)と非イオン性界面活性剤(C)とを添加して溶液を調製する工程
工程II:工程Iで得られた溶液に対して(A)成分を構成するモノマー及び重合開始剤を添加して乳化重合を行う工程であって、前記溶液のpHを5.5以上、8.5以下に調整して乳化重合を行う工程 - 工程IIにおいて、工程Iで得られた溶液に対して前記重合開始剤を添加する前に、前記溶液のpHを5.5以上、8.5以下に調整する、請求項1に記載の衣料用仕上げ剤組成物の製造方法。
- 衣料用仕上げ剤組成物が、更に、炭素数8以上、18以下の炭化水素基を有する陽イオン性界面活性剤(D)を含有する、請求項1又は2に記載の衣料用仕上げ剤組成物の製造方法。
- 衣料用仕上げ剤組成物中の前記(A)成分100質量部に対する前記(B)成分の量が、2質量部以上、50質量部以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の衣料用仕上げ剤組成物の製造方法。
- 下記工程1〜工程4を有する衣料の処理方法。
工程1:請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られた衣料用仕上げ剤組成物を洗濯機の仕上げ剤保持部に保持させる工程。
工程2:前記衣料用仕上げ剤組成物を保持する仕上げ剤保持部に対して、炭酸塩アルカリ度が10度以上、60度以下である水を投入し、前記衣料用仕上げ剤組成物と水とを接触させる工程。
工程3:工程2の後、仕上げ剤保持部内の前記衣料用仕上げ剤組成物を洗濯槽内に投入する工程。
工程4:洗濯槽内の水浴中において、衣料用仕上げ剤組成物と衣料とを接触させる工程。 - 前記衣料がニット衣料である、請求項5に記載の衣料の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013241851A JP6204802B2 (ja) | 2013-11-22 | 2013-11-22 | 衣料用仕上げ剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013241851A JP6204802B2 (ja) | 2013-11-22 | 2013-11-22 | 衣料用仕上げ剤組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015101801A JP2015101801A (ja) | 2015-06-04 |
JP6204802B2 true JP6204802B2 (ja) | 2017-09-27 |
Family
ID=53377761
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013241851A Active JP6204802B2 (ja) | 2013-11-22 | 2013-11-22 | 衣料用仕上げ剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6204802B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5691075A (en) * | 1979-12-26 | 1981-07-23 | Kao Corp | Size composition |
JPH0784704B2 (ja) * | 1990-03-08 | 1995-09-13 | 花王株式会社 | 糊料組成物 |
JP3032481B2 (ja) * | 1996-12-27 | 2000-04-17 | 花王株式会社 | 衣料用仕上剤組成物および衣料の処理方法 |
JP6154129B2 (ja) * | 2011-12-28 | 2017-06-28 | 花王株式会社 | 衣料用仕上げ剤組成物 |
-
2013
- 2013-11-22 JP JP2013241851A patent/JP6204802B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015101801A (ja) | 2015-06-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6154129B2 (ja) | 衣料用仕上げ剤組成物 | |
WO2008041775A1 (en) | Treatment composition for textile products | |
AU2019345048B2 (en) | Home care compositions | |
KR19990029799A (ko) | 교차결합가능한 직물보호 조성물 | |
JP6154134B2 (ja) | 衣料用仕上げ剤組成物 | |
JP6204802B2 (ja) | 衣料用仕上げ剤組成物 | |
JP3032481B2 (ja) | 衣料用仕上剤組成物および衣料の処理方法 | |
JP2013151776A (ja) | 衣料用仕上げ剤組成物 | |
JP6159248B2 (ja) | 衣料用仕上げ剤組成物及び衣料の処理方法 | |
JP6159247B2 (ja) | 衣料用仕上げ剤組成物及び衣料の処理方法 | |
JP6027884B2 (ja) | 衣料用仕上げ剤組成物 | |
JP4368760B2 (ja) | 繊維製品処理剤組成物 | |
US2845689A (en) | Warp size containing dicyandiamide and a polyacrylate salt | |
JP6725103B2 (ja) | 衣料用仕上げ剤組成物 | |
CN102382268B (zh) | 一种高效渗透附膜剂及其制备方法和应用 | |
JP6779578B2 (ja) | 衣料用仕上げ剤組成物 | |
JP2014129626A (ja) | 衣料用仕上げ剤組成物 | |
JPH10183472A (ja) | 衣料用仕上げ剤組成物及び衣料の処理方法 | |
JP7254424B2 (ja) | 衣料用仕上げ剤組成物 | |
US6369023B1 (en) | Use of polyether hydroxycarboxylate copolymers in textile manufacturing and treating processes | |
JP2003105319A (ja) | 吸水撥油性防汚加工剤、該防汚加工剤で処理された繊維又は繊維製品及びその製造方法並びにスプレー容器 | |
JP7432436B2 (ja) | 繊維処理剤 | |
JPS63145482A (ja) | 衣料用仕上剤組成物 | |
JP2001295179A (ja) | 繊維製品処理剤 | |
CN106572962A (zh) | 快速崩解非织造粘结剂 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160914 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170526 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170606 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170706 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170815 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170901 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6204802 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |